バ レエダンサーにおける
ボデ ィイメージ
,摂
食障害傾 向 と
マイン ドフルネスとの関連
臨床 心理 学 コース
M14083B
次
I。 は じめに・・・・・ 0。 ・・・・・・・・・00000。
・ 0・ ・・Pl
Ⅱ.問
題1.
バ レエ ダ ンサー の現状 と問題・・・・・ 。・・・・・ 。・・・Pl∼
P3
2.
摂食 障害 にお け るボデ ィイ メー ジ 。・・・・・・・・・・・・P3∼
P4
3。 ボデ ィイ メー ジ とマイ ン ドフル ネ ス・・・・ 0・0000。
・P4∼
P5
4.
バ レエ ダンサー特有 の精神 的健康・・00・
・・・・・ 0・ ・P5
Ⅲ.目
的・ 方 法1.調
査 目的・ 0・ 0・ ・ 0・ ・・00… 0000000。
・00P6
2.調
査協力者・ … ・・ 0・ ・0000・
000000・
・・・ O P63.
調 査 時期・0…
・00・
・00・
0・ 0・ 0・ 0・ ・ 0・ ・ O P64.
実施方 法・・ … ・00。
・・ 0・ ・・・・・・・・・・・・・P6
5。 倫理 的配慮 。… … 0・ ・ … ・ … … … ・・ … ・ …P6
6.
質 問紙構 成・ … … ・・・ … ・ … ・ … ・・・ … ・ …P7∼
P8
Ⅳ.結
果1.
回答者 の属性 と各尺度得 点・ … … ・ … ・ 。・ … … ・P9
2.バ
レエ ダ ンサー にお け る各 尺度 間の相 関 ・・・0000・
・P9∼
P13
3。 ボデ ィイ メー ジ,摂
食 障害傾 向 とマイ ン ドフル ネ ス との関連1)摂
食障害傾向に与える影響・・・・000000・
・・・・・・P14∼
P15
2)精
神 的健康 に与 え る影 響・・・ … ・ … ・ … 0。 ・0…
P16∼
P18
4.構
造方程 式 モデ リングに よ る分析 結果1)各
変数 とSRSEDの
総得点 との関連00。
・・ 0・ ・・・・ 。・P19∼
P20
2)各
変数 とK6得
点 との関連00・ 00。
・00・
・・・・・・・P21∼
P22
V.考
察 と今後 の展 望1.バ
レエ ダ ンサー の現状 0・00・
0・ ・・・・・・・・・・・P23
2.摂
食 障害傾 向に与 え る影 響0000…
… … … ・・ …P23∼
P25
3.精
神 的健康 に与 える影響・・ 0・ 。0000・
000・
000P25∼
P26
Ⅵ 。お わ りに・ 0 0 0 0 0 ・・0 0 0
。・・ 0 0 0 0 ・・・・・0 0 0 0P27
Ⅶ. 引用文 祠t・ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ・・ 0 0 0 0 0 0 0 0 ・・・・・P28∼
P30
Ⅷ.謝
辞・0…
・ … … …P31
添付 資料 0・ … ・・・ … … ・・・・ … ・・ … … … … …Pl∼
P8
I.は
じ め に 本研 究では,身
体運動 を伴 う芸術表現 として,ク
ラシ ックバ レエを取 り上げ る。ク ラシ ックバ レエ を学ぶ ことで,時にボデ ィイ メー ジの歪みや摂食障害が起 きることが 明 らかになつてい る。それ に もかかわ らず,そ
れ らの実態把握や介入 に関す る研 究は ほ とん ど行 われていない。 よつて本研究では,日本人バ レエダンサーのボデ ィイ メー ジを調査 し,バ
レエ ダン サー に適 した心理的介入 の方法 を検討す ることとした。 Ⅱ.問
題1.バ
レエ ダ ンサー の現状 と問題 青年期の積極的な身体運動は,メ ンタルヘルスの維持改善に寄与す ると考えられて いる (永松・鈴り││・ 甲斐・松原・植木・須 山,2009)。 その一方で,今
日,競
技スポ ーツを行 う選手では,抑 うつをは じめとした精神的健康上の問題や様々な逸脱行為が 注 目されている (松平0廣
瀬 0中 村・菅波,2011)。 このよ うに,精
神的健康 とスポ ーツとの関係については長短両面が複雑に交錯 してお り,検
証すべき課題はいまなお 多い (永松・鈴川 0甲斐他,2009)。 特に松 田(2008)は
,体
重が軽い方が競技力向 上につながるとい う誤つた考えか ら,運
動選手の摂食障害傾 向が高ま りつつあると述 べている。海外で も,ス
ポー ツ選手の摂食障害傾 向が数多 く取 り上 げ られ てい る(Sundgot‐Borgen,J。 1994; Sundgot¨Borgen,J.&Torsveit,M.K。
,2004;Renking,
M.R&AlexandeL L.E。
,2005)。岡野
(1994)は ,Eating Attitude Test(EAT)を
用 いて,摂
食 障害類似者 の割合 は,一般女性が
3%で
あるのに対 し,審
美系スポーツでは12%,持
久系スポー ツでは20%
痩せ ていることに競技的あるいは美的価値 が存在す る競技(体操,フ ィギュアスケー ト,
バ レエ
)は ,食
事 と トレーニングにおいて異常なパ ター ンを生み出す ことが指摘 されてい る。海外 では
,既
に,多
くの研究者 がバ レエダンサー にお ける摂食 障害傾 向を取 り上げてい る
(Anshel,M.H.,2004;Ravaldi,C.,Vannacci,A。
,Bolognesi E.,Mancini,S.,2006)。 近年 日本 では
,バ
レエが,芸
術活動や エ クササイズ として,多
面的に受容 されつつあ る (海野・高橋・小 山,2012)が
、それ につれてRavaldi,C.et al。(2006)が
指摘 し てい るよ うなバ レエ ダンサーの過剰 な体重 コン トロールが,問
題 となつてきている (勝 川 ,2004)。 例 えば,筒
井・村永・鷲 山・成尾・ 野添(2003)は
,バ
レエ教室での体重 測定 をきつかけに摂食異常 とな り,摂
食 障害 を発症 した12歳
女児 のケースを報告 して い る。 バ レエ ダンサーは,ほ
つそ りとしていて しなやかで,か
つ華麗 であ り,エ
ネル ギ ッシ ュな身体活動 をできる筋力 を持 つてい ることが要求 され る (堀江・菅瀬・堀江,2010)。世界最古のバ レエ団 「ワガノワ・ バ レエ・ アカデ ミー (VaganOva Ba■et Academy)」
の入 団基準 は
,BM116∼
17,体
脂肪率 16∼18%で
あるが,こ
れ は医学的には病的な痩 せ状態であ り,DSM‐
5(APA,2013)で
は中等度 の摂食障害 と診断 され得 る。さらに, 筆者 が事前 に行 つた聞き取 り調査では,多
数 のバ レエ ダンサー が 自己誘発性嘔吐を経験 してい ることが明 らか となつた。 これ は,神
経性過食症で よく見 られ る症状である。 勝川(2004)は
,バ
レエ ダンサー に とつての “適正"体
重 は,誰
もが生理的に達成 できる とは言 い難 い レベル にある と述べてい る。バ レエスクール に通 う日本人 ダンサー ヘ の介入 実験で も,「 日常生活 に支障のない程度 の食事指導」では ワガ ノフバ レエのBMI基
準 にまで体重 を減 らす こ とは不可能 で あつた ことが示 され てい る (堀江他, 2010)。 この よ うに,バ
レエダンサー はかな りの確 率で精神 的・身体的な不適応 を起 こす (勝川 ,2004)。 しか し
,日
本 のバ レエダンサー を対象 とした研 究は数少 な く,ま
とまった 調査 は され ていない。2.摂
食 障 害 にお け るボデ ィイ メー ジ摂食 障害は
,厚
生労働省 に よ り難治性疾患克服事業に指定 されてお り,抑
うつや不安に もつなが る
,極
めて重要 な疾患群であ る (氏家,2009;花
澤,2012)。 摂食 障害 は,主 に神経性やせ症 (Anore対
a nervosa;AN)と
神経性過食症(Bulimia nervosa;BN)
か らなる。
ANは
身体像 の障害,強
いやせ願望や肥満恐怖 な どのため不食や摂食制 限, あ るいは過食 しては嘔吐す るために,著
しいやせ と種々の身体・精神症状 を生 じる一つ の症候群である。BNは
,自
制困難 な摂食 の欲求 を生 じて,短
時間に大量の食物 を強迫 的 に摂取 しては,そ
の後,体
重増加 を防 ぐ行動 を とる。体重はANほ
ど減少せず に正常 範 囲内で変動 し,過
食後 に無気力感,抑
うつ気分,自
己卑下を ともな う一つの症候群で あ る (山田,2007)。 摂食障害は,自 己認知の問題や完全主義傾 向,親
子関係 な ど様 々な要因か ら生 じるこ とが,既に先行研究 によつて明 らかに されてい る(岡本・三宅・ 白尾・岡本・山脇,2010;
矢澤・金築・根建,2009;氏
家,2008)。 その中で も,体
型 に関す る不満や理想 の体型 へ の こだわ りな どの身体イメージの障害は,摂食障害の経過 と治療 を考 える上で重要な 問題 である とされてい る (森・ 小原,2003;福
田・平り││・ 香野,2008;米
良 0岡・ 宮 田・見玉・森・ 玉川・武永・林 田・ 橋本・ 辻,2001;岡
本他,2010)。 この よ うな ことか ら,こ
れ までにも一般の青年期女子 を対象 とす る研 究では,摂
食 障 害 に影響 を及 ぼす認知 に対 しての予防的 な介入 が必要である とされ て きた (矢澤他, 2009)。 三井(2006)や
福 田他(2008)そ
して岡本他(2010)の
研 究では,実
際 に, 体型不満 な どボデ ィイ メー ジに焦点 を当てた,摂
食障害の予防的介入 が行 われてい る。 バ レエ ダンサーが毎 日鏡の前で レッスンをす ることは,摂食障害患者 に特徴 的な不適切 なボデ ィチェ ッキング行動 につなが る危険性 がある。そ して
,さ
らにこの不適切 なボ デ ィチ ェ ッキング行動 は,神 経性やせ症傾 向 と身体像不満足感 につなが る (Shafran,R.,Christophet G。
,Robinson,RR&Lask,B。
,2004)。 既 に,バ
レエダンサー には,摂
食障害患者 によく似 た
,特
有のBoむ Image cOncerns(BICs)の
異常が認 め られ てい る(Ravaldi,Co et al.,2006)。 PamtanO,KoJ。
(2012)は
,女
子 アス リー トの摂食障害を予防す る必要性 を述べてい るが,バレエダンサー に関 して も同様 に予防的介入が必要
で あると考 えられ る。
そ こで本研究では
,摂
食障害の予防的アプ ローチの可能性 を考慮 し,バ
レエ ダンサーの摂食 障害傾 向 とボデ ィイ メー ジを検討す ることにす る。
3.ボ
デ ィイ メー ジ とマイ ン ドフル ネ スSlyteL M。
(2012)や
nistelleL JoL.&Hanet,c.B。(1999)で
述べ られているよ うに
,欧
米では,摂
食障害治療においてマイン ドフルネスを取 り入れ る動きがある。マイ ン ドフルネスは,Kabat‐Zinn(1994)に
よつて,初
めて心理療法に取 り入れ られた概 念で「意図的に,今 この瞬間に,価
値判断す ることなく注意 を向ける」心の状態をい う。1970年
代にKabat‐Zinnに
よ リプログラム(MBSR)が
確立 されて以降,マ
イン ド フルネスは うつ病の再発予防な ど新 しい治療法に適用 され,有
効性が認 め られている。 そのマイン ドフルネスを摂食障害の治療にも取 り入 られ る動きが,1990年
代後半以降 に本格化 していつた。日本でも,歪
んだボデ ィイメージを修正す る方法 としてマイン ド フルネスが利用 されている (杉山・熊野,2013;花
澤,2012)。 さらに,マ
イン ドフル ネスは心理教育・予防にも用いることが可能であることが示 されている (高橋 。林・高 橋・長澤,2012)。 勝り││(2004)は
,バ
レエダンサーが,到
底到達 しえないよ うな レベルの体重 を 目標 としないようにす るため,各
人や周囲が 自覚す ることが重要であると述べている。しかし
,競
争率が激 しい特有の環境に属せ ざるを得ないバ レエダンサーは,周
囲に頼 ること な く,各
個人が 自身に対 して最大限に注意 を向けなければな らない。そのよ うな状況の 中では,「内的基準」に基づいた身体イメージの獲得 をめざすマイン ドフルネス(花澤,2012)が
,有
用であると考えられる。 近年バ レエダンサーの中で,ジ ャイ ロキネシス とい うエ クササイズ法が広が りつつあ る。 ジャイ ロキネシスは 「心 地 よ く、 あ るが ま ま 、 そ して ワ ク ワ クす る よ うな 楽 しい気 分 で 味 わ っ て」 をモ ッ トー に,呼
吸 法 を組 み 入 れ な が ら,行
われ て い る。 この こ とか ら,ジ
ャイ ロキネ シ ス とい くつ か の共 通 点 を有 す るマ イ ン ドフル ネ ス も同様 に,バ
レエ ダ ンサ ー に とっ て受 け入 れや す い もの な ので は な い か と考 え られ る。4.バ
レエ ダ ンサー特有 の精神 的健 康 既 に述べたように,摂
食障害 と精神的健康には,深
い関係がある。 しか し,そ
もそも 日本におけるバ レエダンサーの現状は未だ調査 されていない。よって,バ
レエダンサー の摂食障害傾向と精神的健康の実態を調査す る必要がある。勝倉・伊藤 。安藤 (2009) やReeves,RG。(2015)が
一般成人を対象 としてマイン ドフルネス と精神的健康の関連 を示 していることか ら,本
研究でも,バ
レエダンサーにおけるマイン ドフルネスと精神 的健康の関連を検討す る。 5Ⅲ
.目
的・ 方法
1.
調 査 目的 本研究では,日本のバ レエダンサーの摂食障害傾向 と精神的健康度 を確認す るととも に,ボ
デ ィイメージ,マ
イン ドフルネス,摂
食障害傾 向の関連を検討す る。そ して本研 究においてマイン ドフルネス との関連 を調査す ることで,マ
イン ドフルネス・アプロー チを用いて,バ
レエダンサーの摂食障害を予防することをめざす。2.
調 査 協 力 者 プ ロバ レエダンサー200人
に縁故法で配布 し,70人
か ら質問紙 を回収 した (回収率35%,平
均年齢 25.07士 標 準偏差5。38)。3.
調 査 時期2015年
5月か ら 11月 に実施 した。4.
実 施 方 法 各個人が個別 に無記名式で質 問紙 に回答 し,回答者 が各 自で封筒 に入れた ものを回収 した。5.
倫 理 的配 慮 につ い て 質 問紙 の回答 は,自 由意志 において行 われ ることを伝 え,す
べ て無記名で調査 を行 つ た。また,回
答 を終 えたすべての質問紙 は封筒 に入れ た状態で回収 し,調
査以外 の 目的 に使 われ ない ことをあ らか じめ伝 えた。また,本
研 究の実施 にあた り,兵
庫教育大学大 学院の研究倫理審査委員会か ら承認 を得 た。6.
質 問紙 の構成 ① フェイスシー ト被調査者の性別
,学
年,年
齢,バ
レエの経験年数,BMI,バ
レエでの収入の有無を問 うた。② 摂食 障害症状評価尺度
(Symptom Rating Scale for Eating Disorders,SRSED)
(永田・切池・ 中西・松永・川北
,1991)
神 経性やせ症 のみ な らず,神
経性過食症 の臨床症状 の把握 と短縮版 を 目的 とした 自 記式質 問紙 である。30項
目よ り構成 されてい る。第1か
ら28項
目までの質 問項 目に対す る回答 は,「 い つ もそ う」「しば しばそ う」「時にそ う」「全 くない」の4段
階 に設定 されてい る。各項 目の得点は、「いつ もそ う」 を4点
,「 全 くない」 を1点
とし,評
価段階に従 つて1点
刻 みで表す。総得点の算出に含 まれ ない2項
目は削除 した。 また,SRSED30項
目の うち,スクー リングテス トとして用 い ることができる抽 出 12 項 目 (1,4,5,6,7,8,9,11,12,13,21,27)を 本研 究では,短
縮版得点 として用い る。③
Boむ
Shape QllestionIInlre日 本語版(BSQ;ガ
ヽ林・舘・室津・福地,2001)
34項
目で構成 された,否
定的なボデ ィイメージを評価す る尺度である。BSQは
,「シヨー ウィン ドウに映つた 自分の体型を見て,嫌
な気分になつたことがあ り ますか」「走ると体の肉が揺れ るか らと思つて走 るのを避 けた ことがあ りますか」 とい つた,感
情や態度に関す る具体的な質問により構成 されていることが特徴である。各項 目は 1∼6点
の6段
階 (全くない=1,ほ
とん どない=2,時
々ある=3,度
々ある=4,
ほ とん どいつ もある=5,い
つ もある=6)の 6件
法で回答 し,総
点が高いほど体型ヘ の こだわ りや否定的な考えが強いと判断 される。④
Five Facet Mindmness QueStiOnnaire日
本語版(FFMQ;Sugiura,Y,Sato,A.,Ito,
Y&Murakatt H.,2012)
マイ ン ドフルネス
5側
面尺度。「観察 observing」 「非反応性 nOlllreacting」 「非評価nOttudging」 「描写desc五bing」 「気づき awareness」 の
5因
子か ら成 り,39項
目で構成 され る。
⑤ K‐
6質
問票 日本語版(F―
wa,TA.,KessleL R。,Andrews,G.&Shde,■ ,2003)
気分 0不 安障害の短縮版 を 目的 として開発 された
,6項
目で構成 された質 問紙であるⅣ 。結 果
1.回
答者の属性 と各尺度得点
有効回答者70名
の年齢,バ
レエ歴,BMIの
平均得点 と標準偏差,及
び,各
測定尺度(SRSED,BSQ,FFMQ,K6)の
平均 と標準偏差をTable l.に示 した。2.バ
レエ ダ ンサー にお ける各尺度 間の相 関 バ レエダンサーにおける測定尺度間の関連を調べ るために順位相関係数(Spearman)
を算出 し
,Table 2.に
示 した。SRSEDの
総得点,SRSEDの
短縮版得点 (ス ク リーニングテス ト
12項
目の総得点),BSQ得
点,FFMQの
5つ
下位 尺度 (obser宙ng,nonreacting,nottudging,describing,awareness)お
よび総得点 との間にはそれぞれ 0。1%,1%も
しくは5%水
準で,い
くつかの有意な相関がみ られた。 ① 年齢 と各尺度の相関関係 年齢 とバ レエ歴 に有意な強い正の相 関(r=.876,ρ
く.001)力`み られた。年齢 とSRSED総
得点に有意な弱い負の相関 (r=‐ 。318,p<.05)が
見 られ,SRSEDの
短 縮版得点にも有意な弱い負の相関 (r=‐.362,p<.01)が
み られた。 ② バ レエ歴 と各尺度の相関関係 バ レエ歴 とSRSED総
得点に有意な弱い負の相関 (r=¨。317,pく
.01)が
み られ,SRSEDの
短縮版得点にも有意な弱い負の相関 (r=‐。368,pく
.01)が
み られた。BMIと
BSQ得
点に有意な強い正の相関(r=.416,ρ
<。001)が
み られ,BMIと
K6得
点に有意な弱い正の相関 (r=。253,ρ <.05)が
み られた。BMIと
FFMQの
observlng因 子に有意な弱い正の相関 (r=。253,ρ
く。05)力
`み られた。 9③
SRSED総
得点 と各尺度 との相関関係SRSEDの
総得点 とSRSEDの
短縮版得点に有意な強い正の相関 (r=.846,ρ <.001) がみ られ,BSQ得
点に有意な強い正の相関 (r=。779,ρ
<.001)力`み られた。SRSED
総得点 とK6得
点に有意な強い正の相関 (r=。468,pく
。001)が
み られた。 ④SRSED短
縮版得点 と各尺度 との相関関係SRSED短
縮版得点 とBSQ得
点に有意な強い正の相関(r=.539,ρ
<.001)力 `み られ,K6得
点にも有意な弱い正の相関 (r=。312,pく
.01)が
み られた。SRSED短
縮版得点 とFFMQの
awareness因
子に有意な弱い負の相関 (r=‐。265,ρ <.05)が
み られた。⑤
BSQ得
点と各尺度との相関関係
BSQ得
点と
K6得
点に有意な強い正の相関
(r=.536,ρ <.001)が
みられた。
⑥
K6得
点と各尺度との相関関係
K6得
点と
FFMQの
nottudging因
子に有意な弱い負の相関
(r=‐。
375,ρ
<.01)がみられ
,FFMQの
awereness因 子にも有意な弱い負の相関
(r=―。
297,ρ
<.05)がみられた。
K6得
点と
FШ
Qの
総得点に有意な弱い負の相関
(r =‐
。
293,p<.05)
がみられた。
⑦
FFMQの
各因子と各尺度との相関関係
FFMQの
observing因子と
FFMQの
nollreacung因子に有意な弱い正の相関 (r
=.319,ρ <.01)がみられ,FIW[Qの
nottudging因
子に有意な強い負の相関
(r=‐。
467,ρ<.001)が みられた。
FFMQの
obsewing因 子と
FFMQの
合計に有意な強い正の
10相関
(r=.491,ρ <.001)が
み られた。FFMQの
nonreacting因 子 とFFMQの
nttudge因 子に有意な弱い負の相関(r=‐。250,ρく
.05)が
み られ,FFMQの
総得点に有意な弱い正の相関(r=.356,pく
.01)が
み られた。
FFMQの
dec五bing因 子 とFFMQの
awareness因
子に有意な弱い正の相関(r
=.244,ρ <.05)が
み られ,FFMQ総
得点に有意な強い正の相関 (r=。678,ρ
<.001)がみ られた。
FFMQの
awareness因
子 とFFMQの
総得点に有意な強い正の相関(r
=.543,ρ <.001)が
み られた。Tabb l.回
答者属性と各尺度得点
(平蹴 標準偏差
)年齢
パ レエ歴
B141SRED(1試用
!)SRED(短
縮版
)BSQ
K6
FFMQ
observing(FFMQ)
nonreact ing(FFMQ)
rbonjudging(FFMQ)
describing(FFMQ)
awareness(FFMQ)
25.07 5.30
20,0: 5。05
17.76 1.27
50.78 :2.34
21_0: 5.35
86.7: 35.36
4.45 4.66
122.49 10.90
23.00 5.7:
20。41 3.43
25.:9 5.04
24。03 5.75
29.00 4.57
12Tab!e2.各尺度間の相関 (Spearnano順位相関係抑 年齢 バ レエ歴 B141 (TOTAL) (短SRSED Sull
縮版)
observing non『 oacting (FF10) 〔FF薔0)
oonj od=ing describing awareness
(FFIQ) (FF10) (FFMO)
FF‖Q K6 BSQ 年齢 バ レエ歴 BMI SRSED(TOTAL) SRSED(短縮版) BS0 K6 observing(FFm) nonreacting(FFMO) nonjudging(FFMa) describing(FFR10) awarerless(FFMO) FFm .876‐拿 .045 .041 .362“ ―.271 .368・・ ―.236 .079 .416 .846“° .779 。539 ―.025 .029 ‐.014 -.032 .253拿 .253拿 .468・・・ .202 .312‐ .066 .536・・* .213 .101 .034 .040 .041 -.019 .056 -.167 .123 -.237 .145 -.168 .018 -.173 .019 -.375“ .319“―.467韓・ ―.250拿 .099 -.003 -.023 ‐.064 -.118 -.027 -。i94 -.019 -.265事 ¨.093 -.058 -.028 -.297拿 ―.293・ ―.036 .491・・拿 ―.182 .356 拿ホ .158 .103 .244・ .678“・ .543拿韓 ―.318 ‐.317 .227 ―_007 .007 -.057 .047 .023 -_077 -_108 .188 .128 -.195 う “ “ “ “ ∞ ︼
*=κ 05
ネ*=メ.04 は*=pく ∞13 1 ボデ ィイ メー ジ
,摂
食 障害傾 向 とマイ ン ドフル ネ ス との 関連 摂食障害傾 向に与える影響 バ レエ歴,BSQ得
点,FFMQの
総得点 とFFMQの
5つ
の下位因子か ら,SRSEDの
総得点に与える影響を調べるために,stepwise法
による重回帰分析 を行つた(Table 3.)。 最終モデルで投入 したBSQ×
FFMQの
交互作用項の決定係数の増加量はいずれの従属 変数 においても有意でなかったため,決 定係数の増加量が有意であつた第3モ
デルの結 果 を以下に示 した。BSQ得
点,バ
レエ歴そ してFFMQの
awareness因
子の独立変数 で,従
属変数の摂食障害傾向(SRSEDの
総得点)を
64%説
明 してお り,高
い決定係数 が得 られた。なお,第
3モ
デルは,AIC(268.322)力
`他の2つ
のモデル よ りも小 さか った。SRSEDの
総得点 とBSQ得
点に有意 な正の標準回帰係数 (β=.729,ρく。001)力
`み ら れた。SRSEDの
総得点 とバ レエ歴 に有意な負の標準回帰係数 (β=‐。179,pく .05)力`見 られた。SRSEDの
総得点 とFFMQの
awareness因
子は,有
意な負の標準回帰係数 (β =‐。167,ρく.05)が
み られた。 このことよ り,バ
レエダンサーは,ボ
ディイメージの歪みが大きいほど,摂
食障害傾 向が高まると考えられる。また,バ
レエ歴が長 くなるほど,摂
食障害傾 向が低下す る。 そ して,マ
イン ドフルネスのawareness因
子が高まるほど,摂
食障害傾向は低下す る ことが示 された。 なお,短
縮版でも同 じ結果がみ られた (Table 4。)。 14Tab:e3. 説 明変数 B β r 調 整 済 R2 AIC mode1 l BSQ 272 776 9849 .596 273.891 mode1 2 BSQ ′ヽレエ歴 .260 .742 9426 .617 271404 -400 -.165+ -2.105 mode1 3 BSQ .255 .729‐ 9.548 640・ Ⅲ 268.322 パ レエ歴
-434 -.179拿
-2344
awareness(FFMQ) -4“
―.167拿 -2.228 ***=ρ<・ 001 キ=ρく.05 Table 4_SRSEDの短 縮 版 得 点を従 属 変 数 とする重 回 帰 分 析
SRSED(短
縮 舅反) 説 明 変数B
β′
盟終済
R2 AIC
mode1 l BSQ
081 545'* 5285 287 200072mode:2 BSQ
バ レエ暦 071 478 4808 369‐ 190826 -322 -308林 -3095mode:3 BS0 069 460" 4817 421ネ 184515
バ レエ歴-340 -325Ⅲ
-3406
awareness(FFMQ) -2“
-244・-2614
器 =ρ く。∞1 +十=ρ<.01 *=ρ<.05
152)精
神的健康 に与 える影響 バ レエ歴,BSQ得
点,FFMQの
総得 点 とFFMQの
5つ
の下位 因子か ら,K6得
点 に 与 える影響 を調べ るために,stepwise法
による重回帰分析 を行 つた (Table 5。)。 バ レエ歴,BSQ得
点,FFMQの
5つ
の下位 因子が独 立変数で,精
神的健康度K6得
点 を42%説
明 してお り,中
程度 の決定係数が得 られ た。第3モ
デル は,A[C(176.211)
が最小であつた。BSQ得
点 とK6得
点は,有意な正の標準回帰係数(β=.443,p<.001)が み られた。FFMQ
の ■oniudging因 子 とK6得
点は,有
意な負の標準回帰係数 (β=―。291,ρ く.01)が み られ,FFMQの
awareness因子 とK6得
点は,有
意な負の標準回帰係数 (β=‐。262,ρ<.01)が
み られた。BSQ得
点 とFFMQの
obsewing因
子に交互作用項の偏回帰係数 (β=。222,ρ く.05)が
み られた。 このことによ り,ボ
デ ィイメージの歪みが大きいほど,精
神的健康が損なわれ るといえ る。マイン ドフルネスのnottud劉唱 が高まるほど,精
神的健康が高まると考えられ,ま
た マイン ドフルネスのawarenessが 高まるほど,精
神 的健康が高まると考えられる。 その結果,BSQ得
点 とFFMQの
obsewing因
子 との交互作用項の偏回帰係 数が有意 で あつた。そ こで,単
純傾斜検定(Figurel)を
行 つた。バ レエダンサーにおいて,マ
イ ン ドフルネスのobservlllgの低群 (‐lSD)も
高群(+lSD)も
ボデ ィイメージの歪みが大き くなるほど,精
神 的健康 も低下す ると考えられ る。特にobservlllgの 高群(+lSD)の
方が 低群 (‐lSD)よ
り,そ
の傾 きが深 くなる。 16Tabb 5_K6合計得 点を従 属変数とする重 回帰 分析 説明変数 B β ′ 調 整 済 R2 AIC
mode1 l BSO
069 521 ・・・ 4881 260'棒 189121mode1 2 BSQ 063 476・
・・4653 386・
・・ 182588 nonルdge(FFMQ) -268 -295“
セ883
mode1 3 BSQ 062 467・
い4715 379・
・・ 179323noiudge(FFMQ) -236 -260・ -2594
awacness(FFMQ) -230 -229・
セ32
mode1 4 BS0 058 443・
" 4595 418'件
176211 nojudge(FTMQ) -265 -291・・-2977
avttre ness(FFMQ) -263 -262・ ' -2704 BSQ Xo医e rve(FFMQ) 139 222・ 228
料隊=ρ<・ 004 **=ρく.01 *=ρく.05 17lloderator
●Low Obserre(-l SD)
▲High ObsePe i+l SO)
figure l ボディイメージの歪みとマインドフルネスの
obseⅣingが精神的健康の及ぼす影響
4.構
造方程式モデ リングによる分析結果1)各
変数 とSRSEDの
総得点 との関連バ レエダンサーにおけるボディイメージ
,摂
食障害傾 向 とマイン ドフルネス との構 造的な関連 を検討す るために,Amosを
用いた構造方程式モデ リングを行つた。結果を Figure 2.に 示す。
モデルの適合度指標には,GFI(Goodness of Fit lnde⇒
,AGFI仏
街usted GoodllessofFit lndeO,RMSEA(Root Mean Square Error of Appro対
matioDを
用いた。豊 田(1990は
,良
好なモデルの 目安 として,GFI=.90以
上 とい う値 をあげているが,サ
ンプル数 が少 ない場合 は
,GFIの
値 が低 く算 出 され る としてい る。AGFIは
,GFI>AGFIと
い う関係で,2つ
の指標の乖離が大きい場合は,そ
のモデルはあま り好 ま しくない。
RMSEAは
0に
近ければ近いほ ど良い としている。モデルの適合度は GFI=。
999,AGFI=。
996, RMSEA=0.00と
良好であつた。そ れぞれのパスについては,メ
.001′ 〆・01′ メ・05で
有意な標準化係数が認 め られた。 それぞれのパスについて検討を行 うと,BSQ得
点か ら,SRSEDの
総得点に正の有 意なパスがみ られた。FFMQの
awareness因
子か らは,SRSEDの
総得点に負の有 意なパスがみ られた。このことか ら,重
回帰分析の結果同様,バ
レエダンサーは,ボ
デ ィイメージの歪みが大きいほど,摂
食障害傾向が高まると考えられる。また,マ
イン ドフルネスのawareness因
子が高まるほ ど,摂
食障害傾向は低下す ると示 された。 なお,ス ク リーニングテス トとして用い られ るSRSEDの
短縮版得点でも同様の結 果が算出されたため,省
略 した。 19SRSED{SUM)
GF卜
.999
AGFI=.996
Figure 2.摂
食 障 害 傾 向を規 定 する要 因(モデ ル) ‖眸=ρ<.ool
絆=′<_01
拿=ρ<_05
202)各
変数 とK6得
点 との関連 バ レエダンサーにおけるボデ ィイメージ,マイ ン ドフルネス と精神 的健康 との構造 的な関連 を検討す るために,Amosを
用いた構造方程式モデ リングを行 つた。結果 を Figure 3.に示す。 モデル の適合度 はGFI=.971,AGFI=。
904,RMSEA=。
064と
良好であつた。 そ れぞれのパスについては,メ
.001,メ
・01で
有意 な標準化係数 が認 め られた。 それぞれのパ スについて検討 を行 うと,BSQ得
点か ら,K6得
点 に有意 な正のパ ス がみ られた。マイ ン ドフルネスか らは,K6得
点に有意 な負 のパスがみ られ た。 この ことか ら,重
回帰分析結果 同様,ボ
デ ィイメージの歪みが大きいほど,精
神 的健康が損 なわれる可能性が考えられ る。マイン ドフルネスの ■o可udgingが高まるほど,精
神的健 康が高まると考え られ,ま
たマイン ドフルネスのawarenessが
高まるほど,精
神的健康 が高まると考えられる。重回帰分析でみ られた交互作用は,み
られなかった。 21GFI=。
971
AGF!=.904
RMSEA=。
064
Awareness
Figure 3.精
神 的 健 康 に規 定 する要 因(モデ ル) 潤眸=ρ<.ool *拿 =′く.01 *=ρく.∞ 22Ⅳ
.考
察 と今後 の展望
1.バ
レエダンサーの現状 本研究において,バ
レエダンサーのBMI平
均が,DSM‐
5(APA,2013)に
おける, 軽度の摂食障害に当てはまることが分かつた。 さらに,バ
レエダンサーのBSQ得
点 (86.71±35.36)は
,米
良他(2001)の
健常者得点 (76.1±27.0)よ
りもかな り高いこ とか ら,ボ
ディイメージの歪みが大きい と考えられた。つま り,バ
レエダンサーは,日
本の一般女性に比べて,ボ
デ ィイメージの歪みが大きく,摂
食障害傾 向が認 め られ る。 先述のよ うに,岡
野(2001)や
Frederick,L。(1992)か
ら,ク
ラシックバ レエが体型 や外見に美的価値 を求める芸術であるため,一般人 とは異なる体型が求められ るとはい え,ボ
デ ィイメージの歪みが 日常生活をも脅かす ものになる可能性は,十
分に考えられ る。一方で,バレエダンサーのK6得
点は,厚生労働省で用い られ るカ ッ トオフ得点(9/10) よ りもかな り低 く,バ
レエダンサーの健康度がかな り高いことが示唆 された。日本のバ レエダンサーは,BMIが
低 く,ボ
ディイメージが歪んでいるにもかかわ らず,精
神的 健康を高 く保つ ことができているといえる。これは,日 本のバ レエダンサーの特徴であ ろ う。今後は,プ
ロダンサーだけでなく,プ
ロを目指すアマチュアのバ レエダンサーに も調査を実施 し,比
較検討す る必要がある。2.摂
食障害傾 向に与える影響 バ レエ歴,BSQ得
点,FFMQの
総得点 とFFMQの
5つ
の下位因子か ら,SRSEDの
総得点,短
縮版得点に与える影響を調べ るために,そ
れぞれ重回帰分析を行 つた。SRSEDの
総得点,ス
ク リーニングテス トとして用い られ るSRSEDの
短縮版得点で も,BSQ得
点に正の有意な標準回帰係数がみ られたことか ら,バ
レエダンサーは,ボ
デ ィイメージの歪みが大きいほど,摂
食障害傾向が高まることが示 された。そのため, 23介入 によつて
,バ
レエダンサーのボデ ィイ メー ジの歪み を小 さくす ることができれ ば, 摂食 障害傾 向を抑制す ることができる可能性がある。 堀江他(2010)の
研 究結果 か らも分 かるよ うに,バ
レエ ダ ンサーがプ ロを 目指す過 程 で,摂
食障害傾 向を示す ことは明 らかである。本研 究デー タで も,よ
り良い環境 を獲 得 しよ うと,厳
しい生活 を しているバ レエ ダンサーでは,か
な り高い摂食障害傾 向が示 されてい る。本研究で,SRSEDの
総得点,SRSEDの
短縮版得点 ともに,バ
レエ歴 と の有意 な負 の標準回帰係数 が算 出 された ことによ り,摂
食 障害傾 向を乗 り越 え,安
定 し たプ ロバ レエダンサーにな ることで,摂
食 障害傾 向を抑制で きるのか も しれ ない。今後 は,よ
り若年層 のバ レエダンサーの摂食 障害傾 向を調査 し,ど
の発達段階で摂食障害傾 向がみ られ な くなるのかを詳 しく調査す る必要がある。しか し先 に引用 した勝り││(2004) が述べているように,また本研究結果か らも,も
ともと摂食 障害傾 向が低い者 のみが,バ
レエ を長 く続 けることができるのではないか とい う可能性 もあるため,更に検討 が必要 となる。SRSEDの
総得点,SRSEDの
短縮版得点 ともに,FFMQの
awareness因
子 に,有
意な負 の回帰係数がみ られた ことよ り
,バ
レエダンサーは,マ
イ ン ドフル な『 気づ き』が 高い者 ほ ど,摂
食障害傾 向が低 い こ とが考 え られ る。この ことよ り,よ
り多 くのダンサ ーが健康的に踊 り続 けるこ とができるために,マイ ン ドフルネス的気づ きに着 日した介 入 をす る必要がある と考 え られ た。 さらに,摂
食障害傾 向に与 える影響 を構造的に検討す るため,Amosを
用いた構造方 程式モデ リングを行 つた。 その結果,重
回帰分析 と同様 に,BSQと
マイ ン ドフルネス との関連 は,認
め られ なかつた。花澤 (2012)力`述べてい るよ うに,バ
レエ ダンサー に も,摂
食障害 とマイ ン ドフルネスには関連があるよ うだが,少
な くともボデ ィイ メー ジを介 して関連があるのではない とい うことが本研 究によって明 らか となつた。 243.精
神的健康に与える影響 バ レエ歴,BSQ得
点,FFMQの
総得点 とFFMQの
5つ
の下位因子から,K6得
点に 与 える影響を調べるために,重
回帰分析を行つた。BSQ得
点 とK6得
点に,正
の有意な標準回帰係数がみ られたことより,ボ
デ ィイメ ー ジの歪みが大きいほど,精
神 的健康が損なわれる可能性が考えられ る。 バ レエダンサーは,FFMQの
nottudging因
子 とK6得
点が負の有意な標準回帰係数 であつたことにより,マ
イン ドフルネス的『 非評価』で,精
神 的健康が高まると考えら れ る。このことより,バ
レエダンサーにマイン ドフアレネスの体験を評価 しないことを目 的 とした介入を行 うことによつて,摂食障害傾 向を低下 させ ることができる可能性があ る。 しか し,バ
レエは芸術活動であ り,あ
る程度の精神的ス トレスによつて,却
つてよ い成果 を出す ことができるとい うこともあろ う。そのため,レ
ッスン前後のス トレッチ 間には,レ
ッスンでの体験 を評価す ることな く,マ
イン ドフルに練習をす ることで,レ
ッスン中に体験 した精神的ス トレスを 日常生活 にまで引きず らないよ うにす ることが できるのではないか と考えられ る。 バ レエダンサーは,FIW[Qの
awareness因
子 とK6得
点は,有
意な負の標準回帰係 数 がみ られたことよ り,マ
イン ドフルネス的『 気づき』が高まるほど,精
神 的健康が高 まることが考えられ る。このことより,マ
イン ドフルネス的な気づきを向上 させ るプロ グラムをバ レエダンサーに行 うことは,ボ デ ィイメージの歪みを小 さくすることととも に,精
神的健康 にも良い影響があると考えられる。BSQ得
点 とFFMQの
obseⅣing因
子に交互作用項の偏回帰係数がみ られたため,単
純傾斜検定を行つた。その結果,マ
イン ドフルネスの『観察』が,高
いバ レエダンサー では,ボ
ディイメージも精神的健康度 も低下 していた。このことか らは,バ
レエダンサ ー には,マ
イン ドフルネス的観察 を下げる介入 をす る必要性が示唆 され る。 しか し,FFMQの
『 観察』は,「髪に吹 く風や,顔
に当たる日光な どの感覚に注意を向ける」「芸 25術や 自然をみるとき
,色 ,形 ,質
感,光
と影のパ ター ンな どの視覚的要素に注意を向け る」な ど芸術的感性 を尋ねる項 目であるため,バ
レエダンサーでは全体的に高い数値 と なつた とも考えられる。バ レエダンサーのマイン ドフルネス『 観察』に関しては,さ
ら に慎重に検討す る必要がある。 さらに,バ
レエダンサーにおけるボディイメージ,マ
イ ン ドフルネス と精神的健康 と の構造的な関連を検討するために,Amosを
用いた構造方程式モデ リングを行つた。そ の結果は,重
回帰分析 と同 じく,マ
イン ドフルネスの『 非評価』 と『 観察』を含むマイ ン ドフルネスか ら,精
神的健康に有意なパスが検出されたことにより,精
神的健康 とマ イ ン ドフルネスの関連は,伊
藤他(2009)と
同様,バ
レエダンサーでも確認できた と 考 えられる。 26Ⅳ
.お
わ りに
本研 究によ り,バ レエダンサーのボデ ィイ メー ジの歪み と精神的健康 の現状 を把握す るこ とができた と考 え られ る。 さらに,バ
レエ ダンサーの現状 を改善す るために,マ
イ ン ドフアレネスは有効であることが示唆 された。 しか し,本研究で用いた内容 は,日本では先行研究のかな り少 ない領域であるために, 質 問紙 に対 しての抵抗感 の大 きいバ レエダンサーに とつて,余りにも直面的な内容 にな って しまい,回
収率が伸びなかつた可能性 が伺 える。今後 は,バ
レエダンサーが′い地 よ く質 問紙 に答 えることがで きるよ う,よ
り柔 らかい調査依頼文章にな るよ う心がけ,よ り丁寧で,よ
り簡単な質問紙 内容 にす る必要がある。 さらに,本
研 究では,フ
リーのダンサー として活躍す る者 か ら,バ
レエ団に属す者そ してバ レエ団の中で特別 な役職 に就いてい る者 な ど,プ
ロの中で も様 々な立場 に立つバ レエ ダンサーが被験者であつたために,そ
の差 も大 き く影響 してい る と考 え られ る。さ らに,バ
レエ団によ り公演回数や収入が全 く異 な り,そ
の ことが精神的健康へ もた らす 影響 も大 きい と考 え られ る。回収 した質問紙 は,バ
レエ ダンサーの気質 によつて大き く 差 があ り,そ
れぞれ のバ レエ団によつて も,特
色があるもの となつた。 バ レエ ダンサーは芸術家であるために,あ
る程度 の精神 的葛藤 が,パ
フォーマ ンスカ の向上へ繋がることは明 らかである。しか し,パ
フォーマ ンスを向上 させ るための葛藤 が,バレエダンサーの 日常生活 にまで悪影響 を及 ぼ して しま う可能性 が本研究で明 らか となつた。今後,本
研究で明 らか となった結果 を,い
かにバ レエダンサーに還元できる か を検討す る必要がある。 27Ⅷ
.引
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年期女子における完全主義認知 とダイエ ッ ト行動および摂食障害傾向 との関連。 日本女性心身医学会雑誌.ゴ4154‐161. 30Ⅳ
.謝
辞
本論文作成 にあたつては,多
くの方々か らご指導,ご
協力いただきま した。 この場 をお 借 りして心か ら感謝申し上げます。 お忙 しい中,調
査にご協力 くだ さつたバ レエダンサーの皆様,調
査に全面協力 して下 さ つた先生方,本
当にあ りが とうございま した。 また,指
導教員である岩井圭司先生には,研
究だけでなく,臨
床場面においても一つ一 つの言葉掛けまで細か くご指導下 さり,今
後の臨床,研
究活動における方向性 を拡げるこ とができた と思つてお ります。 この2年
間,本
当に温か くご指導 して下 さりま した。改め て,岩
井先生のご指導の下,学
ぶ ことができたことを光栄に思います。 そ して,2年
間支えあつた臨床心理学 コース第14期生の皆様,ま
た修了 された諸先輩方 にはとても感謝 してお ります。 平成27年
12月 18日
松尾 妃奈美 31バレエダンサーのボデイイメージに関する調査
皆様 に この ア ンケ ー トをお願 いす るの は、兵庫教育 大学大学 院臨床 心理 学 コース で勉 強 し て いる、松尾 妃奈美 (まつおひ なみ・バ レエ 歴18年)で
す。 この ア ンケ ー トは、ノヽレエダ ンサ ーが 、よ り健康 的 に末 長 くノミレエ を続 ける ことをめ ざす研 究の ため にお こな う調査 で す 。 この ア ンケ ー トに回答 して下 さ つた後 は、す ぐに回J又致 しますので 、他 の方が ア ンケ ー ト 用紙 を見 た り、記入 した こ とにつ いて 聞 いた りす る こ とはあ りません 。また 、答 えて頂 いた 内容 は、すべ てPCで
統 計 的 に分析(Aを
答 え た人が全体 の 〇%な
ど)さ
れ 、個 人の 回答 が 明 らか にされ る こ とは一切 あ りませんので 、安 心 して ご回答 して下 さい。 ア ンケ ー ト用紙 は、全 部 で8ペ
ージ(BMI表
含)あ
ります。心 に浮 か んだ答 え を正確 に 選 んで ○をつ けて いただ く方式 にな つてお りますので 、質 問を よ く読 んで 、お答 え して下 さ い ます よ う、お願 い します。 回答 に必 要 な 時間 は、15分
程度 で す 。質 問 は、読 み とば さな いよ う順番 に記入 して くだ さい。 ただ し、ご回答 中 にご気分 を害 した場合 は、途 中で 中断 して も構 い ませ ん (その場合 も 、 ア ンケ ー ト用紙 は回収 します)。 ご協 力 、よろ しくお願 い致 します。 この ア ンケ ー トに関す るご質 問や ご沐目談 、また は この ア ンケ ー トにお ける調査結果 をご希 望 され る方 は、下 記の運絡 先 まで ご連 絡 下 さ い。 研 究 実施 担 当者 松尾 妃奈 美(兵
庫 教 育 大 学 大学 院 学校 教 育研 究科) EIlllail:[email protected] 研究実施責任者 岩井圭司(兵
庫教育大学大学院 学校教育研究科 教授)1。
まず、あなた自身の ことをお尋ね します。以下の質問に正確 に答えて ください。
① あなたの年齢は
)歳
② あなたの性別は
(
男
/
女 )③ バレエの経験年数は
)年
④ あなたの BMHま
( )
※
8ペ
ージ
(裏表紙
)に
記載 している
BMI表
をご確認の上、ご自分の身長と体重に
当てはまる BMI数 値をご記入 ください。
⑤ あなたは、バ レエを踊る、
得たいと考えていますか。
はい
/
または教え ることで収入を得ていますか。あ るいは、
いいえ
‐2‐2.こ
の頃のあなたの様子 について
当てはまると思 う数字 に○を付 けて下 さい。
29も し無茶食いをするなら,どのくらいの回数しますか。 ①ほとんどしない∼全くしない ③週に1回 ⑤毎日 ② 月に1回 ④ 週 に2∼ 3回 ⑥ 日に2∼ 3回30体
重を減 らすため,下 記のことをしましたか。(数字 にOを
付 けてください。) 全くない1回
/月
1回
/週
2∼
3回/週 1回
/毎
日2∼
3回/日
以上 口匡電±1 2 3 4 5
下剤1 2 3 4 5
利尿剤1 2 3 4 5
6 6 6 い つ も そ ヽ つ し ば し ば そ う 時 に そ う 全 く な い 1いやなときや,つらいとき,たくさん食べてしまいますか。 (41 131 (21 { 2まる1日.全く食 事 をとらないことが あ りますか (4) (3) (2) (3食
事に関する問題で,仕事や学校にさしつかえが出ていますか。 (41 (3) (21 (4毎
日の生活が,食べ物のことについやされてしまつていますか。 (41 (3) (2) {5食
べ 出したら止められず ,お なかが痛くなるほど無茶食 いしたことがありますか。 (41 13) (2)6食
べ 物 の事 で頭 が いっぱいです か (41 (3) (2) ( 7自分の食習慣を恥しいと思いますか。 (41 (3) (2) {8食
べる量をコントロールできないのでないかとIb配になりますか。 (41 (3) (2) (9無
茶 食 いするため に.はめ を外 してしまいます か (41 (3) (210食
べ過ぎた後,後 悔しますか (4) (3) (2) 1あなたがもっと食べるよう,家 族が望んでいるように思いますか。 (4) (31 (2) (2み
んなからやせているといわれますか (4) (3) (2)3み
んなが少しでも多くあなたに食べさせようとしていますか {41 (3) (2)4体
重が増えすぎるのではないかと心配をしますか。 (4) (3) (2) (5下
剤 を使 っています か 14) (31 (216食
べ たカロリーを使 いはたそうと一 生 懸 命 に運 動 しています か (4) (3) (2)7い
つも胃の中を空つぱにしておきたいと思いますか。 (41 131 (218食
後,口E吐したい衝動にかられますか (4) (3) (2)9体
重 が増 えるのを恐 いと思 います か (41 13) {2) 20あ なたは体重にとらわれ過ぎていると思いますか。 (4) (3) (21 21みんなから非常 にやせ ていると思われていますか。 (41 131 (2} 22食後.口E吐しますか 。(吐き出す) (41 (3) (2) 23普通 にご飯 を食 べ た後 でも,太った気 になりますか (41 (31 (2) 24少 しでも体重が増えると,ずつと増え続けるのではないかと心配になりますか。 (41 (3) (2) 25自 分は役に立つ人間でみんなに必要だと思われていると思いますか 141 (31 (2) 26この 頃,異性 に対 して関 心 がなくなりましたか (4) (3) (2) 27非常に多くの量を無茶食いしたことがありますか。 141 13) (2128""も
しそうなら,そ の ときみ じめな気持ちになりましたか。 (4) (3) (2) ・3‐3.以
下の質問 は普段 のあなたにどの程度当てはまるで しょうか。
当てはまる数字を一 つ○ でかこんで ください。
ま っ た く あ て は ま ら な い め っ た に あ て は ま ら な い た ま に あ て は ま る し ば し ば あ て は ま る い つ も あ て は ま る 1 歩いているときに、自分の身体が動いている感覚に意識的に注意を向けるよう にする。 1 2 3 4 5 2 自分の感情を表現する言葉を見つけるのが得意である。 1 2 う 0 4 53
不合理または不適切な感情をいだいたことで自分を責める。 1 2 3 4 5 4 ない自分 の気 分 や感情 に気づきつつ、それ にどうしても反 応 してしまうということは ^ 1 2 3 4 55
何 かをする時、意識がどこかにそれて簡単に気が散る。 1 2 3 4 5 6 シャワーを浴びたり、入浴している時、お湯が 自分の身体に当たる感覚に敏感 である。 1 2 3 4 5 7 私 は、簡単に自分の信念 、意見、期待を言葉にできる。 1 2 3 4 58
空想にふけつたり、心配したり、さもなけれ ば、気が散つて、自分がやつているこ とに注意を向けていない。 1 2 3 4 59
感情を見守つていても、その中に迷い込むことはない。 1 2 3 4 510
自分の感じ方に対して、そんなふうに感じるべきではないと自分に言い聞かせ Zヽ ^ 1 2 3 4 5 食べ物や飲み物がどのように自分の考え、身体の感覚、感情に影響を及ぼす かに気づく^ 1 2 3 4 5 12 私 にとつて、自分が考えていることを表現する言葉を見つけるのは難しい。 1 2 3 4 513
簡単に気が散る。 1 2 3 4 5 14 自分の考えの一部 は異常か、悪いものだと思うし、そう考えるべきではないと思 つ ^ 1 2 3 4 5 15 髪 に吹く風や、顔に当たる日光などの感覚に注意を向ける。 1 2 3 4 5 16 自分が物事についてどう感じているかを表現するぴつたりとした言葉を思いつく のに苦労する。 1 2 3 4 5 17 自分の考えが良いか悪いか判断する。 1 2 3 4 5 18 目の前で起きていることに集 中し続けるのが難しいと感じる。 1 2 3 4 5 19 つらい考えやイメージが浮かんだとき、大抵それに心を占領されることなく、一朱 下 が ぅで 子 わ .λ弗音 諦 i^τ ぶ く^ 1 2 3 4 5 20 時計が時を刻む音 、鳥がさえずる声、車が通る音などの音に注意を向ける。 1 2 3 4 5 ‐4‐ま っ た く あ て は ま ら な い め っ た に あ て は ま ら な い た ま に あ て は ま る し ば し ば あ て は ま る い つ も あ て は ま る 21 難 しい状 況 で、慌 てて反 応することなく、一呼吸 おくことができる。 1 2 3 4 5 22 自分の身体 に何かを感じた時、ぴつたりとした言葉を見つけることができな いために、それを表現するのが難 しい。 1 2 3 4 5 23 自分がしていることをあまり意識せずに「 自動操縦 」で動いているみたいで ある。 1 2 3 4 5 24 つらい考 えやイメージが浮 かんだとき、大抵 じきに気持ちが落ち着 く。 1 2 3 4 5 25 自分 の考 え方 に対 してそんなふうに考 えるべきではないと自分 に言 い聞か せる。 1 2 3 4 5 26 物事 の匂 いや 香 りに気 づく。 1 2 3 4 5 27 ひどく混乱 した時でさえ、何 とかそれを言葉で表現 できる。 1 2 3 4 5 28 十分に注意を払わずに、性急に物事をすすめる。 1 2 3 4 5 29 つらい考 えやイメージが浮 かんだとき、大抵 何 とか しようとせず にただそれらを見つめ ることが できる ^ 1 2 3 4 5 30 自分 の 感 情 のいくつか は不適 当また は不適 切 であり、それ らを感 じるべき ではないと思 うハ 1 2 3 4 5 31 芸 術 や 自然 をみ るとき、色 、形 、質感 、光 と影 のパ ターンなどの視 覚要素 に 注意 を向 ける. 1 2 3 4 5 32 自分 の体 験 を言葉 で表現する傾 向をうまれ もっている。 1 2 3 4 5 33 ′υbい石 え で ■' ン 刀`浮 刀"た こ ざ 、人 啓 て7Lらに 罠 つ くた 1アで 双 つ て お 1 2 3 4 5 34 自分がしていることに注意を払わずに自動的に仕事をしている。 1 2 3 4 5 35 辛 い考 えや イメージが 浮かんだとき、大抵 その 内容 によって自分が 良かつたの か 栗 かったの か評価 する ^ 1 2 3 4 5 36 ス目 分 の 恐 情 か ど の よ つに 目 分 の 考 え や 行 動 に 影 響 す る か に 注 意 を 同 け 1 2 3 4 5 37 たいてい現在 自分がどのように感じているかをかなり詳細に表現すること ができる。 1 2 3 4 5 38 気がつくと、注意を払わずに何かをしている。 1 2 3 4 5 39 不合理な考えをいただいた時、自分に不満をいだく。 1 2 3 4 5