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NGCC

10 他、微量不純物の影響 AR, CR, VR中のHg、CL等の挙動

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①②開発課題と対応策

酸素キャリア開発目標を達成するためのキャリア及びプロセス開発課題を抽出すると ともに、その対応策を検討した。

課題 対応策(定量分析、評価方法)

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キャリアとガス(H2, CO, CH4)との反

応速度(初期速度、平均速度)、

キャリア反応速度の測定方法(装置)の策定、評価方法(速度式の整理 方法)及び1個粒子の反応速度と気固反応モデル作成方法の策定

2

キャリア繰り返し反応性、物性変化 繰り返し反応評価装置、物性(溶融、細孔分布、強度など)評価方法

3

灰分の影響 反応性への影響評価装置、耐摩耗性への影響評価装置、キャリア組成

変化(鉱物)分析方法

4

キャリア耐磨耗性 コールド、ホット、耐磨耗性評価装置、評価方法

5

粒子の循環流動(BFB流動化速度、

Raiserホールドアップ)

粒子の流動化速度(バブリング流動層)、ライザーのホールドアップ評価 装置

6

キャリアによる石炭反応促進メカニ ズム解明、石炭反応速度の測定

キャリアによる石炭反応促進メカニズムの解明、石炭反応速度の測定、

反応速度の評価方法、単一粒子反応モデル作成

6

三塔式循環流動層の運転条件 小型コールド、ホット三塔式装置によって、三塔式CFBの運転条件デー タ取得

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長時間循環反応評価 ホット長時間反応、循環テスト、粒子の劣化、粉化、評価

8

灰とキャリアの分離 灰とキャリア分離方法の策定、評価装置

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炉内脱硫の把握

CR中のCaOのH2S吸収、AR中のCaS酸化、サイクロンCaSO4分離の評

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③海外技術開発動向

海外の研究機関を訪問調査するとともに、国際学会資料等により開発動向を調査した。

・各国CO

2

回収コスト目標:約20ドル/t-CO

2

と本研究と同程度。

・欧米共に1~3MWth級パイロット運転中。主としてFe系天然キャリアを主体に研究され,

補助的に人工キャリアが使われている。高反応性キャリアの開発も盛んである。

海外先行プロジェクトのプラント規模( :訪問調査実施

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④市場調査

電力需給及び電源構成推移予測,CCS導入後 のCLC導入可能性調査(ユーザヒアリング含む),

CLC発電所の市場規模予測等を実施した。

(1)CCS市場規模予測

・2030年に30%削減目標(2005年比)とした場合,

500MW級CLC発電所18基相当の市場

(CO 2

排出量と削減目標との差をCLC発電の

導入必要量として試算,回収率100%仮定)

(2)ユーザヒアリング結果(一部海外技術調査結果含む)

・CLCはCCS対応として将来有望、また褐炭等の低品位炭を利用できる技術的強みが あり魅力的な技術で興味深い。

・ただし、国内電力会社では500MWe以上の大型火力計画のみで、CLC導入が可能な 小型石炭火力のニーズは少ない。

・CO

2

対策は高効率化(A-USC、IGCC)で対応、もしくはキャプチャレディのみ対応しか 考えていない。

・一方で海外、主に米国ではEOR用にCO

2

の市場あり、現在 20~30ドル/t-CO

2

で買 取られている。 他のCO2回収技術と比べCLCは回収コストを低く抑えることが可能で あり、20ドル/t-CO

2

が達成できるのであれば、CLCの競争力が出てくる。

CCS市場規模の予測

→CO 2 回収コスト2,500円/t-CO 2 を目指すCLC開発の意義を確認

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メーカおよびユーザ並びに外部有識者による、ケミカルルーピング検討委員会を2回

(2014/12/22,2015/3/9)開催し、CLC実用化に向けた開発計画、実用化時期やニーズに ついて、幅広い意見を集約し本調査研究に反映させた。

先行事例に勝てる、サイエンスとしてもしっかりしたものを中間評価しながら開発して欲し い、との意見をいただいた。

委員長 清水 忠明 新潟大学 工学部システム工学科 教授

委員 伏見

千尋 東京農工大学 准教授

委員 藤岡

祐一 福岡女子大学 国際文理学部 環境科学科 教授(第二回から委嘱)

委員 藤原

尚樹 出光興産(株) 石炭・環境研究所 所長

委員 藤峰

智也 東京ガス(株) 産業エネルギー事業部 産業技術グループ 課長

委員 三澤

信博 電源開発(株) 技術開発部 上席課長

委員 伊藤

一芳 住友重機械工業(株) エネルギープラント技術部 副部長

委員 片桐

務 日揮(株) 技術イノベーション部 チーフエンジニア

委員 宮地

健 三井造船(株) 技術開発本部 千葉技術開発センター主任研究員

委員 村岡

利紀 川崎重工業(株) 技術研究所 環境システム研究部研究二課 課長

委員 佐川

篤男 日本エネルギー経済研究所 化石エネルギー・電力ユニットマネージャー

委員 本郷

尚 (株)三井物産戦略研究所 新事業開発部シニア研究フェロー

⑤検討委員会

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①キャリア性能調査、分析

・開発目標設定及びプロセス仕様検討に必要な各種キャリア性能(キャリアによる反応促進、

人工キャリア活性、繰り返しによる反応性向上、摩耗率等)を調査、確認した。

・酸素キャリアに関わる回収コスト影響因子(初期充填量、補充率、製造コスト)を総合的に 加味した指標:キャリア補充コストを提案し、CO2回収コスト2,500円/t-CO2以下を達成する ためのキャリア開発目標値として400円/MWhを策定した。

②プラント仕様検討

・課題の一つである酸素キャリア初期充填量の低減検討を行った。キャリア性能確認結果を 反映するとともに,プロセス構成検討を実施した結果,初期充填量は18,000から2,900トンま で低減可能との見通しを得、上述の開発目標値策定に反映した。

・キャリア開発及びプロセス開発に対する開発課題を抽出し、その対応策を検討した。

③海外技術開発動向、④市場調査

・各国でのCO

2

回収コスト目標値は約

20ドル/t-CO 2

と本研究と同程度であった。海外では

EOR用CO 2

のニーズがあり、CO

2

回収コスト20ドル/t-CO

2

が達成できればCLCの競争力が出 ることから、回収コスト2,500円/t-CO

2

を目指すCLC開発の意義が確認できた。

⑤検討委員会

・メーカ、ユーザ及び外部有識者による検討委員会を実施し幅広い意見を集約して本研究に 反映した。

まとめ

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業

石炭火力発電所での低品位炭

及びバイオマス燃料混焼の経済性検討

出光興産株式会社 中国電力株式会社

一般財団法人石炭エネルギーセンター

平成 27 年( 2015 年) 7 月 14 日