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全文

(1)

1

オングリザ錠

2.5 mg

オ ン グ リ ザ 錠

5 mg

医薬品製造販売承認申請書添付資料

2 部(モジュール 2):CTD の概要(サマリー)

2.6.6 毒性試験の概要文

大塚製薬株式会社

(2)

2.6.6 毒性試験の概要文 2

目次

目次

...2

略号一覧

...4

2.6.6 毒性試験の概要文...7 2.6.6.1 まとめ...7 2.6.6.2 単回投与毒性試験...16 2.6.6.2.1 マウス単回経口投与毒性試験(GLP 適用)...16 2.6.6.2.2 ラット単回経口投与毒性試験(GLP 適用)...16 2.6.6.2.3 サル単回投与用量設定毒性試験(GLP 非適用)...16 2.6.6.2.4 サル単回投与毒性試験(GLP 適用)...16 2.6.6.3 反復投与毒性試験...18 2.6.6.3.1 ラット反復経口投与毒性試験(GLP 適用,一部非適用)...18 2.6.6.3.2 イヌ反復経口投与毒性試験(GLP 適用,一部非適用)...21 2.6.6.3.3 カニクイザル反復経口投与毒性試験(GLP 適用)...25 2.6.6.4 遺伝毒性試験...28 2.6.6.4.1 In vitro 試験(GLP 適用,一部非適用)...28 2.6.6.4.2 In vivo 試験(GLP 適用) ...29 2.6.6.5 がん原性試験...32 2.6.6.5.1 マウス3 ヵ月経口投与用量設定試験(GLP 適用)...32 2.6.6.5.2 マウス104 週間反復強制経口投与がん原性試験(GLP 適用)...33 2.6.6.5.3 ラット3 ヵ月経口投与用量設定試験(GLP 適用)...34 2.6.6.5.4 ラット104 週間反復強制経口投与がん原性試験(GLP 適用)...34 2.6.6.6 生殖発生毒性試験...36 2.6.6.6.1 ラット受胎能及び初期胚発生に関する試験(GLP 適用)...36 2.6.6.6.2 胚及び胎児発生に関する試験(GLP 適用,一部非適用)...37 2.6.6.6.3 ラット出生前及び出生後発生に関する試験(GLP 適用)...39 2.6.6.7 局所刺激性試験...42 2.6.6.7.1 ウシ角膜の混濁及び透過性試験(GLP 適用)...42 2.6.6.7.2 ウサギ皮膚刺激性試験(GLP 適用)...43 2.6.6.8 その他の毒性試験...44 2.6.6.8.1 抗原性試験(GLP 適用) ...44 2.6.6.8.2 免疫毒性試験(GLP 適用,一部非適用)...44 2.6.6.8.3 探索的中枢神経毒性試験(GLP 適用,一部非適用)...47

(3)

2.6.6 毒性試験の概要文 3 2.6.6.8.4 カニクイザル探索毒性試験(GLP 非適用)...58 2.6.6.8.5 BMS-510849 分析ブリッジング試験(GLP 適用)...65 2.6.6.8.6 不純物/分解物に関する試験(GLP 適用)...67 2.6.6.8.7 その他の試験(GLP 適用,一部非適用)...70 2.6.6.9 考察及び結論...79 2.6.6.10 図表...90

(4)

2.6.6 毒性試験の概要文 4

略号一覧

略号 省略していない表現

APD50 action potential duration at 50% depolarization (50%再分極時活動電位持続時間) APD90 action potential duration at 90% repolarization

(90%再分極時活動電位持続時間) AUC area under the concentration versus time curve

(濃度時間曲線下面積)

AUEC area under the effect-time curve (効果-時間曲線下面積) BMS Bristol-Myers Squibb

CD Caesarean derived (帝王切開由来の) Crl:CD-1 Charles River: CD-1 マウス

Crl:SD Charles River: Sprague Dawley ラット Cmax maximum concentration (最高濃度)

CNS central nervous system (中枢神経系) CN cyanide (シアン化物)

DMSO dimethyl sulfoxide

DNA deoxyribonucleic acid (デオキシリボ核酸) DPP dipeptidyl peptidase

ECG electrocardiogram (心電図) E. coli Escherichia coli (大腸菌) Emax maximum effect (最大効果)

Emin minimum effect (最小効果)

F female (雌) F0 maternal generation (母世代) F1 first generation (第一世代) F2 second generation (第二世代) F344 Fischer 344 ラット F344 WT Fischer 344 野生型ラット (DPP-4 酵素活性を持つラット,雌での活性は 約 13.3~20.6 U/L) F344 DPP-4-def Fischer 344 DPP-4-欠損型ラット (DPP-4 酵素活性が低下ないし欠損した ラット,雌での活性は約 2.5~7.6 U/L)

FDA Food and Drug Administration (米国食品医薬品局) GI gastrointestinal (胃腸の)

GD gestational day (妊娠日数) g Gram (グラム)

GLP Good Laboratory Practice (医薬品安全性試験実施基準) GLP-1 glucagon-like peptide-1 (グルカゴン様ペプチド-1) GIP glucose-dependent insulinotropic polypeptide

(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) hERG human ether-a-go-go related gene

h hour (時間)

ICH International Conference on Harmonization (日米EU 医薬品規制整合化国際会議)

IC50 concentration that causes 50% inhibition (50%の抑制をもたらす濃度) IgG immunoglobulin G (免疫グロブリン G)

(5)

2.6.6 毒性試験の概要文 5

IgM immunoglobulin M (免疫グロブリン M)

KLH keyhole limpet hemocyanin (スカシガイヘモシアニン) LD lactation day (授乳日数)

LFB Luxol fast blue (ルクソール・ファスト青染色) LLOQ lower limits of quantitation (定量下限値)

LOAEL low-observed-adverse-effect level (毒性発現最低量) MRI magnetic resonance imaging (磁気共鳴映像法) M male (雄)

μM micromolar (マイクロモル)

MN-PCE micronucleated polychromatic erythrocytes (小核含有多染性赤血球) N/A not applicable (該当なし)

ng nanogram (ナノグラム) No. number (番号)

NOAEL no-observed-adverse-effect level (無毒性量) NPY neuropeptide Y (神経ペプチド Y)

NZW New Zealand White

PAS periodic acid Schiff (過ヨウ素酸シッフ反応染色) PCEs polychromatic erythrocytes (多染性赤血球)

PR PR 時間 (心電図の P 波の始まりから Q 波の始まりまでの時間) QRS QRS 幅 (心電図の Q 波の始まりから S 波の終わりまでの時間) QT QT 時間 (心電図の QRS 群の始まりから T 波の終わりまでの時間) RHD recommended human dose (推奨臨床用量)

Sitagliptin シタグリプチン(Januvia®, BMS-730173)

S9 9000g 上清分画(チトクローム P-450 代謝酵素を高濃度含有する肝臓分画) SCN thiocyanate (チオシアネート)

S. typhimurium Salmonella typhimurium (ネズミチフス菌)

SD Sprague Dawley ラット

UDS unscheduled DNA synthesis (不定期 DNA 合成) Vildagliptin ビルダグリプチン(Galvus®, BMS-471211) WT wild-type (野生型)

(6)

2.6.6 毒性試験の概要文 6 名称(由来) 構造式 サキサグリプチン (BMS-477118)

N

O

HO

CN

H

2

N

BMS-510849 [代謝物] N O HO CN OH H2N [不純物及び分解物] [不純物] [不純物] [不純物] 類縁物質A* 類縁物質E* 類縁物質C* 類縁物質D* *:新薬承認情報提供時に置き換えた

(7)

2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 7 2.6.6 毒性試験の概要文 2.6.6.1 まとめ サキサグリプチン(BMS-477118)の非臨床安全性を,マウス,ラット,イヌ,カニクイザルを 用いた単回及び反復経口投与毒性試験,一連のin vitro 及び in vivo 遺伝毒性試験,マウス及びラッ トを用いたがん原性試験,ラット及びウサギを用いた生殖及び発生毒性試験,in vitro 及び in vivo (マウス及びウサギ)での局所刺激性試験,ラットを用いた免疫毒性試験,によって評価した。 更に,雄ラットにみられた神経変性脳病変の発生機序の検討,サルにみられた皮膚及びその他の 組織における変化(例えば,単核細胞浸潤)の更なる特徴付けのために,探索的試験も実施した。 主要な反復投与毒性,遺伝毒性試験,生殖毒性及びがん原性試験の用量選択を目的とした用量設 定試験を適切な動物種を用いて実施した。更に,サキサグリプチンの主要活性代謝物BMS-510849 の毒性を明らかにするための試験,サキサグリプチン原薬/製剤中の不純物/分解物の濃度を規定す るための試験も実施した。BMS-510849 の初期の定量は血漿中濃度を過大評価していた(詳細は 第 2.6.6.8.5 項)ため,BMS-510849 の暴露評価に与える影響を確認するブリッジングトキシコキ ネティクス試験を実施した。2 種の測定方法間でその値に違い(43%以下)がみられたが,重要な 試験における無毒性量において BMS-510849 の安全域は適切に担保され,ヒトにおける安全性評 価に影響は与えなかった。BMS-510849 の安全域は初期データを用いて示した。暴露の開き(倍 率)はサキサグリプチンの臨床推奨用量5 mg での定常 AUC 値,サキサグリプチンは 78 ng・h/mL, BMS-510849 は 214 ng・h/mL を基に計算した。 非臨床段階での開発中,3 種のサキサグリプチン(トリフルオロ酢酸塩,安息香酸塩,フリー 体)を使用したため,概要文及び概要表にはそれを特定できる記載を行った。すべての主要な非 臨床毒性試験はGLP を遵守し,ICH ガイドラインに従って実施した。 血漿中DPP-4 阻害活性(薬力学的エンドポイント)をいくつかの毒性試験の一部として評価し た。ラット及びイヌにおいて,最大血漿中DPP-4 阻害活性は約 95%であったため,ラット及びイ ヌの記載時には薬力学的エンドポイントを“DPP-4”阻害とした。しかしながら,サルにおいては 最大血漿中DPP-4 阻害活性は 70%~80%でプラトーに達した。ラット及びイヌとは異なり,サル の血漿中にはex vivo の酵素アッセイに使用した基質を切断する非 DPP-4 酵素を含むことが推定さ れた。したがって,サルにおいては薬力学的エンドポイントを“DPP”阻害とした。 単回経口投与毒性試験において,マウス及びラットでは2000 mg/kg まで,カニクイザルでは 25 mg/kg まで,サキサグリプチンは臨床的に著明な毒性をもたらさなかった。げっ歯類においては, 4000 mg/kg で体重増加量及び活動性の一過性低下及び/又は死亡がみられた。サルでは 50 mg/kg で明らかな毒性と死亡がみられた。 サキサグリプチンのラットにおける反復経口投与毒性は以下の 3 本の主要な試験において評価 した:2,20,200 mg/kg/日の用量での 2 週間試験,300,600,1200 mg/kg/日の用量での 3 ヵ月が ん原性用量設定試験,2,20,100 mg/kg/日の用量での 6 ヵ月試験(3 ヵ月での中間評価,投与後 1 ヵ月の回復期間を含む)。更に,ラットにおける104 週間がん原性試験(25,75,150,300 mg/kg/ 日)で得られた薬物関連の非腫瘍性所見も,サキサグリプチンの慢性毒性評価の一部として含め た。3 ヵ月試験では 300 mg/kg/日まで,6 ヵ月試験では 100 mg/kg/日まで,サキサグリプチンは臨

(8)

2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 8 床的に著明な毒性をもたらさなかった。予期したとおり,サキサグリプチンの薬理学的標的であ る血漿中DPP-4 阻害が,2 週目及び 6 ヵ月目の測定の 2 mg/kg/日以上の用量でみられた。試験全 般において,サキサグリプチン及び BMS-510849 の暴露は用量の増加に比例して増加し,反復投 与による増加はみられず,雌の暴露は雄よりも高く,BMS-510849 の暴露はサキサグリプチンよ りも低い又は同等(0.1~1 倍)であった。ラットにおいて 20 mg/kg/日以上の用量で薬物に関連し た一連の臨床病理学的変化がみられた。みられた所見はごく軽度から軽度な血液学的変化であり, それは200 mg/kg/日以上での血小板数減少,300 mg/kg/日以上でのヘモグロビン,平均ヘモグロビ ン量,平均赤血球容積の低下,600 mg/kg/日以上での網赤血球比の増加,雄のみでの白血球数(好 中球及びリンパ球)増加であった。ごく軽度から軽度な血清生化学的変化もみられ,それは 20 mg/kg/日以上でのコレステロール及びカリウムの減少,200 mg/kg/日以上でのアルカリフォスファ ターゼの増加,600 mg/kg/日以上での血清アルブミン低下(雌のみ),1200 mg/kg/日での総蛋白質 の低下(雄のみ)及びトリグリセライドの増加であった。2 週後,免疫系への影響として,200 mg/kg/ 日で血清 IgM 及び/又は IgG の増加(雌では 20 mg/kg/日でも),脾臓の CD3+ T リンパ球及び CD45RA+ B リンパ球の増加がみられた。ごく軽度から軽度な病理学的所見も 20 mg/kg/日以上で みられ,それは,リンパ性過形成を伴う脾臓重量の増加,肺の組織球症,雌における眼付属腺へ の単核細胞浸潤(300 mg/kg/日以上),ストレスに関連した二次的変化としての胸腺リンパ性枯渇 (300 mg/kg/日以上)及び胃粘膜糜爛(1200 mg/kg/日のみ)であった。慢性試験(3~24 ヵ月)に おいて,150 mg/kg/日以上の用量を投与された雄ラットには明らかな毒性,シアンの毒性に感受性 のある中枢神経系領域である尾状被殻及び脳梁における変性/壊死性脳病変がみられたが,雌ラッ トにはみられなかった。6 ヵ月試験の 1 ヵ月の回復期間後(100 mg/kg/日以下)には,臨床的及び 病理学的変化はみられなかった。6 ヵ月投与後の無毒性量は 20 mg/kg/日(サキサグリプチンの AUC は 2796 ng・h/mL 以上)であった。20 mg/kg/日におけるサキサグリプチン及び代謝物の全身暴露 AUC は,臨床推奨用量での AUC と比べてそれぞれ 36 倍及び 6 倍であった。 サキサグリプチンのイヌにおける反復経口投与毒性は以下の3 本の主要な試験において評価し た:1,5,25 mg/kg/日の用量での 2 週間試験,0.2,1,5 mg/kg/日の用量での 3 ヵ月試験(投与後 1 ヵ月の回復期間を含む),1,5,10 mg/kg/日の用量での 12 ヵ月試験(6 ヵ月での中間評価を含 む)。薬理学的作用である血漿中DPP-4 阻害(Emaxにおいて88%以上)が 0.2 mg/kg/日以上の用 量でみられた。試験全般において,サキサグリプチン及び代謝物の全身暴露は用量の増加と共に 増加し,明らかな性差も無く,サキサグリプチンと代謝物の暴露は全般的にほぼ同様であった。 12 ヵ月試験の経過中にサキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露(AUC)は 40%~70%低下 した。1 mg/kg/日(286 ng・h/mL 以上)ではサキサグリプチンは著明な毒性をもたらさなかったが, 高い用量においては胃腸毒性を主とする影響がみられた。25 mg/kg/日(50803 ng・h/mL)の用量で は明らかな毒性が発現し,腸管の機能不全(下痢,嘔吐)に関連した二次的なごく軽度から軽度 な血清蛋白及び電解質の低下を伴う腸疾患により,9 回投与後には衰弱した雄 1 例を安楽殺した。 5 mg/kg/日以上では,臨床症状として赤色軟便及び/又は形を成さない/粘液性便,体重増加量(25 mg/kg/日では体重の減少あり)及び摂餌量の用量依存的低下がみられた。全体的にごく軽度から 軽度な臨床病理所見が,イヌのすべての試験の5 mg/kg/日以上の用量でみられた。その所見は,5 mg/kg/日以上における軽度から中等度の好酸球数増加,10 mg/kg/日以上における白血球数減少,

(9)

2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 9 25 mg/kg/日における連銭形成(積重なった赤血球と定義される;通常,ガンマグロブリン過剰血 症と関連した血清学的状況において見られる,雄ではグロブリンの増加が見られていた[下記参 照]),であった。ほとんどがごく軽度から軽度な血清生化学的及び尿検査所見も以下のように みられた:5 mg/kg/日以上の雄において血清アルブミン及びリンの低下,10 mg/kg/日以上で血清コ レステロール及びトリグリセライドの増加並びに血清総蛋白及びカリウムの低下,25 mg/kg/日で は尿蛋白の増加,免疫学的エンドポイントとして,25 mg/kg/日の雄にグロブリン及び免疫グロブ リンの増加がみられた。5 及び 10 mg/kg/日においてみられた薬物関連の形態学的変化は,肝臓の 中心静脈周囲のごく軽度な細胞浸潤/炎症で,更に 12 ヵ月投与後にはごく軽度から軽度な肉球表 皮の表層性糜爛(肉球の亀裂に相当)であった。25 mg/kg/日では,ごく軽度から中等度の腸疾患, ストレスに関連した二次的な変化である軽度から中等度のリンパ性壊死及び/又は多リンパ系組 織の枯渇がみられた。2 週間及び 12 ヵ月試験においては回復性の検討を行っていないが,3 ヵ月 試験の5 mg/kg/日でみられたすべての変化には回復性があることが確認された。12 ヵ月投与後の 無毒性量は1 mg/kg/日であり,サキサグリプチン及び代謝物の AUC は臨床推奨用量での AUC の それぞれ4 倍及び 2 倍であった。 サキサグリプチンのカニクイザルにおける反復経口投与毒性は,0.03,0.3,3 mg/kg/日の用量で の3 ヵ月試験において特徴づけを行った。0.03 及び 0.3 mg/kg/日では薬物に関連した毒性変化はみ られなかった。3 mg/kg/日において,14 匹中 4 匹の足及び/又は尾に多病巣性皮膚病変/痂皮がみら れた。すべての用量で用量依存的血漿中DPP 活性阻害がみられた(Emaxは49~70%;カニクイザ ルにおいては70~80%が最大)。サキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露は用量に関連し, 全般的に雌雄でほぼ同様であり,0.3 mg/kg/日以上では反復投与によるサキサグリプチン暴露の多 少の増加(2.8 倍まで)がみられた。ラット及びイヌとは対照的に,BMS-510849 の AUC はサキ サグリプチンのAUC よりも 6.9 倍まで高かった。3 mg/kg/日でみられた薬物関連影響は,皮膚病 変,ごく軽度の多組織における単核細胞浸潤(通常みられる背景的変化の悪化と考えられた), ごく軽度な脾臓,胸腺及び/又は骨髄のリンパ性過形成であった。皮膚病変は投与期間中に回復が みられ,すべての所見は3 ヵ月の回復期間で回復した。無毒性量の 0.3 mg/kg/日におけるサキサグ リプチン及び代謝物の全身暴露(AUC)は,臨床推奨用量での AUC のそれぞれ 1~3 倍及び 2 倍 であった。

サキサグリプチンの遺伝毒性は一連のin vitro 及び in vivo のアッセイで評価した。In vitro アッ

セイではS9 代謝活性化あり及びなしで細胞毒性用量又は 5000 μg/plate までの用量で実施した。サ キサグリプチンも BMS-510849 も細菌復帰突然変異試験(ネズミチフス菌及び大腸菌)において 5000 μg/plate の濃度まで遺伝毒性を示さなかった。サキサグリプチンはヒトリンパ球を用いた in vitro 染色体異常試験の S9 なし条件において,最高濃度の 1000 μg/mL において染色体異常を示し た。対照的に,DNA 修復試験で 1500 mg/kg/日まで投与されたラット,小核試験で 3 日間 1500 mg/kg/ 日投与されたラット,又はin vivo/in vitro 染色体異常試験で 1 ヵ月間 500 mg/kg/日投与されたラッ トにおいて,染色体異常もDNA 傷害性はみられなかった。1 ヵ月試験において,500 mg/kg/日で の血漿AUC 暴露量は臨床推奨用量での AUC との比較で未変化体は 1260 倍以上,BMS-510849 は 130 倍以上であった。したがって,マウス及びラットの高い倍率での暴露においてもがん原性は 認められなかったという結果も含めた,科学的根拠の重要度(weight of evidence)を考慮すれば,

(10)

2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 10 サキサグリプチンに遺伝毒性は無いと考えられた。 サキサグリプチンのがん原性をマウス及びラットを用いた104 週間経口投与がん原性試験で評 価した。マウスには50,250,600 mg/kg/日の用量でサキサグリプチンを投与した。サキサグリプ チンはいずれの用量においてもマウスにがん原性を示さず,非腫瘍性組織学的所見も見られなか った。生存率は雄の250 mg/kg/日以上で低下し,早期の終了となった(600 mg/kg/日群の雄は 90 週,250 mg/kg/日群の雄は 100 週)。雄マウスにおける早期死亡の原因は特定できなかったが,こ れらの群における生存期間と投与期間はがん原性を評価するのに適切と考えられた。最高用量に おけるサキサグリプチン及びBMS-510849 の AUC は臨床推奨用量での AUC のそれぞれ 1210 倍及 び690 倍であった。 ラットの経口投与がん原性試験においては,25,75,150,300 mg/kg/日の用量でサキサグリプ チンを投与した。サキサグリプチンはいずれの用量においてもラットにがん原性を示さなかった。 300 mg/kg/日群の雄において生存率が低下し,投与第 68 週に投与を中止せざるを得なくなり,が ん原性の評価から除外した。雄の対照群の生存率低下により,雄のすべての投与群について第99 週に終了した。これらの群における生存期間及び投与期間はがん原性評価に適切であると考えら れた。最高用量におけるサキサグリプチン及び主要代謝物のAUC は臨床推奨用量での AUC との 比較で,雄ではそれぞれ370 倍及び 40 倍,雌ではそれぞれ 2300 倍及び 130 倍であった。主な薬 物関連の非腫瘍性所見は前述したとおり,雄ラット特異的なシアン関連の神経変性脳病変であり, これが雄の 300 mg/kg/日群での死亡増加の原因と思われた。更に,以前に実施した試験と一致し て,全般にごく軽度な単核細胞浸潤の発現頻度の増加が75 mg/kg/日以上の投与群の肺(肺組織球 症),膀胱,眼付属腺(雌),肝臓(雄),精巣上体にみられた。重要なこととして,これらの 所見のいずれもリンパ性増殖疾患,腫瘍,自己免疫に進行しなかった。 サキサグリプチンの生殖及び発生毒性について,ラットでは900 mg/kg/日まで,ウサギでは 200 mg/kg/日までの用量で評価した。ラットにおける受胎能及び初期胚発生試験(雄は 100,200,400 mg/kg/日;雌は 125,300,750 mg/kg/日)において,雄では 100 mg/kg/日以上,雌では 125 mg/kg/ 日以上の用量で臨床症状,体重増加量の減少及び/又は体重の減少がみられたが,生殖機能への影 響は雄では400 mg/kg/日でのみ(受胎率低下),雌では 300 及び 750 mg/kg/日でのみみられた(胚 致死の増加,更に 750 mg/kg/日では性周期の変化,受胎率・黄体数・着床の低下)。したがって, サキサグリプチンは明らかな毒性をもたらした用量でのみ生殖機能に影響を及ぼした。ラットの 生殖に対する無作用量(雄は 200 mg/kg/日,雌は 125 mg/kg/日)におけるサキサグリプチンの全 身暴露AUC は,臨床推奨用量での AUC のそれぞれ 630 倍及び 800 倍(BMS-510849 はそれぞれ 66 倍及び 47 倍)であった。 ラット(64,240,900 mg/kg/日)及びウサギ(8,40,200 mg/kg/日)における胚・胎児発生試験 において,いずれの投与量においても催奇形性は認められず,更に,サキサグリプチン及び BMS-510849 の母動物の暴露(AUC)が臨床推奨用量での AUC と比べてラットでは 300 倍及び 30 倍,ウサギでは160 倍及び 224 倍であった投与量において,胚・胎児の発生に有害な影響は見られ なかった。奇形ではない発達の遅延として,ラットでは240 及び 900 mg/kg/日(臨床での AUC の 1560 倍以上)において胎児骨盤の骨化の軽度な減少,900 mg/kg/日では胎児体重の減少及び母動 物の薬物関連毒性がみられた。ウサギでは200 mg/kg/日という母動物毒性のみられた用量(臨床

(11)

2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 11 でのAUC の 1420 倍)においてのみ,胚・胎児発生にサキサグリプチンの影響がみられ,それは舌 骨(翼の屈曲)及び肋骨(骨化部位数の増加)の軽度な変異のわずかな増加だけであった。 サキサグリプチンは 100 mg/kg/日以下の用量ではラットにおける出生前後発生に影響を及ぼさ なかった。250 及び 500 mg/kg/日 (臨床用量での AUC の 1690 倍以上)の用量において,母動物 毒性(体重増加量及び摂餌量の減少)及び離乳前期間中の出生児体重の減少(出生後21 日目近く にピークを示した)がみられた。離乳の1~2 週後には,出生児の体重増加量はすべての群で同様 であった。出生児の無作用量(100 mg/kg/日)における授乳中ラットのサキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露 AUC は,臨床用量での AUC のそれぞれ 490 倍及び 45 倍であった。 サキサグリプチンは正常ウサギ皮膚に対して刺激性を示さなかったが,摘出したウシ角膜には 軽度な刺激性を示し(20% w/v),25%までの濃度で実施したマウスの local lymph node assay にお いて皮膚感作性の可能性が示された。 免疫毒性をラットを用いて評価した。サキサグリプチンの目的とする薬理作用は DPP-4/CD26 蛋白分解酵素活性の阻害を介したインクレチン(特に,グルカゴン様蛋白[GLP-1]及びグルコ ース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド[GIP])濃度の増加である。しかしながら, DPP-4/CD26 は種々の機能を持ち,受容体,T リンパ球共刺激蛋白でもある。種々の結合特性・特 徴を持つDPP-4 阻害剤の使用において,その作用の中にはリンパ球増殖の抑制という望ましくな い活性を示すものもあることより,DPP-4/CD26 蛋白分解酵素活性の共刺激性 T リンパ球伝達系 におけるin vivo での役割の検討が現在も行われている。 サキサグリプチンの反復投与試験において,必ずしも一貫したものではなく,また,すべての 動物種においてではないが,免疫学的評価を組み込み,免疫系に対する作用を観察した。サキサ グリプチン投与がT リンパ球の共刺激活性を抑制するか否かを評価するために,抗原誘発及び分 裂促進剤誘発のリンパ球増殖反応を以下の2 試験で評価した。

最初のラットを用いた1 ヵ月試験では,keyhole limpet hemocyanin(KLH)を抗原物質として, 10,50,200 mg/kg/日の用量のサキサグリプチンが T リンパ球依存性免疫反応を変化させるか否か 評価した。いずれの用量においても,KLH に対する T リンパ球依存性液性免疫反応に影響は無く, 更に脾臓の汎T 細胞,ヘルパーT 細胞,細胞毒性 T 細胞,B リンパ球の数にも影響はみられなか った。したがって,サキサグリプチンは200 mg/kg/日までの用量においてラットの T リンパ球依 存性免疫反応に有害な作用を持たず,この用量におけるサキサグリプチンの全身暴露AUC は臨床 推奨用量でのAUC の 335 倍に相当していた(同じ用量を用いて実施した 2 週間反復投与毒性試験 から得られたデータの外挿)。 第二の試験として,野生型及びDPP-4 欠損1 の雌 F344 ラットを用い,いくつかの免疫学的評価 項目に加えて,分裂促進剤によるリンパ球の増殖反応を評価した。この試験の当初の目的は,サ キサグリプチンの目的とした薬理作用(DPP-4/CD26 酵素活性の特異的阻害)と DPP-4/CD26 の非 酵素的/受容体機能又は目的としない非 DPP-4/CD26 関連活性の潜在的な免疫系調節作用との関連 性を更に評価することであった。試験は,正常な血漿 DPP-4 酵素活性を示すラット(WT)と血 漿DPP-4 酵素活性が低下又は欠損したラット(DPP-4-def)にサキサグリプチンを投与し,分裂促 進剤刺激を受けたリンパ球の増殖反応を比較するように計画された。しかしながら,雌の F344 DPP-4-def ラットではすでに報告されていた血漿 DPP-4 活性値と一致した低値(約 2.5~7.6 U/L)

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 12

であったが,WT では報告されていた値(約 13.3~20.6 U/L)と一致せず,両系統は同様の値を示 したため,この試験の目的は達成できなかった。この所見は,雌のF344 WT 及び DPP-4-def ラッ トが正常なCharles River Sprague Dawley (Crl:SD)ラットと機能的に同様であったことを示して いた。T リンパ球分裂促進剤(コンカナバリン A)又は T 及び B リンパ球分裂促進剤(pokeweed) で刺激後の脾臓細胞反応又はサイトカインの放出に,両系統のF344 ラット間に差はみられなかっ た。更に,Harlan Sprague Dawley 系ラットにおける他の反復投与試験と同様に,200 mg/kg/日以上 の用量で脾臓重量の増加(400 mg/kg/日でのみ),リンパ節におけるリンパ性過形成を含む,用量 依存的なリンパ系の形態変化が,評価に使用したF344 ラットの系統に関わらずみられた。更に, ごく軽度な脾臓における髄外造血(DPP-4-def F344 ラットのみ)及びごく軽度から中等度な胸腺 皮質性リンパ球枯渇に関連したストレス性胸腺重量低下も 400 mg/kg/日でみられたが,これらは 非常に高い用量(サキサグリプチン及びBMS-510849 の AUC は臨床推奨用量での AUC のそれぞ れ2750 倍及び 360 倍)に限定された所見であり,臨床との関連性はないものと考えられた。 雄ラットでのみにみられた神経変性脳病変の可能性のある発生機序を解明するために探索試験 を実施した。脳病変の特徴及び分布はシアン(CN)中毒によるものと一致していたため,急性ラ ットモデルの開発を含めたin vitro 及び in vivo 試験を実施し,雄ラットの脳病変発生におけるシア ンの役割を評価した。最初の試験では,サキサグリプチン及び BMS-510849 の脳内濃度は雌雄と も血漿中濃度に比べて低く,性差もみられなかった。平行して実施したサキサグリプチンの生体 内変換試験において,雄ラット特異的な肝臓代謝酵素(CYP2C11)が in vitro でサキサグリプチン からシアン(CN)を放出し,同様にサキサグリプチンの経口投与後に血中にシアンが検出された。 雄ラットにおけるシアン毒性の発生に関するCYP2C11 の in vivo での役割は,その後に実施した 去勢(CYP2C11 はアンドロゲンによって調整される)又は CYP2C11 抑制剤(シメチジン)を用 いた試験において確認された。その結果は,CYP2C11 活性の低下をもたらしたいずれの条件にお いても,シアン関連性の急性毒性及び血中シアン濃度を十分に防止又は減少したことを示した。 In vivo でのシアンの放出が雄ラットに限定されていることを確認するために高用量(2000 mg/kg/ 日以上)のサキサグリプチンを雌雄のマウスに投与したところ,いずれの性においても急性毒性 はみられず,血中にシアンは検出されなかった。また,シアノ基を持つ代謝物 BMS-510849 を用 いたラット試験において,サキサグリプチン投与後の脳病変が発生した時の暴露と同等の BMS-510849 暴露においても急性毒性を示す臨床症状も脳病変も発生しないことが示された。最 後に,脳病変の発生における薬理学的機序の潜在的関与又は補助的な役割{これにはDPP-4 基質 神経ペプチド Y(NPY)の潜在的役割を含む}を検討するために追加試験を実施した。この神経 ペプチドは中枢神経系において最も豊富に提示されており,その血管収縮機能によって脳病変の 発生に寄与していたかも知れないので,特別な懸念があった。その結果はすべて陰性であり,サ キサグリプチンによるDPP-4 阻害と雄ラット特異的脳病変の発生に関連は無いことが確認された。 結論として,雄ラット特異的神経変性脳病変は,雄ラットにおけるCYP2C11 によるサキサグリプ チンの肝臓での生体内変換におけるシアンの放出によるものであった。 サキサグリプチンを投与したカニクイザルにおける皮膚病変及び単核細胞浸潤/炎症のさらな る特徴付けとその機序を探索するため,また,カニクイザルにおけるサキサグリプチンの毒性を 他の2 種類の DPP-4 阻害剤(ビルダグリプチン[Galvus®],シタグリプチン[Januvia®])と比

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 13 較するため,探索試験を実施した。最初の試験は,1~3 ヵ月経口投与試験として,2 mg/kg/日を 13 週間投与,10 又は 30/20 mg/kg/日(30 mg/kg/日を 1 又は 2 回投与後に死亡がみられたため,こ の時点で投与量を20 mg/kg/日に減少した)を 4~6 週間投与した。30/20 mg/kg/日の雄 1 例に著明 な血小板減少症(前値の 6%)がみられたため,第 29 日以後の投与は中止し,その 20 日後から 20 mg/kg/日で投与再開したが再発せず,免疫系を介した機序によるものではないことが示された。 すべての用量において(AUC 暴露は 580 ng・h/mL 以上),潰瘍性皮膚病変,ごく軽度から中等度 の多組織血管周囲性単核細胞浸潤/炎症,ごく軽度から軽度の脾臓及び骨髄のリンパ性過形成がみ られた。微小血管の血管炎が皮膚,尿生殖路,胃腸管,甲状腺,骨格筋,及び肺にみられた。免 疫系を介しない多病巣性糸球体症(腎臓の糸球体における非炎症性病変)が10 及び 30/20 mg/kg/ 日群の各 1 例でみられた。免疫機能を評価するために計画された以下の項目の結果から,免疫を 介した機序によってこの変化が発生したという証拠はなかった:末梢血球フェノタイピング,血 清免疫グロブリン,抗核抗体,抗赤血球抗体,抗血小板抗体,剖検,組織病理,免疫組織学,電 子顕微鏡。この試験において無作用量は推定できなかった。毒性発現最低用量の 2 mg/kg/日にお けるサキサグリプチン及びBMS-510849 の AUC は臨床推奨用量での AUC の 7 倍~18 倍の範囲で あった。 サキサグリプチンの毒性をビルダグリプチン及びシタグリプチンの毒性と比較する目的でサル を用いた3 本の経口投与試験を追加実施した。薬物動態と薬力学特性(血漿 DPP 阻害)を比較す るために,サキサグリプチンは0.1~10 mg/kg,ビルダグリプチンは 0.1~30 mg/kg,シタグリプチ ンは0.3~40 mg/kg,の用量で単回経口投与試験を実施した。すべての DPP-4 阻害剤において,そ の全身暴露に用量依存的な増加及び DPP 阻害がみられた。24 時間にわたる持続的最大血漿 DPP 阻害(EmaxがEminに類似)は,サキサグリプチンでは3 mg/kg/日(785 ng・h/mL)以上で,ビルダ グリプチンでは30 mg/kg/日(14895 ng・h/mL)で,シタグリプチンでは 40 mg/kg/日(30658 ng・h/mL) で発現し,サキサグリプチンはサルにおいてDPP 阻害作用が強いことが示唆された。 反復用量漸増試験において,サキサグリプチン,ビルダグリプチン及びシタグリプチンをサル に 3,10,30 mg/kg/日と漸増投与したところ,いずれにおいてもサルは著明な毒性反応を示さな かった。ほとんどの臨床所見は60 mg/kg/日以上の投与で発現し,それは流涎及び活動性低下(サ キサグリプチン),嘔吐及び後肢跛行(ビルダグリプチン,シタグリプチン),皮膚病変(サキ サグリプチン,ビルダグリプチン)であった。ごく軽度から軽度な臨床病理変化は,30 mg/kg/日 以上での血清アルブミン低下(サキサグリプチン,ビルダグリプチン)及び尿中ケトン体の増加 (ビルダグリプチン,シタグリプチン)であった。病理組織学的に,糜爛から潰瘍性の皮膚病変 (サキサグリプチン[ごく軽度から中等度],ビルダグリプチン[ごく軽度から軽度]),ごく 軽度から軽度なリンパ性過形成(サキサグリプチン,シタグリプチン)がみられた。その後に実 施した6 週間の経口投与比較毒性試験では,ヒト組み換え DPP-4 に対する in vitro 活性及び in vivo での暴露量/耐性を基本に,10 mg/kg/日のサキサグリプチンと同等であろうと見積もられた用量で ビルダグリプチン(40/20 mg/kg/日:40 mg/kg/日から開始したが著明な浮腫が発現したため,途中 から20 mg/kg に減量)及びシタグリプチン(40 mg/kg/日)を投与した。この試験において,ビル ダグリプチンでは重度な用量制限急性毒性(浮腫)がその原因の一部であったが,すべての薬剤 において目標とした血漿暴露は達成できなかった。しかし,ある種の毒性は 3 化合物に共通して

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 14 いた(例えば,脾臓及び骨髄におけるリンパ性過形成)。しかしながら,その毒性に明確な違い もみられた。シタグリプチンはヒトにおける暴露の10 倍の暴露(臨床用量 100 mg での AUC 比 較)では著明な毒性をもたらさなかったが,サキサグリプチンはヒトにおける暴露の60 倍の暴露 (臨床推奨用量 5 mg での AUC 比較)において皮膚病変を生じた。ビルダグリプチンはヒトにお ける暴露の8 倍の暴露(臨床推奨用量 100 mg での AUC 比較)において,重度な用量制限急性浮 腫,特に手及び脚の持続的な浮腫,及び治癒しなかった潰瘍性/糜爛性皮膚病変を生じた。 サキサグリプチンの2 種類の不純物/分解物( 不純物及び分解物]及び [不純物])は,原薬中に規格設定された量(いずれの化合物も 0.15%以下)よりも高い濃度で 実施した細菌の復帰変異試験において変異原性は無いことが確認された。更に, は 定型的な遺伝毒性試験で使用したサキサグリプチンのバッチには高い濃度で存在しており,1.36% の を加えたサキサグリプチンの3 日経口投与小核試験でも染色体損傷誘発性はみら れなかった。更に,サキサグリプチン単独, を 1.36%添加したサキサグリプチン, を0.62%添加したサキサグリプチン,の 3 ヵ月のラット安全性確認試験においてその 毒性に違いは無いことが確認された。 サキサグリプチン及びメトホルミンのイヌ3 ヵ月反復経口投与併用毒性試験では,併用投与に よる毒性増強はみられなかった。サキサグリプチン/メトホルミン併用経口投与によるラット胚・ 胎児発生試験において,25/200 mg/kg/日の胎児に異常は認められなかったが,25/600 mg/kg/日の 胎児において波状肋骨の増加がみられた。この骨格変異はメトホルミンに起因していると推察さ れた。サキサグリプチン/メトホルミン併用経口投与によるウサギ胚・胎児発生試験において,40/50 mg/kg/日の母動物において死亡及び流産がみられ,生存母動物の胎児において低胎児体重及び骨 化の遅延が認められた。この用量における母動物のサキサグリプチン及びメトホルミンの全身暴 露AUC は,臨床用量でのヒト AUC の約 260 倍及び 1 倍であった。 サキサグリプチンは 290~700nm の範囲の紫外線及び可視光を吸収しないことより,光毒性試 験は実施していないが,その光化学的性質及び国内外で実施された臨床試験結果より,サキサグ リプチンは光毒性のリスクを高める可能性はないと考えられる。 結論として,ラットでは6 ヵ月間 100 mg/kg/日まで,イヌでは 12 ヵ月間 10 mg/kg/日まで,サル では3 ヵ月間 3 mg/kg/日まで,サキサグリプチンの投与に十分耐えた。ラットにおける主な標的 臓器変化として,全般的にごく軽度な脾臓のリンパ性過形成,肺組織球症,眼付属腺及び肝臓に おける単核細胞浸潤,104 週間投与後には膀胱及び精巣上体にも単核細胞浸潤がみられた。これ らの所見は,回復性があり,ごく軽度から軽度な変化であり,進行性ではないこと,臨床推奨用 量でのAUC よりサキサグリプチンは 36 倍以上,代謝物は 6 倍以上での変化であることから,毒 性学的意義はほとんど無いと考えられた。イヌにおける主な所見としては,血様便/粘液性便で特 徴付けられる腸管毒性(臨床推奨用量でのAUC よりサキサグリプチンは 19 倍,BMS-510849 は 9 倍)及び死亡にも関連した全身高暴露時(臨床推奨用量での AUC よりサキサグリプチンは 580 倍以上,BMS-510849 は 140 倍以上)における腸疾患がみられた。サルにおける主な標的臓器変 化としては,皮膚病変(痂皮,糜爛,潰瘍),リンパ性過形成(主に脾臓及び骨髄),多組織性 単核細胞浸潤であったが,これらはすべて回復性があった。これらの変化の無作用量でのサキサ *:新薬承認情報提供時に置き換えた 類縁物質A* 類縁物質A* 類縁物質A* 類縁物質A* 類縁物質E* 類縁物質E*

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.1 まとめ 15 グリプチン及び代謝物の AUC は,臨床推奨用量での AUC の 1~3 倍であった。イヌにおける消 化管毒性及びサルにおける皮膚変化の発生機序はわかっていない。イヌでみられた血様/粘液性便 と関連する変化はヒト臨床試験では見られていない。同様に,サルでみられた皮膚病変と関連す る変化もヒト臨床試験では見られていない。注目すべきは,すべての動物種において毒性は血漿 DPP-4/DPP 阻害とは関連せず,全般的に最大の DPP-4/DPP 阻害は非毒性量でみられた。サキサグ リプチンは一連の遺伝毒性試験の根拠の重要度評価からヒトに対して遺伝毒性リスクは持たず, げっ歯類においてがん原性も示さなかった。生殖試験において,サキサグリプチンは明らかな毒 性用量である臨床的には関係の無い暴露においてのみ,ラットの受胎能に影響を及ぼしたが,ラ ット及びウサギに催奇形性を示さず,F1 世代の生存率,発達,生殖行動に有害な作用を及ぼさな かった。2 種類の不純物/分解物は,原薬に規格設定された量よりも高い濃度で試験を行い,安全 であることが確認された。

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.2 単回投与毒性試験 16 2.6.6.2 単回投与毒性試験 2.6.6.2.1 マウス単回経口投与毒性試験(GLP 適用) (概要表2.6.7.5.2,報告書番号 019432) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,4000 mg/kg を最高に,以 下,2000,1000,500 mg/kg の投与量で各群雌雄各 5 匹の CD-1 系マウスに経口投与した。対照群 には媒体の1.25%Avicel®を40 mL/kg 投与した。すべてのマウスを 2 週間観察した。2 週後,対照 群と4000 mg/kg 群の剖検を行ったところ,4000 mg/kg に軽度な腹腔内出血がみられた(雄 2 例) ため,2000 mg/kg 群の雄も剖検した。2000 mg/kg では薬物に関連した臨床症状も剖検所見もみら れなかったが,4000 mg/kg 投与において,活動性の低下(Day 1 に 3 例),死亡(Day 2 に 4 例) がみられた。 2.6.6.2.2 ラット単回経口投与毒性試験(GLP 適用) (概要表 2.6.7.5.2,報告書番号 019433) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,4000 mg/kg を最高に,以 下,2000,1000,500 mg/kg の投与量で Harlan Sprague Dawley 系雄ラット 5 匹/群に経口投与した。 媒体1.25%Avicel®を40 mL/kg 投与した群を対照群とした。2 週後,対照群と 4000 mg/kg 群の剖検 を実施した。 2000 mg/kg 以下では薬物に関連した変化はみられなかった。4000 mg/kg 投与において,死亡(Day 1 に 1 例),全例が身づくろいされていない外観を呈し(Day 2~6),一過性の体重増加抑制がみ られたが,剖検で異常はみられなかった。 2.6.6.2.3 サル単回投与用量設定毒性試験(GLP 非適用) (概要表2.6.7.5.1,報告書番号 019434) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,5,25,50 mg/kg の投与量 で雌1 匹/群のサルに投与した。投与後,数日間各動物の状態及び行動を観察した。 5,25 mg/kg では薬物に関連した変化はみられなかった。50 mg/kg 投与例では,投与 6.5 時間 後に活動性低下/嗜眠状態,発声がみられ,その後(投与22 時間後)に死亡が発見された。剖検 は実施していない。結論として,50 mg/kg の単回投与は明らかな毒性量であり死亡をもたらした。 2.6.6.2.4 サル単回投与毒性試験(GLP 適用) (概要表2.6.7.5.2,報告書番号 019435) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,5,25 mg/kg の投与量で雄 のカニクイザル各3 匹に投与した。媒体 1.25%Avicel®を1 mL/kg 投与した群を対照群とした。臨 床症状,血圧,心拍数,心電図について評価した。サキサグリプチン及び主要活性代謝物 BMS-510849 の血漿中濃度も投与日に測定した。 サキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露は用量の増加に伴って増加し,25 mg/kg での AUC はそれぞれ 13770 ng・h/mL 及び 88383 ng・h/mL であった。BMS-510849 の暴露はサキサグリ プチンの約5~6 倍を示した。いずれの投与群にもサキサグリプチン投与に関連した臨床的及び心

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.2 単回投与毒性試験 17

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 18 2.6.6.3 反復投与毒性試験 2.6.6.3.1 ラット反復経口投与毒性試験(GLP 適用,一部非適用) サキサグリプチンのラットにおける毒性を2 週間,3 ヵ月及び 6 ヵ月の GLP 適用 3 試験で評価 した。主要な試験の用量設定は 2 週間の探索用量設定試験を基にした。試験すべてで,サキサグ リプチン及び BMS-510849 の暴露は用量に比例して増加し,概して反復投与による増加は認めら れず,雌は雄よりも高かった;BMS-510849 の暴露はサキサグリプチンよりも低かった。ヒトと ラットにおけるAUC の比較と安全域を以下の表 2.6.6-1 に示した。 表 2.6.6-1 ラットにおける主要な反復投与試験における定常AUC 暴露と安全 域 AUC (ng•h/mL)a ヒト暴露量との比較(倍)b サキサグリプチン BMS-510849 サキサグリプチン BMS-510849 動物種 試験 用量 (mg/ kg) 雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌 2 262 549 60 227 3 7 0.3 1 20 c 1600 4353 506 1227 21 56 2 6 2 週 経口 200 26106 103861 7774 15487 335 1332 36 72 300 106066 253300 52281 122008 1360 3247 244 570 600 238214 517454 93214 227254 3054 6634 436 1062 3 ヵ月 経口 1200 1309910 712535 745661 570211 16794 9135 3484 2665 2 217 668 54 333 3 9 0.3 2 20 c 2796 6111 1345 4259 36 78 6 20 ラット 6 ヵ月 経口 100 21869 48261 9464 25992 280 619 44 121 a 計算は 0 時から血漿中に検出された最終時までで実施した。その範囲は 4~24 時間。 b ヒト 5 mg 投与時の AUC は,サキサグリプチンは 78 ng•h/mL,BMS-510849 は 214 ng•h/mL (CV181037)。 BMS-510849 の最初の分析法とより特異的な分析法との違いを評価したブリッジングトキシコキネティクス試 験 (詳細は第 2.6.6.8.5 項) に基づくと,最初の分析法ではラットの AUC を 4.4%~42.7%まで過大評価してい たことが判明した。この暴露の違いはヒトの安全性評価に衝撃を与えるものではなかったので,最初のデータ と暴露倍率を示した。 c 無毒性量 <概要表 2.6.7.3 トキシコキネティクス項より抜粋> 2.6.6.3.1.1 ラット 2 週間経口投与探索毒性試験(GLP 非適用) (概要表2.6.7.6,報告書番号 019428) サキサグリプチントリフルオロ酢酸塩を水に溶解し,1,10,100 mg/kg/日の用量で雌雄各 6 匹/ 群のHarlan Sprague Dawley 系ラットに経口投与した。対照群として,雌雄各 6 匹に水を他の群と 同量(10 mL/kg)投与した。一般状態観察,体重,血液学,血清生化学,器官重量,剖検及び対 照群と最高用量群の組織学的検査によって評価を行った。サキサグリプチンの血漿中濃度を投与

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 19 1 日及び 14 日に測定し,全身暴露を評価した。 サキサグリプチンの全身暴露は1 mg/kg/日と 10 mg/kg/日の間では用量の比率よりも高い割合で 増加し,10 mg/kg/日と 100 mg/kg/日の間では用量の比率よりも高い割合で増加した。反復投与に よる暴露の増加は認められず,サキサグリプチンの暴露は雌が雄よりも約 3 倍高かった。すべて の用量において,軽度から中等度の有害とは考えられない臨床病理学的変化として血清トリグリ セライドの低下がみられた。100 mg/kg/日の雄において,血清コレステロール及びグロブリンのご く軽度から軽度の低下がみられた。器官重量,剖検及び組織学的検査において薬物に関連した変 化はみられなかった。無毒性量は100 mg/kg/日と考えられた(AUC は雄 9.0 μg・h/mL,雌 30.2 μg・ h/mL)。 2.6.6.3.1.2 ラット 2 週間経口投与毒性試験(GLP 適用) (概要表2.6.7.7.2,報告書番号 019431) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,2,20,200 mg/kg/日の投 与量で雌雄各10 匹/群の Harlan Sprague Dawley 系ラットに経口投与した。対照群として,雌雄各 10 匹に媒体 1.25%Avicel®を他の群と同量(10 mL/kg)投与した。一般状態観察,体重,摂餌量, 摂水量。眼科学的検査,血液学,血清生化学,尿検査,血漿DPP 活性,血清 IgG 及び IgM 濃度, 脾臓リンパ球フェノタイピング,器官重量,剖検及び対照群と最高用量群の組織学的検査(肝臓, 肺 は 全 群 ) に よ っ て 評 価 を 行 っ た 。 サ キ サ グ リ プ チ ン 及 び 薬 理 学 的 に 活 性 の あ る 代 謝 物 BMS-510849 の血漿中濃度を投与 1 日及び 14 日に測定し,全身暴露を評価した。 すべての投与量において血漿中サキサグリプチン及び BMS-510849 濃度は用量に比例して増加 し,反復投与による増加はみられなかった(表 2.6.6-1)。雌の未変化体及び代謝物の暴露は雄の 2-4 倍であり,代謝物の暴露は未変化体の 0.1-0.5 倍であった。 すべての用量の投与第1 及び 14 日において,血漿 DPP 活性の著明な低下(78%以上の抑制)が みられた。2 mg/kg/日においては,サキサグリプチン投与に関連したその他の変化はみられなかっ た。20 及び 200 mg/kg/日では,有害ではないごく軽度から軽度な薬物に関連した臨床病理パラメ ーターの変化として,カリウム低下,血清IgM 及び IgG の増加(20 mg/kg/日は雌のみ),雄で血 清コレステロール及びグロブリンの低下がみられた。更に,200 mg/kg/日では,ごく軽度な臨床病 理変化として血小板数の低下,血清アルカリフォスファターゼの増加,雄では脾臓CD3+ T 細胞 及びCD45RA+ B 細胞の増加,雌では尿量の増加がみられた。また,200 mg/kg/日では,脾臓及び 肝臓重量の軽度な増加,肺にごく軽度な組織球症,肝臓にごく軽度から軽度な単核細胞浸潤が組 織学的検査でみられた。 結論として,2 及び 20 mg/kg/日のサキサグリプチンは著明な毒性をもたらさなかった。20 mg/kg/ 日でみられた薬物関連所見はいくつかの臨床病理パラメーターにおけるごく軽度から軽度な変化 に限定されており,有害な変化とは考えられなかった。予期した通り,すべての用量で血漿 DPP 活性の著明な低下がみられた。200 mg/kg/日においてみられた臨床病理所見及び組織所見から,無 毒性量は20 mg/kg/日と考えられた(サキサグリプチン及び BMS-510849 の AUC はそれぞれ,雄 では1600 及び 506 ng・h/mL,雌では 4353 及び 1227 ng・h/mL)。

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 20

2.6.6.3.1.3 ラット 3 ヵ月経口投与用量設定毒性試験(GLP 適用)

(概要表2.6.7.7.3,報告書番号 019440) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,300,600,1200 mg/kg の 投与量で1 日 1 回 3 ヵ月間,雌雄各 10 匹の Harlan Sprague Dawley 系ラットに経口投与した。対照 群(雌雄各10 匹)には同量(10 mL/kg)の媒体 1.25%Avicel®を投与した。一般状態観察,体重, 摂餌量,眼科学的検査,血液学,血清生化学,器官重量,剖検及び組織学的検査によって評価を 行った。サキサグリプチン及びBMS-510849 の血漿中濃度を投与 1 日及び 91 日に測定し,全身暴 露を評価した。 サキサグリプチン及びBMS-510849 の全身暴露は用量に比例して増加した(表 2.6.6-1)。サキ サグリプチンの雌の全身暴露は雄よりも高かった(AUC で 2 倍程度,1200 mg/kg/日の Day 91 を 除く)。代謝物の全身暴露は投与1 日目では雌雄で同様であったが,投与 91 日目では雌が雄より も高かった(AUC で 2 倍程度,1200 mg/kg/日群を除く)。サキサグリプチンの全身暴露は雌雄と も投与期間の延長につれてごく軽度増加したが,代謝物の全身暴露は投与期間の延長につれて雌 では増加,雄では全般的に減少した。すべての用量において,BMS-510849 の暴露はサキサグリ プチンの暴露の約0.4 倍~1 倍であった。 600 mg/kg/日までの用量において,薬物に関連した臨床症状はみられなかった。投与 70 日に死 亡しているのが発見された600 mg/kg/日群の雄 1 例(それ以前に臨床症状もなく,死因は不明で あった)を除き,この用量以下でみられたすべての死亡(300 mg/kg/日群の雌 1 例,600 mg/kg/日 群の雌雄各2 例)は偶発的なものと考えられた。600 及び 1200 mg/kg/日において,体重及び摂餌 量の低下が雄においてみられた。1200 mg/kg/日において,薬物に関連した死亡(8 例)がみられ, 活動性低下,労作呼吸及び振戦を含む臨床症状(頻度は雌よりも雄で高かった)がみられた。 すべての投与群において,薬物に関連したごく軽度から軽度な臨床病理パラメーターの変化と して,雌でのヘモグロビン,平均赤血球ヘモグロビン量,平均赤血球容積,血小板数の低下,血 清コレステロールの低下,雄でのカリウムの低下がみられた。すべての投与群において,薬物に 関連した病理組織学的変化として,肝臓及び脾臓重量の増加,ごく軽度の脾臓リンパ性過形成, ごく軽度から著明なリンパ性枯渇/壊死を伴う胸腺重量の低下,下垂体重量の低下(雌で程度が強 い),ごく軽度から軽度な肺組織球症,雌における眼付属腺へのごく軽度から軽度な単核細胞浸 潤がみられた。更に,600 及び 1200 mg/kg/日においてごく軽度から軽度な臨床病理所見として網 赤血球比の増加,雄における白血球,リンパ球,好中球数,血清アルカリフォスファターゼの増 加,雌におけるごく軽度な血清アルブミンの低下がみられた。病理組織学的に,慢性シアン中毒 と一致する変性脳病変が600 及び 1200 mg/kg/日群の雄にみられた2, 3。1200 mg/kg/日群では,中 等度なトリグリセライドの上昇,雄において総蛋白及び血清アルブミンのごく軽度な減少並びに ストレスによる二次的な変化と考えられた胃の赤色化と糜爛,雌においてごく軽度なカリウムの 低下がみられた。 要約すると,すべての投与群においてごく軽度から中等度な臨床病理学的変化及びリンパ系臓 器における形態学的変化がみられた。更に,600 mg/kg/日以上の用量(サキサグリプチンの AUC は238214 ng・h/mL 以上)では雄特異的な神経変性脳病変も認められた。したがって,本試験にお いて無毒性量は推定できなかった。

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 21

2.6.6.3.1.4 ラット 6 ヵ月経口投与毒性試験(GLP 適用)

(概要表2.6.7.7.4,報告書番号 019437) サキサグリプチン安息香酸塩を1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,2,20,100 mg/kg の投与 量で1 日 1 回 Harlan Sprague Dawley 系ラットに 3 ヵ月間(各群雌雄 10 匹)及び 6 ヵ月間(各群 雌雄 20 匹)投与し,更に投与後 1 ヵ月間の回復性検討(各群雌雄 5 匹)も行った。雌雄各 35 匹 からなる対照群には,媒体1.25%Avicel®を他の群と同量(5 mL/kg)投与した。一般状態観察,体 重,摂餌量,眼科学的検査,収縮期血圧及び心拍数,血液学,血清生化学,尿検査,血漿glucagon-like peptide-1(GLP-1)濃度,血漿 DPP 活性,器官重量,剖検及び組織学的検査によって評価を行っ た。サキサグリプチン及びBMS-510849 の血漿中濃度を投与 1 日,92 日及び 181 日に測定し,全 身暴露を評価した。 サキサグリプチン及びBMS-510849 の全身暴露は,2 mg/kg/日と 100 mg/kg/日の間では投与量の 比率よりも全般に大きい増加を示し,雌は雄よりも高かった(表 2.6.6-1)。更に,すべての用量 で投与1 日の暴露に比べて,投与期間の延長によりサキサグリプチンは雌雄で 1.2 倍~2.1 倍の増 加を,BMS-510849 は雌では 1.3 倍~1.6 倍の増加を,雄では 0.4 倍~0.7 倍に低下していた。すべ ての用量でBMS-510849 の暴露はサキサグリプチンの 0.2~0.9 倍であった。 血漿中DPP-4 活性の阻害がすべてのサキサグリプチン投与群で認められた。血漿中 DPP-4 活性 阻害の最大%(Emax,70%~91%),及び効果曲線下面積(area under the effect curve: AUEC,経時

的血漿 DPP-4 阻害%曲線)はすべての投与群で全般的に同様であり,雌雄間も同様であった。1 ヵ月の休薬後のDPP-4 活性値は対照群と同様であった。GLP-1 濃度に薬物に関連した変化はみら れなかった。 いずれの用量においても薬物に関連した死亡はみられず,2 mg/kg/日では薬物に関連した毒性変 化はみられなかった。20 及び 100 mg/kg/日の投与 1 週及び 100 mg/kg/日の投与 13 週の投与後に, 雄においてのみ平均収縮期血圧が17%~19%低下した(投与 25 週にはいずれの用量でも認められ なかった)。20 及び 100 mg/kg/日群において,ごく軽度な体重増加抑制(試験期間中を通じて), ごく軽度な血清アルカリフォスファターゼの増加,ごく軽度から軽度な脾臓リンパ性過形成がみ られた。100 mg/kg/日においては,更にごく軽度な血清コレステロールの低下,脾臓重量の増加, 組織学的変化を伴わない肝臓重量の増加(雄)及び甲状腺重量の低下(雌)もみられた。1 ヵ月 の休薬により,それまでにみられていた変化は全て回復した。20 mg/kg/日ではごく軽度の影響が みられただけであったので無毒性量は 20 mg/kg/日と考えられた (サキサグリプチン及び BMS-510849 それぞれの全身暴露 AUC は,雄では 2796 及び 1345 ng・h/mL,雌では 6111 及び 4259 ng・h/mL)。 2.6.6.3.2 イヌ反復経口投与毒性試験(GLP 適用,一部非適用) サキサグリプチンのイヌにおける毒性を2 週間,3 ヵ月及び 12 ヵ月の GLP 適用 3 試験で評価し た。試験の用量設定は10 日間の探索用量設定試験を基にした。試験すべてで,サキサグリプチン 及び BMS-510849 の暴露は用量の増加に伴って増加し,明らかな性差は認められなかった。低用 量(10 mg/kg/日以下)では,代謝物の暴露が未変化体より全般に高かったが,高用量では代謝物 の暴露は未変化体より全般に低かった。12 ヵ月試験において,サキサグリプチン及び BMS-510849

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 22 の全身暴露は試験期間の延長により,初期の値から40~60%(サキサグリプチン)及び 30~50% (BMS-510849)低下した。この低下の機序は明確にされていないが,全身からのクリアランスの 変化というよりも胃腸毒性による二次的な吸収の低下がその一因かもしれなかった。ヒトとイヌ におけるAUC の比較を以下の表 2.6.6-2 に示した。 表 2.6.6-2 イヌにおける主要な反復投与試験における定常 AUC 暴露と安全域 AUC (ng•h/mL)a ヒト暴露量との比較(倍)b サキサグリプチン BMS-510849 サキサグリプチン BMS-510849 動物種 試験 用量 (mg/ kg) 雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 雌 1 c 1499 961 1461 1735 19 12 7 8 5 8600 6647 14596 6699 110 85 68 31 2 週 経口 25 50803 45506 29673 36820 651 583 139 172 0.2 165 138 251 258 2 2 1 1 1 c 787 1004 1484 2124 10 13 7 10 3 ヵ月 経口 5 5921 4442 13388 12974 76 57 63 61 1 c 286 415 359 454 4 5 2 2 5 1470 1544 1872 1964 19 20 9 9 イヌ 12 ヵ月 経口 10 4278 2782 4767 5088 55 36 22 24 a計算は 0 時から血漿中に検出された最終時までで実施した。その範囲は 4~24 時間。 b ヒト 5 mg 投与時の AUC は,サキサグリプチンは 78 ng•h/mL,BMS-510849 は 214 ng•h/mL (CV181037)。 BMS-510849 の最初の分析法とより特異的な分析法との違いを評価したブリッジングトキシコキネティクス試 験 (詳細は第 2.6.6.8.5 項) に基づくと,最初の分析法ではイヌの AUC を 4.7%~36.2%まで過大評価していた ことが判明した。この暴露の違いはヒトの安全性評価に衝撃を与えるものではなかったので,最初のデータと 暴露倍率を示した。 c 無毒性量 <概要表 2.6.7.3 トキシコキネティクス項より抜粋> 2.6.6.3.2.1 イヌ 10 日間反復経口投与探索毒性試験(GLP 非適用) (概要表2.6.7.6,報告書番号 019429) サキサグリプチントリフルオロ酢酸塩を水に溶解し,ゼラチンカプセルに充填して 0.5,5,50 mg/kg/日の用量でビーグル犬(各群雌雄 1 例)に経口投与した。対照群にはゼラチンカプセルに 水を充填して投与した。一般状態観察,体重,摂餌量,神経及び呼吸機能,間接的血圧測定,心 電図,眼科学的検査,動脈酸素飽和度,血液学,血清生化学,剖検及び病理組織学的検査によっ て評価した。サキサグリプチンの血漿中濃度を投与1 日及び 9 日に測定し,全身暴露を評価した。 サキサグリプチンの暴露(Cmax及びAUC)は,用量依存的に増加し,50 mg/kg/日で最大 109 μg・ h/mL の暴露が認められた。いずれの用量においても反復投与による暴露の増加は認められなかっ た。本試験において代謝物BMS-510849 の測定は実施していない。0.5 及び 5 mg/kg/日の用量では, 薬物に関連した変化はみられなかった。50 mg/kg/日の用量では雄が 6 日間投与後に死亡した。50 mg/kg/日の 1 例又は 2 例において,嗜眠,嘔吐,赤色粘液下痢,体重及び摂餌量の低下(雄)が

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 23 みられた。死亡した50 mg/kg/日の雄には,軽度のうっ血,中等度な絨毛萎縮,粘膜の壊死,亜急 性炎症,粘液細胞枯渇を特徴とした中等度な腸疾患(小腸及び大腸)がみられた。最高用量の雄 のリンパ節及び胸腺には,ストレスに関連した軽度なリンパ性壊死及び枯渇もみられた。最高用 量の雌には,著明な血小板数の減少(投与前値の 25%),ごく軽度な腸疾患(小腸及び大腸), 血清尿素窒素及びトリグリセライドの増加並びに血清ナトリウム及び塩素の低下のような腸の機 能障害に関連する二次的なごく軽度から軽度な臨床病理変化がみられた。 結論として,0.5 及び 5 mg/kg/日のサキサグリプチンはイヌに著明な毒性をもたらさなかった。 50 mg/kg/日の用量では中等度の腸疾患による死亡(2 例中 1 例)及びこれに関連した嘔吐,下痢, 電解質アンバランス,脱水をもたらした。無毒性量は5 mg/kg/日(サキサグリプチンの AUC は 5 μg・ h/mL)であった。 2.6.6.3.2.2 イヌ 2 週間反復経口投与毒性試験(GLP 適用) (概要表2.6.7.7.5,報告書番号 019430) サキサグリプチン安息香酸塩を 1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,それをゼラチンカプセル に充填し,1,5,25 mg/kg の投与量で 1 日 1 回,ビーグル犬(各群雌雄 3 例)に経口投与した。 不純物/分解物である について,その安全性の確認を目的に投与懸濁液に添加した (1.4%)。対照群にはゼラチンカプセルに媒体 1.25%Avicel®を充填して他と同量(1 mL/kg)投与 した。一般状態観察,体重,摂餌量,神経及び呼吸機能,間接的血圧測定,心電図,眼科学的検 査,動脈酸素飽和度,血液学,血清生化学,尿検査,血漿DPP-4 活性,剖検及び病理組織学的検 査について評価した。サキサグリプチン及びBMS-510849 の血漿中濃度を投与 1 日及び 13 日に測 定し,全身暴露を評価した。 サキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露は,用量依存的に増加し,いずれの用量におい ても性差も反復投与による増加も認められなかった(表 2.6.6-2)。すべての用量において BMS-510849 の暴露は未変化体の 0.17 倍~1.86 倍であり,1.86 倍の差は低用量群でみられた。 すべての投与群で血漿DPP-4 活性の著明な低下(Emaxにおいて 94%以上の阻害)がみられた。 1 mg/kg/日では薬物に関連した毒性変化はみられず,いずれの用量においても神経及び呼吸機能の 変化はみられなかった。25 mg/kg/日の雄 1 例が,投与 9 日に状態悪化のため剖検された。5 及び 25 mg/kg/日では,嘔吐,赤色便及び/又は軟便,好酸球数増加,肝臓中心静脈周囲のごく軽度な亜 急性炎症がみられた。25 mg/kg/日では更に,臨床所見として,体重の減少(投与前値の 6%~20%), 軽度な摂餌量減少(雄),摂水量の増加がみられた。25 mg/kg/日ではごく軽度から軽度な臨床病 理変化として,連銭状赤血球(積重なった赤血球),好酸球数及び尿蛋白の増加,雄における血 清グロブリン及び免疫グロブリン(IgG,IgA)の増加がみられた。25 mg/kg/日では血清アルブミ ン,血清電解質にも減少がみられたが,胃腸への作用(下痢及び嘔吐)に対する二次的な変化と 考えられた。病理組織学検査において,上皮細胞の壊死,亜急性炎症,出血,うっ血,粘液細胞 枯渇,及び/又は小腸ないし大腸の絨毛萎縮を特徴としたごく軽度から中等度な腸疾患(剖検では 小腸粘膜の暗色/赤色化としてみられた),リンパ性組織の多くにストレスに関連した軽度から中 等度なリンパ性壊死及び/又は枯渇が 25 mg/kg/日でみられた。無毒性量は 1 mg/kg/日と考えられた (サキサグリプチン及びBMS-510849 それぞれの全身暴露 AUC は,雄では 1499 及び 1461 ng・h/mL, 雌では961 及び 1735 ng・h/mL)。 *:新薬承認情報提供時に置き換えた 類縁物質A*

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2.6.6 毒性試験の概要文:2.6.6.3 反復投与毒性試験 24 2.6.6.3.2.3 イヌ 6 週間反復経口投与毒性試験(GLP 非適用) (概要表2.6.7.6,報告書番号 019445) 以前に実施したイヌの試験(報告書番号019430)でみられた胃腸毒性がサキサグリプチンの用 量漸増によって軽減されるのか否かを確認するために本試験を実施した。サキサグリプチンフリ ー体を塩酸溶液に溶解し,雌雄各3 匹のビーグル犬に 1 mL/kg の液量で最初の 2 週間は 10 mg/kg/ 日,次の2 週間は 20 mg/kg/日,最後の 2 週間は 30 mg/kg/日と計 6 週間経口投与した。各 2 週間の 投与最終時のトキシコキネティクス,一般状態観察,体重,摂餌量,剖検及び小腸・大腸の病理 組織学的検査について評価した。 サキサグリプチン及びBMS-510849 の全身暴露は用量依存的に増加し,BMS-510849 の全身暴露 が20 及び 30 mg/kg/日で雌雄差がなかった以外,全般的に雌より雄で軽度高かった。BMS-510849 の暴露(AUC)はサキサグリプチンの 1.7 倍までの値を示した。 すべての投与量において,その投与量及び投与期間依存的な胃腸毒性(赤色,粘液性,形をな さない,ないし液状便),雌雄各1 例で体重減少(6 週間の投与期間中に 0.8 kg),投与 3 週~6 週中に雌1 例で摂餌量の低下(43%~68%),雄 1 例の大腸にごく軽度な多発性急性腸疾患がみら れた。この毒性の全体的な程度は2 週間 25 mg/kg/日投与されたイヌにおけるよりも軽度であり, 段階的なサキサグリプチンの用量増加はイヌにおける胃腸毒性に対して耐性を高めることが示唆 された。 2.6.6.3.2.4 イヌ 3 ヵ月間反復経口投与毒性試験(GLP 適用) (概要表2.6.7.7.6,報告書番号 019438) サキサグリプチン安息香酸塩を 1.25%Avicel®溶液(媒体)に懸濁し,それをゼラチンカプセル に充填し,0.2,1,5 mg/kg の投与量で 1 日 1 回,ビーグル犬(各群雌雄 5 匹)に経口投与した。 対照群にはゼラチンカプセルに媒体1.25%Avicel®を充填して他と同量(0.5 mL/kg)投与した。各 群雌雄3 匹については投与 3 ヵ月後に剖検し,残りの各群雌雄 2 匹は 1 ヵ月の休薬後に剖検した。 一般状態観察,体重,摂餌量,摂水量,血液学,血清生化学,尿検査,間接的血圧測定,心拍数, 心電図,眼科学的検査,動脈酸素飽和度,剖検及び病理組織学的検査によって評価した。サキサ グリプチン及びBMS-510849 の血漿中濃度を投与 1 日及び 90 日に測定した。サキサグリプチン投 与犬の血漿DPP-4 活性を投与 1 日及び 90 日,休薬期間の終了時に測定した。 サキサグリプチン及び BMS-510849 の全身暴露は用量と比例して増加し,明らかな性差はみら れなかった(表 2.6.6-2)。いずれの用量においても反復投与によるサキサグリプチン暴露の増加 はみられなかったが,5 mg/kg/日の BMS-510849 暴露は投与期間の延長によって約 1.5 倍になった。 すべての用量において,BMS-510849 の AUC はサキサグリプチンの AUC の 1.4 倍~2.3 倍であっ た。 血漿DPP-4 活性阻害(Emaxにおいて88%以上)がすべての投与群に認められ,明らかな性差は みられなかった。0.2 mg/kg/日では,薬物に関連した毒性変化はみられなかった。1 及び 5 mg/kg/ 日の雄において,有害ではないごく軽度から軽度の血清リンの低下がみられた。5 mg/kg/日では更 に,全例に赤色軟便(鉄反応陽性),軽度な好酸球数増加,雄においてごく軽度な血清アルブミ

参照

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