第1学年 音楽科学習指導案
1 単元名 「 作曲をしよう 」 2 指導観 ○ 中学校生活も半年を過ぎ、9月に行われた文化祭での合唱コンクールに向けての練習も、短い取組期 間ではあったが充実したものになった。生徒たちはそれぞれに合唱したことの達成感、満足感を味わえ たようだ。 しかし、合唱練習の中で、かなりの生徒が楽譜(音符)を見て歌うことはせず、歌詞ばかりを見て 練 習している。音程やリズム、ハーモニーについて感覚的には理解しているが、音符についての基礎的な 知識が不十分なため、正確とはいえない。美しい合唱に仕上げるためには、音楽の基礎・基本をしっか りと身につける必要がある。 そこで、本単元では、「創作」という活動を通して、曲の仕組みを理解し、楽譜の基本的なルールを 覚えさせたり、記号の持つ意味を意識づけたりすることで、楽譜を見ることに慣れさせ、楽譜を見なが ら合唱したり、演奏したりすることができるようになることをねらいとしている。 また、「創作」は創造力、理解力、思考力、ソルフェージュ力を育成し、歌唱・器楽・鑑賞の能力を 高めることができ、音楽科学習指導要領の 1 年生の目標の1つである「多様な音楽表現の豊かさや美し さを感じ取り、基礎的な表現の技能を身に付け、創意工夫して表現する能力を育てる。」ということも つながる活動である。しかし、音楽的知識の少ない生徒にとってはかなり難しい。そのため、誰でもが 取り組みやすいように、最初は8小節の簡単な既成の曲を参考に模倣による創作を試みることにした。 そして、自分自身で曲を作り上げた充実感、達成感とともに、作った曲を自分で演奏したり、他の人に も演奏してもらえることの喜びをも体得できるものと考えている。 ○ 本学級の生徒は、合唱の好きな生徒が31人中10人、器楽の好きな生徒が15人、鑑賞の好きな生 徒が6人である。しかし、31人中、楽譜を読むことができる生徒はたった8人だけである。しかも、 読むことのできない生徒ははじめから音符はむずかしいものと考えて、なかなか音符を見ようとはせず、 耳で聴いて旋律を覚えるのである。 そのため、合唱の練習もまじめに歌ってはいるが、歌詞ばかりを見て練習をしている。美しいハーモ ニーを作りだすために音程や音符の長さなどをしっかり確認したり、和音の響きを追求しようとする熱 心さは見られない。つまり、与えられた課題はまじめに取り組もうとするが、理解できていないことを 自ら追求したり、課題をより良いものに発展させようとする積極性は見えてこないのである。なぜなら ば、音符が理解できていないためにより良いものに発展させることができないのである。 ○ 「創作」に関しては小学校では経験したことがなく、既成の曲を歌ったり、ソプラノリコーダーで演 奏したり、合奏したりした経験はある。今回は中学校で初めて学習したアルトリコーダーを使用して 創作という体験活動を経験し、創作活動において、リコーダーだけでなく、キーボードも使用するこ とで、音階や音程をも理解することを目標にした。 指導にあたっては,本年度の主題研究「学ぶ意欲を持った生徒の育成」の主旨を踏まえ,生徒が意 欲的に学習に取り組み,音楽の基礎・基本の定着をはかるため、(1)単元構成の工夫(2)1時間 の授業づくりの工夫(3)指導方法・体制の工夫を行うこととした。 (1)単元構成の工夫 ①「つかむ」段階 8小節の簡単な既成の曲を聴かせ、曲の構成について理解することで、自分で曲を作ってみようと する意欲を高め、この単元で学ぶ学習内容について見通しをもたせる。 ②「追究する」段階 音符やリズムを模倣するだけでなく、自分が表現したい言葉の持つアクセントや抑揚を理解し、アルトリコーダーやキーボードで音程に変化をつけながら、自分なりの音符を見つけ出して曲作りをさ せる。 ③「まとめる」段階 創作した曲を発表し、他のグループの曲を聴くことによって自分が表現することが旋律に合ってい るか、リズムが曲のイメージに合っているか振り返りをさせる。 (2)1時間の授業づくりの工夫 ①「つかむ」・・・曲作りについての手順を理解させ、同じリズムでも音程が変われば全く違う曲にな ることを意識づける。 ②「見通す」・・・いくつかの既成曲を参考に自分が創作しようとするイメージの曲を選ばせる。 ③「追究」・・・自分が創作した曲をアルトリコーダーやキーボードで演奏することによって音程やリ ズムを変化させて創作させる。 ④「まとめ」・・・創作した曲を発表し、他のグループの曲を聴くことによって自分が表現することへ の振り返りをさせる。 (3)指導方法・体制の工夫 ・コンピュータを用いて、音符や休符の基礎について確認し、曲作りの基本とルールを説明する。 ・8小節の簡単な既成の曲を紹介し、音を変化させることで曲の感じが変わることに気づかせる。 ・言葉のアクセントや抑揚に気をつけて、旋律を考えることを理解させる。 3 指導目標 ・音符・休符・記号が持つ基本的なルールを理解する。 ・創作を行うことで、音程やリズムを体感し、習得する。 ・創造力・ソルフェージュ力を育成し、歌唱・器楽・鑑賞の能力を高める。 4 単元の評価規準 第1学年 単元名 「作曲をしよう」 ア 音楽への関心・意 欲・態度 イ 音楽的な感受や表 現の工夫 ウ 表現の技能 エ 鑑賞の能力 ① 言葉の持つアクセ ントや抑揚、音符 の長さやリズムに 関 心 を 持 っ てい る。 ② リズム模倣による 創作活動に意欲的 に 取 り 組 ん でい る。 ③ 創作するために使 用するアルトリコ ーダーやキーボー ドを十分に活用し て創作している。 ① 言葉の持つアクセ ントや抑揚、音符 の長さやリズムを 感じ取っている。 ② 言葉を音符にする ことで音の高低を 感じ取っている。 ③ 創作した曲をアル トリコーダーやキ ーボードで演奏し ながら自分のイメ ージに合うように 工夫している。 ① 歌詞のイメージに合っ たリズムや音程を楽譜 にする技能を身につけ ている。 ② 創作した曲を演奏し、 修正する技能を身につ けている。 ③ 曲の形式について理解 し、12小節・16小 節の曲に発展させるこ とができる技能を身に つけている。 ① 音の変化による旋律 の変化を聴きながら 創作している。 ② 創作したリズムや音 程がイメージに合っ ているか気をつけな がら聴いている。 ③ 他のグループの演奏 を聴いて自分の曲の 参考にしている。 5 指導計画 (総時数 7時間) 段 階 配時 学習活動・内容 指導上の留意点 形態 評価の 観点 学習型
つ か む 2 ・創作活動に向けて、音符 や休符、記号について復習 する。 ・既成曲をリコーダーで演 奏しながら、音符や休符の リズムや長さを理解する。 ・音符や休符、記号を楽典とし て履修させるだけでなく、実際 に自分で活用することで体得 させる。 一斉 アー1 イー1 習得 追 究 1 ・8小節の既成の曲のリズ ムを参考に、歌詞を考えて その言葉に合う音の高低 を考える。 ・言葉の持つアクセントや抑揚 がリズムや音程にむすびつく ことを理解させる。 個人 グループ アー2 イー2 ウー1 活動 2 ・言葉のアクセントや抑揚 を考えながら、旋律を創 る。 ・五線譜への音符や休符の記入 時に於いて、旋律の流れがスム ーズであるかどうか確認しな がら曲作りをさせる。 グ ル ー プ アー3 イー3 ウー2 活用 1 ・12小節・16小節へ ステップアップする場 合の曲作りについて説 明する。 ・二部形式・三部形式の基本 を理解させて構成させる。 個人 ウー3 活用 ま と め 1 ・創作した曲を発表する。 ・他のグループの作品を 聴いて感想を述べ合う。 ・うまくできている所、でき ていない所について、意見を 言わせ、自分の曲の参考にさ せる。 個人 エー2 習得 6 本時 平成21年11月13日(金) 5校時 ( 4/7 ) 於 音楽室 (1)ねらい アルトリコーダーで演奏することのできる8小節の曲を作り、演奏することができるようにする。 (2)評価 ねらいの達成度を測る授業終末時の形成的評価 評価内容 ① 簡単な音符とリズムを使って、8小節の曲を作り、演奏することができる。 ② 他のグループの曲を参考に、自分の曲を修正することができる。 評価方法 五線譜のプリント・アルトリコーダーの演奏 (3)本時の指導観 生徒は前時までの学習で、音符・休符の長さやリズム、記号の意味について既習し、8小節の既成 の曲を参考に自分で歌詞と音の高低を考えて、オリジナルの曲を創っている。 本時では、音の高低を変えるだけでなく、歌詞のアクセントや抑揚を考え、イメージに合った音作 りと旋律の美しさを追求させたい。また、考えた旋律を楽譜にし、アルトリコーダーやキーボードで 演奏できるようにさせたい。
(4)指導上の工夫 8小節の簡単な曲作りではあるが、個人差があり、音楽的知識の少ない生徒にとっては決してやさ しいことではない。そこで、短時間で曲作りができた生徒には、12小節・16小節へのステップア ップを試みる。そのためには、曲の構成をaa’ba’または a a’ bb’の二部形式を基本にし て曲作りをさせる。 また、コンピュータソフトを利用し、いくつかのグループの創作曲を提示しながら、うまくできた 箇所、うまくできてない箇所を確認する。それを参考に自分の創作した曲を見直し、修正して音楽的 な流れのある曲に仕上げさせたい。 (5)準備 生徒:教科書・ファイル(プリント)・アルトリコーダー・自己評価用紙 教師:教科書・コンピュータ・アルトリコーダー・キーボード 7 展開 分 学習活動・内容 支援・手立て 評価の観点・方法 つ か む 10 1,「若者たち」と「春」をア ルトリコーダーで演奏する。 「若者たち」をキーボード で演奏する。 2,前時までの授業を復習す る。 3,本時のめあてを確認する。 ○アルトリコーダーの運指に気を付け させる。 キーボードで演奏できる音域を確認 させる。 ○音符・休符・記号についての基本を復 習し、曲の仕組みを理解させる。 ○めあてを確認し,目的意識を持たせ る。 ・アルトリコーダー の運指が正確であ る。 ・キーボードの音程 を 把 握 で き て い る。 見 通 す 10 (1) 前時に作った曲について 考える。 ○同じ音符やリズムでも歌詞の内容・音 程・記号などを変えれば、違う感じの 曲になることに気づかせる。 追 究 す る 25 4,8小節の既成の曲を参考に オリジナル曲を創る。 (1)歌詞のアクセントや抑揚を 考えて音の高低を変える。 (2)アルトリコーダーやキーボ ードを使用して創作した曲 を演奏してみる。 (3)旋律がうまく流れていない 場合は修正をする。 (4)8小節の曲作りが終わった 生徒は、音符やリズム・歌 詞を考えて12小節・16 小節の曲にもチャレンジす る。 ○2~4人のグループで協力しながら 創作させる。 ○机間巡視をしながら、遅れているグル ープにはアドバイスをして、創作する ことに意欲をもたせる。 ○アルトリコーダーでうまく創作でき ない生徒には、キーボードを使用させ る。 ○人任せにすることなく、互いの意見を 尊重しながら協力してやるように助 言をする。 ・言葉のアクセント や抑揚を考えなが ら音の高低などを 工夫して旋律を創 っている。 ・アルトリコーダー やキーボードを利 用して、意欲的に 曲作りに取り組ん でいる。 めあて 簡単な音符やリズムを使って、アルトリコーダーで演奏できる曲 を作ろう。
(5)創作した曲を発表して、 意見交換をする。 ○創作した曲をアルトリコーダーで 演奏させ、意見交換をする。うまく 演奏できない場合はキーボードや コンピュータを使用する。 ・他の人の作品を 聴いて参考にす る こ と が で き る。 ま と め 5 5,本時のまとめ 自己評価用紙に記入し、気 づいたことを発表するこ とで本時の学習をふりか える。 ○よくできた所を評価し、次時への学 習意欲がふくらむように助言する。