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(1)

・::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 

視聴覚室のノイズ , 騒音

三 浦 敬 吾

,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"""'" 

1 .  

まえがき

視聴覚室にヘッドホソによる演奏装置を作ってからもう

3 0

年 に な り ま す 。 当 時

(昭和34年)はヘッドホソという呼び方はなくて, レジ

ーバーと い わ れ て い ま し

た。

ヘッドホ ノは,まわりの音(騒音)に左右されず,好きな時に好みの音醤で自由 に聴ける•••••といわれていたのですが,今はそうでもなくて時にはヘ ドホソ公 害? ともいえる音のもれ,聴いている人は難聴に近くなり,まわりの人は迷惑す る, といったこともあります。これは密閉型のヘッドホ ノを使用しない限り多少外 にもれます。密閉型は外部騒音に対し遮音性がありますが,開放型の場合遮音性は ないものの,定位感がすぐれているともいえます(1)。 特 に私が使用しているヘッド ホンはコンデンサー型ですので,外にも良く聴こえます(外にもれる音は耳栓型の ような変な音ではない)。

コソデンサー型のヘッドホ ノを使う場合,聴く場所の騒音にも注意が必要です。

すぐ横に人がいたのでは安心して聴けませんし,私がよくモニクーに使っている時 も

,周囲の音は遠慮なく耳に入ってきますし,時にはヘ

ッドホンをしていない時よ りもよく聴こえることもあります。これは音についての集中の度合でもありますが

……このよ うな開放型のヘッドホソを使用する場合は,特に聴く部屋の遮音につい て注意しなければなりません。静かな場所で聴くコンデンサー型のヘッドホンは,

又一段と音楽を楽しく聴くことが出来ます。これらの 音楽を聴く'ということに ついて,理論とか,教科書でなく,今私の考えていることをのべます。

2 .   遮 音 と 防 音

この二つの言葉はよく同じように使われますが,防音とは字のごとく音を防ぐこ とで, うるさいものを元から断つ•…••つまり音になるものを防ぐと考えればよく,

少し範囲を拡げて,音を発生しているものに対して処理することをいいます。です から遮音も防音の一部と考えられます。

遮音とは,音として空気中に放射されたニネルギ

ーを 遮 断 す る こ と を い い ま

(2)

す(2)。遮音の基本的要素として,部屋の外に音を出さないために遮音するのか,外 の音が室内に入ってこないように遮音するのか,一見同じことのようですが, この 二つはその性格が全く違ってきます。前者は人に迷惑をかけないという条件ですか ら,音を出している本人がいくら良い音だとか,気にならない音だといっても,近 くの人がその音を気にしたらもうその音は騒音になってしまいます。しかし,いく ら教科書通りに作ったとしても,騒音が入ってくる場合があります。個体中を伝わ ってくるもので, トイレの水の音や,交通騒音の振動などです。これらの個体中の 音は,空気中を伝わる音速より速く伝わります。ですからこのような音に対しても 充分な注意が必要であり,又,完全に遮音するにはそれらの個体を切りはなして考 えなければなりません。こういった遮音を完全にしてから室内の吸音処理に入るわ けですが, どうもこの吸音という言葉も変にあつかわれていて,吸音材を室内に張 れば,すぐにも遮音,防音が完成するかのような考え方が多く見うけられます。

私は以前から学校の場合,廊下は吸音構造にして,教室内を出来るだけライヴに して響きを良くすることが必要だといっているのですが,現実は逆で,教室内に吸 音材を張りめぐらして,響き,明瞭度を悪くし,大ぎな教室でもないのに先生の 声がマイクロホンを使わなければ, よく聴こえない, といった例が多く見受けられ ます。

3 . 

騒 音

一般に騒音といわれているものに,生活騒音があります。学校の場合は拡声器の 音(早稲田大学), 歩行音,会話等が上げられます。 これらは場所さえ得られれば 問題ではありません。それよりも私が恐れているのは,空調の騒音と, コソビュー タによるノイズです。今では,空調はあたりまえになってきていますが,これがく せもので,騒音のカタマリみたいなものです。それに今,多くの人がこれらの音に 対して無関心なことです。日常の生活騒音というものは,昔からあまり苦にならな いものですが,今は,空調, コンピュータの騒音も,生活騒音と認めてしまったの でしょうか。これは恐しいことです。もっと誰もが音に関心を持って,不要な音は なくするようにすべぎですし,それに,これらの騒音はもっとレベルを下げること が出来ると思います。例えば,駅の拡声器による放送,あれも大きな音を出さずに すみます。もっと多くのスピーカーを使えば,今の1加のパワーで充分まに合うは ずです。そこにいる人に聞こえればよいので,遠くまで聞こえなくてもよいのです から。

空調装置の騒音には

1.  コソプレッサーや送風器の騒音

2 .  

上記の機械振動や個体伝播騒音

3 .  

ダクト内,吹き出口の風切音や過流音による騒音

(3)

視聴伐室のノイズ,騒音

などが上げられます。これらについて充分な注意が必要ですし, 装置を部屋の中に 設置した場合,その機械の騒音レベル以下に騒音レベルを下げることは出来ませ ん。

ダクトによる送風にしても,送風の位置,場所に注意しなければ,いかに遮音を 完全にしても何にもなりません。これらの騒音については,最近研究が盛んですの で,もっとよくなるものと思います(3)が, コソビュータのノイズ,騒音については 未だの惑があります。これは,送風器のような単純な音ではないので,逆位相で打 ち消す方法もむづかしいと思いますが,逆に考えて,音を加えて感じのよい音に合 成するのも一方法かと思います。

4 . 

ノイズ

今私達が使用している

AV

機器について,

A C

電栢なしには考えられません。

ハイテク時代と呼ばれている現在,多くの機器に,マイコンや半樽体が使用されて います。例を上げれば,TV, ビデオ

ディスク

プレーヤー, VTR, CDプレー ヤー,パソコン,ニアコ`ノ,照明…•••まだいくらでもあります。これらの機器は

AC

電源ライソにクロック

パルス等がリークしたり,サイリスターや,トライア ックにより,

AC

電源がズタズタに加工されているのです(4)0

特に,最近,マイコンが搭載された機器では,マイコンのクロックパルスが電源 を通して外部にもれるため,他の同様の機器は被害者であると同時に加害者となる 場合もあるのです。このため現在のアソプは,単に低歪率や,高

SN

比を追求した だけでは, 良い音 は期待出来ません。空中伝播や,

AC

ラインからくる電波雑 音に対処すること,

EMI

対策15)が重要になってきます(4)0

これらのノイズについては,

' 8 8

3

月に

EMC

ノイズ対策技術展が開かれてお りますが(6し いうまでもなく,使用する機器自体がノイズを外に出さないことが,

最も重要なことです。もっとノイズ発生源の規制をきびしくとの言もありますが,

法規制を設けると,とかくその規制値以下であればどうでもよい, といったことに もなりかねません。ただこの目に見えないノイズが一番迷惑なのは確かです。

これらのノイズに対する方法として,最近各機器内での防止方法も向上してきま したから,初期のころほどのことはないと思いますが,やはり対策は必要です。こ れについてはいろいろな方法がありますが,実際に効果があるか否かについて

,そ

の使用場所,状態によって違ってきますから,各個所で対策するしかありません。

一般的にいえることは,

AV

機器と他の電源は別にする。出来れば

A

V

と別に するといったことが考えられます。例えば電源ラインにフィルクーのよいものを入 れても,すべてそれで解決してはくれません。アナログ

プレーヤーを使っている 時に CD プレーヤーは o

f fにする,蛍光灯は使用しない方が音が良いとか,いろ

いろなノウハウがあると思います。使用場所,使用状態によって違ってきますから

(4)

教科書通りにはいきません。

Audio i

こしても

( Vid e o

も)ー通りそろえれは音や画は出ます。装置が高価で あれば良い音が出るわけではありません。

CD

の出現によりアナログの音が一段と 良くなってきました。まだまだ良い音で聴く方法が極めつくされたわけではありま せん。これから先,いかに良い音で聴けるようにするか,機器は使えば原則的にわ るくなります。その機器の最良の状態をいかに維持するか,更に良くするか,ステ レオ,電機音響というのは,ノイズとの戦いです。どうしてクオリティを上げるか,

つまりノイズをどうして減らすかということにつながってきます。常識的に反する ことですが,常識は教科書に書いてあることでなく,常識とは結果のよさである(7)

といえます。

5 . あとがき

いつのまにか過ぎてしまった3

0

年,進歩はあったのか? 音は良くなったか?

最初の頃は聴く装置そのものよりも,アンプの回路,歪ばかりを追求していたよう に思います。真空管時代は周調波歪が

0 . 1

%を切れば良いと思われていたのに, ト ランジスターになってから

0 . 0 1 %" " "

今では

0 .0 0 1  

%以下になっています。これは

4 0dBの差です。それだけ音は良くな

ったか? と考えてから,歪の追求はやめて,

S N

の方に注目してきました。これは

CD

の出現で, ダイナミ ック ・レンジが理 論上

9 7 .SdB迄達しま

した。この特性を生かすには,まわりの機器のノイズ,騒音 を少なくするしか方法はありません。最大の音量は限られているのですから。

まだ ヘッドホンで良い音を と思う気持に変わりありません。最近ダミーヘッ ド・マイク使用の

C D

も発売されました。ステレオフォニ ックとか,バイノーラル 云々は抜きにして, これからは,音場感の再現が重要なボイソトになりますし,ヘ ッドホンによる 前方定位 と,より聴きやすい音を求めて実験してみたいと思い ます。

視聴覚教室の再生音の向上はもちろんですが,今大学図書館の中で早稲田大学が 一番遅れているといわれる映像についても,見やすく,聴きやすい装置,をと思っ ています。

注(

1 )

ラジオ技術

1 9 8 4

年1

1

p .  91 

( 2 )   M  J

無線と実験1

9 8 4

1 ‑ 3

月 ルームアコースティック講座 豊島政実

( 3 )  

日 本 音 密 会 昭

62

年 度 秋 季 研 究 発 表

JAS J o u r n a l  

62

1 2

( 4 )  

ノイズ対策で音質改善 柴 崎 功

M J

無線と実験

1 9 8 5

年1

2

( 5 )   EM! Electromagnetic i n t e r f e r e n c e =

電 磁 波 妨 害

( 6 )   EMC Electromagnetic C o m p a t i b i l i t y =

電 磁 波 共 存 性

( 7 )

江川三 郎 ステレオのすべて

' 8 8

(5)

視聴位室のノイズ,騒音

参考文献

0解 説 ノ イ ズ メ カ ニ ズ ム 岡 村 迪 夫

( C  Q

出版 昭 和

62

年)

。 電 子 機 器 の ノ イ ス 対 策 仁 田 周 ー (オーム社 昭 和

6 1

年)

0電 気 雑 音 ノ イ ズ 島 山 鶴 雄 ( 無 線 技 術 普 及 会 昭 和

6 1

年)

0 ノイズ

・フィルター

//  (  //  昭 和

6 2

年)

。ここま で き た

EMC

対策 (大成社 昭 和

63

年)

0騒 音 防止工 学 福 田 基 ー (日刊工 業 新 聞社 昭 和

5 1

年)

雑 誌

。ラジオ技術 (ラジオ技術社)

MJ

無 線 と 実 験 (誠文堂新光社)

0 トランジスク技術

( C  Q

出版社)

0テ レ ビ 技 術 (電子技術出版)

0エ レ ク ト ロ ニ ク ス ラ イ フ (日本 放 送出版 協 会)

a JAS

ジャーナル (日本オーデ ィ オ 協 会)

。ステレオ (音楽之友社)

0電 気 技 術 (オーム社)

0電 子 技 術 (日刊工業新聞社)

(みうら けいご 図書館視聴覚資料室)

参照

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