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地域自立支援協議会における防災に関する取り組みの実施状況に関する研究

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Academic year: 2021

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要旨  近年の多発する災害により、地域で暮らす障害者や障害福祉サービス事業所の防災に関する関心は高 まっている。本研究は、全国の自立支援協議会のうち防災活動に取り組む協議会を対象に、アンケート 調査及びヒアリング調査によって、防災活動の取り組みの実態と評価を明らかにし、さらに地域との関 係の状況や影響を把握することを目的とした。  防災に取り組む協議会は都道府県協議会への事前調査等より抽出し、アンケート及びヒアリング調査 を実施した。その結果、防災に関する活動は、シンポジウム開催等の啓発活動、防災マニュアルやヘル プカード等の指針作成、安否確認や避難訓練等の訓練、要援護者対策の4つに分かれた。また防災に関 する専門部会を組織する協議会では、各種の活動を積極的に実施していた。さらに、それらの活動は、 協議会の運営体制と、当事者や事業者及び地域といった対象の違いによって整理できた。活動の評価で は、防災に関する意識変化について肯定的なものが多い反面、活動に懸かるコストが課題となっている。 また、半数以上の協議会で、防災活動を通じて民生委員や町内会等との関係が構築されており、活動の 結果として障害理解などの地域への肯定的な影響もみられた。 キーワード: 地域自立支援協議会、障害者福祉、防災組織、地域組織

1.はじめに

 地域自立支援協議会(以下、協議会)は、2006 年に制定された障害者自立支援法によって制度的 に位置付けられた。目的は、障害者の地域自立生 活に関する事項を、関係機関によって協議し解決 することであり、都道府県、圏域及び市町村に組 織されている。協議会での検討事項は、相談支援 や就労支援、地域移行や居住支援など多岐に渡っ ており、取り上げるテーマを地域の事情を勘案し 協議会で決定できることも特徴である1)  地域での自立生活には、安全や安心の確保は欠 かせないが、近年、毎年のように大規模災害が発 生しており、当事者や保護者に加えて事業所も災 害対応への不安を感じている。また、災害時要援 護者(以下、要援護者)名簿への登録や情報共有 を呼びかけている地方自治体も多い。協議会の役 割には、地域ニーズの整理や、課題解決に向けた 資源の開発も含まれることから、地域課題として 災害への備えがあれば、それに向けた活動も求め られる2)。実際、災害対策への関心の高まりを背 景に、防災に関連する取り組みを開始した協議会 や、防災部会を設置して継続的な対策を進めてい る協議会がある3)  地域で暮らす障害者の災害への備えを考えた場 合に、自宅での備えにはじまり、災害関連情報の

研究ノート

地域自立支援協議会における防災に関

する取り組みの実施状況に関する研究

古 山 周 太 郎  相 馬 大 祐

早稲田大学人間科学学術院   福井県立大学

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入手やコミュニケーション手段の確保、避難時の 移動手段の用意や避難経路の選定、また一般避難 所での生活や福祉避難所の活用といった具合に、 取り組むべき課題は数多い4)。加えて、各課題の 解決に向けて、活動の対象や関わる組織も変わっ てくる。また想定される災害の種類や規模、地域 の災害への脆弱性などにより、優先的に考えるべ きテーマも異なる。一口に、障害者への防災対策 といっても、その切り口は様々であり、各協議会 において異なった問題設定やそれに伴う活動の展 開が必要となる。笠原(2010)は、協議会が地域 の関係機関のネットワーク形成に寄与する点を指 摘しており、防災対策も様々な組織や主体が関わ るテーマといえ、まさに協議会で取り上げること で、関連組織の連携や協力が進むことが期待でき る性質のテーマといえる。  立木(2013)によれば災害リスクには、地域の ハザードや個人の要因に加えて、地域の環境の要 因も影響する。つまり、地域の環境を変えること で、個々の災害リスクも減らすことができるので ある。また、地域社会にとっても、協議会による 防災の取り組みは一定の意義を持ちうる。地域は 要援護者全体に備える必要があり、当然のことな がら障害をもつ住民へ配慮した地域防災を進めな ければならない。その際に、協議会は、関係する 主体や組織の連携を促すことができ、また地域と 事業所や当事者との接点の役割を果たすことがで きる。さらに、制度を基に組織された公的性格を もつことから、地域にも連携や協力相手として一 定の信頼感を与えることも可能である。こうした ことから、特に地域が参画する防災対策に協議会 が大きな役割を果たすことが期待できる。  以上、協議会を中心に防災対策の位置づけや役 割を論じてきたが、まちづくりの分野でも防災へ の関心の高まりは著しい。調査では防災活動が地 域社会の組織への取り組むべきテーマとして上位 であり5)、住民の積極的な活動参加につながる素 地がみられる。障害者の地域生活を進める際に主 要な課題となるのが、障害理解である。徳田ら (2005)では、住民の障害理解を阻害する一因と して、地域や生活のなかでの障害者との接触機会 の少なさが指摘されているが6)、防災に関する取 り組みはこの問題を解決する一つの方策となり得 る。特に、最近では地域の防災訓練も、消火器や AEDの講習や地震体験といった内容から、安否 確認訓練や避難所運営体験など、より実践的内容 に変わってきている。なかには、要援護者を積極 的に訓練内容に組み入れて実施している地域もあ る。住民の関心の高いテーマとして防災があるな らば、防災対策の機会を通じて、地域が障害者の ニーズに共感して、地域生活を安全安心に進める 対策を進める契機となると考えられよう。  そこで、本稿ではまず全国の市町村及び圏域の 協議会において取り組まれている、防災に関する 活動を、内容、対象及び実施体制により整理する ことを第一の目的とする。さらに、防災の取り組 みへの評価や課題を明らかにすると共に、活動に おける地域との関係やその影響についても把握 し、協議会における防災に関する活動のありかた について考察を加える。

2.調査の枠組みと倫理的配慮

 本稿における調査は、まず全都道府県の自立支 援協議会に電子メールにて、都道府県内の市町村 及び圏域の協議会で、防災活動に取り組んでいる 協議会についての情報提供を依頼した。その結果、 26都道府県から80か所の協議会が防災に関する活 動に取り組んでいるとの回答が得られた。残りの 21都道府県からは未把握との回答であったので、 WEB検索7)にて防災活動に取り組んでいる協議 会を17か所抽出した。以上、都道府県から回答の あった協議会と合わせて、97か所の協議会を調査 対象とした。  調査はアンケート調査とヒアリング調査を行っ た。全97か所の協議会を対象とし2019年7月にア ンケートを郵送し、一部は電子メールにて送付し た。アンケートは47か所(回収率48.5%)から有 効回答を得た。アンケートは記名式で、質問項目 の主なものを示した8)【表1】。ヒアリング調査

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は上記の事前調査によって、防災に関連する部会 を設置しているとの回答が得られた協議会のう ち、調査協力の得られた8か所を対象とした。調 査期間は2019年3月と同年7~8月に実施し、行 政の担当者もしくは協議会の部会運営を担ってい る事業者に1時間ほどの半構造化面接を実施し た。調査項目はA.防災部会の運営方法や組織構 成、B.防災に関する取り組みの実態、C.活動 を通じての各組織や地域社会への影響等である。 対象とした8協議会の防災部会の基礎データーを 示した【表2】。  本研究では、ヒアリング調査では調査対象者に 研究の趣旨を口頭で充分に説明し調査協力への同 意を得た。アンケート調査では文章にて説明を行 い、調査票の返送をもって同意を得たこととした。 調査結果の公表にあたっては協議会名が特定され ない形式での公表を説明書に明記した。 表1 アンケート質問項目 1.協議会の状況  1)市町村圏域名 2)回答者 3)運営方式  4)設置部会 5)防災に取り組む部会 2.防災に関する活動の状況  6)活動の状況 7)活動の具体的内容  8)他の活動 9)参加組織 10)開始時期  11)活動開始のきっかけ 3.防災に関する活動の評価  12)活動への評価(5件法)  13)活動の課題(5件法) 4.防災に関する活動と地域との関わり・今後の 予定  14)地域との関わりの有無  15)地域との関わりの影響(5件法)  16)関わりのあった活動  17)今後取り組む予定の活動 表2 ヒアリング対象の協議会防災部会のデータ ID 単位人口 開始年 事務局 防災部会の運営の構成・特徴 A 特別区約71万 2010 行政 当事者団体を中心に22団体で構成、警察・消防もオブザーバー参加 B 約11万 2007圏域 委託 社会福祉協議会が部会長、県相談支援担当を含め11団体で構成 C 政令区約11万 2012 委託 区内事業所や区総務課、社会福祉協議会を含む15団体で構成 D 約9万 2010市 行政 当事者団体、民生委員、保健所職員、グループホームなど14団体で構成 E 約11万 2016市 行政 全て当事者団体の代表7名で構成。必要に応じて市や消防が参加 F 約24万 2015市 行政 部会の運営を担当している相談支援事業所のメンバーで構成 G 約34万 2017市 委託 事業所協議会、当事者団体、養護学校など9団体で構成 H 約5万 2012市 委託 市の福祉部局と防災部局、社会福祉協議会で構成

3.調査結果

⑴ 防災に関する活動への取り組み状況  回答のあった協議会の運営形態別にみると市が 30か所、政令市の区が9か所、町が4か所、圏域 が4か所と、市単位で組織された協議会が最も多 かった。防災活動の取り組み方では、“防災に関 する専門部会を設置する協議会(部会あり)”が 21か所(44.7%)であり、“他部会もしくは全体で 取り組む協議会(部会なし)”が26か所(55.3%) となっており、専門部会以外の活動の一部として 防災に取り組む協議会のほうが多い。また防災に 関する活動で“地域社会との関係がある”と答え た協議会が31か所(66.0%)と、“地域社会との関 係がない”と答えた16か所(34.0%)に比べて倍 近くとなった。防災に関する活動の開始年をみて みると、2010年以前が3か所(6,4%)、2011年~ 2015年 が23か 所(48.9%)、2016年 以 降 が16か 所 (34.0%)、無回答が5か所(10.6%)であった。  協議会で実施している防災活動の具体的取り組 みの状況と、部会の有無及び地域との関係の有無 についてみてみる9)【表3】。12の活動項目は、 大きく「啓発・調査」、「指針作成」、「訓練」、「要 援護者対策」の4つの活動に分類した10)  一番多く取り組まれているのは“②事業者や当 事者を対象とした防災や災害に関する研修や勉強 会”で28カ所、2番目は “⑤当事者向けのヘルプ カードや防災対策マニュアルづくり”が27カ所で あり、これらは半数以上の協議会で取り組んでい た。次いで“⑧自治体主催の防災・避難訓練への 見学や参加”、“⑫福祉避難所を含めた避難所に関 する取り組み”が21カ所であった。全体としては、

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「指針作成」に該当する“⑦災害時の事業所間の 連携についての打ち合わせや協定づくり”や“⑤ 事業所向けの防災対策マニュアルづくり”に取り 組んでいる協議会は10か所以下と少ないものの、 全体的に様々な活動に取り組んでいることがみて とれる。  続いて防災に関する部会の有無と取り組みとの 関係をみると、総じて“部会あり”の方が、各活 動に取り組んでいる割合が高く、特に「訓練」や 「要援護者対策」に分類される活動は、“部会あり” の協議会の方が取り組む割合が高くなっている。 また地域関係の有無でみると、“地域関係あり” の協議会の方が総じて各活動への取り組み割合が 高く、「訓練」に該当する活動は“地域関係あり” の方が取り組む割合が特に高かった。  以上、アンケートでは各活動項目の実施状況が 明らかになった。一方で、各活動は対象や実施の 方法が多岐にわたっており、当事者のみならず地 域社会への働きかけが必要なものや、複数の組織 との連携により実現可能な活動もある。そこで、 12種類の活動項目について、ヒアリング調査の結 果をもとに、アンケート調査では把握できなかっ た、活動が主に対象とする組織や主体と、活動に おける組織の連携のありようによって整理した 【図1】。図中には、ヒアリング調査により得られ た各項目に該当する具体的な活動内容も示してあ る。  協議会単独の活動は、全て「啓発・調査」に分 類される活動であり、事業所を対象とした調査か ら、当事者や事業所向けの研修や勉強会の開催、 市民向けのシンポジウムなどが含まれている。こ れらの活動は協議会が単独で行うので、その意向 が反映されやすく、協議会が重視するテーマに沿 った内容や、働きかけたい対象に応じて実施可能 表3 防災に関する取り組みの状況 活動 分類 全体 部会あり 部会なし 地域関係あり 地域関係なし 項目 割合割合割合割合割合数 啓発 ・ 調査 ①市民を対象とした防災や災害に関する講演や シンポジウムの開催 (36.2%)17 (47.6%)10 (26.9%)7 (45.2%)14 (18.8%)3 ②事業者や当事者を対象とした防災や災害に関 する研修や勉強会 (59.6%)28 (61.9%)13 (57.7%)15 (61.3%)19 (56.3%)9 ③防災や災害に関するパンフットやチラシの作 成 (36.2%)17 (38.1%)8 (34.6%)9 (41.9%)13 (25.0%)4 ④防災対策や災害に対する意識等に関するアン ケート調査 (31.9%)15 (33.3%)7 (30.8%)8 (32.3%)10 (31.3%)5 指針 作成 ⑤当事者向けのヘルプカードや防災対策マニュ アルづくり (57.4%)27 (66.7%)14 (50.0%)13 (64.5%)20 (43.8%)7 ⑥事業所向けの防災対策マニュアルづくり (19.1%)9 (28.6%)6 (11.5%)3 (22.6%)7 (12.5%)2 ⑦災害時の事業所間の連携についての打ち合わ せや協定づくり (12.8%)6 (14.3%)3 (11.5%)3 (9.7%)3 (18.8%)3 訓練 ⑧自治体主催の防災・避難訓練への見学や参加 (44.7%)21 (57.1%)12 (34.6%)9 (58.1%)18 (18.8%)3 ⑨地域や町内会主催の防災・避難訓練への見学 や参加 (27.7%)13 (42.9%)9 (15.4%)4 (41.9%)13 (0.0%)0 ⑩事業所や当事者を対象とした防災・避難訓練 の実施 (36.2%)17 (52.4%)11 (23.1%)6 (41.9%)13 (25.0%)4 要援 護者 対策 ⑪災害時要援護者名簿の登録の推奨や個別避難 支援計画作成の支援 (34.0%)16 (52.4%)11 (19.2%)5 (38.7%)12 (25.0%)4 ⑫福祉避難所を含めた避難所に関する取り組み (44.7%)21 (61.9%)13 (30.8%)8 (51.6%)16 (31.3%)5 小計(N)  47 21 26 31 16 ※取り組みの有無については複数回答あり

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である。同時に、他組織との調整や連携の必要が ないため、協議会にとって取り組みやすい活動と いった特徴もある。  次に他組織との連携が必要な活動については、 「指針作成」、「訓練」、「要援護者対策」の活動が 該当した。「指針作成」は事業所向けマニュアル づくりや、当事者のヘルプカードの作成が、相手 と協力して取り組まれている。「訓練」では、当 事者と事業所が、自治体主催の訓練へ参加してい る。さらに、「要援護者対策」では、自治会への アドバイスといった取り組みもみられる。以上の 活動は、いずれも各協議会が、対象のニーズに焦 点を当てて実効的な対策を目指す活動と位置付け られる。  最後に複数組織との連携が必要な活動について も、「指針作成」、「訓練」、「要援護者対策」の活 動が該当した。「指針作成」では、複数事業所で 相互支援の協定を結ぶ取り組みがみられた。「訓 練」では当事者を対象としたまちあるきや、地域 社会を対象とした災害対応プランの検証といった 取り組みがみられる。「要援護者対策」では主に 福祉避難所に関する取り組みや、当事者と民生委 員と共に、個別避難支援計画に取り組む協議会も みられた。これらの活動は、前の2つに比較して 図1 防災に関する活動の分類と具体例

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多くの組織が参加し、かつ地域で実際に行う活動 が主であり、より実践的な内容だといえる。また、 複数組織が参加することから、各活動を通じて組 織間の連携が進むといった特徴もみられる。 ⑵ 防災に関する活動への評価  防災に関する活動についての評価と課題の結果 を示す【表4】。各項目については、ヒアリング 調査で得られた具体的な意見について抜粋したも のを掲載してある。  評価の部分についてみると、「全体的に障害者 の防災対策の取り組みが必要と感じた」について は9割以上が“とても思う”か“そう思う”と答 えていた。具体的には‘大規模災害が発生してお りニーズは高い’や、‘防災対策は重要なテーマ で必要とする事業所が多い’といった意見がみら れる。「事業者が災害時への課題について理解を 深めた」は“とても思う”、“そう思う”をあわせ て63.8%、「当事者が災害や防災対策の意識を高め た」が“とても思う”、“そう思う”をあわせて 55.3%といずれも半数をこえており、防災に関す る活動が意識を高めているといった評価が高い。 具体的には事業所に‘継続的にアンケートを実施 し理解の深まりを把握している’協議会や、当事 者自身が‘障害種別による様々な対策の必要を理 解した’事例がみられた。その一方で、「事業者 の防災対策や避難対策が進んだ」は“とても思う”、 “そう思う”をあわせて42.5%、「当事者の災害に 対する備えが進んだ」は“とても思う”、“そう思 う”をあわせて36.1%であった。実際に避難所に‘当 事者の必要な物資を備えてもらった’協議会もあ る。対策の進展については、一定程度評価されて いるものの理解の高まりよりも低く、当事者と比 べて事業者の意識や対策の進展への評価が高い。 「協議会メンバーや事業者間の連携が進んだ」に ついても、“とても思う”と“そう思う”を合わ せて6割を超えており、地域が異なる事業所同士 が話し合っている’といった、防災活動を通じて 表4 防災に関する活動への評価と課題 とても 思う 思う どちら ともい えない 思わ ない 全く思わない ヒアリングによる具体的意見(抜粋) ※ 英字は表2の協議会 I Dに対応している。冒頭の記号は各項 目への評価「◎とても思う ○思う △どちらともいえない  ▲思わない ×まったく思わない -回答なし」を示してい る。 項目 割合割合割合割合割合数 評   価 全体的に障害者の防災対策の取 り組みが必要と感じた (57.4%)27 (8.3%)18 (4.3%)2 (0.0%)0 (0.0%)0 ・D◎障害者の災害対策をいろはカルタにして広めた ・E○防災対策は重要なテーマで必要とする事業所が多い ・F◎大規模災害が発生しており防災ニーズは高い 事業者が、災害時の課題につい て理解を深めた (10.6%)5 (53.2%)25 (29.8%)14 (4.3%)2 (2.1%)1 ・B○継続的にアンケートしており意識は上がっている・D◎防災施設見学を事業所が毎年実施している 事業者の防災対策や避難対策が 進んだ (2.1%)1 (40.4%)19 (48.9%)23 (6.4%)3 (2.1%)1 ・B○災害対応プランづくりを進め、物資も備えている・C―事業所ごとの対策にはまだ取り組んでいない 当事者が、災害や防災対策への 意識を高めた (14.9%)7 (40.4%)19 (44.7%)21 (0.0%)0 (0.0%)0 ・E○障害種別によって様々な対策が必要だと理解した・F○まちあるきで防災や避難の気づきが出てくる 当事者の災害に対する備えが進 んだ (2.1%)1 (34.0%)16 (59.6%)28 (4.3%)2 (0.0%)0 ・D○避難所見学で当事者は自助が大切なことを学んだ・E○避難所に当事者が必要な物資を備えてもらった 協議会メンバーや事業者間の連 携が進んだ (10.6%)5 (53.2%)25 (29.8%)14 (6.4%)3 (0.0%)0 ・A-行政職員が他部署へ異動後も連携を続けている・G-地域が離れた事業所同士が災害支援を話し合っている 課   題 防災に関する活動を継続するこ とが難しい (4.3%)2 (31.9%)15 (25.5%)12 (36.2%)17 (2.1%)1 ・D○災害対策は1回きりでは意味がない・B○事業所が以前の対策を疎かにする可能性がある 防災に関する活動や災害への意 識が高まらない (2.1%)1 (12.8%)6 (38.3%)18 (44.7%)21 (2.1%)1 ・D○協議会参加者以外にいかに広めていくのかが課題・B△名簿の情報提供を拒む当事者の方がいる 防災に関する活動のやり方がわ からない (4.3%)2 (12.8%)6 (55.3%)26 (27.7%)13 (0.0%)0 ・E△防災に関する対策はキリがないと感じる・C―事業所ごとの対策にはまだ取り組めていない 行政など関連機関の支援や協力 を得ることが難しい (2.1%)1 (19.1%)9 (23.4%)11 (55.3%)26 (0.0%)0 ・D△危機管理部局が協議会の活動に参加してくれない・E○市の防災に関する計画策定には関われなかった 活動に関わるコスト(資金、時 間、人)がかかる (6.4%)3 (53.2%)25 (29.8%)14 (10.6%)5 (0.0%)0 ・A-部会の活動費は不足しており委員の負担も大きい・G-防災活動は大変なので一旦区切りをつけたい 防災活動に参加する組織やメン バーが少ない (4.3%)2 (29.8%)14 (51.1%)24 (12.8%)6 (2.1%)・B○行政職員が継続的に会議に出席してくれない1 ※表中の割合の母数はN=47

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のネットワーク化の事例も報告されていた。  次に課題についてみると、最も課題と感じてい た点が「活動に関わるコスト(資金、時間、人) がかかる」で、“とても思う”、“思う”を合わせ て6割以上であった。具体的には‘部会の活動費 が不足し委員の負担が大きい’といった意見があ り、‘防災活動は大変なので一区切りつけたい’ といった意見もみられる。次いで「防災に関する 活動を継続することが難しい」ことを課題として いる協議会が、“とても思う”、“思う”を合わせ て36.3%であった。‘事業所が以前に行った対策 を疎かにする可能性がある’といったように、対 策レベルの維持を危惧する意見もみられた。また 「防災活動に参加する組織やメンバーが少ない」 との項目も“とても思う”、“思う”を合わせて3 割以上であり、複数組織での活動の難しさも課題 として挙げられていた。 ⑶ 防災に関する活動への地域の関わりと影響  防災に関する活動に関して地域との関わりのあ った31協議会について、関係する地域の組織や主 体の内容と、地域への影響や評価をみてみる。  まず、防災活動の関わった地域の組織・主体を みてみると【表5】、一番多かったのは民生委員 で20カ所(64.5%)次いで、町内会・自治会と消 防団・自主防災組織が17カ所(54.8%)であった。 民生委員は要援護者名簿作成に関わることが多い ことや、自治会や自主防災組織は、地域の防災訓 練や避難所運営を担うために、関連する活動の際 に関わりができると考えられる。また、一般の地 域住民が13カ所(41.9%)、ボランティア等も10カ 所(32.3%)で関わりがみられた。  続いて、地域の影響と各項目に対応する具体的 な意見をみてみる【表6】。活動の影響として、「地 域が障害に関する配慮や一般的な理解を深めた」 に“とても思う”、“思う”と回答した協議会はあ わせて23カ所であり、7割を超えていた。また「地 域が障害者の防災対策についての理解を深めた」 との評価も、“とても思う”、“思う”をあわせて 6割を超えていた。具体的には、‘当事者と共に 避難して障害ゆえの困難を理解してくれた’事例 表5 防災活動に関わる地域の組織・主体 数 割合 N=31 町内会・自治会 17 54.8% 消防団・自主防災組織 17 54.8% 民生委員 20 64.5% 一般地域住民 13 41.9% ボランティア・住民活動団体 10 32.3% 小中学生・児童 4 12.9% その他 4 12.9% ※注…回答は複数回答 表6 防災活動に関わる地域の影響 とても 思う 思う どちら ともい えない 思わな い 全く思わない ヒアリングによる具体的意見(抜粋) ※ 英字は表2の協議会 I Dに対応している。冒頭の記号は各項目への評価「◎ とても思う ○思う △どちらともいえない ▲思わない ×まったく思 わない -回答なし」を示している。 項目 数 割合 割合数 割合数 割合数 割合数 地域が協力的であった (6.5%)2 (51.6%)16 (32.3%)10 (6.5%)2 (3.2%)1 ・A―地域によっては障害者に対する反応が悪いところもある ・B○社会福祉協議会が地域との関係を基に協力を進めている ・C―地域と協議会が双方のイベントに参加しあっている ・E△町内会のない住民が防災に無関心の地域もある 地域が障害に関する配 慮や一般的な理解を深 めた 2 (6.5%)(67.7%)21 (22.6%)7 (3.2%)1 (0.0%)0 ・A―理解してもらうため当事者の意識も変える必要がある ・C―要援護者として障害者への配慮の仕方を教えた ・F○住民の歴史ガイドがはじめて車椅子利用者と一緒に歩いた 地域が障害者の防災対 策についての理解を深 めた 1 (3.2%)(58.1%)18 (32.3%)10 (6.5%)2 (0.0%)0 ・D○ヘルプカードは住民の間に認知度あがっている。 ・H△個別支援プランに関わる民生委員が障害者の避難支援の仕方を一緒に考えている ・B○当事者と共に避難して障害ゆえの困難を理解してくれた 地域と当事者や事業所 との関係が深まった (3.2%)1 (45.2%)14 (41.9%)13 (9.7%)3 (0.0%)0 ・A―地域とは少しずつ関係づくりを目指していきたい ・B○避難訓練を通じて住民と事業所の関係づくりができた ・B○事業所へ近所の高齢者の災害支援の依頼があった ・F○地域の防災訓練への参加を通じて、災害時に事業所のできる役割を期待されている ・H○民生委員や住民が災害時の避難支援者になっている 地域における障害者の 防災対策が実際に進ん だ 1 (3.2%)(16.1%)5 (64.5%)20 (16.1%)5 (0.0%)0 ・B○避難訓練を通し当事者の避難所生活を考えてくれている ・A―地域との連携はなかなか進まなく、時間をかける必要がある ・H○災害時の個別支援プランを民生委員や区長がもっている ※表中の割合の母数はN=31

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や、‘住民の歴史ガイドがはじめて車椅子利用者 と一緒に歩いた’事例をみると、様々な活動が地 域と当事者が接する機会づくりとなっている点が うかがえる。  また、「地域と当事者や事業所との関係が深ま った」についても、“とても思う”と“思う”と 回答した協議会はあわせて15カ所と半数近くあ る。実際に、‘避難訓練を通じて住民と事業所の 関係づくりができた’事例や、‘事業所へ近所の 高齢者の災害支援の依頼があった’とのように、 事業所が災害時に役立つと認識され始めている。 一方で、「地域における障害者の防災対策が実際 に進んだ」については、 “どちらともいえない” が20カ所と6割を超えていた。理解や関係づくり に比べて、実際の地域防災対策の進展への評価は 低いものの、‘災害時の個別支援プランを民生委 員や区長がもっている’とのように、地域に住む 当事者の対策をすすめている事例もあった。 ⑷ 防災に関する活動分類と評価・課題との関係  活動の種類による、評価や課題についての関係 をみるために、3「調査結果」⑴の各活動分類(啓 発・調査、指針作成、訓練、要援護者対策)の実 施の有無により群分けした。活動分類に該当する 項目を1つでも実施していれば、その活動分類を 「実施あり」としている。そのうえで、評価・課 題に関する5件法の回答から、群ごとに平均値を 算出し、2群の平均値の差についてt検定を施し た。4つの活動分類ごとの評価、課題項目(48項 目)の平均値の差のうち統計的な有意差(p<0.05) がみられたのは、『訓練』以外の活動分類で5項 目であった。【表7】  『啓発・調査』については評価の2項目で平均 値に統計的な有意差がみられた。“事業者が災害 時について理解を深めた”と、事業者にとっては シンポジウム等の開催が理解を向上させると評価 されている。また“協議会メンバーや事業者間の 連携が進んだ”とも評価されており、調査や研修 の参加が連携を促す契機になっていると捉えられ る。  次に『指針作成』では評価の1項目と課題の1 項目で平均値に有意差がみられた 。“当事者の災 害に対する備えが進んだ”との項目が該当してい るが、当事者向けにマニュアルやヘルプカードを つくることで、対策が進んだと実感していること が伺える。課題については、“防災に関する活動 のやり方がわからない”が挙げられ、平均値は“実 施あり”の方が低かった。指針づくりの方法を一 度取得すれば、地域内の他事業所や当事者で実施 ができ、また災害への備えも進むと評価されるこ とから、『指針作成』は防災に関して重要な活動 と位置付けられる。  最後に『要援護者対策』については、 “当事者 が災害や防災対策への意識を高めた”の項目が該 当した。これは要援護者対策が、当事者の参画の 下で実施されることに起因していると考えられ る。しかし“当事者の災害に対する備えがすすん だ”という項目には有意差がみられなかったこと から、要援護者対策は意識面では効果があるもの の、実際に対策が進んだとは評価されていないこ とが伺える。 表7 活動実施の有無により有意差のあった評価・課題項目 分類 項目 N 実施あり平均 実施なし t値 値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 啓発・調査 評価 事業者が災害時の課題について理解を深めた 37 3.95 0.62 10 3.40 0.52 2.55* 啓発・調査 評価 協議会メンバーや事業者間の連携が進んだ 37 3.92 0.60 10 3.40 0.52 2.51* 指針作成 評価 当事者の災害に対する備えが進んだ 30 3.57 0.57 17 3.18 0.39 2.51* 指針作成 課題 防災に関する活動のやりかたがわからない 30 2.70 0.65 17 3.35 0.79 -3.06** 要援護者対策 評価 当事者が災害や防災への意識を高めた 27 3.89 0.75 20 3.45 0.60 2.02* **p<0.01, *p<0.05

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4.考察

⑴ 協議会の防災に関する活動の状況  協議会の防災に関する活動は、「啓発・調査」、「指 針作成」、「訓練」、「要援護者対策」の4つに分類 でき、働きかける対象と、取り組む体制によって 整理された。各協議会の様々な運営体制や、自治 体や圏域による地域資源の差、部会等で中心的に 取り組む組織や取り上げるテーマの違いにより、 多岐に渡る活動が実施されている。そもそも防災 自体が、災害への備えやハザードの確認、避難行 動や避難所生活といった広範囲にわたる対策が不 可欠だが、同時にあらゆる切り口で取り組むこと のできるテーマといえる。つまり、どのような協 議会でも、地域の状況や取り得る体制に応じ、活 動を始められるのである。具体的には、部会メン バーである当事者が活動の中心となり地域を巻き 込んでいく協議会や、社会福祉協議会の地域福祉 課スタッフが部会長となり、そのネットワークを 活かして地域での対策を進めている協議会がみら れた。このように様々な運営形態で実施できる協 議会自体の特徴が、多岐にわたる活動により安全 安心を高める防災にとって意義あるものと位置付 けられる。 ⑵ 防災に関する活動の評価と課題  防災に関する取り組みの評価や課題をみてみる と、総じて理解については向上したとの評価が高 く、対策の進展も一定の評価を得ていた。一方、 課題として、活動のコストや継続性が挙げられて おり、現在の協議会の枠組みでは限界があるとも いえる。活動分類ごとの特徴もみられ、「啓発・ 調査」は、事業者が理解を深めて、事業者間の連 携を進める傾向がある。「指針作成」は、当事者 が災害への備えを進めるといった特徴がみられ た。これをみると、協議会が、事業者か当事者の どちらかに働きかけたいのかという意向に応じ、 採用する方法を変えることが必要となる。「要援 護者対策」も当事者の意識を高めると評価されて いた。以上のような活動ごとの特徴や課題を踏ま えたうえで、活動を選択することができれば、協 議会での活動がより充実した成果につながるだろ う。 ⑶ 防災に関する取り組みと地域  防災に関する取り組みは、地域に対して肯定的 な影響を与えると評価されていた。特に、障害者 に対する防災対策への理解に加えて、協議会の側 からは地域が一般的な障害理解を深めていると認 識していた。これは、防災の取り組みが、普段は 少ない住民と障害者が共に活動する機会となり、 住民が参加者の障害特性や生活課題を実感できて いるとの見解であり、協議会の防災に関する活動 による副次的な影響といえる。また活動の際に地 域が協力的であるとの評価が多く、事業所と地域 との関係構築に至ったとの評価もみられた。つま り、災害への備えは、地域と一緒に取り組むこと のできる活動と位置付けられる。  一方、避難時の支援や避難所生活を検討する取 り組みは、地域にとって負担を強いる面もある。 特に、地域福祉で重要な役割を担う民生委員は、 要援護者への対応も求められている。しかし高齢 者と比較し、民生委員の障害者の避難時や避難生 活の課題への理解は必ずしも十分でないとの指摘 もある。協議会は民生委員等への積極的な関わり が期待されており、要援護者対策は不可欠である 以上、地域の理解を一層深めながら、活動のなか で連携を進め、協力を得ていく必要があるといえ る。

5.おわりに

 本稿は、地域自立支援協議会の防災に関する活 動の実態を整理すると共に、同活動への評価や課 題を明らかにした。また防災に関する活動におけ る地域との関係にも着目し、活動実施による地域 への影響も把握した。以下には得られた結果につ いて述べる。  第一に、防災に関する活動は、啓発・調査、指 針作成、訓練、要援護者対策の4つの分野にわた

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り取り組まれており、それらは対象とする組織、 運営体制によって分類できた。防災部会を組織し ていると、活動の拡がりがみられ、訓練や避難所 などの活動に取り組む協議会では、地域との関係 をもとにこれらの活動を展開していることがみて とれた。  第二に、防災に関する活動は、当事者、事業所 とも防災への理解を向上させると評価されてお り、一部の協議会では対策も進展していると受け 止められている。一方で、防災の活動の負担や継 続性が課題として挙げられた。活動の分野ごとで、 理解や対策の進み方の評価にも差がみられた。  第三に、防災活動に関わる地域との関係をみる と、自治会からボランティアまで、多岐にわたる 組織や主体が参加しており、評価からは、地域に よる防災への理解に加えて、障害理解や関係構築 といった防災を超えた部分での影響がみてとれ た。  今後の課題としては、行政や地域を含めた防災 に関連する部会の関係者への調査を行い、協議会 の活動がもたらす影響を多角的に明らかにするこ とが求められる。地域との関係を構築しつつ、地 域で暮らす障害者の安全安心を確保する取り組み には時間がかかるだろう。引き続き、地域の組織 や主体に焦点を当て、障害者の防災対策の進展に 寄与する調査研究が求められる。 謝辞   本 研 究 は 科 学 研 究 費 補 助 金( 課 題 番 号 18K02074代表:古山周太郎)による研究成果の 一部である。また調査に協力頂いた関係組織に対 してここに感謝の意を表す。 注 1)協議会における活動や部会の設置状況、役割について 調査した資料として、東京都心身障害者福祉センター (2019)が挙げられる。同資料では、57か所の市区町 村協議会で13種の協議事項と、11種の役割、13種の地 域課題、21種の部会についての有無を聞いている。結 果をみると市区町村ごとに様々な協議事項や部会構成 により活動している状況がみてとれる。 2)日本障害リハビリテーション協会がまとめたマニュア ルには、災害への対応について特段の記述はないが、 協議会の機能のなかに、地域共通の課題への着目や福 祉分野にとどまらないネットワーク構築の志向に触れ ており、個別の相談支援の調整を越えた活動が求めら れていることも確かである。 3)前出の、東京都心身障害者福祉センター(2019)によ ると、防災を地域課題と回答した協議会は26か所、防 災に関する部会を設置しているのは7つの協議会であ った。また八幡(2010)では、協議会による福祉避難 所の調査や要援護者避難所計画モデル策定の取り組み が紹介されている。 4)日本弁護士連合会編(2012)では、東日本大震災の検 証により、今後の対応として福祉避難所の整備や、情 報伝達手段の確保、一般避難所における高齢者や障が い者への配慮、個別避難支援計画の策定等が挙げられ ている。 5)内閣府防災担当(2016)によると、日常生活において “災害への備えを重要”としたのは回答者の88.7%であ った。また、地域の防災活動へは、近所の人、自治会・ 町内会などへの期待が依然として高いとされている。 6)徳田ら(2005)は接触体験を計画された接触か計画さ れない接触に分けて、それぞれ肯定的な体験と否定的 な体験をしたかについて論じている。災害に対する活 動は、著者の事前の障害教育とアフターフォローがな い点で“計画された”までは至っていないが、否定的 な体験となる可能性は少なく、障害理解は進むと考え られる。 7)WEB検索は、検索サイトGoogleを用い、検索ワード“自 立支援協議会”と“防災”、“災害”、“避難”を組み合 わせて検索を行った(検索日 2019年6月30日)。 8)質問項目の作成にあたっては、WEB上で公開されて いる自立支援協議会の防災部会の活動報告を参照した うえで、事前の自立支援協議会へのヒアリングの結果 を加味して作成した。 9)アンケートで回答のあった活動数は全219であり、そ の他として回答のあった活動も、設定した12項目のい ずれかに該当していた。また複数の活動を連続して実 施している場合(例:地域と当事者とが一緒に災害時

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において課題を話し合い、その後安否確認の訓練を一 緒に実施)は、該当する項目にそれぞれカウントして いる。 10)4つの活動分類については、川上(2013)の“災害前 段階”で実施する活動について述べた部分を参考にし た。同文献では“啓発・学習・訓練”、“要援護者情報 の把握・共有”、“連携のよびかけ”に分かれているが、 本研究では“啓発・学習・訓練”から“訓練”を分離 した。かつ“学習”と “啓発”に含むこととし“調査” を加えて“啓発・調査”とし、新たに“指針作成”を 加えている。 引用・参考文献 笠原千絵(2010)「地域自立支援協議会とローカルガバナ ンス -全国調査からみ協議会の機能分析の結果から ―」『日本の地域福祉』23、142-153 川上富雄(2013)「1章6 災害ソーシャルワークの構造」 中央法規『災害ソーシャルワーク入門 ―被災地の実践 知から学ぶ―』上野谷加代子監修、30-33 内閣府防災担当(2016)「日常生活における防災に関する 意 識 や 活 動 に つ い て の 調 査 」(http:// www.bousai. go.jp/kohou/oshirase/pdf/20160531_02kisya.pdf. 2019.8.18) 日本弁護士連合会編(2012)「災害時における高齢者・障 がい者支援に関する課題」あけび書房 日本障害者リハビリテーション協会(2008)「自立支援協 議会の運営マニュアル」 立木茂雄(2013)「1章1 災害とは何か ―災害リスク とソーシャルワーク」中央法規『災害ソーシャルワーク 入門 ―被災地の実践知から学ぶ―』上野谷加代子監修、 2-13 徳田克己、水野智美編著(2005)「障害理解 : 心のバリア フリーの理論と実践」誠信書房 東京都心身障害者福祉センター(2019)「平成30年度版  東 京 都 内 の 自 立 支 援 協 議 会 の 動 向 」(http://www. f u k u s h i h o k e n . m e t r o . t o k y o . j p / s h i n s h o / jiritsushienkyougikai/dai5ki/30doukousyu/index.html. 2019.8.18) 八幡隆司(2010)「大阪・城東区地域自立支援協議会の防 災の取り組み」日本障害者リハビリテーション協会『ノ ーマライゼーション』30⑾、16-18

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Study on Disaster Prevention Activities Organized by Community

Independent Living Support Councils

Shutaro Koyama, Daisuke Soma

Summary

In recent years, large-scale disasters have occurred frequently in various parts of Japan necessitating disaster prevention and mitigation for people with disabilities, and gathering increased interest. Community independent living support councils are established to assist the lives of people with disabilities in the community, while some councils are tasked with the duty of preventing disasters.

The objective of this study is to reveal the current situation and challenges faced with respect to disaster prevention for people with disabilities. The methodologies adopted in conducting this research include the use of questionnaires and interview surveys, with the respondents sampled from council members that have undertaken related responsibilities. 97 councils that are charged with implementing disaster prevention were sampled from prior email surveys and responses were collected from 47.

Results show the following. Firstly, the activities related to disaster prevention were classified into four categories, namely, educational initiatives and surveys, guidelines/manuals for disaster prevention, training and evacuation drills, and provision of measures for people requiring assistance during disasters. Secondly, these activities could be categorized according to management structure and according to different stakeholder groups targeted by these programs. Raising awareness about disaster prevention and influencing behavior were identifiable positive outcomes. However, ensuring the availability of resources for the continued sustenance of these activities was an obstacle. Lastly, it was discovered that more than half of the councils have established relationships with commissioned welfare volunteers and community associations through disaster prevention projects. These activities resulted in a favorable impact for the community regarding influences such as an improved understanding towards disability.

Keywords : community independent living support council, disability welfare, disaster preparedness, community

参照

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(出典)

2. 「早期」、「予防」の視点に立った自立支援の強化

2)摂津市障害者地域自立支援協議会代表者会議 年 3回 3)各支援学校主催会議や進路支援等 年 6回

 支援活動を行った学生に対し何らかの支援を行ったか(問 2-2)を尋ねた(図 8 参照)ところ, 「ボランティア保険への加入」が 42.3 % と最も多く,

(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)

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都立赤羽商業高等学校 避難所施設利用に関する協定 都立王子特別支援学校 避難所施設利用に関する協定 都立桐ケ丘高等学校

原子力損害賠償・廃炉等支援機構 廃炉等技術委員会 委員 飯倉 隆彦 株式会社東芝 電力システム社 理事. 魚住 弘人 株式会社日立製作所電力システム社原子力担当CEO