現 代 ソ ビ エ ト 基 本 権 の 機 能 化 メ カ ニ ズ ム 論
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(2) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 序. 三三二. 現代ソビエト社会は︑発達した社会主義社会として︑その政治︑経済および社会の各分野において多様な展開を示. している︒一九七七年憲法によれば︑例えば︑社会の政治システムの展開は︑﹁社会的業務全体の効果的な管理﹂・﹁国. 家生活への勤労者のより積極的な参加﹂・﹁市民の実際的権利・自由と社会にたいする市民の義務・責任との結合﹂︵前. 文︶を保障しつつ︑それらのより一層の発展を方向性として与えられている︵第九条︶︒それは︑要するに一方で市 民の社会国家活動への参加︑他方で国家機構・管理機の改善を含むものである︒. ところで︑現代ソビエト社会が政治−経済−社会の部分システムからなるシステム社会と把握され︑そしてこの社. 会を最も効果的に管理することが今日的課題として要請されるとき︑右にみた政治システムの展開の二側面は︑他の. 部分システムにおいても要請される︒従って︑上からの最適管理化と市民参加との連関において示される政治システ. ムの発展性闘ダイナミズムは︑当然ながら社会システム︑経済システムのそれでもある︒. このようにして︑今日︑ソビエト社会は︑政治−経済−社会のシステム的に連関する社会として︑管理と参加との. 相互連関が適法性を機能原理として︑社会のダイナミズムを構成している社会であるといえよう︵この事態を単純に. 適法性︹管理︑参加︺という構造連関において表現することができる︶︒そして︑このダイナミズムを規制し方向づ. けるべく︑法的規制メカニズムが︑これと連動するのである︒要するに︑現代ソビエト社会の発展のダイナミズムは︑. 主観−客観法の機能的連関による社会関係の規制メカニズム︵社会の法的規制メカニズム︶が適法性を機能的媒介と.
(3) ︵1︶. する管理ー参加のダイナミズムと連動することで確保されるものであるといってよいであろう︒. 基本権・主観的権利が右のメカニズムのなかで如何に機能化せしめられているのかといった間題は︑それ故︑適法. 性︹管理︑参加︺と法的規制メカニズムの連関構造のなかでのみ正しく把握されうる︒本稿は︑まさにこうした問題. 意識のなかで︑基本権の機能化メカニズムを探っていくことを課題とする︒すなわち︑適法性︹管理︑参加︺と法的. ゆ. の. の. の. の. の. の. 規制メカニズムのなかで︑基本権・主観的権利が如何なる機能︑役割を果しめられているのかあるいは︑基本権・主 の 観的権利の機能化のメカニズムは如何なるものかが検討されるべき対象となる︒その意味で︑基本権・主観的権利そ. れ自体の機能が主題化されるのではなく︑それらを要素とする社会のダイナミズムが主題化される︒基本権の機能化 メカニズムの検討とは︑まさにその意昧に他ならない︒. 従って︑以下では︑現代ソビエト社会のダイナミズムが適法性︹管理︑参加︺と法的規制メカニズムの連関構造の. もとで把えることのできる問題性を︑すなわち︑現代ソビエト社会におけるく管理化V対︿総対化﹀の基軸を通して. 社会の法的規制メカニズム. 法的規制メカニズムと適法性︹管理︑参加︺が意味するところのものを逐次検討していこう︒. 二. ① ﹁発達した社会主義社会﹂を特徴とする現代ソビエト社会において︑社会の諸領域での同質的構造︵よっても. って社会それ自体の同質性︶が︑科学技術革命の進展に対応してますます強調されている︒しかし︑現実には社会構造. 三三三. 上の諸矛盾が存在することは︑ソ連の論者も認めているところである︵従って︑問題は︑この矛盾の評価に存する︶︒ 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(4) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. −. 三三四. そうした矛盾は︑膨大な官僚・行政機構︑その権力的性格をもつシステム︑あるいは集権的な計画経済システムなど. によって生みだされたものであるが故に︑根本的な問題性格を有する︒そこでは︑﹁管理する者﹂︵党・国家エリー. ト層︶と﹁される者﹂︵一般勤労大衆︶との事実上の社会的差違がみられるし︑生産効率化・合理化に伴なう生産機. 械・プ・セスヘの労働者の﹁従属﹂︑即ち生産プ・セスにおける労働者の疎外感︵それから派生する労働生産性の減 ︵2︶ 退︶等の資本主義社会と類似の︵あるいは変形された︶物象化メカニズムに規定された矛盾がみられる︒. このような社会において︑社会発展のダイナミズムは︑﹁管理する考﹂による社会全体の最適管理︵そのための国. 家的︑社会的管理機関・職員の増加が必要とされる︶を維持・発展強化していくことと︑それに向けて︑管理される. 側たる社会︑一般勤労大衆の活力を吸引することによって担保される︒かかる事態を︑一般論として︑﹁︿管理化V対 ︵3︶ ︿総体化Vの相拮抗するダイナミズム﹂を基軸にして考えてみよう︒すると︑一方での支配する側からの社会全般の. ︿管理化﹀は︑経済・科学技術の進展に伴なう社会全体の発展を規制・方向づけ︑そのことで上からの一元的支配メ の. の. ロ. カニズムを完成させるうえで不可欠であり︑他方︑この︿管理化﹀に対抗する下からの︿総体化﹀は︑この︿管理化﹀. をはねのけ︑逆に規制することで︑政治︑経済を含めた社会の全領域での社会化プ・セスを完成させる︵それは真の ︵4︶ 民主主義の確立にとって必要な手続である︶うえで不可欠である︒後述する適法性︹管理︑参加︺と法的規制メカニ ズムとは︑かかる一般的基軸に則して理解さるべきものである︒. ところで︑︿管理化V対く総体化Vという相拮抗するダイナミズムは︑社会の同質性構造把握に基づく現代ソビエト. 社会においては︑右にみた一般論的意味内容とは異なる独自の意昧内容を付与される︒発達した社会主義社会のごと.
(5) 支配によって社会的に表層化することはなく︑深く沈潜しているがごとくである︒従って︑. ここでは︑︿総体. きシステム的・ご兀的社会において︑上からの︿管理化﹀に対抗する下からの︿総体化﹀は︑現行党.国家の巧妙な 統治. 化﹀は︑法的規制メカニズムと連動する︿管理化﹀への︿参加﹀という相貌を呈するにすぎない︒それは︑︿管理化﹀. と相拮抗するのではなくて︑それと連動する︵あるいは従属する︶︿総体化﹀である︒従って︑社会発展のダイナ︑・・. ズムも︑その限りのものとして理解されねばならないが︑問題の核心はまさにここにある︒党・国家による社会全体. の透明化の企てとしての︿管理化﹀は︑あくまでも社会全体や諸個人集団の現実性についての意味論的同質化に立脚. するがゆえに︑社会現実それ自体に規定された限界性を呈する︒︿管理化Vのこの限界性を︑党・国家は︑法を社会. 処理する︒適法性によって機能的に媒介された既定のル!トの創出が試みられる︒他. 諸関係の規制手段として機能させることによって︑すなわち法的規制メカニズムを作動させることによって︑適法 性・法秩序の間題として克服. の. の. 方︑下からの社会の透明化 社会化の企てとしての︿総体化﹀もまた限界を呈する︒それは︑社会・国家の業務への. 市民・集団の諸々の参加が多くの場合参加にとどまり︑これら業務の解決にあたっての実質的決定力を+分にもちえ. ない︵それは右にみた社会︑人間の同質的把握ともかかわる︶ことによって生じる︒この限界性は︑一連の法︑政治. システムの完成や市民の基本権・自由の拡大によって補償されるといわれるが︑それも常に社会・国家秩序や法の尊. 重・遵守および義務の履行との相即性によって規定される︒いずれの場合にも︑社会発展のダイナ︑・・ズムを確保する. ために︑現代ソビエト社会における︿管理化﹀対︿総体化﹀のはらむ限界性を克服するうえでの法システム︑適法性. 三三五. の意義が強調される︒それによって︑管理−参加のダイナミズムは︑容易に法的規制の対象となるのである︒ 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(6) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三三六. 要するに︑問題は︑右にみた限界性が︑現代ソビエト社会の発展ダイナミズムを如何に規定しているのか︑あるい. は︑︿管理化﹀対く総体化Vの相拮抗するダイナミズムが同質的に構造把握された現代ソビエト社会において如何に現. 象するのかということである︒前に触れたように︑上からの透明化の企てたるく管理化Vと下からの透明化の企てた. る︿総体化﹀のダイナミズムは︑発達したソビエト社会においては︑上からの社会・国家管理の維持強化と適法性の. ﹁水路﹂を通っての勤労大衆の参加として顕在する︒そしてまた︑このダイナミズムは︑法的規制メカニズムを通し て方向づけられることになる︒. こうした独自の社会発展のダイナミズムにおいて︑基本権・主観的権利は︑社会の同質性−人間実存の同質性ー国 ︵5︶. 家の同質性目全人民性メカニズムとそれから派生する利益の一元化とに基づく社会的諸関係の法的実体化として措定. される︒法的規制メカニズムは︑かかる基本権・主観的権利を自らのうちにとりこむことによって︑下からの能動性・. 活力を適法性︹管理︑参加︺に誘引するのである︒従って︑基本権・主観的権利は︑法的規制メカニズムの︑更には. 社会発展のダイナミズムの機能的要因となることで︑自らの現実性を受けとることになるのである︒. このようにして︑現代ソビエト社会の発展のダイナミズムが︑︿管理化﹀対︿総体化﹀を基軸にして考えた場合︑. 適法性︹管理︑参加︺とそれと連動しつつ︑それを規制・方向づける法的規制メカニズムの裡に存することの問題構. 制が理解されたといえる︒そこで︑こうした問題構制をなりたたしめている二つの要素i適法性︹管理︑参加︺と法. 的規制メカニズムーが如何なる意味をもっているのかが次に間題となってくる︒前者は次章にまわして︑後者︑すな わち法的規制メカニズムについて︑以下検討していこう︒.
(7) ②. 前述の如く発達した社会主義社会たる現代ソビエト社会は︑社会構造上ならびに利益の同質性観一元性を特質. ルールが法制度︑行政・管理的コント・ール機構. とするものとして把握されている︒法的規制は︑かかる社会の諸関係の規制プ・セスの一環として位置づけられ ︵6︶. る︒すなわち︑それは︑諸個人間︑市民と国家間の諸関係の規範 ︵7︶. ならびに同志的コント・ールを通じて決定され︑承認されそして規制されるプロセスとしての社会的規制プロセスの. 一環として位置づけられる︒とはいえ︑法的規制がこの社会的規制プ・セスのなかで果す機能・役割は︑秩序・規律. の叫ばれる今目︑とくに大きいし重要である︒定義ふうに述べるならば︑社会の法的規制メカニズムとは︑法的関 ︵8︶. 係︑主観的権利・義務あるいは法文化等︑それらによって社会的諸関係にたいする法の作用が確保されるところの法. 律的手段の総体である︒換言すれば︑それは︑国家の手に存する共産主義建設のための社会的諸関係の強化・保全︑ ︵9︶ 規制︑発展ならびに完成化のために国家が使用する独自の法律的道具のセットである︒要するに︑それは︑国家が政. 治的︑経済および社会的な内的統一を前提にした社会を広く規制するための法的諸手段である︒その意味で︑法的規. 制メカニズムは︑社会発展︑そのダイナミズムを規制・整序することによって︑党・国家の定立した社会発展の基本 的方向へと向けるための手段となるのである︒. 現代ソビエト社会の最適管理が︑勤労大衆の国家・社会業務への参加の拡大・発展と相即的に党・国家によって要. 請される場合︑常に﹁法を通じて﹂ということが強調される︒ここから理解できるように︑法は︑社会の政治システ. ムに内在している動的・静的契機を社会・国家管理・秩序の維持・強化のために機能化させるという要請を担って. 三三七. いる︒その意味で︑法律的道具・手段による社会規制は︑今日︑他の規制方法にもまして重要な意義をもっているの 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(8) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶ ︵10︶. 三三八. である︒従って︑社会の法的規制メカニズムの意義とは︑それが党・国家による社会発展のダイナミズムの規制・方. けの手段となるとともに︑そのことで︑既存社会体制の管理・秩序の合理性・正当性を確保する役割を果していると 向づいうことであろう︒. ところで︑こうした社会発展の規制・方向づけの合理性・正当性を担保する法的規制メカニズムは︑如何なる構造 ︵11︶. をもっているのであろうか︒それは︑前述の定義づけからも示されるように︑①法律規範︑②法的形態︑③主観的権. 利・義務︑④権利実現行為︑⑤法律事実︑そして⑥組織的活動といった要素を含む︒これらの要素の連関から生まれ. る法的規制メカニズムの重要な特質は︑それが他のすべての規範的規制と異なって︑法的形式において把握された社 ︵12︶. 会的諸関係の当事者に︑国家によって支持・保護される法律的権利・義務を付与し課すことによって実現・機能する. 一方における客観的法規範の遵守と他方におけ. ということにある︒そのことは︑管理−参加における当事者の権利・義務が管理−参加のダイナミズムの重要な契機 となっている点とかかわっている︵この点は後述する︶︒要するに︑. る主観的権利・義務の自覚的実現とによって作動・機能する点が︑法的規制メカニズムの今日的特質となっているの. である︒その意味で︑社会的諸関係にたいする法の作用プ・セスにおける基本権・主観的権利の意義は大きい︒法的. 規制メカニズムと基本権・主観的権利との関連性を検討するまえに︑その前提として︑個人にたいする法の作用が如 何に示されるのかについて言及しておこう︒. ︵13︶. この個人にたいする法の作用は︑一方で個人にたいする主観ー客観法において統一された法的プ・グラムの付与H. ﹁伝達﹂メカニズムと︑他方でこのプ・グラムの把握︑加工および実現メカニズムとして理解される︒要するにそれ.
(9) は︑個人にたいする法の客観化 制度化と個人にとっての法の主観化との可逆的プ・セスを意味する︒主観的権利は︑. 法律の主観化←主観的権利の実現によって示される︒従って︑個人による自己の主観的権利の実現は︑個人にた. このプ・セスの主観的側面において提示される︒社会の法的規制メカニズムのなかで︑個人の法実現行為は︑客観的. 法. いする法作用メカニズムの機能であるとともに︑社会の法的規制メカニズムの機能へと連動するものである︒社会の. 法的規制メカニズムは︑まさにかような個人レベルでの法作用メカニズムの特質をも含むことによって︑社会発展の ダイナミズムを確保するための機能を果すことになるのである︒. このように︑社会の法的規制メカニズムは︑社会の諸関係を法的形式において措定することによって規制する法律. 的道具 手段である︒その場合︑それが社会発展のダイナミズムを規制︑整序するうえで︑このメカニズムの一環と. して基本権・主観的権利を位置づけていることが理解される︒そこで次に︑基本権・主観的権利がこのメカニズムに. おいて如何に機能化せしめられているのか︑その関連性如何の問題に定位して議論を進めよう︒. の. 精神. ⑥今日︑ソ連における主観的権利論︵および一般的基本的主観的権利たる基本権論︶は︑従来の見解︵法規範に の. よって定められかつ国家によって保護された主体の可能的行為の尺度︶を批判的に継承した結果︑社会の文化 ︵14︶. 的・物質的価値を利用する可能性であるとともに︑社会生活の諸条件の形成に参加する可能性でもあるというふうに. 定義づけられてきている︒従って︑主観的権利の問題は︑今日︑ただ単に法律的側面における個人の問題であるば. ︵15︶. 三三九. かりでなく︑︿参加﹀を契機とする法的規制メカニズムの問題︑その実効性を高める問題としても考えられるように なってきた︒. 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉宋吉︶.
(10) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三四〇. ところで︑法的規制メカニズムにおける基本権あるいは主観的権利の機能は︑﹁法的規制﹂という語が主体への具. 体的権利・義務の定立︑当為的可能的行為についての直接的命令などと結びついていることから理解される︒社会生. 活における法的規制が基本権・主観的権利の付与︑その実現において機能するといわれるように︑法的規制メカニズ. ムの機能にとって︑基本権・主観的権利は不可欠の要素となっている︒マトゥーゾフ︵=・罫三胃協8︶によれば︑主. 観的権利は法的規制メカニズムにおいて︑主体の行為の定型化︑主体の利益の媒介・保護形態︑諸々の社会的欲求の. ︵6 1︶. 充足方法︑社会生活や社会・国家業務の管理への参加可能性︑個人と社会の利益の結合保障その 他の機能を果してい ︵17︶. る︒それらは総じて︑主体の権利・自由の充足手段︑能動性・積極性の手段となっているばかりでなく︑社会・国家. への参加︑それらとの結びつきを確保する手段ともなっている︒権利を付与し義務を課すこと︑またそれらの実践的. 実現に社会の法的規制があらわれることは前にも述べたが︑主観的権利は︑まさにこのメカニズムの作用因子となっ ているのである︒. このように︑基本権あるいは主観的権利は︑適法性︹管理︑参加︺と連動しつつそれを規制する法的規制メカニズ. ムのなかで︑一方では市民の能動性・イニシアティヴの発揮・昂揚︑他方では国家社会の管理・秩序の維持・強化と. いう可逆的な機能を果すことになる︒ここから︑現代ソビエト社会の共産主義社会に向けての発展プロセスにとって︑. 市民の権利・自由の拡大・発展が如何なる政治的・社会的意味をもっているのかが理解される︒それは︑社会におけ. る管理−参加というダイナミズムを規制し方向づける基本権・主観的権利の機能化メカニズムにあらわれている︒. すなわち︑共産主義建設を課題とする発達した社会主義社会において︑一方での市民の能動性・イニシアティヴの昂.
(11) 揚︵政治意識の昂揚︑政治社会参加の拡大等︶や権利・自由の拡大・発展と︑他方での社会・国家の管理・秩序およ. び規律の維持・強化とが可逆的に機能連関するメカニズムのなかに︑社会主義的民主主義のより一層の展開のもとに. 措定される現代ソビエト基本権の機能化の特徴が示されているといえる︒それはまた︑六〇年代初頭の基本権研究の. 問題構制における場合とは異なった観点において把握されるべきものとなっている︵この問題は︑それ自体独立した 問題を構成するので︑本稿では指摘するにとどめておく︶︒. このようにして我々は︑現代ソビエト社会の発展・変化をく管理化V対︿総体化﹀を基軸にして検討してぎた︒そ. の結果︑発達した社会主義社会たる現代ソビエト社会の発展が適法性︹管理︑参加︺において示されること︑そして. そのさいに法的規制メカニズムがそれを規制し方向づける機能を果していること︑さらにはこの法的規制メカニズム. において︑基本権・主観的権利が主体の主観ー客観的現実の二つの次元において主観的側面を形成しており︑それ故. に基本権・主観的権利の社会における機能化がこのメカニズムを通してあらわれることが理解されたといえる︒とは. いえ︑それらは︑一つの問題を前提にしたところからでてきているといわねばならない︒その問題とは︑社会の法的. 規制メカニズムの規制作用対象たる適法性︹管理︑参加︺という構造連関の示す事態とは何かという問題である︒右. の構造連関が現代ソビエト社会の発展のダイナミズムを表わしていることは述べてきたが︑それ以上この構造連関の. 三四一. 各契機およびそれらの各連関が措定する事態が如何なるものであるのかについては言及しなかった︒次章ではこの問 題について検討することにしたい︒. 現代ソビエト基本権の機能化メカ昌ズム論︵小杉末吉︶.
(12) ω. 適法性︹管理︑参加︺. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三. 三四二. 機能的概念を含むものであった︒法律︑主観的権利などに. 前述のとおり︑社会の法的規制メカニズムは︑現代ソビエト社会の発展・変化をコント・ールし︑規制しそし. て方向づけるために︑党・国家によって用いられる道具. おいて呈示されるこれら機能概念が機能化せしめられる当のソビエト社会の発展・変化が適法性︹管理︑参加︺におい. て示されることも前述した︒ここでは︑この構造連関を構成する各契機が措定する事態を検討することが主題となる. ︵これらは︑本来的に切り離しえないのであるが︑議論を深める上での便宜的措置としてなされる︶︒ ︵18︶. ︵18︶. まず管理の問題から始めよう︒現代ソビエト社会の最適管理がいわれる場合︑それは︑科学技術革命の進展に伴な. う経済・生産管理における最適化ばかりでなく︑それと連動する社会・国家管理における最適化をも含んでいる︒す. ︵19︶. なわち︑社会を経済︑政治・行政および社会・文化の各部分システムの重畳構造として把握するならば︑社会の最適. 管理は︑経済管理︑政治・行政管理および社会・文化管理という三連環の管理の最適化を意味する︒このようなシス. テム的連関に基づく社会において︑管理は︑党・国家による社会の一元的統合 組織化︵前述した︿管理化﹀︶の機. 能を果す︒それは︑各レベルのソビエト︑党機構および様々の社会的︑国家的管理機関を通じて︑更にはこれら機関・. ︵21︶. 制度の一定のポストヘの人的配置︵任命・抜擢・推薦等︶を通じておこなわれる︒その意味で︑広義における社会管 ︵20︶ 理は︑社会の政治組織︑とくに国家の活動に表現される社会秩序の質的に特殊な機能といわれる︒従って︑管理は必 然的に︑政治的行政的性格︵主体の観点からは国家的性格︶を帯びることになる︒.
(13) 今︑右の事情を生産管理領域においてみてみると︑それは︑生産管理プ・セスにおける企業︵当局︶ー労働者とい. う労使関係が社会的自主的性格をもつのではなくて︑国家的・行政的性格をもつことを意味する︵後述するとおり︑. こうした性格をもつ管理的関係において︑労働者によるく総体化Vは単に参加として吸収される︶︒生産管理プ・セ. スが国家的性格に馴じみやすいのは︑国家が生産手段の基本的所有者であることにより︑国家が生産・労働活動領域に. おける基本的規制主体となること︑企業当局の労働・消費施策にたいするコント・ールの社会的経済的機能は国家に ︵22︶. よってのみ十全に実現されること︑あるいは生産管理プロセスはその特殊性の結果︑国家的性格をもつ方法手段によ. る規制をより多く必要とすることなどの理由によるといわれている︒その結果は︑社会的自主的管理への否定的な態. 応︑あるいはそこまでいかなくても︑少なくとも︑それについての不十分な考慮となってあらわれる︒こうした事態 ︵23︶ は︑生産・企業システムの再編成に伴なう管理システムの統合・強化がおこなわれている今日︑ますます強まってい. るといえる︒従来の省を頂点とし企業を基礎単位とする多段階管理システムから二環︵省−企業合同︶あるいは三環 ︵24︶ ︵省i企業合同−生産合同・科学生産合同︶的管理システムヘの移行は︑管理制度および機能の両面において︑集中. 性と専門性を高めるものであった︒それはまた︑当然のことながら対応する参加・コントロールシステムの再編成を. も促すものであった︵一九七七年憲法第四八条の﹁管理参加権﹂もかかる転換のなかで理解されなければならない︶︒. このように︑生産・企業システムの再編成←管理システムの統合・強化のなかで︵そしてそれに対応する参加・コ. ント・ールシステムの再編成をも伴なうなかで︶︑管理は︑ますます集中化目効率化︑専門化されることによって︑. 三四三. その国家的性格を強めている︒そしてこの傾向は︑生産管理領域にとどまらず︑社会全般の管理において示されるの 現代ソピエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(14) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三四四. である︒こうした状況を踏まえて︑法理論上︑国家概念と管理概念とを接近させることによって︑国家の現代的活動 ︵25︶. の評価にたいする新たな対応が可能とされ︑そして社会生活の様々の領域で活動する政治的管理的組織として国家を. 新たに定義することも可能であるという見解が主張される︒この見解が経済システムの変化に対応する管理の統合・. 強化←国家の安定・強化︑総じて上からの︿管理化﹀を視野に入れたものであることは明らかであろう︒. ところで︑国家的あるいは政治・行政的性格をもつ管理システムの維持・強化にとって︑法は不可欠の要素であ. 社会主義法︶は︑管理の一般的プログラム︑管理の指令的基礎およびそれへの一般的意義の付与の表現・確定. る︒とくに︑前述のとおり社会の管理が国家による社会秩序の特殊な機能とみられる場合︑管理における法の役割・ ︵26︶ 機能は重要である︒アレクセーエフ︵ρ○>莞胃の窃︶によれば︑法は︑管理において二つの機能を果たす︒第一に︑. 法︵. の公的︑規範的な国家権力的手段である︒第二に︑法制度︑法的規制メカニズムは︑機能的管理的活動を保障する︒. その意味で︑国家指導の原則たる適法性強化路線の下で︑管理は︑国家規律・法秩序の枠のなかで制度化され︑機能化さ ︵27︶. れる︒また︑管理における秩序・規律の遵守・遂行は︑管理職員ばかりでなく︑一般市民にたいしても要請される︒ とはいえ︑右にみた法の二つの機能にたいする侵害は跡を絶たない現状である︒. 今日的管理の国家的性格によって︑前にも触れた上からの社会の一元的統合・組織化が担保されている︒それはま. ︵28︶. た︑管理関係の主体−客体関係が権カー従属原理あるいは命令i執行原理の上にたてられていることによっても担保. されている︒しかしここで重要なことは︑従来の伝統的管理概念︵管理客体にたいする主体の排他的な一元的権力的組. 織的作用︶を批判しつつ︑右にみた原理に基づく管理関係が︑客体の能動性を管理への勤労大衆の広範かつ積極的な.
(15) ︵29︶. の. の. の. の. o. o. o. o. o o. 権力的プ・セスによって遂行されることが. の. 参加において措定していることである︒そこでは︑社会の統合化・組織化をめざす管理が上からの一元的n権力的プ の. ・セスによって遂行されるのではなく︑下からの参加を吸収する可逆的. 意図されている︒従って︑管理関係の相互作用は︑それ自体の国家的性格を保持しかつ前提としつつ︑一方で後述す ︒︒. ︵30︶. る単独制と集団制の結合原理と︑他方でそれへの大衆の参加の原理とを含むものとなる︒このような参加を取り込む. ことによる管理目的の実現が︑党国家のめざす共産主義建設に向けての社会の最適管理にふさわしいものなのである︒. そこで次に問題となるのは︑この︿管理に取り込まれた参加﹀の意義如何ということである︒. ω 広く社会主義的民主主義は今日︑①少数の多数への服従︑②法律の下の平等︑③責任と結びついた市民・諸組 ︵31︶ 織の自由︑④国家・社会の業務への市民の参加︑ならびに⑤民主主義的中央集権主義として特徴づけられている︒七. 七年憲法の第九条の規定とも併せて考えると︑ソビエト社会の政治システム︑さらには社会全体の発展方向としての. 社会主義的民主主義の展開が管理と参加のダイナミズムを内容とすることは︑序でも触れたとおりである︒ ︵32︶ ところで︑右に述べた民主主義の核となるのが参加である︒この参加は︑一般的には︑政治・行政︑社会・文化ならび. に経済の社会の各部分システムに対応して︑政治参加︑社会参加ならびに経済︵経営︶参加といった形式をとる︒第. 一に︑政治参加は︑国家その他の政治組織やそれらの活動への参加︵例えば国家機関における審議・決定への参加︑各. 種のソビエトの選挙への参加︶などを︑第二に社会参加は社会組織・団体の形成やそれへの参加︑社会文化的活動へ. の参加︵労働組合︑コムソモール等への参加︑任意団体の創設やそれへの参加︑社会的コント・ール・活動秩序維持. 三四五. 同等への参加︑経済・生産システムにおける諸問題. オヴイエジエヨニエ. 活動への参加︶などを︑そして第三に︑経済参加は企業・合. 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(16) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三四六. 解決・審議への参加︵諸々の合理化提案︑技術革新の活動および参加︑生産点での諸々の組織形成と参加︶などを意 味するであろう︒. このような社会の全領域での参加が広い意味での社会管理に対応していることは︑前述した現代ソビエト社会にお. ける︿管理化﹀対く総体化Vのメカニズムからも明らかであろう︒その意味で︑﹁管理参加﹂という語は︑単に管理的. 機能を担う機関・組織あるいは活動への参加を意味するだけではなく︑広く社会の維持・安定のために︵社会管理の ︵33︶. ために︶活動・機能する主体の参加をも意味するものといえる︒従って︑管理への参加は︑以下のような広範かつ多. 様な形態をとる︒①国家機関︵例えばソビエト︶の創設︑その成員︑︵代議員︶の選挙︑あるいは国家機関職員の抜擢・. 配置への参加権︒②管理的決定の準備・審議および採択への参加権︒③一定の情報の受容・利用にたいする権利︒④. 国家機関や社会組織への提案・請願および訴願の権利︒⑤社会組織への団結権︑管理的課題の解決に参加する社会的 ︵34︶. 細胞の形成権︒⑥管理主体にたいするコント・ール実現の権利︒当然のことながら︑こうした参加が同時に社会・国家. 管理の全システムの有機的部分とみなされていることが重要である︒従って︑管理システムの変化に対応して︑市民. ︵35︶. の管理への参加も変化する︒例えぽ︑前に触れた生産管理領域での合同の創設は︑合同への参加という勤労者参加の. 独自の形態を生みだすとともに︑従来の企業別の勤労者参加形態の統合を要請しているといわれている︵最も︑両参. 加形態の機能的差異︑そしてそれが勤労者にとって如何なる意味をもっているのかということの実態について︑我々は 十分な知識をもちえていないのが現状である︶︒. ところで︑右にみた管理参加形態の民主主義性の評価如何については︑論者の間で意見が分かれている︒例えばシャ.
(17) フナザー・フ︵7×.日霞器ω巷畠︶は︑レーニン主義的コント・ールを①コント・ールの形態と方法の多様性ω︵個. 々の管理プ・セスの環が人民のコント・ール下にある︑@個々の市民は任意のコント・ール形態で参加する︶︑②単 ︵36︶ 独制と個人責任を要請する一定の管理プ・セスヘの干渉を許さないことの二点で特徴づけ︑この原則の実現︑すなわ ︵37︶ ち民主主義的コント・ールの実現が勤労大衆の管理参加の民主性を確保すると考える︒これにたいして︑チホミー・フ. ︵δ●>︒↓員o⁝℃8︶は︑様々な大衆参加形態が様々な管理機能に対応しうるし︑またしなければならない点︑勤労. 者の管理参加の程度と形態が管理プ・セスのすべての段階で等しくない点について一致しつつも︑シャフナザー・フ ︵38︶. のごときコントロールにおいてのみ管理参加の民主性をみる見解を︑広範な民主主義的基礎に基づいて実現される管. 理機能の範囲が拡大している今日的傾向を十分に考慮していないとして批判する︒彼は︑右に列挙した諸形態がこう. した傾向に即応したものと考えるのである︒シャフナザー・フがコント・!ルを伴なう参加を重視するのにたいし. て︑チホミー・フは︑管理機能への広範な参加︑従って参加それ自体を重視する︒こうした見解の相違は︑管理参加の. 実効性の担保をどこに求めるのか︑その民主主義的契機は何かといった問題への態度の相違と関連するものといえ. る︒とはいえ︑この管理参加の実効性の問題を現実において確証することは極めて困難である︒ここでは︑以下で述. べるように︑管理参加にたいする勤労者の消極性の原因を通して不十分かつ間接的に確認しうるにすぎない︒ ︵39︶. さて︑ソ連邦科学アカデミー・国家と法研究所による一九七四年のスモレンスク市小型計算器工場と叫九七六年の. トムスク市︽シプカベリ︾合同での調査によると︑勤労者による生産管理への参加の可能性が不十分である理由として︑. 三四七. ﹁自分の意見がとり入れられる確信がもてない﹂という理由が︑一九七四年調査で第一位︑また一九七六年調査で第 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(18) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三四八. 二位︵正確には異なる理由であるが意味的に同一なものとして取り扱かったーなお第一位は﹂時間がない﹂という理由︶. を占めた︒これら二つの調査からうかがえることは︑少なくとも多様な参加形態の存在それ自体も︑参加者自身の積 ︵40︶. 極性・イニシアティヴが発揮されうるものでなければ︵そして参加者がそのことを自覚するのでなければ︶︑十分な. 機能を果しえないということである︒このことは︑また当然ながら︑コント・ールの実現の場合にもあてはまることで. ある︒さらにそのことは︑法規範上の参加規定の構造的問題性とも関連する︒例えば﹃ソ連邦労働立法の基本原則﹄ の. の. の. 第九七条は︑労働者・職員の生産管理への参加権について規定している︒それによると︑労働者・職員は生産管理に の. の. おいて︑①﹁生産発展の問題の審議および決定﹂への参加権と②﹁企業︑施設︑組織の作業の改善﹂や﹁社会・文化. ︵. ︶. 問題領域別の生産管理へのかかわりは︑規定の仕方の一般性︵労働者・職員の参加・提案の. 的サービスおよび生活サービスの問題﹂に関する提案権を有する︵同じく﹃・シア共和国労働法典﹄第二二七条参 照︶︒このような対象. 権利一般が規定されているにすぎない︶とともに︑労働者・職員の生産管理への参加にたいする消極的態度を生みだ. す要因の一つと考えられるのである︒労働者・職員大衆にとっての﹁自ら︑直接﹂の参加は︑一部のアクティヴな人. 々を糾合した労働組合その他の組織による一種の﹁代行主義﹂的参加によって補完されているのである︒ ︵42︶ 六〇年代以降の市民参加にみられる統計上の量的増加の実体の一断面をここにみることができよう︒いわれるとこ ooo. 形式化およびそれへの市民の意識的対応とに規定されたもので. ろの市民の能動性・イニシアティヴの昂揚とはかかる体のものである︒それは︑一方における管理強化・管理機関職 ︵43︶. 員の増加と︑他方における市民参加の実効性の減退 ある︒.
(19) 代表ならびに③専門性に基づいておこなわれる︒①と②が社会性に基づくものであ. さらに︑こうした傾向を管理参加における専門性と社会性との関連の問題として考えてみよう︒国家的業務の解決へ. の住民参加は︑①直接︑②間接. る︒それは︑一種の現場主義︵職場での生産と参加の結合︶を強調するものである︒他方︑専門性︵﹁50台のo自o器葭睾︶. ︵44︶. とは︑一定の管理機能遂行のために︑その仕事が基本的かつ有償である比較的固定した勤労者カテゴリーを社会が選. びだすことを意味する︒それは︑要するに正規の管理職員の採用を意味する︒従って︑専門性とは︑全社会のために. おこなわれる管理における社会的分業︵特別の職員の存在の点から︑また特別の機関の存在の点から︶の表現である︒ ︵45︶ ﹁剥奪﹂を意味するものではないといわれる︒だ ︵46︶. 社会性︶は︑今日の生産技術上の要請←管理システムの統合・強化が不可避的に要求する専. しかし︑そのことは︑社会からの特別の管理者カテゴリー層の乖離. が︑そのための担保︵. の. の. ロ. の. の. の. ロ. の. の. の. の. の. の. の. の. の. 門性の優位の下で︑ますます低下せざるをえない︒その意味で︑勤労大衆の管理参加の拡大による社会性を強調する. だけでは︑この間題の本質的解決をもたらすとはいえない︒それは︑管理化のなかでの参加のメカニズムの裡に存す. る︒前にあげた社会学的調査の結果は︑このことをものがたっているといえよう︒すなわち︑勤労大衆の管理参加へ. の関心・積極性の低さは︑専門性と社会性の連関を︑後者の前者への従属︑後者の形式化・形骸化を︑あるいは参加. を口実とする管理機関・職員の実質的イニシアティヴ化をもたらす危険性をはらんでいるといえる︒管理の専門化.. 単独責任が要請されている今日︑単なる量的参加による社会性の担保は︑実質的管理決定・執行それ自体ばかりか︑ ︵47︶. それにたいするチェック・コント・ールの実効性をも保障するものとはいえなくなっているのである︒. 三四九. かくして︑アメリカの或る論者の言うごとく︑ソ連における大衆参加は︑実際には︑市民と体制およびその政策との 現代ソピエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(20) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三五〇. 一体化をしばしば強化させるものであった︒それはまた︑政策決定者にフィードバック情報を供給し︑大衆不満にた. いする社会的に許容しうる安全弁を与えるものであった︒体制の安定管理の最適化にとって︑市民の積極性・イニシ. アティヴを︑右のごとき参加を通じて体制との一体化に吸引することが不可欠である︒それとともに︑こうした一体 ︵48︶. 性をもちえない社会の部分︵一般犯罪者︑政治犯・異論者等︶にたいしては︑参加からばかりでなく︑社会それ自体. からも︑同質的システムの﹁異物﹂として排除することが要請される︒それは︑もはや次の適法性の問題である︒. ⑥ 今日︑適法性は︑憲法に謳われているとおり︑国家・国家機関の機能原理であるばかりでなく︵第四条︶︑市民. による自己の権利実現の場合のそれでもある︵第五九条︑第六五条︶︒従って︑適法性は︑管理にとっても︑民主主義︑. とりわけ参加にとっても不可欠な契機となっている︒前述の管理−参加のダイナミズムは︑この適法性を媒介にして. 実現される︒また適法性は︑社会の法的規制メカニズムにおいて︑現実社会の社会的事実関係を法律形態i法的関係 ーにおいて対象化する場合の重要な契機ともなっている︒. さて︑適法性概念は︑六〇年代以降というパースペクティヴにおいても内容上の変遷をとげている︒フルシチョフ. 期において︑適法性は︑スターリン主義的恣意からの社会全般の規範性の回復の手段として提起され︑とくに市民の ︵49︶. 権利・自由の保護のための国家︵機関職員︶の側からの妨害・侵害を予防・除去する機能を担わされていた︵もっと. もそれは︑スターリン体制下の法構造の枠内での改革を前提にしていたのであるが︶︒ブレジネフ期において︑適法. 性は︑刑事司法の枠内で﹁犯罪﹂現象を除去するために強調される︵ブレジネフ期は︑アメリカの論者によって︑ス ︵50︶ ターリン時代の諸々の支配方法への還帰という点で保守的であり文字通りの反動であるといわれている︶︒それはま.
(21) た︑﹁全人民国家﹂・﹁発達した社会主義社会﹂が強調される時期でもある︒その意味で︑ブレジネフ期の適法性は︑. 同質的社会における国家指導原則として︑その同質性危機を﹁犯罪﹂として法的・超法的に解決する役割を担ってい ると一般的にいえよう︒ ︵51︶. こうした概念上の意昧変遷に基づいて︑適法性が如何に把握されているかというと︑それは︑次のような要素を含む. 概念であるといわれている︒①勤労人民の意思を表明する法律の存在︒②この法律が認識された社会発展の法則を反. 映しなければならないこと︒③適法性はすべての国家機関・職員︑市民ならびに社会組織による一致した法律の理. 解・遵守を前提にすること︒このように適法性は︑法存在・法理解における社会・国家の統一性を前提にしている︒. 従って適法性は︑国家・政治生活のレベル︑社会・文化生活のレベルさらには経済生活のレベルにおいて︑法律・法. 秩序の遵守ばかりでなく︑国家・社会規律・秩序・規範の遵守をも要請する︒その意味で︑適法性は︑国家機関・職 ︵52︶ 機能原理となっているのである︒それはまた︑後述のとおり︑一 員ばかりでなく市民・社会組織の最も重要な活動. ︵53︶. 方での国家機関・職員による市民・社会組織の権利・自由の不断の尊重・保護と︑他方での市民・社会組織による法. 律の無条件の遵守・義務の履行という可逆的要請でもある︒ ︵54︶ このように︑今日の適法性概念は︑従来の適法性概念︵万人による法律の厳格な遵守と市民の権利保護︶よりも右. 制度となっている︒こうした社会関係にたいする法律の一定の作用・機能. にみたごとく機能化されるとともに︑すべての社会関係が法律尊重の上に形成されねばならず︑またあらゆる法律侵. 害が必ず罰せら れ る 独 得 の 法 律 レ ジ ー ム. 三五一. 状態として適法性を把握する観点からすると︑適法性レジームとは︑要するに法律的手続で収集され検証された十分 現代ソビエト基本権の機能化メヵニズム論︵小杉末吉︶.
(22) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. の. 三五二. 適法性理解は︑適法性を法実現活動と同視するものであり︑その下で考えら. な証拠なくしては︑いかなる市民といえども法侵害の嫌疑を受けたり罰せられたりしないこと︵H﹁法の支配﹂︶を意 ︵55︶. の. 味する︒この理解によれば︑法律遵守. れているのは適法性保障活動である︒こうした理解は︑その論者の意図に関係なく︑スターリン時代︑とくにヴィシ ︵56︶. ンスキー法理論の支配する時代の残津︑すなわち法の実現︵現実化︶とは法的命令の適用・実現であって︑法の完全. な現実化は法の適用に尽きるとする見解の影響を被っている︒適法性目レジーム論によると︑六〇年代以降のソビエ ︵57︶. ト国家とは適法性国家と称せられるものであり︑そこでは適法性が社会の規制メカニズム︑とりわけ法的規制メカニ. ズムの不可欠の内在的要素となっている︒適法性が法的規制メカニズムの要素となっていることは︑前に触れた法的. 規制メカニズムの主観−客観的法という二つの側面に対応しているとともに︑党・国家による適法性強化の二つの側. 面︵ブレジネフによれば①市民の権利の厳格な保護︑②市民による法律・社会秩序の厳格な遵守︶に対応するもので ︵59︶. もある︒従って︑レジームとしての適法性は︑法的規制メカニズムの現実性の保障︑すなわち法の実現のための妨げ. られることのない条件を形成する一般的機能を果す︒そのことによって︑適法性は︑社会・市民の規範的活動・生活 ︵60︶. の基礎となるのであり︑従って︑単に国家・法的領域においてばかりでなく︑社会生活全般において意義をもつカテゴ. リーとなっているのである︒その意味で︑適法性は︑党・国家指導の原則であり︑かつ市民・社会組織の活動原則な のである︒. ところで︑法的規制メカニズムの要素として︑管理i参加のダイナミズムを機能的に担保する適法性は︑法的規制メ ︵61︶ カニズムそれ自体の可逆的ベクトルに対応する二つの相呼応する要請として機能する︒すなわち︑一方での﹁上からの.
(23) 要請﹂が国家の側から憲法・法律の尊重・遵守を具現する義務の総体としてなされるのにたいして︑﹁下からの要請﹂. は︑市民の側からの立法・法執行・法保護活動における司法機関の任務・権限・活動形態を定めている法規の形成と. 国家機関職員によるその遵守である︒この適法性要請の可逆的流れが︑社会発展のダイナ︑・・ズムとそれを規制する社. 会の法的規制メカニズムを連動させるうえで重要な意義を有することは明らかであろう︒. かくして︑適法性が今日レジームとして社会全般の活動・機能にとって重要な意義を有すること︑換言すれば︑管. 理−参加のダイナミズムを法的規制メカニズムと連動させることで︑社会・国家の管理に市民・社会組織の積極性・. イニシアティヴを吸引し︑よってもって共産主義建設に向けた社会発展のダイナミズムを確保する機能を果している. ことが理解されよう︒そこには︑下からの市民・社会組織の積極性を権利・自由の保護として確保しつつ︑上からの. 法秩序・社会秩序の遵守を確保しようとする適法性の今日的位置づけの特色がみられるといえよう︵まさに適法性. 以上︑我々は︑適法性︹管理︑参加︺を構成する各契機について言及してきたのであるが︑それらが右の構造. レジームといわれるゆえんである︶︒. ④. 連関のなかで独自の機能・意義をもちつつ︑そこにおいて果す役割をより深く理解するためには︑それら相互の連関. をみていかなければならないであろう︒従って︑以下では相互連関の観点を前面にだして︵若干の重複をおそれるこ. となく︶①適法性ー参加︑②適法性−管理︑そして最後に③管理ー参加について検討していこう︒. まず適法性−参加について︒前に触れた適法性国家概念の提唱は︑国家肪政治体制がその活動を法を通じてのみ行. 三五三. なうこと︑そしてそのことで民主主義の発展を促すこと︵適法性強化路線の下での民主主義の育成・発展︶を意図し 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(24) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ︵62︶. ゆ. の. の. ロ. 三五四. たものであろう︒真の民主政治とは要するに国家権力が住民に実質的に帰属することであるが︑その前提に次のごと. き要素を含んでいなければならないとされる︒①国家管理への住民参加を確保する国家機関の組織・活動手続の法制. 化︒②すべての市民が国家管理︑コント・ールヘの参加・影響力行使の可能性を等しくもっていること︒③適法性の. 遵守︒④義務におけるすべての市民の平等︒これらのことから︑適法性の強化︑すなわち国家・社会の法的基礎のよ. り一層の強化は︑一方での国家・社会の業務に不断にかつ積極的に参加する市民の政治的・法的意識の増大︑市民の. 権利・自由の拡大と︑他方での義務の履行︑社会の組織化︑規律の強化との間の調和的統一を確保する使命を担ってい. るといわれる︒従って︑適法性は︑社会全体のなかでの民主主義︑とりわけ様々のレベルでの市民参加の実現を規制 ︵63︶. する原理︵その実践原理︶となっている︒その意味で︑適法性と参加とは︑相互に連関することによって社会発展︑. とくに広義の民主主義の発展の重要なメルクマールとなるのである︒民主主義の原則︑とくに市民の権利.自由が適. 法性を通じて実現され︑そして適法性によって保障されるという意味で︑適法性なくして民主主義はありえず︑民主 ︵64︶ 主義なくして適法性はありえないという関係が成り立つといわれる︒こうした関係は︑国家によって解決され為課題. の複雑化︑社会意識において進行するプ・セスと相伴って︑民主主義︑参加を適法性強化の要請とする︵適法性強化. 要請の二つの流れは当然ながら参加を媒介にして考えられねばならない︶︒前述した管理への市民参加の諸形態は︑ ︵65︶. すべて適法性・法秩序に基づいて行使されねばならない︒適法性からの如何なる逸脱も︑国家管理への社会参加の民. 主主義的基礎を損ない︑その理念を失墜させるのである︵ここで管理参加と適法性の関係で重要な形態として︑人民. 的コント・ールが挙げられるが︑管理−適法性を論ずる場面で言及したい︶︒このように︑下からの︿総体化﹀は︑.
(25) ソビエト社会において︑適法性の枠内での︿参加﹀として︑即ち適法性を機能原理とするく参加Vとして︑管理と連 関することになる︒. 次に︑適法性ー管理について言及しよう︒管理上の何らかの法的決定を行なう場合に︑管理機関による適法性侵害. は︑①下級管理機関にみられる適法性と合目的性との対比︑②上級管理機関︵省︶にみられる下級管理機関の権限の ︵66︶. 侵害︑③中間的管理機関︵例えば企業合同︶による自らの権限の回避︑さらには④各管理機関にみられる決定の不履. 行といった形態をとってあらわれる︒こうした適法性侵害の予防・除去にとっての法の役割は︑上級 中央の管理機. 関の権限を法制化し︑そしてその他の管理機関のそれを政令化するうえで︑また管理機関・職員の職務遂行にたいす る監視・コント・ールの形態・方式を完成させるうえで重要なのである︒. このように︑社会の管理にとっての法・適法性の意義は大きい︒それは︑社会の各部分システムにおける多様な保障 ︵67︶. 形態によって確保されるのである︒例えば︑国家管理における適法性保障として︑今日︑①党・国家および社会組織. によるコント・ール︑②検察局による省・部・企業・国家職員および市民にたいする一般監督︑③具体的な民事・刑事. ・行政事件争訟における裁判所活動︑④調停︑さらに⑤仲裁裁判所活動などが挙げられる︒そのなかで参加と関連する ︵68︶. ①のコント・ール︑とくに人民的コント・ール︵エ巷o遠器蓉胃2葭︶について若干言及しておこう︒それは︑社. 会・国家生活の適法性保障に向けた市民の積極性・イニシアティヴを確保する形態である︒その意昧で︑人民的コン. ト・ールは︑管理における適法性保障という機能的目的を適法性−参加の統一としておこなうものであるともいわれ. 三五五. る︒だがその実践的意味は勤労大衆は︑人民的コント・ール機関を通じて︑経済・経営的・文化的建設においてコン 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(26) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三五六. ト・ール権を実現することができるが︑国家業務の管理へは参加しうるにすぎないということである︒後者の場合︑. 彼らは︑所与の計画・決定の遂行過程・結果にたいして︑しかも個々の職員にたいして責任を問うことができるにす. ぎない︒とはいえ︑人民的コント・ール機関によって︑管理における適法性侵害が多く摘発されている︒例えば︑モ. ルダビア共和国において︑一九七六年に︑人民的コント・ール地区委員会および市委員会は︑国家管理職員による非. 法を通じて. の管理の要請︵管理における適法性の要請︶は︑こうした侵害を予防し除去するた. 法律現象に関する九〇八の問題を審議し︑また共和国委員会は四七の問題を審議した︒その結果︑仕事への無頓着な ︵69︶ 態度と結びついた様々の過失・不経済のために三千人以上の職員が責任を問われ︑そのうち八六人がその職務を解か れた︒このように. めに︑管理機関・職員による法律・規律の遵守ばかりでなく︑適法性保障に向けた市民参加によるコントロールをも 意味するのである︒. 最後に管理−参加について︒︿管理化﹀対︿総体化﹀の基軸において把握された社会のダイナ︑・・ズムは︑基本的に. は管理と参加との相互連関にあるといってよい︒社会主義民主主義のより一層の展開が国家︑社会ならびに経済的領. 域における管理への勤労大衆のより広範かつ現実的参加にあるという主張は︑このことの輔半を強調するものであ. る︒だが︑他の一半︑すなわち︑上からの︿管理化﹀が︑参加と連関することで民主主義の展開にとって如何なる契機. となっているのかが︑ここではより問題なのである︒つまり︑これまでみてきたように︑勤労大衆の管理参加が党・国家. による上からの︿管理化﹀を機能的に補完する事態が︑民主主義の発展として把えられることが問題なのである︒この. 問題は︑社会的自主的管理に対抗的な国家的・行政的性格をもつ管理の問題性と︑実質的管理決定・コント・ールにま.
(27) で至りえずまた主体の消極的態応に規定される参加の問題性とに規定されたものである︒前述した管理への市民参加. の諸形態は︑①それらがすべてのレベル・形態の管理システムを包含し︑②それらが社会生活の全領域に亘って形成. され︑③それらが多く管理機能遂行のために形成され︑④それらが様々の社会団体を反映し︑さらに⑤それらが管理 ︵70︶ 形態と相互に影響を及ぼしあうといった特徴をもつといわれている︒ここでは︑少なくとも制度 形態の民主性は考. 慮されているが︑機能上の民主性は考慮されていない︒この後者の点は︑以下のような管理における民主化方向によ. って一定程度担保されることになろう︒①討議・推薦および選挙などの民主主義手続による国家機関職員の抜擢・配 ︵71︶. 置への世論より一層広範な参加︒②市民の生産労働と彼の管理参加との結合︒③国家機関・職員の権限・機能の社会. 的機関・組織への移譲︒とはいえ︑これらの点は︑今日のソビエト社会では要請にとどまっている︒従って︑こうし. たことからも今日︑制度的にも機能的にも︑管理と参加は相拮抗するダイナミズムとして十分に機能化していないと. いってよいであろう︒何故なら︑それは︑前述したように管理とそれを機能的に補完する参加とのダイナ︑・・ズムであ. るからである︒こうしたダイナミズムによってのみ︑党・国家による社会の統合・一元化が担保されるのである︒. 以上︑我々は︑管理ー適法性i参加の構造連関をみてきた︒それによって︑この構造の各モメントのはらむ問題性. とともに︑相互関連がはらむ問題性とが明らかとなったといってよいであろう︒この問題性は︑ソビエト社会の発展. のダイナミズムの質を規定する類のものであるが故に考慮されねばならない︒またそのことは︑基本権・主観的権利. 三五七. にもかかわる︒何故なら︑基本権・主観的権利は︑適法性︹管理︑参加︺を自らの実現の所与としているからである︒. 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(28) 語. 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 四 結. 三五八. 閣で述べたように︑本稿の目的は︑現代ソビエト社会のダイナミズムのなかで︑基本権・主観的権利が如何に機能. 化せしめられているのか︑その機能化メカニズムを探ることにあった︒そのために︑現代ソビエト社会が適法性︹管. 理︑参加︺とそれと連動しつつ規制する法的規制メカニズムとによって︑発展ダイナミズムを確保している事態を︑ 二と三でやや詳しくみてきた︒. その結果︑我々は︑右のメカニズムが常に下からの積極性・イニシアティヴを想定して︑それを﹁水路化﹂して︑ ︵72︶. いること︑管理目的︑適法性保障は単に一方的な要請方向をもつのではなく︑下からの参加を媒介にした市民の積極. 性・イニシアティヴを重要な契機としていることを理解することができる︒基本権・主観的権利は︑まさにこの契機 ロ. ロ. ロ. をなすのである︒そしてそのことによって︑基本権・主観的権利は︑社会のダイナミズムを確保するのである︒従っ. て︑基本権・主観的権利は今日︑個人的側面においてばかりでなく︑社会的側面においても発展性の契機として理解. されており︑そのように機能化せしめられているのである︒一方で社会の最適管理がさけばれ︑他方で市民の権利・. 自由のより一層の拡大が強調されるとき︑基本権・主観的権利の実現の社会的意味は︑前者との関連において考えら. れねばならない︒すなわち︑市民の基本権︑自由の拡大は︑社会の発展プロセスにおいて︑それ自体としては決して. 自存しているわけではなく︑かえって︑社会管理との連関においてのみ︑その社会的意義をもっているのである︒そ のことが︑まさに現代ソビエト基本権の機能化メカニズムを探ることの意義なのである︒.
(29) ︵1︶. 本稿では基本権・主観的権利の意味内容については所与とする︒この点について︑拙稿﹁現代ソビエト基本権の存立構造. さしあたり︑W・ブルス︵佐藤経明訳︶﹃社会主義における政治と経済﹄︵岩波現代選書︶︑オタ・シク︵高橋︒渡辺訳︶. 論﹂︑︵﹃早稲田法学会誌﹄第二九巻︶︑第三章参照︒. ︵2︶. ︿管理化V対く総体化Vという語は︑見田宗介﹃現代社会の社会意識﹄︵弘文堂︶に負っているが︑本稿では社会意識上の. ﹃クレムリン﹄︵時事通信社︶︑第六章などの問題指摘参照︒. ︵3︶. く管理化V対︿総体化﹀を広く社会関係・社会それ構造自体にまで適用することによって︑内容上変更を加えて使用している︒ ︵4︶O抄≦︒騨βω︒︒芭算o零昌①駐霞℃鎖且ロ︒一置︒巴超の8ヨω讐い8山︒p一〇鐸. ︵5︶ 拙稿・前掲論文︑二一〇頁参照︒. ℃︒器8Zo8ωω9. ピo凶帥一℃o一凶qβ区忠内ぼ拐げ90<きα卑o昌器≦8糞ぎ三な曽注9き随P日ωo≦魯ご毛餌津R. OO切O需民=図Oα員O自切の==ぴ臭O↓鵠O目の躍=評三こ這曾︒. ︵6︶ ﹁法的規制﹂の特質の研究は︑六〇年代はじめに着手された︒∩琴︾○ぬ窪f口℃&お寓ぴ剛目℃舘808需q﹄巷o器=臨訟. 9●国oぴo辞ω訂ユo. ω琶凶P評旨戸↓冨2090ユきαのしSo︒. ︵7︶. ただここで︑法を専ら社会関係の規制者とみる見解の行き過ぎが指摘される︒つまり法的規制を法的関係を通しての法規. ︒︸員窪︒壱舘轟お巷︒︒89一︒認℃3や㎝︒︒・ ︵9︶O写=・寓・寿藁ω︒9蕾臣︒3掌コ℃臣︒. ︵8︶ Oざ○ρ卜h突8窃︸3の釜臣窪弓o︒器切08℃Φ曼旨春o器霞諭国8量飴葭8蚤①突o竃oα員①3ゆρ三 一890も・ω9. ︵10︶. 一S98℃・8令89. の作用として理解する伝統的見解にたいして︑今日的見解は︑法的関係外での規制の存在を認め︑それを基本権の存在とか かわらしめる︒O舅脂○凶切属〜Oα員薗諭目冨切夢﹄. oIO9 3や㎝o. ︵2 1︶O琴客国︒三胃嵩8︸↓8℃o旨器︒霞①岩09窪匡∩恩需民罠田03息雷斜×巷畏o切一一〇お℃6召﹂①・. ︵n︶ O峯工・寓・三随還ω09望器ωoo. ︵4 1︶. 三五九. O客﹄●ρ曽釜や﹄国彊08﹃弓9︒田国ω輿o==08ぴ切短ω雪8竃8月雪鶉20突薯oα琵Rおρ切民霞・﹁02岩ヌ畠o. ︵13︶ O寧e︒O冨要堕口℃臣o畿葭4=03﹃ズ器9一零oo︸6も.お︒. 現代ソピエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(30) 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. 三六〇. 9マ一N9↓畏葵ρコ冨零9ω窪8﹃08崔凶葭8田①臭080α員9↓田噂三. O冬=︒寓︒三凶昌ωoω︸︾歪騨↓Φo℃①冒焉突器昌oα旨窪匡o蜜α♂突望臣08弓脂斜3℃・?P. 一〇ミ. O客↓o ︒竃製ρ6も﹂S. Oも﹄一−認. ︵16︶. ︵15︶. この点と関連して︑シャフナザー・フは︑管理の最高かつ究極の目的はシステムの諸機能の最適化であり︑より少ない努. O写=︒騨 三 薗 還 ω 0 9 ︾ 尽 ω ・ ﹄ 玉 ぎ 3 ダ ロ 屈 雷. o. 一零o. ︒目膏o﹃08量雪ω臣︸旨 寓息鎚o℃9. ︵7 1︶. o・. 一〇起始自や嵩o. 社会のシステム的把握は︑今日のソ連では一般的となっており︑それに基づいた管理領域の設定がおこなわれる︒∩寧. ho蜜o苔薗冒蔚器h・㌣phoF﹄≦. 力と支出によってできる限り有効な効果をうることであると述べている︒O琴7客目貰器ω巷099量雪胃壁話︒臣諭. 員①霞o苔9︒旨国・u3マ臼・. ︵18︶. ︵19︶. O写OO>詣突8①伊コ思頃o=黛昌9︒塁①=器切8月員墨旨§旨需突o冨oα員①3切ρ︽Ooω爲良o①﹃o身岩ヌ畠o鵠目℃欝o. ラ図㍉●目切O括80霞9鼠・頃三巷亭塁0908雪突89︒h寓§馨も胃苗ぎ①弓臣O︸旨臣09一零S. 冒日臣貰一S︒︒もも・参. 9・3づ谷3逗翼評霞もの臣①8長雪臣呂9舅8量貸︒き3き①突03a員9鵠①霊︒38さ旨窓雪窪臣臣. O写︸○●>︒↓巽o竃壱o伊﹁︻℃欝o=8月臣﹄臣oo曳目冨雪①ω思︒︒国胃o寓8娼墨自3Σ①突o冨oα眉①8ρ三・︸一Soo一6も・9. ー以下︑Oり謹コと略記ー︾噂一零ρ苔93℃﹂↑. ︵20︶. ︵21︶. ︵22︶. 一九七六年一月の時点で︑管理における﹁一般的図式﹂︵﹁窪εき臣匡Φ突o窯εが二一の省で採用された︒︵O琴図図<. 8唇窪①臣自㊤冨器切臣寧評鴇胃器8量薗き8釜R葦図&三8おΦ臣暴o霊o目窪愚 ︵23︶. oび8hズロOOo℃9 ︒ω窪望=8眉堅﹄§旨 ooス呂h①蜜o苔鷲§一ω畏o=oh曽gぴ自器属望弓呂誌臣国℃ズ需伊一〇ミu8や. 器S︶︒その結果︑三三一二の生産合同と科学生産合同が形成された︵員O望O∩Oコ=9︒Bhぎ①×o堅陣38器8莞﹂ 一〇ミ︸3℃︒嵩O●︶︒. 非鉄治金部門および漁業部門における﹁一般的図式﹂の導入前と後の管理の組織構造を示す図として︑o客鋸言製ρ自マ. ﹄≦. ωq①踏翫Nなお︑企業合同の緯織権限に関して︑O口OO∩ダおお︾苔88.ωρ同じく生産合同に関して︑∩口OOO頴. ︵24︶.
(31) お謹一蕎oo 自るoo参照︒. oωuO↓角日ぴ卸O↓や一9 >﹄Φ民O①Φ9黛民自. ㎝下戯9. O寓●弓薗窯. 萸ρO↓℃●一〇〇Qo●. ︒. 後註︵29︶参照︒なお︑国家管理における適法性侵害の原因について︑o客ρエ︒切葛昌o﹃﹁○℃臨>属調9器凶o冒93器︐. ∩蜜巳O︒O. ︽O﹁=﹁﹇y 一 〇 刈 9 苔 一 ど O ↓ ℃ ︒ 一 ω ︒. ︵25︶ O試︒一〇・> ↓国×O窯国℃09 0α目b=国℃Oh=O①﹃OO賓ho o℃O↓切O 国堵類℃山閃﹄①==① OO月=凶﹄ぴ=O︐¢民O鵠O霞国 O∩民鵠竃=目℃O員060薗寓国. ︵26︶. 出属OO↓ぴ=ωmスO=匡OO↓﹃三こ一〇刈90↓℃︒一〇〇lNOρ. ︵27︶. 苔90↓や. ︒. ↓景oζ喬0900篇蓄﹄臣o自○旨竃臨港突累目℃国℃o宕望口冨雪Φ重卸. ︵28︶9﹄・甲>器雷差8る辻99自器ぎ国おε器自3匿①︒臣①岩B雪窪温突器o臣o目①霞卸合冨ぎ田需霞︒︾レS︒. 党による管理プロセスの指導について︑︒罫6●>. ︵29︶ O蜜.月薗言製ρO↓℃●斜刈●. ︵30︶. ∩寓︒>︒=︒員①歪鵠OOgOα員帥国O属O↓Φ蜜薗OO員=麟旨国O↓鵠寓①OズO詠h①寓O民℃薗↓国類一﹄≦こ一〇刈即O↓℃・q. ︽O﹁鵠﹁︻︾一一〇刈ρ苔SO↓℃・①. ①O民O邸h①竃Oズ℃帥↓国=︸閃ズ謡=・員O蜜Oズ℃o o↓属国 ℃自 oω切臨↓O屑O OO月類薗旨謡O↓=4︐. ︵訂︶. 一〇刈90↓℃●刈O・. ∩冨︒国・国︒↓O目O℃==寓︸三〇X薗==ω置OO員=ロ﹄属O↓国. oω蹟①==諭℃薗ω切寓↓O竃OO月国薗﹄=6↓国 ①O医O竃Oα員OO↓切ρ﹄≦4一〇刈Qo糟O↓℃・一刈 ・ O竃.︸09>・↓属×O蜜=℃09﹄≦①×薗=国ω=賓肖℃自. ①O訳OりOOα一員①∩↓o o欝三. ︵舘︶. ︵3 3︶. ︵訪︶. ︵34︶ O言︒↓p o竃民ρ6↓℃︐一QQq.. O竃・↓9 0蜜製ρO↓℃・一袖OI一〇. Q9. ︵36︶O客7×●目貰臣ω巷畠受歪︒︒・8〜︒づ一§ ︵7 3︶. 三六一. ︵38︶ O寓︒︸○・>●↓謡×Oζ国℃O伊図民帥oo︒﹄≦①図9 0議=ω竃賓目℃角閃﹄Φ蜜出論℃mω閃鵠月O霞OO月=薗﹄属O↓国4①O民O窯Oα目50↓切ρO↓や一〇〇①・. 現代ソビエト基本権の機能化メカニズム論︵小杉末吉︶.
(32) ︵39︶. 自由な時間がない. (7%). (8%). ⑦. 意欲がない. (13%). ⑤⑥. 当局との関係を損うことを惧 れる (16%). ③④. しい. (21%). 必要な知識がない. (19%). 管理に参加する仕事がない. とに確信をもてない(16.64%). ③④. (18.4%). ①②. 自分の意見が意義を有するこ 時間がない. 知識と情報がない. (16.5%) 意欲がない. (5.35%). 早稲田法学会誌第三〇巻︵一九七九︶. ②. 行政活動についての情報が乏. トムスク市《シプカベリ》合同. O琴♂寓美ρ3マ匹P. 三六二. =一刈①ー一刈S. 本文と関連して︑集会で演説しない自らの消極的態度についての理由を調査したスベルド・フスク・タービン工場での調. ①. 意見が聴取される確信がない (32%). ザボロツキイ. 一二〇頁参照︒ ミエしスヌイ. o3三〇一僧昌伽℃﹂一9び一〇〇〇一・ 昌o﹂堕℃●o. 苔ωPo一ωo︒ド. 一九六五年経済改革当初の統計によると︑次の通りである︵O冬頃客O惹×=笹℃oき臣℃ohき8民o=も自鵠切8器℃−. ︿o一﹄o o. 市民参加の量的増加傾向について︑oいいコ国O仁αqF勺o一ま8一℃鎖濤一〇首碧δ昌ぎ908︿一9仁三〇P︽ω〇二魯ω9象8γ. 切£o鼠06望切o要o臣o﹃oOo器雷OOOコ一S一弓. 労働組合軽工業工場・重工業工場・地方委員会が労働者・職員にかわって︑具体的な参加・提案の権限を有する︒O琴. フアブリコチヌイ. 成ー﹄︵千倉書房︶︑. 査結果が参考になる︒ヴォルコフ︑チェルヴャコフ︵宮坂純一訳︶﹃現代ソ連の労働者と企業管理i生産の主人公感情の形. ︵40︶. 小型計算器スモレンスク工場 oα員①oお①臣匡図o臣oβ①臣評8マ㎝ω︶. 目①霧田畠臣国属碧日巷90鵠︾口冨切旨O議=国器㊤鋸目①冨田=↓O﹃08月濫﹄器竃凶ω民=寧堵ズ鶴・冨寄胃器8員き﹄国自国器6民瞑図. ︵43︶. ︵42︶. ( 41 ).
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