1
はじめに
近年,一般廃棄物最終処分場で発生する浸出水の塩類 濃度が上昇している。原因は埋立物中の焼却灰の比率が 高まったこと,また,燃焼ガス中の塩化水素等酸性ガス 除去工程で生成する塩化カルシウム等のフィルター捕集 の脱塩残渣が埋立てられるためといわれている。宮城県 においても公共用水域への浸出水放流の同意が得られず, やむなく,下水道に接続している施設や,処理水を焼却 炉の冷却水として再利用して浸出水の塩類濃度が急激に 増加し,施設管理に支障を生じている施設もある。浸出 水の塩類濃度上昇の主要因である,各種焼却灰の塩類濃 度を調査した事例1) は少なく,本研究では,一般廃棄物 最終処分場の浸出水発生模擬実験と,焼却施設内の塩類 発生プロセスを調査し,適正な維持管理及び処分方法, さらに資源化利用等の資料とするため,一般廃棄物焼却 施設の実態調査を行ったので報告する。2
方
法
2.1 焼却灰の浸出水発生模擬実験 ガラスカラムに焼却灰を詰め,蒸留水を上部より散水 し,焼却灰からの浸出水発生状況と水質を調べた。また, 調査後,安定化(塩化物イオン濃度100mg/l以下)する まで洗い出し実験を継続して行った。 2.1.1 実験条件 実験条件を表1に示す。また,図1に実験装置概要を 示す。 宮城県保健環境センター年報 第24号 2006 -79-一般廃棄物最終処分場浸出水及び一般廃棄物焼却灰の塩類調査
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一般廃棄物最終処分場の浸出水発生模擬実験を行うとともに,一般廃棄物焼却炉の調査を行い,主灰と固化処理後 の飛灰の溶出試験と金属類含有量試験を行った。その結果,最終処分場浸出水の塩類濃度が経年的に上昇することを 確認し,塩化物イオンを指標とした安定化では,10年以上要することを模擬実験で明らかにした。また,溶出試験の 塩化物イオンは,ストーカ炉では約90%,流動床炉では約100%が飛灰に存在したが,最終処分場の処理水を炉の冷 却水に再利用している焼却施設では主灰中に50%を越えて存在していた。溶出試験の結果,主灰,飛灰からナトリウ ム等9元素を検出した。銅については,ガス化溶融炉を除き,いずれの施設も主灰からの溶出の方が多かった。含有 量試験の結果,殆どの元素は飛灰の方が高かったが,鉄,マンガン,銅については主灰が高かった。処理水の再利用 施設ではナトリウム,カリウムは塩化物イオンと同様に主灰に濃縮していた。ガス化溶融炉では殆どの有害金属は活 性炭捕集飛灰に存在した。 キーワード:一般廃棄物;焼却灰;塩類;最終処分場;浸出水
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図1 浸出水模擬実験装置概要 2.1.2 測定項目 塩化物イオン,硫酸イオン 2.2 焼却灰の発生状況調査及び溶出試験並びに金属 類含有量試験 県内の7施設の一般廃棄物焼却炉から発生する焼却灰 の発生状況について聞き取り調査を行うとともに,焼却 灰の溶出試験と金属類含有量試験を行った。焼却灰のう ち飛灰は,いずれも.埋立直前のキレート等処理後の形 態で採取した。なお,主灰は0.5mm未満に粉砕し,飛 灰は有姿のまま試料とした。溶出試験は昭和48年環境庁 告示第13号(有害物質溶出試験,固液比(S/L)1/10, pH5.8~6.3に調製したミリQ水を添加,6時間振とう溶 出,孔径1μmガラス繊維ろ過法)で行った。また,塩 化物イオン及び硫酸イオンの溶出量については溶出試験 の検液を測定することにより調べた。なお,十分に溶出 したかどうかを確認するため,固液比(S/L)1/100に ついても調べた。金属類の含有量試験は平成15年環境省 告 示 第19号(土 壌 含 有 量 試 験,S/L=3/100,1モル 塩酸,2時間振とう抽出,孔径0.45μmメンブランろ過 法)で行った。 2.2.1 測定項目 塩化物イオン,硫酸イオン,カルシウム,マグネシウ ム,ナトリウム,カリウム,鉄,マンガン,銅,亜鉛, クロム,六価クロム,カドミウム,鉛,砒素,セレン, 総水銀,pH 2.2.2 測定方法 陰イオン:イオンクロマトグラフ法 金属類:原子吸光光度法(フレーム法,フレームレス 法,水素化物発生法),還元気化原子吸光法
3
結果と考察
3.1 浸出水発生模擬実験結果 焼却灰の浸出水発生模擬実験結果を図2に示す。塩化 物イオンの1回目の最大濃度は1本目で52,000mg/l, 2回 目 は2本 目 で39,000mg/l,3回 目 は2本 目 で 48,000mg/l,4回目は3本目で45,000mg/lであった。 ま た,塩 化 物 イ オ ン の 流 出 量 は1回 目13.5g,2回目 12.5g,3回目13.1g,4回目13.8gとほぼ一定していた。 回を追う毎に流出速度が遅くなったが流出量はあまり変 わらなかった。このことから,浸出水の塩類濃度は経年 的に上昇することを確認した。しかし,徐々に水頭圧が 減少するため浸出パターンに変化が見られた。また,年 間降雨量相当量を流した場合,全流出水の平均濃度は約 18,000mg/lと高濃度になることが判った。 また,浸出水発生状況調査後,安定化するまで洗い出 し実験(5~11回目)を行った。その結果を図3に示す。 11回目の浸出水発生実験で採取した検体の塩化物イオン 濃度が100mg/l以下となったことから,焼却灰だけを埋 め立てた場合ではあるが,洗い出し水量からだけ推定す ると,埋め立て終了直後から安定化するまでには7年間 以上を要することになる。降水の浸出水流出率は蒸散な どにより多くても70%程度と推定されることから,実際 の処分場が安定化するまでには10年以上を要するものと 考えられる。 図2 流出水塩化物イオン濃度の変化 図3 塩化物イオン濃度の減少状況 3.2 焼却灰の発生状況調査結果 調査対象焼却炉の焼却灰の発生状況を表2,図4,図 5に示した。 -80- ⚻ㆊᤨ㑆㧔ಽ㧕 Ớ ᐲ 㧔 㨙 㨓 㨘 㧕 㧝 㧝࿁࿁⋡⋡ 㧞 㧞࿁࿁⋡⋡ 㧟 㧟࿁࿁⋡⋡ 㧠 㧠࿁࿁⋡⋡ ᵹ᳓㊂㧔㨙㨘㧕 Ớ ᐲ 㧔 㨙 㨓 㧛 㨘 㧕 䉫䊤䉴䉡䊷䊦 䋴࿁⋡ 㩿㪈㪋㪊㪾㪀 䋳࿁⋡ 㩿㪈㪋㪊㪾㪀 䋲࿁⋡ 㩿㪈㪋㪊㪾㪀 䋱࿁⋡ 㩿㪈㪋㪊㪾㪀 䉫䊤䉴䉡䊷䊦 ቯᵹ㊂䉮䊮䊃䊨䊷䊤䊷 䊚䊥䌑᳓ 䉧䊤䉴䉦䊤䊛 䋺ญᓘ䋲䋷䌭䌭㬍㐳䈘䋱䋲䋰䋰䌭䌭 ㅢ᳓ㅦᐲ 䋺 㪉䌭䌬㪆㫄㫀㫅䋨㒠㔎㪉㪈㫄㫄㪆ᤨ⋧ᒰ䋩 䊘䊥ኈེ表2 調査施設の諸元 図4 収集人口一人当たりの年間焼却灰発生量 図5 消石灰と活性炭噴霧量 表3 焼却灰の溶出試験 ストーカ炉5施設,流動床炉1施設,流動床式ガス化 溶融炉1施設,合計7施設を調査した。主灰の割合はス トーカ炉が平均71.3%で,流動床炉が36.4%であった。 一人当たりの焼却灰発生量(kg/人・年)はストーカ炉 (平均主灰32kg/人・年,平均飛灰13kg/人・年),流 動床炉,ガス化溶融炉の順に減少した。排ガス処理につ いては,焼却物中のプラスチックの減量化を図り,石灰 (消石灰)・活性炭を噴霧していない施設①ではストー カ炉のうちで最も灰の発生量が少なく,処理水を冷却水 に再利用している施設⑤では飛灰の発生量が比較的少な めであった。また,図5に示すとおり,石灰と活性炭の 使用量に施設間のバラツキが見られた。流動床炉⑥⑦の 主灰はすべて陶器等のガレキ類であり,外観上は破砕等 で路盤材等に有効利用が可能なものと考えられた。 3.3 溶出試験結果 3.3.1 陰イオン 溶出試験によりAストーカ炉焼却灰(主灰,飛灰キ レート混合物)とB流動床炉焼却灰(飛灰キレート)の 塩化物イオン及び硫酸イオンの溶出量を調べた。同様に, 処理水を冷却水に再利用している施設のCストーカ炉か ら発生する主灰及び飛灰キレートについても,それぞれ 溶出試験により,塩化物イオン及び硫酸イオンの溶出量 を調べた。その結果を表3,表4に示す。塩化物イオン については,10倍比,100倍比は良く一致しており,10 倍比の溶出試験条件で,ほぼ完全に溶解しているものと 考えた。Cストーカ炉の飛灰の塩素組成は重量比で約 20%の高濃度を示し,主灰では約1%程度であった。C ストーカ炉の2年合計の主灰量(126トン)及び飛灰キ レート処理物量(50トン)から算出した結果,流出する 塩化物イオンの約90%が飛灰由来であることが判明した。 表4 焼却灰の塩化物イオン含有量 表5 焼却灰の塩化物イオン・硫酸イオン溶出量 宮城県保健環境センター年報 第24号 2006 -81- Ԙ ԙ Ԛ ԛ Ԝ ԝ Ԟ ළἹဳ ࠬ࠻ࠞἹ ࠬ࠻ࠞἹ ࠬ࠻ࠞἹ ࠬ࠻ࠞἹ ࠬ࠻ࠞἹ ᵹേᐥἹ ᵹേᐥᑼࠟࠬ ൻṁⲢἹ ߫ߓࠎಣℂᣉ⸳ 㔚᳇㓸Ⴒᯏ ࡃࠣࡈࠖ࡞ ࠲ ࡃࠣࡈࠖ࡞ ࠲ ࡃࠣࡈࠖ࡞ ࠲ ࡃࠣࡈࠖ࡞ ࠲ ࡃࠣࡈࠖ࡞ ࠲ 㧞Ბࡃࠣࡈࠖ ࡞࠲ ਥἯ⊒↢㊂㧔࠻ࡦᐕ㧕 㘧Ἧ⊒↢㊂㧔࠻ࡦᐕ㧕 ࠬࠣ⊒↢㊂㧔࠻ࡦᐕ㧕 ৻ੱᒰߚࠅਥἯ⊒↢㊂ 㧔㨗㨓ੱᐕ㧕 ৻ੱᒰߚࠅ㘧Ἧ⊒↢㊂ 㧔㨗㨓ੱᐕ㧕 ឃࠟࠬಣℂᵴᕈᛩ㊂ 㧔࠻ࡦ㧕 ឃࠟࠬಣℂ⍹Ἧᛩ㊂ 㧔࠻ࡦ㧕 㘧Ἧ࿕ൻ ࠠ࠻ ࡔࡦ࠻ ࠠ࠻ ࠠ࠻ ࠠ࠻ ࠠ࠻ ࠠ࠻ ࡔࡦ࠻૬↪ ᵈ㧕 ԝԞߩਥἯߪࠟࠠ㘃ޔԞߩ㘧Ἧߪᵴᕈ㓸㘧Ἧߣ⍹Ἧ⣕Ⴎᱷᷲߩว⸘ߒߚ୯ 㪏 Ԙ ԙ Ԛ ԛ Ԝ ԝ Ԟ ᣉ⸳ฬ ළ Ἧ ⊒ ↢ ㊂ 㧔 㨗 㨓 ੱ ᐕ 㧕 ࠬࠣ 㘧Ἧ㧗⣕Ⴎᱷᷲ ਥἯ ԝԞߩਥἯ ߪࠟࠠ㘃 㘧 Ἧ ߦ භ ࠆ ഀ ว 㧔 㧑 㧕 ᵴᕈ ᶖ⍹Ἧ ᵴᕈ ᶖ⍹Ἧ Ԙ ԙ Ԛ ԛ Ԝ ԝ Ԟ 䋨䌭䌧䋯䌬䋩 䌃䌬 䌓䌏㪋 䌎䌡 䌋 䌃䌡 䌍䌧 䌁䉴䊃䊷䉦ἹළἯ䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇䋩 㪏㪃㪏㪇㪇 㪈㪇㪇 㪊㪃㪈㪇㪇 㪈㪃㪏㪇㪇 㪈㪃㪌㪇㪇 㪇 䌂ᵹേᐥἹළἯ䋨㪪㪆 㪣㪔㪈㪆㪈㪇䋩 㪐㪃㪇㪇㪇 㪋㪎 㪉㪃㪉㪇㪇 㪈㪃㪍㪇㪇 㪈㪃㪍㪇㪇 㪇 䌃䉴䊃䊷䉦ἹਥἯ䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇䋩 㪐㪉㪇 㪌 㪌㪎㪇 㪉㪌㪇 㪈㪌㪇 㪇 䌃䉴䊃䊷䉦Ἱ㘧Ἧ䉨䊧䊷䊃䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇䋩 㪉㪈㪃㪇㪇㪇 㪏㪊㪇 㪍㪃㪊㪇㪇 㪊㪃㪎㪇㪇 㪊㪃㪋㪇㪇 㪇 䌁䉴䊃䊷䉦ἹළἯ䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇㪇䋩 㪏㪐㪇 㪈㪉 䋭 䋭 䋭 䋭 䌂ᵹേᐥἹළἯ䋨㪪㪆 㪣㪔㪈㪆㪈㪇㪇䋩 㪐㪊㪇 㪌㪇 䋭 䋭 䋭 䋭 䌃䉴䊃䊷䉦ἹਥἯ䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇㪇䋩 㪏㪇 㪐 䋭 䋭 䋭 䋭 䌃䉴䊃䊷䉦Ἱ㘧Ἧ䉨䊧䊷䊃䋨㪪㪆㪣㪔㪈㪆㪈㪇㪇䋩 㪉㪃㪇㪇㪇 㪎㪈 䋭 䋭 䋭 䋭 㶎ⅣႺ⋭๔␜╙䋱䋳ภ䈮䉋䉎ṁ⹜㛎䈫ห᭽䈮ታᣉ䋨䌓㪆䌌㪔࿕ᶧᲧ㪀 䋨䋦䋩 䌁䉴䊃䊷䉦ἹළἯ 䌂ᵹേᐥἹළἯ 䌃䉴䊃䊷䉦ἹਥἯ 䌃䉴䊃䊷䉦Ἱ㘧Ἧ䉨䊧䊷䊃 㶎ⅣႺ⋭๔␜╙㪈㪊ภ䈮䉋䉎ṁ⹜㛎䈫ห᭽䈮ታᣉ䋨䌓㪆䌌㪔࿕ᶧᲧ㪀 䌓䋯䌌䋽䋱䋯㪈㪇㪇 䌓䋯䌌䋽䋱䋯㪈㪇 㪏㪅㪐 㪏㪅㪏 㪉㪇 㪉㪈 㪐㪅㪊 㪐㪅㪇 㪇㪅㪏 㪇㪅㪐 㽲 㽳 㽴 㽵 㽶 㽷 㽸 ਥἯ䈱䌃䌬ṁ㊂ 䋨䊃䊮䋯ᐕ䋩 㪈㪈 㪈㪇 㪈㪋 㪎㪅㪏 㪐㪇 㪇 㪇 㘧Ἧ䈱䌃䌬ṁ㊂ 䋨䊃䊮䋯ᐕ䋩 㪊㪍 㪈㪌㪇 㪐㪇 㪎㪉 㪏㪈 㪌㪎 㪉㪌㪏䋨ౝ㪈㪈㪉䈲⣕Ⴎᱷᷲ䋩 㘧Ἧ䈱භ䉄䉎ഀว 䋨䋦䋩 㪎㪎 㪐㪋 㪏㪎 㪐㪇 㪋㪎 㪈㪇㪇 㪈㪇㪇 ৻ੱᒰ䈢䉍䌃䌬⊒↢㊂ 䋨䌫䌧䋯ᐕ䋩 㪇㪅㪏 㪈㪅㪉 㪈㪅㪌 㪈㪅㪌 㪈㪅㪌 㪇㪅㪐 㪈㪅㪉 ਥἯ䈱䌓䌏㪋ṁ㊂ 䋨䊃䊮䋯ᐕ䋩 㪉㪅㪌 㪇㪅㪌 㪋㪅㪐 㪇㪅㪍 㪈㪈㪅㪌 㪇 㪇 㘧Ἧ䈱䌓䌏㪋ṁ㊂ 䋨䊃䊮䋯ᐕ䋩 㪉㪅㪇 㪈㪈㪅㪏 㪈㪈㪅㪌 㪋㪅㪉 㪎㪅㪎 㪍㪅㪌 㪉㪏㪅㪌䋨ౝ㪈㪅㪇䈲⣕Ⴎᱷᷲ䋩 㘧Ἧ䈱භ䉄䉎ഀว 䋨䋦䋩 㪋㪋 㪐㪍 㪎㪇 㪏㪐 㪋㪇 㪈㪇㪇 㪈㪇㪇 ৻ੱᒰ䈢䉍䌓䌏㪋⊒↢ ㊂䋨䌫䌧䋯ᐕ䋩 㪇㪅㪈 㪇㪅㪈 㪇㪅㪉 㪇㪅㪈 㪇㪅㪉 㪇㪅㪈 㪇㪅㪈 㶎䌃䌬㊂䌓䌏㪋㊂䈲ⅣႺ⋭๔␜╙䋱䋳ภ䈮䉋䉎ṁ⹜㛎䈮䉋䉎୯ ᵈ䋩 㽷㽸䈱ਥἯ䈲䉧䊧䉨㘃䇮㽸䈱㘧Ἧ䈲ᵴᕈ㓸㘧Ἧ䈫⍹Ἧ⣕Ⴎᱷᷲ䈱ว⸘䈚䈢୯
焼却灰発生状況調査対象7施設の塩化物イオン及び硫 酸イオンの結果を表5に示す。塩化物イオン及び硫酸イ オンの溶出量を算出すると,塩化物イオンの主灰と飛灰 中の存在比は,ストーカ炉では飛灰の占める割合は概ね 約90%であるが,石灰噴霧をしない施設ではガス状の塩 化物イオンが回収されないため約80%とやや低かった。 施設⑤では飛灰の占める割合は50%弱であった。これは 炉内に噴霧される処理水の塩化ナトリウム等の塩類が主 灰の塩分含有量を徐々に上昇させているものと考えられ た。硫酸イオンも概ね同様の傾向を示した。また,流動 床炉と流動床式ガス化溶融炉では塩化物イオンは殆どが ガス化するため,飛灰にほぼ100%存在した。ガス化溶 融炉の場合には,バグフィルターが2段になっており, 塩化物イオンは前段の活性炭捕集飛灰に57%,後段の石 灰捕集飛灰(脱塩残渣)に43%の割合で捕集されていた。 飛灰中の塩化物イオン存在比(湿重量)は活性炭捕集飛 灰で6.5%,石灰脱塩残渣で23%と,石灰脱塩残渣が飛 灰中で最も高い値を示した。硫酸イオンは殆どが前段で 捕集されていた。 3.3.2 金属類 金属類の溶出試験結果を表6に示す。 pHは9.7~12.5のアルカリ性を示し,主灰に比べ飛灰 の方がやや高めであった。カルシウム,ナトリウム,カ リウム,鉄,マンガン,銅,亜鉛,六価クロム,鉛の9 元素の溶出を確認した。銅については,ガス化溶融炉を 除き,いずれの施設も主灰からの溶出が多かった。その 他の元素は全て飛灰の溶出の方が多かった。処理水を再 利用している施設では主灰,飛灰ともにナトリウム,カ リウムが他のストーカ炉に比較して高濃度を示した。一 部の施設の飛灰は鉛が産業廃棄物に係る溶出試験の基準 値を超過した。 3.4 焼却灰の金属類含有量試験結果 金属類の含有量試験結果を表7に示す。 殆どの元素は主灰に比較し,飛灰の方が高かったが, 鉄,マンガン,銅は主灰の方に多く含有した。また,処 理水を冷却水に再利用している施設⑤では浸出水の水処 理工程で除去されないナトリウム,カリウムは塩化物イ オンと同様に主灰に多量に含有した。図6に示すとおり, ガス化溶融炉では活性炭捕集飛灰に殆どの有害金属(カ ド ミ ウ ム92%,鉛96%,ヒ 素83%,セ レ ン97%,水 銀 87%)が捕集された。鉄,ナトリウム,カリウム,マン ガン,クロムはスラグに比較的多く存在した。
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まとめ
今回の調査により以下のことが明らかになった。 茨 浸出水発生模擬実験を行った結果,塩化物イオンの 流出については流出速度に関わらず,4回とも殆ど同 量が流出していることから,流出速度より流出水量が 大きく影響するものと考えられ,浸出水の塩類濃度は 経年的に上昇することが確認された。また,年間降雨 量相当量を流した場合,全流出水中の塩化物イオン濃 度は約18,000mg/lと高濃度になることが判った。浸 出水発生模擬実験後,安定化するまで洗い出し実験を 行った。その結果,焼却灰だけを埋め立てた場合では, 今回の実験から推定すると,埋め立て終了直後から安 定化するまでには少なくとも10年以上を要することが わかった。 芋 焼却飛灰の塩素組成は重量比で約20%の高濃度を示 し,焼却主灰では約1%程度であった。また,流出す る塩化物イオンの約90%が焼却飛灰由来であることが 判明した。 鰯 一人当たりの焼却灰発生量(kg/人・年)はストー カ炉,流動床炉,ガス化溶融炉の順に減少した。 -82- ᬺ႐ฬ⒓ 㽷 ⒳㘃 㽲ਥἯ 㽲㘧Ἧ 㽳ਥἯ 㽳㘧Ἧ 㽴ਥἯ 㽴㘧Ἧ 㽵ਥἯ 㽵㘧Ἧ 㽶ਥἯ 㽶㘧Ἧ 㽷㘧Ἧ 㽸䉴䊤䉫㽸ᵴᕈ㓸㘧Ἧ㽸⍹Ἧ⣕Ⴎᱷᷲ ṁ㊂ 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 㫄㪾㪆䌬 䌃䌡 㪈㪏㪇 㪉㪊㪇 㪈㪐㪇 㪊㪈㪇㪇 㪌㪇 㪊㪇㪇㪇 㪈㪊㪇 㪊㪇㪇㪇 㪈㪋㪇 㪋㪋㪇㪇 㪉㪇㪇㪇 㪌 㪈㪌㪇㪇 㪈㪇㪇㪇㪇 䌍䌧 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 㪓㪈 䌎䌡 㪋㪋㪇 㪉㪐㪇㪇 㪊㪊㪇 㪉㪊㪇㪇 㪋㪏㪇 㪉㪇㪇㪇 㪋㪇㪇 㪉㪈㪇㪇 㪈㪋㪇㪇 㪎㪉㪇㪇 㪉㪌㪇 㪈 㪌㪈㪇㪇 㪋㪍㪇 䌋 㪉㪈㪇 㪊㪋㪇㪇 㪈㪈㪇 㪊㪈㪇㪇 㪉㪇㪇 㪉㪊㪇㪇 㪈㪏㪇 㪉㪍㪇㪇 㪌㪐㪇 㪌㪐㪇㪇 㪈㪐㪇㪇 㪇 㪋㪐㪇㪇 㪋㪈㪇 䌆㪼 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇㪅㪋 㪇㪅㪋 㪇 㪇㪅㪌 㪇 㪇㪅㪊 㪤㫅 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇㪅㪈 㪇 㪇 㪇 㪇㪅㪈 㪚㫌 㪇㪅㪌 㪇 㪇㪅㪐 㪇 㪇㪅㪋 㪇 㪈 㪇 㪉㪅㪉 㪇 㪇 㪇 㪇 㪇㪅㪉 㪱㫅 㪇 㪇 㪇㪅㪈 㪇㪅㪋 㪇 㪇㪅㪉 㪇㪅㪈 㪇㪅㪉 㪇 㪈㪅㪊 㪇㪅㪈 㪇 㪇 㪇 䌃䌲䋶䋫 㪓㪇㪅㪇㪈 㪓㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪇㪈㪍 㪇㪅㪇㪌㪊 㪓㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪇㪉㪈 㪇㪅㪇㪈㪈 㪇㪅㪇㪊㪏 㪓㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪇㪊㪏 㪓㪇㪅㪇㪈 㪓㪇㪅㪇㪈 㪈㪅㪈 㪇㪅㪇㪊㪋 䌃䌤 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 䌐㪹 㪓㪇㪅㪈 㪓㪇㪅㪈 㪇㪅㪉 㪉㪅㪇 㪓㪇㪅㪈 㪇㪅㪉 㪇㪅㪉 㪇㪅㪊 㪇㪅㪈 㪇㪅㪐 㪇㪅㪍 㪓㪇㪅㪈 㪓㪇㪅㪈 㪈㪅㪌 䌁䌳 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 䌓䌥 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 㪓㪇㪅㪇㪊 䌈䌧 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 㪓㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪌 䌰䌈 㪈㪈㪅㪌 㪈㪉㪅㪇 㪈㪉㪅㪈 㪈㪉㪅㪋 㪈㪈㪅㪉 㪈㪉㪅㪋 㪈㪉㪅㪇 㪈㪉㪅㪋 㪈㪈㪅㪍 㪈㪉㪅㪋 㪈㪉㪅㪌 㪐㪅㪎 㪈㪈㪅㪇 㪈㪉㪅㪊 㽶 㽸 㽲 㽳 㽴 㽵 表6 金属類溶出試験結果允 焼却灰中の塩化物イオンはストーカ炉では飛灰が約 90%を占めた。処理水を冷却水に再利用している施設 ⑤では,主灰の塩分存在比が高くなり,飛灰の占める 割合は50%弱であった。また,流動床炉では塩化物イ オンは殆どがガス化するため,飛灰にほぼ100%存在 した。流動床式ガス化溶融炉の2段バグフィルターで は,塩化物イオンは前段の活性炭捕集飛灰に57%,後 段の石灰捕集飛灰(脱塩残渣)に43%の割合で捕集さ れた。 印 溶出試験では,ナトリウム,カリウム,亜鉛,鉛, マンガン,六価クロム,カルシウム,鉄,銅の9元素 が溶出した。銅については,ガス化溶融炉を除き,い ずれの施設も主灰の溶出の方が多かった。 咽 金属類含有量試験では,殆どの元素は主灰に比較し, 飛灰の方が高かったが,鉄,マンガン,銅は主灰に多 く含有した。放流水を焼却炉に再利用する施設では浸 出水の水処理工程で除去されないナトリウム,カリウ ムは塩化物イオンと同様に主灰に多量に含有した。ガ ス化溶融炉では,活性炭捕集飛灰に殆どの有害金属が 捕集された。 最後に本調査の実施に当たり,試料を提供して頂いた 各施設の皆様とご協力を頂いた関係保健所の皆様に感謝 の意を表します。