• 検索結果がありません。

皮膚線維腫・ 肥厚性瘢痕・ケロイドなら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "皮膚線維腫・ 肥厚性瘢痕・ケロイドなら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

21

1.軟性線維腫 

soft fibroma

類義語:アクロコルドン(acrochordon),スキンタッグ(skin tag),懸垂性線維腫(fibroma pendulum)

症状

頸部や腋窩,鼠径などに好発する.半球状〜有茎の,柔軟で 常色〜淡褐色調の腫瘍.表面に皺が多い(図21.52).頸部や 腋窩などに糸状の小腫瘍(長さ 2 〜 3 mm)が多発するものを アクロコルドンないしスキンタッグ,体幹に単発するやや大き なもの(直径約 1 cm)を軟性線維腫,これがさらに巨大にな り皮膚面から垂れ下がるようになったものを懸垂性線維腫と呼 び,それぞれ区別している.肥満者,女性に好発し,一種の加 齢変化と考えられている.

病理所見

膠原線維の増生が主体であり,細胞成分に乏しい.軟性線維 腫や懸垂性線維腫では,腫瘤の中に脂肪細胞を有する場合も多 い.

治療

必要があれば茎を切除ないし凍結療法.

2.皮膚線維腫 

dermatofibroma

同義語:線維性組織球腫(fibrous histiocytoma)

線維芽細胞やマクロファージが真皮内で限局性に増殖した 良性の硬い腫瘍.虫ちゅう症などの外傷に反応して発生する場合 がある.

成人の四肢に好発し,直径数 mm 〜 2 cm 程度の褐色調の隆 起性結節を形成する.

症状・病因

“皮膚の浅い部分にボタンを入れた感じ”と表現される褐色 調の皮内結節で,四肢に好発する(図21.53).緩徐に発育し,

通常,ある大きさに達すると変化しない.まれに 5 cm 以上と なる巨大型(良性)が下腿に生じることもある.単発性である

H.線維組織系腫瘍 fibrous tumors

21.52 軟性線維腫(soft fibroma)

21.53① 皮膚線維腫(dermatofibroma)

(2)

21

ことが多いが多発例も存在する.圧痛を伴うことがある.本症 は微小な外傷に対して反応性に結合組織要素が増殖してできた と考えられ,厳密な意味では腫瘍ではないとする考え方もあ る.

病理所見

真皮から皮下にかけて,膠原線維や線維芽細胞,組織球が 種々の割合で増殖(図21.54).腫瘍細胞は血液凝固第a 因子 陽性,CD34 陰性であり,隆起性皮膚線維肉腫(22 章 p.438 参照)

との鑑別点となる.また,基底層ではメラニンの増加を認める.

組織球の増殖が主であるものを cellulartype といい,やや赤み を帯び軟らかい.線維芽細胞や膠原線維の増殖が主であるもの を fibroustype といい,膠原線維の間に線維芽細胞が散在する.

鑑別疾患

硬くて黒色調が強いもの,成長が比較的速いものは,悪性黒 色腫との鑑別を要する.そのほか,隆起性皮膚線維肉腫,結節 性黄色腫,母斑細胞母斑,青色母斑など.

治療

外科的に切除する.悪性腫瘍ではないことが明らかであれば 放置してもよい.

3.肥厚性瘢痕およびケロイド 

hypertrophic scar and keloid

結合組織の増殖による,境界明瞭な紅色あるいは褐色の扁平 隆起.

外傷や手術などに続発して発生するが,突然発生する場合も ある.

とくにケロイドでは瘙痒感と側圧痛を伴う.

治療はステロイド局注や ODT などがあるが難治性.

分類

線維芽細胞によるコラーゲン線維産生が過剰になり,創面に 一致して紅褐色の隆起性病変を生じる.数年以内に自然萎縮す るものを肥厚性瘢痕(hypertrophicscar)という.一方,増殖が 高度で,創面を越えて大きく盛り上がり,消退傾向を示さない ものがケロイド(keloid)である.最近は耳介に生じるピアス ケロイド(図21.55)が増加している.

21.53② 皮膚線維腫(dermatofibroma)

21.54 皮膚線維腫の病理組織像

(3)

21

症状

外傷や手術などを契機に,通常 1 か月以内に発症する.耳介,

頸部,肩,体幹上部などはとくに生じやすい.境界明瞭な扁平 もしくは半球状隆起で,色調は鮮紅色から褐色を呈する( 21.55).ケロイドに特徴的な所見としては,進行すると側方へ 徐々に拡大,中央部はしばしば退色扁平化し(餅を引き伸ばし たようにみえる),横から強くつまむと痛い(これを側圧痛と いう).これに対して肥厚性瘢痕では,増生が創面を越えて成 長することはなく,側圧痛もない.

治療

初期の病変に対しては,ステロイド外用薬 ODT,持続的圧迫,

ステロイド局注,トラニラスト内服が行われるが,難治である.

病変が高度な場合や機能障害を伴う場合は,外科的に切除した 後に上記治療および放射線照射を試みる.

4.手掌足底線維腫症 

palmoplantar fibromatosis 手掌または足底の腱膜に硬い索状物が生じる,手掌腱膜,足 底腱膜の増生による深在性の線維腫症.手掌線維腫症(Dデュu- pピュイトランuytren 拘縮)では手指が屈曲拘縮する(図21.56).糖尿病に 合併することがある(17 章 p.312 参照).

21.55 肥厚性瘢痕およびケロイド(hypertrophic scar and keloid)

ac:体幹に生じた例.d,e:耳部のピアス後に生じた例.

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

21.56 手掌足底線維腫症(palmoplantar fibro- matosis)

本例は手掌線維腫症(Dupuytren拘縮)なので手指 が屈曲拘縮している.

(4)

21 5.真珠様陰茎小丘疹 

pearly penile papule

陰茎の冠状溝に 1 〜 3 mm 大のドーム状で白色調の丘疹が列 序性に多発する.いわゆる血管線維腫で,生理的なものである ため病的意義はない.尖圭コンジローム(23 章 p.472)との鑑 別を要する.

6.鼻部線維性丘疹 

fibrous papule of the nose

顔面や頸部に単発する,正常皮膚色から褐色,紅色で直径 10 mm 以下の硬めのドーム状丘疹(図21.57).病理組織学的 に血管線維腫を呈する.

7.後天性指趾被角線維腫 

acquired digital fibrokeratoma

正常皮膚色で弾性硬,表面に過角化を伴い,ドーム状あるいは 円筒状に突起した小結節(図21.58).指趾に好発し,まれに 手掌足底に生じる.結節性硬化症(20 章 p.372 参照)で爪囲に 生じたものを Koenen 腫瘍という.病理組織学的には過角化,ケネン 膠原線維と線維芽細胞の増殖,および豊富な小血管を認める.

8.弾性線維腫 

elastofibroma

主に肩甲骨下部に左右両側性にドーム状ないし扁平な盤状の 腫瘤を生じる.膠原線維に加え,弾性線維の増生を認める( 21.59).

9.硬化性線維腫 

sclerotic fibroma

直径 2 cm 大までのドーム状小結節を呈し,病理組織学的に は,腫瘍内に硬化した膠原線維が,花むしろ様に密に存在する.

細胞成分がほとんどなく,真皮内で境界明瞭な腫瘍として認め られる.Cowden 症候群(p.389MEMO 参照)で多発すること がある.

10.結節性筋膜炎 

nodular fasciitis

30 歳代の前腕に好発する.外傷などが誘因となり,1 〜 2 週 間で急速に直径 2 〜 3 cm の皮下結節を形成し,圧痛や自発痛 を伴うことが多い(図21.60).病理組織学的には,筋膜付近 で幼若な線維芽細胞様細胞が不規則(束状,渦巻き状)に増殖

血管線維腫(angiofibroma)

21.58 後天性指趾被角線維腫(acquired digital fibrokeratoma)

21.57 鼻部線維性丘疹(fibrous papule of the nose)

21.59 弾性線維腫(elastofibroma)

(5)

21

しているさまを観察する.ムチンの沈着や核分裂像もみられ,

いわゆる肉腫(線維肉腫,悪性線維性組織球腫,平滑筋肉腫,

粘液型脂肪肉腫,隆起性皮膚線維肉腫)との鑑別を要する.本 症は自然治癒傾向を示す.

11.腱鞘巨細胞腫 

giant cell tumor of tendon sheath

手指の関節近傍に好発する.直径数 mm 〜 4 cm の,硬い多 房性の皮内ないし皮下結節.正常皮膚色で単発性,痛みはない.

組織球様細胞や巨細胞の増殖を特徴とする.腱鞘あるいは滑膜 由来の腫瘍と考えられている.治療は外科的に全摘出する.

12.デスモイド腫瘍 

desmoid tumor

肩,胸壁,大腿などの筋,腱膜に好発する直径数〜 10 cm の 正常皮膚色の硬い深在性の腫瘤.病理組織学的に,分化した線 維芽細胞と膠原線維からなる良性の線維性腫瘍だが,ゆっくり と浸潤性に増大し,再発率が高い.

13.皮膚粘液腫 

cutaneous myxoma

数 cm 以下の軟らかい結節性の良性腫瘍.自覚症状はない.

病理組織学的には粘膜様組織内に星芒状あるいは紡錘形をした 腫瘍細胞が浮かぶように認められる.ムチン沈着症(17 章 p.299 参照)とは異なる,独立した疾患である.

14.指趾粘液囊腫/ガングリオン 

digital mucous cyst / ganglion

指趾末節背面に生じた,ムチンを含んだ偽囊腫性病変(図 21.61).水疱あるいは疣贅のような外観を呈することがある.

myxomatoustype と gangliontype に大別され,前者は線維芽細 胞によるヒアルロン酸の過剰生産が原因で,本質的に限局性の ムチン沈着症である.後者は関節囊あるいは腱鞘のヘルニアで

乳児指趾線維腫症

(infantile digital fibromatosis)

21.60 結節性筋膜炎(nodular fasciitis)

21.61 指趾粘液囊腫,ガングリオン(digital

mucous cyst / ganglion)

a:臨床像.b:外科的切除.c:病理組織像.

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

(6)

21

ある.不十分な切除は再発を招く.穿刺吸引,凍結療法,ステ ロイド局所注射なども行われる.

15.口腔粘膜粘液囊腫 

mucous cyst of the oral mucosa

下口唇(まれに頬粘膜,舌)に現れる,ドーム状隆起を示す 直径 2 〜 10 mm の軟性腫瘤(図21.62).切開により黄色調で 透明な粘液を排出する.咬傷により唾液腺の排出管が破れ,唾 液が周囲組織に漏出し,肉芽腫を生じたものと考えられる.

1.黄色肉

に く

腫 

xanthogranuloma

同義語:若年性黄色肉芽腫(juvenile xanthogranuloma)

黄色〜暗赤色調で表面平滑な数 mm 〜 1 cm 大の丘疹および

結節で(図21.63),顔面部や四肢,体幹に好発する.多くは

生下時〜生後数か月以内に単発ないし多発し,通常は 5 〜 6 歳 までに自然退縮する.成人でも同様の皮疹を生じることがある.

血中脂質は正常.Langerhans 細胞組織球症(22 章 p.442 参照)ランゲルハンス で類似した皮疹をきたすことがあり,鑑別を要する.病理組織 学的には,組織球と黄色腫細胞,Tツートンouton 型巨細胞からなる反 応性肉芽腫である(図21.64).神経線維腫症 1 型(20 章 p.368)

I.組織球系腫瘍  histiocytic tumors

21.62 口腔粘膜粘液囊腫(mucous cyst of the oral mucosa)

21.63 黄色肉芽腫(xanthogranuloma)

21.64 黄色肉芽腫の病理組織像

a:著明な腫瘍細胞の増生.b:脂肪を貪 食したTouton型巨細胞(矢印).

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

a b c d e f h

a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

図 21.55 肥厚性瘢痕およびケロイド(hypertrophic scar and keloid)
図 21.57 鼻部線維性丘疹(fibrous  papule  of  the  nose)
図 21.61 指趾粘液囊腫,ガングリオン(digital
図 21.62 口腔粘膜粘液囊腫(mucous  cyst  of  the  oral mucosa) 図 21.63 黄色肉芽腫(xanthogranuloma) 図 21.64 黄色肉芽腫の病理組織像 a:著明な腫瘍細胞の増生.b:脂肪を貪食したTouton型巨細胞(矢印).abcde f habcdefggh ii jj kk ll mm nn oo ppabcdefhabcdefgghiijjkkllmmnnoopp

参照

関連したドキュメント

 余ハ急性炎症時二生ズル滲出液ト末梢血液トノ白血球ノ季均核激ヲ試験セリ.師チ入皮膚及ピ家兎皮膚

血管が空虚で拡張しているので,植皮片は着床部から

 6.結節型腫瘍のCOPPとりこみの組織学的所見

点と定めた.p38 MAP kinase 阻害剤 (VX702, Cayman Chemical) を骨髄移植から一週間経過したday7 から4週

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

 局所々見:右膝隅部外側に栂揃頭大の腫脹があ

添付)。これらの成果より、ケモカインを介した炎症・免疫細胞の制御は腎線維

皮膚腐食性 皮膚腐食性/ /皮膚刺激性 化学名 過マン ガン 酸カ リ ウム 眼に対する 重篤な損傷性 重篤な損傷性/ /眼刺激性 化学名 過マン ガン 酸カ