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九州大学学術情報リポジトリ

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

材質管理システムの確立にむけた木材の基礎的性質 の変動に関する研究

古賀, 信也

https://doi.org/10.11501/3163981

出版情報:Kyushu University, 1999, 博士(農学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

4・『邑

材質管理システムの確立にむけた 木材の基礎的性質の変動に関する研究

古 賀 信 也

1 999年

(4)

目 次

第1章緒 論・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1

第2章スギ材における基礎的性質の品種特性・ - ・ ・ ・ ・ 4 2. 1. はじめに・ - ・ ・ ・ . . 4 2. 2. 実験材料と方法・ ・ - ・ ・ ・ 5 2. 2. 1試験木・ . . . . . . . . . . . . . . 5 2. 2. 2実験方法・ - ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5

2. 3. 結果と考察・ ・ 6

2. 3. 1. 年輪構造・ ・ . . . . . . 6 2. 3. 2. 年輪構造を表す指標間の相関・

2. 3. 3. 縦圧縮に対する力学的性質・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・13 2. 3. 4. 年輪構造と力学的性質との関係・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・15

2. 4. 要 約・ ・ .24

第3章 生育林分の相違を要因にしたときのスギ

品種の基礎的性質のバラツキ ・ . . . . . ・ ・25 3. 1. はじめに・

3. 2. 実験材料と方法・ ・ 3. 2. 1. 試験木・

3. 2. 2. 基礎的性質の測定・

戸、J CJ cJ fhu 勺ん 司ノ臼

「ノ臼 勺,h

.

3. 2. 3. 縦圧縮試験・ . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・26

(5)

3. 3. 結果と考察・ ・

3. 3. 1. 容積密度数のバラツキ・ ・ 3. 3. 2. 容積密度数のバラツキの原因・

3. 3. 3. 仮道管長のバラツキ・ ・ ・

3. 3. 4. 生育林分の相違を要因にしたときの 縦圧縮強度のバラツキ・ . .

. . . .

3. 3. 4. 縦圧縮強度のバラツキに影響を与える因子・

3. 4. 要 約・

第4章 ヒノキおよびカラマツの基礎的性質のバラツキ・ . . 4. 1. はじめに・

4. 2. 実験材料と方法・

4. 2. 1. 試験木・

. . . .

4. 2. 2. 基礎的性質の測定・

4. 2. 3. 縦圧縮試験・ ・ 4. 3. 結果と考察・ ・ ・

4. 3. 1. 容積密度数のバラツキ・ ・ 4. 3. 2. 仮道管長のバラツキ・ ・ ・ 4. 3. 3. 各指標の相互関係・ ・

- ・ ・ ー

4. 3. 4. 圧縮に対する力学的性質のバラツキ・ ・ 4. 4. 要 約・ ・

.28 .28 . 31 .34

.36 .38 . 41

. 43 .43 .44 .44 .44 .46 .46 .46 .50 .52 .58 .64

第5章 間伐がカラマツ材の基礎的性質と木部形成へおよぼす影響・ ・ ・ ・65

5. 1. はじめに・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . .65

(6)

5. 2. 基礎的性質に関する 実験 ・ 5. 2. 1. 試験木 ・ ・ 5. 2. 2. 実験方法・ ・ 5. 3. 年輪構造に関する 実験 ・ ・

5. 3. 1. 試験木 ・ ・ 5. 3. 2. 実験方法 ・

5. 4. 木部形成に関する実験 ・ ・ 5. 4. 1. 試験木 ・ ・ 5. 4. 2. 実験方法 ・ ・ 5. 5. 結果と考察 ・ ・ ・ ・

5. 5. 1. 成長への影響 ・ ・

. . . .

. . .

. . . .

. . . .

5. 5. 2. 容積密度数, 晩材率への影響 ・ ・ 5. 5. 3. 仮道管長への影響 ・ ・

5. 5. 4. 年輪構造への影響 ・ ・ . . . . 5. 5. 5. 木部形成への影響 ・ ・ - ・ ・ ・ ・ ・ 5. 6. 要 約 ・

第6章 枝打ちがカラマツ材の基礎的性質へおよぼす影響・ ・

6. 1. はじめに ・

6. 2. 基礎的性質への影響に関する実験・ ・

6. 2. 1. 試験木・ ・

6. 2. 2. 実験方法・

. . .

- ・ ・ ・

. . . . .

ー ー ・ ・

. 66 . 66 . 66 . 68 . 68 . 68 . 69 . 69 . 69 . 70 . 70 . 70 . 7も . 78 . 84 . 88

. 89

. 89

. 89

89 91

6. 3. 結果と考察・ . . . . . ・ ・ ・ ・91 6. 3. 1. 成長への影響・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 91

(7)

6. 3. 2. 容積密度数, 晩材率への影響・ ・

6. 3. 3. 仮道管長への影響・ ・

93 93 6. 4. 約 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・94

第7章 総合考察・ ・ ・ . . . . . ・ ・ ・ ・ ・95

辞・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 100

引用文献・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ 101

(8)

第1章 緒

モA自問

近年の工業技術の急速な進歩により, 高度な機能をもった製品・システムの

開発が目覚ましい勢いで進んでいる. 一方, このような高度な技術によって生 み出される製品・システムに対して, 消費者あるいは社会からは, 高度の安全 性と信頼性を求める声が高まっており, このことはさらに “品質保証制度の確 立" へと展開しようとしている. すなわち, 今日の社会環境は, 消費者あるい は社会の要求を満たした, より信頼性の高い, 高度な技術によって生産された 高機能な製品・サービスが選ばれる状況にあるようである. このような状況に おいて, 林業・木材工業分野も, たとえ木材が生物由来の原料・材料であった としても, 高い信頼性をもった原材料・製品生産への対処を図らなければ, 産 業としてのさらなる発展は難しいであろう. すなわち, 林業・木材工業分t1'1に おいても, 消費者あるいは社会が要求する品質をもった材料・製品を, ある品 質評価基準に基づき, 効率的, 経済的に生産するような管理システム, すなわ ち品質管理システムを確立していかなければならないであろう. このことに関 し, 堤(1984, 1986a, 1986b, 1991)は, 一連の報告で, 木材の高度で有効な

利用を推進するためには, さまざまな木材用途に適合した材質指標を評価基準 とし, しかも林業分野と木材工業分野が有機的に連携した品質管理システムを 確立する必要があること述べている. また 今までの材の美観など感性に訴え るような材質指標も重要ではあるが, 今後の高度な木材利用に適応するには,

強度的性質などの材料性能を示すような材質指標や材の被加工性, 被処理性を 表す材質指標が今後重要であると述べ, ている. そこで 本研究では, さまざ まな材質指標のうち, 建築用材をはじめとするさまざまな用途と密肢な関係に あり, また林木の生産側と木材利用側とをより関係づけることが可能な指標で

(9)

ある年輪l陪, 容積密度数, Iぬ材率, 仮道管長を中心に検討した.

ところで, 木材は, 生物である樹木から生産されるため, 木材の性質には大

きなバラツキを生じる. このことは,工業原料・材料として木材を利用する際,

最大の欠点となり, 上述したような木材の品質管理の推進には, バラツキ管理 が不可欠であることは言うまでもない. これらの性質のバラツキは,樹種間で,

同一樹種においても産地や品種, 個体間で, 同一個体内においても未成熟材と 成熟材, 高さ方向や放射方向の部位間で, 1年輪内では早材と晩材間で, さら には細胞問で, というように, さまざまなレベルでの性質の違いによって生じ る. したがって, 木材のバラツキを厳しく管理するには, 種や品種といったさ まざまなレベルごとにバラツキを明らかにするとともに, 適切な指標を探りだ し, それにより管理を図ることが重要であろう.

さて, 現在わが国の人工林面積1,040万haのうち, 7割以上をスギ, ヒノ キ, カラマツが占め, しかもそのほとんどは, 戦後の拡大造林期に大量に造林 された林分であり, 徐々に成熟期に達しつつあるとされている. 今後はこれら の資源への利用側からの対処はますます重要な課題となるであろう. また, 世 界的な森林資源の需給問題から, 今後の木材供給源の主流は, 天然生林木から 人工造林木, とくにきわめて成長の速い針葉樹造林木に移行せざるを得ないと されている(Bingham, 1983) (Brazier, 1983). したがって, 成長の速い針葉 樹造林樹種であるスギ, ヒノキ, カラマツは, 将来のわが国の林業・林産業に 大きな影響を与える樹種であると考えられる. これらのことから,本研究では,

対象樹種として, スギ, ヒノキ, カラマツを取りあげた. これら3樹種の木材 のさまざまな性質に関する研究は, 古くからおこなわれてきたものの, 上述し たようなさまざまなレベルでのバラツキの影響, あるいは遺伝的要因, 樹木が 生育する周囲の環境的要因, さらには両者の相互作用による影響, 林業で実施 されている施業の影響などが複雑にからみ, バラツキ管理に必要な情報は十分

2

(10)

蓄積されているとは言い難い.

以上のことを背景に, 本研究では, 林木の生産管理と連携した木材の材質管 理システムの確立のための基礎研究として, スギ, ヒノキ, カラマツを対象に 木材の基礎的性質のバラツキについて検討した.

本論文の構成は以下の通りである.

緒論に続き, 第2章では, スギには多数の品種が存在することが知られてい ることから, 三倍体を含む九州の代表的なスギ数品種を対象に, スギ材におけ る基礎的性質の品種特性について述べた. また, 品種に特有な性質と力学的性 質との関係が示された.

第3章では, 品種特性の異なるスギ4品種を対象にし, 生育林分の相違を要 因にした場合の木材性質のバラツキについて述べた.

第4章では, ヒノキとカラマツは, 栄養繁殖が難しくスギのように多数の栽 培品種が確立されていない. ここでは, 実生由来によるヒノキ, カラマツ材の 木材性質の同一林分内バラツキを中心に述べた.

第5章と第6章では, 人為的な木材性質のバラツキ管理を意識し, 木材の性 質に影響をおよぼすと予測される森林保育が木材の性質におよぼす影響につ いて述べた. すなわち, 5章では, 間伐の影響, 6章では枝打ちの影響につい て述べた.

第7章では, 得られた成果もとに総合的に考察した.

(11)

第2章 スギ材における基礎的性質の品種特性

2. ,. はじめに

緒論で述べたように, スギはわが国の重要な造林樹種の一つである. 長年に わたるスギ林業の歴史のなかで, 多数の地域品種, 栽培品種が生み出されてき た. しかし, この中には, 品種と呼ばれていても品種の条件を満たさないもの もあり, しかも同名異品種, 同品種異名も含まれ, 正確な品種の数はわからな いとされる (宮島, 1989). 九州地方にはとくに多数の品種が存在するが, こ れらの品種の特徴は, さし木造林, すなわち栄養繁殖によって林木の特性を遺 伝的に固定し継承してきた点にある. このことから これらの品種間では, 成 長速度,各種抵抗性,外部形態等のさまざまな性質に相違が認められている(宮 島, 1989).

近年, 木材利用の分野においても, スギ品種の組織構造 (林ら, 1983), 力 学的性質 (佐々木ら, 1983) (小野ら, 1984), 組織と材質 (藤崎, 1985) (見 尾ら, 1985) (藤崎ら, 1986) (藤崎ら, 1987) (小野, 1988) などに関する研 究がおこなわれはじめた. その結果, 品種間に木材性質の差異があることが明 らかになりつつあり, スギ材のバラツキ管理するには, 品種ごとに木材の性質 を把握することが重要であると思われる. しかしながら, 品種の数が多く, 品 種ごとの複雑な木材性質の特性が十分に把握できないのが現状である.

ここでは, 三倍体品種を含む九州の代表的なスギ数品種の成熟材部を対象に し, 品種ごとに特有な年輪構造に関係する形質を明らかにし, さらに特有な形 質と木材の性質との関係を検討することを目的として, 年輪構造の観察と縦圧 縮試験を行った.

4

(12)

2. 2. 実験材料と方法

2. 2. 1. 試験木

九州大学粕屋地方演習林のスギ品種試験地(約25年生林分)から, 二倍体 品種であるクモトオシ, タノアカ, アヤスギ ヒゴメアサ ホンスギの5品種 のそれぞれから3個体を, また, 大分県山国町の民有林(30年生林分)に生育 している三倍体品種であるヒノデ, ウラセバル, 二倍体のアラカワ, ヤブクグ リの4品種からそれぞれ2個体ずつを選び試験木とした. この実験に用いた試 験木の樹高は, 最も低いアヤスギ, ホンスギで12'"'-'13m, 最も高いヒノデ, ア ラカワで18'"'-'20mであった. また胸高直径は, 最も小さいヤブクグリで 1 4'"'-' 1 7cm, 最も大きいクモトオシ, ヒゴメアサで24'"'-'27c mであった. 樹幹の胸高

部位から約IOcm厚の円板 1枚を採取し, 以後の実験に供した.

2. 2. 2. 実験方法

すべての円板から,髄をとおって樹皮に達する幅約1 cmの板状の試料を切り 出し, ついで軸方向の長さが1 '"'-'2cm の細長い棒状のブロックに鋸断した. こ れらのブロックを用いて, 1年輪ごとに年輪幅, 晩材率, 晩材仮道管長を測定 した. なお, 晩材率は, 万能投影機上(x20)で年輪内の色の濃淡を目視によ って早材とiぬ材に区分し, 年輪幅に対する晩材幅の割合として求めた. 晩材仮 道管長は, 各年輪の晩材部から得られたマッチ軸状の試料をシュルツ氏液で解 織した後, スライドグラスに載せ, 万能投影機上(x 50)で測長した. 1年輪 について 50本の仮道管を測定し, 平均値をもってその年輪の晩材仮道管長と した. また, ブロックを髄から5年輪ごとに分割し, 5年輪にまたがる容積密

(13)

度数を求めた. さらに, 髄から15年輪目 (ヤブクグリでは15年輪目の年輪幅 が狭かったために は年輪目)部位の横断面と接線面観察用プレパラートを作 製した. 横断面では早材.1%材別に仮道管の放射径, 接線径, 接線壁の厚さ,

壁率を測定した. また接線面切片では, 放射柔細胞の接線径の測定, 談線面l 平方ミリメートル当りの放射柔細胞数を調べた.

上述した円板の成熟材無欠点部位から, アラカワとヤブクグリを除く7品種 のそれぞれで, 1品種について5個の縦圧縮試験片製作用ブロックを切り出し た. このブロックを気乾状態になるまで恒温恒湿中で調整したのち, 2cm (半 径方向) x 2cm (接線方向) x 6cm (軸方向)の縦圧縮用試験を製作した. これ らの試験片に対し, 気乾比重を求めるとともに縦圧縮試験をおこない, 縦圧縮 強さと縦圧縮ヤング率を求めた.試験後,各試験片の平均年輪幅,平均晩材率,

平均晩材仮道管長, 平均晩材ミクロフィブリル傾角を測定した. ミクロフィブ リル傾角は, 試験片の中央に含まれている年輪の晩材部を対象に, 偏光顕微鏡 を用いた方法 (Cousi ns, 197 2)により測定した. 1年輪につき 20個測定し,

平均値をもってその年輪のミクロフィブリル傾角とした. 晩材仮道管長は, 試 験片の中央に含まれている年輪の晩材部を対象に測定した.

2. 3. 結果と考察

2. 3. 1. 年輪構造

スギ品種の年輪構造に関与すると考えられる指標の測定結果を表 2.1 �表 2.3に示す. すなわち, 表 2.1 には髄から11 � 15年輪自にかけて5つの年輪の 平均年輪幅, 平均晩材率, 容積密度数, 平均晩材仮道管長を, 表 2. 2 には髄か ら15番目の年輪における仮道管の直径, 壁厚および壁率を, 表2.3には髄か

6

(14)

表2.1 11"'-' 1 5年輪自の平均年輪幅, 平均晩材率, 容積密度数および平均晩材仮道管長

品種 試験木番号 年輪l幅 晩材率 容積密度数 |ぬ材仮道管長

(111m) (%) (kg/In3) (mm)

ヒノデ* No.1 3.4 14 255 3.4

No.2 3.0 14 240 3.5

ウラセパル* No.1 4.3 13 250 3.2

No.2 3.6 11 265 3.4

クモトオシ No.1 6.0 12 295 3.0

No.2 5.5 14 275 3.0

No.3 5.5 12 265 2.9

タノアカ No.1 4.3 14 275 2.6

No.2 3.9 16 315 2.6

No.3 3.9 15 300 2.8

アヤスギ No.1 4.2 29 365 2.3

No.2 3.1 26 375 2.3

No.3 3.1 27 350 2.4

ヒゴメアサ No.1 5.0 19 305 2.3

No.2 5.4 22 295 2.6

No.3 4.8 19 280 2.5

ホンスギ No.1 3.6 28 335 2.3

No.2 1.8 28 365 2.0

No.3 5.6 32 400 1.9

アラカワ No.1 4.1 17 245 2.4

No.2 5.1 17 235 2.7

ヤブクグリ No.1 3.3 23 265 2.3

No.2 1.9 22 275 2.2

*二倍体品種

(15)

表2.2 髄から1 5年輪自の仮道管の早材・晩材の半径・接線方向直径, 接線壁厚, 壁率

試験木番号半径方向直径接線方向径 接線壁厚 細胞壁率

uロu (μm) (μ111) (μm) (%)

早材 晩材 早材 晩材 早材 晩材

ヒノデ* NO.1 44 13 33 1.8 4.1 23 82

NO.2 43 12 33 1.5 4.4 17 81

ウラセバル* NO.1 50 18 30 1.7 4.6 19 70

NO.2 50 15 29 1.7 4.6 20 81

クモトオシ NO.1 48 12 24 1.5 4.8 20 79

NO.2 46 12 24 1.5 4.5 22 82

NO.3 50 13 23 1.5 4.7 23 86

タノアカ NO.1 42 12 25 1.5 4.7 23 83

NO.2 43 12 23 1.4 4.5 22 85

NO.3 45 12 22 1.4 4.6 23 80

アヤスギ NO.1 40 12 22 1.3 4.6 19 82

NO.2 42 13 23 1.2 4.9 20 85

NO.3 44 13 22 1.4 4.6 20 80

ヒゴメアサ NO.1 47 14 21 1.4 4.5 22 81

NO.2 48 13 21 1.5 4.3 23 83

NO.3 47 13 22 1.4 4.6 22 81

ホンスギ NO.1 42 11 22 1.6 4.8 23 87

NO.2 39 12 21 1.4 4.6 24 89

NO.3 39 11 20 1.3 4.6 23 82

アラカ NO.1 40 12 22 1.4 4.2 22 83

NO.2 40 13 21 1.7 4.1 22 84

ヤブクグリ NO.1 40 12 23 1.4 3.9 23 82

NO.2 38 12 22 1.6 3.5 22 76

* 三倍体品種

8

(16)

表2.3 髄から1 5年輪自の接線面における放射柔細胞の接線径と 1平方ミリメートル当たりの分布数

品 種 試験木番号 接線径放射柔細胞数 (μm)

デ * No.1 19.0 113

No.2 18.8 110

ウ ラ セ バル* No.1 20.1 99

No.2 19.3 106

ヒゴメアサ No.1 13.5 216

No.2 10.6 246

ホンスギ No.1 10.4 240

No.2 8.6 222

アラカワ No.1 15.4 178

No.2 15.5 195

ヤプクグリ No.1 16.8 188

No.2 14.0 157

*一倍体品種

(17)

ら15番目の年輪の放射柔細胞の接線径と分布を示している.

表2.1 から明らかなように, それぞれの測定値には試験木間にかなり大きな バラツキがあるものの, 各品種に特徴的な値を示した. 例えば, Iぬ材率はアヤ スギとホンスギでは高いが, ウラセバルとクモトオシでは低い. 容積密度数は アヤスギとホンスギでは大きいが, ヒノデとアラカワでは小さい. また, 三倍 体品種であるヒノデとウラセバルでは仮道管は長く, 二倍体のホンスギとヤブ クグリでは仮道管は短い. またこれらの性質は, 統計的にも品種間差(1 %有 意水準)が認められた.

表2. 2 によると, 仮道管については ヒノデの接線径 ウラセバルの早材部 の放射径と接線径, およびクモトオシとヒゴメアサの早材部の放射径が他の品 種よりも大きい値を示した. また, 接線壁の厚さは, 早材部では, ヒノデとウ ラセバルが他の品種よりもやや厚く, Iぬ材部ではヤブクグリが他の品種よりも わず、かに薄いようであるが, 品種間で大きな違いは認められない. このため細 胞の径と壁厚によって決定される細胞壁率には, 早材部と晩材部のいずれにお いても, 品種聞に大差は認められない. また統計的に細胞壁率を除いたそれぞ れの指標で品種間に有意な差(危険率1 %)が認められた.

ところで, この種の研究では, それぞれの品種の平均的あるいは代表的な試 験木を選ぶことが重要である. ここでは 試験木の数が少なく, 品種内におけ る形質のバラツキの程度がここでは明らかになっていないので,表2.1と表2. 2 に掲げる結果をそれぞれの品種の代表値とみなすのは早計であるかもしれな い. しかし, 上述した晩材率, 容積密度数, 仮道管長, 仮道管直径, および仮 道管壁厚にみられた品種間差異は, 各品種の環境条件への適合性を論外にすれ ば,次のような理由から,遺伝的要因を意識しなければならないと推論される.

すなわち, ①各林分内における試験木の生育環境条件が似ていたこと, ②後述 するが, Mt.材率, 容積密度数および仮道管長と年輪幅との聞に相関関係が認め

10

(18)

られないこと, つまり, 肥大生長の良否が晩材率や容積密度数, 仮道管長に影

響しているとは考えられないこと, ③各測定の品種内の差は, 品種聞の差ほど 大きくないこと, ④この研究の対象はいずれも成熟材部であり, 各品種の測定 値には未成熟材と成熟材との性質の違いによる混同, つまり形成層齢による影 響は排除されていること, などである.

表2. 1と表2.2 の結果から, 三倍体品種であるヒノデとウラセバルでは, 仮 道管が長く, その直径も大きいことが明らかになったので, 他の木部細胞につ いても確認するために, 放射柔細胞の接線径と媛線面1 mm2当たりの放射柔細 胞の数を測定した. その結果, 表2.3から明らかなように, ヒノデとウラセパ ルの放射柔細胞の接線径は, 二倍体品種におけるよりも大きく, その分布数は 少なかった. ヒノデとウラセバルの木部細胞の外径寸法が二倍体品種における よりも大きいという結果は, 小田ら(1987),津島(1989),津島ら(1989)に よる報告とも一致し, ここで用いた三倍体のヒノデ, ウラセバルの両品種の木 部細胞が二倍体品種に比べて巨大化していることはほぼ確かなようである. し かし, すべての三倍体品種・ クローンが同じような傾向を示すか否かについて は, さらに今後の検討が必要である.

以上のように, スギ品種の晩材率, 容積密度数, 仮道管の長さと直径は, 品 種間で大きく異なることが確認され, それらの形質の品種特性は遺伝的要因に よるものであることが推定された.

2. 3. 2. 年輪構造を表す指標聞の相関

年輪幅, I��材率, および容積密度数との相関関係を表2.4に示す. 容積密度 数と晩材率には1%水準で有意な正の相関関係が得られた. この両者の関係は,

すでにTrendelenburgら(1955)によって示されているが, 品種が混在する場

(19)

表2.4 スギ品種の基礎的性質を表す指標聞の相関関係

指 標 年輪幅iぬ材率 容積密度数!ぬ材仮道管長 lぬ材率

容積密度数 iぬ材仮道管長

ミクロフィプリノレ傾角

-0.28 -0.11 0.15 -0.11

0.81 **

-0.83**

0.77*

** 1 %水準で有意; * 5 %水準で有意

12

-0.67**

0.79* -0.95**

(20)

合にも両者の関係が十分成り立つことを示している. つまり, どのような品砲 が混じっていてもその材の容積密度数は晩材率から十分推定できることがわ かった. 年輪l陪と容積密度数, Iぬ材率, ミクロフィブリル傾角との聞には, い ずれにも有意な相関関係は認められなかった. すなわち,品種間に容積密度数,

晩材率, ミクロフィブリル傾角の違いが認められるが, その違いは, 肥大成長 の速度による影響よりも品種特性によるものであるということを示している.

容積密度数と晩材仮道管長との聞には負の有意な相関関係が得られた. すなわ ち, 容積密度数高い品種ほど短い仮道管長をもつことがわかった. また仮道管 とミクロフィブリル傾角との聞にも有意な負の相関関係が認められ, ミクロフ ィブリル傾角が大きい品種ほど短い仮道管長をもつこともわかった.

2. 3. 3. 縦圧縮に対する力学的性質

気乾比重, 縦圧縮強さ, 縦圧縮ヤング率 圧縮破壊ひずみ および圧縮破壊 仕事量について品種ごとの平均値を表2. 5に示す. 表2. 5によると, ヒノデ,

ウラセバル, クモトオシでは, 圧縮ヤング率は大きいが, 圧縮強さ, 破壊ひず み, 破壊仕事量は仙の品種よりも小さな値を示した. これに対し, アヤスギと ホンスギでは, 圧縮ヤンクゃ率は小さく 圧縮強さ 破壊ひずみ, および破壊仕 事量は大きな値を示した. また, タノアカでは, これらの中間的な値を示し,

品種間で縦圧縮に対する力学的性質の差異があることがわかる. すなわち, 試 験過程で得られた応力一ひずみ線図から縦圧縮荷重に対する各品種の挙動を みると, ヒノデ,ウラセバル,およびクモトオシは,高い圧縮ヤング率をもち,

低い強さと短い塑性域を示したのち破壊するタイプである. アヤスギ, ヒゴメ アサ, およびホンスギは, 低い圧縮ヤング率をもち, 高い強さと長い塑性域を

示したのちに破壊するタイフである. また, タノアカはこれらの中間的なタイ

(21)

トー主 よ』

表2.5 気乾状態におけるスギ品種の縦圧縮に対する性質

品 種 気乾比重 MFA 圧縮強度 圧縮ヤング率 破壊ひずみ圧縮破壊仕事量 (度) (kg/cm2) (x 103cm2) (x 10-2) (kg・cm/cm2) ヒノデ 0.333 (0.03) 12.0 (1.44) 277.2 (32) 85.0 (15.6) 0.36 (0.04) 0.56 (0.08) ウラセバル 0.295 (0.02) 8.3 (1.46) 256.0 (25) 80.4 ( 8.1) 0.34 (0.02) 0.46 (0.04) クモトオシ 0.342 (0.01) 12.6 (0.95) 301.4 (12) 83.3 ( 5.5) 0.40 (0.03) 0.58 (0.05) タノアカ 0.404 (0.02) 20.1 (2.23) 339.6 (19) 66.4 ( 7.3) 0.82 (0.28) 1.95 (0.98) アヤスギ 0.436 (0.02) 23.4 (1.41) 351.6 (26) 57.8 ( 6.6) 1.31 (0.07) 3.34 (0.38) ヒゴメアサ 0.350 (0.01) 23.2 (1.38) 257.8 (11) 47.6 ( 4.0) 1.19 (0.16) 2.17 (0.44) ホンスギ 0.442 (0.03) 22.8 (0.70) 351.8 (39) 61.9 ( 6.7) 1.27 (0.20) 3.34 (0.97) 注:各品種の値は5つの無欠点試験材の平均値 oは標準偏差, MFAは晩材部ミクロフィプリル傾角

(22)

プである.これらの結果は,スギ品種を対象にした既往の文献(佐々木ら,1983) (藤崎, 1985) (見尾ら, 1985) (藤崎ら, 1986)に報告されている同一品種の 結果とほぼ一致しているので, 品種ごとの特徴ある性質と理解:してよさそうで ある.

なお, 図には示していないが, この研究で用いたすべてのスギ品種を対象に したときの相関係数は, 圧縮ヤング率と破壊ひずみとの問で- 0.80 (1 %水準 で有意), 圧縮ヤング率と仕事量との問で- 0.64 (1 %水準で有意)という値 が得られ, 圧縮ヤング率が高い品種ほと、破壊ひずみと仕事量は小さくなる傾向 が認められた. この理由についてはあとで触れる.

2. 3. 4. 年輪構造と力学的性質との関係

表2.1�2.3 では, 年輪構造に品種間で差異があること, 表2.5 では品種!日!

の力学的な性質に違いがあることを明らかにした. そこで 縦圧縮試験片の気 乾比重, !ぬ材率, r免材仮道管長, 晩材ミクロフィブリル傾角と縦圧縮強さ, 縦 圧縮ヤング率, 圧縮破壊ひずみ, 圧縮破壊仕事量との聞の関係を調べ, 年輪構 造が力学的性質におよぼす影響を検討した.

図2.1 によると, 気乾比重と圧縮強さとの聞に, 品種に関係なく有意な正の 品い相関関係(r=0.907本*)が認められた. また ここでは図を示していない が, ミクロフィブリル傾角と比圧縮強さとの問(r=-O.66* *), 仮道管長と比 圧縮強さとの間(r=0.48**)にも有意な相関関係は認められた. しかし, 相関 係数の高さからみれば, 圧縮強さは気乾比重によって大きく左右されることが わかる. このことは , 気乾比重と年輪構造のlつの指標であるlぬ材率との聞に 高い相関関係(r=0.91*つが認められることと, 実際にiぬ材率と圧縮強さとの 聞に高い相関関係(r=0.80本つがあることを考えあわせると, 晩材率が気乾

(23)

450

を400

\、、u

�350

1'u

舘300 援 遅250 出

200 0.2

r = 0.91対

syt・

0.3 0.4 0.5

気乾比重

0ヒノデ

・ゥラセパル

A クモトオシ Aタノアカ ロアヤスギ 圃 ヒゴメアサ 四ホンスギ

図2.1 縦圧縮強さにおよぼす気乾比重の影響

16

(24)

比重さらには圧縮強さを評価する際の実用的な指標になることを意味する. な お, 図2.1の気乾比重と圧縮強さとの関係を表す直線から, 個々の品種のプロ ットが大きく外れないことは, 三倍体品種であっても, その木材性質はスギ特 有の性質の範囲内にあることを示している.

ミクロフィブリル傾角と圧縮ヤング率との関係を図2.2 に 気乾比重と圧縮 ヤング率との関係を図2.3に示す. 図2. 2 から明らかなように, ミクロフィブ リル傾角と圧縮ヤング率との聞には負の相関関係が存在し ミクロフィブリル 傾角が増大するにつれて圧縮ヤング率は減少する. ところで, 仮道管の長さが 圧縮ヤング率に直接的に影響するとは考えにくいものの, 仮道管長と圧縮ヤン グ率との問には正の相関関係(r=O.75**) が存在し, 仮道管長が増加するに つれて圧縮ヤング率の直線的増大が認められた. 一方, 仮道管長とミクロフイ ブリル傾角との聞にも高い相関関係が従来認められており(太田, 1972) (藤

|崎, 1974) (小田ら, 1987), また上に述べたように, 負の高い相関関係が得ら れており, 仮道管が長くなればミクロフィブリル傾角が小さくなる. したがっ て, 圧縮ヤンクマ率への仮道管長の影響とミクロフィブリル傾角の影響とを区別 することは難しい.

図2.3によると, スギ品種を仮道管が長い品種(ヒノデ, ウラセパル, クモ

トオシの3品種-Aグルーフ)と短い品種(タノアカ, アヤスギ, ヒゴメアサ,

ホンスギの4品種-Bグルーフ), 言い換えるとミクロフィブリル傾角が小さ い品種と大きい品種の2つのグルーフに分けるとき それぞれのグループごと に気乾比重と圧縮ヤング率との聞に独立した相関関係が認められる. しかし,

品種のグループ分けをおこなわないとき, 気乾比重と圧縮ヤング率との聞には 相関関係は認められない. このことは, 同じような仮道管長あるいはミクロフ ィブリル傾角であれば, 圧縮ヤング率は比重に大きく左右されるが, 仮道管長 あるいはミクロフィブリル傾角のバラツキが大きければ, 圧縮ヤング率は比重

(25)

125

主 I

r = -0.78付

己 I

0

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ム乙

ち100

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0

r-

X

75

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50

キー 提 出 25

5 10 15 20 25

ミクロフィフリル傾角(度)

30

0ヒノデ ・ゥラセバル A クモトオシ Aタノアカ ロアヤスギ ・ ヒゴメアサ 四 ホンスギ

図2.2 圧縮ヤング率とミク口フィブリル傾角との関係

18

(26)

125

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込100

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0

× 75

r = 0.489女大

r = 0.715*大

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閥、入ギ提出

50

25

0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

気乾比重

0ヒノデ ・ウラセパル & クモトオシ Aタノアカ ロアヤスギ ・ ヒゴメアサ 国ホンスギ

図2.3 縦圧縮ヤング率と気乾比重との関係

(27)

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2.0

N

r = 0.93付

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X

1.5

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0.0

2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

晩材仮道管長 (mm)

。ヒノデ -ゥラセパル A クモトオシ Aタノアカ ロアヤスギ 圃 ヒゴメアサ 国ホンスギ

図2.4 圧縮破壊ひずみと晩材仮道管長との関係

20

(28)

とと もに仮道管長やミクロフィブリル傾角にも大きく支配されることを示し ている.

仮道管長と破壊ひずみとの関係を図2.4に示す. 図2.4にプロットした仮道 管長のデータの範囲内では, 破壊ひずみとこれらの因子との関係を直線で表し ても, 相関係数はほとんど低下しないが, 破壊ひずみと仮道管長との関係を表 すには指数曲線が最も良く適合した. すなわち, 仮道管が長いほど, あるいは 前述した関係からいえば, ミクロフィブリル傾角が小さいほど 破壊ひずみは 小さくなり, ついにはほぼ安定した値を示すようになる. この結果と図2. 2 の 結果を合わせて圧縮試験における応力一ひずみ関係をみるとき, ミクロフィブ リル傾角が小さいか, あるいは仮道管が長ければ, 直線域の変形が起こりにく く, 曲線域に入っても小さな破壊ひずみで終局応力に達することがわかる.

気乾比重, 仮道管長のそれぞれと破壊までの仕事量との関係を図 2. 5, 図 2. 6 に示す. 仕事量は応力一ひずみ曲線によって囲まれた面積で表されるので, 気 乾比重は圧縮強さと, 仮道管長は破壊ひずみとの問に相関関係があることから,

両因子ともそれぞれ仕事量との間には高い相関関係が認められる. すなわち,

気乾比重が高いほど, また仮道管長が短いほど, すなわちミクロフィブリル傾 角が大きいほど, 圧縮破壊するまでの仕事量が大きい.

ところで, 荷重に対する変形しにくさと粘り強さは, 材料の力学的性質を評 価する際の重要な指標であるが, 前にも述べたように, 圧縮破壊ひずみと圧縮 破壊仕事量はそれぞれ圧縮ヤング率との聞に負の相関関係を持つ. これはミク ロフィブリル傾角が圧縮ヤング率との問に負の相関関係を持ち, 破壊ひずみ,

仕事量との問には正の相関関係を持っているためである. つまり, ミクロフイ ブリル傾角が小さいと圧縮ヤング率は増大するが破壊にいたるまでのひずみ

や仕事量が小さくなる.

(29)

5

r = 0.89対

4

3 2

(Nευ\ευ笠)酬榔右側引援提出

0 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45 0.50

気乾比重

Aタノアカ クモトオシ

-ゥラセパル A

。ヒノデ

国ホンスギ

圧縮破壊仕事量と気乾比重との関係

22

ヒゴメアサ ロアヤスギ

図2.5

(30)

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晩材仮道管長 (mm)

4.0

Oヒノデ

・ゥラセパル

A クモトオシ Aタノアカ ロアヤスギ ・ ヒゴメアサ 国ホンスギ

図2.6 圧縮破壊仕事量と晩材仮道管長との関係

(31)

2. 4. 要 約

この章では, 三倍体を含む九州の代表的なスギ数品種を対象に3 品種に特有 な年輪構造に関係する形質を明らかにしようと試み, さらに特有な形質と木材 の性質との関係を検討するlつの手段として縦圧縮試験をおこなった. 結果は 以下のとおりである.

( 1 )スギ品種の晩材率, 容積密度数, 仮道管の長さと直径は, 品種間で大

きく異なることが確認された. この品種間に認められた差異は, 少なくとも遺 伝的な要因を意識しなければならないと考えられる.

( 2 )品種間の年輪構造の差異が, 品種間の木材の性質に違いを生じさせ,

縦圧縮に対する力学的性質だけをみても, その性質は品種によって大きく異な っている.すなわち, この研究で用いたスギ品種は,①圧縮ヤンクゃ率は高いが,

低い強さと小さな破壊ひずみを示すタイプ, ②圧縮ヤング率は低いが, 高い強 さと大きな破壊ひずみを示すタイプ, ③これらの中間を示すタイプに大別され た.

( 3 )年輪構造を表すいくつかの指標, つまり, 晩材率, 比重, 仮道管長,

ミクロフィブリル傾角と縦圧縮に対する力学的性質との関係を検討したとこ ろ, 晩材率と比重は圧縮強さおよび仕事量と相関関係を持ち, 仮道管長とミク ロフイブリル傾角は圧縮ヤング率, 破壊ひずみおよび仕事量と相関関係がある

ことがわかった.

24

(32)

第3章 生育林分の相違を要因にしたときのスギ品種の基礎 的性質のバラツキ

3. 1. はじめに

前章では, スギ品種の晩材率, 容積密度数, 仮道管の形態などの基礎的な性 質は, 品種間で大きく異なること, この品種聞に認められた違いは, 少なくと も遺伝的な要因を意識しなければならないことが明らかになった. この章では,

生育林分の相違を要因にしたときの, 基礎的性質のバラツキに関する基礎的知 識を得ることを目的にしている. すなわち, アヤスギ, クモトオシ, メアサ,

ヤブクグリの4品種を対象に, 比較的環境条件の等しい同一林分内で生育した 場合, 異なる林分で生育した場合, しかも同一の施業条件下で生育したときの 容積密度数, 晩材仮道管長, および圧縮強さの品種内バラツキを検討した.

3. 2. 実験材料と方法

3. 2. 1. 試験木

この研究で対象とした試験木は, 愛媛大学米々野演習林, 九州大学福岡演習 林, 日田林工高校三花演習林, 九州大学宮崎演習林, 宮崎大学田野演習林, 鹿 児島大学高限演習林の共同スギ品種試験地(木梨ら, 1973)の第I試験地に植 裁されている20年生のアヤスギ, クモトオシ, メアサ, ヤブクグリの4品種 である. 第I試験地は, 同一の実験計画によって設定された試験地であり, そ こにはいずれの品種もクローンを同じくする苗木が植裁されているので, それ

(33)

ぞれの品種の遺伝特性は同じであるとみなせる. なお, 各試験地および各品種 ともに, 植裁後の保育はほぼ同一条件で行われている.

各演習林からそれぞれの品種ごとに3本づっ選び試験木とした. なお, 九州 大学宮崎演習林でメアサを採取でミきなかったのでメアサの試験木数は15本で あった. 各試験木の胸高直径を測定した後, 胸高部位から2cm 厚円板と10cm

厚円板を採取し, 以後の実験に供した. 表3.1に各品種の試験木数および胸高 直径の平均値を示している.

3. 2. 2. 基礎的性質の測定

2 cm厚円板からは,髄を頂点にした扇形試験片(中心角3 00 )を切り出し,

さらに髄から5年輪ごとに分割した. この5年輸を含む試験片の容積密度数,

平均年輪幅,平均晩材率を測定した. また髄から5年輪目, 10年輪目の晩材部 の仮道管長を測定した. なお, 1年輪につき 50本の仮道管を測定し, 平均値 をもってその年輪の晩材仮道管長とした.

3. 2. 3. 縦圧縮試験

10cm厚円板の横断面で,互いに直交して髄を通る面で四つ制りにした試験片 を作った. その4試験片のうち, 節などの欠点が少ないものを2個選んで長さ 8cmに鋸断した後, 強さへの含水率の影響をなくすために飽水状態で縦圧縮試 験をおこなった. 試験後, 試験片の容積密度数を測定した.

26

(34)

表3.1 各生育地における試験木数と平均胸高直径

品 種 九州大学 愛媛大学日田林工高校九州大学宮崎大学鹿児島大学

福岡 米野々 三花 宮崎 田野 高限

アヤスギ 25 + 3 3 3 3 3 3

11 11 11.5 9.9 10.9 10.9 10.8

(2.8)

クモトオシ 26 3 3 3 3 3 3

16 15.7 10.1 15.2 13.7 12.1

(2.9)

メアサ 25 + 3 3 3 3 3

11 13.4 10.9 13.3 11.2

(2.8)

ヤプクグリ 25 + 3 3 3 3 3 3

13 13.3 10.4 11.5 12 11.8

(2.6)

上段:試験木数;下段:平均胸高直径;

o内:福岡演習林から得られた試験木の胸高直径の標準偏差

(35)

3. 3. 結果と考察

3. 3. ,. 容積密度数のバラツキ

同一林分内および生育地を異にするときの, 各品種の容積密度数の平均値,

標準偏差, 変動係数を, 樹幹横断面内の部位ごとに表3.2に示す. 一般に, ス ギ樹幹横断面内では, 容積密度数は髄付近で高いと報告されている(渡辺ら,

1939) (加納, 1960) (見尾ら, 1985). 表 3.2 に示すように, 4品種ともに同 様の結果が得られ, いずれのスギ材にも認められる一般的な傾向であるといえ よう. 一方, 変動係数の値には, 樹幹横断面内の各部位聞に大きな違いが認め られなかった. そこで, 扇形試験片で得られた値, すなわち樹幹横断面全体の 平均容積密度数の値について検討を進める.

同一林分内では, 容積密度数の平均値は品種によって異なり, アヤスギ, ヤ ブクグリで高く, クモトオシ, メアサで低い. 一方, バラツキの程度を表す変 動係数は, クモトオシが他の3品種に比べてやや小さい値を示しているものの,

品種間に著しい差があるとはいえず, 3'"'-'6%の範囲であった. 小田ら(1988) は, 同一林分で生育した25年生のヒゴメアサ, ホンスギ, アヤスギ, ヤブク グリのスギ4品種に対象に胸高部位容積密度数の品種内バラツキを調べ, 各品 種の変動係数値に 6'"'-'9%の値を得ている. この値と今回の実験で得られた各品 種の変動係数値から判断すると, 生育の環境条件差が少ないとみなされる同一 林分内では, 品種内の容積密度数の変動係数に品種間に著しい違いを認めず,

その値は10%以下であると推定される. ところで, 品種を分けずに4品種を一 括して求めた容積密度数の値は, 325kg/m3であり, その変動係数値は9%であ った. すなわち, 品種内での容積密度数のバラツキに比べて大きなバラツキを 示した. このことから, スギ材の性質のバラツキが問題となる際, 生育の環境

28

(36)

表3.2 同一林分および異なる林分で生育したスギ品種の容積密度数のバラツキ

同一林分 異なる林分

品 種 部 位 平均値標準偏差変動係数 平均値標準偏差変動係数 (1沼1m3) (1沼1m3) (%) (l沼1m3) (l沼1m3) (%)

アヤスギ 1'"'-'5年輪 370 28 7.6 374 36 9.6

6'"'-' 10年輪 347 28 8.0 365 30 8.1

11 '"'-'最外年輪 334 22 6.5 366 12 3.2

樹幹横面 345 15 4.3 345 26 7.1 クモトオシ1'"'-'5年輪 324 12 3.9 330 19 5.8

6'"'-' 10年輪 290 13 4.6 293 14 4.7

11 '"'-'最外年輪 278 11 4.1 292 19 6.6

樹幹横断面 293 10 3.3 299 13 4.4

メアサ 1'"'-'5年輪 312 25 8.0 327 25 7.7

6'"'-' 10年輪 290 30 10.2 300 29 9.6

11 '"'-'最外年輪 295 25 8.5 322 45 13.3

樹幹横断面 297 16 5.3 313 28 8.8 ヤブクグリ1'"'-'5年輪 391 32 8.3 389 27 7.1

6'"'-' 10年輪 335 19 5.8 343 17 4.8

11 '"'-'最外年輪 310 26 8.5 332 28 8.3

樹幹横断面 345 20 5.9 351 22 6.3

4品種 1'"'-'5年輪 349 38 10.8 356 39 10.9

6'"'-' 10年輪 317 32 10.0 326 38 11.6

11 '"'-'最外年輪 307 30 9.8 329 44 13.2

樹幹横断面 325 30 9.1 333 36 10.7

(37)

条件差が少ないとみなされる同一林分であっても, 品種を考慮することによっ て, そのバラツキを小さくすることができると考えられる.

次に品種は同じだが生育地が異なるときの容積密度数について検討した. そ の結果, 同一林分内で得た結果と同じように, アヤスギ, ヤブクグリの容積密 度数は高く, メアサ, クモトオシのそれは低い値を示し, 品種特有の容積密度 数を持っていると考えられる. 6林分を一括するときの各品種の変動係数はク モトオシでやや小さい値を得たが, 品種間に著しい違いはみられず, 4�9%の 範囲であった. つまり, 生育地が異なっても各品種の変動係数は10%以下であ った. 品種を分けずに4品種を一括して求めた容積密度数の値は, 333kg/m3で あり, その変動係数値は11 %であった. すなわち, 品種内での容積密度数のバ ラツキに比べて大きなバラツキを示した.

ここで, 同一林分内の結果と生育地が異なるときの結果とを比較すると, 各 品種の平均容積密度数に大差が認められなかった. 他方, 変動係数では生育地 の異なる6林分を一括して求めた容積密度数の変動係数がわず、かに大きい値 を得た. そこで, 生育地の違いが容積密度数に与える影響を検討するために,

生育地問の分散分析をおこなってみた. その結果, アヤスギ, クモトオシ, ヤ ブクグリでは生育地問で容積密度数に大きな違いが認められなかったが, メア サでは生育地聞に1%水準で有意な差が認められ, 鹿児島大学と宮崎大学から 得られた材が仙の地域からの材に比べわずかに高い値を示した. メアサは, 鹿 児島から熊本にかけての南九州における代表的な品種であり, 他の品種にくら べいくつかの形質の変異l隔がやや大きいとされる(宮島, 1989). 木材の性質 についてもメアサは若干変異が大きいのかもしれない. 品種によって生育段階 での環境因子の影響の受け方に違いがあるかもしれないので この点に視点を あてた詳細な研究を進める必要があろう.

以上のように, 品種および施業条件が同じであるならば, 生育地が異なって

30

(38)

も, 容積密度数が大きなバラツキを示す傾向はないと推定される. 品種あるい は遺伝性を考慮したスギ材のバラツキ管理を考えるうえで, 極めて興味深い結 果である.

3. 3. 2. 容積密度数のバラツキの原因

品種内の容積密度数のバラツキの原因を検討するために, 前章で容積密度数 と晩材率との聞に密綾な関係が認められたので, 晩材率との関係を, それぞれ の品種の横断面内の各部位ごとに検討し, 図3.1に示している. いずれの品種 にも5%水準で、有意な正の相関関係が認められ, U_fu材率が高くなるにつれて容 積密度数は高くなっている. すなわち, 前述した品種内の容積密度数のバラツ キには, Iぬ材率の違いが関与していることは明らかである.

ところで, 前章において品種が混在した状態での年輪幅と容積密度数には相 関関係がみとめられなかった. しかし, 肥大生長の速さが密度(比重)になん らかの影響を及ぼす, という古くからの考え方が全面的に否定されているわけ ではないので, 各品種の容積密度数のバラツキを肥大生長の速さと関連づける ために, 次の検討を試みた. 試験木の樹齢はすべて同じであるので, 胸高直径 を肥大生長の速さの指標として用い, 図3.2は品種ごとに胸高直径と樹幹横断 面の平均容積密度数との関係を示している. アヤスギとヤブクグリでは1%水 準で有意な負の相関関係が認められたが, クモトオシとメアサでは相関関係が 認められなかった. 小田ら(1989)と堤ら(1989)は, スギ品種に容積密度数 が肥大生長の速さの影響を受ける品種とほとんど受けない品種の存在の可能 性を示唆している. また, black spruceによる研究においても, 材の密度と肥大 成長との関係は品種によって異なるという報告がある( Zhangら, 1995)

( Zhangら, 1996). この研究では, 樹幹横断面の平均容積密度数への肥大生

(39)

メアサr=0.74 400

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HHu -Eaa 20 200 0

30 20

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300ト

(百\凶ぷ)訴Mmmw海側

30

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20

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200 10 0 30

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20

-L..

200 10 0

l免材率(%)

晩材率と容積密度数との関係

32

図3. 1

(40)

500 500

メ7サ

♂fC43

400ト

300ト 7ヤスキ.

r=-O. 73

400

300

4 4 10

10 30

..l..

200 20 0 20 30

200 0

500 500

ヤ7'クグリ r=-O. 69 クモトオシ

(司自\凶ぷ)緩制御題偽

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400ト

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400ト

300 300

30 10 20

200 0 30

10 20 200 0

胸高直径(cm)

胸高直径と容積密度数との関係 図3. 2

(41)

長速さの影響が大きくない品種に, クモトオシとメアサとを指摘できる可能性 が示唆された. すなわち, 品種内での容積密度数のバラツキ管理に年輪幅を指 標として使う際には, 品種によって容積密度数と年輪幅との関係が異なること

を考慮しなければならない.

3. 3. 3. 仮道管長のバラツキ

同一林分内および生育地を異にするときの髄から5年輪目および 10 年輪目 における晩材仮道管長の平均値,標準偏差,変動係数を品種ごとに得て,表3.3 に示す. 髄から5年輪目, 10年輪自のどちらにおいても, アヤスギ, ヤブクグ リの晩材仮道管は短く, クモトオシのそれは4品種の中では最長であり, メア サはこれらの中間的な値を示している. このような品種による仮道管長の違い は, 前章の結果と同様であり, また従来のスギ品種の仮道管に関する報告(林 ら, 1983) (藤崎, 1985)(藤崎, 1986)(見尾ら, 1985) (小田ら, 1988)とよ く一致している. また, それぞれの品種の仮道管長では 生育地問で明らかな 差は認められなかった. これに対し変動係数では,クモトオシでやや小さいが,

品種間および横断面内の部位間に大差を認めず, ほぼ5'"'-'9%の範囲であった.

古賀らは(1989)アヤスギ, クモトオシ, ヤブクグリの3品種を用いて, 同一 個体の同一年輪内で円周方向の晩材仮道管長のバラツキを検討し, その変動係 数に1'"'-'5%の値を得ている. したがって, 個体内のバラツキの大きさや個々 の年輪の仮道管長の測定の際に生じる実験誤差のことも考え併せると, 晩材仮 道管長の品種内バラツキは小さいと考えられた. このようなことから, 晩材仮 道管長は生育地の違いの影響よりも, 品種が固有にもつ特性, すなわち遺伝的 特性の影響のほうが大きいことを推定した. ところで 4品種を一括して変動 係数を求めるとき 晩材仮道管長の変動係数は約13%であり, 生育地を異にす

34

(42)

表3.3 同一林分および異なる林分で生育したスギ品種の晩材仮道管長のバラツキ

同一林分 異なる林分

口口口 種 年輪番号*試験木数平均値標準偏差変動係数 試験木数平均値標準偏差 変動係数

(本) (mm) (mm) (%) (本) (mm) (mm) (%)

アヤスギ 5 30 1.70 0.10 5.8 18 1.66 0.13 7.9

15 30 2.25 0.12 5.3 18 2.10 0.16 7.7

クモトオシ 5 29 2.21 0.10 4.5 18 2.16 0.10 4.6

UしI与1 15 29 2.99 0.11 3.8 18 2.76 0.14 5.0

メアサ 5 28 1.83 0.08 4.4 15 1.89 0.17 9.2

15 28 2.64 0.12 4.7 15 2.29 0.12 5.4

ヤプクグリ 5 30 1.60 0.96 6.0 18 1.69 0.14 8.5

15 30 2.14 0.11 5.1 18 2.10 0.14 6.8

4品種 5 234 1.83 0.23 12.8 69 1.85 0.14 13.3

15 234 2.50 0.34 13.5 69 2.32 0.31 13.5

* .髄からの年輪番号

(43)

る品種内で、求めた変動係数の値よりも大きい. 容積密度数と同様に仮道管長に おいても, 品種を考慮しない時のバラツキよりも品種に区分した時のバラツキ が小さくなっている.

3. 3. 4. 生育林分の相違を要因にしたときの縦圧縮強さのバラツキ

表3.4 は,同一林分内および生育地を具にするときの,縦圧縮強さの平均値,

標準偏差, 変動係数を品種ごとに示している. 同一林分内での各品種の縦圧縮 強さは, メアサ, ヤブクグリ,クモトオシ, アヤスギの)I[貢に大きくなっている.

一方, 変動係数は, クモトオシで、小さく4.8%であり 4品種の中では最大イ|

を示したアヤスギで11.0%が得られた.異なる6林分を一括して求めたときも,

同一林分内における結果と同じ傾向がみられ, 縦圧縮強さはメアサとヤブクグ リで小さく, アヤスギで最大値を得た. そして その変動係数は同一林分内で 得た結果と傾向が異なり, アヤスギでは7.8%で, クモトオシでは5.4%, メ アサでは10.9%, ヤブクグリでは8. 1%であった.

いずれにしても, 表3.4 からわかるように, 品種および施業条件が同じであ るならば, 生育地が異なる6林分にまたがっても, 同一林分内の縦圧縮強さの バラツキに比べ, そのバラツキが著しく大きくなる傾向はなく, その変動係数 は10%程度かそれ以下である. なお, 生育地問の分散分析を行った結果, メア サで生育地聞に縦圧縮強さの有意な差(危険率1 %)が認められ, 仙の3品種 では大きな差異を認めなかった. このことから, 容積密度数と同様に品種によ って環境因子の影響の受け方の違いについて今後検討する必要があろう.

36

(44)

表3.4 同一林分および異なる林分で生育したスギ品種の縦圧縮強さのバラツキ

同一林分 異なる林分

品 種 平均値 標準偏差変動係数 平均値 標準偏差変動係数 (kgf / m3) (kgf / m3) (%) (kgf/m3) (kgf/m3) (%)

アヤスギ 187 20 11.0 174 13 7.8

クモトオシ 175 8 4.8 169 9 5.4

メアサ 155 14 9.2 153 17 10.9

ヤプクグリ 159 10 6.4 151 12 8.1

4品種 170 19 1l.3 161 17 10.6

参照

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