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学位論文題名Functions of Phosphate―Solubilizing Microorganism in Tropical Acidic and Low Phosphorus Soils

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 農 学 )    ア シ ャ ラ ベ ン グ ノ ー

     学位論文題名

Functions of Phosphate ―Solubilizing Microorganism in     Tropical Acidic and Low Phosphorus Soils

(熱帯の酸性および低リン土壌におけるりン可溶化微生物の機能)

学位論 文内容の要旨

要約

タイ南部には、硫酸酸性土壌や泥炭、ポドゾル性砂質土壌、塩の影響を受けた硫酸酸性土壌 など、様々な不良環境土壌が分布しているが、これらの土壌は不毛であり、強く酸性化している。し か し な が ら 、 土 着 植 物 で あ るMelaleuca ca叩uぬ やMぬstDmameぬ6a捌cum、S口 ぱ ぬ sumatrensisはこれらの土壌でもよく生育する。これらの植物の根圏および根面の菌数を明らかにす る ため に、 リン 源と して5 mgl.ipのKH2P04を含 む改 良Pikovakaya培地(pH 4.0)上 でその数を 調べた。Oryza sativaの根圏および根面において菌数は多く、それぞれ、2.70xl07および1.50xl07 cfu/g根だった。不良環境土壌では、リンは植物の生育において重要な役割を担っているため、リン 溶出菌をターゲットとした研究を行った。リン源として5 mgl.ipの異なるりン形態;AIP04、FeP04、 Na phytateを含む改良Pikovakaya培地(pH 4.0)を用いて微生物の単 離を試み、この培地に生育で

きる12種類の微生物を単離した。これらの微生物は、M. malabathricumを除くすべての土着植物 の根圏と根面の両方から単 離された。この12種類の微生物のうち、5種類は硫酸酸性土壌由来のも のであった。16S rRNAのシーケンス解析により、単離されたこれらの 微生物はAcidocella sp.や Acidosphaera rubrf′adenS、Bu轟由甜de門aSp.、B班t始甜der ぬ打〔pjC,aヱぬ、Cり′p¢DCDCCuS8p.に属し

ていることが分かった。Oryza sativaの根圏および根面から単離されたものは両方ともCryptococcus sp.に属していた。

単離されたすべての微生物が、5 mgl.ipの異なるりン形態;AIP04、FeP04、Al phytate、     ―119―

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Fe phytate、Na phytateを含む改良Pikovakaya培地(pH 4.0)で生育することができた。すべての 微生物培養において培地中のpHは最初の4.00からより酸性側(pH 3.63‑2.47)に減少した。しかしな がら、単離した微生物からの有機酸分泌は、その酸性化には貢献していなかった。単離された12種 類の微 生物の うち、Cryptococcus sp.の3種 類;AR 101、AR 102、PM 103は、他の微生物と比べ

て、生育量が著しく高く、またその培地でのpH低下も大きかった。単離されたCryptococcus sp.の すべてにおいて、他のものよりも3‑4倍高い酸性ホスフんターゼ活性が確認された。さらに、これら の酸性ホスファターゼ活性は、無機態リンと有機態リンの両方を含んだすべての培地において、フイ ターゼ活性よりも著しく高かった。単離された微生物の働きにより生成される可溶性リンの培地での 濃度は非常に低かった。

Alがりン 溶解菌 、Cryptococcus 8p; AR 101、AR 102、PM 103の機能に及ぼす効果を、5mg 1゜ipの異なるりン形態;KH2P04、」¥lP04、FeP04、Al phytate、Fe phytate、Na phytateを含む

改良Pikovakaya培地(AICl3で0―10 mgl・1 ADを用いて明らかにした。無機態リンを含む培地、そ の中 でも特にKH2P04を含む培地で、Alの添加によりこれらのりン溶解菌の生育が促進された。そ れとは対照的に、Alを添加した有機態リン培地では、これらの微生物の生育は抑制された。また、

Alの添加により有機態リン培地のpHの上昇が見られた。すべての微生物の酸性ホスファターゼ活性 は、Alを添加した無機態リン培地で上昇した。一方、有機態リン培地においては、Alの添加により AR 101とAR 102の酸性 ホスフ ァターゼ 活性は減 少した 。PM 103のフ ィターゼ 活性は、すべての 培地に おいて他 の微生 物よりも 低かっ た。Al添加 により 、KH2P04とFeP04を含む培地におけるAR 101のフィターゼ活性が高まった一方、Al濃度が10 mgl.1になるようにAIP04を加えた培地ではフ ィターゼ活性の減少が見られた。微生物の細胞へのりン蓄積量は、有機態リン培地よりも無機態リン 培地で多かった。一方、微生物の細胞へのAl蓄積量は、培地のAl濃度に依存していた。

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学位論文審査の要旨 主,査   教授    大崎   満 副査    教授    松井博和 副査    教授    横田    篤 副査    助教授   信濃卓郎 副査    助教授   橋床泰之 副査    助教授   江澤辰広

     学位論文題名

Functions of Phosphate −Solubilizing Microorganismin     Tropical Acidic and Low Phosphorus Soils

( 熱 帯 の 酸 性 お よ び 低 リ ン 土 壌 に お け る り ン 可 溶 化 微 生 物 の 機 能 )

本論文 は、英 文101頁、図3、表13、6章かならなる。

タイ南部には、酸性硫酸塩土壌や泥炭、ポドゾル性砂質土壌、塩の影響を受けた酸性硫酸塩土壌 など、様々な不良環境土壌が分布しているが、これらの土壌は不毛であり、強く酸性化している。し か し な が ら 、 土 着 植 物 で あ るMelaleuca cau.puぬ やM甜astD岡amaぬ6a曲dcu閲 、Sガ ばね sumatrensisはこれらの土壌でもよく生育する。これらの植物の根圏およぴ根面の菌数を明らかにす る ため に 、 リン 源と して5 mgl.ipのKH2P04を含む改 良Pikovakaya培地(pH 4.0)上でそ の数を 調べた。Oryza sativaの根圏および根面において菌数は多く、それぞれ、2.70xl07および1.50x101

cfu/g根だった。不良環境土壌では、リンは植物の生育において重要な役割を担っているため、リン

溶出菌をターゲットとした研究を行った。リン源として5 mgl'lPの異なるりン形態; AIP04、FeP04、 Na phytateを含む 改良Pikovakaya培地(pH 4.0)を用いて微生物の単離を試み、この培地に生育で きる12種 類の微 生物を単 離した。これらの微生物は、M. malabathricumを除くすべての土着植物 の 根圏と根面の両方から単離された。この12種類の微生物のうち、5種類は酸性硫酸塩土壌由来の ものであった。16S rRNAのシーケンス解析により、単離されたこれらの微生物はAcidoceぬ8p.や     ―121―

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Acidosphaera rubrifaciens、Bur舶D耐閉a8p.、Bu心轟甜dem飢卿cam、DゆtocD卵us8p.に属し ていることが分かった。Oryza sa tivaの根圏および根面から単離されたものは両方ともCrypめc叩cus 8p.に属していた。

単 離された すべて の微生物 が、5 mgl.1Pの異なるりン形態;AIP04、FeP04、Al phytate、Fe phytate、Na phytateを含む改良Pikovakaya培地(pH 4.0)で生育することができた。すべての微生 物培養において培地中のpHは最初の4.00からより酸性側(pH 3.63‑2.47)に低下した。しかしながら、

単離した微生物からの有機酸分泌は、その酸性化には貢献していなかった。単離された12種類の微 生 物のう ち、Cryptococcus sp.の3種類 ;AR 101、AR 102、PM 103は、他の微生物と比べて、生

育量が著しく高く、またその培地でのpH低下も大きかった。単離されたのyptococcus sp.のすべて において、他のものよりも3‑4倍高い酸性ホスファターゼ活性が確認された。さらに、これらの酸性 ホスフんターゼ活性は、無機態リンと有機態リンの両方を含んだすべての培地において、フィターゼ 活性よりも著しく高かった。単離された微生物の働きにより生成される可溶性リンの培地での濃度は 非常に低かった。

  Alがりン 溶解菌、Cryptococcus sp; AR 101、AR  102、PM 103の機能に及ばす効果を、5mgl'lP の異な るりン形 態;KH2P04、AIP04、FeP04、Al phytate、Fe phytate、Na phytateを含む改 良 Pikovakaya培地(AICl3で0−10 mgl.iADを用いて明らかにした。無機態リンを含む培地、その中で も特にKH2P04を含む 培地で、Alの添加 によりこれらのりン溶解菌の生育が促進された。それとは 対照的 に、Alを添 加した有機態リン培地では、これらの微生物の生育は抑制された。また、Aの添 加により有機態リン培地のpHの上昇が見られた。すべての微生物の酸性ホスファターゼ活性は、Al を添加した無機態リン培地で上昇した。一方、有機態リン培地においては、Alの添加によりAR 101 とAR 102の酸 性ホス ファター ゼ活性は 低下した。PM 103のフィターゼ活性は、すべての培地にお いて 他 の 微 生物 よ り も低 か った。Al添加に より、KH2P04とFeP04を 含む培 地におけ るAR 101の フィタ ーゼ活性 が高まった一方、Al濃度が10 mgl‑lになるようにAIP04を加えた培地ではフィター ゼ活性の低下が見られた。微生物の細胞へのりン蓄積量は、有機態リン培地よりも無機態リン培地で     f

多 か っ た 。 一 方 、 微 生 物 の 細 胞 へ のAl蓄 積 量 は 、 培 地 のAl濃 度 に 依 存 し て い た 。 本研究の結果から、熱帯のりン栄養が制限された不良環境土壌に生育する植物種のりン獲得に、難     ―122―

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利用性リンの可溶化能を持つ根圏および根面微生物が深く関与している可能性が示唆された。本研究 により得られた知見は学術的に高く評価されるとともに、不良環境土壌の農業利用や破壊された生態 系の修復のために極めて有益な情報を提供するものである。よって審査員一同は、Ashara Pengnoo     ´

が博士(農学)の学位を受けるに十分な資格を有するものと認めた。

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参照

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