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エージング処理を施した一般廃棄物焼却主灰の地盤材料特性

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Academic year: 2022

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(1)III‑068. 土木学会西部支部研究発表会 (2015.3). エージング処理を施した一般廃棄物焼却主灰の地盤材料特性. 1.はじめに. 福岡大学工学部. 学生会員. 山口和貴. 宮田省吾. 平川裕也. 福岡大学工学部. 正会員. 佐藤研一. 藤川拓朗. 古賀千佳嗣. (独)国立環境研究所. 正会員. 肴倉宏史. 現在、日本における一般廃棄物のほとんどが焼却処理され最. 自然降雨. 終処分場に埋立処理されている。最終処分場の新設が困難な状況の中、国. CO2. 覆土 (数cm). 土面積の狭い日本では最終処分場の延命化が肝要となっている。一般廃棄. 盛土高 (94cm). 焼却主灰 (湿潤状態). 物焼却残渣の約 75~90%を占める焼却主灰の有効利用は、欧州をはじめ各. 処分場. 国で行われている 1) 。しかし、灰中に重金属等の有害物質を含んでいるた. 図-1. エージング不溶化処理方法. め、有姿の状態で利用することは困難であり、重金属の不溶化処理を行う必要がある。この状況の中 a 市で は、焼却主灰の有効利用を念頭に置き最終処分場内に図-1 に示すようなエージングヤードにおいて降雨と大 気中の二酸化炭素を利用して不溶化させる検討を行っている. 2). 。そこで本研究ではエージングヤード内で不. 溶化させた焼却主灰の地盤材料特性について、特に本報告ではエージング日数が力学特性に及ぼす影響につ いて報告する。 2. 実験概要 2.1 実験試料. 表-1. 焼却主灰は、a 市のリサイクルセンターで 2014 年 9 月に採取. 構成物質 (%). した焼却主灰にエージング処理を 0 日、30 日、90 日(以下、焼却主灰 a-Age0,. 物理組成. 焼却主灰a. 焼却主灰b. 89.0 6.8 1.8 1.4 1.0. 88.0 8.5 1.2 0.8 1.5. Age30, Age90)施したものを用いた。エージング処理方法は図-1 に示すよう に約 1m 程度で焼却主灰を巻き出し、飛散防止のため数 cm ほど覆土するもの. 写真. である。この重金属の不溶化手法は、自然降雨により焼却灰を洗浄すること と炭酸ガスによって炭酸金属化して不溶化を図るものである。また比較のた めに b 市のリサイクルセンターで 2013 年 5 月に採取した一般廃棄物焼却主灰 (以下、焼却主灰 b)を用いた。表-1 に物理組成、表-2 に物理特性、図-3 表-2. に粒径加積曲線を示している。焼却主灰 はいずれも灰分が約 90%を占め、焼却主. 試料. 灰の粒子密度は 2.6(g/cm3 )程度であり、ま さ土よりも小さい値を示している。また、 焼却主灰 a はいずれのエージング日数に 関係なくほぼ同じ粒度分布を示し、比較. 粒子密度 ρs (g/cm3). 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90 焼却主灰b まさ土. 2.608 2.594 2.575 2.581 2.720. 122.9 85.7 143.8 69.6 84.3. 0.005. 本検討では、路. 盤材や盛土材等への利用を主眼におき、エージング処理を 施した焼却主灰の材料特性を調べるために修正 CBR 試験 (JISA 1211)と定圧一面せん断試験を行った。実験条件を表 -3 に示す。定圧一面せん断試験においては A-b 法で最適含. 0.075. 80. 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30. 60. 焼却主灰a-Age90 焼却主灰b まさ土. 0.250 0.850 2. A-b法 1.361 1.379 1.410 1.370 -. 4.75. E-b法 19.6 19.8 20.3 14.9 15.3. A-b法 29.3 29.8 27.7 29.2 -. 19. 75. 細砂 中砂 粗砂 細礫 中礫. 粗礫. 焼却主灰b. 20 0 0.001. 0.01. 0.1. 1. 10. 100. 粒径(mm). 図-2 表-3. 20cm、高さ 7cm の不飽和状態の供試体を作製した。中型一. 試料. ‑387‑. ρdmax (g/cm ) E-b法 1.481 1.523 1.521 1.501 1.819. 40. なる様に 2.5kg ランマーで突き固め、密度調整を行い直径. れ 50kN, 30kN まで測定可能である。また載荷圧力 σ v =50kPa,. 最適含水比 (13mm以下) wopt (%). 3. 22.0 16.0 18.9 21.6 17.4. シルト. 水比及び最大乾燥密度を求め、締固め度(D c)が 90%, 95%に. 面せん断装置の最大せん断荷重及び最大垂直荷重はそれぞ. 最大乾燥密度 (13mm以下). 100. 通過質量百分率(%). 2.2 地盤材料としての有効利用法の検討. 9.2 6.4 10.5 21.2 5.8. 粘土. 発生時期や地域の違いが物理特性に現れているものと考え られる。. 物理特性. 均等係数 曲率係数 細粒分含有率 Uc Fc(%) Uc'. 的粒径の幅が広い試料で細粒分含有率が 16~22%である。 焼却主灰 b は焼却主灰 a と比較すると礫分の割合が多く、. 灰分 鉄含有物 ガラス類 陶器類 非鉄含有物. 粒径加積曲線. 実験条件(定圧一面せん断試験) 供試体作製方法. 焼却主灰a-Age0 焼却主灰a-Age30 焼却主灰a-Age90. 最適含水比 締固め度 載荷圧力 wopt (%) Dc(%) (kPa) 29.3. 2.5kgランマー法. 29.8 27.7. 90 95. 50 100 150.

(2) III‑068. 土木学会西部支部研究発表会 (2015.3). 100kPa, 150kPa、せん断速度は 0.3mm/min とした。. 焼却主灰a-Age0. 焼却主灰a-Age90. 焼却主灰a-Age30. 3.地盤材料特性. 焼却主灰b. 1.7 乾燥密度-含水比. 図-3 に修正 CBR 試験結果、表. 乾燥密度ρ d (g/cm3). 3.1 路盤材としての適用性. -4 に修正 CBR 値を示す。焼却主灰の 95%修正 CBR 値はエ ージング日数に関わらず、いずれも 80%以上であり日本道 路協会で規定されている上層路盤の品質基準を満足してい. 乾燥密度-CBR値. 1.6 1.5 1.4 1.3. る 3)。今回 90 日までの焼却主灰においてエージング日数の 1.2. 違いは修正 CBR 特性に影響を及ぼさず、上・下層路盤材と. 0. 10. して十分に有効利用可能な強度を有する材料であることが. 20 含水比(%). 図-3. 30. 40. 50. 表-4 試料. 100, 150kPa における定圧一面せん断試験結果を示す。焼却主灰のせん断特 性は、いずれの載荷圧力においてもエージング日数によらず、せん断応力. -6. 200. -4. -4. 200. -4. 100. -2. 100. -2. 100. -2. 0 2 ●. Dc=95%. 断変位は載荷圧 力増加に伴って. 焼却主灰a. 0. 5. 大きくなってい. Age0 ▲ Age30 ■ Age90. 10 15 20 せん断変位 (mm). 0. 0 2 ●. Dc=95%. 4. 焼却主灰a. 6 25. 0. 5. 10 15 20 せん断変位 (mm). 図-4. れる。一方、体積変化はいずれの載荷圧力にお. Dc=95% 焼却主灰a. 6 25. 0. 5. 10 15 20 せん断変位 (mm). 4 6 25. (c) 150kPa. 150. Age0 Age30 Age90. 100 まさ土 c = 22.7kPa. 50. いてもエージング日数によらず、正のダイレタ ンシーを示している。しかし載荷圧力の増加に. Age0 ▲ Age30 ■ Age90. 80 焼却主灰a. 粘着力c (kPa). 子同士が固結化したことによるものだと考えら. 0. 伴って収縮傾向に移行していることがわかる。. 90 95 締固め度Dc(%). 焼却主灰a. 60. 40. まさ土 φ = 46.7°. 20. 0. Age0 Age30 Age90. 90 95 締固め度Dc(%). (a)粘着力 (b)せん断抵抗角 図-5 一面せん断より得られた強度定数. これは、載荷圧力の増加に伴って灰粒子の破砕 4). 2 ●. 4. 200. と共にピーク強度が増加している。これはエー ジングに伴って焼却主灰の自硬性が生じ、灰粒. 0. 定圧一面せん断試験結果(D c=95%). また、σ v= 50, 100kPa ではエージング日数の経過. が生じていることが原因. 0. (b) 100kPa. (a) 50kPa. ることもわかる。. Age0 ▲ Age30 ■ Age90. せん断抵抗角φ (°). せん断応力τ (kPa). 0. せん断応力τ (kPa). 300. 200. せん断応力τ (kPa). -6. 垂直変位⊿H (mm). を示す際のせん. 300. 垂直変位⊿H (mm). このピーク強度. -6. 300. 垂直変位⊿H (mm). が分かる。また、. 修正 CBR 値. 修正CBR値 締固め度90% 締固め度95% 焼却主灰a-Age0 69 93 焼却主灰a-Age30 63 90 焼却主灰a-Age90 55 84 焼却主灰b 62 118. 3.2 土工材料としての適用性 図-4(a)~(c)に Dc =95%の各載荷圧力 σ v=50,. 強度を示すこと. 200. 修正 CBR 試験結果. 示された。. は明確なピーク. 100 150 CBR(%). と考えられる。図-5(a)、(b)に強度定数を示す。エージング日数によらず締固め. 度増加に伴い、せん断抵抗角及び粘着力は増加する結果となった。そのため締固めることで強度増加が望め、 一般的な土質材料であるまさ土と比較してもそれ以上の強度定数を示すことが明らかとなった。今回のせん 断試験の結果、強度定数からみるとエージング処理焼却主灰はエージング日数の影響を受けず、十分な強度 特性を有しており、土工材料として有効利用できることが示唆された。しかしながら、著者 ら. 5). の先行研究. により焼却主灰の材料特性は、発生時期・地域の影響、粒子破砕、自硬性の影響を受けることが知られてい る。そのため、今後エージング処理の日数の経過に伴う焼却主灰におけるデータの蓄積が必要不可欠である。 4.まとめ. 1)エージング処理焼却主灰は、上・下層路盤材として有効利用ができることが示唆された。2)エ. ージング処理焼却主灰は、エージング日数の経過がせん断特性に影響を及ぼす。また、締固めることで土工 材料として十分な強度定数が望むことができ、有効利用の可能性が示された。 【参考文献】1)都市ごみ処理における焼却処理と埋立処分のインターフェイス(それぞれの役割)を考える, 第 14 回廃棄 物学会研究発表会, 小集会発表資料, 2003. 2)盛岡ら:「エージングによる一般廃棄物焼却灰の無害化」 ,鳥取県衛生環境 研究所報,第 53 号, pp10-14, 2012 3)地盤工学会:地盤材料試験の方法と解説,p402,2009 4)大寺ら:一般廃棄物焼却灰の 粒子形状と生成過程に関する-考察, 環境工学研究論文集, 第 40 巻, pp.473-479, 2003. 5)隈本ら:解砕処理焼却灰の地盤材 料としての適用性の検討, 平成 24 年度土木学会西部支部研究発表会, pp453-454, 2010.. ‑388‑.

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