Title
創傷治癒におけるプラスミノーゲン・アクチベーターの役
割の分子生物学的解析( はしがき )
Author(s)
高木, 肇
Report No.
平成8年度-平成9年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(C)(2)
課題番号08670959) 研究成果報告書
Issue Date
1997
Type
研究報告書
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/322
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。はしがき 細胞骨格一紙胞接着系の構造分子は細胞外シグナルに対応して集合と離脱を動的 に繰り返し、細胞の分化と増殖に深く関わっています。本研究は、水痘症の発症機 序・創傷治癒機構の分子医学的解明をモデルとして、ケラチノサイトの細胞骨格-一 細胞接着系分子構造の機能的制御機構を細胞遊走の点から、分子細胞生物学的に解 明するという目的で始めました。 表皮ケラチノサイトは分化しますが、細胞骨格、細胞間接着構造、細胞-一基底膜 間接着構造を介して互いにあるいは真皮と強靭に接着しています0これらの接着は、 創傷の治癒過程で形成と離開を繰り返す動的構造です。さて、ケラチノサイトでは 基底膜との接着構造分子が分裂・分化の制御とそのシグナル伝達に関与しています0 その構造としてはhemidesmosomeがあり、分子としては180kD類天癌瘡抗原 (BPA)、230kD-BPA、各種のインテグリンが知られていますがシグナル伝達機構 についてはほとんど分かっていません。 基礎的生化学的研究に関して、180kD-BPAをプローブとしてhemidesmosc)111e の形成と分散が低Ca2+一高Ca2+シフトおよびホルポール・エステル(TPA)処理 で制御できることが見いだされ、またalI)ha6beta4インテグリンと共に結合す ることが示されています。 これらの動的構造変化にともなって、プラスミノーゲン・アクチベーターの合成 と分泌が見られることから、蛋白分解酵素の関与が推察されています0このプラス ミノーゲン・アクチベーターは各種腫瘍細胞において、活性の上昇が報告され、 転移・遊走に関与する因子として注目されています0一方、コラーゲン・ゲルは真 皮細胞外マトリックス研究のinvⅣ0モデルとして用いられ、インテグリン・ glycosaminoglycans・fibronectinなどの関連が示唆されていますo