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次世代高効率石炭ガス化技術 A-IGCC システムの特徴水蒸気ガス化によるエクセルギー再生による高い発電効率 低温流動層による水蒸気ガス化 タービン排熱の効果的な回収 Cool Earth 技術開発ロードマップ 開発課題 低温で高効率に動作する流動床ガス化炉 1700 ガスタービン 700 高温蒸気

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(1)

電力中央研究所

次世代高効率石炭ガス化技術の

最適化に関する検討

エネルギー技術研究所

2015 NEDO環境部 事業成果報告会 2015年7月14日 1 ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発 次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究

(2)

次世代高効率石炭ガス化技術

2015 2

A-IGCCシステムの特徴

水蒸気ガス化によるエクセルギー再生

による高い発電効率

• 低温流動層による水蒸気ガス化 • タービン排熱の効果的な回収

Cool Earth 技術開発ロードマップ

開発課題

• 低温で高効率に動作する

流動床ガス化炉

• 1700℃ガスタービン

• 700℃高温蒸気配管

• 所内率の低減

⇒ 噴流床

ガス化

⇒ 次世代酸素

製造技術

(3)

本調査研究で検討した

IGCCシステム

3 酸素 酸素側 空気側 高温酸素透過膜 空気 技術革新による 酸素製造動力削減 石炭 生成ガス

実績のある噴流床ガス化

乾式ガス精製による 熱効率向上

目的:IGCCのさらなる高効率化

① 噴流床ガス化炉に水蒸気を添加するIGCCシステムを想定し、ガス化性能解析とシ ステム解析から送電端効率を評価する。 ② 次世代の酸素製造技術(高温酸素透過膜)をIGCCに組み込むことによる送電端効 率の向上をシステム解析から評価する。 2015 水蒸気ガス化による 冷ガス効率向上

(4)

①酸素吹き噴流床ガス化をベースとした

IGCCシステム

における水蒸気添加効果の評価

4 コンバスタ 石炭 酸素 水蒸気 リダクタ 石炭 リサイクルチャー 投入チャー量補正 生成ガス 生成チャー スラグ

二段噴流床方式

チャー 生成ガス+チャー 溶融スラグ 石炭 搬送ガス 石炭 空気 搬送ガス 圧力容器 石炭→揮発分 +チャー 揮発分+O2→ CO2+H2O C+O2→ CO+CO2 コンバスタ 石炭→揮発分 +チャー C + CO2→ 2CO C + H2O → CO + H2 CO + H2O ↔ CO2 + H2 リダクタ 搬送ガス スラグホール サイクロン

ガス化反応速度と熱物質収支を考慮した

一次元数値解析モデル

勿来実績を参考に酸素吹き二段噴流床

ガス化炉を想定した性能解析を実施

考慮条件 • コンバスタ温度 • チャー循環量 運転条件 パラメータ • 水蒸気量 • 酸素供給量 • 給炭量比R/T 2015 瀝青炭 60t/h 蒸気温度 566℃

(5)

ガス化性能の解析結果

2015 5

添加した水蒸気をガス化剤として有効に利用することで、

酸素比を低減し、冷ガス効率を向上させることが可能。

チャー量とコンバスタ温度の想定条件をともに満たすとき

(基準)、理想的な反応条件での冷ガス効率は

91.8%と予

測された。ただし、水蒸気投入方法などの検証が必要。

CO 53.8% H2 37.0% H2O 0.2% CO2 2.6% N2 6.3% CO 63.7% H2 29.2% H2O 0.0% CO2 0.0% N2 7.1% 11.5 MJ/Nm3 11.8 MJ/Nm3

生成ガス組成

冷ガス効率 83.0% 冷ガス効率 91.8%

酸素吹き

(水蒸気添加無し) 水蒸気添加(基準量)

冷ガス効率

82 84 86 88 90 92 94 96 0 10 20 30 冷 ガ ス 効 率 [% ] 水蒸気添加量[t/h] 生成チャー量固定 コンバスタ平均温度固定 83.0% 91.8% 基準 添加無し

(6)

システム解析による熱効率向上の評価

2015 7

ガス化炉の性能解析結果を踏まえ、発電システム熱効率解析汎用

プログラム

(EnergyWin

TM

)を用い、IGCCシステムの熱物質収支を解析

乾式ガス 精製 ガス タービン HRSG 蒸気 タービン SGC ASU 空気 窒素 酸素 石炭 ガス化蒸気 本節で解析対象 とする範囲 空気 ASU周り ガス系 蒸気系 (一次元解析結果) 石炭ガ ス 化炉

(7)

48% 50% 52% 54% 56% 0 10 20 30 40 効率 ガス化蒸気供給量(t/h) 発電端効率 (チャー量一定) 発電端効率 (コンバスタ温度一定) 送電端効率 (チャー量一定) 送電端効率 (コンバスタ温度一定)

熱効率の解析結果

2015 7 瀝青炭: 60t/h GT: 1500℃級 ST: 566℃/566℃ 48.3% 50.7%

ガス化炉へ水蒸気を抽気することにより、理想的な条件

において

2.4%の送電端効率の向上が見込まれた。

基準 添加無し 発電端効率 送電端効率

(8)

APCI社の高温酸素透過膜開発動向

2015 8

(図の出典: Air Products and Chemicals, Inc. 発表資料)

• 2014年、数機の1TPDモジュールを

設置し、酸素製造に成功した。

• 2018年を目途に、数100TPD

(5,000Nm

3

/hクラス)の酸素製造

プラントの商用化を目指す。

100TPD パイロット プラント セラミック モジュール工場 870℃

(9)

HRSG ガス化ガス 圧縮機 タービン 発電機 排ガス 原料空気 燃焼器 蒸気系 製品酸素(ガス化炉へ) 酸素昇圧機 空気側 酸素側 酸素透過膜 (透過率:80%) 圧縮機 原料空気 助燃用燃焼器 酸素冷却器 ガス化ガス IGCCベースシステム IGCCベースシステムへ インテグレート ⇒

高温酸素透過膜を組み込んだシステムの性能評価

2015 9

APCI社が実用段階とするシステムを想定したインテグレーション

• 酸素製造の高温排ガスをガスタービンで利用する理想的な

システム条件を設定し、送電端効率の向上が見られた。

(1500℃級GT) 送電端効率試算結果: 51.5% (0.8%の向上)

水蒸気添加

IGCCシステムに対して高温酸素透過膜を組み込んだ

システムを想定し、

EnergyWin

TM

を用いて熱物質収支を解析

(10)

まとめ

ガス化反応速度と熱物質収支を考慮

したガス化炉性能解析から、水蒸気添

加により噴流床ガス化炉の冷ガス効

率が大幅向上する可能性を確認した。

この結果を反映した

IGCCのシステム解

析から、冷ガス効率の向上によりガス

タービン出力が増加することで、送電

端効率が向上する可能性を確認した。

IGCCの所内動力の大半を占める酸素

製造について新技術を用いたときのシ

ステム解析から、送電端効率が向上

する可能性を確認した。

2015 10 水蒸気添加+乾式ガ ス 精製 +高温酸素透過膜 水蒸気添加無し 水蒸気添加+乾式ガ ス 精製 +高温酸素透過膜 水蒸気添加無し 40 50 60 送電端効率 % ( HHV ) 1500℃級GT 1700℃級GT

(11)

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト

クリーン・コール・テクノロジー実用化可能性調査

『燃料電池向け石炭ガスクリーンナップ技術適用性調査』

成果報告

平成27年7月14日

電源開発株式会社

(12)

2

石炭ガス中の被毒成分を高度に除去する技術(石炭クリーンナップ技術)

および次ステップで想定される模擬ガス試験に関する調査を実施する。

本調査の目的

<石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)>

<不純物への対応>

<本調査の目的>

(13)

調査研究の概要

1.燃料電池用ガス精製装置の試設計

石炭ガス化ガスに含有する燃料電池の被毒成分を許容濃度以下まで除去する

ための燃料電池用ガス精製技術についてモデルケースを想定し、システム構成

を明らかにするための試設計(概念設計)を行う。また、燃料電池用ガス精製

技術開発に係る課題を抽出する。

2.被毒成分発生装置の試設計

模擬ガス試験で検討する被毒成分の発生方法等を明らかにし、被毒成分発生

装置の試設計(基本構成の検討)を行う。

3.模擬ガス試験に係る仕様検討

次ステップで想定される燃料電池用ガス精製技術と燃料電池を組合せた模擬

ガス試験および模擬ガス供給装置の基本仕様を明らかにする。

4.検討結果に関する評価

燃料電池(SOFC)や石炭技術等に係る有識者による評価委員会を開催し、

検討結果や今後の開発の方向性等について意見を聴取するとともに、今後の燃

料電池用ガスクリーンナップ技術開発に向けた提言を取りまとめる。

3

(14)

4

1.

燃料電池用ガス精製装置の試設計

(15)

5

(1) IGFC構成 (想定システム)

(16)

(3)被毒成分の想定

6

湿式ガス精製出口の被毒成分は

EAGLEガス分析結果①より

S/Cl/Si/B/Asを想定。

※Siについては、熱力学平衡計算の結果SiO2になる ことが推定された為、検討対象外とした。

(17)

7

(18)

8

(4-2)吸着剤(吸収剤)の選定

※B、Asを除去するための吸着剤については、エンジニアリングデータが確認できなかったため、 本調査の試設計においてはS,Clを対象とした。 吸収剤 吸収剤充填量 空塔速度(SV値) 吸収剤充填密度 充填層 吸収塔数 設備仕様設計(想定) 脱ハロゲン塔 38,000 2,000 580 Φ4,100×4.900 常用1/予備1 NaAlO2系 kg h-1 kg/m3 mm 基 乾式脱硫塔 112,000 1,275 1,100 Φ4,800×5,800 ZnO系 常用1/予備1

(19)

9

2.被毒成分発生装置の試設計

次ステップの模擬ガス試験時に供給する被毒成分の化学形態と発生方法

を検討した。

(20)

10

(1)水素化発生法:As, Se

(21)

11

(1)燃料電池実セル被毒耐性試験

3. 模擬ガス試験に係る仕様検討

各種SOFCセル(参考)

(22)

(2)吸着剤性能確認試験

12

12

破過特性

固定床流通式反応装置

SOFC被毒成分を除去するための吸着剤について、充填量や通ガス

条件を決定するための基本特性を確認する。

SOFC被毒成分に対する低濃度除去特性を確認する。

出 口濃度

(23)

13

13

まとめ

燃料電池の被毒成分を除去するための乾式ガス精製技術について調査を行

い、各種の脱硫技術や脱ハロゲン技術等を整理した。

仮想的なIGFCシステムについて、燃料電池用ガス精製システムを試設計し

吸着剤の充填量や塔サイズ等を把握した。

次ステップの模擬ガス試験時に供給する被毒成分を添加するための化学形

態と発生方法について検討を行い、AsとSeについては水素化物発生法、B

については加熱気化法が適用可能であることを確認した。

模擬ガスを用いたSOFC被毒耐性評価試験および吸着剤性能評価試験につい

て検討を実施すると共に、模擬ガス供給装置の設備を試設計した。

有識者による技術評価委員会を開催し、今後の開発課題に向けた助言等を

取り纏めた。

(24)

14

(25)

0

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ゼロエミッション石炭火力技術開発

プロジェクト

クリーン・コール・テクノロジー推進事業

CO2分離回収技術の検討

一般財団法人 エネルギー総合工学研究所

(再委託先)

電源開発株式会社

一般財団法人石炭エネルギーセンター

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1

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1. 概要

目 的

2014年時点で今まで開発された石炭火力発電所からのCO2分離回収

技術の開発状況を取りまとめ、CO2回収コストを比較評価して、今後の

開発の方向性を明らかにすることで、今後のCCS技術開発に資すること

を目的とする。

・本調査では、石炭火力発電所からCO2を分離回収する技術について、

既に先行開発されているアミンやアンモニア吸収法などの他、各国で開

発されている膜法などのCO2分離回収技術を整理し、各技術の特徴と

CO2回収エネルギーを比較した。

・また、各技術の実現可能性、開発進捗度、1,000MW級石炭火力発電

への適用可能性を調査する。その結果を天然ガスコンバインドサイクル、

石炭ガス化複合発電および微粉炭石炭火力に対して、調査したCO2分

離回収技術を1,000MW級の発電所に適用した場合の、CO2回収後の

kWh当りのCO2発生量と、発電コストの関係を求め、比較検討した。

(27)

2

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2. 火力用CO2分離回収技術の開

発状況の調査

ポストコンバッションにおける

CO2回収技術

技術名称 開発者 ページ 化学吸収法 ①KS-1 三菱重工、関西電力 4 ②RITE-6 / RN-3 RITE (地球環境産業技術研究機構) 5 ③H3-1 日立製作所 6 ④TS-1 / TS-2 東芝 7 ⑤IHI advanced system IHI 8 ⑥Gustav200 BASF、Linde、PWEPower 11 ⑦CESAR TNO(オランダ応用科学研究機構)を中心とする EU プロジェクト 12 ⑧KoSol-3 韓国電力公社を中心とする国家プロジェクト 14 固体ソルベント法 ①固体ソルベント RITE 16 ②固体ソルベント 韓国 21 ③固体ソルベント スペインFoster Wheeler 社、スペイン国立 研究所(CSIC)ほか 27 ④固体ソルベント 台湾セメント、台湾工業技術院(ITRI) 37 ⑤固体ソルベント(KCC 法) 川崎重工 42 Chilled Ammonia 法

Chilled Ammonia process Alstom、EPRI、AEP 52 PSA (物理吸着法) ①PSA RITE 57 ②PSA AIST (産業技術総合研究所) 58 ③PSA JFE スチール 59 CO2 ハイドレート CO2 ハイドレート JFE エンジニアリング 61 技術名称 開発者 ページ MCFC による CO2 回収 MCFC 中国電力 61 イオン液体 イオン液体 ノートルダム大学ほか 62 Membrane System

Membrane System IEA 技術マップ 65 Metal Organic Frameworks

Metal Organic Frameworks

(MOF) University of California Berkeley など 66 Enzymatic Membrane

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3

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2. 火力用CO2分離回収技術の開発状況の調査

プレコンバッションにおけるCO2回収技術

技術名称 開発者 ページ

化学吸収法

①UCARSOL (MDEA ベース) BASF 71

②HiPACT BASF、日揮 77 物理吸収法 ①Rectisol Lurgi 82 ②Selexol UOP 85 膜分離法 ①分子ゲート膜 RITE、クラレ、日東電工、新日鉄住金エンジ 92 ②促進輸送膜 ルネッサンス・エナジー・リサーチ 95

③Polymer / Ceramic / Hybrid 膜 SINTEF (ノルウェーの研究機関) 98 ④Inorganic Molecularsieve 膜 CO2CRC (オーストラリア) 99 固体吸収法

①Ca-Looping 法 Ohio 州立大学 101 ②Chemical Looping 法 Ohio 州立大学 104

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4

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3. 将来大幅な進展が望める

技術の開発課題の検討

ポストコンバッションにおける

各CO2分離回収技術の課題

点と解決要件

技術名称 1,000MW 適用性 省エネ性 実用化までの 技術課題 課題解決に必要な条件と 期間 化学吸収法 ①KS-1 A A ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長期運転劣化データの欠如 ・吸収液が高価 4,776tCO2/d のプラント が稼働 (2016 年末~) ②RITE-6 / RN-3 B A ・高炉ガス対応なため、石炭排 ガスのためのプロセス改良が 必要 COURSE50 step2 2020 年を目途に実用化 ③H3-1 A B ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長期運転劣化データの欠如 ・吸収液が高価 シ ャ ン ド 石 炭 火 力(カナ ダ)が 2014 年から稼働 ④TS-1 / TS-2 B B ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長期運転劣化データの欠如 ・吸収液が高価 石炭排ガス実証済み。あ とはスケールアップ。 ⑤IHI Advanced system B B ・アミンと充填剤の性能確認 ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長時間運転試験 2017~実証試験 2018~商用機建設・運転 予定 ⑥Gustav200 B B ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長時間運転試験 褐炭焚きで実証済み。デ モプラント・商用機を計 画 ⑦CESAR B C CO2 回収エネルギーが大きい ・スケールアップ ・長時間運転試験 亜 瀝 青 炭 焚 き で 実 証 済 み。EU プロジェクト次 第。 ⑧KoSol-3 A C ・CO2 回収エネルギーが大きい ・長時間運転試験 2015 年から 3rd ステー ジ。~300MW 固体ソルベント ①RITE C A ・システムの確立 ・固体吸収材が高価 ・吸収剤の製造法の確立 2015 年から民間会社と共 同で実用化研究開始 ②韓国 A C ・CO2 回収率の向上 ・再生エネルギーの低減 300MW へのスケールア ップを計画中 ③スペイン C A ・廃吸収剤の有効利用法 ・石灰再生のためのO2 製造費 が高価と熱源の有効利用法 416MWe へのスケールア ップを計画中 ④台湾 C A ・廃吸収剤の有効利用法 ・石灰再生のためのO2 製造費 が高価と熱源の有効利用法 30MWth へのスケールア ップを計画中 ⑤川重・KCC B A ・固体吸着剤の性能向上 ・システムの改良 2015~実用化計画 50t/d 2020~商用化計画 500t/d Chilled Ammonia 法 Chilled Ammonia A B ・アンモニアの漏えい対策 40MWth 計画中 PSA (物理吸着法)

JFE スチール B B ・高炉ガス対応なため、石炭排ガス用のプロセス改良が必要 COURSE50 step2 2020 年を目途に実用化

1000MW、省エネ性に関して「A」, 「B」について、詳細検討

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3. 将来大幅な進展が望める技術の開発課題の検討

技術名称 1,000MW (500MW×2) 適用性 省エネ性 実用化までの 技術課題 課題解決に必要な 条件と期間 化学吸収法 ① UCARSOL (MDEA ベース) A A 特になし 商用化 ② HiPACT A A 特になし 天然ガス向けで商 用化 物理吸収法 ① Rectisol A A 特になし 商用化 ② Selexol A A 特になし 商用化 膜分離法 ①分子ゲート膜 C C ・モジュールやユニットの開発 ・材料費、建設費の低減 2015~実ガス試験 ②促進輸送膜 C C ・スチームパージによる装置腐食 (ウェットなCO2 ガス) ・材料費、建設費の軽減 ・長時間運転データの蓄積 住友化学の工場内 で実証試験中 固体吸収法 Chemical Looping B C ・吸収剤の価格低減 ・吸収剤の性能評価 ~3MW 試験

プレコンバッションにおける各CO2分離回収技術の課題点と解決要件

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3. 将来大幅な進展が望める技術の開発課題の検討

技術名称 1,000MW 適用性 省エネ性 実用化までの 技術課題 課題解決に必要な 条件と期間 Callide A B ・O2 分離のエネルギー低減 ・CO2 回収エネルギーの低減 FutureGen 2.0 A B Oxy-fuel IGCC B C ・ガス化炉、ガスタービン燃焼器、 ガス精製などの装置開発 ・空気分離装置の低所要動力化 ・石炭ガス化特性など 2030 年頃の商用化 ケ ミ カ ル ル ー ピ ン グ燃焼 B C ・キャリアコストの低減 ・反応機構、灰などの影響調査 ・装置設計 2015~3TPD 試験 2030 年頃の商用化

酸素燃焼などでの各CO2分離回収技術の課題点と解決要件

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4. 燃料別発電設備におけるCO2回収率(CO2排出量)と発電単価の検討

検討の前提、検討ケース

NGCC; 化学吸収

IGCC; 物理吸収、化学吸収

SCPC; 化学吸収(アミン)、固体ソルベント(第一、第二世代)、Chilled

Ammonia、PSA、酸素燃焼

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4. 燃料別発電設備におけるCO2回収率(CO2排出量)と発電単価の検討

微粉炭火力の発電単価の構成は、CO2回収法により大きく異なる。コスト低減 のためには建設費低減と再生のためのエネルギーの削減が重要である。 IGCCでは、直接費の割合が大きく、建設費の低減が有効である。 2.41 3.92 2.81 3.11 5.54 3.65 1.75 2.82 2.03 2.25 4.01 2.64 5.55 5.89 5.77 5.62 10.03 7.19 0.51 0.00 0.37 0.61 0.52 0.71 0 5 10 15 20 25 アミン チルドアンモニア Oxy-fuel 第二世代 固体ソルベント 第一世代 固体ソルベント PSA 発電単価 [円 / kW h ] ケミカル 原料 その他固定費 減価償却 SCPC 3.97 4.81 5.38 2.89 3.49 3.90 4.39 4.55 5.51 0.08 0.19 0.08 0 5 10 15 20 25 Selexol 1500℃ J-POWER MDEA 1500℃ J-POWER Selexol 1300℃ NETL C O2 回収コ ス ト [円 /t -C O2 ] ケミカル 原料 その他固定費 減価償却 IGCC 注)開発中の技術では、建設費の推定が困難である。ここでは、アミン法を基準に倍率をかけて概算しており、 あくまで傾向を把握するためのものである。今後、開発が進むに従い、大きく変化する可能性がある。

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9

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4. 燃料別発電設備におけるCO2回収率(CO2排出量)と発電単価の検討

微粉炭火力(SCPC)におけるCO2回収後のCO2排出原単位と発電単価の関係は下 記の通りである。 ・現状、アミン法(RITE-6)が低めである。 ・固体ソルベントは、開発中であり、再生のためのエネルギーが小さいことから有望技術 である。 ・PSA(物理吸着)は、CO2濃度が高いケースで有効である。 0 200 400 600 800 1000 30 20 10 0 発電単価、 円 /k Wh PSA 第二世代固体ソルベント アミン法 CO2排出原単位、g-CO2/kWh 注)発電単価は、その時々の燃料代や立地条件で大きく異なる。ここでは、3技術の特徴を把握するために試 算を行ったもので、傾向を示すものである。

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4. 燃料別発電設備におけるCO2回収率(CO2排出量)と発電単価の検討

微粉炭火力(SCPC)、IGCC、NGCCのCO2排出原単位と発電単価の関係は下記の 通りである。 ・NGCCでは発電単価が高め目であるが、燃料費によって大きく異なる。また、CO2濃 度が低く、CCSを行う場合のコストが高い。 ・IGCCはCCSコストがSCPCより低いので、CO2排出原単位を大きく下げる場合にその 特徴が発揮できる。 0 200 400 600 800 1000 30 20 10 0 発電単価、 円 /k Wh NGCC IGCC+Selexol (1500℃) SCPC+アミン法 CO2排出原単位、g-CO2/kWh 注)発電単価は、その時々の燃料代や立地条件で大きく異なる。ここでは、3技術の特徴を把握するために試 算を行ったもので、傾向を示すものである。

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11

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5. まとめ

本調査研究では、国内外のCO2分離回収技術について、ポストコンバッション(ポスト)と プレコンバッション(プレ)に大別し、さらにポストは化学吸収法、固体ソルベント法、物理吸 着法など19の個別技術を調査した。その結果、 ・CO2回収コストは、ポストは化学吸収が約3.2千円/t-CO2、プレは物理吸収で約2.8千円 /t-CO2となり、2015年のCO2回収コストの目標値である2千円/t-CO2が視野に入ってきた。 ・ポスト;実用化が進んでいる化学吸収法はさらなる所要エネルギー低減が図られており、 また、開発中の固体ソルベント、Chilled Ammonia法、物理吸着法が有望である。 ・プレ;化学吸収、物理吸収法が商用化されており、さらなる所要エネギー低減が図られて いる。 ・その他;酸素燃焼が実証段階、Oxy-fuel IGCC、ケミカルルーピング燃焼など2030年頃 の商用化を目指して開発中。 燃料別発電設備におけるCO2排出量と発電原価については、天然ガスコンバインドサイ クル(NGCC)、石炭ガス化複合発電(IGCC)、微粉炭火力(SCPC)の3方式によるCO2回 収後の1kWh当りのCO2排出量(排出原単位)を分析した。その結果、CCSを行うことで、 NGCC: 43g-CO2/kWh、IGCC: 86g-CO2/kWh、SCPC: 110 g-CO2/kWhとなる。

CCS付の発電原価については、NGCC: 17.82円/kWh、IGCC: 11.33円/kW、SCPC: 10.22円/kWhとなった。なお、数値自体でCO2回収コストを評価するのは妥当ではなく、 あくまでも各技術の相対比較や傾向の把握(定性比較分析)に使用すべきであると考える。

(37)

CO

2

分離型化学燃焼石炭利用技術に関する検討

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト

ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発

次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究

平成26年度調査研究成果

平成27年7月14日

委託期間:平成26年10月~平成27年3月

三菱日立パワーシステムズ株式会社

(一財)石炭エネルギーセンター

(一財)エネルギー総合工学研究所

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CO

2

分離型化学燃焼(ケミカルルーピング)とは

【燃料反応塔】 【空気反応塔】 MO:酸化金属

CO

2

分離型化学燃焼システム(CLC)の原理

1 ・二つの反応塔(燃料反応塔/空気反応塔)を金属酸化物(酸素キャリア)が循環 ・燃料は金属酸化物中の酸素と反応させる(空気と接触しない)ため、排ガスはCO2のみ →CO2分離にかかる動力が不要でエネルギーロスが少なく,CCSに最適の技術

CLC:Chemical Looping Combustion

C(燃料) + 2MOX → 2MOX-1 + CO2 (吸熱)

石炭は高温の金属酸化物(酸素キャリア)によって

酸化されてCO2を発生、空気と直接接触しないため、

排ガスにN2が存在しない。金属酸化物は部分還元さ

れ空気反応塔へ循環される,

Air + 2MOX-1 → 2MOX + N2 (発熱) 還元された酸素キャリアが空気中の酸素と反応し て熱を発生。酸化した金属酸化物は再び燃料反応 塔へ循環される。

(39)

CLCの経済性評価

これまでの調査結果概要

【平成24年度】 国内外のCLC技術開発動向及びシステム付属設備開発動向調査により, 全体システムの成立性及び将来市場を検討し、技術開発ロードマップを作成した。 【平成25年度】 現状技術レベルに基づくシステム仕様検討を行うと共に、発電及びそれ以 外の用途に対する市場ニーズや適用性を調査し、事業化可能性や実用化時期を検討した。 →現状ではCO2回収コストが他CCS技術と同等であるが、高性能キャリア開発により2030 年頃に回収コスト2,500円/t-CO2が達成できる見通しが得られ、開発目標値として策定 【比較時期】 2030年、CLC及びA-USC(700℃級PC)の商用 化時期 【CLC,PC(CCS無し)のプラント性能】 送電端出力:50万kW 送電端効率:46%(PC)、42%(CLC) 【CLCに関するコスト影響因子】 ・キャリア粒子製造コスト ・キャリア粒子初期充填量 ・補充量 ・プラント建設コスト CO2回収量/kWh 発電単価-CCS無しPC発電単価 ※1)CLC回収費はCO2圧縮費用を含む。 CO2回収費= 2

(40)

平成26年度の調査内容

3 2030年代にCO2分離・回収コスト2,500円/t-CO2以下を達成するため、 ①キャリアの反応性やコスト等を調査・分析し、これを可能とする目標と方策を検討する。 ②プロセス構成仕様検討により課題を抽出し,実現可能性を見極めて対応策を検討する。 ③海外での技術開発動向を調査し、開発目標や現在の開発レベル等を把握する。 ④市場動向を調査のうえ、ニーズ及び適用性等、導入の可能性を調査する。 ⑤有識者委員会を開催し、課題、対応策の評価を受け、対応策と解決期間を検討する。 平成26年度調査実施方法の詳細 ①キャリア開発の技術課題抽出及び開発方法と評価方法の検討 ②プロセス仕様、開発課題抽出及び対応策の検討 ③海外技術開発動向調査 ④市場調査 ⑤評価委員会 ①-1 高活性・低コストキャリア製造法とキャリア選定 ②-1 プロセス解析による各 反応器の物質熱収支検討 ②-2 プロセス構成仕様 と最適反応器の構造 ①-2 石炭とキャリアとの反応速度及び反応メカニズム ①-3 キャリア流動、耐摩耗性、反応への灰の影響 キャリア選定 5タイプ以上 ①-4 キャリア開発目標 (初期充填量、補充量、コスト) 開発課題と方策 ②-3 プロセス開発課題抽 出と対応策、解決必要期間 反応性、耐久性、 流動性データ提供、 実現可能性評価 外部有識者による コメント、評価 初期充填量、補 充量、コスト目標 CO2回収費試算 コスト提供 プロセス最適化 データ提供 実用化、市場データ

(41)

酸化鉄の存在 により反応速度 が4~6倍向上 一般的なチャーガス化 CLCにおける チャー反応 チ ャ ー 反応速度: -dC / dt ( 1/s ) 反応時間 (s) 4 図1 酸素キャリアによるチャー反応促進効果の確認 図2 反応速度に及ぼすキャリア種の影響

①キャリア反応性,コスト等調査分析

開発目標設定及びプロセス仕様検討に必要な各種キャリア性能を調査及び確認した。 ・酸化鉄の存在によりチャー反応速度が高くなる(図1)。 ・人工物キャリアは天然鉱物に比較し約7倍以上高い反応性(図2)。 ・天然鉱物イルメナイトの反応活性は酸化還元の繰り返しによって約10倍に向上する。 ・キャリア粉化率は天然鉱物(0.1~0.2%/d)に比べ人工物(0.2~9%/d)の方が高い傾向。 ・キャリアコストを調査。天然鉱物(イルメナイト)は約50円/kg程度。人工物は現状で 500円/kg程度であるが、安価な原料の使用で400円/kgになる可能性がある。 反応時間 (s) 反応時間 (s) 反応率 (-) 反応率 (-)

(42)

5

②プロセス開発 初期充填量の低減検討

型式 ケミカルルーピング燃焼(CLC) 循環流動層燃焼(CFBC) VR/CR直列構成(H25年度) VR/CR並列構成(H26年度) 化学吸収法(CO2回収率:90%) 配置例 CLCプラント概念設計例(250MWth,亜瀝青炭,石炭消費量35.7t/h ) 30 m AH 空気 石炭 バンカ 33m 50 m 20m 石炭 バンカ 33m 12 m 20m 15 m CFBC:D33m×W12m×H30m 化学吸収:D20m×W15m×H50m 吸収塔 45℃ 再生塔110℃ 吸収塔 再生塔 熱交 リボイラ 排ガス 150℃ 950℃ CFBC (化学吸収) D25m×W24m×H35m CR VR排ガス 150℃ EP キャリア バンカ VR 25m AR 35 m AR排ガス 60℃ AH CR 水蒸気 石炭 バンカ AR 石炭 バンカ VR キャリア バンカ 24 m 石炭 バンカ 12m 12m VR排ガス 150℃ EP 16m 13m AR排ガス 60℃ 25m AH 13m キャリア バンカ VR CR 42m 空気 AR排ガス 60℃ AH AR 石炭 バンカ 50 m D42m×W12m×H50m AR 石炭 バンカ VR CR キャリア バンカ 12 m 石炭 バンカ 42m 950℃ EP 27m 33m 平成25年度抽出した課題の一つである酸素キャリア初期充填量※の低減検討を実施した。 キャリア性能確認結果(キャリアによる反応促進、繰り返しによる反応性向上等)を適用 するとともに,プロセス構成検討(ガス化促進剤種、キャリア循環構成等)を実施した結果, 初期充填量を18,000から2,900トンまで低減可能で、反応塔断面積を半減かつプラント高さ も約7割まで低減できる見通しを得た。 充填量低減でコンパクト化,回収コスト低減にも寄与 ※充填量=循環量×必要反応時間 18000トン 2900トン 500MWeプラントに おける初期充填量

(43)

6

①②キャリア開発目標値の策定

100 200 300 400 500 600 700 800 0.4 0.8 1.2 1.6 2 2.4 2.8 キャリア 補充コ スト曲線=400円/(MWehr) (初期充填量1000t) (初期充填量2000t) (初期充填量2900t) キャリア開発目標領域 < 400円/(MWehr) CO2回収コスト2500円/t-CO2に達成する キ ャリア コス ト [ 円 /kg ] キャリア補充率 [ wt%/d ] 酸素キャリアに関わる回収コスト影響因子(初期充填量、補充率、製造コスト)を総合 的に加味したキャリア補充(消費)コストを指標とし、CO2回収コスト2,500円/t-CO2以 下を達成するためのキャリア補充コスト目標値を400円/MWhと策定した。 キャリア補充コスト(円/MWh)= 初期充填量(t)×補充率(%/h)×製造コスト(円/t) プラント発電出力(MWe) ※キャリア補充コストは各因子が相互 に作用するため,開発状況に応じ、各 因子の個別目標値を都度設定・見直し を図り,最終的に400円/MWhをクリアす るように管理する。 500MWe 初期充填量

(44)

7

①②開発課題と対応策

酸素キャリア開発目標を達成するためのキャリア及びプロセス開発課題を抽出すると ともに、その対応策を検討した。 課題 対応策(定量分析、評価方法) 1 キャリアとガス(H2, CO, CH4)との反 応速度(初期速度、平均速度)、 キャリア反応速度の測定方法(装置)の策定、評価方法(速度式の整理 方法)及び1個粒子の反応速度と気固反応モデル作成方法の策定 2 キャリア繰り返し反応性、物性変化 繰り返し反応評価装置、物性(溶融、細孔分布、強度など)評価方法 3 灰分の影響 反応性への影響評価装置、耐摩耗性への影響評価装置、キャリア組成 変化(鉱物)分析方法 4 キャリア耐磨耗性 コールド、ホット、耐磨耗性評価装置、評価方法 5 粒子の循環流動(BFB流動化速度、 Raiserホールドアップ) 粒子の流動化速度(バブリング流動層)、ライザーのホールドアップ評価 装置 6 キャリアによる石炭反応促進メカニ ズム解明、石炭反応速度の測定 キャリアによる石炭反応促進メカニズムの解明、石炭反応速度の測定、 反応速度の評価方法、単一粒子反応モデル作成 6 三塔式循環流動層の運転条件 小型コールド、ホット三塔式装置によって、三塔式CFBの運転条件デー タ取得 7 長時間循環反応評価 ホット長時間反応、循環テスト、粒子の劣化、粉化、評価 8 灰とキャリアの分離 灰とキャリア分離方法の策定、評価装置 9 炉内脱硫の把握 CR中のCaOのH2S吸収、AR中のCaS酸化、サイクロンCaSO4分離の評 価方法、装置 10 他、微量不純物の影響 AR, CR, VR中のHg、CL等の挙動

(45)

8

③海外技術開発動向

海外の研究機関を訪問調査するとともに、国際学会資料等により開発動向を調査した。 ・各国CO2回収コスト目標:約20ドル/t-CO2と本研究と同程度。 ・欧米共に1~3MWth級パイロット運転中。主としてFe系天然キャリアを主体に研究され, 補助的に人工キャリアが使われている。高反応性キャリアの開発も盛んである。 海外先行プロジェクトのプラント規模( ) :訪問調査実施

(46)

9

④市場調査

電力需給及び電源構成推移予測,CCS導入後 のCLC導入可能性調査(ユーザヒアリング含む), CLC発電所の市場規模予測等を実施した。 (1)CCS市場規模予測 ・2030年に30%削減目標(2005年比)とした場合, 500MW級CLC発電所18基相当の市場 (CO2排出量と削減目標との差をCLC発電の 導入必要量として試算,回収率100%仮定) (2)ユーザヒアリング結果(一部海外技術調査結果含む) ・CLCはCCS対応として将来有望、また褐炭等の低品位炭を利用できる技術的強みが あり魅力的な技術で興味深い。 ・ただし、国内電力会社では500MWe以上の大型火力計画のみで、CLC導入が可能な 小型石炭火力のニーズは少ない。 ・CO2対策は高効率化(A-USC、IGCC)で対応、もしくはキャプチャレディのみ対応しか 考えていない。 ・一方で海外、主に米国ではEOR用にCO2の市場あり、現在 20~30ドル/t-CO2で買 取られている。 他のCO2回収技術と比べCLCは回収コストを低く抑えることが可能で あり、20ドル/t-CO2が達成できるのであれば、CLCの競争力が出てくる。 CCS市場規模の予測

CO

2

回収コスト2,500円/t-CO

2

を目指すCLC開発の意義を確認

(47)

10 メーカおよびユーザ並びに外部有識者による、ケミカルルーピング検討委員会を2回 (2014/12/22,2015/3/9)開催し、CLC実用化に向けた開発計画、実用化時期やニーズに ついて、幅広い意見を集約し本調査研究に反映させた。 先行事例に勝てる、サイエンスとしてもしっかりしたものを中間評価しながら開発して欲し い、との意見をいただいた。 委員長 清水 忠明 新潟大学 工学部システム工学科 教授 委員 伏見 千尋 東京農工大学 准教授 委員 藤岡 祐一 福岡女子大学 国際文理学部 環境科学科 教授(第二回から委嘱) 委員 藤原 尚樹 出光興産(株) 石炭・環境研究所 所長 委員 藤峰 智也 東京ガス(株) 産業エネルギー事業部 産業技術グループ 課長 委員 三澤 信博 電源開発(株) 技術開発部 上席課長 委員 伊藤 一芳 住友重機械工業(株) エネルギープラント技術部 副部長 委員 片桐 務 日揮(株) 技術イノベーション部 チーフエンジニア 委員 宮地 健 三井造船(株) 技術開発本部 千葉技術開発センター主任研究員 委員 村岡 利紀 川崎重工業(株) 技術研究所 環境システム研究部研究二課 課長 委員 佐川 篤男 日本エネルギー経済研究所 化石エネルギー・電力ユニットマネージャー 委員 本郷 尚 (株)三井物産戦略研究所 新事業開発部シニア研究フェロー

⑤検討委員会

(48)

11 ①キャリア性能調査、分析 ・開発目標設定及びプロセス仕様検討に必要な各種キャリア性能(キャリアによる反応促進、 人工キャリア活性、繰り返しによる反応性向上、摩耗率等)を調査、確認した。 ・酸素キャリアに関わる回収コスト影響因子(初期充填量、補充率、製造コスト)を総合的に 加味した指標:キャリア補充コストを提案し、CO2回収コスト2,500円/t-CO2以下を達成する ためのキャリア開発目標値として400円/MWhを策定した。 ②プラント仕様検討 ・課題の一つである酸素キャリア初期充填量の低減検討を行った。キャリア性能確認結果を 反映するとともに,プロセス構成検討を実施した結果,初期充填量は18,000から2,900トンま で低減可能との見通しを得、上述の開発目標値策定に反映した。 ・キャリア開発及びプロセス開発に対する開発課題を抽出し、その対応策を検討した。 ③海外技術開発動向、④市場調査 ・各国でのCO2回収コスト目標値は約20ドル/t-CO2と本研究と同程度であった。海外では EOR用CO2のニーズがあり、CO2回収コスト20ドル/t-CO2が達成できればCLCの競争力が出 ることから、回収コスト2,500円/t-CO2を目指すCLC開発の意義が確認できた。

⑤検討委員会

・メーカ、ユーザ及び外部有識者による検討委員会を実施し幅広い意見を集約して本研究に 反映した。

(49)

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト

クリーン・コール・テクノロジー推進事業

石炭火力発電所での低品位炭

及びバイオマス燃料混焼の経済性検討

出光興産株式会社

中国電力株式会社

一般財団法人石炭エネルギーセンター

平成27年(2015年)7月14日

(50)

目 次

1.本調査の目的と概要

2.低品位炭経済性調査結果

(51)

1.本調査の目的と概要

P1 石炭火力発電所において、低品位炭およびバイオマス燃料の混焼率を向上するには、技 術的および経済的な課題をクリアする必要がある。本検討では、低品位炭及びバイオマス 燃料の品質や需給環境を踏まえ、技術課題の抽出と対策検討を実施し、低品位炭及びバ イオマス混焼の追加対策コストを含めた経済性を試算する。  混焼率向上のための技術課題の抽出と対策  経済性試算 ミル特性 環境特性 灰処理特性 ハンドリング 特性 石炭鉱山 バイオマス (出典:バイオマスボイラー普及促進会HP) 灰付着特性

(52)

2-1.評価対象炭

P2 アダロ炭 (GAR 4,904) 低品位炭1 (GAR 4,718) 低品位炭2 (GAR 4,030) 低品位炭3 (GAR 3,228) 低品位炭4 (GAR 2,482) 瀝青炭A (基準炭)

【石炭化度】

基準 単位 瀝青炭A アダロ(参考) 低品位炭1 低品位炭2 低品位炭3 低品位炭4 AR wt% 9.1 27.8 33.4 39.9 48.8 53.4 AR kcal/kg 6,477 4,904 4,718 4,030 3,228 2,482 AD kcal/kg 6,890 5,570 5,880 5,190 4,300 4,750 AD wt% 3.3 18 17 22.6 31.8 10.8 AD wt% 13.2 2.6 0.6 1.7 2.1 9.1 AD wt% 30.4 40.3 38.1 36.1 34 45.5 AD wt% 53.0 39.1 44.3 39.6 32.1 34.6 - - 1.74 0.97 1.16 1.10 0.94 0.76 DAF wt% 83.26 74.06 73.67 71.51 69.40 65.11 DAF wt% 5.24 5.82 5.14 5.14 4.85 4.57 DAF wt% 1.98 0.85 1.33 1.59 0.97 0.96 DAF wt% 0.46 0.05 0.31 0.51 0.35 0.07 DAF wt% 9.06 19.22 19.55 21.25 24.43 29.29 DB wt% 0.42 0.12 0.32 0.50 0.35 0.24 全硫黄 燃料比 元 素 分 析 炭素 水素 窒素 燃焼性硫黄 酸素 項目 全水分 発熱量(高位) 工 業 分 析 水分 灰分 揮発分 固定炭素

【評価対象炭】

(53)

2-2.既存設備での混焼可能比率検討結果

P3

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

低品位炭1

低品位炭2

低品位炭3

低品位炭4

Fe/Ca比のみ管理値超過の ため Max10%の評価 低品位炭混焼比率

これ以上の混焼比率での使用には、

設備上の

追加対策

が必要

 ミル、ファンの能力増強

 ボイラ体格の変更

 排ガス処理装置の能力増強

 排水処理設備の増強・・・等々

(54)

2-3-1.経済性試算の方法

P4

炉前単価

<ボイラ燃焼コストメリットの試算>

実機でのボイラ燃焼コストを予測し、低品位炭混焼時の基準炭(瀝青炭A)

対比のボイラ燃焼コストメリットを試算

<発電コストメリットの試算>

“国家戦略室コスト検証委員会の発電コスト算定シート”を用い、

前項で予測した運転2次経費や効率ロス及び追加対策コストを考慮に入れ

試算し、低品位炭混焼時の発電コストメリットを試算

【予測項目】 ① 石炭費 ② 運転2次経費(ミル動力費・ファン動力費・EP動力費・脱硝費・脱硫費、灰処理費)

2種類の石炭市況断面(NEWC=117.5U$/t、62.4U$/t)で評価

(55)

2-3-2.経済性試算の前提条件

P5

本調査では石炭性状の評価のみで概略検討を実施した。実際の混

焼可否については設備仕様の詳細設計が必要であり、追加対策を

実施しても対応出来ない可能性がある。また、実際の設備改造可

否および費用についても別途詳細検討が必要となる。

低品位炭を貯運炭するうえで、自然発熱対策は十分な検討が必要

であるが、検討対象炭の導入実績はないため、本検討では自然発

熱対策は考慮しないこととした。

ある特定地点を参考に評価を行っているため,環境規制値等厳し

い他の地点では別途課題が発生する可能性がある。

ばい煙等の届出値の変更,石炭灰の溶出量超過による遮断型処

分場での処理(リサイクル率低下)等の検討も本来必要であるが、

本調査ではこれらを除外し混焼可能率を検討した。

(56)

2-4-1.ボイラ燃焼コストメリット試算例(低品位炭1)

P6 【NEWC=117.5U$/T(2012年1月)前提での試算】 【NEWC=62.41U$/T(2015年1月)前提での試算】  石炭費  灰処理費 メリット デメリット  ファン動力費(瀝青炭Aに比べ投入水分上昇)  2012年に比べ市況が低下し炉前単価差が縮 小したため、石炭費はほとんどイーブン メリット デメリット  灰処理費  ファン動力費(瀝青炭Aに比べ投入水分上昇) ※ 対象炭がボイラで燃焼可能の前提で試算した結果であり、50% の混焼率まで使用可能であることを保証するものではない。 ※ 上図の総合計(赤線)が、次項の“燃料費” ※ 対象炭がボイラで燃焼可能の前提で試算した結果であり、50% の混焼率まで使用可能であることを保証するものではない。 ※ 上図の総合計(赤線)が、次項の“燃料費” 混焼率 混焼率

(57)

2-4-2.発電コストメリット試算例(低品位炭1)

P7 → 20%以上で追加対策実施 設備改造なし ← 設備改造なし ← → 20%以上で追加対策実施 【NEWC=117.5U$/T(2012年1月)前提での試算】 【NEWC=62.41U$/T(2015年1月)前提での試算】

低品位炭2~4についても、同様にボイラ燃焼コストおよび発電コスト

メリットを試算

石炭市況が高くなるほど、低品位炭のメリットは拡大

発熱量が高くなるほど、低品位炭のメリットは拡大

(追加対策コストは固定費に算入) (追加対策コストは固定費に算入)

(58)

2-5.ブレークイーブン発熱量試算

P8 【NEWC=117.5(2012年1月市況)での試算】 【NEWC=62.4(2015年1月市況)での試算】

概ねGAR 3,700kcal/kg以上石炭であれば、 発電コストメリットあり。 概ねGAR 4,700kcal/kg以上石炭であれば、 発電コストメリットあり。 概ねGAR 4,100kcal/kg以上石炭であれば、 発電コストメリットあり。 概ねGAR 5,200kcal/kg以上石炭であれば、 発電コストメリットあり。

(59)

2-6-1.発電コストメリットの領域(設備改造なし)

P9

NEWC(U$/t)

120 110 100 90 80 70 60

発熱量

(G

A

R

, k

cal

/k

g)

5,200 5,000 4,800 4,600 4,400 4,200 4,000 3,800 3,600  今回の試算は概略検討結果である。  自然発熱リスク、環境規制値等は除外し て検討した結果である。

アダロ炭(現在、日本で最も使用されている低発熱量レベルの石炭)

点線以下の領域が、ア

ダロ炭クラス以下の低

品位炭の潜在需要

(60)

2-6-2.発電コストメリットの領域(追加対策実施)

P10 120 110 100 90 80 70 60

発熱量

(G

A

R

, k

cal

/k

g)

5,200 5,000 4,800 4,600 4,400 4,200 4,000 3,800 3,600  今回の試算は概略検討結果である。実際 の混焼可否については設備仕様の詳細 設計が必要であり、追加対策を実施した ケースでも対応出来ない可能性が残る。 また、実際の設備改造可否および費用に ついても詳細検討が必要となる。  自然発熱リスク、環境規制値等は除外し て検討した結果である。

アダロ炭(現在、日本で最も使用されている低発熱量レベルの石炭)

点線以下の領域が、 アダロ炭クラス以下の 低品位炭の潜在需要

NEWC(U$/t)

(61)

2-7.低品位炭の経済性に関するまとめ

P11

石炭市況レベルが上がるにつれ、発熱量の低い低品位炭でも発電

コストメリットを享受できる可能性が拡がるため、市況動向を見据え

低品位炭利用を拡大していくことが重要である。現在の石炭市況は

低迷しているものの、今後はマクロ的に見て上昇基調(添付②参

照)で推移し、低品位炭使用可能性は拡大していくと推測する。

設備への追加対策を実施しなくとも、物理的には、概ね10~20%で

あれば混焼できる可能性がある。

混焼可能比率を上げるために追加対策を実施した場合、追加対策

を実施しないケースよりも発熱量レベルが高くないと発電コストメリッ

トを享受できない反面、混焼比率を更に上げることができるため、低

品位炭の潜在需要を拡大できる可能性がある。

(62)

木質チップ 木質ペレット トレファイド ペレット PKS 発熱量 1,800kcal~ 3,500kcal/kg (含水分による) 4,000kcal/kg程度 4,700kcal~ 5,700kcal/kg 3,300kcal/kg程度 含水分 40~60% 10%以下 1~5% 25%程度 かさ比重 0.2~0.3g/cm3 0.65~0.75g/cm3 0.65g/cm3程度 0.3~0.4g/cm3 耐水性 野積み可能 雨天の ハンドリング不可 雨天の ハンドリング可能 (推奨しないものあり) 野積み可能 FIT買取 価格 32円/kWh (2,000kW以上) 40円/kWh (2,000kW未満) 24円/kWh 24円/kWh 24円/kWh

3-1.バイオマス燃料の種類(一例)

P12

(63)

主な状況 供 給 ○ 木質バイオマスのエネルギー源 等として、年間600万m3(2020年) を利用する計画(30万kW相当)。 ○ 未利用材調達コストの約半分は、 収集・運搬コストであり、適正流通 距離は、需要地点から半径50km 圏内と言われている。 ○ 半径50km圏内で搬出可能な林地 残材は、一般的に2~3万t/年程度。 ○ 調達価格12,000円/tを想定。 需 要 ○ 5,000kW級の木質バイオマス燃料の専焼発電設備においては、約6万t/年を必要。 ○ Fit申請、相談中のバイオマス発電所が約60件(5,000kW級が中心)あり、今後も需要 増加が見込まれる。 ○ 国として、小規模(2,000kW級)を推奨することで、需給のマッチングを指向。

3-2-1.バイオマス燃料の需給(国内:木質チップ)

 国内バイオマス燃料のみでは,需要が供給力を上回る見込みであり、海外からの輸入に よる補完が必要。 図1.国における今後の木材需要の目標 (出典:農林水産省 調達価格算定委員会資料) P13

(64)

主な状況 供 給 ○ 世界の2013年木質ペレット生産量は、 前年に比べ10%以上増加し、約2,360万t。 欧州での消費量が世界全体の7割近く を占める。 ○ 米国は、今後とも充分な供給力を維持 できる見込み。調達可能量としては、 北米、豪州、ニュージーランド、ロシア、 東南アジアの順。 ○ 相当量の取引量がない限り、海上輸 送費の低減化は困難であり、中小発電 所ではコストの低減が図り難い。 ○調達価格24,000円/tを想定。 (トレファイドペレットは現時点で生産量が限定的であり、調達面に課題がある。) 需 要 ○ 100万kW級木質バイオマス混焼発電設備では、3wt%混焼として約6万t/年が必要。 ○ 日本における海外産ペレットの輸入量は、至近5年程度で著しい増加傾向(約10万t (2014年)、USC100万kWに約5wt%混焼相当)。

3-2-2.バイオマス燃料の需給(海外:木質ペレット)

 今後の需給動向は、FIT制度適用に必要な書類が整う供給先、配送コスト抑制および為替 による価格変動に影響をうける。日本における需給としては、需要増に応じて価格の合う 限りの木質ペレットが輸入され、概ねバランスしていくと予想。 図2.世界の木質ペレット生産量の推移 (出典:自然エネルギー世界白書2014) P14

(65)

主な状況 供 給 需 要 ○ 欧州、アジアにおいて、PKS等の輸入拡大の動きが見られる。日本における2014年 度の輸入量は、対前年比2倍程度の伸び。 ○ 国内では、PKSを用いたバイオマス発電所の計画が約20カ所あり、高い伸びを維持 すると想定。

3-2-3.バイオマス燃料の需給(海外:PKS)

 今後の需給動向は、FIT制度適用に必要な書類が整う供給先および為替による価格変動 に影響をうける。急激な需要の伸びにより、国際的な調達に関する競合の段階に入ってい く見込み。 ○世界のパーム椰子殻の生産量は約960万t となっており、マレーシアおよびインドネシ アが約80%を占める。大規模なプランテー ションにおいて、安定して生産されており、 持続的な供給が期待される。 ○ 両国内でのバイオマス発電所建設の動向 次第では、輸出が規制される恐れがある。 ○ 輸出可能なPKSは、インフラが整っている 主要輸出港周辺に限定されている。 ○ 調達価格14,000円/tを想定。 図3.世界のPKS生産量の現状と予測

(出典:The Directora General of Statics)

(66)

調

○ 国内の木質バイオマスについては、地理的、価格的な制約もあり、未利用

材を大量かつ安定的に調達することは難しい。一方、海外産に対する需要は

伸びていく見通し。

○ 木質ペレットについては、世界的な流通として欧州向けの輸出が主流となっ

ており、今後も増加していく見込みであるが、日本への輸出については、北米

西海岸が中心として、十分な供給力があるものと考えられる。

トレファイドペレットは現時点で生産量が限定的であり、調達面に課題あり。

○ PKSについては、マレーシア、インドネシアにおける生産量も大きく増加する

ことが予想されているが、欧州、アジアにおいて需要が急増すると見込まれ

ており、国際的な調達に関する競合の段階に入っていく見込み。

○ 木質バイオマス燃料は水分が多いため、ミルに供給される熱空気温度が上

昇傾向となる。設備改造等をしない状態で安定運転可能な木質チップの混

焼率上限は、微粉炭火力において4~6wt%と想定。

○ 設備改造を行い、更に混焼率を向上させた場合でも、ミルにおける処理水

分の増加や発火性などに起因して、燃焼性、炉内温度などに影響が生じるこ

とが考えられる。

3-3.バイオマス燃料混焼における需給および技術的課題

P16

(67)

3-4-1.バイオマス燃料混焼における経済性(試算の前提条件)

① 本調査ではバイオマス燃料性状の評価のみで概略検討を実施した。実際の混

焼可否については設備仕様の詳細設計が必要であり、試算の前提とした追加

対策費(微粉炭火力の木質チップ5wt%混焼以上に計上)では対応出来ない可

能性がある。また、実際の設備改造可否および費用についても詳細検討が必

要となる。

② 設備投資に伴う二次的なコスト(新たな運用に伴う追加的コスト)については、

別途考慮する必要がある。

③ 大気汚染物質の排出量の変化に伴い、環境規制への対応が別途必要になる

場合がある。

④ ばい煙等の届出値の変更等の検討も本来必要であるが、本調査ではこれらを

除外し混焼率を検討した。

⑤ 発電電力は、FIT買取価格(木質チップ:32円/kWh、木質ペレット・PKS:24円

/kWh)にて売電することを前提に経済メリットを試算した。

P17

(68)

3-4-2.バイオマス燃料混焼における経済性(微粉炭火力)

木質チップ 木質ペレット 発 電 コ ス ト 経 済 性 P18

(69)

3-4-3.バイオマス燃料混焼における経済性(循環流動床)

木質チップ 木質ペレット 発 電 コ ス ト 経 済 性 P19

(70)

3-4-4.バイオマス燃料混焼における経済性(循環流動床)

PKS 発 電 コ ス ト 経 済 性 P20

(71)

3-5.バイオマス燃料混焼における経済性およびまとめ

微粉炭 循環流動床 経 済 性 ま と め

○ バイオマス燃料の混焼については、発電コストの上昇を伴うことから、導入

促進は国の支援制度に依存することとなるが、現行のFIT制度が適用されれ

ば一定の経済性が確保

できる。

○ 一方で、安定的にバイオマス燃料を調達して発電事業を継続することが肝

要であり,国内産バイオマスの不足を海外産で補いつつ,バイオマス発電所

の安定運用に繋げることが必要。

※ 一般電気事業者にはFIT制度が適用されないが、ここでは一般電気事業者が主に保有する 100万kW級微粉炭火力へもFIT制度を適用する前提として試算。 P21

(72)
(73)

参考①.低品位炭混焼の経済性試算の諸元

発電方式 微粉炭石炭火力 出力/設備利用率/稼働年数 100万kW/80%/40年 資本費 建設単価 23.0万円/kW 熱効率 43.0% 所内率 6.0% 固定資産税 1.4% 設備廃棄費用 建設費の5% 運転維持費 人件費 5.1億円/年 修繕費 建設費の1.5% 諸費 建設費の1.5% 一般管理費 建設費の14% 燃料費諸元 燃料発熱量 (MJ/kg) 瀝青炭A:27.10 、低品位炭1:19.75 、低品位炭2:16.87 低品位炭3:13.51 、低品位炭4:10.39 燃料単価 ( 燃 料 諸 経 費 込) 炉前単価 CO2排出係数 24.71g-C/MJ

(74)

参考②.バイオマス混焼の経済性試算の諸元

発電方式 微粉炭石炭火力 循環流動床 出力 100万kW 10万kW 設備利用率 80% 80% 稼働年数 40年 40年 資本費 建設単価 23.0万円/kW 23.0万円/kW 熱効率 43.0% 37.0% 所内率 6.0% 11.0% 固定資産税 1.4% 1.4% 設備廃棄費用 建設費の5% 建設費の5% 運転維持費 人件費 5.1億円/年 1.0億円/年 修繕費 建設費の1.5% 建設費の1.5% 諸費 建設費の1.5% 建設費の1.5% 一般管理費 建設費の14% 建設費の14% 燃料費諸元 燃料発熱量 石炭:26.0MJ/kg 、 木質チップ:8.4MJ/kg 、 木質ペレット:16.8MJ/kg 、 PKS:13.8MJ/kg 燃料単価 (燃料諸経費込) 石炭:12,788円/t 木質チップ: 12,000円/t (FIT買取価格32円/kWh) 木質ペレット:24,000円/t (FIT買取価格24円/kWh) PKS:14,000円/t (FIT買取価格24円/kWh) CO2排出係数 24.71g-C/MJ

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