国語科「読むこと」における発問の研究~読みを深めるための発問の表現・構成方法~
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(2) にとって読みを深めるための発間とは、どのよう. においても、著者の発間の構成では、イメージの. な特徴を持っているかを分析する。それとともに、. 形成の広まりが、他の教諭に比べて少ないという. 授業における児童の反応より、著者が行った各授. 事実や、一つの発間からさらに発間することで思. 業の目標が達成できていたかを分析し、発問のよ. 考を深めるというっながりが少ないという事実. しあしについて考察する。. もあった。. 第4章においては、第3章の実践事例を踏まえ 3.研究の成果. た上で、著者の授業を基にした主発問例を11例. 第1章においては、まず、「国語科教育」を学. 挙げている。11の主発問にはそれぞれ解説を加え、. 校の国語科という教科において、意図的、系統的. 発問を設定した意図や導き出したい児童の思い. な言葉の教育と定義したうえで、r読むこと」を、. について述べている。それに加えて、児童の11. 人が虚構の物語世界を疑似体験し(=虚構体験)、. の主発問のうち、8主発問については、補助発間. そこに自分なりの価値を見つけていくこと(=意. を加えており、三つ補助発問と一つの主発問で授. 味産出)と定義した。そして、辻村による物語の. 業の展開を考えている。. 読書行為の具体的モデルを利用し、物語を読む力 の形成を①イメージの形成②一貫性の形成③一. 4.今後の課題. 貫性の揺らぎから「読み」の確立④「読み」の価. 辻村の学習指導の過程によると、物語を読む力. 値づけの四段階に分け、学習指導要領と照らし合. は、第1次にr子ども自身による〈読み〉の形成」、. わせ、実際にそのような力を授業においてどのよ. 第2次に「〈物語を読む力〉を働かせた読み深め」、. うに養っていくか、低・中・高学年に分け、発達. 第3次に「表現への転化と交流」と三つの過程に. の見通しを立てた。. 分けられている。この指導過程と本報告書を照ら. 第2章においては、A小学校で行った著者の授. し合わせて考えてみると、第1次と第2次の過程. 業実践について述べている。授業は全14時間行. については、述べることができたが、第3次にお. い、「スーホの白い馬」のお話を説もうを4時間、. いては、実践および研究することができなかった。. 「スーホの白い馬」のお話を楽しもうを10時間. 児童同士の交流を促す発間や、児童同士の意見を. それぞれ行った。お話を楽しもうについては、「ス. つなげる発問を考えることが今後の課題である。. ーホの白い馬」を七場面に分け、児童の初読の感 想を基に、著者が各場面の課題を設定し、その課. 【主な引用・参考文献】. 題に沿って、著者が発問したことに対し、児童が. ・木下ひさし『国語科発間づくりの基礎基本』明. 自分のイメージを出し合った。また、特に大事な. 治図書2009年. 一文は、視写を行い、児童の読みの深まりを期待. ・瀬川栄志『国語科の形成的評価入門』明治図書, 1981年。. した。. 第3章においては、前章において設定した各場 面の課題に対し、発問が適切に行われていたかを 作成した授業記録から分析した。分析した視点と しては、辻村のモデルに加え、中原の発間のよし. あしも参考にしている。その中でも、特に第6場 面では、著者の授業を、A教諭、B教諭の授業と 比較することで、著者と教諭との違いに着目した。. ・辻村敬三『物語を読む力を育てる学習指導論一 一もう一つの“読解力”を拓く』漢水仕2009年。 ・飛目ヨ多喜雄編『カをつける発問・板書・ノート』. 明治図書,1985年。 ・森田信義他『国語科教育学の基礎』漢水仕,1993 年。. (主任指導教員 大西 久 准教授). その結果、授業の構成では著者の授業において、. 学習内容の過多という事実があった。また、発問. _487一.
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