九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
超伝導体の交流磁化特性に与える量子化磁束の可逆 運動の影響に関する研究
小田部, 荘司
https://doi.org/10.11501/3123167
出版情報:Kyushu University, 1996, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
一 一 一 一一
超伝導体の交流磁化特性に与える
量子化磁束の可逆運動の影響に関する研究
小 田 部 荘 司
1 9 9 6 年 1 2 月
九 州 工 業 大 学 情 報 工 学 部
電子情報工学教室
目次
第 1章 序 論 1
1 . 1
は じ め に . . . . • • . . . ..1
1 . 2
臨 界 状 態 モ デ ル . . . • . . . • • . . . • . . . • . . . ..4
1 . 3
臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法 . . . • . . . .. 41 . 3 . 1
四 端 子 法 . . . ..6
1 . 3 . 2
直 流 磁 化 測 定 . . . . • . . . .. 71 . 3 . 3
基 本 波 交 流 帯 磁 率 測 定 . . • . . . •.8 1 . 3 . 4
第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定 . . . . • . . • . . . .•1 0 1 . 3 . 5
Campbell法 .• • • • • • . • • . • • • . • • • • • .•1 1 1 . 4
量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響 . . . . . • . . . • . . ..1 2 1 . 4 . 1
量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 . . . . ..1 2 1 . 4 . 2
ピ ン ニ ン グ 損 失 と 直 流 磁 化 . . . . ..1 4 1 . 5
Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述 . .1 6 1 . 5 . 1
Campbellモ デ ル . . . . • . • . • . . . ..1 6 1 . 5 . 2
直 流 磁 化 の マ イ ナ ー 曲 線 の 勾 配 • . • . . . ..2 1 1 . 5 . 3
基 本 波 交 流 帯 磁 率 .• . . • • . . . • . . ..2 2 1 . 6
従 来 の 研 究 及 び 問 題 点 . . . . • . . . .•2 4
1.7 本 論 文 の 目 的 と 構 成 . . . . ..2 6
第2章 Carnpbell法 を 用 い た 臨 界 電 流 密 度 の 評 価 29
2 . 1
量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 際 の Campbell法 の 問 題 点2 9
2 . 1 . 1
Campbell法 . . . • . . . • • • . . . .•2 9
2 . 1 . 2
変 位 ‑ 復 元 力 曲 線 .• . . . . • • • • • . . . ..3 0
2 . 1 . 3
基 本 波 帯 磁 率 の 虚 部 .• . . . ..3 2 2 . 2
直 流 磁 化 測 定 を 用 い たC a m p b e l l
法 の 較 正 方 法 . . . . ..3 4 2 . 2 . 1
熔 融 法Y‑Ba‑Cu‑O
に お け る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動3 5 2 . 2 . 2
測 定 試 料 . . . ..3 8 2 . 2 . 3
測 定 方 法 お よ び 較 正 方 法 . . . . ..3 9 2 . 3
ま と め . . • . . . • . • . . . ..4 4
第3章 基 本 波 交 流 帯 倍 率 測 定 に よ る 特 性 評 価
46 3 . 1 Y‑Ba‑Cu‑O
超 伝 導 体 の 有 効 の サ イ ズ と 基 本 波 交 流 帯 磁 率4 6 3 . 2
試 料 お よ び 実 験 . . . . • . . . ..4 8 3 . 3
基 本 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 の 温 度 依 存 性 . . • . . . ..5 0 3 . 3 . 1
量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響 . . . . ..5 0 3 . 3 . 2
有 効 サ イ ズ 及 び ピ ン ニ ン グ ・ パ ラ メ ー タ の 評 価 .5 4 3 . 4
ま と め . . . • . . • • . . . . • . . . • . . . ..5 9
第4章 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 を 用 い た 臨 界 電 流 密 度 評 価 法 60
4 . 1
平 板 試 料 に お け る 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 . . . . ..6 0 4 . 1 . 1
可 逆 の 極 限 で の 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 . . . . ..6 1 4 . 1 . 2
理 論 計 算 結 果 . . . .6 2 4 . 1 . 3
臨 界 電 流 密 度 の 評 価 方 法 . . . . • . . . . ..6 2 4 . 2
円 柱 試 料 に お け る 交 流 帯 磁 率 . . . . ..6 6 6 6 4 . 2 . 1 C a m p b e l l
モ デ ル に よ る 記 述 . . . .4 . 2 . 2
臨 界 電 流 密 度 の 評 価 方 法7 1 4 . 3
ま と め .• . . • . . . . • . . . ..7 4
第5章 種 々 の 試 料 に お け る 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定 お よ び 検 討 76
5 . 1
バルク Nb‑Ti超 伝 導 体 . . . . ..7 7 5 . 1 . 1
試 料 及 び 測 定 . . . . . • . . . ..7 7 5 . 1 . 2
第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 実 験 結 果 • . . . ..7 7 5 . 1 . 3
臨 界 電 流 密 度 . . . . . • . . . ..8 2 5 . 1 . 4
ま と め . . . . • • . . . ..8 4
11
5 . 2 Nb‑Ti
多 芯 線 超 伝 導 線 材 . . . . ..8 4 5 . 2 . 1
試 料 及 び 実 験 . . . . ..8 5 5 . 2 . 2
理 論 と の 比 較 検 討 . . . . ..8 6
5 . 2 . 3
ま と め . .9 0
5 . 3
QMG法 に よ る Y‑Ba‑Cu‑O超 伝 導 体 . . . . ..9 0 5 . 3 . 1
試 料 及 び 実 験 . . . . .•9 1
5 . 3 . 2
実 験 結 果9 1
5 . 3 . 3
ま と め . . . . ..9 3 5 . 4
Rb3C60フ ラ ー レ ン 超 伝 導 体 .. . . • . . . ..9 5 5 . 4 . 1
試 料 及 び 実 験 .• . . • . . . ..9 5 5 . 4 . 2
実 験 結 果 . . . • . . . ..9 6 5 . 4 . 3
理 論 と の 比 較 検 討 . . • . • . . • • • . • . • . . .•9 6 5 . 4 . 4
ま と め . . . . . • • • . . . ..9 9 5 . 5
Y‑Ba‑Cu‑O超 伝 導 粉 体 . . . • • . . • . . .1 0 0 5 . 5 . 1
試 料 及 び 実 験 . . • . . .1 0 0 5 . 5 . 2
実 験 結 果 及 び 解 析 . . . . •1 0 1 5 . 5 . 3
ま と め .• • . . . • • . • • . . . ..1 0 7 5 . 6
ま と め . . . . • . . . • • . . . • . . .1 0 7
第6章 総 括 謝辞
付 録A 交 流 帯 磁 率 の 測 定 方 法
A . 1
二 相 ロ ッ ク イ ン ア ン プ の 測 定 原 理109 113 114
1 1 4 A . 2
二 相 ロ ッ ク イ ン ア ン プ を 用 い た 測 定 方 法 • . . • . . . .•1 1 5
参 考 文 献 118
記 号 表 124
111
表目次
3 . 1
近 似 式 中 の パ ラ メ ー タ に 仮 定 し た 値0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・5 7 5 . 1
Nb‑Ti多 芯 線 試 料 の 諸 元 。 .• . . . ..8 5 5 . 2
図5 . 1 0
に お け る 仮 定 し た パ ラ メ ー タ0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・9 8 5 . 3
図5 . 1 4
に 示 す8 1
Kに お け る 泌 の 交 流 磁 界 依 存 性 結 果 の計 算 に 用 い る パ ラ メ ー タ . . . . ..
1 0 6
図目次
1 . 1
臨 界 状 態 モ デ ル に お け る 、 外 部 磁 界 を 減 少 か ら 増 加 に 転じたときの内部の (a)磁束分布と
( b )
しゃへい電流密度。5 1 . 2
磁 束 線 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 場 合 の 外 部 磁 界 を 減 少 か ら 増加に転じたときの内部の (a)磁束分布と (b)しゃへい電流
密 度 。 . . . . • . . . .• 13 1.3 極 細 多 芯 線 に お け る ビ ン ニ ン グ 損 失 の 交 流 磁 界 振 幅 依 存
性 [21]0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・ 15 1.4 熔融法
Y
系 酸 化 物 超 伝 導 体 の ムB /
ムM
。 高 磁 界 で 臨 界 状態 モ デ ル の 予 想 値 1よりはずれることが分かる [22]0 ・・ 15 1.5 Campbellモデルによる量子化磁束の変位とビンニングカ
密度の関係。点は Nb‑Taにおける測定例 [24]0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18 1.6 超 伝 導 平 板 に お け る 磁 束 密 度 の 初 期 の 分 布 お よ び 交 流 磁
界 が 変 化 し た 際 の 磁 束 密 度 の 分 布0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18
1 . 7 d / 2
川 =5.0の と き の 超 伝 導 平 板 に お け る 交 流 磁 界 が 変 化 し た 際 の 磁 束 密 度 の 変 化 分b(x)。 両 軸 は そ れ ぞ れ 祐 とμ
oHp
で規格化している0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 20 1.8 (a)d / 2
川 =10,
(b)d / 2
川 =0.3の と き の 、 基 本 波 交 流 帯磁 率 の 虚 部 の 交 流 磁 界 依 存 性 。 一 点 鎖 線 は 臨 界 状 態 モ デ
ルの予想、を示し、破線は近似式 ((1.38)式)の結果を示す。 23 2.1 川 と
H
pにより規格化された入f対Hm
の 数 値 計 算 結 果0 ・ 312 . 2
様々な手法で評価した臨界電流密度対d / 2
花。縦軸は与えた 真 の 臨 界 電 流 密 度 で 規 格 化 し て い る 。 . . . . .. 31 2.3 表 面 に お け る 変 位 復 元 力 曲 線 の 数 値 計 算 結 果 。 . . . .. 33
V
2.4 熔 融 法 に よ り 作 製 さ れ た Y‑Ba‑Cu‑O試 料 に お い て 、 ク ラ ッ ク が 存 在 す る 場 合 の 減 磁 界 中 の 磁 束 分 布
[ 2 8 ] 0
断 面 図 (a)及 び(a)で 矢 印 で 示 さ れ る と こ ろ で の 磁 束 分 布 (b)。(b)で の 太 線 は バ ル ク の 輸 送 臨 界 電 流 密 度 に 相 当 す る0 ・ 37 2.5 40 K, 4 Tに お け る 熔 融 法Y‑Ba‑Cu‑Oの 磁 束 分 布 の 様 子 40 2.6 様 々 な 磁 界 に お け る 直 流 磁 化 曲 線 の 傾 き の 温 度 依 存 性 。 42 2.7 Jcl, JM
, J
ave, J1の 温 度 依 存 性. ... 42 3.1 測 定 に 用 い た Y‑Ba‑Cu‑O試 料 。 試 料 1は粉体であり、しゃへ い 電 流 は 粒 内 に 限 ら れd
=
8μmで あ る 。 試 料2で は し ゃ へ い 電 流 は 20μm間 隔 の ク ラ ッ ク に は ば ま れ る 。 試 料 3で は α‑b面内のドメインの大きさ(r‑..;100μm)が 有 効サ イ ズ を 決 め る 。 . . . . .. 49 3.2 粉 体 試 料 1に お け る 基 本 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 ば の 温 度 依
存性の結果。 (a)実験結果, (b)理 論 結 果0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5 1
3.3 ク ラ ッ ク の 多 い QMG試 料 2に お け る 基 本 波 交 流 帯 磁 率の 虚 部
χ ;
の温度依存性の結果。 (a)実験結果, (b)理 論 結果0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 52 3.4 ク ラ ッ ク の 影 響 が 少 な い QMG試 料3に お け る 基 本 波 交 流
帯 磁 率 の 虚 部
χ ;
の温度依存性の結果。 (a)実験結果, (b)理 論 結 果0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . 53 3.5 Y‑Ba‑Cu‑O試 料 に お け る 臨 界 電 流 密 度 の 温 度 依 存 性o
e
は
B =
1 Tの QMG試 料 に お け る 実 験 結 果 [42]であり、実 線 は (3.1)式 で A
=
1の と き の 結 果 で あ る 。 . . . . .. 56 4.1 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 実 部 と 虚 部 の Campbellモ デ ル によ る 数 値 計 算 の 結 果 (a)込, (b)泌 。 鎖 線 は 臨 界 状 態 モ デ
ルによる予想、を示す0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 63 4.2 (a)交 流 帯 磁 率 の ピ ー ク を 示 す 交 流 磁 界 の 振 幅 と (b)交 流
帯磁率のピークイ直の dj2入
b
依 存 性 。 近 似 式 は 実 線 で 示 している0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 65
Vl
4.3 超 伝 導 円 柱 に お け る 、 初 期 状 態 か ら の 磁 束 密 度 の 分 布 の
変 化 の 様 子0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 68 4.4 超 伝 導 体 円 柱 に お け る 磁 化 の マ イ ナ ー 曲 線 の 傾 き 、 Sの
R/2入
b
依存性。 破 線 は 平 板 の 場 合0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 70 4.5 超 伝 導 円 柱 に 平 行 に 磁 界 を 印 加 し た 際 の 、 規 格 化 し た 交流 磁 界 に 対 す る
( a ) χ ら
(b)泌 ベ c)χ?
の数値計算の結果。破線は臨界状態モデルの予想、を示す0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 72 4.6 超 伝 導 円 柱 に 平 行 に 磁 界 を 印 加 し た 際 の 交 流 帯 磁 率 の ピ ー
ク を 示 す 交 流 磁 界 の 大 き さ の R/2川 依 存 性 。 近 似 式 は 実
線 で 示 し て い る 。 . . . . • . . . .. 73 5.1 Nb‑Tiバ ル ク 超 伝 導 平 板 に お け る 様 々 な 直 流 磁 界 で の 第
三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 実 部 沿 の 交 流 磁 界 依 存 性 の 測 定 結
果。 (a)4.5 K
,
(b)5.0 K . . . .. 78 5.2 Nb‑Tiバ ル ク 超 伝 導 平 板 に お け る 様 々 な 直 流 磁 界 で の 第三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 必 の 交 流 磁 界 依 存 性 の 測 定 結
果。 (a)4.5 K
,
(b)5.0 K . . . .. 79 5.3 Nb‑Tiバ ル ク 超 伝 導 平 板 に お け る 様 々 な 直 流 磁 界 で の 基本 波 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 川 の 交 流 磁 界 依 存 性 の 測 定
結果。 (a)4.5 K
,
(b)5.0 K . . . .. 80 5.4 Nb‑Tiバ ル ク 超 伝 導 平 板 に お け る 臨 界 電 流 密 度 の 直 流 磁界依存性。 (a)4.5 K
,
(b)5.0 K ... 83 5.5 T= 6 . 0 K
での( a )
試 料1 a( b )
試 料2
に お け る 、 様 々 な 直流 磁 界 下 に お け る 必 の 交 流 磁 界 依 存 性0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 87 5.6 T
= 6 . 0 K
に お け る 様 々 な 交 流 帯 磁 率 の ピ ー ク と 直 流 磁化 ヒ ス テ リ シ ス か ら 評 価 さ れ た Jco (a)試 料la(b)試 料 2 89 5.7 87
K
に お け る 様 々 な 直 流 磁 界 に お け る 必 の 交 流 磁 界 依存 性 . . . • . . . • . . . • . . . • . . .. 92
5.8 様 々 な 交 流 帯 磁 率 の ピ ー ク と 直 流 磁 化 測 定 か ら 求 め た 臨
界 電 流 密 度0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 94
Vll
5.9 Rb3C60に お け る 、 様 々 な 直 流 磁 界 下 で の 必 の 交 流 磁 界 依
存性。 (a)26.4 K
,
(b) 28.2 K . . . .. 97 5.10 28.2 Kに お け る 種 々 の 直 流 磁 界 に お け る ば の 交 流 磁 界 依存 性 。 仮 定 し た パ ラ メ ー タ は 表 5.2に示す0 ・・・・・・・・ 98 5.11 (a) 81 Kと(b)83 Kに お け る 様 々 な 直 流 磁 界 の も と で の
Y‑Ba‑Cu‑O超 伝 導 粉 体 の 必 の 交 流 磁 界 依 存 性 。 . . . . . 102 5.12様 々 な 交 流 帯 磁 率 の ピ ー ク と 直 流 磁 化 か ら 評 価 し た (a)
81 Kと(b)83 Kの み の 結 果 .• . . . 103 5.13 (a) 81 Kと(b)83 Kに お け る 交 流 磁 界 の 侵 入 深 さ の 計 算
結 果0 ・・・・・. . . . . • . . . • • . . . 105 5.14 81 Kに お け る 必 の 交 流 磁 界 依 存 性 の 計 算 結 果 。 . . . . . 106
A.1 試料とピックアッフ0 ・コイル、キャンセル・コイルの配置
図 。 . . • . . . • . . . 116 A.2 PLLを 利 用 し た 基 本 周 波 数 ん よ り 三 倍 周 波 数3ん を 発 振
さ せ る 電 子 回 路 図o • . . . • . . . • . . . . • • • 116
Vlll
第 1 章 序 論
1 . 1
は じ め に現 在 、 い ろ い ろ な 分 野 で 超 伝 導 体 が 用 い ら れ つ つ あ る が 、 こ の 中 で 金 属 系 超 伝 導 線 材 と し て は Nb‑Tiを 用 い る も の が 最 も 開 発 が 進 み 、 直 流、交流共に応用が進められている。 Nb‑Tiの臨界温度は 9 K程度であ るので通常は液体ヘリウム
( 1
気圧で4 . 2K)
を 寒 剤 と し て 用 い て 冷 や す 必 要 が あ る 。 電 力 輸 送 の た め に 長 距 離 を 極 低 温 に 冷 や す の で は 経 済 的 に あ ま り 利 点 は な い の で 、 コ イ ル を 作 り 強 力 な 磁 界 を 発 生 さ せ る の に 用 い ら れ て い る 。 た と え ば 医 療 用 の MRIに 用 い ら れ て い る 超 伝 導 マ グ ネ ッ ト は 広 い 空 間 に 均 ー な 磁 界 を っ く り 出 す こ と が で る 。 ま た こ の 他 に も 磁 気 浮 上 列 車 の 超 伝 導 マ グ ネ ッ ト と し て も 利 用 さ れ て い る 。 一 方 1986年 以 降 に 発 見 さ れ た 臨 界 温 度 が77Kを 越 え る 酸 化 物 高 温 超 伝 導 体 は 寒 剤 に 安 価 な 液 体 窒 素 (77K)を用いることができる可能性があり、社 会 的 に も 注 目 さ れ た 。 現 在 で は Y系超伝導体ではバルク応用、 Bi系 超伝導体においては線材化が始まっている。 Bi系 超 伝 導 線 材 で は 電 力 ケ ー ブ ル が 検 討 さ れ
[ 1 ]
、超伝導マグネット用のコイルイヒも進められて いる[ 2 ] 0
こ の よ う に 工 学 的 な 様 々 な 分 野 で 超 伝 導 体 が 用 い ら れ る 大 き な 理 由 は 、 極 微 の 抵 抗 損 失 で 高 密 度 の 電 流 を 流 す こ と が で き る か ら で あ る 。 こ の 特 徴 は 他 の 材 料 で は 得 ら れ な い 超 伝 導 体 独 自 の 性 質 で あ り 、 こ の た め 極 低 温 に 冷 や さ な け れ ば 超 伝 導 の 性 質 が 現 れ な い と い う 欠 点 に も か か わ ら ず 、 超 伝 導 技 術 が 注 目 さ れ 続 け ら れ て い る 。 実 用 面 で は 超 伝 導 状 態 と み な せ る 低 電 気 抵 抗 の 範 囲 で 流 せ る 最 大 の 直 流 電 流 密 度 を 臨
l
1.1は じ め に
界 電 流 密 度 と い い 、 超 伝 導 体 を 特 徴 づ け る パ ラ メ ー タ と し て こ の 外 に 臨 界 温 度 と 臨 界 磁 界 が あ る 。 こ の う ち 臨 界 温 度 と 臨 界 磁 界 は 物 質 に 固 有 な も の で あ る が 、 臨 界 電 流 密 度 は 冶 金 学 的 手 法 に よ り 特 性 を 向 上 さ せ る こ と が 可 能 で あ る 。 そ れ は 後 述 す る よ う に 臨 界 電 流 密 度 が 超 伝 導 体内にある欠陥などのビンニング・センターによって大きく左右される からである。
超 伝 導 体 内 で 臨 界 電 流 密 度 ま で 電 流 が ほ と ん ど 無 損 失 で 流 せ る の は 、 内 部 に 侵 入 し て い る 量 子 化 磁 束 が 超 伝 導 体 内 の 不 均 質 部 分 に よ り トラップされた状態になり、電流によって生じる Lorentz力 に 対 し て 量 子 化 磁 束 を 固 定 す る こ と が で き る か ら で あ る 。 こ の 作 用 を ピ ン ニ ン グ といい、この作用をする不均質部分をピンニング・センターという。も しピンニング力よりも強い Lorentz力 が か か る と 量 子 化 磁 束 は も は や ピ ンニング・センターでは支えることができなくなって運動(磁束フロー) し始める。このとき電磁誘導により電圧が発生し、損失が生じる。した がって臨界電流密度を向上させるには超伝導体内部に強いピンニング・
センターを効率良く導入すればよい。
こ の よ う に 超 伝 導 体 で 損 失 が ほ と ん ど 無 い の は 直 流 の 定 常 的 な 場 合 にのみ限られる。それは磁束ビンニング現象が不可逆であり、量子化磁 束 の 運 動 に 対 し て 量 子 化 磁 束 は ピ ン ニ ン グ ・ セ ン タ ー か ら 常 に 運 動 と は 反 対 の 力 を 受 け る た め で あ る 。 た と え ば 超 伝 導 体 に 交 流 磁 界 が か か る と 、 周 期 的 に 量 子 化 磁 束 の 移 動 が 起 こ り 、 超 伝 導 体 の 磁 化 は ヒ ス テ リシスを生じ、その結果損失を伴うことになる。周波数が小さい場合、
一 周 期 当 た り の 損 失 は 周 波 数 に 無 関 係 な ヒ ス テ リ シ ス 損 失 と な る 。 こ のような損失をピンニング損失という。したがって、超伝導体を交流に 応用する際には損失が生じ、ピンニングが重要な働きをする。
超 伝 導 体 を 工 学 的 に 用 い る た め に は 、 臨 界 電 流 密 度 や 交 流 動 作 さ せ るときの損失についての測定や評価が不可欠である。そのためには超伝 導 体 内 部 で の 磁 束 分 布 に 代 表 さ れ る 電 磁 現 象 を 正 し く 理 解 す る 必 要 が ある。これまで広く用いられてきているのは臨界状態モデルであり、こ のモデルでは量子化磁束に働く Lorentz力とピンニングカが釣り合うも
2
1.1は じ め に
の と し て 量 子 化 磁 束 の 運 動 を 記 述 し て い る 。 す な わ ち Lorentz力により 動 こ う と す る 方 向 と は 常 に 反 対 方 向 に ピ ン ニ ン グ カ が 作 用 す る た め 、
こ の モ デ ル に よ り 記 述 さ れ る 現 象 は 不 可 逆 で あ る 。 実 際 、 超 伝 導 体 の 直 流 磁 化 曲 線 の ヒ ス テ リ シ ス や ピ ン ニ ン グ 損 失 は 、 不 可 逆 な 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い で か な り の 部 分 が 説 明 で き る 。 し か し ピ ン ニ ン グ 相 互 作 用 は も と も と 超 伝 導 体 内 で 量 子 化 磁 束 が 運 動 す る 際 に 感 じ る 可 逆 な ピ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル に 由 来 す る 。 磁 束 ビ ン ニ ン グ 現 象 が 不 可 逆 と な り 不 可 逆 な 臨 界 状 態 モ デ ル が 成 立 す る の は 、 量 子 化 磁 束 の 変 位 量 が ピ ンニング・ポテンシャルの大きさよりも大きくなるときであり、このと き は そ の 運 動 が 不 安 定 と な っ て 、 大 き な 損 失 が 発 生 す る
[ 3 ]
。しかし、ビ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル は 有 限 の 大 き さ で あ る の で 、 量 子 化 磁 束 の 変 位 が 小 さ く ビ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル 内 に 限 ら れ る 時 に は ピ ン ニ ン グ 現 象 が ほ ぼ 可 逆 に な り 、 損 失 は 非 常 に 小 さ く な る 。 こ の 時 に は 様 々 な 電 磁 現 象 が 臨 界 状 態 モ デ ル の 予 想 、 か ら は ず れ る 。 し た が っ て こ う し た 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 を 正 し く 理 解 す る 必 要 が あ る 。
超 伝 導 体 の 磁 気 的 特 性 評 価 に は 大 き く 分 け て 直 流 磁 化 測 定 法 と 交 流 磁 化 測 定 法 が あ り 、 そ れ ぞ れ に 特 徴 が あ り 組 み 合 わ せ て 用 い ら れ て き
て い る 。 い ず れ の 場 合 も 超 伝 導 体 に 直 流 も し く は 交 流 の 磁 界 を 印 加 し て そ の 磁 化 を 測 定 し 、 臨 界 状 態 モ デ ル な ど を 仮 定 し て 解 析 を 行 い 、 臨 界 電 流 密 度 や 損 失 を 評 価 す る 。 こ の 中 で 交 流 磁 化 測 定 の 場 合 、 交 流 磁 界 の 振 幅 が 小 さ い と 内 部 に 侵 入 し て い る 量 子 化 磁 束 の 変 位 は 小 さ し
し た が っ て 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 生 じ て い る 可 能 性 が あ る 。 こ の よ う な と き に 臨 界 状 態 モ デ ル を 適 用 し て 交 流 磁 化 特 性 か ら 臨 界 電 流 密 度 を 評 価 す る と 誤 っ た 結 果 を 招 く 。 し た が っ て 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 を 考 慮した解析が必要となる。
本 論 文 は 超 伝 導 体 の 交 流 磁 化 特 性 に 与 え る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影響に関して調べることを目的に行なった研究をまとめたものである。
本 論 文 で は 交 流 磁 化 法 と し て Campbell法 、 基 本 波 お よ び 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 法 を と り あ げ 、 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 際 に ど の よ う
な 影 響 を 受 け る の か を 理 論 的 に 明 ら か に す る 。 そ し て 不 可 逆 な 臨 界 状 3
1.2臨 界 状 態 モ デ ル
態 モ デ ル が 適 用 で き な い 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 際 に も 正 し く 臨 界 電 流 密 度 を 評 価 で き る 方 法 を 提 案 す る 。 さ ら に 実 際 に 様 々 な 試 料
に お い て 測 定 を 行 な い そ の 有 用 性 に つ い て 議 論 を 行 な う 。
本 章 で は 、 ま ず 本 研 究 に 関 す る 基 本 的 な 概 念 と 従 来 の 研 究 結 果 に つ い て 簡 潔 に 述 べ 、 次 い で 従 来 の 研 究 の 問 題 点 と 本 研 究 の 目 的 な ど 本 論 文の概要について述べる。
1 . 2 臨 界 状 態 モ デ ル
最 初 に 臨 界 状 態 モ デ ル に つ い て 述 べ る 。 外 部 磁 界 を 変 化 さ せ る と 超 伝 導 体 の 内 部 に そ の 変 化 が 及 ぶ が 、 臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 、 例 え ば 図 l.
l ( a )
の よ う な 場 合 、 磁 界 の 侵 入 深 さ は 外 部 磁 界 の 変 化 量 に 比 例 し 、 外 部 磁 界 の 変 化 を 小 さ く す れ ば 侵 入 深 さ は 限 り な く 小 さ く な る 。 こ の モ デ ル で は し ゃ へ い は 流 れ る 電 流 の 向 き が 反 転 す る こ と に よ っ て 行 な わ れ る。 Jcを 臨 界 電 流 密 度 と す る と 、 し ゃ へ い 電 流 密 度 が あ る 面 を 境 に し て、図 1.1(b)に 示 す よ う に 、 み か ら ‑Jcに 急 に 変 化 す る と 仮 定 さ れ て い る 。 磁 束 分 布 は Jcと 磁 束 密 度 Bの 関 係 が 分 か っ て い る 場 合 に の み 決 まり、 JcのB依 存 性 に つ い て 様 々 な モ デ ル が 提 案 さ れ て い る [4‑7]。そ の 中 で も み が 試 料 内 で 一 定 で 、 磁 束 密 度Bに依存しないとする Beanモ デル[ 4 ]
が 小 振 幅 のB
の 変 化 の 場 合 に は よ い 近 似 で あ り 、 簡 潔 で あ る の で 最 も よ く 用 い ら れ て い る 。 本 研 究 に お い て は 小 振 幅 の B変 化 の 場 合 を 議 論 す る こ と が 多 い の で 、 臨 界 状 態 モ デ ル と い う 場 合 に は こ の Bean モデルを意味する。1 . 3 臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
超 伝 導 体 を 工 学 的 に 用 い る 際 に 最 も 重 要 な パ ラ メ ー タ の 一 つ は 臨 界 電 流 密 度 で あ る 。 一 般 に 用 い ら れ て い る 超 伝 導 体 の 臨 界 電 流 密 度 の 測 定 に は 大 き く 分 け て 、 四 端 子 法 、 直 流 磁 化 法 、 交 流 磁 化 法 が あ る 。 こ こ
4
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
B
( a )
J 1
4
。 x
‑ J
C一 一
︑
E︐ ︐
r
E O
︐ ︐
ZE E‑
図 1.1:臨 界 状 態 モ デ ル に お け る 、 外 部 磁 界 を 減 少 か ら 増 加 に 転 じ た と き の 内 部 の
( a )
磁 束 分 布 と (b)しゃへい電流密度。5
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
で は 最 初 に 囚 端 子 法 に つ い て 述 べ て 、 次 に 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い て 超 伝 導 体 の 臨 界 電 流 密 度 を 評 価 す る 従 来 の 方 法 と し て 、 直 流 磁 化 法 と 交 流 磁 化 法 に つ い て ま と め る 。 な お 、 こ こ で 取 り 上 げ る 交 流 磁 化 法 に は 基 本 波 お よ び 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定 法 、 Campbell法 が あ る 。 し か し な が ら こ れ ら の 測 定 法 は 1.4節 で 述 べ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響 が 顕 著 な 際 に は 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い る こ と が で き な い こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 し た が っ て
1 . 5
節 で 述 べ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 を 考慮した解析が必要となる。1.3.1 四 端 子 法
四 端 子 法 は 平 板 や 円 柱 に 切 り 出 し た 試 料 の 両 端 の リ ー ド 線 か ら 電 流 を 流 し 、 試 料 中 央 部 の 端 子 聞 の 電 圧 を 観 測 す る こ と に よ り 、 臨 界 電 流 を 測 定 す る 方 法 で あ る 。 こ の 方 法 は 直 接 電 流 を 流 す の で 信 頼 度 が 高 い と い え る が 、 臨 界 電 流 密 度 が 高 い と 測 定 が 困 難 で あ り 、 ま た 試 料 形 状 を 整 え な け れ ば な ら な い 。 さ ら に リ ー ド 線 を 試 料 に 低 抵 抗 で 接 続 し な ければならないという制約もある。
四 端 子 法 を 用 い て 電 流 密 度 Jに 対 す る 電 界 Eを 測 定 す る と 、 多 く の 場合、
E
cx Jn 1E'/︑ 1E4 411 ︑ ︑ /lと表すことができ、このときのパラメータ η をn値 と 呼 ぶ 。 金 属 系 の 実 用 超 伝 導 体 の 場 合n値 が50以 上 あ り 、 し た が っ て 電 界 基 準
E c
になる電 流 密 度 を 臨 界 電 流 密 度Jc
として定義する時、E c
が変化しでもあまり Jc
の 暖 昧 さ は 無 い 。 し か し 酸 化 物 超 伝 導 体 で は η値 が 小 さ く
J
の 増 加 に ともなって Eが緩やかに増加するため、Ec
の決め方により Jc
が大きく変 わ り 、 臨 界 電 流 密 度 の 定 義 や 意 義 が 問 題 と な っ て い る
[ 8 ]
。 し か し 工 学 的 に は 発 生 す る 電 界 が 電 界 基 準 よ り 小 さ け れ ば 超 伝 導 状 態 と み な せる と い う 意 味 か ら 、 臨 界 電 流 密 度 の 測 定 は い ぜ ん と し て 重 要 で あ る 。 一 方 、 超 伝 導 体 の 磁 気 特 性 を 利 用 す る 非 接 触 の 臨 界 電 流 密 度 の 測 定 法 と し て 後 述 の 直 流 磁 化 法 や 交 流 磁 化 法 が あ る 。 こ れ ら の 測 定 に お い
6
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
て 超 伝 導 体 表 面 付 近 の 電 界 Eは、変動磁界の大きさを
Bm
、 量 子 化 磁 束 の速度をりとすると、E=Bm
v( 1 . 2 )
で与えられ、測定条件により異なる。したがって η値 の 低 い 酸 化 物 超 伝 導 体 に お い て は 、 測 定 条 件 に よ り 四 端 子 法 に 相 当 す る 臨 界 電 流 密 度 の 評価が異なることに注意しなければならない。
1 . 3 . 2
直 流 磁 化 測 定この方法では外部に直流磁界を印加して、そのときの超伝導体の磁化 を測定する。測定には VSM(Vibrating Sample Magnetometer)、 SQUID (Superconducting QUantum Interference Device)、 引 き 抜 き 法 、 ピ ッ ク アップ法などがある。一般に G‑Lパラメータ κが 高 い 第 二 種 超 伝 導 体 に おいては、 Missner電 流 の し ゃ へ い に よ る 超 伝 導 体 の 本 質 的 な 反 磁 性 は ピ ン ニ ン グ に よ る 反 磁 性 に 比 べ て 非 常 に 小 さ く 、 こ の 影 響 を 無 視 す る ことができる。厚さ dの 無 限 超 伝 導 平 板 に 平 行 に 磁 界
He
を 印 加 し た 際 の 直 流 磁 化 λイ は 、 慣 例 に よ り 、 実 験 で 行 な わ れ て い る よ う にM=~l ザ l
dB(x) 町 ω 附 μ ( 刷 山 附 刈
Z削 ) 川
d凶
ωZ一叩叩μ内0ι ο
で定義される[問9司]。したがって、この磁化は物性を示す局所的な関係 λ1=
B‑
μoH
ではなく、その平均でもなく、B‑
μo H e
の 試 料 全 体 に わ た る 平 均 で あ る 。 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い れ ば 、 こ の と き の 直 流 磁 化 の メ ジ ャ ー曲 線 の ヒ ス テ リ シ ス ム
M
は、臨界電流密度 Jcと unJrdムM= 可~
( 1 . 4 )
の 関 係 が あ る 。 し た が っ て ムλイを測定することにより Jcを評価するこ とができる。
直流磁化曲線では磁界が増加から減少(または減少から増加)に転じ る と き に は 、 マ イ ナ ー 曲 線 を 通 り し ば ら く し て 再 び メ ジ ャ ー 曲 線 に 一 致 す る 。 マ イ ナ ー 曲 線 で は 磁 界 の 変 化 が 小 さ く 、 し た が っ て 量 子 化 磁 束 の
7
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
変 位 も 小 さ い た め 、 場 合 に よ っ て は 後 述 す る よ う に 可 逆 運 動 の 影 響 を 受 け る 。 し か し 十 分 に 磁 界 の 変 化 が 大 き い メ ジ ャ ー 曲 線 で は 量 子 化 磁 束 の 運 動 は 不 可 逆 に な る の で 、 臨 界 状 態 モ デ ル を 適 用 す る こ と が で き る 。
しかし直流磁化測定では試料全体の磁化を測定するために、
( 1 . 4 )
式 を 用 い て み を 評 価 す る に は 試 料 全 体 で 均 ー な し ゃ へ い 電 流 が 流 れ る と い う 条 件 が 必 要 で あ る 。 酸 化 物 超 伝 導 体 で は し ば し ば 試 料 内 に 欠 陥 が あ り 、 均 ー な し ゃ へ い 電 流 を 妨 げ て い る の で 、 こ の よ う な 場 合 に は 正 し い 臨 界 電 流 密 度 を 直 流 磁 化 測 定 か ら 評 価 で き な い 。 ま た 直 流 磁 化 は( 1 . 4 )
式 の よ う に 臨 界 電 流 密 度 と 試 料 の 大 き さ に 比 例 す る の で 、 臨 界 電 流 密 度 や 試 料 の 大 き さ が 大 き い と メ ジ ャ ー 曲 線 に 達 し な い た め 、 臨 界 電 流 密 度 が 評 価 で き な い こ と が あ る と い う 問 題 点 が あ る 。1 . 3 . 3
基 本 波 交 流 帯 磁 率 測 定直 流 磁 化 法 に 対 し て 交 流 磁 化 法 で は 試 料 に 直 流 磁 界 と そ れ に 重 畳 し て 交 流 磁 界 を 印 加 し 、 交 流 磁 化 を 測 定 す る 。 そ の 一 つ で あ る 基 本 波 交 流 帯 磁 率 測 定 は 臨 界 電 流 密 度 の 評 価 だ け で な く 超 伝 導 体 の 基 礎 的 な 特 性 評 価 に も 広 く 用 い ら れ て き て い る
[ 1 0 ] 0
測 定 は 直 流 磁 界 と 交 流 磁 界 の 振 幅 を 大 き く す る 必 要 が 無 け れ ばVSMやSQUIDに 比 べ て 比 較 的 簡 便 な 装 置 で 可 能 で あ る 。 交 流 磁 界 に 対 す る 応 答 を 調 べ る 方 法 で あ る の で 信 号 の 大 き さ は 周 波 数 に 比 例 し 、 信 号 の 測 定 も 容 易 で あ る 。 基 本 波 交 流 帯 磁 率 の 実 部 は 基 本 的 に は 超 伝 導 体 の 反 磁 性 と ピ ン ニ ン グ に よ る 影 響 を 反 映 す る 。 し た が っ て 、 直 流 磁 界 と 交 流 磁 界 を 一 定 に 保 っ た ま ま 実 部 の 温 度 依 存 性 を 測 定 す れ ば 、 常 伝 導 状 態 で は 信 号 が 観 測 さ れ な い もの の 、 超 伝 導 状 態 と な り 反 磁 性 が 生 じ 始 め る と 信 号 が 観 測 さ れ て 、 そ の直流磁界
B
で の 臨 界 温 度T c ( B )
の測定が可能である[ 1 1 ] 0
一 方 、 後 述 す る よ う に 虚 部 は 損 失 と 直 接 関 係 が あ る 。 周 波 数 が 低 い と こ ろ で は 量 子 化 磁 束 に 働 く 粘 性 力 の 影 響 は 小 さ い の で 損 失 の ほ と ん ど は ピ ン ニ ン グ 損 失 と 考 え ら れ る 。 こ の よ う な と き に は 虚 部 の 温 度 依 存 性 を 測 定 す れ ば 、 ピ ン ニ ン グ が 働 き 始 め る 温 度 、 い わ ゆ る 不 可 逆 温 度1 i ( B )
を測定 することカぎできる。8
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
基 本 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 測 定 か ら 臨 界 電 流 密 度 を 求 め る 方 法 に つ い て 述 べ る 。 交 流 磁 界 が 低 周 波 数 領 域 に あ る 場 合 に は 、 量 子 化 磁 束 に 働 く 粘 性 力 の 影 響 は 十 分 に 小 さ く 、 無 視 す る こ と が で き る 。 し た が っ て 交 流 磁 化 は 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い て 容 易 に 求 め ら れ る 。 厚 さ dの 無 限 超 伝 導 平 板 に 平 行 に 交 流 磁 界
H e
==Hm
COS wtを 印 加 す る 。 こ の と き 観 測 さ れ る 交 流 磁 化 は (1.3)式 に よ っ て 与 え ら れ る 。 こ れ を 直 流 の 際 の 帯 磁 率 の 定 義 λ1==χHm
にならってM( ωt )
==Hm 玄 (χ;ωωt+dmnωt )
(1.5)n=l
のように Fourier級 数 に 展 開 し 、 交 流 帯 磁 率 沿 う 泌 を 定 義 す る 。 こ の 中 で 基 本 波 交 流 帯 磁 率 の 実 部
χ ;
と 虚 部 川 は そ れ ぞ れχ
← ; ト = 右 占 m l : 〉 よ : M
附 山∞ …
CO (1.6)χ
刈 ← : ド = 志 : よ l 〉
MSi川 伽 (1.7)で 与 え ら れ る 。 臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 込 は 交 流 磁 界 の 振 幅 が 十 分 に 小 さ い と こ ろ で ‑μoに 、 ま た 十 分 に 大 き い と こ ろ でOに漸近する。そし
て
Hm
==H
pでーμ0 /
2となり、ピークを持たない。ただし、打 Jcd
‑
‑..I...I.p ‑ 2
は 中 心 到 達 磁 界 で あ る 。 ま た
χ f
は次のようになる。(1.8)
" 2UoHTYl
χ;= ギ HP; Hm 三 鳥 ( 1 . 9 )
11 2μ
oH
p( つ
EIp¥ー
い一一一旦); Hm > H
p( 1 . 1 0 )
7r
Hm ¥ ‑ 3H m J
(1.10)式よりわかるように、
Hm
が( 4 / 3 ) H
pのときにχ {
は3μ0 /
4π のピー ク 値 を と る 。 し た が っ て 臨 界 状 態 モ デ ル を 用 い る こ と が で き れ ば 、 虚 部 が ピ ー ク を 示 す と き の 交 流 磁 界 の 振 幅 と こ の 関 係 か ら 臨 界 電 流 密 度 を 評価することができる。な お 、 超 伝 導 体 の ピ ン ニ ン グ 損 失 日 色 は 磁 化 ヒ ス テ リ シ ス よ り 求 め ることができるので、 (1.7)式より Wpは次の式で表され、
9
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
W m P
=j [ : ; y
宵Md 妖 畑 ( 但 い
H (1.11)となり、
χ 1
と直接比例する関係にある。1 . 3 . 4
第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定基 本 波 交 流 帯 磁 率 測 定 と 同 様 に 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定 も 盛 ん に 行 わ れ て き て い る [12]。 高 調 波 交 流 帯 磁 率 測 定 に お い て は 、 信 号 の 大 き さ は 基 本 波 に 比 べ て 小 さ い も の の 、 量 子 化 磁 束 に 働 く 粘 性 力 や 常 伝 導 部 分 で の 損 失 の 影 響 は 原 理 的 に 削 除 で き る の で 、 量 子 化 磁 束 の 運 動 に よ る ピ ン ニ ン グ 効 果 が よ り 正 確 に 測 定 で き る も の と 期 待 さ れ る 。 さ ら に 基 本 波 信 号 付 近 の ノ イ ズ に も 影 響 を 受 け な い と い う 点 か ら も 測 定 上 有 利 で あ る と 考 え ら れ る 。 臨 界 電 流 密 度 が 一 定 で あ る Beanモデルによ
ると偶数次は測定されないが、奇数次高調波交流帯磁率は信号がある。
ま た 高 次 高 調 波 に な る ほ ど 信 号 の 大 き さ は 小 さ く な る の で 、 測 定 は 困 難 に な る 。 し た が っ て 一 般 的 に 測 定 さ れ て い る 高 次 の 高 調 波 交 流 帯 磁 率成分は第三高調波に限られている。
基 本 波 交 流 帯 磁 率 と 同 様 に 、 (1.5)式 の 交 流 磁 化
M(
ωt )
よ り 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 実 部 込 と 虚 部 ば はχj= 志 : l
Mω ω t
似χ;= 右 : l M
山tω
で表される。
臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 込 と ば は そ れ ぞ れ Hm
< H
pのとき、(1.12) (1.13)
χ
~ =
0 (1.14)" 2Hm
(1.15) 157r Hp
となる。したがって
χ ;
を測定することにより Jcを 評 価 す る こ と が で き る。この Jc評価は Beanの方法 [13]として知られている。また Hm>Hp のとき、10
1.3臨 界 電 流 密 度 の 測 定 方 法
込 = ー ま ( ま r (1‑ 歪 r ( を ‑1)
必 = ム [ 5‑3 0 ( ま ) +40 ( お 2‑16 ( お ] 3 ( 1 . 1 7 )
と な る 。 上 記 の 結 果 に よ れ ば 込 と ば の ピ ー ク の 値 は 一 定 で あ り 、
χ i
は負 の 値 し か 取 ら な い 。 泌 の 二 つ の ピ ー ク の う ち 負 の ピ ー ク は
Hm/Hp
=1 . 4 1
で 与 え ら れ る 。 し た が っ て 、 第 三 高 調 波 交 流 帯 磁 率 の 虚 部 が ピ ー ク を も っ 交 流 磁 界 の 振 幅 か ら 臨 界 電 流 密 度 を 求 め る こ と が 可 能 で あ る 。 1.3.5 Carnpbell 法Campbell法(微小交流磁界重畳法、 AC法)は A.M. Campbellによ り考案された測定法である
[ 1 4 ]
。 こ の 測 定 法 で は 交 流 磁 界 の 振 幅 を 変 え て い っ た と き の 試 料 に 出 入 り す る 交 流 磁 束 量 か ら 、 交 流 磁 束 の 侵 入 深 さ の 変 化 を 測 定 す る 。 し た が っ て 試 料 内 で 平 均 化 す る 直 流 磁 化 法 に 比 べ て 、 磁 束 の 空 間 的 な 変 化 の 様 子 を 調 べ る こ と が で き 、 局 所 的 な 情 報 を得ることができる。実際、 Campbell法 で は 表 面 ピ ン ニ ン グ に よ る 表 面 の 臨 界 電 流 密 度 の 評 価 を し た り[ 1 5 ]
、 粒 状 の 酸 化 物 高 温 超 伝 導 体 の 粒 内 と 粒 聞 の 臨 界 電 流 密 度 を 同 時 に 測 定 す る こ と [16]が で き る 。 ま た 別 の 解 析 を 行 な っ て 磁 束 線 格 子 の 弾 性 特 性 を 調 べ る こ と も 可 能 で あ り 、ビ ン ニ ン グ 特 性 の 変 化 と と も に 格 子 の 弾 性 特 性 が ど の よ う に 変 化 す る か 調 べ ら れ て い る [17]。 酸 化 物 超 伝 導 体 の 臨 界 電 流 密 度 を Campbell法
を 用 い て い て 測 定 す る こ と に つ い て は 文 献
[ 1 8 ]
を 参 考 に さ れ た い 。 な おCampbell法 で は 臨 界 状 態 モ デ ル を 仮 定 し て 臨 界 電 流 密 度 を 評 価 し て いる。超 伝 導 平 板 に 直 流 と 交 流 磁 界
Ho + Hmc o sωt
が 平 行 に 印 加 さ れ て い る と す る 。 こ の と き 量 子 化 磁 束 は 平 板 の 広 い 面 か ら 侵 入 す る 。 し た が っ て交流磁束量は平板の幅に比例する。 Campbell法 に お い て は 試 料 に 出 入 り す る 単 位 幅 当 た り の 交 流 磁 束 量 φを 測 定 す る 。 交 流 磁 束 の 侵 入 深さ入1は次のように計算される。
11
1.4量 子 化 銀 東 の 可 逆 運 動 の 影 響
入 1θφ
'‑戸;万五;
(118)得 ら れ た 入Fと
Hm
の 関 係 は 、 い わ ゆ る Campbell法 で の 磁 束 分 布 と な る。この分布ではHm
が 増 加 す る に し た が っ て だ が 線 形 に 増 加 す る 領 域 が あ り 、 だ がd/2に達すると飽和する。この線形の領域より、Jr
ー盟主
‑d入F
として Jcを求めることができる。
1 . 4 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響
(1.19)
本 節 で は 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 際 の 例 を 1.2節 の 臨 界 状 態 モ デ ル と 比 較 し て 述 べ る 。 ま た 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 に 関 し て 具 体 的 な 測 定 例 を 示 し な が ら 、 問 題 点 を 探 る こ と に す る 。
1.4.1 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動
臨界状態モデルによると 1.2節 で 述 べ た よ う に 外 部 磁 界 を 変 化 さ せ た と き 、 変 化 の 侵 入 深 さ は 外 部 磁 界 の 変 化 を 小 さ く す れ ば 限 り な く 小 さ くなる。しかし現実には図 1.2(a)に示すように、侵入深さはある値より も 小 さ く な ら ず ¥ そ の 最 小 値 祐 を Campbellの 交 流 磁 界 の 侵 入 深 さ と い う
[ 1 4 ]
。 こ れ に 対 応 し て し ゃ へ い 電 流 密 度 は み か ら ‑Jcに 急 に は 変 化 で き ず ¥ 量 子 化 磁 束 の ピ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル 内 の 位 置 に よ っ て 連 続 的にゆるやかに変わる(図 1.2(b))。つまり、この入b
の 範 囲 内 で は 量 子 化 磁 束 の 運 動 は ほ ぼ 可 逆 に な っ て い る の で あ る 。 な お 、 後 述 す る よ う に ぬ は ピ ン ニ ン グ に 依 存 し た 量 で 、 ピ ン ニ ン グ が 強 け れ ば し ゃ へ い が 強 ま る の で 祐 は 小 さ く な り 、 弱 け れ ば 川 は 逆 に 大 き く な る 。 実 用 Nb‑Ti 線 材 に お い て は 川 は 1μm程度である。量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 は そ の 変 位 が ピ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル の サ イ ズ よ り 小 さ い 時 に 生 じ る 。 こ の た め に は 磁 界 の 変 動 が 超 伝 導 体 の 有 効 サイズ dと入
b
で 決 定 さ れ る あ る 磁 界 よ り も 小 さ い こ と が 必 要 と な る 。12
1.4量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響
B
E 、司、、
、、、、
、、、
、、、
、、、
( a ) J14
。 入 ' 。 X
、、、、
‑ J c~---- 一一一一
λ( b )
図 1.2:磁 束 線 の 可 逆 運 動 が 顕 著 な 場 合 の 外 部 磁 界 を 減 少 か ら 増 加 に 転 じ た と き の 内 部 の (a)磁 束 分 布 と (b)しゃへい電流密度。
13
1.4量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響
つ ま り 可 逆 運 動 の 効 果 は 微 小 な 交 流 磁 界 を か け た 場 合 や 、 あ る い は 磁 界 を 増 加 し て い た と こ ろ で わ ず か に 減 少 に 転 じ た 時 な ど に 現 れ る 。 特 にdが入
b
程 度 に な る と 、 外 部 磁 界 の わ ず か な 変 化 に よ る 内 部 磁 界 の 変 化 は 常 に 試 料 全 体 に 及 び ¥ 試 料 全 体 で 量 子 化 磁 束 の 運 動 が 可 逆 に な る 。こ こ で 述 べ る 超 伝 導 体 の 有 効 サ イ ズ dは 、 印 加 磁 界 に 対 す る 超 伝 導 し ゃ へ い 電 流 ル ー プ の 小 さ い 方 の 径 で 与 え ら れ る 。 交 流 用 の 極 細 多 芯 線 で は 超 伝 導 線 の フ ィ ラ メ ン ト サ イ ズ が 、 ま た 焼 結 体 の 酸 化 物 超 伝 導 体 で は 結 晶 粒 内 に し ゃ へ い 電 流 が 限 ら れ る の で 結 品 粒 の 大 き さ が 、 超 伝 導体の有効サイズとなる。
1.4.2 ピ ン ニ ン グ 損 失 と 直 流 磁 化
量子化磁束の可逆運動が顕著となると、直観的に分かりやすいのは、
ピ ン ニ ン グ 損 失 が 減 少 す る こ と で あ る [19
,
20]。図 1.3に種々のフィラメ ント径dfのNb‑Ti極 細 多 芯 線 に お け る ピ ン ニ ン グ 損 失 の 測 定 例 を 示 す [21] 0
こ れ か ら わ か る よ う に 極 細 多 芯 線 の ピ ン ニ ン グ 損 失 は フ ィ ラ メ ン ト 径 を 小 さ く す る こ と に よ り 広 い 磁 界 領 域 で 小 さ く な り 、 そ の 様 子 は 臨 界 状 態 モ デ ル の 予 想 、 と 異 な る 。 臨 界 状 態 モ デ ル に よ る と 、 図 中 に 点 線 で 示 す よ う に 、 フ ィ ラ メ ン ト 径 が 小 さ く な る に つ れ て 交 流 磁 界 が 小さい領域では損失が増加するからである。
次 に 、 超 伝 導 体 の 直 流 磁 化 の マ イ ナ ー 曲 線 に つ い て 述 べ る 。 磁 界 を 増 加 か ら 減 少 に 転 じ た 時 、 直 流 磁 化 は マ イ ナ ー 曲 線 を 通 り 、 し ば ら く し て 再 び メ ジ ャ ー 曲 線 に 一 致 す る 。 図 1.4に 示 す よ う に こ の 時 の ムBと磁 化 の 幅 ム
λ
イの比ムB /
ムM
は 、 反 磁 界 係 数 が ゼ ロ の 超 伝 導 体 で は 臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 1で あ る が 、 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 に な る と 非 常 に 大 き な 値 と な る 。 こ れ は 臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 磁 束 分 布 の 変 化 が 最 大 限 に 妨 げ ら れ る た め 磁 化 の 変 化 が 大 き い の に 対 し 、 可 逆 に 近 い 場合には図 1.2(a)の 磁 束 分 布 か ら も わ か る よ う に 、 し ゃ へ い 電 流 の 変 化 が 小 さ く 、 磁 化 の 変 化 が 極 め て 小 さ く な る か ら で あ る 。 こ の こ と は あ る 変 化 幅 に お い て は 直 流 磁 化 曲 線 で 囲 ま れ る 面 積 が 著 し く 小 さ く な る こ と を 意 味 す る 。 つ ま り 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 に な る と 、 ピ ン14
1.4量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 影 響
104
10・2 10‑1 1
110 Hm (T)
図 1.3:; 極 細 多 芯 線 に お け る ピ ン ニ ン グ 損 失 の 交 流 磁 界 振 幅 依 存 性
[ 2 1 ] 0
13 11 A
‑M
nョ
''
E1
v
( 三 司
) ω
ご(
∞司
)︒
一
A
A
・
B3
・
A aa‑‑
A• •
A• • • •
o.M
B[T] o.B
図 1.4:熔 融 法Y系 酸 化 物 超 伝 導 体 の ム
B /
ムM。 高 磁 界 で 臨 界 状 態 モ デ ル の 予 想 値 1よ り は ず れ る こ と が 分 か る[ 2 2 ] 0
15
1.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
ニ ン グ 損 失 が 減 少 す る こ と が こ の こ と か ら も 確 認 で き る 。
ま た 、 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 か ら 材 料 特 性 の 評 価 を 行 な う こ と が で き る が 、 こ こ で そ の 例 [22]を示す。図 1.4は 溶 融 法 で 作 製 さ れ た Y系酸 化 物 超 伝 導 体 に お け る ム
B /
ムM の 測 定 結 果 で あ る 。 こ の よ う な 試 料 で は ク ラ ッ ク が 通 常 α‑b面 に 沿 っ て 入 る 。 し た が っ て 磁 界 が かb面 に 平 行 な 時 に し ゃ へ い 電 流 は ク ラ ッ ク で 区 切 ら れ た 部 分 の 中 を 閉 じ て 流 れ る の で、 dは大体クラック間隔に等しい。ムB /
ムM は1より大きくなってい るので、 dは ぬ と 同 程 度 と 考 え ら れ る 。 ま た 磁 界 を c軸 に 対 し て 平 行 に 印 加 す る 際 に は し ゃ へ い 電 流 は α‑b面 内 に 流 れ る の で dは ク ラ ッ ク に 邪魔されずにドメインサイズ(~ 100μm)で決まり、
d > >
入b
となるので、比は 1に な っ て い る 。 し か し 高 磁 界 で は ピ ン ニ ン グ が 弱 く な っ て 泌 がd 程 度 に ま で 大 き く な り 、 ム
B /
ムAグが 1よ り は ず れ て く る こ と が 分 か る[23]。 以 上 の よ う に 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 を 理 解 す る こ と で 、 電 磁 測 定 の 結 果 よ り 材 料 の 均 一 な 有 効 サ イ ズ を 検 討 す る こ と が で き る 。
以 上 の よ う に 、 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 が 顕 著 と な る よ う な 超 伝 導 体 の 有 効 サ イ ズ が 小 さ い 試 料 に お い て は 、 不 可 逆 な 臨 界 状 態 モ デ ル は 使 えないことが分かる。
1 . 5 Campbell モ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
前 節 で 述 べ た 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 は Campbellモデル [14]により記 述 す る こ と が で き る 。 本 節 で は Campbellモデルについて述べる。
1.5.1 Campbellモデル
臨 界 状 態 モ デ ル に よ れ ば 、 量 子 化 磁 束 は 変 位 の 方 向 と 逆 向 き に 単 位 体積当たり
JcB
の ピ ン ニ ン グ 力 を 受 け る 。 し た が っ て 外 部 磁 界 を 変 化 さ せ る と 量 子 化 磁 束 の 変 位uの 方 向 が 変 わ る の で ピ ン ニ ン グ 力 は 一 方 の 値 か ら 他 方 の 値 へ 急 に 変 化 す る 。 し か し 実 験 結 果 に よ れ ば 外 部 磁 界 を 変 化 さ せ る と 量 子 化 磁 束 の 変 位 に し た が っ て 一 方 の 値 か ら 他 方 の 値16
1.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
へ と 緩 や か に 変 化 を す る
[ 2 4 ]
。 そ れ に 必 要 な 変 位 量 は 相 互 作 用 距 離f k
と 呼 ば れ る 量 の 約 2倍 で あ る 。 こ の 範 囲 で は 量 子 化 磁 束 の 運 動 は ほ ぼ 可 逆 で 、 ビ ン ニ ン グ カ は ほ ぼ 線 形 に 変 化 す る こ と か ら 、 diは 平 均 化 さ れ たピ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル の 半 径 を 示 す 。 diは 理 論 的 に は 次 の よ う に 与えられる。
di
̲ ‑ 一
αf( 1 . 2 0 )
C
ここで αfは磁束線格子間隔であり、
C
はピンニング・センターに依存す る 定 数 で あ る 。 た と え ば(=4が 非 超 伝 導 粒 子 の よ う な 大 き く て 強 い ピ ン ニ ン グ ・ セ ン タ ー の 時 に 得 ら れ て い る[ 2 5 ] 0
またぐ=2π
は 点 欠 陥 の 時 に 得 ら れ て い る[ 2 6 ] 0
さ ら に こ の 関 係 は 種 々 の 材 料 に つ い て の 実 験 結 果 に よ り 支 持 さ れ て い る[ 1 4 ] 0
一 方 、 変 位 が ビ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル の 大 き さ を 越 え 始 め る と 、 ビ ン ニ ン グ ・ ポ テ ン シ ャ ル か ら は ず れ る 量 子 化 磁 束 に よ り 損 失 が 生 じ て、不可逆な領域に移行する。 Campbellモ デ ル に よ れ ば こ の よ う な ピ ン ニ ン グ 力 と 変 位 の 関 係 は
I ̲ I U ¥ I
F(
包)=一μ仏Ho1 1 ‑
2 叫卜()~) 1 ( 1 . 2 1 ) l
~¥ 2 d
iJ I
の よ う に 近 似 さ れ る 。 こ の 様 子 を 図 1.5に 示 す 。 お お よ そ 実 験 結 果 を 説 明することが分かる。
ここで厚さ dの 無 限 超 伝 導 平 板 内 の 磁 束 分 布 を 数 値 的 に 求 め て み よ う。平板がO<x<dを 占 め て い て y‑z面と平行におかれ、 z軸に沿っ て 直 流 磁 界
Ho
と 交 流 磁 界Hm
coswtを印加する。対称、性のために超伝 導 体 の 半 分O三
z三 d / 2
の み を 考 え る こ と に す る 。 も し 交 流 磁 界 の 振 幅Hm
が 十 分 に 小 さ い 時 に は 臨 界 電 流 密 度 Jcは 一 定 で あ る と 考 え る こ と が で き る 。 こ こ で 磁 束 分 布 は は = 一πの と き に 臨 界 状 態 で あ る と し て 磁 束 密 度 の 初 期 の 分 布 は 図 1.6で示されるように、B ( x ) =
μo(H o ‑Hm) +
μo J c x ( 1 . 2 2 )
である。
( 1 . 2 2 )
式 か ら の 磁 束 密 度 の 変 化 を b(x)と す る と 、 境 界 条 件 は 171.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 滋 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
~
•
RU
( 何 百 Z ω O F )
. ・ • •
•
。
K J V
‑lcBo
O 2 4 6
u (10‑7 m)
8
図 1.5:Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 変 位 と ビ ン ニ ン グ カ 密 度 の関係。点は Nb‑Taに お け る 測 定 例
[ 2 4 ] 0
B ( x )
μ 。 (Ho‑Hm)
。 一 2 d
X図 1.6:超 伝 導 平 板 に お け る 磁 束 密 度 の 初 期 の 分 布 お よ び 交 流 磁 界 が 変化した際の磁束密度の分布。
18
1.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 硲 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
b(O) =μoHm(l
+ cosω)
(1.23)で 与 え ら れ る 。 量 子 化 磁 束 の 変 位 包
( x )
と 磁 束 密 度 の 変 化b ( x )
との関係 は磁束の連続の式により与えられる。du b
(1.24) d x μoHI
。
量 子 化 磁 束 に 働 く 単 位 体 積 当 た り の Lorentz力 は お お よ そ 次 の 式 で 与 え られる。
F
L= ‑H o
τdB一
Q X
これはピン力と釣り合い、
FL+F(u)=O
(1.25)
(1.26)
となる。 (1.21)‑(1.26)式 よ り 次 の bに関する 2次の微分方程式を得る。
d2b b ( 1 db ¥
一 一 一 一 一 一
dx2 入~2¥ ‑ L
I 2μ
o J
c dxノ‑
vただし、
入~ = ( 苧 y / 2
(1.27)
(1.28)
はCampbellの交流磁界の侵入深さである。 (1.27)式 は 境 界 条 件 (1.23) 式と対称、条件
db (1.29)
dx
がx
=
d/2で 成 り 立 つ こ と よ り 数 値 的 に 解 く こ と が で き る 。 後 者 の 条 件 は 量 子 化 磁 束 が 超 伝 導 体 の 中 心 で 動 か な い い =0 )
ということと等価で あ る 。 磁 束 分 布 の 数 値 計 算 の 例 は 図 1.7に示す。量 子 化 磁 束 の 変 位 包
( x )
が十分に小さい場合には、 Campbellモデル の(1.21)式中の exp(‑u/2di)を展開して/ 旬 、
F ( u ) =
μoJcH o (
1 ‑ ; ) (1.30)¥‑ diJ
19
1.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
d /2 A '0
=
5...... 、 (同 )心
ほU
x/え'o
5
図 1.7:dj2
川 =
5.0の と き の 超 伝 導 平 板 に お け る 交 流 磁 界 が 変 化 し た 際 の 磁 束 密 度 の 変 化 分b ( x )
。 両 軸 は そ れ ぞ れ ぬ と μoHp
で 規 格 化している。20
1.5 Campbellモ デ ル に よ る 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 の 記 述
で近似することができるので、 (1.27)式 の 微 分 方 程 式 は d2b b
dx
2 ‑ À~ =0
(1.3 1 )
と な り 、 こ の 式 は 簡 単 に 解 け て cosh(
( x ‑d / 2 ) j 川)
b ( x )
=b ( O )
cosh(d/2入~) (1.32)
と な る 。 し た が っ て 量 子 化 磁 束 の 可 逆 運 動 に よ る 影 響 は 祐 の 深 さ ま で 及 ぶ と 理 解 で き る
[ 9 ,
18]01 . 5 . 2
直 流 磁 化 の マ イ ナ ー 曲 線 の 勾 配次 に 直 流 磁 化 の マ イ ナ ー 曲 線 の 勾 配 に つ い て 検 討 す る 。 前 節 と 同 様 に厚さ dの 無 限 超 伝 導 平 板 が
O<x 三
dを占め、 z軸 に 直 流 磁 界Ho
を 印 加 す る 。 こ こ で 、 初 期 状 態 で 磁 束 密 度 の 分 布 は 減 少 磁 界 直 後 の 臨 界 状 態 で あ る と す る と 、 磁 束 密 度 はO<x 三d j 2
においてB ( x ) =
μoHo+
μo J c x + b ( x )
(1.33) で あ る 。 こ こ でb ( x )
は、初期状態、から外部磁界をb
sだ け 増 加 し た と き の内部の磁束分布の変化である。 bsが 十 分 に 小 さ け れ ば 、 量 子 化 磁 束 の 変位 uが 小 さ い の で (1.30)式 を 用 い る こ と が で き る 。 こ の 式 と (1.24)‑ (1.26), (1.33)式より (1.31)式と同様の微分方程式を得る。したがって、c o s h ( ( x ‑d j 2 ) j 川)
b(x)=b
scosh(dj2
ぬ )
を 得 る 。 そ の と き の 磁 化 は M
= ( B ) ‑B ( O )
(1.34)
(1.35) で与えられる。ただし
( B )
は試料内部での磁束密度の空間平均である。(1.33)
,
(1.34)式 を 上 式 に 代 入 す る こ と に よ りM
= = 三 ニ よ ー ‑J.LoJcd ̲ 4可¥ h~
bc 1( 1 ̲
1 一一ーとtanh~~2À~tanh~
d ---2 入 ~J)
) (1.36) を 得 る 。 し た が っ て 減 少 か ら 増 加 に 転 じ た 際 の マ イ ナ ー 曲 線 の 勾 配 Sは21