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医療情報 シス テム と 公 的 プライベー トクラウ ドに関す る一考察

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(1)

研 究論文

医療情報 シス テム と

公 的 プライベー トクラウ ドに関す る一考察

荒 井 義 則

アブス トラク ト

本稿では、病院経営の改善のためには企業並みの会計 ・経営情報 システムの導入が必要 であることを指摘 し、霞 ヶ関クラウ ド ・自治体 クラウ ドの公的クラウ ドによる病院情報 シ ステムのソフ トの提供の必要性 も指摘 した。 さらに、公的クラウ ド内のデー タの分析 ・販 売 によりクラウ ドの使用料が無料 になることを指摘 した。

キー ワー ド :病院情報システム、会計情報システム、経営情報 システム、霞ヶ関クラウ ド、

自治体 クラウ ド

1. は じめに

高度成長期、病院経営は安定 してお り、規模 を徐 々に拡大 してい くことも可能であった。 こ のような状況下では、 コス ト削減な どの経営的 感覚 は、病院の非営利性 ともあいまって、一般 の営利企業ほ ど必要 とされなかった。 しか しな が ら、病院を取 り巻 く環境は激変 し、収支が赤 字 となる病院が増加 し始めた。 日本病院団体協 議会が平成19年8月か ら9月にかけて実施 した

「病院経営の現況調査」 (回答数2,837病院)で赤 字 の病 院 の 割 合 は平 成17年 度 の37.11%か ら 43.02%と増加 してお り、500床以上の病院では 60.14%が赤字であった。また、「自治体立」、「国 立」、「公 的」病 院の赤字 はそれぞれ92.73%、 69.29%、58.90%であった。全 国公私病院連盟 と 社団法人 日本病院会が平成19年6月に実施 した

「病院運営実態分析調査」 (回答数1,167病院)で は、

6

1

ケ月間の黒字 ・赤字病院の割合 は黒 字が27.6% (322病院)、赤字が72.4% (845病院) であった。開設者別で見 ると、 自治体病院、そ の他の公立病院、私的病院の赤字の割合 はそれ ぞれ92.6% (550病院)、56.0% (149病院)、47.6%

(146病院) となっていた。

病院の使命 を考 えれば、必ず しも 「黒字でな ければならない」 とい うわけではないが、最新 医療機器の導入、老朽化 した病棟 の建 て替 え、

優秀 な人材の確保 な どに必要 な資金 は利益 を出 す ことにより獲得で きるのであるか ら、黒字 を 目指す ことは医療の質の向上 につなが る。国公 立病院で も、財政難の折、徐 々に多額の補助 を 受けることは難 しくな りつつある。 したがって、

「非営利」の病院で も「利益の獲得」が必要 となっ て くる。 きび しい環境下で利益 を獲得す るため には、今 まで必要性 のなかった営利企業並みの 経営感覚が必要 となって くる。「非営利」は法的 義務であるが、「配当をしてはいけない」 という だけの意味であ り、「利益 を追求 してはいけない」

とい う意味ではない 1。

営利企業の経営 は情報 システム化が進んでお り、多 くの企業 は経営情報 システムを構築 し、

経営の効率化 ・高度化 を図っている。病院にお いても

I T

化が進展中であるか ら、病院経営によ り高度の病院経営情報 システムを導入す る好機 である。病院会計情報 システムに企業会計情報 システムが応用 で きる こ とはす で に指摘 した 医療情報システムと公的プライベー トクラウドに関する一考察 97

(2)

2、病院経営情報 システムにも企業経営情報シ ステムが応用で きることを示す。

しか しなが ら、単独 で高度の病院経営情報 シ ステムを構築 し、情報 システム要員や経営 に精 通 した人材 を揃 えられる病院はそ う多 くはない ので、 クラウ ドコンピューティングの活用 を考 察す る。ただ し、医療 にかかわる情報は重要な 個人情報であるので、公的なプライベー トクラ

ウ ドの活用 を考 える

2 .

病院会計準則 と病院経営

病院 と営利企業の会計制度が異 なっている場 合 は、企業経営、企業経営情報 システムを病院 経営 に応用す ることはで きない。すでに指摘 し たこ とで はあるが2、 まず 「病院会計準則」が

「企業会計原則」 とほぼ等 しい内容になっている ことを確認す る

病院会計準則 は昭和40年に制定 され、昭和58 年 に改正 され、 さらに今回の見直 し (平成

1 6

8

1 9

日医政発第

0 8 1 9 0 0 1

号)に至った。当初 よ り企業会計方式 を採用 し、経営成績 を表す財務 諸表 としては 「収支計算書」ではな く 「損益計 算書」 を採用 している。今 回の見直 しの基本的 な考 え方 と見直 しの主な内容 は 「病院会計準則 の改正について」 (平成

1 6

8

1 9

日医政指発第

0 8 1 9 0 01

号) に記載 されている。見直 しの基本的

な考 え方 は以下の とお りである。

(1)病院会計準則の見直 しに当たっては、厚 生労働科学特別研究事業 として実施 した

「病院会計準則見直 し等に関する研究」の 研究報告 (平成

1 5

9

5

日に厚生労働 省 ホームページ上で公開済み。以下 「研 究報告」 という。)を踏まえ、医療を安定 的に提供す るための効率的で透明な医業 経営の確立 を図る観点か ら、全面的な改 正 を行 った ものであること

(2)病院会計準則 は、開設主体の異 なる各種 の病院の財政状態及び運用状況を体系的、

統一的に捉 えるための 「施設会計」の準

別であ り、それぞれの病院の経営 に有用 な会計情報 を提供す ることを目的 として きているが、今回の見直 しでは、病院開 設主体が病院の経営実態 を把握 し、その 改善向上 に役立てることを再認識す ると ともに、経営管理 に資す る有用 な会計情 報 を提供す る役割 を担 っている 「管理会 計」 としての側面 を重視 したこと

(3)病院会計は、非営利 を原則 とす る施設会 計であるが、経営の健全性 を高めるため、

近年の企業会計の動向を踏 まえ、最新の 財務諸表体系及び会計基準 を適用可能な 形で導入 し、病院経営の効率化 に向け活 用が図 られるように したこと。

なお、病院会計準則 は、従来 どお り企 業会計方式 をとるが、病院の財政状態及 び運営状況 を適切 に把握する手段 として 採用 しているものであ り、そのこと自体 は病院経営が営利性や利潤追求 を伴 うと の意味 を有す るものではないことは、従 前 と同様であること。

(4)今回の改正 については、国民の意見聴取 の手続 きを経ていること。

(5)異 なる開設主体 間の会計情報の比較可能 性 を確保す るため、病院会計準則が開設 主体横 断的に採用 され、 これに準拠 した 財務諸表が作成 されることが期待 される

ものであること。

また主 な改正点は以下の とお りである。

(1)財務諸表体系の見直 し

・財務諸表体系 は、貸借対照表、損益計算 書、キャッシュ ・フロー計算書及び附属 明細表 としたこと。

(∋貸借対照表は、病院の会計年度末におけ る財政状態を明らかにするために作成 し、

資産の部、負債の部及び純資産の部 に区 分す るもの としたこと。

(参損益計算書 は、病院の運営状況 を明 らか にす るために作成 し、医業損益算、経常

(3)

損益計算及び純損益計算 に区分 して記載 するもの としたこと

(彰キャッシュ ・フロー計算書 は、施設の会 計において も資金の状況 を正確 に把握す る必要性が高 まっていることか ら、病院 の資金の収入、支出の状況 を明 らかにす るために作成 し、業務活動 によるキ ャッ シュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・

フロー及び財務活動 によるキ ャッシュ ・ フローに区分 して記載するもの としたこ と

④ 附属明細表 は、貸借対照表、損益計算書 及びキ ャッシュ ・フロー計算書の記載 を 補足する重要な事項について、その内容、

増減状況 を明 らかにす るために作成す る もの としたこと。

・従来、巻末に一括 して記載 していた註解 及び別表 として添付 していた各財務表の 様式 については、 これを各財務表原則 に 続けて示す こととし、利便性 を高めるこ

ととしたこと。

・利益処分計算書 については、施設 として の病院には利益 の処分が予定 されていな いことか ら、財務諸表の体系か ら除外 し たこと。

(2)表示内容の整備

・貸借対照表については、非営利組織会計 における資産 ・負債差額の本質 を再認識 し、従来の資本の部 を純資産の部に変更 したこと。

・財務諸表の表示項 目は、集約化 を図 り、

一覧性 を担保することに重点 を置 くとと もに、必要な会計情報の詳細性 を確保す るために、付属明細表 を充実 したこと。

(3)最近の企業会計制度の改革への対応

・リース会計、研究開発費会計、退職給付 会計等 を導入 し、財務諸表 によって病院 経営の実態 をより適切 に把握で きるよう に したこと

(1)企業会計方式 を採用 している。

(2)管理会計の側面 を重視 している。

(3)最新の企業会計基準 をとりこんでいる。

(4)病院間の比較が可能である

すなわち、病院会計準則 は企業会計 とほぼ等 しく、 したがって、 この準則 を基 に した病院会 計 に企業の会計情報 システムの概念 を適用す る ことが可能 となる。実際、病院会計準則の構成

1

章 総則 第2章 一般原則

一般原則注解 第

3

章 貸借対照表原則

貸借対照表原則注解 様式例

第4章 損益計算書原則 損益計算書原則注解 様式例

5

章 キャッシュ ・フロー計算書原則 キャッシュ ・フロー計算書注解 様式例

第6章 付属明細表原則 様式例

別表 勘定科 目の説明

であ り、企業会計原則 (お よび注解)の構成 は 第‑ 一般原則

第二 損益計算書原則 第三 貸借対照表原則 企業会計原則注解

であって、最後 に注解が まとめ られている

病院会計準則の第2章、第3章、第4章がそ れぞれ企業会計原則の第一、第三、第二 に対応 これ らの記述 より以下のことがわかる。 しているが、病院会計準則 には 「リース会計」、 医療情報システムと公的プライベー トクラウドに関する一考察 99

(4)

「金融商品会計」、「退職給付会計」、「研究開発費 会計」、「税効果会計」 という最新の会計基準が 含 まれている これ らの新 しい基準 は企業会計 では独立 した基準 として定め られている。病院 会計準則は 「企業会計原則 と新 しい会計基準」に 対応 している。

ただ し、病院は 「補助金の交付」が存在する ので、「補助金にかかわる会計基準」 も定めてお り、企業会計 とは異 なる面には注意 を払 う必要 がある。

以上見て きた とお り、病院会計 と企業会計 に 差 はほ とん どな く、企業会計、企業会計 システ ムが病院会計 に応用で きることがわかるが、会 計だけでな く経営全般 にわたって、企業経営で 培 われて きた経営方法が適用可能であることが 示 されている13、4。 したが って、会計の分野だ けでな く経営全般 において、企業経営情報 シス テムを病院経営情報 システムに応用す ることが 可能であることが理解 で きる。

3 .

病院会計情報 システム

企業会計情報 システムを応用 した病院会計情 報 システムの例 はすでに呈示 したが2、 ここで再 確認 してお く。病院会計情報 システムは以下の

ような機能 (サブシステム) を有す る。

(1)帳簿管理機能 (帳簿管理サブシステム) 病院会計 も 「会計」である以上、仕訳 して仕 訳帳に記帳 し、総勘定元帳に転記す る過程 は企 業会計 と同 じであ り、帳簿の重要性 も企業会計 と同 じである。 この機能はどのような会計 シス テムであろうと必須の機能 (サブシステム)で ある。

ただ し、以下の ような病院会計特有の面 はシ ステムの概念お よび設計 において注意 しなけれ ばな らない5

1.病院会計特有の勘定科 目が存在す る (必 ず しも病院のみ とは限 らないが)0

(資産)医業未収金、医薬品、診療材料、医 療用機器備 品、放射性 同位元素 (負債)他会計短期借入金、他会計長期借入

(収益)入院診察収益、室料差額収益、外来 診療収益、保険予防活動収益、受託 検査 ・施設利用収益、その他の医業 収益、保険等査定減

(費用)医薬品費、診療材料費、医療消耗器 具備 品費、検査委託費、医事委託費、

医業貸倒損失、診療費減免額 2.企業会計では 「受取手形」勘定は重要な

勘定科 目であるが、新病院会計準則では 表示科 目か ら削除されている。

3.非営利 を前提 とす る病院施設の会計 にお いては、資産、負債差額 を資本 としてで はな く、純資産 と定義す ることが適切で ある。貸借対照表における純資産分類は、

開設主体の会計基準、課税上の位置づけ によって異 なることにな り、統一的な取 り扱いをす ることはで きない。 したがっ て、一般 に企業会計の貸借対照表におけ る純資産の部 とは異 なる。

上記以外 に も病院会計特有の処理が存在 し、

個 々の処理 においては企業会計 と異 なる面 も少 な くないが、企業会計情報 システムにおいて も 病院会計情報 システムにおいて も概念 としては

「帳簿管理機能 (帳簿管理サブシステム)」 は必 要 な機能である

(2)外部報告横能 (外部報告サブシステム) 財務諸表 を作成 し、外部の利害関係者 に情報 を提供す ることは企業であろうが病院であろう が絶対 に必要 な機能である。病院が作成 し提供 する財務諸表は貸借対照表、損益計算書、キャッ シュ ・フロー計算書、付属明細表であ り、 これ らの諸表 を作成す る機能は必須の ものである。

(5)

また、税務に関する報告書 も必要 となるので、

このシステムは以下の ように細分 される

(∋財務会計報告 システム

②税務会計報告 システム

(3)内部報告 ・業績評価会計報告機能 (内部報 告 ・業績評価会計報告サブシステム) 企業会計情報 システムにおいては、損益計算 の仕組みを利用 して企業の業績 を管理す ること を目的 としているが、 この ような機能は病院会 計情報 システムにも必要である 他 のサブシス テム とも協力 して適切 な業績管理が望 まれる。

企業会計情報 システムおいては、 このサブシ ステムには以下のような機能を持たせている6。

1.責任会計 2.標準原価計算 3.直接原価計算

4.社 内金利 ・社 内資本金 (病院では院内 金利 ・院内資本金)

5.支配企業からの要請による会計報告 (柄 院では開設主体か らの要請 による会計 報告)

6,活動基準原価計算 (ABC)・活動基準原 価管理 (ABM)

7.原価企画

上記の機能を病院会計情報 システムにも備 え てお くことが望 ましい機能であるが、原価管理 機能 (原価管理サブシステム)など他のサブシ ステム との連携や他 のサブシステムの結果の利 用 を考慮すべ きサブシステムである。

(4)経営指標分析機能 (経営指標分析サブシス テム)

事業」の一つである 「病院経営管理指標 に関す る調査研究」 (委託先 明治安 田生活福祉研究所) では以下の指標が取 り上げ られている。

1

)収益性 に関す る指標

1

医業利益率

2

総資本医業利益率

3

経常利益率 4 償却前医業利益率

5

病床利用率 6 固定費比率

7

材料費比率

8

医薬品比率 9 人件費比率 10 委託費比率 11 設備関係費比率 12 減価償却費比率 13 経費比率

1 4

金利負担率 15 総資本回転率

1 6

固定資産回転率

17 常勤 (非常勤)医師人件費比率 18 常勤 (非常勤)看護師人件費比率

1 9

常勤医師

1

人当 り人件費

2 0

常勤看護師

1

人当 り人件費 21 職員1人当 り人件費 22 職員1人当 り医業収益

2

)安全性

1

自己資本比率 2 固定長期適合率

3

借入金比率 4 償還期 間

5

流動比率

6 1

床当 り固定資産額

7

償却金利前経常利益率 本来は (3)の機能の一部分 と考えられるが、

各種 の経営指標 の計算 ・分析機能である。厚生 労働省 の 「平成18年度医療施設経営安定化推進

医療情報 システム と公 的プライベー トクラウ ドに関す る一考察 101

(6)

3

)機能性

1

平均在院 日数

2

外来/入院比

3 1

床当 り

1

日平均入院患者数

4 1

床当 り

1

日平均外来患者数

5

患者

1

1

日当 り入院収益

6

患者

1

1

日当 り入院収益 (室料差額 除)

7

外来患者

1

1

日当 り外来収益

8

医師

1

人当 り入院患者数

9

医師

1

人当 り外来患者数

1 0

看護師

1

人当 り入院患者数

1 1

看護師

1

人当 り外来患者数

1 2

職員1人当 り入院患者数

1 3

職員1人当 り外来患者数

病院特有の指標 もあるが、 これ らの指標の計 算 ・分析 は企業の経営分析 と同 じである。

これ らの指標 を計算 ・分析す る機能は会計情 報 システムにとって非常に重要である。

(5)予算編成機能 (予算編成サブシステム) 予算編成については、企業 ・病院どちらにとっ て も重要な機能である。 この機能 を会計情報 シ ステムが持つのは当然のことである。 このサブ システムはさらに以下のように細分 される。

①予算計画 ・編成 システム

②予算伝達 ・統制 システム

また本稿では以下のシステムも予算編成 システ ムに含める。

(参短期利益計画作成 システム

④長期利益計画作成 システム

(6)戦略策定機能 (戦略策定サブシステム) 戦略策定支援 システムと戦略決定支援 システ

ムの2つに分かれるが、 さらに次の ように細分 される。

(D戦略策定支援 システム

1)戦略 目標策定支援 システム 2)戟略環境分析 システム (参戦略決定支援 システム

1)経営戦略決定支援 システム 2)戦略方法支援 システム

競争優位 を確立す るための戟略策定サブシス テムであるが、最近病院で よ く用 い られている バ ランスス コアカー ドな どの作成支援 などの機 能 も有す ることが望 ましい。

(7)原価管理機能 (原価管理サブシステム) 医療用 としては以下の ような原価計算が開発 されている7、8。

(∋診療科別原価計算

②疾患別原価計算

③患者別原価計算

④診断群分類別原価計算

これ らの原価計算 を実施す るシステムのほかに 以下の ようなシステムも含 める。

(9原価維持支援 システム

標準原価計算 を用 いて差異分析 ・原価統 制 を実施する。

⑥原価低減実施支援 システム

会計的な方法 よりは生産管理的な方法で 現場 において徹底的に無駄 をはぶ きコス トダウンを達成す ることを支援す るシス テムで、 自動車産業 (トヨタ自動車)で 開発 ・実施さ̲れ、他産業‑ も広がっていっ た。 このコス トダウンの方法 を病院の現 場で も実施す るためのシステムが原価低

(7)

減実施支援 システムである。

⑦原価企画作成支援 システム

企画の段階で原価 を作 り込む方法で、原 価低減 と同 じく自動車産業 (トヨタ自動 車)で開発 ・実施され、他産業‑ も広がっ ていった。 この方法 を病院経営 に取 り入 れ、実施 を支援す るシステムである

(8)意思決定支援機能 (意思決定支援サブシス テム)

病院経営意思決定 を支援す るサブシステムで あ り、戦略策定サブシステム も含 むシステムで あるが、本稿では戦略策定サブシステムは独立 したシステム として扱 っているので、戦略以外 の意思決定 を支援す るサブシステムである ど のようなデータが必要 になるか事前 にはわか ら ないので、病院全体 の情報及び外部データベー スか らの情報 を受け入れ可能なデー タベースが 必要 となる 企業の会計情報 システム (統合化 された会計情報 システム)では、各業務 システ ムか ら独立 したデータ入力システムとデータベー スを有 してお り、デー タはすべてこのシステム を通 して入力 される。病院会計 情報 シ不テムに おいて病院の全情報 を入力す る各業務 システム か ら独立 した入力 システム ・データベース を備 えてお くことが理想的であるが、 この ようなシ ステムがな くても、全データが意思決定支援サ ブシステムに集め られることが必要 となる

ただ し、 このサブシステムは意思決定 を支援 するだけであ り、意思決定 を実行す るのは人間 である したがって、意思決定 を実行する人間 の能力 に依存することになる。

(9)環境会計横能 (環境会計サブシステム) 環境 に対する対策は企業だけでな く病院で も 必要である。環境省の環境会計ガイ ドライ ン、

環境報告書 ガイ ドラインを参考に して、環境 コ ス トの認識 と環境効果の把握 を行い、環境 (会

計)報告書 を利害関係者 に開示することが必要 である そのため、以下のシステムが必要 とな

①環境 コス ト認識 ・測定支援 システム

②環境効果認識 ・測定支援 システム

③廃棄物 (医療廃棄物 も含 める)追跡支援 システム

④環境報告 システム

(10)社会的責任会計機能 (社会的責任会計サブ システム)

企業の社会的責任 と同様 に、病院にも社会的 責任が存在す る。 コス トの認識 とそれによる効 果の把握 は難 しい面 もあるが、企業で行 われて いる社会的責任会計 を参考 に して社会的責任報 告書 を作成 し利害関係者に開示する必要がある。

そのため、以下のようなシステムが必要である。

①社会的責任 コス ト認識 ・測定支援 システ

②社会的責任効果認識 ・測定支援 システム

④社会的責任報告 システム

(

ll)医事会計機能 (医事会計サブシステム)

医事会計 システムを会計情報 システムに加 え るべ きか どうかは一概 には言 えないが、本稿で は会計 情報システム内の‑サブシステムとする。

(12)人的資源会計機能 (人的資源会計サブシス テム)

病院に とって最 も必要 なのは医師、看護師な どの人的資源である。人的資源会計 は人的資源 に関す る情報 を認識 ・測定 し、利害関係者 に伝 達す る会計である 医師、看護師な どの病院勤 務者が退職す るまでに病院に もた らす利益 の現 在割引価値 を計算 し、人的資源 を明確化す る 人的資源が第一の病院においては必要な解析機 医療情報システムと公的プライベー トクラウドに関する一考察103

(8)

能である。

以上が病院会計情報システムの一例であるが、

ここで このシステムを再 び考察 したのは、 この システムがかな り高度化 された複雑 なシステム であるとい うことを確認す るためである。 この ようなシステムが構築で き、 さらにこのシステ ムを用いた経営分析がで きる人材 を揃 えること がで きる病院は少 な く、 さらに会計だけでな く 経営全般 に渡ってこの ような高度 な病院経営情 報システムを構築できる病院は機はめて少ない。

したがって、クラウ ドコンピューティングの活 用が望 まれるのである

4.

病院情報システムと情報化の注意点

病院において会計情報 システムや経営情報 シ ステムだけでな く医療 を支 える多種多様 な情報 システムが存在する。 ここでは、病院において 必要 とされる情報 システムを概観す る9。

(1)診療部門情報 システム

①電子 カルテシステム

②診療録管理 システム

③病歴 データベースシステム

④病名 と情報 システム

⑤ オーダリングシステム

⑥予約 システム (2)看護部門情報 システム

①看護ケア支援 システム

②看護 と物流管理 システム

③看護士院内配置計画支援 システム

④ベ ッ トサイ ドケアシステム (3) 中央診療部門情報 システム

①臨床検査部門システム (む放射線部門システム

③手術 ・輸血部門システム

④薬剤部門システム

⑤ 中央材料部 門システム

⑥給食部門システム

(4)経営 ・事務部門情報 システム

①医療事務 システム

(参レセプ ト電算処理 システム (彰経営支援 システム

以上が病院情報 システムであるが、 これ以外 に地域医療情報 システム として

(5)地域医療情報ネッ トワークシステム

①医師会 における医療情報 ネ ッ トワークシ ステム

② 自治体 における地域医療情報 ネ ッ トワー クシステム

(彰保健所 における医療情報 ネッ トワークシ ステム

(彰救急医療情報ネ ッ トワークシステム

⑤臓器移植情報ネ ッ トワークシステム (む全 国がん登録 システム

⑦在宅医療 ・在宅福祉支援 システム (6)健康管理情報 システム

(ヨパ ッケージメデ ィアを利用 した保険医療 情報 システム

I

C カー ド個人病歴記録管理 システム

③がん検診 システム (彰健康管理 システム

⑤企業 における健康管理 システム (7)遠隔医療 システム

①ハ イビジ ョン利用 によるテ レパ ソロジー (遠隔病理診断) システム

(参衛星通信 による国際医療協力 システム

(9)

③ テレラジオロジー ・テレコンサルテーショ ンシステム

④離 島遠隔医療 システム が存在す る

会計情報 システム ・経営情報 システムは 「(4) 経営 ・事務部 門情報 システム」 に分類 される‑

システムであるが、経営 を重視 しなければな ら ない現状では、営利企業並みの活用が必要であ る 特 に会計 は全 ての分野 に関係 してお り、経 営 において も多様 な情報が必要 となるので、各 部門システムの情報が全 て参照で きるような統 合型 の病院経営情報 システムが必要である。

全 ての病院が上記のシステムを全 て備 える必 要 はな く、各病院で必要 とされるシステムを選 択す ることになる また、病院によっては、上 記以外 の システムが必要 となることも考 え られ る。

経営の効率化 ・高度化 のためには、情報 シス テム化 は必須であるが、導入 ・運用 に際 しての 高額 な費用 と多大 な労力が病 院の情報 システム 化の進展 を阻む要 因 となっている。そのため、

情報 システム化 の導入 には、費用や労力 な どを 慎重 に考慮すべ きであるが、 この点 を無視 した 導入 は失敗す る可能性が高い。その例 は 「レセ プ トオ ンライン請求の義務化」に見 られる10。 こ の例 は、個 々の病院が導入 した例で はな く、医 療政策 によ り義務化 した ものである。

2 0 01

年 に策定 された 「保険医療分野の情報化 に向けてのグラン ドデザイ ン」 において、 レセ プ ト電算処理 システムを

2 0 0 4

年 まで に全 国の病 院の

5

割以上

、2 0 0 7

年 までに

7

割以上普及 させ るとい う目標 を掲 げたが、 目標 を達成で きる見 込みがな くな り

、2 0 0 5

年に取 りまとめ られた 「医 療制度改革大綱」 において

2 01

1年当初か らの レ セプ トオ ンライ ン請求が盛 り込 まれ

、2 0 0 6

年、

厚生労働省令第

1 1 1

号で レセプ トオンライン請求 の義務化がなされた。 しか しその後、 日本医師 会、 日本歯科 医師会、 日本薬剤師会 による 「レ セプ トオ ンライ ン請求の完全義務化撤廃 を求め る共 同声 明」の発表、大阪な どで起 こされた レ

セプ トオ ンライ ン請求の完全義務化撤廃訴訟 な どの反対運動が起 き、義務化 は見直 された。そ の結果

、2 0 0 9

年、厚生労働省令第

1 51

号 において 義務化 の免 除 ・猶予措置が設 け られ、義務化が 大幅 に緩和 され、 当面 の間現行 の請求方法が続 け られることとなった。

この例 で も分 かる とお り、費用や人材、労力 を十分・考 えず に情報化 を推 し進 める と失敗す る ことが多 い。情報化推進 には十分 な準備が必要 である 情報化 の対象 は、すでに見て きた とお り、 レセプ トだけでな く多岐 にわたるので、全 体 的な情報化 はさらに難 しくなる この点 を解 決す るための一 つ の方法 と して ク ラウ ドコ ン

ピューテ ィングを指摘 してお きたい。

5 .

医療 とクラウ ド

5 .1

クラウ ドコンピューテ ィングの推進

クラウ ドコンピューテ ィングは企業 のみな ら ず、国や 自治体 において も推進 されてお り、 ま

さしくクラウ ド時代 をむか えている

医療分野 も例外 ではな く

、2 01 0

年の 「新 たな 成長戦略 ビジ ョン (原口ビジ ョン

Ⅱ)

」の

「 I CT

維新 ビジ ョン

2. 0

」 において

2 0 2 0

年 までに、 自己の健康医療情報を管理 ・ 活用 で きるとともに、全 国 どこで も遠隔医 療 や救急時 に医療機 関間等で情報共有で き

る 「健康 医療 クラウ ド」 を整備

としてお り、 さらに以下の ような詳細 な説 明が 加 え られている

2 01 0

年度 よ り、医療分野 において

I CT

の利 用 を阻む (又 は想定 してない)規制 ・制度 の見直 しに着手す るとともに、診療報酬等 によ り、継続的、 自律 的な利用が可能 とな る財政基盤 を確立す ることによ り、医師不 足 による地域 の不安 と負担 の早期緩和 を実 現

医療情報システムと公的プライベー トクラウドに関する一考察 105

(10)

2015年 までに個人が 自らの健康医療情報 を 電子的に管理 ・活用で きるよう、HER (Elec‑ tronicHealthRecord)を全国民を対象 に実 現

健康医療分野 における

I CT

の活用 をとりわ け生活習慣病 の予 防、悪化 防止 に重点 を置 き、

1

兆円以上の医療費削減 を達成

高度な遠隔医療を実現するための

3D

映像 ・ 伝送技術、超 臨場感 コミュニケーシ ョン技 術等 の研究開発 を推進 し、2015年以降医療 分野等 で利用可能 な

3D

映像 システムを段 階的に実用化

対話が困難 な利用者で も活用可能 な脳情報 (BMI)によるロボットと人 とのコミュニケー シ ョンを強化 する技術等の開発 を推進 し、

2015年以降、見守 り、生活 ・介護支援、ヘ ルスケア等に利用可能なネッ トワークロボッ

トサー ビス を段階的に実用化

高齢者やチ ャレンジ ドを含 め、誰 もが

I CT

を利用 で きる情報バ リアフリー環境 を整備 するため、公的機関Webサイ トのアクセシ ビリテ ィの更 なる向上や公共調達 における アクセ シビリテ ィ確保 に向けた取組状況 を 把握 ・評価す ることによ り、要件化 を推進 国の政策において も、クラウ ドコンピューティ ングなどの

I CT

の利用 を健康 ・医療面で も積極 的に取 り入れてい こうとす る傾 向が明確 に述べ

られている。

医療 にクラウ ドを活用す るとい う提案 は国の みに限 らず、民間において も 「日本全 国の電子 カルテを一元化 し、医療業界全体 の効率化 を実 現 し、 さらに全 ての医療従事者 に電子 カルテ端 末を無料配布する

( I T

リテラシーは不要)」 とい う 「孫正義 (ソフ トバ ンク)医療 クラウ ド構想」

な どが提唱 されている。

官民 とわず医療 クラウ ドの構築 と活用が進め

られ ようとしている。

5.2 公的 クラウ ド

2009年 に公表 された 「デ ジタル新時代 に向け た新 たな戦略〜三か年緊急 プラン」 において以 下の ような 「霞 ヶ関クラウ ド」が提唱 された。

効率的かつ柔軟でセキュアなシステム構築、

開発 ・運用 コス トの削減、及 び業務の共通 化 を図るため、将来 における地方公共 団体 のクラウ ドとの連携等 も視野 に入 れつつ、

「霞 ヶ関クラウ ド (仮称

)

」 を構築 し、全政 府横 断的に業務及びシステムの最適化 を推 進す る。 また、「バ ーチ ャル会議 シス テム

(仮称)」 を整備す る。

さらに、 自治体 クラウ ドについては以下の よ うな提 唱が なされている。

電子 自治体の推進に当たっては、ASP・SaaS や共同利用型の クラウ ドコンピューテ ィン グなどの技術 を積極的に活用するとともに、

地域情報 プラッ トホームに準拠 して情報 シ ステムの刷新 を推進す る。

また、

「 I CT

維新 ビジ ョン2.0」において も以 下の ような提唱が なされている。

2014年 を 目途 に、電子政府 ・電子 自治体‑

のクラウ ド ・サー ビスの導入 を実現 し、電 子政府 については、政府情報 システムの刷 新 を推進す ることで、運用 に係 るコス トを 2020年 までに5割程度削減

医療 クラウ ド、教育 クラウ ド等 に利用可能 な、膨大 なス トリー ミングデー タを高速処 理す る技術、 クラウ ドの安全 ・信頼性 向上 のための技術 開発等 を加速 し、2013年以降 ネ ッ トワークサー ビス として展 開

(11)

以上のように、国や地方 自治体 におけるクラ ウ ド化 は加速度的に推進 されてゆ くが、将来的 には国のクラウ ド (霞 ヶ関クラウ ド) と自治体 クラウ ドが連携 した巨大 なプライベー トクラウ

ドシステムが完成す ると推測で きる

6 .

公的クラウ ドの医療への活用

現在、かな りの病院が赤字であ り、経営の改 善は急務であるが、その処方義の一つが営利企 業 と同様の高度化 した会計 ・経営情報 システム の導入 とそのシステムを用いて経営分析が可能 な人材の確保である。 また、すでに見 て きた各 種 の病院情報 システムの導入 により経営の効率 化 も必要である。 しか しなが ら、 この ような対 策には費用や労力がかか り、安易 に情報 システ ムを導入 しようとす ると失敗することも 「レセ プ トオンライン請求の義務化」の例 を通 して確 認 した。高度化 した会計 ・経営情報 システムや 各種 の病院情報 システムの導入は病院経営の健 全化 ・安定化 には必須であるが、費用 ・人材 ・ 労力の面で導入が不可能な病院が大多数 を占め ると思われる この間題 を解決す るために、公 的クラウ ド (霞 ヶ関クラウ ド ・自治体 クラウ ド) の利用 を考 える。すでに述べた病院情報 システ ムの うちクラウ ド化で きる部分は最終的にはク ラウ ド化すべ きであるが、 まずは

「 ( 4 )

経営 ・ 事務部門情報 システム」 と 「(1)診療部門情報

システム」のクラウ ド化か らは じめるのが安当 である。

6 . 1

経営 ・事務部門情報 システムのクラウ ド化

この部門は営利企業並みの会計 ・経営情報 シ ステムを備 え、かつそのシステムを用いて経営 分析がで きる人材が必要 となる 今 までの医事 会計 システムの機能 も含 むが、すでに述べた病 院会計情報 システムのようにかな り高度化 され たシステムが必要である。そのため、国 ・自治 体のみな らず関連す る企業や三師会 (日本医師 会、 日本歯科医師会、 日本薬剤師会) も参加 し

て病院の規模別 ・目的別に会計 ・経営情報 シス テムを作成 し、公的クラウ ドを通 じて各病院に サー ビス を提供す る (病院に会計 ・経営情報 シ ステムを使用 させ る)。 これにより、各病院は高 額 なソフ トを購入す る必要がな くな り、費用面 でのシステムの導入が容易 になる また、経営 相談 をで きるようなシステムを導入 しておけば (クラウ ド側 に経営分析 の専 門家 を置 き、個別の 病院の経営指導 を電子 メールな どを通 じて可能 にする)、各病院が経営分析 をで きる専門の人材 を確保す る必要 もない。

また、 レセプ トについて も必要なソフ トを公 的クラウ ドを通 じて提供すれば、各病院でソフ トを購入す る必要がな くな り、費用面で導入が 用意 とな り、オ ンライン請求 も進展する。

6 . 2

診療部門情報 システムのクラウ ド化

基本的な考 え方 は経営 ・事務部門情報 システ ムと同様で、必要なソフ トを開発 し、公的クラ ウ ドを通 じて各病院に提供す る 病院はソフ ト を購入す る必要がないので、費用の負担 は軽減 される。ただ し、電子 カルテ、診療録、病名 (コー ド) などを標準化 し、一元化す る必要があるの で、 まず これ らの標準化か ら取 り組 む必要があ る。

6.3 情報のクラウ ド内保存

現在、診療録等 を当該医療機関の外部に保存 することは一定の条件の下で認められているが、

公的クラウ ド内に医療情報の保存場所 を設けて 保存で きるようにする。 これにより、保存 にか かわる費用が軽減で きる 医療情報 は重要な個 人情報であるか ら、霞 ヶ関クラウ ド ・自治体 ク ラウ ドなどの公的性格のクラウ ド内に保存すべ きである。

6.4 クラウ ドデータの活用

公的クラウ ド内に蓄積 されたデー タを匿名性 医療情報システムと公的プライベー トクラウドに関する一考察 107

(12)

を十分確保 した上で、各種 の分析 に使用 で きる ようにす る。すでに見て きたように

、「 I CT

維新 ビジ ョン

2. 0

」では

、I CT

技術 の活用 による生活 習慣病 の予 防、悪化 防止 で1兆 円以上 の医療費 の削減 を 目標 としてい るが、 クラウ ド内デー タ の活用 はこの 目標 の達成 に大 き く貢献す る。

6 . 5

クラウ ド使用料 の無料化

クラウ ドの使用 に よ り、費用面 ではか な りの 軽減が可能であるが、医療 の公共性 ・非営利性 を考慮 して、で きるだけ使用料 を無料 にす る

上記 の ように

「1

兆 円以上の医療費の削減」が 可能 となれば、無料 にす ることは可能であ る。

さ らに、匿名性 を確保 した上で、 デー タやデー タの分析結果 を企業 に有料 で提供す ることを可 能 にすれば、無料化 の達成 は よ り容易 となる

実際、サ ンフランシス コを拠点 とするプラクティ ス ・フュージ ョン社 は5万 ドルす る電子 カルテ ・ 医療業務管理 ツールの システムを無料 で医師 に 提供 してい る。無料 で配布 で きるのは、医師が 保存 したデー タを匿名性 を確保 した上 で有料 で 販売す るか らである。その収入が

5

万 ドルで販 売 した場合 の収入 よ りも多額 なのである11。

7.おわりに

本稿 では、病 院の経営改善のため、営利企業 並 みの会計 ・経営情報 システムの導入 と公 的 ク

ラウ ドか らの各種 ソフ トの提供 に よる費用軽減 について考察 し、 さ らに公 的クラウ ド内のデー

夕の活用 と販売 に よ り、 クラウ ドの使用料が無 料 に出来 ることを指摘 した。病 院経営 の建 て直 しは急務であるか ら、今後 も注視 してい きたい。

1.木村憲洋 『医療現場 をよくする委員会病院経 営の しくみ』株式会社 日本医療企画

、 4 5

、 2 0 0 8 。

2,拙稿 「病院会計情報 システムに関する一考察」

『埼玉女子短期大学研究紀要第

2 0

』 9 3

、 2 0 0 9 。

3.黒川清、尾形裕也 (監修)KPMGヘルスケア

ジャパ ン (編集)『医療経営の基本 と実務 (上・

下)』、株式会社 日経メデ ィカル開発

、2 0 0 6 0

4,医療経営教育協議会 (宿)『医療マネジメント』

日経メディカル開発

、2 0 0 8 0

5.新 日本監査法人医療福祉部 『病院会計準則ハ ン ドブ ック』医学書院

、2 0 0 5 0

6.田宮治雄 『会計情報システムの機能 と構造』中 央経済社

、1 9 9 4

7.今中雄一 『医療の原価計算』社会保険研究所、

2 0 0 3 。

8.あずさ監査法人 『原価計算による病院マネジメ ン ト』 中央経済社

、2 0 0 4 0

9.ここでの各種の医療に関する情報システムの説 明は以下の書籍 に基づいている。

日本医療情報学会

1 0

周年記念出版編纂委員会 ・ (財)医療情報 システム開発センター (企画 ・ 編集)『医療情報学第2巻』 日本医療情報学会・

篠原出版新社

、1 9 9 7 。

1 0 .

義務化及びその後の情勢については以下を参照。

ヘルスケア総合政策研究所 (企画 ・製作)『医 療 自書

2 0 0 9

年』 日本医療企画

、2 0 0 9 0 l l .Ch r i sAnd e r s o n

(著)小林弘人 (監修 ・解説)

高橋則明 (訳) 『フリー

』1 5 1

、NHK

出版、

2 0 0 9 。

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