き裂進展を考慮した構造最適設計Structural optimization considering cracks propagation
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(2) 態1,ま. た は2に 関す る 量 で あ る こ とを示 して い る.そ. てJ(1),J(2)は,状. (3). し. 態1と 状 態2が そ れ ぞれ 単独 で 存在 し. た場 合 のJ積 分 の値 で あ る.そ れ に 対 して1(1,2)は状 態1と 状 態2の 相 互積 分(interactionintegral)と呼 ば れ,次 式 で計 算 され る.. (5) ただ し,こ れ らは き裂端 を原 点 と し,き 裂線に平行にx 軸 を とった局 所直行座標 系及 びそれ と対応 す る極 座標 系 の関数で ある.ま た,Jは き裂面周辺の変位の不連続 性を 考慮す る節点の集合,そ してCは,き 裂端周辺の特異 性変 位場 を考慮す る節点の集合であ る(図‑1参照).す なわち,. この連 成 項I(1.2)とK値 の 間 に は式(6)の 関係 が成 り立っ. た だ しE*は ヤ ン グ率 で あ り,平 面 ひ ず み 状 態 の 場 合 は等 価 な 平 面応 力 状 態 に変 換 す る.. (6). 節点 の内挿 関数 が き裂線 に よって完 全 に切 断 され るよ う な節点は集 合Jに 属 し,内 挿 関数 が完全 には切断 されず, その内部に き裂端 を含む よ うな節 点は集合Cに 属す る.そ してdi,bj,clkは. 適 当な節 点において定義 され る 自由度. であ る.. こ こ で 補 助 状 態(状 態2)を (K(2)I=1,K(2)II=0ま. 純 粋 な 単 一 モ ー ド状 態. た はK(2)I=0,K(2)II=1)と. うな 場 の 関 数 を 式(5)に 代 入 す れ ば,そ. 仮 定 し,そ. の よ. の 問 題(状 態1)の. K(1)I,K(1)IIを 得 る こ と が で き る.. (7). 23領. 域積分法. 式(5)の積 分 計 算 は境 界r上. で 実 行 され るが,こ れ を領. 域 積 分 に変 換 す る こ とに よっ て数 値 計 算 が 好都 合 に な る. れ は 一般 に領 域 積 分 法3)(Domain. れ る方 法 で あ る.式(5)の 被 積 分 関 数 に あ る重 み 関数q(x1,. 図‑1節 点へのあ らたな 自由度 の付加. を か け,そ の 後Gaussの. 22混. integralmethod)と 呼こば. 合モー ドき裂の応 力拡大係数 評価法. 界rが. 混合モー ドき裂 では,通 常 のJ積 分 を実行 してJ値 を求. 発 散 定 理 を適 用 す る.そx2して境. き裂 端 に収 縮 した極 限 を考 え る もの とす る と,式(8). の よ うに変 形 で き る.. めてもKI値,KII値 を個別 に求めるこ とはできない.モ ー ド分離 を行 うため本研究 では相互積分法2)を用 いた.まず,. (8). ある形状 のき裂 に対 して,変 位場 ・ひずみ場 ・応力場が異 なる二つ の独 立 した状態(状 態1,状 態2)が 存在す るも の とす る.こ こで,状 態1は 現実 にK値 を求めたい(モー. こ こでAは,図‑2の. 境 界 Г,Г0,C+,C‑によっ て 囲 ま れ る. ド分離 を行 いたい)状態で あるの に対 して,状 態2は 補助. 領 域 で あ る.た だ し,境 界 Г0は境 界 Г. 的に導入す る ものである.そ してそれ ら2つ の状態 を重ね. 境 界 で あ る もの とす る.. 合 わせ た状態 を新 たに考 え,そ れ に対 してJ積 分 を実行す る.す る と,次 式のよ うに式展 開 され る.. (4). ここで各物理 量の右 上添 え字(1)または(2)はそれぞれ状. ―168―. 図2領 域積分法の概 念図. 外 側 に存 在 す る.
(3) また,重 み関数qは 領域A内 部に分布 し,式(9)を満 足. (12). す る十分なめ らかな関数 であ るとす る. また,複 数 のき裂 がある際 は,き 裂進展量は,最 大き裂 進展長 さ△αに対 して,各 き裂 にお け る応力拡大係数範 囲. (9). △Kiの 中の最 大の もの を △Kmaxとすれ ば,そ れ に至 るま での最 小繰 り返 し数 は. 境 界 Гに 沿 っ た経 路 で あれ ば,方 向,す な わ ちベ ク トル. (13). 量 を扱 わ な けれ ば な らな い の に対 し,領 域 で あれ ば 「 き裂 端 か らの 距 離 」な どの よ うな ス カ ラー 量 を扱 うこ とに な る の で 処 理 が 簡 単 に な る.な お,領 域 積 分 に お け る積 分 点数 は 各 要 素4×4点. で あ り,各 き裂iの 進 展 長 さは 下記 の よ うに な る.. と した.. (14). 重 み 関 数q(x)の 具 体 的 形 状,大 き さに 関 して は,筆 者 ら が 文 献4)に お い て検 討 を行 っ てい る.こ こで は,形 状 を台. 2.6初 期き裂 作成 方向. 地 形(円)と し,ま た,き 裂 端 か らの 広 が りは 中 心(き 裂 端). き裂進展解 析においては,き裂進展解 析 を行 うために. か ら要 素2個 分 の 長 さ と した.. は初期 き裂が存在 しなけれ ばな らない.し か し,実 際の構 24き. 裂 進展方向. 造物 において初期 状態 でき裂 が予 め存在す る とい うこ と. き裂 が 進 展 す る とき の進 展 方向角 度 θ の 決 定 に は最 大 円周応 力 基 準(maximum. circumferentialstresscriterion)を用. い た.こ れ は 円周 方 向 の 応 力 が 最 大 とな る よ うな 方 向 に き 裂 が 進 展 す る とい う仮 説 に 基 づ い て い る.各 計 算 ス テ ップ に お い て 得 られ たKI値,KII値 を用 い て 式(10)に よ り進 展 方 向 角 度 が 求 ま る.. (10). はないので,初 期の き裂が発 生の メカニズムに照 ら し合 わ せ て,初期 き裂 を設定す る必要 があ る.き裂 発生 の過程 は, 下記の通 りであ る6). (1)結 晶におけるすべ り発 生 (2)多 点表 面き裂の発 生 (3)多 点表 面き裂の成長 (4)合 体 (5)ひ とつの大きな表面 き裂 この過程の(1)〜(3)に おいて,初 期 の表 面 き裂の成長段. これ は互いに直交す る2つ の方 向(主応力方 向)であ り,. 階があ ることが分 かる.こ の とき,き 裂成長方 向は,通 常. この うちの 円周方 向の 引張 り応力 が最 大 とな る方 向にき. のき裂進展 の場合 と同様 のメカニズムで,円 周応 力が最 大. 裂を進 展 させ る,. であ る方向にき裂 が発 生す る とい う仮定 に基づ き,初期 き 裂発生方向を、最大主応力方 向に対 して垂 直な方 向 と考え,. 25き 裂進 展長さ. き裂発生 の基 点に対 して,その方向 に十分短 い初期 き裂 を. 繰 り返 し荷 重が与 え られた時 のき裂伝播 寿命 の計算 で. 配 置す ることとす る.. 広 く使 われてい る手法 としてParisに よって提案 され たパ リス則5)があ り,き 裂進展長 さの繰 り返 し回数 に対す る関 係 が以下の関係で示 され る.. 3.最 適 設計 3.1目 的関 数 制約条件. (11). 本 論文では序 論に述べ たよ うに,疲労に よるき裂進展 に よる構造 破壊 に至 るまでを構造の寿 命 と考 え,複数 の箇所. こ こで,α:き 裂 進 展 長 さ,N:繰 返 し回 数,C,m:伝. 播 定 数,. か ら同時にき裂進展 が起 る と仮定 して解析 を行い,寿 命 を. △K:応 力拡 大係 数 範囲 で あ る.具 体 的 な値 として は,文 献6) を参 考 にC=5.4654e‑12,m=2.76を. 最大 にす るこ とを考 える.. 用 い た.. き裂 が1つ の場 合 は,適 当 な き 裂進 展 長 さ △αを 定義 し, 応 力,変 位 場 に 対 して 計 算 した応 力拡 大係 数 範 囲 △Kを 用 い,以 下 の 式 よ りそ の き 裂進 展長 さに 至 る ま で の繰 り返 し. 実際 のき裂 発生 は,決まった繰 り返 し数 で確定的 に必ず お こる とい うものではな く,表面 の状態 な どによ りき裂進 展 の進 み具合 は大 き く左右 され るものであ るが,そ れ らの すべ てのケースを考慮す るこ とは不可能で ある.そ こで,. 数 を 求 め る.. 最 も危険 な場合 とい う意味で,い くつ かのき裂進展 の発生. ―169―.
(4) す る箇所 をあ らか じめ規定 しておき,それ ぞれ の箇所 に初. 3.3最 適 化手法. 期 き裂 を配置 し,それぞれが2章 で述べたアル ゴ リズムに. 最終 的な破壊 に至 るまでの繰 り返 し数 の,設計変数であ. 基づき同時に進 展す るとす る.そ して,最 終的に剛 性マ ト. るベー シスベ ク トルのパ ラメー タに対す る微係数(い わゆ. リクスが特異にな り,構造 として不安定になった状態 を構. る感度)を 求 めるのは,非 常 に困難 である.解 析的に この. 造 と しての最 終的な破壊 と し,そこに至 るまでの繰 り返 し. 感 度 を求 め るこ とは状態 変数 の感度 に対す る解 析 を行 う. 数 を最大化 すべ き目的関数 とす る.. 必要 があ り,式 が非常に煩 雑になる一方 で,差 分 による感. 実際 の構 造物 では,き裂 をそのまま放 置 してお くとい う. 度 を求め るには,目 的関数 のなめ らか さが不足 して いる.. ことはな く,検査 によって発見 され た き裂は何 らかの形 で. しか し,こ こで取 り扱 う目的関数 は,多 くの場合本 質的に. メ ンテナ ンスが行 われ ることが多い.し か し,これ を考慮. それ ほ ど多峰性の多い関数ではな く,比較的 スムーズな関. す ると問題 設定が非常に複 雑にな り,考え方 も構造 によっ. 数 である と考 え られ る.そ こで最適化手法 としては,勾 配. てケースバ イケースになって しまい,一般論 で展 開す るの. を使 用せず に比較的簡 単に最適解 を求 める ことが でき る. が困難 であ る.本論文では このメ ンテナ ンスの効果 は考慮. Nekler‑Mead Simplex法8)を用 いて解析 を行 う.. しない.た だ し,こ の手法 を実務 に適用す る上では,メ ン テナ ンスの影響 は今後考慮 してい くべ きだ と考 える.. 4.数. 値解析例. 41解. 析対象. 制約条 件 としては,後の例題 では構造 最適設計 の定式化 と しては典型 的な重量制約 を考える.た だ し,他 の様 々な 一般的 な構 造最 適設 計 に使 われてい る制約条件 も容易 に. 解 析例 と して,図‑3に. 示 したT字. 形 状 の構造 物(T字. 利 用可能 であ り,構造破壊 に至 るまでの繰 り返 し数 も目的. 継 ぎ 手)に 対 し,横 部 材 両端 を完 全 固 定 、縦 部材 上 端 に一. 関数 ではな く,制約条件 と して考慮す ることも可能 である.. 様 荷 重(1KN)を. 片 振 りで 繰 り返 し負 荷 す る こ と とす る.. ま た,ヤ ン グ率E=2.1×105と. 3.2形 状変更. し,ポ ア ソン比 ν=0.3と し. た.図 中に 丸 で 示 した左 側 の角 部 の2点 に対 し初 期 き裂 を. 本論文 では,設 計変数 と して構造の形状 を考える.形 状. 配 置 し、 き裂 の 進 展 解 析 を行 った.. を設 計変数 とす る場合,自 由に形状 を変化 させ る力法 力な どの手法 も有 効であ るが,目 的関数や 制約 条件の選 び方 は 限 られ てきて しま う.こ こで扱 う目的関数 に対 して,少 な い設 計変数 で形状最適化 を行 うためには,ベ ー シスベ ク ト ル 法 は形 状変更後 の メ ッシ ュの再構築 が非 常に容易 であ る.そ こで,こ こではベー シスベ ク トル 法に よる形状最適 設 計 を行 う. 設 計 前 の 形 状 に対 して 有 限 要 素 法 の メ ッ シ ュ分 割 を行 い,そ の メ ッ シ ュの 各 節 点 の座 標 値 を列 ベ ク トル と して 並 べ た もの をM0と す る.ま た,適 当 な 形 状 変 形 パ ター ン を定 義 し,それ らの 変 形 パ タ ー ン. 図‑3解. 析 対 象(θ=45度. 、85度). に応 じて 形 状 を 変 化 させ た メ ッ シ ュ を 変 形 パ タ ー ンi(i=1〜n)に と,形. 対 して,Miと. す る.こ れ を用 い る. 状 変 更 後 の メ ッ シ ュ を パ ラ メ ー タ αi. (i=1〜n)を 用 い て次 式 の よ うに表 す こ とが で き る.. 42形 状変更方法 図‑3の解析対象 に対 し縦部材厚 さ、 横部材厚 さをそれ ぞ. (15). れ変化 させた場合 について解析 を行 った.形状変 更の手法. αiは定義 したベー シスベ ク トルの形状 を基 準 と した倍 率 であ るので,αiを 設計 領域 の形状 を表現す る設 計変数 とな る.設 計変数の上下限値 は最適解 を十分 に表現 でき,. として前述のベ ーシスベ ク トル法 を用 いた.図‑4の様 に2 つ の形 状変形パ ター ンの有 限要素 メ ッシ ュを用 意 し,式 (15)に基づ き形状 変更後の有 限要素メ ッシュの生成 を行 っ た.. 形状 に不整 合が生 じない よ うに設定す る.. ―170―.
(5) 表‑1部 材厚 さを変 更 した場合 の破断 するき裂 の変化 (●は上部 き裂. оは下部 き裂). 形状 変更前 メ ッシュM0. 以上 の結果 よ り,総疲 労寿命 に対 しての影響 は,横 部材 厚 さを薄 くす る場合 よ り,縦部材厚 さを薄 くす る場合の ほ うが大 き くなるこ とが分か り,横部材厚 さを薄 くす る と下 部 き裂 が破断す るよ うにな る. メ ッ シ ュM1. メ ッ シ ュM2. 4.3.2疲 労 寿 命 に対 する 形状 の 影 響. 図‑4ベ ー シス ベ ク トル 法 の メ ッシ ュ. 初 期 形 状 と初 期 形 状 か ら縦 部材 厚 さ を4.5mm薄. 43解. 形 状(CaseA)の. 析例145° 方向荷重. く した. 疲 労寿 命 を比 較 した もの を,図‑7か. ら図. 12に 示 す.図‑7,図‑10で はそ れ ぞ れ の ケー スの き裂 進 展 経 ‑. 以下ではまず,T字 継 ぎ手に対 し45° 方 向に荷重 をかけ た場 合につ いて解 析す る.. は き 裂進 展 速度,図‑9,図‑12で. は応 力 分. 布 を示 す.き 裂進 展経 路 は,縦 部材 厚 さを薄 くす る こ とに よる応 力 集 中部 が 上 方 に移 動 した こ とに よ り,上 方 に移 っ. 43.1形 状変更による疲労寿命の 変化. て い る.ま た き裂 進 展 速 度 は,応 力 集 中 に よ り初 期 か ら速. 最適設 計を行 う前 に,2つ のパ ラメータを変化 させ た と きの,構 造破壊 に至 るまでの繰 り返 し数 を調べ る.縦 ・横 部 材厚 さをそれ ぞれ10mmか. 路,図‑8,図‑11で. 度 が速 くな って い る.応 力 集 中部 は縦 部材 厚 さを薄 く した こ とに よ り上 方 に移 って い る.. ら5mmで 変化 させ た場 合の. 疲 労寿 命の変化 を図‑5に示す.ま た、それ ぞれ の場合 にお いて,い ずれの き裂に よ り最終的な構造破壊 に至 ったかを 表‑1に示す.. 図‑6部 材厚 さを変更 した場合の破 断す るき裂の変化 (●は上部 き裂 図‑5部 材厚 さを変更 した場合の疲労寿命. ―171―. оは下部 き裂).
(6) 図‑11応. 力 分 布(CaseA). 図‑7き 裂進展速度(初 期 形状) つ ぎ に,初 期 形 状 と初 期 形 状 よ り横 部 材 厚 さ を4.5mm 短 縮 した形 状(CaseB)の す.図‑12で. 疲 労 寿命 を図‑12か ら図‑14に 示. は き裂進 展 経 路,図‑13で. は き裂 進 展 長 さ,図. 14で は応 力 分 布 を示 して い る.き 裂 進 展 経 路 は 、横 ‑ 部材 厚 さを薄 くす る こ とに よ り,下 部 き裂 が よ り早 く進 展 して い る.そ して,き 裂 進 展 速 度 に 関 して は,下 部 の き裂 が進 展 す る場 合は 急 速進 展 を 起 こ さず 破 断 して い る.ま た 、応 力 集 中 部 は横 部 材 厚 さを薄 く した こ と に よ り下 方 に移 っ て い る.. 図‑8応. 力分布(初 期形状). 図‑12き 裂 進 展(CaseB) 図‑9き. 裂 進 展(CaseA). 図‑10き 裂 進 展 速 度(CaseA). 図‑13き 裂 進 展 速 度(CaseB). ―172―.
(7) 下部 き裂 に移動 している.ま た疲 労寿命 に よる最適 解では, 上部 き裂 もあ る程度進 展 させ るこ とに よ りエネル ギー発 散 をす る ことで疲労寿 命を延 ば してい る と考 え られ る.疲 労寿 命に よる最 適解の上部 き裂 は,応 力集 中が下部 に移動 した ことによ りき裂進展経路 も下部 に移動 してい る.. 図‑14応. 力 分 布(Case. B). 4.3.4 これ らの 目的関数 を用 いて,最 適設 計を行 った.疲 労寿 命 を 目的関数 に し,重量 を設 計変更前 と同 じかそれ以 下 と す る場合 の最適 設 計 の結果 と,き 裂 基 点 にお け る最大 von‑Mises応 力 を目的関数 に し,同 じ重量制約 を課 した場. 図‑15き 裂進展(初 期形状). 合 の最適設計 の結果 を表‑1に 示す.初 期値 は縦部材厚 さ 60mm,横. 部材厚 さ6.0mmと した. 表‑1各 最適設 計におけ る疲 労寿命. 最 適 設 計 に よ り,初 期 設 計 に比 べ 疲 労 寿 命比 を10倍. 近. 図‑16き 裂進展速度(初 期形状). く延 ばす こ とが で き た.ま た,疲 労寿 命 に よる最 適 設 計 と von‑Mises応. 力 に よ る最 適 設 計 で は,形 状 に大 き な変 化 は. な い が,疲 労 寿命 は疲 労寿 命 の最 適 化 の 半分 程 度 とな っ た. 形 状 が あ ま り変 らな い の は,von‑Mises応. 力 の最 適 解 は,. 上部 き裂 基点 と下部 き裂 基点 のvon‑Mises応 力 が 同程 度, つ ま りvon.Mises応 力 の 大 き い き裂 基点 分 布 の境 界 付 近 の 形 状 に な る の に対 し,疲 労 寿 命解 析 で は 、破 断 き裂 が上 部 き裂 と下部 き裂 の境 界 付 近 の疲 労 寿 命 が 長 く,境 界 付 近 の 形 状 とな る た め,von‑Mses応. 力 の大 き な き裂 基 点 の 分 布. と,破 断 き裂 の分 布 が似 通 って い るた めで あ る. 疲 労 寿 命 最 適 解 と初 期 条 件 の比 較 を図‑15か 示す. 図‑15,図48で. ら図‑20に. は,き 裂 進 展 経 路 、 図‑20,図‑23で は. き裂 進 展 速 度,図‑21,図‑24で は応 力 分 布 を示 して い る.疲 労寿 命 に よ る最 適 解の 場 合は,下 部 き裂 が よ り進 展 して い る.こ の 時,横 部 材 厚 さが薄 くな る こ とに よ り応 力 集 中が. ―173―. 図‑17応 力分布(初 期形状).
(8) 図‑21き 裂 進 展(von‑Mises応. 図‑18き 裂進 展(疲 労寿命最適 形状). 図‑49き 裂進 展速度(疲 労寿命最適 形状). 力 最 適 形 状). 図‑22き 裂 進展 速 度(von‑Mises応. 図‑20応 力分布(疲 労寿命最適形状). 図‑23応 力分 布(von‑Mises応. また,von‑Mises応 力最 適解におけるき裂進展経路,き. 44解析. 例2. 力 最 適 形 状). 力 最 適 形状). 85°方 向 荷 重. 裂進展速 度,応 力分布 を図‑21か ら図‑23に 示 してい る. von‑Mises応 力に よる最 適設計 では上部 き裂 基点 と下部 き 裂 基点の応力集 中が同程度 になってい る.これ によ り初期 のき裂進展 では同 じよ うな速 さで進展 してい るが,上部 き 裂は急速進 展 を始 めるため疲 労寿命 が短 くなって しま う. 疲 労寿命 に よる最 適形状 は,上 部 き裂 を伸ば しつつ,急 速 進 展 しない下部 き裂 を破断 させ るこ とに よ り寿命 を延 ば してい ると考え られ る.. ―174―. 次 に,同 じ例 題 に対 し荷 重 方 向 を85° 方 向 に 変 化 させ た 場 合 につ い て解 析 す る.前 述 の疲 労 寿命 を 目的 関 数 に した 場 合 とvon‑Mises応 力 を 目的 関 数 に し,重 量 一 定 の 条 件 下 で最適 設 計 を行 った ケ ー ス を表‑2に 示 す.初 期 値 は 縦 部 材 厚 さ6.0mm,横. 部 材 厚 さ6.0mmと. した..
(9) 表‑2各 最適設計におけ る疲 労寿命. 最適設計 によ り疲労寿命比 を1.3倍程度延 ばす こ とがで きた.一 方,von‑Mises応 力 に よる最適設計 では疲労寿命 が初 期設計 よ りもは るか に短 くな って しま うとい う結果. 図‑26応 力分布(初 期形状). になって しまっている.そ の意味で も,von‑Mises応 力 に よる最適設計 は問題 がある と考 え られ る. 疲 労寿命最適解 と初期 条件 の比較 を図 に示す.図‑24〜 26は 初期形状 におけ るそれぞれ き裂進展経路,き 裂進展 速度,応 力分布 を示 してい る.ま た,図‑27〜29は 疲 労寿 命 最大化におけ る結果 を しめす.疲 労寿命 に よる最適 解 と 初期条件の解は、共 に下部 き裂 が進展 してい る.初 期条 件 では,比 較的 縦 部材厚 さが大 きく上部 き裂が進展 しに くく な ってい るの に対 し,疲労寿命最適解では縦部材厚 さが薄 くなるこ とで,応 力集 中を上部 き裂に移動 させ上部 き裂を 伸 ばす形状 とな ってい ることが分か る.. 図‑27き 裂進展(疲 労寿命最適形状). 図‑24き 裂進展(初 期形状). 図‑28き 裂進展速度(疲 労寿命最適 形状). 図‑25き 裂進展速 度(初 期形状) 図‑29応 力分布(疲 労寿命最 適形状). ―175―.
(10) 図‑30〜32に 最大応力最小化に よる結果 を示す.本 解 析. 5.結 論. の初期 条件では,下 部 き裂基点のvon‑Mises応力 は上部 き 裂基点に比べ大 きくなってい る.こ れに よ り,応力 を 目的 関数 とす る最適設計 では,下 部 き裂 基点 のvon‑Mises応力. 本論 文で は構造物 の寿命 を評価 関数 として設計 を行 う ため,複数 のき裂 を定義 して き裂進展解析 を行 う手法を提. を小 さくす る為,縦 部材厚 さを薄 く,横 部材厚 さを厚 くす. 案 した.X‑FEMに. る形状 にな る.こ れ によ り,上 部き裂が進展 しや す くな り. 進展解析 を行 った.破 断 に至 るまでの荷重繰 り返 し数を構. 疲 労寿命 が短 くなった もの と考 え られ る.これ に対 し疲労 寿命最 適解では,上部 き裂が急 速進展 を起 こしやすい き裂 であるために,上部 き裂を破 断原 因 としない形状 が求 まる. よる複数 き裂の進展解析 を行い,き 裂. 造物 の疲労寿命 と し,この寿命 を最大化す る形状最適化 を べー シスベ ク トル法に基づき行 った. T字 継 ぎ手の解 析結果 より,これまで一般 的に行われて きた最大von‑Mises応 力 による最適設計 と,大 きく異な る. こととなる.. 形状 が得 られ る可能性があ ることがわかった.本 手法を使 えば,疲 労寿命 を大幅 に増加 させ るこ とがで きる一方,従 来 手法で は逆 に寿命 を短 くして しま う危険性 もあるこ と を示 した。 今後,本 文 中に も述べた よ うに、メンテナ ンスな どの影 響 を取 り入れ るな ど して,よ り実用的な手法 と してい くこ とを試 みたい. 参考文献 1). Belytschko T, Black T.:Elastic crack growth in finite elements with minimal remeshing. Int.J. Numer. Meth. Eng., 45.5,pp.601-620, 1999.. 図‑30き 裂 進 展(von‑Mises応. 力 最 適 形状). 2). Yau, J.F, Wang, S.S.and Corten, H.T.:A mixed-mode crack analysis of isotropic solids using conservation laws of elasticity. J. Appl. Mech, 47, pp.335-341, 1980. 3). Moran, B. and Shih, C.F.: A general treatment of crack tip contour integrals. Int. J. Fracture, 35, pp.295-310, 1987.. 4). 中 住, 鈴 木, 大 坪: 重 合 メ ッ シ ュ 法 とXFEMを た き 裂 の 進 展 解 析,. 用い. 日 本 造 船 学 会 論 文 集, Vol.195,. 2004, pp.79‑86.. 5) 図‑31き 裂 進 展 速 度(von‑Mises応. Paris, P.C., The mechanics of fracture propagation and solutions to fracture arrestor problems, The Boeing. 力 最 適 形 状). Company Document 6). D-2-2195, 1957.. 豊 貞 雅 宏, 丹 波 敏 男: 鋼 構 造 物 の 疲 労 寿 命 予 測,共 立 出 版 株 式 会 社, 2001.. 7). 畔 上 、 領 域 最 適 化 問 題 の 一解 法, 日本 機 械 学 会 論 文 集A編,. 8). Vol 60 ppl479‑1486,. 1994.. Lagarias, J.C., J. A. Reeds, M. H. Wright, and P.E. Wright, "Convergence. Property. of the Nelder-Mead. Simplex Method in Low Dimensions,". SIAM Journal. of Optimization, Vol.9 Number 1,pp.112-147,. 図‑32応 力 分 布(von‑Mises応. 力 最 適 形状). (2008年4月14日. ―176―. 1998.. 受 付).
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