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厚生労働科学研究費補助金(再生医療実用化研究事業)

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(再生医療実用化研究事業)

分担研究報告書

劇症患者由来iPS細胞の作製

研究分担者  梅澤  明弘

独立行政法人国立成育医療研究センター  再生医療センター長

研究要旨

小児劇症肝炎患者から iPS 細胞を樹立し、特異的な遺伝的多型を有する iPS 細胞由来分化誘導肝細胞を作製するとともに、その性質を精査する

A. 研究目的

本研究は、小児劇症肝炎患者からiPS 細胞を樹立し、特異的な遺伝子多型を 有する iPS 細胞由来肝細胞を作製する とともに、その性質を精査し、毒性評 価研究に利用するための材料の提供を 行うことを目的とする。

B. 研究方法

劇症肝炎患者由来の iPS 細胞の作製を 行った。また、樹立したiPS細胞を用い て多分化能(胚葉体形成、奇形腫形成)、 ゲノム(核型、CGH等)、未分化性(免 疫組織化学、RT-PCR、Transcriptome等)、 形態、エピジェネティクス(Bisulfite sequence法、Illumina assay等)、純度(細 菌、マイコプラズマ、ウイルス、エン ドトキシン等)の解析項目を決定し、

評価を行った。

(倫理面への配慮)

組織については、平成 22 年 11 月 1 日施行された「ヒト幹細胞を用いる臨 床研究に関する指針(平成22年厚生労 働省告示第380号)」に従い、最新の社 会的な影響を十分に考慮する。さらに、

倫理的な手続きおよび考え方が年次毎 に異なると予想されるため、「厚生労 働科学研究に関する指針」に準拠する。

実験動物を用いる研究については、国 立成育医療センター研究所動物実験指 針に準拠して研究を実施する(承認番 号2003-002, 2005-003)。特に、動物愛護

と動物福祉の観点から実験動物使用は、

目的に合致した最小限にとどめる。ま たその際、麻酔等手段により苦痛を与 えない等の倫理的配慮をおこなう。実 験者は、管理者と相互協力のもと適切 な環境のもと飼育管理を行う。

C. 研究結果

劇症肝炎患者由来組織より得られた 繊維芽細胞より2株のiPS細胞の樹立に 成功した。具体的には、センダイウイ ルスベクターを用いて KLF4, OCT3/4, SOX2, c-MYCの4遺伝子を導入した。

その結果、ウイルス感染後10日ほどで ドーム状の形態をもった細胞集団のコ ロニーが現れた。このコロニーを継代 培養すると iPS 様のコロニーが形成さ れた。センダイウイルスが除去された ことを確認し、SSEA-4,NANOG 等の未 分化マーカーによる免疫化学染色を行 った結果、いずれも陽性であった。ま た、マウスへの移植による奇形種形成 で、三胚葉への分化が確認された。

D. 考察

本研究では樹立実験を2回行ったが、

1回目と2回目で樹立効率に顕著な差が 見られた。このことから、iPS細胞を樹 立する際に重要な条件として様々なこ とが示唆された。1細胞あたりに感染さ せるウイルス量の違い、遺伝子導入細 胞の若さおよび増殖能の違い、ピック アップするコロニーの形態学的違い、

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継代を行うタイミングなどが挙げられ る。これらのことから、樹立効率を向 上させるには、遺伝子を導入する細胞 に応じて適切な条件を選択することが 必要であると考えられた。これらのiPS 細胞を用いて、特異的遺伝子多型のSNP を同定することとなる。

E. 結論

劇症肝炎由来のiPS細胞の樹立に成 功した。また、iPS細胞から肝細胞分化 に向けた検討を行い、プロトコールを 確定した。それぞれのクローンについ て、特性解析を継続し、毒性評価研究 の材料としての信頼性の向上を目指す。

G. 研究発表

なし

H. 知的財産権の出願・登録状況 なし

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