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論文審査委員

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 針生

ハ リ ウ

正嗣

マ サ ツ グ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(放射線学)

学 位 記 番 号 健博 第

149

号 学位授与の日付 平成

30

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 ポータル画像の画質改善のための減算・再投影処理の実用性に関す

る研究

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 齋藤 秀敏 委員 准教授 明上山 温

委員 教 授 阿部 慎司

(

茨城県立医療大学

)

【論文の内容の要旨】

画像誘導放射線治療(image guided radiation therapy; IGRT)は,治療計画時に取得される 基準画像と照射時に取得される照合画像を照合し,患者位置の変位を修正する照射技術で ある。その一つに,リニアックの

Megavoltage(MV)X

線と

Electronic portal imaging device

(EPID)により取得されるポータル画像を照合画像として用いる方法がある。

IGRT

では画 像上の骨構造,臓器輪郭および金マーカ等を用いるため照合画像の良好な画質が求められ る。しかし,ポータル画像の画質は,人体から

EPID

へ入射するコンプトン散乱光子により 低画質となる。

よって本研究では,ポータル画像の画質改善のため,Monte Carlo(MC)シミュレーショ ンを介した減算・再投影処理という新たな画像処理アルゴリズムを提案し,その有用性を 評価した。また,

graphics processing units(GPU)による超並列計算により,MC

シミュレー ションおよび提案したアルゴリズムを高速化させ,その実用性について調査した。

提案したアルゴリズムは減算,再投影の二段階処理とした。まず患者データを用いた光

子輸送

MC

シミュレーションにより

EPID

入射光子を詳細にサンプルし,散乱光子による

EPID

シグナルを除去する減算処理を行った。その後,散乱光子を一次光子として

EPID

入射させ,再投影光子によるシグナルを強調/抑制させる

weight factor w

を調整することに

より,

EPID

シグナルを強調する再投影処理を行った。この処理では,

EPID

へ入射した光子

のシンチレータ層における吸収線量を計算に用いるプロセスがある。しかし,

MC

シミュレ

ーションによる

EPID

内の電子の追跡は長時間を要する。よって

EPID

に入射した1光子に

よるシンチレータ層の線量広がり関数を取得し,開発コードに実装することで減算・再投

影処理を効率化した。その後,胸部ファントムのポータル画像に対して本処理を適用し,

(2)

博士学位論文内容の要旨

その有用性を評価した。その結果,ヒストリー数

1.5×1010

w =1.0

のパラメータ設定により,

減算処理のみでコントラストが改善し,さらに再投影処理により

SNR

を保持しつつ画像コ ントラストの強調が達成されることを明らかにした。しかし,この画像処理には少なくと も

6

時間を要した。

MC

シミュレーションを高速化するため,マクロセル法を用いた

GPU

光子輸送

MC

(GPUMC)シミュレーションを開発した。また,

GPUMC

コードの信頼性を確認するため,

汎用

MC

コード(EGS5)との比較を行った。種々のマクロセルサイズにおける

GPUMC

シ ミュレーションの光子サンプリングの結果は,

EGS5

と良く一致した。

GPU

コンピューティ ングの時間は,central processing unit(CPU)コンピューティングに対して最大で約

600

倍 の高速化が可能となった。また,人体に対する

MC

シミュレーションにおいて,マクロセ

ル法は

Woodcock

法より計算効率が優れることを明らかにした。さらに,減算・再投影アル

ゴリズムも

GPU

に実装することで,全処理時間は

CPU

コンピューティングに対して約

200

倍高速化でき,約

1

分半でポータル画像のコントラスト強調処理が可能となった。

他部位への有用性検討のため骨盤部のポータル画像に本手法を適用した結果,減算・再 投影処理は

w=1.0

およびヒストリー数

1.5×1010

のパラメータにより画像コントラストの強調 に有用となることが明らかとなった。また,本処理法の応用として,コンプトン散乱点の

CT

値の違いから再投影画像を複数作成し,各画像のシグナルを

w

により強調/抑制すること で,任意物質のシグナルを選択的に強調した。その結果,減算・再投影処理では,骨構造 の強調や骨に重なった模擬腫瘍の選択的な描出が可能であることを明らかにした。

以上より,本研究で考案した減算・再投影処理がポータル画像の画質改善に有用である

ことを確認し,また

GPU

実装による高速化によって,その実用性を明らかにした。

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