制吐剤適正使用ガイドラインについて
第16回 安芸薬薬連携研修会2017年11月30日
悪心・嘔吐の治療の基本
①治療目標は発現予防であるが、過剰になることは慎むべきである。
・催吐性リスクに応じて適切な制吐薬を使用する。
・悪心・嘔吐が発現・持続する期間は通常高度リスクで
4日間、中等度で3日間程である。
・発現リスクのある期間、最善の予防を行う。
②制吐薬は経口薬、注射薬のいずれも有効性は同等である。
③各種制吐薬特有の副作用を考慮する。
④制吐薬の選択は、予定する抗がん薬の催吐性リスク、過去の制吐療法の効果、
患者背景因子を考慮して決定する。
⑤がん治療に直接起因しない悪心・嘔吐の原因
・イレウス、脳転移、電解質異常、オピオイドなどの併用薬剤、腸管運動麻痺、
心因性要因・・・など
日本癌治療学会 制吐薬適正使用ガイドライン より
悪心・嘔吐の治療の基本
⑥放射線治療やがん薬物療法とは無関係の悪心・嘔吐に対しても制吐療法を行う。
⑦多剤併用療法においては最も催吐性リスクの高い薬剤に対する制吐療法を選択する。
⑧最小度リスク抗がん薬の投与時、胸やけ消化不良症状の訴えに対しては、
H2受容体
拮抗薬、またはポロトンポンプ阻害薬を考慮する。
⑩生活環境における工夫や整備
⑨自己管理に関する患者教育・指導
・我慢しないことを含めた患者自身によるセルフアセスメントの認識と、患者日記等に
よる記録の推進に関する教育
日本癌治療学会 制吐薬適正使用ガイドライン より
・ゆったりとした服装
・食事は少量ずつ回数を増やす、食べやすい性状にする、におい・味付け・温度等に
配慮する
⑪専門性を高めた多職種連携のチーム医療での実施が重要
催吐性リスク
日本癌治療学会 制吐薬適正使用ガイドライン より
制吐薬の予防投与なしで各種抗がん薬投与後
24時間以内に発現する悪心・
嘔吐(急性期の悪心嘔吐)の割合で
4つに分類される。
高度催吐性リスク:
90%を超える患者に発現する。
中等度催吐性リスク:
30∼90%を超える患者に発現する。
軽度催吐性リスク:
10∼30%を超える患者に発現する。
最小度催吐性リスク:
10%未満である。
分 類 薬 剤 , レ ジ メ ン
高 度( 催吐 性 )リ スク AC 療法 :ド キソ ル ビシ ン+ シ クロ ホス ファ ミ ド high emetic risk EC 療法 : エピ ルビ シ ン+ シク ロホ ス ファ ミド ( 催吐 頻度 >90% ) シク ロ ホス ファ ミド ( ≧1,500 mg/m2) シス プ ラチ ン スト レ プト ゾシ ン ダカ ル バジ ン carmustine( >250 mg/m2) mechlorethamine 中 等度 (催 吐 性) リス ク アク チ ノマ イシ ンD moderate emetic risk アザ シ チジ ン ( 催吐 頻度 30∼ 90%) アムルビシン※2) イダ ル ビシ ン イホ ス ファ ミド イリ ノ テカ ン イン タ ーフ ェロ ン-α( ≧1,000 万 IU/m2) イン タ ーロ イキ ン-2(> 1,200 万 ∼1,500 万 IU/m2) エノシタビン※3) エピ ル ビシ ン オキ サ リプ ラチ ン カル ボ プラ チン クロ フ ァラ ビン 三酸 化 ヒ素 シク ロ ホス ファ ミド ( <1,500 mg/m2) シタ ラ ビン (> 200 mg/m2) ダウ ノ ルビ シン テモ ゾ ロミ ド ドキ ソ ルビ シン ネダプラチン※4) ピラルビシン※5) ブス ル ファ ン ベン ダ ムス チン ミリプラチン6) メト ト レキ サー ト( ≧ 250 mg/m2) メル フ ァラ ン( ≧50 mg/m2) amifostine(> 300 mg/m2) carmustine( ≦250 mg/m2)