呼吸器感染症の基礎と臨床
三重大学医学部付属病院呼吸器内科
小林 裕康
死 亡 率( 人口
10 万対
)
'平成15年人口動態統計( より作図
悪性新生物 脳血管疾患
心疾患
'309,543人(
'159,545人(
'132,067人(
'94,942人(
肺炎
' (内は平成
15
年度死亡者数死因別にみた死亡率の年次推移
0 50 100 150 200 250 300
1950 '55 '60 '65 '70 '75 '80 '85 '90 '95 2000
日本人の主な死因'死亡者数(
0 1000 2000 3000
2.2 0.5 0.3 0.4 0.5 0.7 0.8 1.1 1.8 3.0 6.1 10.1 21.4 46.0 111.3 261.6
593.3
1337.8 2913.3
年 齢
'平成15年人口動態統計( より作図
75~ 79
80~ 84
90歳 以上 85~ 89 70~
74 65~ 69 60~ 64 55~ 59 50~ 54 45~ 49 40~ 44 35~ 39 30~ 34 25~ 29 20~ 24 15~ 19 10~ 14
~5 9 歳4 以下
死 亡 率
(人 口 万 対) 10
64歳以下 5%
65歳以上 95%
肺炎による死亡の年齢別割合
平成15年度 肺炎死亡者総数:94942人
肺炎による年齢別死亡率
呼吸器感染症診療の基本要素
呼吸器の解剖・機能を理解する
感染症の存在と重症度を正確に認知する
原因微生物の検索
適切な抗生物質の選択・変更
効果判定
呼吸器感染症診療の基本要素
呼吸器の解剖・機能を理解する
感染症の存在と重症度を正確に認知する
原因微生物の検索
適切な抗生物質の選択・変更
効果判定
呼吸器の構造
気管支では線毛が異物を運び出す
NO2 ダイオキシン アスベスト ウイルス 病原菌
鼻甲介 排気ガス
喉頭蓋
多核白血球 マクロファージ
肺炎の発症の機序
年齢と免疫力
肺炎の症状
発熱 咳嗽 喀痰
呼吸困難 倦怠感 胸痛
肺炎の病歴
咳嗽:頻度、喀痰の有無、喀痰の色と粘調度
胸痛:深吸気時での疼痛、しばしば鋭痛→
胸膜浸潤。肺炎球 菌、化膿性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、嫌気性菌など
悪寒戦慄:ベッドがガタガタするほどの悪寒→
細菌性肺炎
呼吸困難:低酸素血症の存在。胸膜痛である場合も。
疫学:旅行歴、動物への曝露、呼吸器疾患患者との接触、職 業歴、性亣歴肺炎の症状
高熱
微熱
咳
膿性痰、呼吸困難、胸痛 チアノーゼ、意識障害 頑固な激しい咳
10
~30
歳台鳥との接触・飼育、胸痛
咳
痰、血痰、寝汗が続く頑固な咳が続く
細菌性肺炎
オウム病 肺結核
クラミジア肺炎
マイコプラズマ肺炎
呼吸困難とは
呼吸数が□□□
□□呼吸
口唇や四肢末梢に□□
冷汗
肺炎の身体所見
呼吸数>30/
分、収縮期血圧<90mmHg
、脈拍>125/
分、体温<
35 ℃もしくは> 40 ℃は予後不良の徴候
意識レベルの低下と項部硬直は細菌性髄膜炎を示唆
理学所見:気管支呼吸音は浸潤影を示唆
打診上の濁音は浸潤影か胸水を示唆
胸水の存在では呼吸音は減弱し、胸膜摩擦 音も聴取する場合あり
画像所見'胸部 X 線(
肺炎が疑われる場合は、全例に胸部 X 線撮影をす べきである。
免疫抑制剤投与中や AIDS 患者では陰影のパター ンが非定型的になる。
大葉性パターン
気管支肺炎パターン 間質性パターン
肺膿瘍症
小結節影
しかし、高齢者の場合は、、、、
T 大病院で院内感染 多剤耐性菌で9 人死亡か、4カ月報告せず
感染が確認されたのは、35~89歳の男女46人で、53~89歳の男女27人がすでに死亡。27人のうち9人 は
感染が死亡の原因になった可能性が否定できず、6人は関連が不明、12人は原疾患が死亡原因で、感染との因果関係 はないとしている。
また、MRABに感染した2人が他病院に転院。このうち1人は感染していることを転院先に伝えたものの、院内感染 が起きていることは伏せられた。もう1人は、感染自体も伝えられていなかった。森田院長は報告が遅れた理由を
「患者に対する治療に専念していた」と説明。「今までのやり方に不備があったことは認めざるを得ない」と話してい る。T大学医学部付属病院は病床数1154。高度な先端医療行為を行う特定機能病院の指定などを受けている。
2010.9.3
Acinetobacter に罹患しやすい状態
院内での抗生剤耐性化が進む
Acinetobacter
肺炎の罹患場所による分類
肺炎の原因による分類
感染症 閉塞性気管支 細気管支炎 慢性気管支炎、気管支拡張症
区分 上気道 上気道炎
下気道(導管)
分岐
0 1 2 3 4 5~16 17 18 19 20 21 22 23
びまん性汎 細気管支炎
間質性肺炎 肺炎
中間(移行)領域
(呼吸細気管支) 呼吸領域
呼吸器感染症と発症部位
細葉
胸膜
小葉間隔壁
小葉気管支
終末細気管支
Kohn
孔Lambert
管小葉と細葉の模式図
肺胞
直径:0.2mm 数:8億個
肺炎であるかどうかを調べる検査
原因となっている病原微生物を調べる検査
呼吸器感染症診療の基本要素
呼吸器の解剖・機能を理解する
感染症の存在と重症度を正確に認知する
原因微生物の検索
適切な抗生物質の選択・変更
効果判定
Infection 感染
宿主組織への
侵入
Invasion
定着
Colonization
増殖
Proliferation
宿主の防御反忚誘発 細胞内侵入や毒素産生 による病原性発揮
Infection 感染
Pathogen
( pathogenicity ) ⇆ Host defense
( mechanism )
Infection 感染
Pathogen
( pathogenicity ) ⇆ Host defense
( mechanism )
病原微生物による肺炎の病因分類 - 細菌性 -
細菌
グラム陽性球菌
グラム陰性桿菌
グラム陰性球菌 嫌気性菌
抗酸菌
肺炎球菌 Streptococcus pneumoniae 黄色ブドウ球菌 Staphlococcus aureus インフルエンザ菌 Hemophilus influenzae 肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae
緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa 大腸菌 Escherichia coli
セラチア Serratia marcescens
レジオネラ Legionella pneumophila ブランハメラ Branhamella catarrhalis バクテロイデス Bacteroides fragilis
ペプトストレプトコッカス Peptostreptococcus 結核菌 Mycobacterium tuberculosis
非結核性抗酸菌 Non-tuberculosis mycobacterium
病原微生物による肺炎の病因分類 - 非細菌性 -
マイコプラズマ クラミジア
肺炎マイコプラズマ Mycoplasma pneumoniae クラミジア Chlamydia pneumoniae
寄生虫 原虫 吸虫
ニューモシスティス Pneumocystis 肺ジストマ'肺吸虫(
真菌
アスペルギルス Aspergillus fumigatus クリプトコッカス Cryptococcus neoformans カンジダ Candida albicans
ムコール Mucor sp.
ノカルジア Nocardia asteroides 放線菌症 Actinomyces sp.
ウイルス
サイトメガロウイルス Cytomegalo virus
水痘 Varicela virus
インフルエンザ Influenza virus
麻疹 Measles virus
感染経路
1.空気感染 2.飛沫感染 3.接触感染
4.一般媒介物感染
5.昆虫媒介感染
感染経路
1.空気感染 2.飛沫感染 3.接触感染
4.一般媒介物感染 5.昆虫媒介感染
微生物を含む飛沫が気化した後発生し 長期間空中を浮遊
結核、麻疹、水痘
感染経路
1.空気感染 2.飛沫感染 3.接触感染
4.一般媒介物感染 5.昆虫媒介感染
咳、くしゃみ、会話の時に伝染し 密接な接触を必要とする
インフルエンザ
マイコプラズマ
風疹
飛沫 (droplet ) 飛沫核 (droplet nuclei )
直径≧ 5 μm
落下速度 30~80 cm/sec
直径≦ 5 μm
落下速度 0.06~1.5 cm/sec
水分
感染経路
1.空気感染 2.飛沫感染 3.接触感染
4.一般媒介物感染 5.昆虫媒介感染
病院感染で最も重要、かつ高頻度 直接接触感染
手の接触などで皮膚が直接接触する 間接接触感染
汚染された媒介物を介する
感染経路
1〄空気感染 2〄飛沫感染 3〄接触感染
4〄一般媒介物感染 5〄昆虫媒介感染
汚染された食物、水、器具
ー血液によるC型肝炎、注射器 によるHIV感染ー
感染経路
1〄空気感染 2〄飛沫感染 3〄接触感染
4〄一般媒介物感染
5〄昆虫媒介感染
蚊、ハエ、ネズミなどの害虫が 微生物を伝搬。マラリア、日本 脳炎、ペストなど。免疫系は大きく2種類に区別される
自然免疫
(非特異的)
獲得免疫
(特異的)
:粘膜のバリアー、貪食細胞、補体
体液性免疫:免疫グロブリン、B細胞
主に細胞外で増殖する病原体
(大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌等)
細胞性免疫:ヘルパーT細胞、細胞障害性T細胞 主に細胞内で増殖する病原体
(結核菌、リステリア、サルモネラ、
ウイルス等)
感染防御機構のあらまし
自然免疫
Innate immunity
獲得免疫
Adaptive immunity
'数日後(
病原微生物
AMDC
PMN
マスト
NK
NKT
Th1
Th2
感染 時間
自然免疫
(非特異的)
獲得免疫
(特異的)
体液性免疫:免疫グロブリン、B細胞
主に細胞外で増殖する病原体
(大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌等)
細胞性免疫:ヘルパーT細胞、細胞障害性T細胞 主に細胞内で増殖する病原体
(結核菌、リステリア、サルモネラ、
ウイルス等)
免疫系は大きく2種類に区別される
:粘膜のバリアー、貪食細胞、補体
病原体が最初に遭遇するバリアー
1.機械的クリアランス
'1(流体力学的濾過作用
'2(粘液、線毛上皮による輸送機能
'3(反射'嗅覚反射、喉頭反射、咳反射(
2.生物学的防御 常在細菌叢
3.生化学的防御能
リゾチーム、ラクトフェリン、分泌型
IgA
、 サーファクタント4.貪食細胞による非特異的貪食能
樹状細胞、肺胞マクロファージ、好中球
Epithelial lining fluid (ELF)
(Comprehensive Respiratory Medicine, Mosby;1999)
}
IgA
抗体ディフェンシン リゾチーム ラクトフェリン
細菌・異物を 取り込む
Epithelial lining fluid (ELF)
(Wu DXY et al: Regulation of the depth of surface liquid in
bovine trachea. Am J Physiol 274:388-395,1998.)
宿主は、なぜ病原体を認識できるのか
樹状細胞に存在する巧妙な抗原認識機構免疫系は大きく2種類に区別される
自然免疫
(非特異的)
獲得免疫
(特異的)
:貪食細胞、補体
体液性免疫:免疫グロブリン、B細胞
主に細胞外で増殖する病原体
(大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌等)
細胞性免疫:ヘルパーT細胞、細胞障害性T細胞 主に細胞内で増殖する病原体
(結核菌、リステリア、サルモネラ、
ウイルス等)
獲得免疫への橋渡し
2 種類のヘルパー T 細胞' Th1 と Th2 (
Th1
Th2
IL-12
IL-4
病原体
APC CD4
抗原提示細胞'樹状細胞(
免疫系
細胞性免疫
細胞内寄生菌に対する 防御 '結核菌,非結核性 抗酸菌(
産生サイトカイン
IL-2
、IFN-g
体液性免疫
細胞外寄生菌に対する 防御
産生サイトカイン
IL-4
、IL-5
、IL-6
マスト細胞
重症度の理解
CRP や白血球数上昇の程度=重症度
病態の理解にもとづいた 検査データの解釈
Pathogen
( pathogenicity ) ⇆ Host defense
( mechanism )
56 歳男性・胸部異常影
Pathogen
( pathogenicity )
Host defense ( mechanism )
>
呼吸器感染症診療の基本要素
呼吸器の解剖・機能を理解する
感染症の存在と重症度を正確に認知する
原因微生物の検索
適切な抗生物質の選択・変更
効果判定
主訴:発熱・咳嗽・喀痰
既往歴:特記すべきことなし。
現病歴:平成17年12月半ば頃より、感冒症状出現。市販 薬を服用しつつ、忘年会に忙しかった。1週間後、38度台 の熱発が認められるようになり、加えて、咳嗽に伴い、黄色 調の膿性痰が出るようになったため、当科受診となる。
受診時、体温38.3度。全身倦怠感も強く、脱水傾向を認 めた。また、胸部聴診上、右肺野でラ音が聴取された。
症例1 65歳男性
胸部 X 線
受診時検査所見
WBC 17370 Neutro 81%
Lymph 10%
Eosin 2%
Baso 1%
Mono 7%
RBC 488x104
Hb 15.7
PLT 49.7x104
TP 7.7 g/dl Alb 4.3 g/dl ZTT 11.8 KU TTT 4.5 KU BUN 35mg/dl Cr 1.2mg/dl
KL-6 318U/ml ACE 23.8 IU/l ANA x40 RF 3.0 IU/ml MPO-ANCA (-) PR3-ANCA (-)
Protein (-) Sugar (-) Occult blood (-)
Hematology
Biochemistry
Urinalysis
Serological exam
Na 141 mEq/l K 4.5 mEq/l Cl 101 mEq/l AST 22 IU/l ALT 13 IU/l LDH 285 IU/l ChE 1.04 pH γ-GTP 12 IU/l T-Bil 0.5 mg/dl T-Chol 183 mg/dl TG 97 mg/dl BS 94 mg/dl CPK 78 IU/l CRP 17.2 mg/l ESR 90/100
白血球数増多 好中球優位
炎症反忚の著しい亢進
肺 炎 の 診 断
臨床症状
自覚所見(咳、痰-膿性-、胸痛、発熱、呼吸困難) 他覚所見(身体所見)
胸部レントゲン写真
肺炎(臨床診断) 一般検査
WBC, ESR, CRP
原因微生物の検索
呼吸器感染症の診断的アプローチ
喀痰検査
気管支鏡
経気管吸引
経皮的肺穿刺吸引
血清学的検索
尿中抗原
喀痰採取の際の注意点
口腔および上気道の汚染を最小限にとどめるため、
十分うがいを行ってから、採取する。
痰の喀出が困難な場合は、超音波ネブライザーを 使用し、誘発喀痰を採取する。
抗菌薬使用前に採取する。
細菌検査の手順
検体の外観の観察
塗沫染色
細菌培養
同定検査
薬剤感受性検査
細菌検査の手順
検体の外観の観察
塗沫染色
細菌培養
同定検査
薬剤感受性検査
肺炎桿菌肺炎の患者からの喀痰
Miller&Jonesの分類
M1: 唾液、完全な粘液痰
M2: 粘液痰の中に膿性痰が少量含まれる。
P1: 膿性部分が1 / 3以下の痰
P2: 膿性部分が 1/ 3~2 / 3の痰
P3: 膿性部分が2 / 3以上の痰
Gecklerの分類'100倍鏡検(
群別 白血球数 扁平上皮数
6 <25 <25
5 >25 <10
4 >25 10~25
3 >25 >25
2 10~25 >25
1 <10 >25
)
)
:経気管吸引法細菌検査の手順
検体の外観の観察
塗沫染色
細菌培養
同定検査
薬剤感受性検査
グラム染色
細菌を顕微鏡で観察する際に行う最も 基本的な染色の一つで、
1884
年にGram
によって初めて記載された方法。塗沫標本
クリスタル紫*ルゴール液 アルコール
脱色'-( 脱色'*(
サフラニン液で淡紅色 グラム陽性菌 グラム陰性菌
塗沫所見
肺炎球菌'グラム陽性双球菌(
モラキセラ・カタラーリス
'グラム陰性双球菌(
抗酸菌'Ziehl-Neelsen(染色:結核、
非結核性抗酸菌
グロコット染色:真菌、カリニ
グラム陽性菌黄色ブドウ球菌'グラム陽性球菌(
グラム陰性菌インフルエンザ菌
'グラム陰性短桿菌(
喀出痰 グラム染色
グラム染色 喀出痰
提示症例の喀痰検査
細菌検査の手順
検体の外観の観察
塗沫染色
細菌培養
同定検査
薬剤感受性検査
細菌について
細菌は最も原始的な構造を持つ単核細胞
の一つで、形状・大きさは様々。
基本的に細菌はウイルスとは全く違った構造 を持つ。
細菌は“細胞壁を持つ単細胞の生物である。ウイルスは“生物と物質の中間”で、自分で
分裂して、増えることが、出来ない。すなわち、生物の細胞の中でしか、生息出来ない。
細菌は、栄養を多く含んだ培地の上で、発育 可能。一般細菌培養について
感染症の原因となる細菌'原因菌、起炎菌(を 増殖させる重要な操作。
検体を適切な培地面に塗沫する。
綿棒で得られた検体は、そのまま培地にこすり 付けて塗沫する。
喀痰や尿などの液状の検体は白金耳と呼ばれ る先端に輪のついた道具を用いて塗沫する。細菌を増殖させ、目に見える独立した集落
'Colony(を培地上に形成させる。
出典:石田 直: 呼吸器ケア 2003; 1'4(: 436-443より作図
市中肺炎の原因病原体分離頻度
クラミジア・
ニューモニエ, 5.8%
マイコプラズマ・
ニューモニア, 6.5%
インフルエンザ菌, 7.5%
黄色ブドウ球菌, 緑膿菌, 2.1% 2.1%
ウイルス, 1.7%
その他の菌, 10.2%
肺炎球菌 28.0%
不明 36.1%
尿中抗原測定
肺炎球菌、レジオネラ、インフルエンザ菌では菌を構成している成分が、可溶性抗原として、尿中 に排泄される。血液よりも、腎臓で濃縮されるため、
濃度が高く、検出感度が高い。
菌血症で約
8
割、それ以外でも5
割。従来より、起炎菌の分離頻度は高くなく、培養・同定
に時間を要する。また、抗菌薬が投与されていると、不明。
既に抗菌剤が投与されていても、陽性に。
大腸菌等で汚染されていても、影響ない。採取が容易。
迅速性あり'15
分(。
偽陽性は一般的に少ないが、ワクチン接種後や 小児においてありうる。測定意義
起炎菌と肺炎病像
Community acquired pneumonia
Hospital acquired pneumonia
Kleb.pneumoniae E.coli
Ps.aerugino sae
Mycoplasma pn.
Chlamydia ps.
Chlamydia pneumo.
Legionella
高齢者慢性呼吸器疾患 血液疾患、糖尿病、大酒家 免疫不全例など
その他、弱毒菌
Legionella、真菌、
サイトメガロウィルス Pneumocystis carinii
(小林宏行ほか、マクロライド系抗生物質、呼吸6(11):1231〃1987)
S. pneumoniae H. influenzae
S. aureus
施設肺炎の原因微生物
(Maruyama T et al, Respiratory medicine, 2008)
Cytomegalovirus 8.0%
S aureus 4.0%
Enterpbacteriaceae 4.0%
Parainfluenzavirus 3 4.0%
RS virus 4.0%
M catarrhalis 2.7%
M pneumoniae 9.3%
Fungus 2.7%
C pneumoniae 34.7%
S pneumoniae 33.3%
P aeuruginosa 1.3%
Others 4.0%
Unknown 28.0%
Influenza virus 14.8%
M R S A M S S A クレブシエラ 緑膿菌 腸球菌
肺炎球菌 インフルエンザ菌 入院時感染例
(2 2株)
経過中感染例
(3 0株)
終末期感染例
(2 0株)
肺癌に合併した肺炎1 3 5例から分離された有意病原細菌7 2株の感染 発症時期別構成
(渡辺 彰:日胸疾会誌、3 0:1 2 5 0、1 9 9 2 .)
呼吸器感染症診療の基本要素
呼吸器の解剖・機能を理解する
感染症の存在と重症度を正確に認知する
原因微生物の検索
適切な抗生物質の選択・変更
効果判定
Empiric Therapy
Initial Treatment の1つで、原因微生物が不明の時、
長年の豊富で優れた臨床経験に基づいて適切な薬剤を選 択する治療法
1〄原因菌の種類と頻度 2〄患者の年齢
3〄基礎疾患の有無 4〄患者の免疫状態
Empiric=「経験主義的な、科学的知識のない・・」
Empiric Therapy
臨床兆候:診療経験、文献知識、疫学情報 仮診断・起炎菌予測
経験的抗菌薬選択 経過観察
検査結果に基づく診断・治療の妥当性確認
治療続行・終了 治療変更 検査結果に
基づく
診断・治療の 妥当性評価
治療経験の フィードバック
50 歳男性、 CRP 20
「 CRP が 20 なのでエンピリックに広域抗菌薬 を使用しました」
「熱」や「 CRP 」に対して、抗菌薬を使用することを エンピリック治療とは言わない
「あてずっぽう」と呼ぶ
33 歳女性、 6 週間続く咳
ウイルス感染後の気道過敏性亢進
喫煙に伴う咳
ACE 阻害剤に伴う咳
異型喘息
逆流性食道炎
鼻炎・慢性副鼻腔炎
百日咳
結核
抗生剤の選択
薬剤感受性
薬剤の体内動態
宿主の状態・免疫能
薬剤の副作用
以上を総合的に判断し選択
細菌検査の手順
検体の外観の観察
塗沫染色
細菌培養
同定検査
薬剤感受性検査
薬剤感受性試験について
試験対象とする抗生剤が、どの程度の濃度で被検菌株の 発育を抑制できるのかを測定するもの。
臨床的意義は以下の 3 つ。
1.抗生剤の正しい選択とその治療効果を予知する。
2.耐性菌、院内感染の広がりなど、疫学的調査に利用。
3.新しい抗生剤の in vitro 活性を評価する。
薬剤感受性試験の方法
希釈法一定量の被検菌を異なる濃度'通常、2倍希釈系列(の 抗菌薬存在下で培養し、菌発育の認められない最小薬剤 濃度minimum inhibitory concentration(MIC)を測定する。
Agar dilution法とbroth dilution法とがある。
ディスク法あらかじめ寒天培地に被検菌を塗布しておき、これに一定量 の抗菌薬を含ませた円形濾紙'ディスク(をのせて培養。
菌株の感受性の程度と相関した円形の発育阻止帯がディスク の周囲に形成される。阻止円の直径を計測して感受性を
決定する。
薬剤感受性試験の結果判読
希釈法:MIC
ディスク法: 阻止円直径' MIC
(への換算可能臨床医への報告
1.
MIC
をそのまま報告菌株と抗菌薬の二つの因子から決定される。
2.薬剤感受性を大まかに区分したカテゴリーで報告
これまでの経験則から対象抗菌薬を投与したときの臨床効果を予知。
(1)Susceptible(S:
感性)
(2)Intermediate(I:
中間)
(3)Resistant(R:
耐性)
抗生物質の血中濃度の推移
Cmax
PK/PD からみた抗生物質の分類
分割型: 時間依存性
β ラクタム、クリンダマイシン、マクロライド
1 回型: 濃度依存性
ニューキノロン、アミノグリコシド、アジスロマイシン
投与方法の是非
クラビット 3 錠、分 3
クラビット 4 錠、分 2
クラビット 4 錠、分 1
抗生物質投与の原則
投与量:最大投与量を標準量とする
投与経路:内服治療の対象範囲を知り、それ 以外は静注が基本
投与間隔:分割型と 1 回型に分けて覚える
投与量・回数の調節:腎機能を確認
投与期間:多くのパラメーターを指標にして投
与する
「狭くから広く」か「広くから狭く」か
「待てる」感染症、「待てる」患者であれば、
「狭くから広く」のエンピリック治療は可能
エンピリック治療の前提は「広くから狭く」の
いわゆる「 De-escalation 」である。この際
に培養検査は必須。
主な耐性菌
MRSA
'メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(オキサシリン(MPIPC)のMICが4μg/ml以上のS.aureus。 バンコマイシン・テイコプラニン・アルベカシンにて治療
PRSP
'ペニシリン耐性肺炎球菌(ペニシリン結合蛋白の変異により、ペニシリンに耐性化。
ペニシリンGに対するMIC>2μg/ml。
カルバペネム系薬、ニューキノロンにて治療。
多剤耐性緑膿菌カルバペネム、ニューキノロン、アミノグリコシド系薬全てに耐性。
有効な治療薬なし。
ESBL
'器質拡張性β
-ラクタマーゼ産生菌(カルバペネム系薬、セファマイシン系薬にて治療。
BLNAR
'β
-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(セフェム系薬、カルバペネム系薬にて治療。
VRE
'バンコマイシン耐性腸球菌(バンコマイシンの結合標的部位の変化により、バンコマイシンへの親和性 が低下し、耐性を示す。
リネゾリド、シナシッドにて治療。
人類と細菌との攻防
1929
年 英国の学者フレミングが初の抗生剤ペニシリンを発見
1940
年代 ペニシリン耐性の黄色ブドウ球菌発見
1950
年代 抗生剤バンコマイシン登場
1960
年頃 同メチシリン登場。間もなく耐性の黄色ブドウ球菌'MRSA
(発見
1980
年代後半 バンコマイシン耐性腸球菌'VRE
(発見 多剤耐性緑膿菌発見多剤耐性アシネトバクター発見
2002
年 バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌'VRSA
(発見耐性菌が生まれる仕組み
患者に対して複数の抗生剤を使用
細菌の一部の遺伝子が突然変異を起こし、
抗生剤に耐えられるように
細菌が増殖する際に耐性遺伝子' NDM1 等(
を取り込む
何度も感染するうちに効かない抗生剤が
増えていく
インフルエンザ ウイルス
インフルエンザにかかると・・・
• のどや気道には、外部から菌が 入ってくるのを防ぐ働きがありま す。
肺炎球菌 肺炎球菌
菌 菌 菌菌 • インフルエンザウイルスは、のど や気道の働きを弱めます。
• 防御機能の弱まったのどや 気道を、多くの菌が簡単に通過 し、肺炎を起こしやすくします。
• その菌の中で、最も重症化を 招きやすいのが、
肺炎球菌
インフルエンザ ウイルス
菌
菌
肺炎球菌
肺
肺炎球菌 肺炎球菌
肺炎球菌