Author(s) 大山, 綾花; 石澤, 伸弘
Citation 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 72(1): 527‑536
Issue Date 2021‑08
URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/12027
Rights
北海道教育大学紀要(教育科学編)第72巻 第1号 令和3年8月 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.72,No.1 August,2021
大学の講義におけるニュースポーツの現状と課題
大山 綾花・石澤 伸弘*
北海道教育大学大学院教育学研究科
*北海道教育大学札幌校
CurrentStatusandIssuesofNewSportsinUniversityLectures
OOYAMAAyakaandISHIZAWANobuhiro*
GraduateSchoolofEducation,HokkaidoUniversityofEducationinSapporo
*HokkaidoUniversityofEducationinSapporo
概 要
「運動嫌い」「体育嫌い」の人々には,新種目の導入や楽しさ・達成感を感じられる授業を 展開することが一つの重要な要素である。「ニュースポーツ」や「レクリエーション・スポーツ」
は運動を苦手とする者にとっても有益であることが先行研究で明らかとなったが,小・中・高 等学校段階での実践報告は,管見の限りではあるが散見する程度である。教員免許を取得でき る体育系大学や体育系学部・学科などにおける講義としてのニュースポーツの実施状況を明ら かにした結果,開講している大学は111校(34.9%),開講していない大学が202校(63.5%)で あった。学校体育でニュースポーツを実践していくためにも,また,運動嫌いや体育嫌いを減 らし生涯を通して運動・スポーツと関わっていくためにも,教員免許状が取得できる大学では
「ニュースポーツ」「レクリエーション・スポーツ」を積極的に取り入れるべきだと考える。
Ⅰ.緒 言
1 生涯スポーツの必要性
令和二年版高齢社会白書によると,わが国の総 人口は令和元年10月1日現在,1億2,617万人で,
そのうち65歳以上人口は,3,589万人と報告され ている。総人口に占める65歳以上人口の割合(高 齢化率)は28.4%と明らかになっており,令和47
(2065)年には,約2.6人に1人が65歳以上,約3.9 人に1人が75歳以上となることが予想されている。
次に,平成29(2017)年4月に国立社会保障・
人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」
における出生中位・死亡中位推計結果によると,
我が国の総人口は,長期の人口減少過程に入って おり,令和11(2029)年に人口1億2,000万人を 下回った後も減少を続け,令和35(2053)年には 1億人を割って9,924万人となり,令和47(2065)
年には8,808万人になると推計されている。
こういった社会問題が顕在する中で必要になっ てくるのは,日常生活で他人からの支援や介護を
必要とせず,自立して生活できる時間(=健康寿 命という)を一人ひとりが延ばしていくことであ る。
これまで,我が国は,国民皆保険制度や介護保 険制度を整備し,国民の生活の安定を図り,安心 を確保しつつ,国民健康づくり運動である健康日 本21(第二次)等に基づき,生活習慣病予防など ライフステージに応じた健康づくりを,地域や職 場を巻き込んで総合的に推進してきた。このよう な取組を進める中で,健康寿命は2016年時点では,
男性72.14歳,女性74.79歳と,着実に延伸してい るものの,平均寿命との差は男性が8.84年,女性 が12.35年と,差は未だ埋まらない現状にある。
また,平成30年度スポーツの実施状況等に関する 世論調査が指摘するところによれば,日本人の成 人スポーツ実施率は年々増加する傾向にあり,週 1日以上運動・スポーツをする成人の割合は 55.1%(29年度51.5%)で,週3日以上運動・ス ポーツをする成人の割合は27.8%(29年度26.0%)
であった。また,運動・スポーツの価値に関して,
「大切」「まあ大切」としている者は,全体の 72.9%。運動・スポーツに対する価値は,日常的 に運動・スポーツをしている者ほど強く感じてい ることが明らかになった。しかしながら,「この 1年間に運動やスポーツはしなかった」かつ「現 在運動・スポーツはしておらず,今後もするつも りはない」と答えた者が14.8%と,一定の割合存 在し,運動・スポーツに対する無関心層もいるこ とが分かった。また,平成30年度全国体力・運動 能力,運動習慣等調査結果によると,中学校2年 生の運動やスポーツをすることが「嫌い」・「やや 嫌い」と思う割合は,16.2%いることが明らかに なった。
継続してスポーツをすることで,勇気,自尊心,
友情などの価値を実感するとともに,自らも成長 し,心身の健康増進や生きがいに満ちた生き方を 実現していくことができる。また,運動・スポー ツをすることによる健康増進効果もある。広く認 知されているように,糖尿病・高血圧・脂質異常 症等には,生活習慣が大きく関係しており,食生
活の見直し,禁煙,適度な睡眠の確保等と並んで,
スポーツの実施も予防の重要な要素となってく る。同時に,子どもの運動時間の二極化による,
若年性ロコモティブシンドロームなどといった問 題も懸念される分,適切な運動は重要であるだろ う。
以上を踏まえ,今後さらに一人ひとりが健康寿 命を延ばし,幸福に生きていくためにも,生涯を 通して運動・スポーツに積極的に関わっていく必 要がある。
2 「運動嫌い」「体育嫌い」に関する先行研究 これまで,「運動嫌い」や「体育嫌い」に関す る研究は約40年前から行われ(賀川,2002)報告 書を含め数多く残されてきた。
鈴木(2009)は,スポーツへの愛好的態度がス ポーツ実施行動に関わっていると指摘し,また,
卒業後のスポーツ活動と学校体育の間にはある種 の関連がみられることを報告した。中島(1980)
は,授業への積極的参加および体育実技の愛好的 態度が,卒業後におけるスポーツへの愛好的態度 と関係し,それを媒介要因としてスポーツ実施行 動が促進されることを明らかにした。文部科学省 学習指導要領では,生涯スポーツの立場から,学 校体育の位置づけとその役割を指摘し,学校体育 では運動の楽しさを経験させ,運動に対する興味 を喚起させることが重要であるとしている。
このように,スポーツの愛好的態度がスポーツ 実施行動そのものと深いかかわり合いを持ち,そ れ故に学校体育におけるスポーツの愛好的態度形 成が求められている。このような状況下で,スポー ツへの愛好的態度形成を促進する要因と,それを 阻害する要因とを明らかにするためにも,「運動 嫌い」の生成メカニズムについてこれを解明しよ うとする試みは,それなりの意味を持つものと思 われる。(波多野ら,1980)
佐々木ら(2016)は,「運動嫌い」の生起上の 重要な心理的構成要素として劣等感を指摘した。
また,吉川ら(2012)は,子どもの運動や体育に おける良い経験や良い印象が不足することや,家
大学の講義におけるニュースポーツの現状と課題
族の運動の愛好度が低いことが「運動嫌い」を発 生させる大きな要因になると報告している。伊藤 ら(1982)は,「運動嫌い」の生起理由について,
経験する体育授業の管理運営ともある種の関わり を持っていることを示唆している。林(2017)は 研究のなかで,体育授業において「体育授業の好 き嫌い」という意識は,「仲間との関わりの重要性」
が大きく関与することが認められたことを述べて いる。以上のことから,「運動嫌い」の生成は一 つの要因のみでなく,様々な要因が複雑に絡み 合っていると考えられる。
佐藤ら(2008)は,児童生徒の体育の授業への 自主的・主体的な関わりと生涯スポーツへの連携 をはかるために,「学習内容・学習過程の見直し」
「評価」「指導スタイル」の3点について検討を する必要があると考え,とくに「学習内容・学習 過程の見直し」では,「従来の学習指導要領に示 されている種目に拘泥せずに,例えばドリブルと いう比較的難しい技術が必要であるサッカーやバ スケットボールではなく,ボールを持って自由に 走り回ることができるタグ・ラグビーを導入して はどうか」と述べており,また「フライングディ スク,(アルティメット)といった新種目を小学 校段階から導入し実践することで,また異なった 自己を発見できると思われる」と,新種目の導入 について指摘している。岡沢(1996)は 「運動の 楽しさを求めて,また運動に参加したいと思える には達成感によって獲得される自信一自己有能感 の形成こそが運動の楽しさを求め,さらなる運動 参加を促す要因である。児童生徒は達成感を得ら れることで自己有能感が高まり,運動に対する内 発的動機づけを高めることになる。この自己有能 感を高めることが運動好きを育成する要因にな る。」 と運動の本来の楽しさや行う達成感が運動 好きを育成することを報告している。大学生を対 象に行った研究では2017年の澤の論文があり澤
(2017)は「スポーツ実技科目における満足度を 規定する主要因は楽しさであることから,授業に おいて楽しさを実感できる機会が増えることによ り,授業の満足度も向上することが期待される」
ことを明らかにしており,以上の報告から,「運 動嫌い」「体育嫌い」の人々には,新種目の導入 や楽しさ・達成感を感じられる授業を展開するこ とが重要であることが分かる。
3 「ニュースポーツ」とは
「ニュースポーツ」という言葉は,ある特定の スポーツ群を指し示す名称として1970年代の末頃 から使われ始めた和製英語である。野々宮(1998)
によると,ニュースポーツの表記は1979年が最初 であり,「競技スポーツができない人のために,
あるいは競技スポーツが必要とする厳密な競技空 間がなくても楽しめるように,という精神が生み 出された」と論じていることなどから,山田ら
(2001)は,ニュースポーツは,競技性を強調す る競技スポーツに対するカウンターカルチャー
(対抗文化)として発生し,身体的優越性に基礎 づけられたアゴン(競争)性ではなく協同性と遊 戯性を強調しながら発展してきたとしている。
「ニュースポーツ」という言葉が一般的に使われ るようになったのは,1998年に当時の文部省体育 局に生涯スポーツが新設され,ニュースポーツの 普及を奨励したことがきっかけといえる。ニュー スポーツとは,「①国内外を問わず最近生まれた スポーツ,②諸外国で古くから行われていたが,
最近我が国で普及してきたスポーツ,③既存のス ポーツ,成熟したスポーツのルール等を簡易化し たスポーツ,を包含したもの」として整理してい る(通商産業省,1990)。野川(1992)も「簡易化」
を「改良」と言い換え,「開発型」「輸入型」「改 良型」という三分類を用いている。野々宮(2000)
はこれらを踏まえ,より広範な定義に基づく修正 案を提唱している。また,久保(2000)は「①技 術の習得が容易ですぐにゲームを楽しむことがで きる。②筋力や持久力の差がそのまま競技力に反 映されることはなく,年齢・性別を問わずだれで も活動できる。③従来の競技スポーツとは異なっ てルールに柔軟性を持たせ,楽しみを追求する。
の三点が一般的特徴と魅力」としている。
一方,「ニュースポーツ」とは,従来の種目を
分類するためのものではなく,「スポーツの楽し み方,捉え方」といった概念的な言葉であるとの 指摘も見られる。師岡(2017)は,ニュースポー ツは,「競技スポーツ」にも「生涯スポーツ」に も「レクリエーション・スポーツ」にも「障がい 者スポーツ(アダプテッド・スポーツ)」にもな る可能性があると述べ,ニュースポーツの可能性 を強調している。また,「スポーツ基本計画」の 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施 策では,学校と地域における子どものスポーツ機 会の充実として,「子ども自身が体を動かすこと の楽しさに触れ,進んで体を動かす」重要性を訴 え,「運動習慣が身についていない子どもやスポー ツが苦手な子どもを運動好きにするためのきっか けをもたらすとともに,豊かな人間性・社会性を 育むため,スポーツレクリエーション活動等の活 用を推進する」ことを強調している(文部科学省,
online2)。
4 学校体育でのニュースポーツの実践に関する 報告
これまで「ニュースポーツ」を学校教育へ活用 しようと多くの人々が研究を行ってきている。
久保(2000)は,大学で「ニュースポーツ」を 選択する学生と多種目選択者との比較から,
ニュースポーツ選択者の特性を明らかにし,その 結果,ニュースポーツ選択者のうち運動・スポー ツ或いは体育嫌いの学生でも授業に満足し,今後 の活動予定が望ましい方向に変化していることを 明らかにした。笹瀬(2010)は,「レクリエーショ ン・スポーツ」授業を受講した学生のレポートを 分析し,意義と改善点を検討した結果,未知の種 目の新鮮なおもしろさやスポーツ本来の素晴らし さを実感できたこと,手軽にできかつ技術的体力 的にも奥深い点,男女や所属学科を超えてみんな で行える楽しさ,初めてあった人たちと交流が深 まること,計測意欲を増すこと,といった点から 授業の意義を肯定的に評価していた。その一方で,
均衡したチーム編成と機会の平等性確保,簡単簡 潔なルールの徹底,みんなが楽しめる種目と方法
の採用,柔軟な発想と対応の必要性,安全性の確 保,が改善点と工夫として挙げられたことを報告 している。横山ら(2009)は学校体育に向けた ニュースポーツ種目の開発を行った。高等学校の 生徒を対象にバスケットボールの競技特性を検討 し,初心者や球技に苦手意識を持つ者の積極的な 授業参加を促すために「ニューバスケットボール」
を考案し,その結果,女子に対してバスケットボー ルに対する苦手意識を軽減し,積極的な授業参加 を促すことを明らかにした。
以上のように,ニュースポーツは運動を苦手と する者にとっても有益であることが明らかとなっ たが,これらの研究は大学における体育授業を中 心としたものが多く報告されており,小・中・高 等学校段階での実践報告は,管見の限りではある が散見する程度である。
5 学校体育でのニュースポーツ実践における課 題
学校体育でニュースポーツを実践する上での課 題を今回は二つの視点から見ていきたい。一つ目 は,学習指導要領に則して授業を展開する必要が あるためである。
平成29年に告示された小学校学習指導要領解説 の体育編,中学校学習指導要領解説の保健体育編,
また,平成30年に告示された高等学校学習指導要 領解説の保健体育編では教科の内容が指定されて いる。小学校では,「体つくり運動系」「器械運動 系」「陸上運動系」「水泳運動系」「ボール運動系」
「表現運動系」「集団行動」の7つの運動領域に 分かれている。中学校・高等学校での体育の「運 動」に関する領域は,「体つくり運動」「器械運動」
「陸上競技」「水泳」「球技」「武道」「ダンス」の 7つに構成されている。それぞれの領域ごとに取 り扱う種目が学習指導要領によって定められてい ることが,学校教育でニュースポーツが取り入れ にくい理由の一つである。 例えば,中学校の「球 技」では,
『オ「E球技」の⑴の運動については,第1学年
大学の講義におけるニュースポーツの現状と課題
及び第2学年においては,アからウまでを全ての 生徒に履修させること。第3学年においては,ア からウまでの中から二を選択して履修できるよう にすること。また,アについては,バスケットボー ル,ハンドボール,サッカーの中から,ウについ ては,ソフトボールを適宜取り上げることとし,
学校や地域の実態に応じて,その他の運動につい ても履修させることができること。なお,ウの実 施に当たり,十分な広さの運動場の確保が難しい 場合は指導方法を工夫して行うこと。』(中学校学 習指導要領解説 保健体育編―文部科学省)
と記載されており,学校現場でもこの種目をもと に授業を展開している。
しかしながら,横山ら(2009)はバスケットボー ルをもとにニュースポーツを考案したことから
「ボール運動」と「球技」はニュースポーツを取 り扱える内容であることが明らかであり,学習指 導要領上でも,ニュースポーツを導入することは 不可能ではないのだ。では,なぜニュースポーツ を取り入れて授業を行っている事例はみられない のだろうか。その大きな原因として,ニュースポー ツを教えられる人材が教育現場にわずかしかいな いからではないかと考える。これが,二つ目の課 題である。だが,教員免許状を取得できる大学で
「ニュースポーツ」「レクリエーション・スポーツ」
がどれだけ開講されているかを調査した研究はみ あたらず,この課題が確かなものかは定かではな い。
6 目 的
緒言の内容を踏まえ,本研究の目的は,教員免 許を取得できる体育系大学や体育系学部・学科な どにおける講義としてのニュースポーツの実施状 況を明らかにすることである。
Ⅱ.研究方法
文部科学省によると,日本における平成31年4 月1日時点での小学校教員第一種免許状を取得で
きる大学は246校あり,また,中学校・高等学校 教員(保健体育・保健)第一種免許状を取得でき る大学は189校存在する。合計318校の大学がそれ ぞれの免許を取得できるカリキュラムが整ってい るが,それらの大学での「ニュースポーツ」「レ クリエーション・スポーツ」を扱った講義の開講 状況が明らかとなっていないため,今回は上記の 大学318校を対象とし,「ニュースポーツ」「レク リエーション・スポーツ」がどの程度開講されて いるかを調査した。
方法は,大学全318校のホームページからシラ バスを検索し,その中から単元を通して「ニュー スポーツ」「レクリエーション・スポーツ」が扱 われている講義を探した。調査期間は2020年12月 から2021年3月の間で行い,各大学の一番新しい 年度から検索を進めた。また,シラバス内の授業 科目名や授業内容から取り扱いの判断を行った。
なお,今回の調査ではレクリエーション・スポー ツをニュースポーツと同義の意味とし,障害者ス ポーツとしての講義は入れないものとした。
Ⅲ.結果と考察
はじめに,全318校のうち「ニュースポーツ」「レ クリエーション・スポーツ」を講義として取り 扱っている大学を図1に示す。
次に,全318校の開講状況について表1から3 に示す。全体の結果として開講している大学は 111校(34.9 %), 開 講 し て い な い 大 学 が202校
(63.5%)であった(表1)。また,小学校教員 第一種免許状を取得できる大学では,開講してい る大学は78校(31.7%),開講していない大学は 162校(65.9%)という結果となった(表2)。さ らに,中学校・高等学校教員(保健体育・保健)
第一種免許状を取得できる大学からは,開講して いる大学が75校(39.7%),開講していない大学 が105校(58.2%)という結果がでた(表3)。小 学校教員第一種免許状を取得できる大学では60%
以上の大学が「ニュースポーツ」「レクリエーショ ン・スポーツ」の講義が開講されておらず,中学
都道府県 大学名 講義名 取得可能免許
北海道 北海道教育大学 レクリエーショナルスポーツ 小・保体
札幌大学 スポーツレクリエーション演習 小
北海道文教大学 生涯スポーツ 小
北翔大学 レクリエーション実技 小・保体
岩手県 岩手大学 レクリエーションスポーツ 小・保体
宮城県 仙台大学 レクリエーション実技
ニューゲームス 保体
福島県 福島大学 ニュースポーツ 小・保体
茨城県 筑波大学 基礎体育ニュースポーツ 小・保体
茨城キリスト教大学 体育実技ニュースポーツ 小
常磐大学 生涯学習実習(スポーツレクリエーション) 小
流通経済大学 ニュー・スポーツ実習 小・保体
栃木県 白鷗大学 ニュースポーツ 小・保体
群馬県 群馬大学 スポーツ科学(ニュースポーツ) 小・保体
群馬医療福祉大学 スポーツ及びレクリエーション実技 小
東京福祉大学 レクリエーションワーク 小・保体
埼玉県 女子栄養大学 生涯スポーツ演習 保体
尚美学園大学 レクリエーション実技演習 保体
聖学院大学 健康体力づくり演習(ニュースポーツ) 小
文教大学 レクリエーション指導 小・保体
千葉県 千葉大学 ニュー・スポーツ 小・保体
国際武道大学 レクリエーション実践法 保体
植草学園大学 スポーツ・レクリエーション 小
聖徳大学 レクリエーション実習(冬季) 小・保体
東京都 東京学芸大学 ニュースポーツ支援演習 小・保体
桜美林大学 スポーツレクリエーション 保体
順天堂大学 レクリエーション概論 保体
学習院大学 スポーツ健康科学(ニュースポーツ) 小
高千穂大学 生涯スポーツ(レクリエーション・スポーツ) 小
国士舘大学 レクリエーション論実習 小・保体
早稲田大学 健康のためのレクリエーション 小・保体
大妻女子大学 レクリエーション実技 小
帝京大学 スポーツ方法実習(レクリエーション) 小・保体
帝京平成大学 レクリエーション実技 小・保体
東京家政学院大学 レクリエーション概論 小
東京成徳大学 レクリエーションスポーツ演習 小
東京女子体育大学 レクリエーショナルゲーム 保体
日本女子体育大学 生涯スポーツ(ニュースポーツ) 保体
日本体育大学 レクリエーション実技 小・保体
大学の講義におけるニュースポーツの現状と課題
目白大学 生涯スポーツ 小
和光大学 スポーツ文化(スポーツレクリエーション) 小・保体
神奈川県 横浜国立大学 健康スポーツ演習 小・保体
関東学院大学 健康スポーツ(ニュースポーツ) 小
桐蔭横浜大学 ニュースポーツと伝承遊び 小・保体
新潟県 新潟医療福祉大学 レクリエーション実技 保体
石川県 金沢学院大学 スポーツ実技(体つくり・ニュースポーツ) 小・保体
福井県 福井大学 生涯スポーツと健康 小・保体
山梨県 山梨県立大学 運動と人間ー実技 小
長野県 信州大学 レクリエーション・スポーツ実習 小・保体
岐阜県 岐阜協立大学 レクリエーション演習 保体
東海学院大学 スポーツ実践(スポーツレクリエーション) 小
静岡県 静岡大学 ニュースポーツ演習 小・保体
常葉大学 生涯スポーツとレクリエーション 小・保体
静岡福祉大学 レクリエーション実習 小
愛知県 愛知学院大学 レクリエーションスポーツ実習 保体
星城大学 レクリエーション基礎実習 保体
中部大学 レクリエーション支援実技 小
中京大学 レクリエーション基礎実習 保体
東海学園大学 レクリエーション実技 小・保体
名古屋学院大学 スポーツ実技(レクリエーション・ニュースポーツ) 小・保体
名古屋学芸大学 スポーツと健康 小・保体
名古屋経済大学 レクリエーション実技 小
三重県 三重大学 レクリエーショナルスポーツ 小・保体
鈴鹿大学 レクリエーション実習 保体
滋賀県 びわこ成蹊スポーツ大学 レクリエーションスポーツ 保体
京都府 京都教育大学 ニュースポーツ 小・保体
京都先端科学大学 健康運動レクリエーション実習 保体
京都光華女子大学 生涯スポーツ実習 小・保体
大谷大学 身体活動(レクリエーショナル・スポーツ) 小 同志社大学 スポーツパフォーマンス(ニュースポーツ) 保体 立命館大学 スポーツ指導実習(ニュースポーツ) 小・保体
佛教大学 レクリエーション実技 小
大阪府 関西大学 健康・スポーツ科学実習(ニュースポーツ) 小・保体
太成学院大学 ニュースポーツ実習 小
大阪経済大学 レクリエーション方法学 保体
大阪国際大学 レクリエーション演習 保体
大阪体育大学 ニュースポーツ 小・保体
大阪大谷大学 レクリエーション演習 小・保体
大阪電気通信大学 スポーツ方法実習 保体
校・高等学校教員(保健体育・保健)第一種免許 状を取得できる大学では50%以上の大学が開講し ていないことが明らかとなった。
これらの結果から,教員自身のニュースポーツ 経験が少ないことが学校体育でのニュースポーツ 実践における大きな課題だと考察する。笹瀬
(2008)は,地域教育文化部に所属する大学生を
対象にレクリエーション・スポーツの授業実践を 行い,その中で受講生のレクリエーション・ス ポーツの体験歴について調査した。バウンドテニ ス,ユニホック,ペタンクは初めての体験の割合 が高く,大半の学生が初めて体験した。次いで,
ティーボール,インディアカは約3分の2の学生 が初めてであった。その調査では,受講生69名の
梅花女子大学 レクリエーション実技 小
兵庫県 園田学園女子大学 ニュースポーツ 小・保体
関西学院大学 体育方法学演習 小・保体
関西国際大学 生涯スポーツ 小
神戸女子大学 レクリエーション実技 小
神戸常盤大学 生涯学習実習(スポーツレクリエーション実習) 小
兵庫大学 レクリエーション 保体
奈良県 畿央大学 レクリエーション活動 小
鳥取県 鳥取大学 健康スポーツ科学実技(ニュースポーツ) 小
岡山県 倉敷芸術科学大学 キッズスポーツ実習 保体
川崎医療福祉大学 健康体育実技(レクリエーション系) 保体
美作大学 レクリエーション実技・実習 小
広島県 広島修道大学 運動スポーツ実習(ニュースポーツ) 小
福山平成大学 生涯スポーツ実践 小・保体
山口県 徳山大学 レクリエーション 保体
徳島県 徳島文理大学 レクリエーション実技 小・保体
香川県 香川大学 ニュースポーツ 小・保体
四国学院大学 レクリエーション 小
愛媛県 聖カタリナ大学 レクリエーション支援法 保体
福岡県 久留米大学 スポーツレクリエーション 保体
九州共立大学 レクリエーション実技 保体
福岡大学 レクリエーション演習 保体
佐賀県 西九州大学 ウェルネス・スポーツ 小・保体
長崎県 長崎大学 スポーツ演習(ニュースポーツ) 小・保体
熊本県 九州ルーテル学院大学 スポーツ実技 小
大分県 別府大学短期大学部 レクリエーション実技 小
宮崎県 九州保健福祉大学 レクリエーション実技 保体
鹿児島県 鹿屋体育大学 生涯スポーツ・レクリエーション&ゲームス 保体
鹿児島国際大学 スポーツ実習(ニュースポーツ) 小
沖縄県 琉球大学 運動・スポーツ科学演習(ニュースポーツ) 小・保体 名桜大学 体育実技(レクリエーションスポーツ) 保体
図1.開講している大学と講義名
大学の講義におけるニュースポーツの現状と課題
うちスポーツ・保健体育を専攻する学生が44名で あったのにも関わらず,ニュースポーツ経験は高 くなかった。今回の調査でも,大学の開講状況は 5割以下と低かった。教員となる人がニュース ポーツやレクリエーション・スポーツの経験がな ければ,教えられるはずもないのではないだろう か。
また,ニュースポーツの一つであるフライング ディスクの授業を行うことで,従来の学校体育で スポーツ嫌いになった学生の意識改革に著しい効 果が見られたことが報告されており(師岡,
1995),このことから,運動や体育に対し様々な 意識を持ちながら教員となる者自身の運動や体育 への意識も改革できる可能性があることから,大 学で「ニュースポーツ」「レクリエーション・ス ポーツ」を開講する意義は大きいものと考える。
梶田(2018)は,日本における大学体育の開講
状況に関する悉皆調査から,現在の大学体育の概 要を明らかにした。大学体育は各大学の建学の理 念・精神や各学部・学科の教育目標・目的に応じ たカリキュラム編成に多少の差異はあるものの,
わが国の大学97.7%(725校)に存在し,40.8%
(296校)が一部学部・学科のみ必修として開講 されており,28.0%(203校)が全学必修として 開講されていることがわかった。今回の調査では,
単元を通した講義の開講状況を明らかとしたが,
多くの大学生が体育を受けられるなかで「ニュー スポーツ」「レクリエーション・スポーツ」に触 れる機会がわずかでもあれば,学校体育での実践 に繋がっていくのではないだろうか。
おわりに
本稿では,先行研究をもとに学校体育における
「ニュースポーツ」の現状についてレビューを行 い,それらを踏まえ学校体育で実践していくため の課題を明らかにした。現在日本では健康寿命を 延ばすことが重要となってきており,生涯を通し て運動・スポーツに積極的に関わっていく必要が ある。「運動嫌い」や「体育嫌い」と自己認識す るものが一定数いるなかで,これらに関する研究 は約40年前から行われ(賀川,2002)報告書を含 め数多く残されてきた。授業においては,「運動 嫌い」「体育嫌い」の人々には,新種目の導入や 楽しさ・達成感を感じられる授業を展開すること が重要であることが明らかとなり,ニュースポー を学校教育へ活用しようと様々な研究が行われて いる。しかしながら,小学校教員や中学校・高等 学校教員(保健体育・保健)第一種免許状を取得 できる大学のうち,「ニュースポーツ」「レクリエー ション・スポーツ」の講義を開講している大学は,
全体で4割を切っていたことが分かった。学校体 育でニュースポーツを実践していくためにも,運 動嫌いや体育嫌いを減らし生涯を通して運動・ス ポーツと関わっていくためにも,教員免許状が取 得できる大学では「ニュースポーツ」「レクリエー ション・スポーツ」を積極的に取り入れるべきだ
開講状況 校数 割合
有 111 34.9%
無 202 63.5%
不明 7 2.2%
合計 318
表1.全体の開講状況
開講状況 校数 割合
有 78 31.7%
無 162 65.9%
不明 6 2.4%
合計 246
表2.小学校教員第一種免許状を取得できる 大学での開講状況
開講状況 校数 割合
有 75 39.7%
無 110 58.2%
不明 4 2.1%
合計 189
表3.中学校・高等学校教員(保健体育・保健)
第一種免許状を取得できる大学での開講状況
と考える。
参考・引用文献
伊藤精男・波多野義郎(1982)「体育授業ぎらい」の生起 に関する因果推論の試み。体育学研究,27:239-246 岡沢祥訓・北真佐美・諏訪祐一郎(1996)「運動有能感の
構造とその発達及び性差に関する研究」スポーツ教育 学研究,16⑵:145-55
賀川昌晃(2002)「小学校高学年児童の体育授業に対する 好意度を決定する要因分析」鳴門教育大学学校教育セ ンター,159-165
梶田和弘・木内敦詞・長谷川悦示・朴京眞・川戸湧也・
中川昭(2018)「わが国の大学における教養体育の開講 状況に関する悉皆調査研究」体育学研究,63⑵:885- 902
久保和之・道用亘・吉澤洋二・守能信次(2000)「大学体 育におけるニュースポーツ選択者の特性」中京大学体 育学論叢,41-2:71-79
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