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言語文化研究所年報 13号

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(1)

ISSN 0915-7654

言語文化研究所年報

13

θI

(2)

武 庫 川 女 子 大 学

言 語 文 化 研 究 所 年 報

13号

言語文化研究所の活動 の概要

新聞投書欄の片仮名表記

―1999年の新聞3紙を資本│と して―

洋服 を表す外来語 の一特徴

キ ー ワー ド キー ワー ド キー ワー ド キー ワー ド

佐竹

秀雄

5

岸本

千秋

19

昌妊

47

市川

真文

63

□韓男 女のあ いづ ちの対照研 究

テープ・レコーダーを利用する国語学習指導

―メデ ィアか らみた国語教育史

2-あいづ ちの頻度 男女の差 感情の表出 共話 実践研究

4領

域 利用場面 学習指導機能

(3)

武庫川女子大学 言語文化研究所年報 第13号 (2()(1'

言語文化研究所活動 の概要

1.2001年

度の調査研究

(1)マ

スコ ミ報道の表現 と表記 に関する調査研究 この研究の目的は、マスコミ報道で使われていることばを調査すること によつて、日本語における問題点を探 ることにある。マスコ ミで使われる ことばは、一面では一般の 日本語の姿 を映す と同時に、 また、一般 に対す る影響力 も大 きい。マスコミにおける言語使用の実態 を調査研究すること によって、日本語の現状 を考 える基礎デー タを得 ようとする ものである。 今年度は、ファッシ ョンに関する雑誌 を調査 した。洋服 を説明 している センテ ンスをデー タとし語彙調査 を行ぃ、ファッションを表現する場合に はどの ようなことばが使われているかを分析 をした。その結果については、 LCりぼ―と13号で「2001年 オンナのフアツシ ョン春 を彩 るキーワー ド」 とぃ うタイ トルで報告 した。

2.m01年

度の刊行物等

(1)言

語文化研究所年報 第12号 前年度 (20∞年度

)に

おける研究成果の報告 として、以下の論文を掲載 して刊行 した。 岸本千秋:イ ンターネッ トの 日記サ イ トにおける表記の特徴 西崎 亨 :表 現 としての言文一致体 ―速記演説文の文体規範 と表現 ― 市川真文:メ デ イア利用の原型 ―メデ イアか ら見た国語教育 史

1-姜 昌妊 :韓 国の流行歌の語彙

-19“

・99年の流行歌 を資料 として一 徳原茂実 :古 今集仮名序の「ことわざ」について

(4)

-1-(2)研

究 レポー ト(LCりぼ―と

)13号

・14号 2∞ 1年度 において、女性 フアッション雑誌のデー タをもとにしての語彙 調査の結果 と、「 ことば と笑い」 というテーマの もとに行 ったアンケー ト 調査の結果 を報告 した。各号の タイ トルと内容は次の通 り。 第13号 :2001年 オンナのファッション春を彩るキーワー ド フアッションを表現する場合、どのようなことばが使われているの かについて調査 した結果の報告。女性 フアッション雑誌

2誌

(『∬」 Fミ セス」

)の

洋服 を説明 しているセ ンテ ンスを調査材料 として、そ こ出現 した語彙の調査 を行った。報告の視点は次の

2つ

。1つは洋服 を評価・形容 している語についてであ り、もう1つは色彩語について である。 JJの評価語では、◎、 ×、

ど、記号 を組み合わせ なが ら視覚 に訴えて一 日で分かるような表現 を用いていること、色彩語ではキ レ イ色 とい う抽象的な語が用いられていることが特徴であつた。 ミセス では、

L品

さや優雅 さ、 また高級感 を表す評価語が 目立ち、用いられ ている語によって、講読年齢層の違い もうかがえた。

2誌

双方 に共通 する評価語 としては、シンプル、カジュアル、女 らしいなどがあ り、 色彩語では、自、黒、赤などがあげられた。 また、フアッシ ョンという性格上、外来語が多 く出現するという結 果 も指摘 した。 その より詳 しい報告が、本報告書の岸本千秋「洋服 を表す外来語の 一特徴」である。 第14号 :ことばにまつわる実い話 言い間違いや聞き間違い、あるいはことわざ・慣用句の意味の取 り 違 えな ど、 日常生活の中で、ことばにかかわる笑い話の体験談 を、

LC倶

楽部会員か ら募集 し、その内容 をまとめた報告である。 会員か ら寄せ られた体験談を次の

7項

目に分類 し、具体例 をあげた。 聞 き慣れないことばや特殊 なことば、ことわざ・慣用句、 こどものこ とば、外国語・外国人、音が似ていることば、音の転倒、敬語。これ

(5)

日韓男女のあいづ ちの対照研究 らの他には、方言や若者 ことばの意味が分か らないことが解釈の くい ちがいになるなどの笑い話が寄せ られた。

3.言

語文化セ ミナーの開催 2001年年11月28日 (水

)午

2時

40分か ら、本学

Ll館

の教室において、 「落語の表現 とユーモア」 と題 して、言語文化セ ミナーを開催 した。 講師には、早稲田大学教授 の野村雅昭先生 を招いた。 講演は、落語の ビデオを使い、その表現分析 を通 して、おか しさの仕組み を明 らかにしようとい うユニークなもの。分析の対象は古今亭志ん朝が演 じ る「火焔太鼓」。志ん朝の話術 に潜むユーモアを、話体の レ トリックとして 分析 され、さらに、志ん朝 とその父、志ん生 との違い といった話 も織 り交ぜ て話 された。 参加者か らは、「落語の表現 を分析するお もしろさを知った」「ことばの も つ力 について考えさせ られた」 などの感想が寄せ られた。 参加者は、学外から50名近 く、本学教職員 ‐学生が約10名であった。

4.科

学研究費補助金による研究 2001年度「 日常語化 した専門語 (新語

)の

語彙的構造の研究」(基盤研究 〔c〕

)と

い うテーマで、科学研究費補助金を得た (03年度 までの予定)。 この研究は、新聞の投書欄の語彙 を対象 として、一般の現代入が 日常生活 で必要 としている語彙 に、どの ような専門語が流入 しどのような語彙変化が 見られるかを分析することを目的 とするものである。 近年、さまざまな分野の専 門語が 日常生活に入 りこむ「専門語の日常語化」 現象が見 られる。そこで、まず、多 くの話題が取 り上げられる新聞の投書欄 の語彙調査 を行い、高頻度語 を中心 にキーワー ドとなる語彙 を求める。次 に、 それ らの語彙について、専門語 (新語

)を

選 り分け、それらの語彙的な性格 や構造 (語種、語構造、意味領域

)の

分析 を行 う。 2∞ 1年度は、 まず、語彙表を作成することをめ ざして、投書欄のデー タ人 力 と修正 を行った。

(6)

-3-なお、研究 メ ンバーは次の とお り。 研 究代表者 :佐竹 秀雄 研 究協力者:岸本

F秋

5.事

務報告

(1)組

織 所 長 :佐竹 研究 員 :西崎 研 究員 :市川 研 究 員:加賀 研 究員 :平岡 助 手:岸本 (文学部 日本語 日本文学科教授) (文学部 日本語 日本 文学科教授) (文学部 日本語 日本文学科教授) (文学部 日本語 日本 文学科助教授) (文学 部英語英文学科教授) (言語文化研究所非常勤助手) 秀 雄 「7‐ 真文 元予 照明 千秋

(2)そ

の他 1998年 9月 に本学で行われた ことわ ざ研究会 によることわ ざフオーラム の連誉 に本研究所 は協 力 した。それ以降、不定期ではあるが、関西 ことわ ざ研究会 を研究所で開いている.

(7)

武庫川女子大学言語文化研究所年報 第13サ (2∞1)

新 聞投書欄の片仮名表記

-1999年

の新聞

3紙

を資料 として一

1.問

題のありか 近年、日本語の中で外来語が加速度的な勢いで増加 している。そのために、 一般の人々、特 に高齢者 にとっては分か りにくい外来語が増 えて、対処 しき れない とい う問題が生 じているとの指摘がなされている。 ところで、外来語 は、原則 として片仮名で書かれる。 もし外来語が急激に増加 しているとすれ ば、書 きことばにおいては、片仮名の比率が増加 しているはずである。実際 にそうなのであろうか。 一方、片仮名は外来語 を表記する以外に、例 えば、その語を文字列の中で 日立たせ るために使われる働 きなどももっている。具体例 を挙げるならば、 「ゴ ミ」や「ガン」 といつた表記である。 このような外来語以外の語 を表記 するときの片仮名の働 きは、実際 には どの ようになっているのであろうか。 こうしたことが らについて、実情 を知 りたい。つ まり、 ・一般の人々の文章 において、片仮名の比率は増 えているのか。 ・実際に片仮名表記される語 とはどのような種類の語なのか。 ・一般の人々が片仮名表記 している外来語 とは、具体的にどのような語で あるのか。 について、その実態 を明 らかに したい と考えた。

2.調

査対象 と調査方法 そこで、 一般の人々が書 く文章 を調査することとし、その代表 として、新 聞における投書欄の文章 を調査対象に選んだ。朝 日新聞には「声」、毎 日新 聞には「みんなの広場」、読売新聞には「気流」 と、それぞれ読者の投書 を 掲載する投書欄が設けられている。 この

3紙

の投書欄 を対象に して、1999年

(8)

-5-の1年、毎 日

5文

ずつ を無作為抽出 し、そこに含 まれる片仮名表記語を調べ ることに した。ただ し、発行は各紙 とも大阪本社のものである。 デー タのサ ンプリングは次のように行った。 まずパ ソコンで乱数 を発生させ、二つの数字から成る一対の数値を求める。 その二つの数を、それぞれ紙面 におけるタテ位置 とヨコ位置に割 り当てる。 タテ位置は紙面の段の数を、ヨコ位置は段におけるたからの距離を意味する。 タテ位置である段 については、新聞の各面の基本段数が15なので、その紙面 で該当す る15以 下の数に限定 した。 ヨコ位置は、新聞の横幅が約380回ある ので、380以下の数を求めた。次 に、その■つの値によって決められた 一点 を含む、 もしくは最 も近い行を選ぶ。そ して、選んだ行の先頭にある文字を 含む文 を対象の文 とする。 この操作 を、新聞朝刊が発行 された各日に対 して、

5セ

ッ トずつ行 うことによって

5文

を抽出 したのである。 その結果 として、抽出 した文の数は、各月1回の休刊│」を除 く353日、1 日当た り

3紙

の計15文で、総数5,295文であった。

3.結

果 3.1.片仮名の比率 まず、片仮名の使われ方 について、文字の レベルで調べてみよう。すべて の文字のうち、片仮名はどれ ぐらいの比率を占めるのであろうか。 調査対象の5,295文に使われた文字の数は225,767字あった。それを文字種 ごとに比率 を調べた結果が、次の表である。 表

1

字種 別 の度数 とその比率 漢 字

平仮名

片仮名

数 字

英 字

言己 号 計 度 比 「「 .7:ヽ 134. 1 119.202 52.8 9,700 4.3 319 0.1 18.009 225,767 8.0 片仮名の比率は

4.3%で

、この値は文章 における数値 としては決 して高 く ない。文献1では、1979年7∼8月 に発行 された種々の雑誌について、文章

(9)

の ジ ャ ンルご とに字種 の調査 を行 った。その調査での ジ ャンル とその片仮 名 比率は次の表

2の

よ うであつた。表

2で

は、片仮名比率 のほかに、参考 のた め に、漢字 と平仮名の比率 も示 している。 表

2

各種 文章 にお ける片仮 名の比率 (単位は%) ジャンフレ

片仮名

漢 字

平仮名 小

説 評 論 ・ 論 文 実 用 ・ 解 説 ル ポ ・ 報 告 イノタビユ・座議会 随筆・エ ツセー 読 者 投 積 4.44 6.13 13.75 7.34 4.69 5.63 5.03 24.78 31.99 23.39 31.41 22.89 26.05 26.24 60.72 53.80 53.91 51.27 62.10 59.59 60.27 全 タト 6.95 26.52 57.29 新聞 と雑誌 とではその性格が異なるし、調査方法 も違 うので、単純 に比較 することはで きないが、雑誌調査では片仮名比率は最 も低い小説で も

4.44%

あるし、文章の性格が同 じような読者投稿では5.03%あ る。今回の新聞の投 書欄の

4.3%と

い う数値 と比べれば、片仮名の比率 に関 しては、新聞の投書 欄のほうが雑誌 よりも低いと言えよう。 他方、漢字の比率は今回の投書欄の値

34.4%は

雑誌の どの文章 よりも高い し、それに対 して、平仮名の比率52.8%は低いほうである。これ らのデータ か ら、新間の投書欄の文章は、雑誌の各種文章 と比べて、漢字が多い、比較 的旧来の文章ス タイルに近い もの と考 えられる。 したがって、外来語に関 しては、近年外来語が流入 しているからといって も、一般の人々の文章では、それほど片仮名が増えているわけではなさそ う である。外来語は、一般の世界 よりも限定 された専門家の世界で、広がって いることが推測 される。

(10)

-7-3.2_片仮名表記語の語種 次 に、片仮名表記 された もの を語 を単位 と して集計 した結果 を見てみる。 片仮 名で表記 された語 は、異 な りで1,209語 、延べで2,416語 であ った。な お 、語の単位 は国立国語研究所の新聞調査で採用 された短単位 に相 `1する も のである。 語種 別 にカウ ン トした結果、それぞれの語数は次の ようになった。 カ ッコ 内の数値 はパ ーセ ン トである。 表

3

片仮名表記語の語種別の度数 異 な り 延 ベ 外来語 漢 語 和 「I 混種語 883(73_2) 33( 2.7) 248(20.5) 43( 3.6) I.207 これを見 ると、外来語は、異な りで

75%近

くを占め、延べでは

80%を

越え ている。片仮名表記語は圧倒的に外来語が多いことが確認できる。 しか し、 一方で、和語 も異な りでは

20%を

越 えていて、決 して少な くない数 を占めて いることも認められる。 さらに、和語の異な りの比率が延べの比率を上回っていることは、特定の 和語だけが片仮名で表記 され、それが何度 も使われるのではな く、和語のさ まざまな語 に片仮名が使われているという傾向 を示 している。これらの結果 か ら、片仮名イコール外来語 とは言 えない状況にあると考えられる。少なく とも、片仮名 と外来語 とを短締的に結びつける考え方は改めるべ きであろう。 例 えば外来語 に対 して、「 カタカナ語」 というような語 を安易に使 うことは 慎 むべ きではあるまいか。 3.3.外来語以外の片仮名表記語 それでは、外来語以外の片仮名表記された語 には具体的にどのようなもの

(11)

があるのだろうか。その実態 を調べてみることにする。外来語以外の片仮名 表記語は異 な りで325語 あったが、次の表

4に

は、その うちの度数

2以

11の ものを掲げた。度数

2以

上の語は77語である。 表

4

外来語以外の片仮名表記語 (度数

2以

上) 燿位

語■

注記 度 数 ぇ華.′―ミ.´ 順位

語通

注記 度 数 比率バーミル 6

9-51 51 64 64 82 82 82 82 82 82 82 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 213 K W W W W W W W K W W K W W W W W W K M W W W K W W W W W W M W 力 月 ゴ ミ ヒナ メ ダ カ イラ イ ラ トキ カ キ カ プ トム シ カ戸: キ ノ コ ク リ ミカ ン モ ノ カ タカ ナ カ メ ガ ヤ ガ ヤ カ ラ ス キ レる ケ ガ ジ ャ ガ イモ セ ミ チ ラ1, ドキ ドキ ニ ン ジ ン パ チ ンコ ヒ ト ボ ケ ボ ロボ ロ メジ ロ ワ イワ イ 省 エ ネ アユ 動植物 動植物 オ ノマ トベ 動植物 動植物 動植物 助数詞 動植物 動植物 動植物 動植物 ォノマ トペ 動植物 動植物 動植物 オ ノマ トペ オノマ トペ 動植物 イキ

1, W

ウサ ギ

W

ウ ツ

ヽV エ ラ イ

W

エ ン ドウ

K

オ イ

ヽV ォバ さん

W

オモチ ヤ

W

カエ ル

W

ヵ ソコ イイ

M

カナ プ ン

M

カニ

W

カモ

W

キ ツ不

W

ギ ュ ッ

W

キラキ ラ

ヽV クワ

W

サ ギ

W

サ ダコ

W

ンジユウカラ ヽ4 ス イス イ

ヽヽ7 スズム シ

W

スズ メ

W

ダイエー

W

タスキ

W

ダメ

ヽ1 チ ッチ

ヽV トンボ

W

ネギ

W

ハ シ

W

ハ ァ

ヽV ′ヽ′チ=ウトンド

W

動植物 動植物 動植物 動植物 オ ノマ トベ オノマ トベ (鍬) 動植物 人名 動植物 オノマ トペ 動植物 動植物 企業名 動植物 オノマ トベ 動植物 動植物 (箸) 副詞 動植物 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 213 動物 の名 動植物 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.3) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.3) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 2(0.8) 動植物 (呆け) オ ノマ トベ 動植物 オ ノマ トベ

(12)

-9-僣位

語こ

注記 度 数 .比率バーミル. 攘位

語橿

′I記 度 数 比率バーミル. 213 213 213 213 213 213 主 人公の名 動植物 (糞) オ ノマ トベ (麻痺) オ ノマ トベ 動 植物 表

4で

最 も多かったのは「力月」で、「1カ 月」のように動数詞として使 われたもので、22例 (ヶ月

:4例

、力月

:1例

を含む

)と

他を圧倒 している。 この「力」 `ま 「箇」が片仮名書 きされたもので、「力所」

(4例

)の

場合も同 様の表記法である。これらは片仮名を使わずに、「○箇月」や「○か月」な どと表記 してもいいはずのものである。 しかし、片仮名を使った混ぜ書き表 記が一般的になっている。

2番

めに多いのは「 ゴミ」で、これも片仮名で書かなくてもよいものであ る。漢字で書 くとすれば「芥」などと書 くことになるが、この漢字は常用漢 字表の表外字のため新聞では使われないし、一般的にも漢字表記は行われな い。 しかし、平仮名で書 くことにすると、「ごみ」が全体の文字列の中に埋 没する恐れが生 じる。そこで、文字列の中で日立つようにと強調する意味で 片仮名が使われ、現在ではその表記法がかなリー般化 している。

3位

以下では、一定の範囲の語に集中 している傾向が見てとれる。「 ヒナ (雛)」「メダカ」「 トキ (鴇鶴)」「ヵキ (柿)」「カプ トムシ」 といった動植 物に関する語や、「イライラ」「ガヤガヤ」「チラリ」「 ドキ ドキ」などのオノ マ トベが日につ く。これらの表記は、片仮名の一般的な表記法にのっとった ものと言える。 以上のほか、度数4と

3の

もの につ いて、以下で検討 してみ よう。 「モノ」は、「議員バ ッジがモノを言う」「モノがあふれる」などと使われ ていた。この使い方は「ゴミ」の場合と同様、強調の意味で使われていると 考えられる。 「カタカナ」は、片仮名で書 く理論的根拠はないが、視覚的なイメージと ハ ト ヽV バ ンザ イ w ピヵ チ ュ ゥ W ビ ワ W フ ン w ポ イ捨 て W ボ 1'袋 ボ ンボ ン マ ヒ マ ン ガ モ ヤ モ ヤ ワ ラ M W K K W W

(13)

新聞投書欄の片仮名表記 して片仮名が使われるようである。 「キレる」は、普通の「切る」とは違った俗語、流行語であることを示す ために片仮名表記されていると考ぇてょさそうである。 「ケガ」の場合、漢字表記「怪我」は当て字であ り、「怪」を「け」 と読 ませるのは常用漢字の表外音でもある。そこで、新聞の表記としては漢字表 記は望ましくないので、仮名書きになる。ただし、平仮名の「けが」は文字 列に埋没 しやすいので、片仮名にされやすい。やはり「ゴミ」と同じ表記法 と言える。 「バチンコ」は語源的にもオノマ トペと考えられ、元来、片仮名表記が一 般的である。 「ポヶ」は、「時差ポケ」の意味 と、いわゆる高齢者の痴呆症に近い状態 を指す意味とで使われていた。これも平仮名で書 くと、日立たなくて読みに くいために片仮名にされると考えられる。 「省工不」では、片仮名部分「エネ」は外来語エネルギーの省略形部分で あ り、これは外来語を片仮名表記 していることになる。 以上、外来語以外で片仮名表記されるものについては、次のようにまとめ られる。 ・動植物に関する語やオノマ トベなどが片仮名表記され、その結果、和語 を中心に多種類の語が片仮名表記される。 ・「 ゴミ」「モノ」「ヶガ」「ポケ」など、漢字で書きにくい事情にある語が、 平仮名で書いて文字列の中に埋没するのを避けるために片仮名書きされる。 ・「力月」「カタカナ」など、習慣的に一般化 した片仮名表記がある場合は、 それに従って片仮名表記がなされる。 ・「キレる」など、特殊な意味を表示する際に片仮名表記がなされる。 3.4.片仮名表配の外来語 片仮名表記の中心 をなす外来語の場合については、 どのような語が使われ ているか とい う視点でながめてみることにする。 実際に使われた語は、本論の最後に「資料 度数順語彙表」 として示 して

(14)

-11-い る。ただ し、度数

3以

上 の語 に限 つた。それ を見る と、固有名詞 、特 に、 国名や地域 名 を表す ものが数多 く見 られる。具体的 には ア メ リカ(29)・ アジア(14ト ユ ーゴス ラビア(12)・ ドイッ(9) フランス(9)・ イギ リス (7)・ イン ド(7)・ コツボ(6)・ ユーゴ(6) ローマ (6)・ ロシア(6)・ イン ドネシア(5)・ クリン トン(5) な どで ある。なお、単語の後の カ ッコ内の数字 は度数である (以下 、同様 の 形式 で示す)。 上位の語 に着

Hす

る と、メデ ィアが関係す る語が多い ことも指摘 で きる。 例 えば、 テ レビ(73)・ ニ ユース(24)・ マ スコ ミ(11)・ ラジオ `8) な どである。 これ らは、新聞の投書 とい うものが 、 メデ ィアか らの情報 に対 す る反応 とい う性 格 を もってい るこ とを示 して いる と考え られ る。特 に、 「テレビ」の出現度数の多さを考えると、テレビに対する反応がかなり強い と推測 される。テ レビがそれだけ一般の人々に大 きな影響を与ぇていること を意味 しているとも言えよう。 また、

L位

の語では、社会的な問題 とかかわ りの深い語が多いことも指摘 で きる。例えば、 ガイ ドライン(26ト ボランテ ィア(23)・ リス トラ(17) ダイオキンン(11)‐ リサ イクル(11)、エネルギー(10)・ トン不ル(10) サマー タイム(10)・ ミサ イル(9) などである。 少 し注釈 を加えておこう。「 ガイ ドライン」は、26例の うち25例までが 当 時議論 されていた「 日米防衛協 力のための指針」の意味で使われていたもの で、 半数近 くは「 日米防衛協力のための指針 (ガイ ドライン)」 とカ ッコに 入れる形式で使われていた。残 りの1例は、陸 棄物処理 に関するガイ ドラ インを策定する必要がある」 という使い方で、一般語 としての「 ガイドライ ン」の意味で使われていた。 「 ダイオキシン」 は、`11時ゴ ミの焼却に伴ってダイオキンンが発生するこ とが問題 とな り、投書で も多 く取 り上げ られた。

(15)

「エネルギー」は、10例中

8例

が資源問題 として扱われていて、精力、活 力の意味で使われたものは

2例

であつた。資源 としてのエネルギー問題が社 会的に関心 を呼ぶ問題になって きたためであろう。 「 トンネル」 は山陽新幹線で トンネル内でコンクリー トが剥落する事故が 続ぃたことがあ り、その話題が投書で扱われた ときに使われた。 「サマー タイム」 は、エ ネルギー問題 に籍んで夏時間 (サマー タイム

)の

復活が検討 されることが話題 になったため、投書で取 りLげられた。 「 ミサ イル」は「ガイ ドライン」問題 と関連 して登場 した語である。 この うち、「リス トラ」「 ダイオキシン」 などは、それ まであまり使われて いなかった語である。その証拠 に1990年ごろに刊行 されている国語辞書 には 採録 されていない。そ うした新語が、社会的な問題とともに一般の人の文章 に登場 している点は注 目に値する。 そのほかに多い もの を、敢 えて分類 して挙げると、次の ようになろう。 ① メー トル(11)。 キロ

(9)

② プロ(13)・ スポーツ(12)・ ファン(11) ③ スーパー(13)・ バス(13)・ タクシー(12)・ カー ド(12)・ パソコン(10) ④サービス(13)・ チエツク(10)・ ス トレス(9) ①は助数詞として使われたもので、②はスポ

を中心とする語である。 ③はモノを表す語で、④はコトガラを表す語である。 ①は国名や地名と同じく言い換えようのないものであ り、これらが多いこ とは当然のことであろう。 ②のようにスポーツ関連の ものが取 り立てられたということは、

の 人々が共通 して関心をもち、かつ、外来語に縁のある世界がスポーッなのだ とぃうことを示唆 しているのではないか。もちろん、フアツションなどもス ポーッ以上に外来語が多い世界と思われる。 しか し、フアツションは老若男 女を問わずとは言えないために、投書欄にフアツション関連の語が多くは登 場 しなかったのだろう。その点で、スポーッはより多 くの人々に関心を呼ぶ ものと考えられる。 ③は日常生活に関係の深い語であるが、そこに、カー ドやパソコンが含ま

(16)

-13-れ ていることは、ゃは り時代 を反映 している と言えよう。なお、「スーパー」 は使用例13例 のすべ てが、スーパーマーケ ッ トの意味であった。 ④で、「チエツク」 という語は、特に何かの事件に対 してというのではな く、金融機関のチェックから、空港の手荷物検査のチェック、あるいは健康 チエックなど、一般化 した使い方がなされていた。また、「ス トレス」が多 く使われていたといぅのは、先の「パソコン」と同じく時代を反映するもの と考えられる。

4.お

わ りに 片仮名表記 されている外来語に、特別に変わった語を見出すことはなかっ た。国名、地名、助数詞などのほか、当然のことながら日常生活にかかわ り の深い語が見 られた。 しか し、その一方で、「 リス トラ」「 ダイオキシン」 と いった語に代表 されるように、社会的な問題にかかわ りのある語が、一般の 人々の文章 にも当然使われていた。 本論の冒頭 にも記 したように、未熟な外来語を使用することが問題 になっ ているが、一般の人々の文章には、そのような外来語は多 くは登場 しないの である。登場するとすれば、それは社会的な問題が生 じて、それにかかわ り のある語 として登場するにす ぎない。その場合、人々はその外来語の意味を 十分に学習 して使 っていて、そこでは外来語使用上の問題は生 じない。外来 語使用上の弊害は、 もっば ら行政側やメデ ィアが中途半端な使い方をするた めに生 じると思われる。少な くとも、新間の投書 レベルの文章では、未熟な 外来語使用の問題は起 こらないであろう。 文献

1

佐竹秀雄「各種文章の字種比率」(国立国語研究所報告

71r研

究報告集 (3)」、1982年)

2

石綿敏雄編 F基本外来語辞典」(東京堂出版、1990年)

3

三省堂編惨所編『官公庁のカタカナ語辞典

2版

」(三省堂、1998年)

(17)

資 料 度 数 順語 彙 表 順位

語種 度数 バーミル 順位

語種 度 数 パーミル

1

テ レビ

2

ア メリカ

3

ガイドライン

4

ニ ユース

5

ボランテ イア

6

カ月

7 1'ス

トラ

8

ア ジア

9

コ・ミ

9

サ ー ビス

9

スーバー

9

′`ス

9

プ ロ

14

カー ド

14

スポー ツ

14

タクシー 14 ユーゴスラビア 18 ダイオキンン

18

フ ア ン

18

マ スコ ミ 18 メー トル 18 1'サイ クル

23

エ ネルギー 23 サマータイム

23

チ エ ツタ

23

トンネル

23

パ ソコン

28

キ ロ

28

ス トレス

28

ドイツ

28

フラ ンス 28 ミサ イル 33 インフルエンザ

33

オリンピック

33

クラス

33

グルー プ

33

テ ス ト

33

マ ナー

33

マ マ

33

メー カー

33

ラジ オ

42

イギ リス

42

イ メー ジ

42

イ ン ド

42

ゲー ム

42

コンク:'―

42

トイ レ

42

ビデ オ

42

ホ ー ム

42

メロデ イー

51

コ ツボ

51

ン ヨ ノク

51

ス ター ト

51

チ ー ム

51

ドナ ー

51

ヒナ

51

プ レゼ ン ト 51 ´、ル パ ー 51 メ ダカ

51

ユ ー ゴ 51 ,レ ー,レ

51

ロ ーマ

51

ロ シア

64

ア パ ー ト

64

ア ルバ イ ト

64

イ ラ イラ 64 インドネシア 64 コ■― ル

64

ク リ ン トン 64 コンピューター

64

シス テ ム

64

ス ピー ド “ テ ン ト 64 トキ

64

ドラマ 64 ネットワーク お ” 郷 2 23 22 17 14 13 13 13 13 13 12 12 12 12 1︲ 1︲ n H ■ 10 10 10 10 Ю 9 9 9 9 9 8 8 8 8 8 8 G C C C C K G G W G G G G G G G C C C G C C C C C C C C C C C C C G C C C G 30.2 12.0 10.8 9.9 9.5 9.1 7.0 5_8 5_4 5.4 5.4 5.4 5.4 5.0 5.0 5.0 5.0 4.6 4.6 4.6 4.6 G G G G G C G G G G C G G C C C C W G G ヽ G G G G G C W G G G C C C C W G G 3.3 3.3 3.3 2.9 2.9 2.9 2.9 2.9 2.9 2.9 2.9 2.9 2.5 2.5 2.5 2.5 2_5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 2.1 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1 3.7 3.7 3.7 3_7 3.7 3.3 3.3 3.3 3.3 3.3 3.3

(18)

-15-順位

語種 度数 バーミル

順 位

語種 度 数 バーミル “ ‐ ノー ト 64 ミ_ス

64

リハ ビ リ

64

レベ ル

64

ロー ン

82

イス ラム 82 インタビュー 82 エスカレーター

82

カキ

82

カプ トムシ

82

ガ ラス

82

カ所

82

キ ノコ

82

キムチ

82

キ リス ト

82

クリ

82

クリア 82 ゴー1デシ‐′―ク 82 サラリーマン

82

ス タッフ

82

スチ ロール

82

セ ン ター

82

セ ンチ

82

チ ャンネル

82

ドナーカー ド 82 卜‐マ ト 82 卜,レコ

82

パ キス タン

82

バ ンク

82

ビア ノ

82

プ ラ イ ド

82

プライバシー 82 ブラスチ ッタ

82

ヘ アメー ド

82

ベ ランダ

82

ボー ナ ス 82 ボー,レ

82

マ スク

82

ミカ ン メ ッセ ー ジ モ ノ モ ラル リュ ック ルー ト '′デ,テ′子′― ア ノプ ア ドバ イス イ タ リア イラ ン インター不ツト インターハ イ エスカレー ト エ ッセ ー エ ピッー ド オ ル ガ ン ガーデニ/グ カ タカナ カ メ カ メラ ガヤ ガヤ カ ラ ス キ レる ク ラブ グ ラム ク リスマ ス グ レー ク ロー ン ケー ス ケ ガ コー ス コー ヒー コ ピー コマ ン ャル コ ンサ ー ト サ イ ズ サ ノチ ー シーザ ー シー ズ ン G G C C C C C C W W G K W C C W C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C K 2.1 2.1 2.1 2.l 2_1 1.ア 1.7 1.テ l.7 1_ア 1.7 1.「 1.7 1.7 1.7 1.ア 1.7 1.T l.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.ア 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1_7 1.7 82 82 82 82 82 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 121 G W C G G G G G G G G C G G G G C W W C W W W G C C C C G K C C G G C C G G G 1_7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.2 1.2 1.2 1_2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2

(19)

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ZI

Z■ Z■ lZI IZI IZI IZI IZI IZI TZI lZl 【 ZI IZI IZI TZI IZI lZI I`I lZl IZI IZI TZI IZI IZI IZI IZI IZI IZI IZI IZI IZI IZI

w

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聯菫

(20)

武庫川女子大学言語文化研究所年報 第13号 (2(Ю l)

洋服 を表す外来語の一特徴

岸 本 千 秋

o.は

じめ に 19世紀 半 ば、開国後 に西洋 か ら流入 した近代 西洋服装 を、和 服 に対 して洋 服 と言 うようになった。時代 を経 て現代 で は、洋服 は完 全 に 日本 の服装 となっ ている。 ことばの面で も、「 シヤツ」「スカー ト」「ジヤケ ツ ト」な ど洋服の 種類 を表す語や、「シンプル」「エ レガンス」など、洋服や着ている人を評価 する語について も、 日本語化 した外来語が多 く活躍 している。 日常生活の中で、これ ら洋服 に関係する外来語 を最 もよく日にするのは、 ファッション雑誌 を手に取 った時であろうし、そこでは、当然外来語が多 く 使用 されていると予測 される。 日立国語研究所が行 った雑誌九十種の用語調査で も、服飾な どの記事 を多 く含む婦人雑誌 に、外来語が最 も多 く出現するどい う分析結果が示 されてお り、洋服ゃファッシ ョンを表現する際 に外来語は必要不可欠なもの と言える。 そこで、ここではファッシ ョン雑誌の中で、洋服を紹介 している記事 に注 日し、そ こで使用されていることばの語彙調査 を行 う。そ して、得 られたデー タを元 に、女性 ファッション雑誌の中での外来語の使用状況 を明 らかにする ことを小稿の 目的 とする。

1.調

査の方法 調査材料として用いた雑誌は、女性向け月刊ファッション雑誌、「ミセス」 と『JJ」 で、それぞれの2001年 4月号 と同10月号を対象とした。Fミセス」 は、35歳以上の女性読者を対象とした雑誌であり、ファッションを始め、化 柱品や料理、インテリアなどを扱った構成になっている。FJJ」 は女子高校 生・女子大学生から

OLを

対象とした雑誌であ り、こちらもファッションや 化粧品を紹介 している記事が主に掲載 されている。両雑誌とも、「発行部数

(21)

が多い もの」 を基準 に選んだ。 この

2種

の雑誌か ら、洋服に関する記事 (以 ド、洋月lt紹介記事

)が

掲載 さ れている部分をデータと認定 した。ただし、洋夕:臓紹介記事の中には、①全体

のタイトル、

②洋服の説明を文章として表しているもの、

③写真のキャプショ

(商

品名・価格・プランド名だけが列挙されたもの)があり、特に③は単

語 ‐数字の羅列 を しているに過 ぎない ものである。そ こで、今回の調査対象 と したのは、その内、洋服 について、セ ンテ ンスの形で何 らかの説明 を加 え ていると認められる① と②についてである。これらのデータを、国立国語研 究所による長単位 と呼ばれる言語データに区切 り、語彙調査を行った。長単 位を採用 した理由は、フアッション雑誌の中で用いられる外来語の一特徴を、 語の意味の面からもある程度把握するためである。たとえば、「 ミニスカー ト」は、短単位に区切ると「 ミニ

/ス

カー ト」 と

2語

に分割されるが、それ では「ミニスカー ト」 1語 としての意味や用いられ方の特徴が見えなくなっ てしまう。そういったことを避けるため、今回の調査では長単位を採用 した。

2.結

2.1語

種別使用率 図

1

語種別使用率 外側:延ベ 内側:異な り Fミセス』

JJ』

M

14.5 27.6 両 雑 誌 そ れ ぞ れの語種別使 用率 をまず 図1に示す 。 語種 は 、和 語

(W)

5.9

-20-M O.6

11.3秘 G G ヽ ヽ \ ヽ ∼ ヽ

w

39.9 144.2 34.2

W M

W

46.6 G

/

K ´ , 11.3_

(22)

漢語

(K)外

来語

(G)混

種語

(M)そ

の他 (他

)の

5つ

に分類 し、その他 はアラビア数字 と固有名詞 とした。固有名詞 には、日本人の名前を入れたブ ラン ド名を含めるが、外国のプラン ド名は外来語 と認定 し、それに含めない。 た とぇば「JunkO shimada」 は、 日本人名 を使 ったプラン ド名なので固有 名詞 としてその他に分類 し、「 ダツクス」「バーバ リー」などは外国のプラン ド名なので外来語 とするのである。 語種別使用率で特徴的なのは、次の

2点

である。1つは和語・外来語が多 く漢語が少ないこと、

1つ

は混種語が多いことである。混種語が多い理由 と しては、語の区切 り方を長単位 としたことが影響 していると考えられる。 外来語が高い比率 を占めていることは、先 に予測 した通 りの結果であった。 和語 も高い比率で現れているが、ここでは、初めに述べた ように、外来語に 焦点 を当てて、その使われ方を見てい くことにする。 図 1を 見ると、語種全体の中で外来語が占める割合は、JJの異な りで約20 %、 JJの延べ、 ミセスの異な り・延べで も、それぞれ

25%以

Lと なっていて、 その多 さは、当研究所が行った他の語彙調査の資料 と比較 しても明らかである。 この ように、外来語の割合が高 くなっているのは、上にも述べたように、 洋服を表す語 という性格上、当然であると考 えられる。では、具体的にはど のような外来語が使用 されているのだろうか。次 に、出現 した個々の外来語 に注 目して、分析 を行 う。

2.2外

来語の語彙表 まず、出現 した外来語のみ を抜 き出 し、次 々ベージ以下に語彙表 として、 表1、

2に

示す。表1は『 ミセス」、表

2は

r万』である。表にあげる語 は、紙面の都合上、延べ

0.3%ま

で とし、そのパーセ ン トの比率は、外来語 のみの総度数を100と した時の数値である。 ミセスでは、 ジャケ ット、デザ イン、スカー ト、バ ンツ、シンプルなどが上位 に並んでいる。JJでは、ワン ピース、ニ ット、パ ンツ、スカー ト、ジヤケ ツトなどの頻度が高 く、両雑誌 とも、やは り、洋服その ものの種別 を示す語が、高い頻度で数多 く出現 して いることが分かる。

(23)

りに特徴的なのは、「 ワンピ」「カーデ」 などの省略形が使用 されているこ とと、「 シンプルズ」 のような造語が登場することである。省略形は、テン ポの良 さを感 じさせ、造語は、りの読者だけに分かる、いわゆる仲間うちの ことばとして使用 しているのではないだろうか。一方の ミセスには、このよ うな省略形 も造語 も登場 しないので、これ らは若い女性読者のウケを狙った ものであろう。 また、JJでは「 ミニスカー ト」の度数力お1あるのに対 して、 ミセスでは1回しか現れない、 とい うふ うに、読者年齢層の違いをうかがい 知 ることがで きる。 次 に、両雑誌 に共通 して現れる語 を取 り出すことにする。共通する語は次 の34語であ り、ミセス、JJと もに、表1、表2に示 した語全体の約

4割

にあたる。 エ レガ ン ト カ ジュ ア ル プ ラ ン ド イ ンナ ー ジ ャケ ッ ト チ ェ ッ ク ア ンサ ンブル コーデュロイ イメー ジ ス トレ ッチ シ ャ ツ ポ イ ン ト デ ィテ ー ルバ ラ ンス

+,-

r-{- )''

デザ イ ン ス カー ト バ ン ツ ニ ッ ト ラ イン ア クセ ン ト ウエ ス ト コーデ ィ不― ト コー ト トレン ド ベ ル ト シ ンプル シルエ ッ ト ス タイル ア イテム ボ タン ワ ンピース リボ ン (『

ミセス」の度数順

) 画雑誌は、前述のように、対象 とする読者年齢層が違い、紹介 しているプ ラン ドや記事の書 き方がずいぶんと違 うが、そこで使用 されている外来語に は、共通する語が少なからずあることが分かる。 つ まり、これ ら両雑誌に共通する34語は、洋服 を表現する際の、基本的な 役割 を担 っている外来語の一部であるのではないか と推測で きるのである。 また、これ ら34語 を見てみると、洋服 に直接関係がある語 とそうでない語 があることに気が付 く。下線 を付 しているのは、洋服の種別や装飾、素材 を 表 している語であ り12語ある。 これ らは、洋服に直接関係がある外来語であ り、言 うならばファッション的な外来語だ と言える。残 りの22語は洋服 とは 直接 に関係 していない、ファッション以外の他の分野で も用いられることが ある外来語である。つ まり、洋服紹介記事 には、洋服を表現するファッショ

(24)

-22-順 位 表

lFミ

セス』85語 語

度数

%

洋服 を表す外来語の ‐特徴 1順(立

長2 『

JJ」 78語

度数

%

1ジ

ャケ ッ ト

2デ

ザ イ ン

3ス

カー ト

4バ

ンツ

4シ

ンプ ル

6ン

ルエ ッ ト

6プ

ラウ ス

8エ

レガ ン ト

9ウ

ー ル lo シ,レ ク

loニ

ッ ト 10ラ イ ン

13ア

クセ ン ト

14ス

タ イル

15ス

ー ツ

15フ

ォルム

17ニ

ュア ンス

18ア

イテ ム 18カ ジュ ア ル 18ミ セ ス

21ウ

エ ス ト

21コ

ッ トン

23コ

ー デ ノネー ト

23ン

23ボ

タ ン

23レ

ザ ー

23ワ

ンピー ス

28Tシ

ャ ツ

28プ

ラ ン ド

28ヴ

ア イエ ラ

31コ

ー ト

31セ

ー ター

31ツ

イー ド

31ト

レン ド

31バ

ン ツス ー ツ

1

ワンピース(ワンピ

)135

2

ニ ッ ト 107

3パ

ンツ

103

4

ス カー ト

93

5ジ

ャケ ツ ト

91

6デ

ニ ム

87

7ラ

イン

84

8

コーデ イ不― 卜

79

9ス

タイ,レ

69

loポ

イ ン ト

57

11シ

ンプ,レ

50

11ビ

ン ク

50

13カ ジェ ア,レ

49

14 シ ヤツ

48

15ア

イテ ム

47

16シ

ルエ ッ ト

45

16テ'ザイ ン

45

16ト ップ ス

45

19ベ

ー ジュ

39

2oザーェ ック

35

21カ

ー デ

34

22ウ

エ ス ト

32

22 ラ'イ テ ー ル 32 24ミ ニ ス カー ト

31

25セ

クン

30

26セ

ン ター プ レス

27

26 タイト

27

28イ メー ジ

26

28イ

ンナー

26

3oコ

ー デ ュ ロ イ

24

31ス

トレ ッチ

21

32ア

ンサ ンブ ル

20

32カ

ー キ

20

32プ

ラス

20

35ク

イー ンズ コー ト

19

1 1 9 6 6 4 4 3 0 9 9 9 8 7 6 6 3 2 2 2 1 1 0 0 0 0 0 4 3 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2.9 2.2 2.1 1.9 1.9 1.7 1.7 1.6 1.4 1.4 1.4 1.4 1.3 1.2 1.1 1.1 0.9 3.1 2.4 2.4 2.1 2.1 2.0 1.9 1.8 6 3 1 1 1 1 1 0 0 0 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 n ︶ ^ 0   ^ U 9 9 9 8 8 8 8 8 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0_6 0.6 0.6 0.8 0.8 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4

(25)

順 位 表

lFミ

セス』85語 語

度数

%

2

『JJ』 78語 語

度数

%

31ボ

トム

8

37エ

レガ ンス

7

37カ

ー デ ィガ ン

7

37ベ

ー シ ツク

7

37 ′ヾル ト 7 3ア クランツククラ′ンツク 7

42ア

ンサ ンブ ル

6

42イ

メー ジ

6

42イ

ンナ ー

6

42カ

ッテ イング

6

42シ

ヤツ

6

42フ

リル

6

42ポ

イ ン ト

6

42マ

ニ ッシュ

6

42メ

ンズ ラ イ ク

6

42フ

イ ツ ト

6

42ボ

ー ダー

6

53コ

ー デ ユ ロ イ

5

53ン ン

5

53セ

ツ トア ツプ

5

53ト

リ ミング

5

53ド

レー プ

5

53バ

リエ

ン ン

5

53 パlり 5

53フ

ェ ミニ ン

5

53モ

ダ ン

5

62ギ

ャザ ー

4

62コ

レク シ ョン

4

62サ

イズ

4

62ン

ル クサ テ ン

4

62ス

トラ イプ

4

62ス

トレ ッチ

4

62ス

トレンチ バ ンツ

4

62タ

イ トス カー ト

4

62ダ

ツクス

4

36Vネ

ック

36コ

・― ジャス

36タ

イプ

36ボ

タン 40 blondy 40 デ ー ト

40ト

レン ド

40プ

ラ ックデニ ム

40モ

ノ トー ン 40リ ボ ン

47シ

ンプル ズ

47セ

レ ク ト 47ノ `ラ ンス

50ア

クセ ン ト

50ゴ

ー ル ド

50デ

ー トス タ イル

50ノ

ー ス リー プ

50ヒ

ップハ ン グ 50 ミニユ

56チ

ョイス

56ワ

イ ドバ ンツ

58D&G

581ラ

イ ン 58 バ ック o8 ブ ルー

58ポ

ー ダー 63インタープラネン ト

63エ

レガ ン ト

63プ

ラ ン ド 63 ′ヾ,レ ト 63ミ ュー ル

68カ

ッ トソー

68カ

ラー

68コ

ー ト 68 ジ,レ 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 18 18 18 18 17 17 17 17 17 17 16 16 16 15 15 15 15 15 15 14 14 13 13 13 13 13 12 12 12 12 12 11 11 11 11 0.4 0_4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 n ︶ ^ 0   ハ υ 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 A ︶   n ︶ n ︶ ハ υ n ︶ n ︶ n ︶   ︵ u 0.3 0.3 0.3

-24-0.3 0.3 0.3 0.3 0.3

(26)

1『

ミセス」

85語

度数

%

表2 FJJ」 78語 語

度数

%

62‐チェ ッ ク

62テ

・イテー ル

62

トップ

62ハ

ウ スチ ン ン ク

62パ

ッグ

62バ

ラ ンス

62パ

ンッ ス タ イル

62フ

ラ ンス

62プ

レー ン

62ベ

ー ジ ュ 62リ ボ ン

62ロ

62ロ

ン グジ ンケ ン ト

62ロ

ン グス カー ト

62ス

ポ ー テ イ

68

ター トル

68ツ

イ ンニ ッ ト

68フ

´― ツ

68プ

ー ツカ ッ ト

68ブ

ル ゾ ン

68ポ

ケ ッ ト

68ラ

イ ンス トー ン

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

4 0.3

11 11 11 11 11 11 11 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 ン的な外来語ばか りではな く、ファッションとは直接 に関係 しない外来話 も 数多 く用いられてお り、ファッション的な外来語 と同 じように、フアツショ ンを表現する上で、重要な働 きをしていると言える。

2_3

外来層の時代別比率 2.2では、外来語が語種全体の中で占める割合の高 さに注 目 し、高頻度の 外来語には、各雑誌 に特徴的な語 と、共通する語があることを示 し、そ して、 それはフアツシ ョン的な語ばか りではな く、ファッション的でない語 も用い られていることを述べ た。 さらに、その共通する外来語は、洋服を表現する 際の基本的な役割 を持つ語 と言えるのではないか とい う推測 を立てた。 さて、ここで、「外来語」の定義を改めて確認 してみよう。「外来語」 とは、 『国語学大辞典

1に

よれば、 他国の言語体系の資料 (語・句・文字等

)を

自国語体系に借 り入れて、 その使用が社会的に承認されたもの

(27)

と定義 されている (執筆者:楳垣実)。 社会的に承認 されて初めて、外来語 という定義がなされるのである。「社会的に承認 される」 とは、他国の言語 体系の資料が具体的にどのような状況になった場合を指 し示すのかが、この 記述だけではい まひとつ明確 に分か らないが、ここでは「世間一般にその語 が普及 し、使用 され、語の意味が通 じること」 という解釈をすることとする。 では、フアッシ ョン雑誌の洋服紹介記事 に使用されている外来語の、語や 語義が、社会的に承認 され普及 したのはいつの時代であろうか。 冒頭で述べたように、洋服が 日本 に入ってきたのは開国後である。それ以 降、現在に至 るまで、洋服に関係す る語 も多数取 り入れられてきてお り、そ れ ら洋服に関わる外来語が、いつの時代に日本に取 り入れられたものなのか、 「時代別」 という観点か ら外来語 を眺めてみる。そ して、そこに何 らかの特 徴な り傾向な りが促 ぇられるのか、考えてみようというのである。 そこで、試な として、出現 した外来語1語ごとに、それ らが社会に普及 し た時代 を認定することにする。そ して、その時代認定をしたデータを元に、 以下順 に述べる

3段

階の作業 を行 う。それ らの作業か ら得 られた結果によっ て、取 り入れられた時代の別により、外来語の現れ方に違いがあるのかどう か、あるとすれば どのような違いなのか、そ して、その違いは外来語の持つ 性質の特徴 とどの ようにかかわつているのか、また、何を意味 しているのか について検討 したい。 語 ご との時代認定の基準は、「基本外来語辞典」(石綿敏雄編東京堂出版 (1990))に記載 されている時代 とした。同辞典では「使用普及時代」 とし て、「 その語 またはその語義が社会的にある程度普及 したと推定 される時代」 が示 されている。た とえば「 ジャヶ ット」 という語が社会に普及したとされ るのは大正時代、「デザ イン」 という語が社会に普及 したとされるのは明治 時代 とされてお り、ここではその記述に従って

1語

ごとの時代認定を行った。 ただ し、抽 出 した外来語の中には、辞典の見出 し語にない もの もある。 「バギー」「コサージュ」などがそうであり、これらの語は、極めて最近に 取 り入れられたことが明らかであ り、そのため辞典に載っていないと考えら れる。従って、そのような語については時代を現代と認定することにした。

(28)

-26-洋 服 を表 す 外来語 の ‐特 徴 このように筆者が時代認定 を現代 とした語は、 ミセス・∬ともに、延べで3.

9%で

ある。 しかし、このように、特定の話について、筆者が時代を現代と認定するこ とについては、問題点が 1つ ある。それは、それらの語が、「外来語」の定 義に正 しく当てはまるかどうかがまだ分からない、という点である。繰 り返 しになるが、他国の語は、「その使用が社会に承認され」ないと「外来語」 とは定義されなぃ。「バギー」「コサージュ」などの語が、将来、社会的に 「外来語」 として承認 されるかどうか、それについての判断は、筆者はでき ない。 今、この段階では、少なくとも「発行部数が比較的多い女性ファッション 雑誌」の中で「現実に用いられていること」を理由に、時代を現代と認定す るほかはない。 また、複合語として辞典に掲載されていない語もある。それらの複合語に ついては、複合語を構成しているそれぞれの語について時代認定をし、新 し い時代の方を採用することとした。たとえば「ス

スタイル」は見出し語 にないが、その造語成分である「スーツ」と「スタイル」は掲載されてお り、 それらが取 り入れられた時代は、それぞれ戦前昭和時代、明治時代 とされて いる。つまり、明治時代には「スタイル」 という外来語しか取 り入れられて おらず、少なくとも「スーツスタイル」 という複合語は存在 し得なかった。 時代が下 り、戦前昭和になって「スーツ」 という語が取 り入れられて初めて、 「スーッ」と「スタイル」が結合する可能性が出てきたのである。従って、 「スーッスタイル」 という複合語は戦前昭和以降に形成されたと考え、より 新 しい時代の戦前昭和を採用するのである。(「スーツ」と「スタイル」の結 合が戦前昭和であるという根拠は、今のところ筆者には示すことができない のだが、複合語の時代認定という作業の上で、便宜的に、新 しく取 り入れられ た語の時代をその複合語の時代とするのが、ベターな方法であると考えた。) なお、この時代を特定する作業では、混種語に含まれる外来語もデータに 加えることとし、プランド名 ‐人名・国名はデータから省いた。 時代の別は、明治、大正、戦前昭和、現代 (戦後昭和 と平成

)の 4時

代で

(29)

ある。 以下、外来語が取 り入れられた時代の別を考察の軸 として、フアツション 雑誌の洋服紹介記事中で使用 される外来語の一特徴を浮かび上がらせること を試みる。

2_3.1時

代別比率 1段階 語 の時代認定で得 られたデー タを もとに、外来語の時代別比率 をグラフに 表 したのが 第

1段

階 の作業であ る (図 2)。 ただ し、図 に表 した

4つ

の時代 以外 に、江戸時代 に取 り入れ られた語 と して「サテン」「 リネン」「 ゴム」な どの数語が出現 したが、図が煩雑 になることを避けるため、 グラフには反映 させ ていない。 図

2

外来語の時代別比率 外側 :延ベ 内側:異な り Fミセス」 rJ J』 集計の結果、まず 目に付 くのは、両雑誌 とも現代の比率が最 も高 く、次い で戦前昭和時代が続いていることである。比較的最近取 り入れられた外来語 が、フアッション雑誌では、多 く用いられていることが分かる。 ―方、古い時代の明治 と大正に視点 を移す と、その割合の合計は、ミセス・ JJと も、異な りでは約

20%で

あるが、延べでは約30∼

35%と

3分

の 1を 占 めていることが読み取れる。そ して、`%然 だがそれに比例 して、現代 と戦前 昭和の延べの割合が低 くなっていることに気が付 く。つ まり、明治、大正時 28.3 正 明 治 9 フ0 現 代 48.1 大 正 17.4 明治 10.5 現代 38.0 月リ '召 禾ロ *E rz. o 明 明 治18.5 11. 1大正 正 9 大 月」 22. 現 代 戦 前昭和 22.0 現 代 47.3

-28-/

│ ヽ =: 26.8 二

(30)

代に普及 した外来語は、現代・戦前昭和に比べて語の種類は少ないが、何度 も繰 り返 し使用 される高頻度語が多 く出現 していることを示 している。この 結果 を元に、

1つ

の推測 を立てることがで きる。 それは、古い時代 に取 り入れ られたそれ らの外来語は、洋服を表現する際 に重要であ り基本的な語ではないだろうか ということである。そこで次 に度 数段階別のグラフに表 し、さらに詳 しく見てみ よう。

2.3.2時

代別比率 第

2段

階 度数段階別 第

2段

階 として、異 な り語数の出現度数 を

4段

階に分けて、度数段階別に 時代比率 を表 したグラフを次ページの図3に示す。図

3は

、図

2で

見た内容 に、具体的な度数の項 目を加 え、段階別に示 したものである。 図

3で

は、ミセス・∬ ともに、明治時代は、出現度数が高 くなるほど比率 が増 えていることが注 目され、図

2で

見た内容が、よりはっきりとグラフに 表れていることが分かる。例 えば ミセスでは、頻度 1∼

2の

低頻度語の比率 は

8.4%で

あ り全体の

1割

に も満たない。 しか し、頻度10以上では

25%に

の ぼ り、その比率は現代 と同 じになっているのである。 明治時代 と対照的な構成をしているのが現代である。出現度数の レベルが 高 くなるほど、比率が減少 していることが見て とれる。ミセスの頻度lo以

L

の比率は、頻度 1∼

2の

それの半分以下であ り、JJでも

15%以

上減少 している。 つ まり、明治時代 に普及 した外来語 は、語の種類は少ないが、何度 も繰 り 返 し用い られるような基本的な語が多いことを示 している。反対に、現代に 取 り入れ られた語 には、

1回

ない し2回の度数で しか現れない語の方が多 く、 語の種類がバラエテ イに富んでいることを表 している。フアツション雑誌の 洋服紹介記事の中では、取 り入れ られた時代によって外来語の働 きに違いが あ り、おおまかな住み分けがで きているようである。 これ らの結果を、先の現代雑誌九十種の用語調査 にある、語種別使用率 と 品詞別使用率 についての分析結果 と比較 してみると、次の ようなことが言 え るだろう。 分析結果の解説 については、『図説 日本語 グラフで見ることばの姿」 に、

(31)

3

度数段階別の時代別比率 (異なり) 「ミセス』 明治

大正

戦 前昭和 現 代 3∼9 (度数) 3∼9 1∼ 2 1∼2 (%) 明治

大正 FJ J」 戦 前昭和 現 代 (度数) (%) コンパク トな解説力覇己されているので、その解説を参考にしたい。 同書の解説では、語種別使用率について、「和語は漢語に比べて単語の種 類は少ないが、基本的な、よく使われる語が多い」と述べられており、また、 品詞別使用率については、「動詞は異なり語数で 1割 しかないが、述べ語数 では

2割

を占めている」ことを指摘 している。 この内容を、以上の図2、 図

3で

明らかにしてきた事柄と照らし合わせて 17.8 32.1 25. 25.0 ■■■■ ■ ■■■■■‐ 11.8 27.9 45.1 15.0 12. 27.9 50. 8.4 ■■■■■■■ 12.2 20.1 ■ ■ ■ ■■■■■ 24.4 10.6 59.フ 21.4 9.3

■ロ ■ ■■■ ● 0●

-30-rour

I 1 10以上 │ │ T T 一 9.3

(32)

みると、次の ようなことに気が付 く。それは、明治時代に取 り入れ られた外 来語の特徴 は、現代雑誌九 十種の用語調査の語種別分布では和語に、また品 詞別分布では動詞に類似 した分布図を形成 しているとい うことである。 つ まり、明治時代 に取 り入れ られた外来語 と、日本語全体の中で、中心的・ 基本的役割 を担 っている和語 とは、 もちろん、一方は外来語の中での位置付 けであ り、他方は、語種全体の中での位置付けであるとい う違いはあるにせ よ、その量的・ 質的な働 きは、同 じであることを示 している。そ して、それ はすなわち、外来語全体の中で中心部分をなし、基本的で重要な働 きを して いるのが、明治時代 に取 り入れ られた外来語であることを意味 していると言 えよう。

2.3.3時

代鵬比率 第

3段

階 次 に、第

3段

階では、どの ような語が、どの時代 に取 り入れられたのか、

4つ

の時代それぞれの上位に出現 した具体的な語 をあげて、語彙表 として以 下に示す (表3∼表6)。 各語の時代の別は、その外来語 ごとに、「基本外来 語辞典』 を引けば明 らかな事柄で、改めてここに示すまで もないのだが、 し か し、ファッシ ョン雑誌 に現れる外来語の一側面 を知る 1つ の手がか りとし て、度数 をカウン トして、出現度数順 に具体的な語 を示す ことに意味がある と考える。 表中の語頭 に

0印

を付 しているのは、洋服の種別・装飾・素材 を表 してい るいわゆるファッション的な語である。

(33)

3

明治時代 に取 り入 れ られた外来語 ミセス 27語 ●

=10語

JJ 29語

=7語

順 位 度 数

順位 度 数

2デ

ザ イン

4

ン ンプ ル

90シ

ル ク 12ラ イン 14 ス タ イル

180コ

ッ トン 2・

10ボ

タン 31●コー ト 3ア イメー ジ

37エ

レガ ン ス

37ク

ラ シ ッ ク

450シ

ャ ツ

45ポ

イン ト

59ス

トラ イブ

590フ

ァ ッシ ョン

70バ

ラ ンス 70リ ボ ン 94●カ ン ミア

94コ

ン トラ ス ト 94●ポ ケ ッ ト

94マ

ー ク 122ヽr 1220カ フス 122● グ ロ グラ ン 122ゴー ル ド 122ス タン ダー ド 122プラ ス

5ス

タ イル

7ラ

イ ン

120シ

ャッ

16ポ

イン ト

17ン

ンプル

21デ

ザ イン

24プ

ラ ス 27 1リ ガヾン

320ボ

タン

34イ

メー ジ

39V

43バ

ラ ンス

45カ

ー キ 46 バ ッ ク

60ゴ

ー ル ド

600ポ

ケ ッ ト

79カ

バ ー

82イ

エ ロー

82ハ

ー ト 89●コー ト 104シ ヨ ノブ 1280レ ー ス 143● カ シ ミア 143ス トラ イプ 156エレガ ンス 156コ ンバ (コ ン) 156/`― プ,レ 1820イ ン 1820フ ァ ッシ ョン 138 103 72 59 55 48 46 42 32 29 25 24 23 21 16 16 13 12 12 11 10 8 7 7 6 6 6 5 5 26 23 19 17 14 10 8 7 7 7 6 6 5 5 4 4 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 明治時代に取 り入れられた語には、基本的なものが多いと述べてきたが、 表 3に 示 した に位

5語

の内、ファッション的な外来語は、ミセスでは「シル ク」、■が「 シヤツ」 と、各 1語 のみである。「デザイン」「 シンプル」「スタ イル」「ライン」など、ファッション雑誌の中で、基本的な役割を持つと言

(34)

-32-洋 服 を表す外 来語 の一特 徴 える外来語は、ファッションに直接関係 しない、他分野で も使われる語が多 く用い られているようだ。 表

4

大正時代に取 り入れ られた外来語 ミセス

23語

=7語

JJ 23 0‐

5語

度 数

順 位 度 数

10ジ

ャ ケ ツ ト

30ス

カー ト

6●

ウー ル

6●

プ ラ ウス 15ミセ ス

310セ

ー ター 31●′ヾル ト

45プ

リ ン ト

59コ

レ クシ ョン

59シ

ー ン

700ト

ノプ

70バ

ツグ 70 ′ヽ一,レ 70ミ ックス

94ソ

フ ト 122イ ンボ ー トシ リー ズ 122エッセ ンス 122オ レン ジ 122シ ョー ト 122テー ス ト 122ナチ ュ ラ ル 122● ベ ス ト 122ロ ン グ

4●

ス カー ト

80ジ

ャケ ッ ト

17ビ

ン ク

21ン ズ

ン 320ンヽル ト

46セ

レク ト

79グ

レー

82ア

ップ

89オ

リ ジナ ル

89ス

リ ッ ト 890´ヾス ト 104タ ラ シカ ル 104パー,レ 116カ ッ ト 116グリー ン 128アピー ル (ア ピ) 128オレ ンジ 1820ウ ー ル 182ダー ク 182ミ ッ クス 206シ ョル ダー 239 1リ ッ,= 239ワ イ,レ ド 43 29 24 24 ︲6 8 8 6 5 5 4 4 4 4 3 2 2 2 2 2 2 2 2 146 102 55 48 32 21 13 12 11 11 11 10 10 9 9 8 8 5 5 5 4 3 3 大正時代 になると、上位

5語

の内、ファッション的な外来語は、 ミセスで

4論

、■で

3語

登場 し、明治時代 と対照的である。両雑誌 とも

1位 2位

を占 めている「 ジヤケ ッ ト」「スカー ト」 などは、洋服 を表す語 として、 まさし く基本的な語だと言えよう。

図 3  度数段階別の時代別比率 (異 なり ) 「ミセス』 明治      大正      戦 前昭和 現 代 3〜 9 (度 数 ) 3〜 91〜2 1〜 2 (%)明治   大正FJ J」戦 前昭和現 代 (度 数 ) (%) コンパク トな解説力覇己されているので、その解説を参考にしたい。 同書の解説では、語種別使用率について、「和語は漢語に比べて単語の種 類は少ないが、基本的な、よく使われる語が多い」と述べられており、また、 品詞別使用率については、「動詞は異なり語数で 1割 しかないが、述べ語数
表 3  明治時代 に取 り入 れ られた外来語 ミセス 27語 ● =10語       JJ 29語 ● =7語 順 位 度 数    順位 度 数 2デ ザ イン 4  ン ンプ ル 90シ ル ク 12ラ イン 14  ス タ イル 180コ ッ トン 2・ 10ボ タン 31● コー ト 3ア イメー ジ 37エ レガ ン ス 37ク ラ シ ッ ク 450シ ャ ツ 45ポ イン ト 59ス トラ イブ 590フ ァ ッシ ョン 70バ ラ ンス 70リ ボ ン 94● カ ン ミア 94コ ン
表 5 ミセ ス  26語 戦 前昭和時代 に取 り入 れ られた外来語 0=9語       JJ 26語 0=8語 三二 度 数    順位 度 数 6  ン ルエ rッ ト 9エ レガ ン ト 13ア クセ ン ト 150ス ー ツ 18ニ ュ ア ンス 22ウ エ ス ト 24シ ャー プ 24● レザ ー 24● ワ ンピー ス 370カ ー デ イガ ン 37サ イズ 450イ ンナー 45カ ッテ ィン グ 45チ ェ ック 45ボ ー ダー 45モ ダ ン 450レ ー ヨ ン 59バ リエ
表 6  現代 に取 り入 れ られ た外来語 ミセス  25語  0==14語 :        JJ 25語   ● =10語 順 位 度 数    順 位 度 数 40パ ンツ 11● ニ ッ ト 15フ ォル ム 18カ ジ ェア ル 21コ ー デ イネー ト 22ア イテ ム 24プ ラ ン ド 290Tン ヤ ツ 29ト レン ド 310ツ イー ド 310パ ンツス ー ツ 310ボ トム 370コ ー デ ュ ロ イ 370ス トレ ッチ 37ベ ー シ ッ ク 45● ア ンサ ンプ ル
+3

参照

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