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課題図書と学生の意見形成

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Academic year: 2021

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(1)

要旨  本稿は TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)推進についての意見対立を事例として,教員が指定する課題 図書の主張が学生の意見形成に与える影響について分析している。具体的には,日本の TPP 参加について 賛成派の本を読んだ受講者と反対派の本を読んだ受講者の間で受講者自身の最終的な意見に違いがあるかど うかを検証した。分析の結果,TPP 参加への賛成を主張する課題図書を読んだ受講者は自らも賛成の意見 を,反対を主張する課題図書を読んだ受講者は自らも反対の意見を持つ傾向が強いという結論が導かれた。 キーワード:国際経済学,TPP,アンカー,意見形成

Ⅰ.はじめに

 行動経済学では,人は物事の判断をするときに初期 値から始めて,それを修正する傾向があると考えられ ている。このとき,初期値をアンカー,修正が十分に なされず判断が初期値に影響されることをアンカリン グ効果と呼ぶ2)。例えば,大垣・田中(2014)で紹介 されているアメリカでの不動産市場のフィールド実験 では,専門知識に基づいて不動産業者が判断する価値 評価も実物を見学する前に見た売り手の希望販売額の 影響を受けるという結果を報告している。より具体的 には,同じ物件を見学した不動産業者の間で,低い希 望販売額を提示された業者の査定価格は高い希望販売 価格を提示された業者の査定価格よりも低く,差は 1 万ドル(約 100 万円)を上回ったことが示されている。 この結果に対して,著者は希望販売価格がアンカーと なって不動産の価値評価にアンカリング効果をもたら したと判断し,専門家であっても無意識のうちにアン カリング効果の影響を受けていると結論している。  教育の現場において,学生は様々な問題に対して自 ら考え,自分で判断する能力を身に付けることを求め られるが,現実には教員の意見や読んだ本の内容から 影響を受け,自分で咀嚼することなく,その意見に流 されて自分の意見を形成するということも大いに考え られる。特に,今まで自分で熟考する機会のなかった 問題に対しては,最初に触れた他人の意見からなかな か脱却することができずに,その考えに沿う形で自分 の結論を導くという可能性が考えられる。しかしなが ら,アンカリング効果の視点から課題図書が学生の意 見形成に影響を与えるのかという点に関してなされた 研究は著者の知る限り存在しない。  本稿は TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)推進に ついての意見対立を事例として,教員が指定する課題 図書の主張がアンカーとして学生の意見形成に与える 影響について分析している。より具体的にいうと, TPP 賛成派の課題図書を読んだ学生と TPP 反対派の 課題図書を読んだ学生の間で受講者自身の最終的な意 見に違いがあるかどうかを検証することが本稿の目的 である。  本稿の構成は以下の通りである。まず第Ⅱ節で TPP の概要と TPP に対する世論調査の結果をまとめ, 次に第Ⅲ節で本稿の研究方法について説明する。続い て第Ⅳ節で分析結果を示し,その結果を考察する。最 後に第Ⅴ節で本稿の内容をまとめる。

Specitic Study

The Journal of Economic Education No.36, September, 2017

論考

課題図書と学生の意見形成

1)

- TPP 推進の賛否を事例として-

Impact of Assigned Reading Books on Students’ Opinions:

A Case of Pros and Cons on TPP promotion

(2)

Ⅱ.TPP の概要と世論の動向

 TPP はブルネイ,チリ,ニュージーランド,シン ガポールの 4 ヵ国で 2006 年に発行した P4 協定から発 展した経済連携協定である。2010 年には,アメリカ, オーストラリア,ペルー,ベトナム,マレーシア, 2011 年にはカナダ,メキシコが交渉に参加し,日本 は 2013 年 7 月から 12 番目の参加国として交渉に加 わった。そして,2015 年 10 月の閣僚会合で大筋合意 に到達した。TPP の交渉では,工業製品や農産物の 貿易に関わる関税の撤廃や削減だけでなく,金融など のサービス分野を含めた貿易の自由化,さらにそれら を達成するための労働,環境,投資,競争政策,知的 財産,政府調達や国有企業など国内制度のルールに関 わる分野を含む 21 分野について交渉が行われた3) TPP への参加は当初から農業関係者の関心を集めた が,医療や労働条件など日常生活と密接に関わる分野 も交渉に含まれていることもあり,その後 TPP の日 本社会への影響について国民一般の間でも徐々に関心 が高まっていった。  以下の表 1 は,日本経済新聞社によって実施された 世論調査の結果をまとめたものである。TPP への参 加が議論され始めてから実際に日本が交渉に参加した 2013 年夏までの期間における TPP 参加への賛成と反 対の割合が記されている。この世論調査によると,ま ず全期間において賛成が反対を上回っていることが確 認できる。2012 年 11 月と 2013 年 7 月では賛成と反対 の差は 9%で最も縮まっている。一方,2013 年 3 月に は最も差が拡大しており,その差は 23%に達してい る。全体的には概ね 10 〜 20%ほど賛成が反対を上 回っている。もし課題図書がアンカーとして学生の意 見形成に影響を与える機能を持たなければ,どのよう な課題図書を読んだ受講生も TPP 参加への賛成・反 対の割合は世論調査の結果とそれほど大きく差が出な いはずである。次節において,課題図書が学生の意見 形成に与える影響を検証するために実施した本稿の研 究方法について説明する。

Ⅲ.研究方法

 本稿の研究は三重大学教育学部で行われた「経済学 原論(国際経済を含む)」の授業を利用して実施され た。当該授業はミクロ経済学の内容を中心に学生の経 済学知識の習得と現実の経済問題への関心を醸成する ために行われている授業である5)。この授業において 比較優位の原理や消費者余剰と生産者余剰を用いた貿 易と関税の余剰分析について講義した後,受講生に TPP に関する課題図書の精読を指示し,その読書内 容を基にしたグループ・ディスカッションを行った。 最後に,グループ・ディスカッションを通じて形成さ れた TPP 参加に賛成か反対かという学生の意見をま とめたものをレポートで提出させ,その傾向について 分析を行った。  各年度の授業の受講者と指定した課題図書は以下の 表の通りである。2014 年度の授業は研究の対象とし ていないが,その理由はこの年度は質問形式を変えた ため他の年度と同様に学生の意見を計上することが困 難であると判断したためである。 表 2 各年度の受講者と課題図書 開講年度 受講者数 課題図書 2012年度 18 中野剛志(2011)『TPP 亡国論』 2013年度 6 中野剛志(2011)『TPP 亡国論』 2015年度 11 中野剛志(2011)『TPP 亡国論』, 本間正義(2014)『農業問題』,浅 川芳裕(2012)『TPP で日本は世 界一の農業大国になる』  講義では,TPP 反対派の文献として中野(2011), TPP 賛 成 派 の 文 献 と し て, 浅 野(2012), 本 間 (2014)を指定した。これら 3 つの課題図書のうち, 2012 年 度,2013 年 度 の 講 義 で は 全 受 講 生 に 中 野 (2011)を指定し,2015 年度の講義では 3 つのうち 1 つを選ばせるようにした。まず,中野(2011)におい て TPP 参加に反対する根拠は以下のようにまとめら れる。 (1)コメなど一部の農産物を除くと日本の平均関税率 は既に低いので,これ以上海外に市場を開放する 表 1 TPP 参加に対する賛成・反対の割合(%)4) 2011 年 10/31 2012 年11/19 2013 年2/25 2013 年3/25 2013 年4/22 2013 年7/24 2013 年8/26 参加に賛成 45 43 47 51 47 42 48 参加に反対 32 34 33 28 30 33 30 (出所)日本経済新聞(上記の日付の朝刊)

(3)

必要はない。(中野(2011),P.26 〜 27) (2)アメリカ以外の参加国の経済規模はそれほど大き くないので,関税がなくなっても日本は海外に工 業製品を売り込むことはできない。(中野(2011), P.32 〜 33) (3)アメリカは輸出を増やし,輸入を減らすつもりで ある。(中野(2011),P.73 〜 78) (4)外国の安価な製品が輸入され,デフレ(物価の下 落)が進行してしまう。(中野(2011),P.126) (5)外国の農産物の輸入により,国内の生産者が駆逐 される。(中野(2011),P.126) (6)日本の食料自給率(カロリーベース)は約 40%, 穀物自給率は 27%であるが,これがさらに低下 する。(中野(2011),P.184 〜 185)  次に,浅野(2012)および本間(2014)において TPP 参加に賛成する根拠は以下のようにまとめられ る。 (1)サクランボやアスパラガスのように輸入の自由化 によって市場が拡大し,需要の拡大につながる。 (浅野(2012),P.47) (2)国内以外に多様な調達先を持っていることで食料 の安全保障は高まる。(浅野(2012),P.72) (3)農水省や農協など農業政策で利権を得ている団体 があるが,貿易の自由化によってそれらの利権を 切り崩すことができる。(浅野(2012),第 2 章) (4)今後 20 年の構造改革の計画を早く提示し,段階 的に実施していくことで,日本のコメが国際競争 力を持てるように体質強化を図ることは十分可能 である。(本間(2014),P.21) (5)日米間の関税削減効果はさほど大きくはなく,競 争基盤を共通化することのメリットの方が大きい。 (本間(2014),P.116)  授業では,各年度とも 5 〜 6 人のグループを作り, グループ・ディスカッションを行った。2015 年度の 授業では受講者は 3 冊の中から 1 冊を選び,その内容 について精読するように指示したが,同じグループ内 で各課題図書を読んだものが 1 〜 2 人ずつになるよう に課題図書を選ばせた。さらに,2015 年度はグルー プ・ディスカッションを始める前に各自が読んだ本の 内容について要約をグループの他のメンバーに発表す るようにしたので,理解度の差はあるにせよディス カッションを始める前に全員が 3 冊すべての内容につ いて概ね把握していたと考えることができる。また, 前述のように受講生は予備知識として標準的なミクロ 経済学を学んでおり,比較優位や余剰分析を用いた関 税の効果などに関する知識を習得している。したがっ て,国際経済学に関する基礎知識に関しては学生間の 差は小さいと考えられるため,もし選んだ課題図書に 依存して学生の意見が大きく異なるならば,それはそ の本で述べられていた主張の影響であると考えること ができる。次節では,TPP 賛成派の本と反対派の本 を読んだ受講生の間で意見にどれほどの差が生まれた のか,またその差が統計的に有意であったのかを検証 する。

Ⅳ.分析結果と考察

 該当する「経済学原論」の授業では,2012 年度と 2013 年度の全受講生に加えて 2015 年度受講生のうち 2 名の計 26 人が TPP 反対派の中野(2011)を読み, 2015 年 度 受 講 生 の う ち 9 名 が TPP 賛 成 派 の 浅 川 (2012),本間(2014)を選んだ。2012 年度と 2013 年 度の全受講生はすべて中野(2011)を読んだが,その 中で TPP への参加に賛成という受講生はわずかに 2 人で,賛成とも反対とも取れない意見(「中立」と表 記する。)の 1 名を除く 23 名が TPP に反対という意見 を提出した。2015 年度に関しては学生に課題図書を 選択させたため,受講生のもともとの意見によって選 ばれる本が異なるという可能性が残されるが,2012 年度と 2013 年度の受講生はすべて同じ本を読んでい るため,このような問題は考えられない。受講者がも ともと持っていた意見に関しては調査していないが, 世論調査で約半数が賛成と答えた TPP への参加につ いて,受講生の 9 割近くがもともと反対であったとい う仮説が成立するためには,受講者の考えが一般的な 人々と極端に乖離していることを仮定しなければなら ない。しかしながら,このような仮定を置くことには 無理があるように考えられる。したがって,受講者の もともとの意見が一般的な世論とそれほど大きく乖離 していない限り,24 名中 21 名が TPP に反対という極 端な結果の理由として各自が読んだ課題図書の影響を 受けている可能性が考えられる。  以下では,TPP 反対派の中野(2011)を読んだ受 講者のグループをグループ①,賛成派の浅川(2012), 本間(2014)を読んだ受講者のグループをグループ② と呼ぶことにする。ディスカッションを終えて 1 週間 後に提出させたレポートにおいて,受講者が答えた TPP 参加への賛成または反対の意見をグループ①と

(4)

グループ②に分けてまとめたものが次の図 1 である。  図 1 から反対派の本を読んだグループ①では明らか に反対の意見を提出した受講者が多く,逆に賛成派の 本を読んだグループ②では明らかに賛成の意見を提出 した受講者が多いことが確認できる。それぞれのグ ループで自分の読んだ本の主張と同じ意見を形成した 受講者の割合はどちらもおよそ 8 割であり,この結果 は世論調査で得られた一般国民の調査結果からは大き く乖離している。  提出されたレポートによると,ディスカッションを 通じて意見が変わったという意見は 1 件のみであった。 即ち,多くの受講生は課題図書を読んで形成された自 分の意見がディスカッションを通じて変化することは なかったと考えられる。特に 2015 年度に関しては, 自分の課題図書以外の本を読んだ他の受講生からその 本の要約を聞き,自分と反対の意見に対面しながらも, それら反対意見の影響は限定的であったということが できる。  また,2015 年度に関しては学生に課題図書を選択 させたため,受講生のもともとの意見によって選ばれ る本が異なるという可能性は否定できない。しかしな がら,受講生のもともとの意見が 2012 年度および 2013 年度とそれほど変わらないとするならば,2015 年度に 11 名中 8 名が TPP への参加に賛成であったと いう結果はやはり課題図書の影響であったと考えるの が自然である。したがって,課題図書の内容は受講者 の意見形成に対して大きな影響力を持っており,課題 図書の主張と同じ意見を持つ傾向が極めて強いと判断 できる。  以下では結果の判断に関して厳密な議論展開をする ために,グループ①とグループ②を読んだ受講者の間 で TPP 参加に賛成する者の割合が統計的に有意に異 なるかどうかを検証する。各受講者は 1 名を除いて TPP 参加に賛成か反対かどちらかであるので,各母 集団は賛成を「1」,反対を「0」とする二項分布に 従っていると想定することができる6)。さらに二項分 布は正規分布で近似できると考えることができる。し たがって,ここで検定すべき仮説はグループ①の正規 分布の期待値とグループ②の正規分布の期待値が有意 に異なるかという帰無仮説である。  本稿のこれまでの議論から,グループ①の期待値を μa,グループ②の期待値をμbで表すと,検定すべき 帰無仮説と対立仮説は以下の通りとなる。 H0:μa=μb H1:μa≠μb  さらに,グループ①のサンプル数を na,グループ② のサンプル数を nbで表すと,この仮説を検定するた めの検定統計量は次式で与えられ,これは自由度 33 の t分布に従うと考えられる。ただし,両グループの 分散は s2で等しいと仮定している7)  上の式に従って t値を求めると- 5.36 である。一方, 自由度 33 の t 分布における両側 5% の臨界値は± 2.03 である。したがって,有意水準 5% で帰無仮説を棄却 し,2 つの母集団の期待値は異なるという結論が導か れる。  以上の本稿の分析結果として,異なる主張を展開す

TPP 推進に対する賛否(グループ①)

TPP 推進に対する賛否(グループ②)

中立,3.8% (1 人) 賛成,15.4% (4 人) 反対,80.8% (21 人) 賛成,77.8% (7 人) 反対,22.2% (2 人) 図 1 TPP 参加に対する賛否の割合

(5)

る課題図書を読んだ学生の間で最終的に形成される意 見に関して統計的に有意な差が生じ,世論調査とも大 きく異なるという結論が導かれた。この結果は受講生 の意見形成の過程において,課題図書の内容を批判的 に検討するという読み方が十分にできておらず,課題 図書で著者の主張に対して概ねその内容に沿う形で自 らの意見を形成する受講生が多いという事実を示して いる。このような状況では,学生に批判的な読書方法 を促してもあまり有効ではなく,むしろ主張・意見の 異なる複数の図書に触れさせるなかで自らの意見を形 成させるほうが有効であるように思われる。したがっ て,この結果は教員が課題図書を指定する際に,一方 的な意見だけを述べた文献を提示するのではなく,賛 成と反対の立場から書かれた主張・意見の異なる複数 の文献を読むように促すべきであることを示唆してい る。

Ⅴ.おわりに

 本稿は TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)推進に ついての意見対立を事例として,教員が指定する課題 図書の主張が学生の意見形成に与える影響について分 析した。日本の TPP 参加について賛成派の本を読ん だ受講者と反対派の本を読んだ受講者の間で受講者自 身の最終的な意見に違いがあるかどうかを検証したが, 分析の結果,TPP 参加への賛成を主張する課題図書 を読んだ受講者は自らも賛成の意見を,反対を主張す る課題図書を読んだ受講者は自らも反対の意見を持つ 傾向が強いという結論が導かれた。この結果は,学生 が読書をする際に課題図書の内容を批判的に検討する という読み方が十分にできておらず,概ね著者の主張 に沿う形で自らの意見を形成する傾向が強いことを示 している。したがって,このような状況では,教員が 課題図書を指定する際に,一方的な意見に偏らず賛成 と反対の立場から書かれた主張・意見の異なる複数の 文献を読むように促すべきであると結論付けられる。 本稿の分析では,受講者の意見は読んだ課題図書のグ ループごとに 2 項分布に従っており,さらに標本平均 が正規分布で近似できると仮定して分析を行った。標 本平均の分布はサンプル数が多くなるほど正規分布に 近づくが,本稿のサンプル数は合計 35 であり,特に 賛成派のサンプル数は 9 であったので,十分なサンプ ル数の確保という点で改善の余地が残されている。さ らに精度の高い分析結果を得るために,サンプル数の 拡充は今後の課題である。また本稿の結論は,講義で 話を聞くという受け身の学習で得た知識よりも読書お よびディスカッションというより能動的な学習で得た 知識のほうが学生の意見を左右する傾向が強いことを 示している。この結果はアクティブ・ラーニングを重 視する最近の教育界の流行とも関連するものと考えら れるが,この点についても今後の課題としてさらに検 討していきたい。 註 1) 本稿を修正する上で匿名のレフェリーから有益なコメン トをいただいた。記して感謝したい。もちろん,本稿に 含まれる誤りはすべて著者に帰する。 2) アンカリングの定義や概念について,より詳細な説明は 大垣・田中(2014)を参照されたい。 3) TPP 交渉の範囲や領域に関しては Schott 他(2013)およ び阿部(2014)を参照されたい。 4) 日本経済新聞社の世論調査は乱数番号法による無作為抽 出に基づいて電話調査されている。この方法は朝日新聞 など他社でも採用されており,朝日新聞社の世論調査 (2013 年 3 月)でも TPP への参加について賛成が 53%, 反対が 23% と日本経済新聞社のものと大差はない。 5) 授業全体のテキストとしては八田(2013)を指定したが, 国際経済の分野に関しては Krugman(2007)の日本語訳 を利用した。 6) グループ①において,中立と判断した意見は「0.5」とい う数値で計算した。 7) 両グループの分散が等しいという帰無仮説を検討すると, 帰無仮説を棄却することはできないため,この仮定は妥 当であると考えられる。 参考文献 [1] 阿部顕三(2015),『貿易自由化の理念と現実』,NTT 出版 . [2] 浅川芳裕(2012),『TPP で日本は世界一の農業大国にな る―ついに始まる大躍進の時代―』,KK ベストセラーズ . [3] 大垣昌夫・田中沙織(2014),『行動経済学―伝統的経済 学との統合による新しい経済学を目指して―』,有斐閣 . [4] 中野剛志(2011),『TPP 亡国論』,集英社 . [5] 八田達夫(2013),『ミクロ経済学Expressway』,東洋経 済新報社 . [6] 本間正義(2014),『農業問題―TPP 後,農政はこう変わ る―』,筑摩書房 . [7] Schott,J.J.,B.KotschwarandJ.Muir(2013),Under︲ standing the Trans-pacific Partnership,PetersonInstitute forInternationalEconomics.(浦田秀次郎他(訳)(2013) 『米国の研究者が書いた TPP がよくわかる本』,日本経済 新聞出版社 . [ 8 ]Krugman,P.andR.Wells(2006),Economics,Worth Publishers.(大山道広 他(訳)(2007),『クルーグマン  ミクロ経済学』,東洋経済新報社 .)

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