Title
界面活性剤添加による抵抗軽減と伝熱促進( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
佐藤, 公俊
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第099号
Issue Date
1999-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1820
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氏名 (本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番 号 学位授与年月 日 専 攻 学位論文題 目 佐 藤 公 俊(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 99 号 平成11年 3 月 25 日 生産開発システム工学専攻
界面活性剤添加による抵抗軽減と伝熱促進
(Drag Reduction and Heat Transfer Augmentation of Surfactant Additives in a TYO-DiJnenSionalChannelFlov)
学位論文審査委員
(主査) 教 授 熊 田 雅 漸 (副査) 教 授 若 井 和 憲 教 授 井 上 晃 助教授 三 松 順 治論文内容の要旨
熱交換器の高性能・コンパクト化のために、乱流促進体(タービュレンスプロモー タ)や渦発生体装着による受動的技術の適用は、積極的な乱れの付与により高い熱伝 達率を可能にするが、一方で抵抗増加に結びつき流体の搬送動力増加に帰結し、熱伝 達促進の利得を消費してしまう。そのため、この様な技術開発は、加工技術の限界に 近く現状では成熟期と言える。したがって、流動抵抗の低減という観点から熱交換器 の高性能化を計る新しい技術開発が、重要である。本論文は、水に比して大幅な流動 抵抗低減を示す界面活性剤水溶液の流れに着目し、圧力損失低下と同時に発生する熱 伝達低下を克服するために、乱流促進体を使用することにより、抵抗低減を多少犠牲 にしても熱伝達率の低下を抑え、ポンプ動力基準の性能評価において優れた熱交換シ ステムを開発することを目的としている。同時に、抵抗低減流れの機構を明らかにす ることにより、乱流促進体の最適化を検討したものである。本論文は、7章から構成 されるものであり、以下、各章の内容の要旨を述べる。 第1章では、対流熱伝達促進技術、並びに圧力損失低減を目的とする抵抗低減を示 す界面活性剤水溶液について、従来の抵抗低減のメカニズムに関する研究、および熱輸送システムの作動媒体に用いられる背景、特徴、熱伝達特性に関する研究について
総括している。抵抗軽減流れに乱流促進体を適用した例は皆無で、その知見の重要性 を指摘している。 第2章では、本研究に用いた実験装置および測定方法について詳述している。作動条件で行っている。流れの計測には、非接触測定を前提に、従来の点計軌による平均 情報の限界を克服する意味で、乱流挙動の解明を目的に、時空間の計測可能・な半草体 レーザを用いた速度分布計測LDVを使用している。 第3章では、二次元チャンネル内流れに対して、乱流域での管摩擦係数を水溶液濱 度およびプロモータ形状をパラメータに軌定し、平滑流路および乱流促進体装着流路 における面活性剤水溶液の流動抵抗への影響を論じている。特に、諸因子に係わらず、 抵抗軽減効果には、限界レイノルズ数が存在することを明らかにしている。相似な形 状の流路の結果より、流速が重要な因子であることを指摘している。 第4章では、二次元チャンネル内の界面活性剤水溶液の流れの局所熱伝達特性、特 に、抵抗低減流れにおける乱流促進体装着による熱伝達促進効果について検討してい る。抵抗軽減流れにおいても、乱流促進体の効果は基本的に有効であることを明らか にしている。従来の平滑流路における結果は、抵抗低減発生と同時に大きく低下する。 これに対し、乱流促進体を流路に装着することによって生じる代表的な効果、すなわ ち再付着効果と縦渦による乱流維持が水における特性を抵抗軽減流れにおいても維持 される。これより平均熱伝達の結果より、どの形状の乱流促進体が有効であるかを検 討している。 第5章では、乱流促進体による積極的な乱れの付与は熱伝達を向上させる反面、圧 力損失の増加を招き、その程度如何によっては性能の低下につながることになるとい う観点から、第3章と第4章での結果を、ポンプ動力基準での熱的性能比較を行って いる。再付着効果による伝熱促進は、形状抵抗の増加に起因するため、抵抗増加によ って相殺され、性能向上の効果は殆ど期待されないことを明らかにしている。縦渦に よる効果は、熱伝達促進効果は大きくないが、抵抗軽減を比較的維持しているため性 能向上に繋がっていると指摘している。 第6章では、時空間計測可能なレーザー流速計を用いて流れ場の詳細な測定により、 乱流促進体下流の渦を伴った流れ機構を明らかにし、それより熱伝達促進の最適化を 検討している。時系列データより渦挙動=乱流構造を明らかにすることによって、界 面活性剤がどのように乱流=渦を抑制するかを明らかにしている。乱れエネルギーの 低周波数域への移行と粘性底層の増加など従来の結果に加え、大きな基本的な相違は、 壁乱流と自由乱流とに存在することを明らかにしている。したがって、乱流促進体で 再付着効果を期待したものは、粘性底層の構造破壊に繋がらないが、縦渦効果を期待 した場合は、下流まで消滅・減衰しないため、その結果として熱伝達率の低下と維持 が生み出されるものと明らかにしている。これより、乱流促進体による発生渦の構造 とミシェルなど界面活性剤のミクロ的な構造との解明が、どのような乱流促進体が効 果的であり、同時に抵抗低減機構の解明の上でも重要であると指摘している。 第7章では、第2章から第6章までの界面活性剤水溶液の流れと熱伝達特性とその 機構についての研究結果を総括し、まとめた。
学位論文等審査結果の要旨
本論文は、水に比して大幅な流動抵抗低減を示す界面活性剤水溶液の流れに着目し、 圧力損失低下と同時に発生する熱伝達低下を克服するために、乱流促進体を使用する ことにより、ポンプ動力基準の熱的性能評価において優れた熱交換システムを開発す ると同時に、抵抗低減流れの機構を明らかにすることにより、乱流促進体の最適化を 検討したものである。乱流促進体や渦発生体装着による受動的技術の適用は、加工技 術の限界に近く現状では成熟期であり、流動抵抗の低減という観点から熱交換器の高 性能化を計る新しい視点はの技術開発は重要である。 第1章では、対流熱伝達促進技術、並びに圧力損失低減を目的とする抵抗低減を示 す界面活性剤水溶液について、従来の抵抗低減のメカニズムに関する研究、および熱 輸送システムの作動媒体に用いられる背景、特徴、熱伝達特性に関する研究について 総括している。抵抗軽減流れに乱流促進体を適用した例は皆無で、その知見は極めて 重要である。 第2章では、本研究に用いた実験装置および測定方法について詳述している。界面 活性剤として抵抗低減をもたらす添加剤の中で耐久性のある代表的な陽イオン界面活 性剤の塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を用い、二次元チャンネル閉ルー プにおいて流動抵抗、熱伝達率、流れの諸量の測定を行っている。乱流促進体として、 再付着効果.と縦渦の発生を視点に、二次元フェンス、のこ歯状フェンス、半円打抜き 板、三角翼列を選択している。特に、せん断力と熱伝達率の非相似性に注目している。 熱伝達率の測定は、局所測定が可能なように分割ブロック法による等温壁の条件で行 っている。流れの計測に、非接触測定を前提に、渦を伴う流れ場の測定可能な、速度 分布計軌の可能な速度分布計測L DVを使用していることが特徴である。 第3章では、二次元チャンネル内流れに対して、乱流域での管摩擦係数を水溶液濃 度およびプロモータ形状等の諸因子をパラメータに測定し、平滑流路および乱流促進 体装着流路における面活性剤水溶液の流動抵抗への影響を明らかにしている。特に、 諸因子に係わらず、抵抗軽減効果には、限界レイノルズ数が存在することを明らかに している。また、相似な形状の流路の結果より、流速が重要な因子であるこという新 しい知見を提示している。 第4章では、二次元チャンネル内の界面活性剤水溶液の流れにおける局所熱伝達特 性、特に、抵抗低減流れにおける乱流促進体装着による熱伝達促進効果について検討 している。抵抗軽減流れにおいても、乱流促進体の効果は基本的に有効であることを 明らかにしている。従来の平滑流路における結果は、抵抗低減発生と同時に大きく低 下する。これに対し、乱流促進体を流路に装着することによって生じる代表的な効果、 すなわち再付着効果と縦渦による乱流維持が水における伝熱特性を抵抗軽減流れにお いても維持されことを明らかにしている。また、平均熱伝達の結果より、どの形状の第6章では、乱流促進体下流の渦を伴った流れ機構を明らかにするため、時空間同 時計測可能なレーザー流速計を用いて流れ場の詳細な測定を行っている。時系列デー タより渦挙動=乱流構造を明らかにすることによって、界面活性剤がどのように乱流 =渦を抑制するかを明らかにしている。乱れエネルギーの低周波数域への移行と粘性 底層の増加など従来の結果に加え、大きな基本的な相違は、壁乱流と自由乱流とに存 在することを明らかにしている。乱流促進体で再付着効果を期待した場合は、粘性低 層の構造破壊に繋がらないが、縦渦効果を期待した場合は、下流まで消滅・減衰しな いため、その結果として熱伝達率の低下と維持が生み出されることを明らかにしてい る。この様な抵抗軽減流れに乱れを付与した場合の流れ構造の研究は皆無であり、こ の知見は、界面活性剤添加流れの構造を解明する上で極めて重要である。これより、