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九州における言語伝播の比較研究

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Academic year: 2021

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(1)

九州における言語伝播の比較研究

序 論 本稿では九州内に四本のル

i

トを設定し、九州における 言語伝播の比較研究を試みたいと思う。なお、方言を比較 するにあたっての方法、及びデ

i

タ の 分 析 方 法 に お い て は 、 稲川順一氏の﹁四国方言の分類と位置|日本言語地図を利 用 し て

i

﹂ ︵ ﹃ 国 文 研 究 ﹄ 第 三 八 号 ︶ を 参 考 に し た 。 対象地点の選定 九州方言全体の流れを見るために、まず、三本のル

l

卜 を設定してみた。又、各ル

l

トを設定するにあたっては旧 街 道 を 参 考 に し た 。 ①小倉

l

熊本上鹿児島ル

l

ト ︵ 薩 摩 街 道 ︶ ①小倉

I

佐賀|長崎ル

l

ト︵長崎街道︶ ①小倉|大手古崎ル

l

ト︵中津、豊後街道︶ その後、①のル

l

卜 を 鹿 児 島 市 ま で の ば し 、

国文学科二一号

I号

@小倉

l

大分|宮崎!鹿児島ル l ト を 設 定 し た 。 次 に 各 ル l トにおいて対象地点を八地点ずつ選んだ。各 ル

l

トにおける対象地点は以下の通り。 ①小倉|熊本

l

鹿 児 島 ル

i

ト︵以下、①ル l ト と 略 示 ︶ A 北九州市小倉区 E 八代郡宮原町 B 飯塚市 F 阿久根市 C 玉名郡菊水町 G 串木野市 D 熊本市 H 鹿児島市 ②小倉

1

佐賀|長崎ル l ト︵以下、②ル l ト ︶ A 北九州市小倉区 E 東彼杵郡東彼杵町 B 飯塚市 F 大村市 C 鳥栖市 G 諌早市 D 佐賀市 H 長崎市 ①小倉︶大分

l

宮 崎 ル

i

ト︵以下、①ル l ト ︶ A 北九州市小倉区 E 大分市 50

(2)

B 築上郡椎田町 F 延岡市 C 宇佐郡四日市町 G 日 向 市 D 速見郡日出町 H 宮崎市 @小倉|大分|宮崎

l

鹿 児 島 ル l ト ︵ 以 下 、 @ ル

i

ト ︶ •,o 都城市 A 北九州市小倉区 B 築上郡椎田町 C 宇佐郡四日市町 D 大分市 延岡市o 日向市o ⑧・東彼杵町

大 村 市 ⑧・・諌早市 ⑧ 長 崎 市 E 日向市 F 宮崎市 G 都城市 H 鹿児島市 宮崎市。

(3)

方 法 方言を比較するにあたっての資料として、﹃九州方言の 基礎的研究・改訂版﹄︵九州方言学会平成三年︶から一

O

八項目︵音韻四一・文法四

0

・ 語 業 二 七 ︶ を 用 い た 。 具 体 的 に は 、 前 節 で 選 ん だ 八 対 象 地 点 そ れ ぞ れ に お い て 、 ある言葉に対してどういう言い方をするかを資料から抜き 出し、お互いに比較してその相違度を点数化する八点数化 の方法は後述︶という方法を用いた。これを一

O

八 項 目 全 てに行い、総計すると、ある対象地点から見たときの、他 の対象地点との相対的な言語的距離が点数化される。これ を八地点全てに対して行うと、相互の言語的距離が見えて く る の で あ る 。 具体的な点数化の方法を次に示す。異なり度合を一

O

点 満 点 か ら

O

点 ま で の 間 で 次 の よ う に 設 定 す る 。 音韻

O

点発音が同じ場合 五点似たような発音であるが、音価が少し異なる場合 一

O

点音価が全く異なる場合 以上、この三つを基本にしてあとはそれぞれの程度に応じ て 点 数 化 す る 。 三五 回日 嚢 同じ形の場合 語尾のみ異なるもの 同系統と思われるものの最低 同系統の語が複数ある場合の最低 同系統と異系統の語が同時にある場合の最低 異系統の語が二つあり、そのうち一つの語尾のみ 共通の場合 一

O

点全く異なる語形の場合 以上、この六つを基本にしてあとは相違の程度に応じて点 数 化 す る 。 文法については、基本として語集の基準を用いたが活用 の 違 う も の は

O

点 と し た 。 四 二

O

点 点 点 八 六 点 点 -52ー

点数化による結果及び分析

以上のような方法で、各ル I ト別に、各地点間相互の相 違度を点数化し合計する。それをまとめたものが、後に示 す 表 一 ︵ ① ル l ト ︶ 、 表 三 ︵ ② ル l ト ︶ 、 表 五 ︵ @ ル l 卜 ︶ 、 表 七 ︵ @ ル

l

ト︶である。同じ枠内で上方に示している数 字 は 各 地 点 の 点 数 を 満 点 の 一

O

O

点で割ったもので、比 較する地点との相違度をパ

l

γ

ト で 示 し た も の で あ る 。 また、地図により各地点の直線距離を調べてまとめたもの が 、 後 に 一 示 す 表 二 ︵ ① ル

l

ト ︶ 、 表 四 ︵ ② ル

l

卜 ︶ 、 表 六

(4)

︵ ① ル

l

ト ︶ 、 表 八 ︵ @ ル

1

ト ︶ で あ る 。 本 稿 で は 単 ︵ 重 ︶ 回 帰 分 析 の 手 法 を 取 り 入 れ て 分 析 を 行 っ た。今回は変数に距離のみをとり計算を行った。各ル

l

ト 別に、相違度、距離のデ l タ︵各二八件︶をもとに計算を 行うと、次のような式が得られる。 ① ル l ト

y

l

一 三 一 ・ 四 O 九 一 O +

0

・ 二 ニ 三 五 四 X ︵ 相 関 係 数

0

・ 七 回 二 九 二 七 ︶ Y は予測値︵単回帰分析から得られるある地点の予想され る 相 違 度 ︶ X は距離︵基準地点とある地点との直線距離︶ ② ル

l

ト YHH 二八・七O五九O 十

0

・ 一 三 三 五 五 X ︵ 相 関 係 数

0

・七一八九八ご @ ル

l

y

l

二八・七八九三O +

0

・ 一 一 一 O 三 X ︵ 相 関 係 数

0

・ 七 七 一 一 五 一 ︶ ④ ル l 卜

y

l

三五・六O三二O +

0

0

九 六 七 一

x

︵ 相 関 係 数

0

・ 六 九 一 O 五 ︶ 相関係数を信頼の置ける値に引き上げるため、誤差︵実 際の相違度から上の式で得られた予測値 Y を 引 い た も の ︶ の 大 き い 箇 所 を 除 い て 計 算 し 直 す 。 ① ル

i

ト 誤差+二三%以上のものをカット YHH 三

70

六回二O +

0

・ 二 ニ 四 九 九 X ︵ 相 関 係 数

0

・八二O三三二 ② ル l ト 誤差士一O%以上のものをカット

y

l

二七・一一三三O +

0

・ 二 ニ 六 七 六 X ︵ 相 関 係 数

0

・ 八 三 九 O 八 ︶ ① ル l ト 誤差士八%以上のものをカット

y

l

二九・六三二二O +

0

0

九 八 七 五 X ︵ 相 関 係 数

0

・ 八 三 七 三 二 五 ︶ @ ル l ト 誤差士一三%以上のものをカット

y

l

一 二 一 了 八 O O 三 O +

0

・ 一 O 五 一 七

X

︵ 相 関 係 数

0

・ 八 四 四 五 六 七 ︶ すると、栢関係数がかなり高くなり、十分信頼するに足 ると思われる。よって、それぞれ後者の式を採用すること に す る 。 デ ー タ を カ ッ ト し た 部 分 は そ れ ぞ れ 後 者 の 式 に よ っ て計算を行い、新たに予測値・誤差を算出する。 次 に 、 各 ル l ト別にグラフの横軸に距離、縦軸に相違度

(5)

をとって、それぞれのデ l タを書き込み、さらに上で得ら れた後者の式を同じグラフに書き込むと、後に示す図 A J 図 H が得られる。この作業を、① J @ の ル l ト、それぞれ に つ い て 戸 行 っ た 。 各 ル

1

ト の 図 A J 図 H を見ると、式で表される直線より上 に位置している対象地点と下に位置している対象地点とがあ ることが分かる。上に位置すればするほど距離の割には言語 の相違度が大きく、下に位置すればするほど距離の割に言 語の相違度が小さいことを表している。また、直線に近い ほど、言語が距離と見合った相違度を持っている事を示す。 率 分数 百点 上下 小倉一熊本一鹿児島 A 北九州市小倉区 E 八代郡宮原町 B 飯 塚 F 阿久根市

c

玉 名 郡 菊 水 町 G 串木野市 D 熊 本 市 H 鹿児島市 表1 二地点聞の相違度の点数化及びその百分率

|\

A B

c

D E F G H A

36.5 41.2 39.5 42.1 54.1 59.3 61.5 391 441 423 451 579 635 658 B 36.5 391

41.0 40.4 43.2 59.0 62.5 64.4 439 433 463 632 669 690

c

41.2 41.0

23.9 25.3 51.0 56.3 61.5 441 439 256 271 546 603 658 D 39.5 40.4 23.9 423 433 256

26.5 53.7 61.4 63.2 284 575 657 676 E 42.1 43.2 25.3 26.5 451 463 271 284

55.1 60.2 63.2 590 644 676 F 54.1 59.0 51.0 53.7 5579 632 546 575 590 51.

42.5 44.6 455 477 G 59.3 62.5 56.3 61.4 60.2 42.5 635 669 603 657 644 455

31.6 338 H 61.5 64.4 61.5 63.2 63.2 44.6 31.6 658 690 658 676 676 477 338

A B

c

D E F G H A

26 97 125 146 210 249 266 B 26

74 105 125 187 225 246

c

9774

お 54113151171 D 125 105 33

23 90 125 143 E 146 125 54 23

71 105117 F 210 187 113

ω

71

41 71 G 249 225 151 125 105 41

35 H 2

246171143 117 71 35

小倉一熊本ー鹿児島 二地点聞の距離 表2 小倉一佐賀一長崎 A 北九州市小倉区 E 東彼杵郡東彼杵町 B 飯 塚 F 大 村 市

c

鳥栖市 G 諌早市 D 佐 賀 市 H 長 崎 市 表 3 二地点聞の相違度の点数化及びその百分率 km) (単位

A B

c

D E F G H A

36.5 48.8 50.7 45.3 44.1 46.8 49.2 391 522 543 485 472 501 527 B 36.5 391

41.6 47.0 43.3 41.8 46.4 41.8 445 503 464 448 497 448

c

48.8 41.6

38.2 32.1 39.9 36.0 41.8 522 445 409 344 427 386 448 D 50.7 47.0 38.2 543 503 409

32.2 31.5 27.8 32.5 345 337 298 348 E 45.3 43.3 32.1 32.2 485 464 344 345

26.3 30.0 3282 321 339 1. 7 F 44.1 41.8 39.9 31.5 26.3 472 448 427 337 282

23.6 31.3 253 335 G 46.8 46.4 36.0 27.8 30.0 23.6 501 497 386 298 321 253

28.0 300 H 49.2 41.8 41.8 32.5 3527 448 448 348 339 335 300 1. 7 31.3 28.0

上:百分率 下:点数 5 4

(6)

-小倉一大分一宮崎 A 北九州市小倉区 E 大分市 B 築上郡椎田町 F 延岡市

c

字佐郡四日市町 G 日向市 D 速見郡日出町 H 宮崎市 表5 二地点聞の相違度の点数化及びその百分率

A B

c

D E F A

35.5 45.1 41.3 45.9 45.6 380 483 442 491 488 B 35.5 380 I~ 32.4 29.9 33.4 42.6 347 320 358 456

c

45.1 32.4

23.6 25.7 39.1 483 347 252 275 419 D 41.3 29.9 23.6 442 320 252

16.6 39.7 178 425 E 45.9 33.4 25.7 16.6 491 358 275 178

39.1 419 F 45.6 42.6 39.1 39.7 39.1 488 456 419 425 419

G 48.3 54.5 49.6 49.1 49.3 37.4 517 583 531 526 528 400 H 51549 495 501 497 470 407 . 3 46.2 46.8 46.4 43.9 38.0 小倉一大分一宮崎一鹿児島 A 北九州市小倉区 E 日向市 B 築上郡椎田町 F 宮崎市 G H 48.3 51.3 517 549 54.5 46.2 583 495 49.6 46.8 531 501 49.1 46.4 526 497 49.3 43.9 528 470 37.4 38.0 400 407

38.0 407 38.0

407 上:百分率 下:点数

c

宇佐郡四日市町 G 都城市 D 大分市 H 鹿児島市 表7 二地点聞の相違度の点数化及びその百分率

A B

c

A

35.5 45.1 380 483 B 35.5 380

32.4 347

c

45.1 32.4

483 347 D 45.9 33.4 25.7 491 358 275 E 48.3 54.5 49.6 517 583 531 F 51.3 46.2 46.8 549 495 501 G 62.1 55.0 55.4 671 595 599 H 62.1 64.5 62.8 658 697 679 D E F 45.9 48.3 51.3 491 517 549 33.4 54.5 46.2 358 583 495 25.7 49.6 46.8 275 531 501

49.3 43.9 528 470 49.3

38.0 528 407 43.9 38.0

470 407 52.2 52.6 52.9 564 568 572 63.7 68.9 61.8 688 745 668 G H 62.1 61.5 671 658 55.0 64.5 595 697 55.4 62.8 599 679 52.2 63.7 564 688 52.6 68.9 568 745 52.9 61.8 572 668

I~

34.0 368 34.0

368 上:百分率 下:点数

A B

c

D E F G H

A B

c

D E F G H 小倉一佐賀一長崎 表4 二地点聞の距離 A B

c

D E F G

26 56 85 126 136 136 26

31 59 100 108 108 56 31

28 69 77 77 85 59 2沼

I

"

¥

44 51 51 126 100 69 44

21 28 136 108 77 51 21

10 136 108 77 51 28 10

156 128 100 72 38 21 23 H 156 128 100 72 38 21 23

(単位 km) 小倉一大分一宮崎 表6 二地点聞の距離 A B

c

D E F G

28 59 77 102 156 190 28

30 48 74 128 154 59 30

21 44 103 144 77 48 21

26 82 123 102 74 44 26

62 108 156 128 103 82 62

49 190 154 144 123 108 49

236 215 197 177 162 105 56 H 236 215 197 177 162 105 56

(単位 km)

(7)

小倉一大分一宮崎一鹿児島 二地点聞の距離

A B

c

D E F G H A

28 59 102 190 236 246 2

B 28

30 74 154 215 230 2幻

c

59 30

44 144 197 215 248 D 102 74 44

108 162 187 225 E 190 154 144 108

56 89 141 F 236 215 197 162 56

41 100 G 246 230 215 187 89 41

59 H 266 253 248 225 141 100 59

(単位 km) 表8 本 論 ︵一︶小倉|熊本|鹿児島ル

i

ト A 北九州市小倉区から見た場合 全体的に見てほとんどの対象地点が直線より下に位置し ている。これは、言語的に非常に開放的な都市であると言 うことができよう。直線より上に位置するのは岡県内の飯 塚市︵誤差了九 H H 直 線 か ら 一 ・ 九 % 上 方 に 位 置 す る と 言 う ことを表す。以下同様︶だけであり、距離の割には言語的 な 異 な り が 大 き い こ と を 示 す 。 飯塚市は、今回は取り上げなかったが、福岡市との交流 が深く、言葉もそちらの方からの影響を強く受けていると 思 わ れ る の で 、 こ の よ う な 結 果 が で た の だ ろ う と 思 う 。 その他の対象地点は、菊水町︵誤差|二・九︶、熊本市 ︵ 誤 差 | 八 ・ 四 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差

l

八 ・ 六 ︶ 、 阿 久 根 市 ︵ 誤 差

l

五 ・ 一 一 一 ︶ 、 串 木 野 市 ︵ 誤 差

l

五 ニ ニ ︶ 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差

l

五 ・ 四 ︶ と 、 い ず れ も 直 線 よ り 下 に 位 置 し て い る 。 B 飯塚市から見た場合 全体的に見た場合、対象地点が直線より上か下か、どち ら か 一 方 に 偏 っ て い る と は 感 じ ら れ な い 。 直線より上に位置しているのは、小倉︵誤差了九︶、阿 久 根 市 ︵ 誤 差 二 ・ 七 ︶ 、 串 木 野 市 ︵ 誤 差 了

O

︶ の 三 地 点 で 、 岡県内の小倉の相違度が距離の割に高い事は、先に述べた よ う に 、 飯 塚 市 と 福 岡 市 の 関 係 か ら 説 明 が つ く で あ ろ う 。 その他の鹿児島県の二地点、阿久根市と串木野市が直線よ り上に位置していることは、予想していた通りの結果とも 言 え る 。 直線より下に位置しているのは、熊本県の熊本市︵誤差 | 四 ・ 八 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差

l

四 ・ 七 ︶ の 二 地 点 。 熊本県の菊水町︵誤差

10

0

五 ︶ 、 鹿 児 島 県 の 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差

0

・ニは距離に見合った位置にあると言えるだろ 且 ソ 。

(8)

-56-c

玉名郡菊水町から見た場合 直線より上に位置しているのは鹿児島県の阿久根市︵誤 差 四 二 ハ ︶ 、 串 木 野 市 ︵ 誤 差 四 ・ 八 ︶ 、 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差 七 二 ニ ︶ の 三 地 点 直線より下に位置しているのは、同県内の熊本市︵誤差 ー二・六︶、宮原町︵誤差

l

一 三 ・

O

︶ 、 福 岡 県 の 小 倉 ︵ 誤 差

1

二・九︶の三地点。福岡県の飯塚市︵誤差|

0

0

五 ︶ は 、 ほ ぼ 直 線 上 に 位 置 し て い る 。 岡県内の二地点が言語的に近しいのはもちろんのことで あろう。また、小倉とは飯塚市を見た場合、小倉の方が距 離︵横軸︶の上では遠くに位置しているのに、相違度︵縦 軸︶では飯塚市とほとんど変わらない所に位置している。 これは小倉との結び付きがより強いことを表していると考 え ら れ る 。 D 熊本市から見た場合 直線より上に位置しているのは三地点、阿久根市︵誤差 一

0

・ 五 ︶ 、 串 木 野 市 ︵ 誤 差 二 ニ ・ 四 ︶ 、 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差 二 了 八︶。直線より下に位置しているのは四地点、菊水町︵誤

l 一 了 六 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差

T

七二ハ︶小倉︵霊

T

八 ・ 四 ︶ 、 飯 塚 市 ︵ 誤 差 | 四 ・ 八 ︶ 。 数 だ け 見 る と ど ち ら か 一 方 に 偏 っ て い る と は 感 じ ら れ ず 、 特に開放的とも閉鎖的とも言えないだろう。 しかし、岡県内の二地点︵菊水町、宮原町︶を除いて考 え て み る と 、 熊 本 県 の 南 側 、 鹿 児 島 県 の 三 地 点 ︵ 阿 久 根 市 、 串木野市、鹿児島市︶はどれも直線より上に位置し、逆に、 熊本県の北側、福岡県の二地点︵小倉、飯塚︶は直線より 下に位置している。また、同県内の二地点について考えて みても、熊本市より北にある菊水町の方が、熊本市より南 にある宮原町よりも距離は遠いのに相違度は低くなってい る 。 これらのことから、﹁熊本市は言語面において、北に向 かっては開放的であり、南に向かっては閉鎖的である。﹂ と言うことができるのではないか。このことはまた福岡県 との交流の深さを示していると思われる。

E

八代郡宮原町からみた場合 直線より上に位置しているのは鹿児島県の阿久根市︵誤 差 一 四 ・ 四 ︶ 、 串 木 野 市 ︵ 誤 差 一 四 ・ 九 ︶ 、 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差 一 六 二 ニ ︶ の 三 地 点 。 直線より下に位置しているのは岡県内の菊水町︵誤差| 二 ニ ・

O

︶、熊本市︵誤差|七・六︶と、福岡県の小倉︵誤 差 | 八 ・ 六 ︶ 、 飯 塚 市 ︵ 誤 差

i

四 ・ 七 ︶ の 四 地 点 。

(9)

熊本市から見た場合と同じく、数だけを見ると、特に偏 りは感じられない。しかし、細かく見てみると、直線より 上に位置しているのは全て宮原町より南側にある対象地点 であり、一方、直線より下に位置しているのは全て宮原町 よ り 北 側 に あ る 対 象 地 点 で あ る 。 このことから、宮原町も熊本市と同じく、北に向かって は 開 放 的 で あ り 、 南 に 向 か っ て は 閉 鎖 的 で あ る と 言 え よ う 。 F 阿久根市から見た場合 全体的に見て、ほとんどの対象地点が直線より上に位置 している。つまり、言語的に非常に孤立していると言う事 が で き よ う 。 鹿児島県の言語的性格から、こういう結果になることは ある程度予想していたことではあったのだが、それにして も 、 岡 県 内 の 串 木 野 市 ︵ 誤 差 五 ・ 九 ︶ 、 鹿 児 島 市 ︵ 誤 差 三 ・ 九 ︶ が と も に 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る こ と は 驚 き で あ る 。 直線より下に位置しているのは福岡県の小倉︵誤差

l

五 ・ 三 ︶ の み 。 そ の 他 の 対 象 地 点 の 、 飯 塚 ︵ 誤 差 二 ・ 七 ︶ 、 菊 水 町 ︵ 誤 差 四 ・ 六 ︶ 、 熊 本 市 ︵ 誤 差 一

0

・ 五 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差 一 四 ・ 四 ︶ 、 串 木 野 市 、 鹿 児 島 市 は 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る 。 特 に 、 熊 本 県 の 二 地 点 、 熊 本 市 と 宮 原 町 の 誤 差 が 大 き く 、 言 語 面 で の 交 流 が あ ま り 無 か っ た と 考 え ら れ る 。 G 串木野市から見た場合 全体的に見た場合、直線より上に位置する対象地点が圧 倒 的 に 多 く 、 言 語 的 に 非 常 に 閉 鎖 的 で あ る と 言 え よ う 。 直線より下に位置しているのは岡県内の鹿児島市︵誤差 | 四 ・ 二 ︶ と 福 岡 県 の 小 倉 ︵ 誤 差

l

五 ・ 一 ニ ︶ の 二 地 点 。 直線より上に位置しているのは同県内の阿久根市︵誤差 五・九︶、福岡県の飯塚市︵誤差了

O

︶ 、 熊 本 県 の 菊 水 町 ︵ 誤 差 四 ・ 八 ︶ 、 熊 本 市 ︵ 誤 差 二 ニ ・ 四 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差 一 四 ・ 九 ︶ の 五 地 点 。 福岡県の二地点に比べ、熊本県の熊本市、宮原町は距離 的にはかなり近いのであるが、相違度を見てみるとあまり 変わらない。ここでも熊本県との言語面での交流の少なさ を 見 る こ と が で き る 。 -58

H 鹿児島市から見た場合 全体的に見て対象地点はほとんど直線より上に位置して お り 、 か な り 孤 立 し た 言 語 で あ る と 言 え る だ ろ う 。 阿久根市、串木野市から見た場合と同じく、ここでも福 岡県の小倉︵誤差

l

五 ・ 四 ︶ は 直 線 よ り 下 に 位 置 し て い る 。 鹿児島県から一番遠い距離にあることを考えると、これは 不思議な感じがする。その他、岡県内の串木野市︵誤差|

(10)

四 ・ 二 ︶ が 直 線 よ り 下 に 位 置 し て い る 。 直線より上に位置しているのは同県内の阿久根市︵誤差 一 ニ ・ 九 ︶ 、 福 岡 県 の 飯 塚 市 ︵ 誤 差

0

・二、熊本県の菊水町 ︵ 誤 差 七 ・ 三 ︶ 、 熊 本 市 ︵ 誤 義 一 二 ・ 三 ︶ 、 宮 原 町 ︵ 誤 差 一 六 ・ 一 ニ ︶ の 五 地 点 。 以 上 、 小 倉

I

熊ギム鹿児島ル l ト の 全 対 象 地 点 ︵ 八 地 点 ︶ についてそれぞれに述べてきたが、全体を通してみてみる と 次 の よ う な こ と が 言 え る と 思 う 。 ま ず 、 こ の ル

l

トに関しては福岡県の小倉が非常に大き な影響力を持っていると言えるだろう。対象地点八地点の うち、開放的な言語と言えるのは小倉だけであり、熊本県 と鹿児島県の対象地点︵六地点︶全てに対して直線より下 に 位 置 し て い た 。 熊本県については、地理的には福岡県と鹿児島県の聞に 位置し、つまり、両県に接していながらも、言語面では福 岡県から受ける影響が非常に大きく、鹿児島県との交流は あ ま り 感 じ ら れ な か っ た 。 鹿児島県側から見てもこれは言えることで、地理的には 隣り合う形の熊本県と、鹿児島県とは全く接することのな い福岡県とでの相違度にはあまり差がなかった。また、小 倉 を 除 く 他 県 の 対 象 地 点 は 全 て 直 線 よ り 上 に 位 置 し て お り 、 非 常 に 孤 立 し た 言 語 を 持 っ て い る と 一 一 一 一 口 え よ う 。 図A 小 倉 か ら 見 た 場 合 図B 飯 塚 市 か ら 見 た 場 合 (%) 80 鹿児島市 串木野市・ 阿久根市・ (%〕 80 −鹿児島市 ・串木野市 ,70 60 70 60 −阿久根市 −宮原市 ・熊本市 ・ 菊 水 町 飯 塚 市 ・ 50 40 ・ 宮 原 町 ・熊本市 菊 水 町 小 倉 ・ 50 40 300 (km) 200 100 30 20 0 300 (km) 200 100 30 20 0

(11)

合 場 た 見 ら 占 μ 町 水 菊 郡 C 名 図 玉 U 油 田 図D 熊 本 市 か ら 見 た 場 合 (%) 80 鹿 児 島 市 ・ 串 木 野 市 ・ 阿 久 根 市 ・ 70 60 −鹿児島市 ・串木野市 阿 久 根 市 ・ 70 60 − 小 倉 飯 塚 市 50 50 宮 原 町 ・ 熊 本 市 ・ 40 30 . . 宇 一

装1: 市 且 菊 水 町 ・ 宮 原 町 ・ 40 30 20 0 20 0 (km) 300 図E ( % ) 八 代 郡 宮 原 町 か ら 見 た 場 合 80 200 100 300 (km) 図F 阿 久 根 市 か ら 見 た 場 合 200 100 く%) 80

串呈

.吾川

阿 市 久 根 市 ノ

飯 ・

70 60 飯 塚 市 ・ 菊 水 町 ・ 熊 本 市 ・ 宮 原 町 ・ 70 60 50 ・ 小 倉 − 鹿児島市. ト串木野市 n u n u に d s a z 菊 水 町 ・ 熊 本 市 ・ 40 30 30 300 (km) 200 100 20 0 ~60 300 (km) 200 100 20 0

(12)

図G 串 木 野 市 か ら 見 た 場 合 (%) 80 図H 鹿 児 島 市 か ら 見 た 場 合 (%) 80 飯塚市・ 菊 水 町 ・ 熊本市・ ・ 宮 原 町 70 60 ・ 小 倉 飯 塚 市 ・ 菊 水 町 ・ ・熊本市 ・宮原町 70 60

づ、 倉 阿久根市・ 50 阿 久 根 市 ・ 50 −魔児島市 40 30 ・ 串 木 野 市 40 20 0 30 20 0 (km) 300

l

長崎ル

l

卜 200

A

北九州市小倉区から見た場合

100 全体的に見てほとんどの対象地点が直線より上に位置し ている。つまり、言語的に非常に孤立した都市であると言 うことができよう。直線より下に位置しているのは 1 地 点 、 長崎県の大村市︵誤差

1

7

六 ︶ の み 。 そ の 他 の 対 象 地 点 は 、 岡 県 内 の 飯 塚 市 ︵ 誤 差 五 ・ 八 ︶ 、 佐 賀 県 の 鳥 栖 市 ︵ 誤 差 一 四 ・

O

︶ 、 佐 賀 市 ︵ 誤 差 二 ・ 九 ︶ 、 長 崎県の東彼杵郡︵誤差

0

・ 九 ︶ 、 諌 早 市 ︵ 誤 差

7

0

︶長崎 市︵誤差

0

・ 七 ︶ と 、 い ず れ も 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る 。 その中でも、距離的にはそう遠くないところに位置する佐 賀 県 の 二 地 点 の 誤 差 が 極 め て 大 き く 、 一 一 一 一 一 語 面 で の 交 流 の 少 な さ と い う も の を う か が わ せ る 。 300 (km) 200 B

飯塚市から見た場合

100 小倉から見た場合と同様、ほとんどの対象地点は直線よ り上に位置しており、かなり孤立した言語を持っていると 言 え よ う 。 直線より上に位置しているのは岡県内の小倉︵誤差五・ 入 ︶ 、 佐 賀 県 の 鳥 栖 市 ︵ 誤 差 一

0

・ 二 ︶ 、 佐 賀 市 ︵ 誤 差 二 ・

(13)

八 ︶ 、 長 崎 県 の 東 彼 杵 町 ︵ 誤 差 ニ ・ 五 ︶ 、 諌 早 市 ︵ 誤 差 四 ・ 五 ︶ の五地点。下に位置しているのは長崎県の大村市︵誤差

i

0

・ 五 ︶ 、 長 崎 市 ︵ 誤 差

i

二 ・ 八 ︶ の 二 地 点 。 ここでも佐賀県の二地点の誤差が非常に大きいことが目 につく。また、距離的には一番遠くに位置する長崎市が直 線より下に位置しており、しかも大村市の誤差よりもマイ ナスの度合が大きい。相違度を見ても小倉︵相違度三六・ 五 ︶ 、 鳥 栖 市 ︵ 相 違 度 四 一 ニ ハ ︶ に つ い で 三 番 目 の 低 さ ︵ 相 違度四了八︶である。このことは注目すべき結果であろ AJ

c

鳥栖市から見た場合 全体的に見た場合、直線より上に位置している対象地点 が 多 く 、 孤 立 の 傾 向 が 強 い と 言 え る 。 直線より下に位置しているのは長崎県の東彼杵町︵誤差 | 四 ・ 四 ︶ と 諌 早 市 ︵ 誤 差

l

一 ニ ハ ︶ の 二 地 点 。 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 岡 県 内 の 佐 賀 市 ︵ 誤 差 七 ・ 二 ︶ 、 福 岡 県 の 小 倉 ︵ 誤 差 一 四 ・

O

︶ 、 飯 塚 市 ︵ 誤 差 一

0

・ 二 ︶ 、 長崎県の大村市︵誤差二・二︶、長崎市︵誤差

0

・ 九 ︶ の 五 地 点 。 特に福岡県の二地点は誤差、相違度の値︵小倉の相違度 四 八 ・ 八 、 飯 塚 市 の 相 違 度 四 一 ・ 六 ︶ 共 に 大 き い 。 鳥 栖 市 の 地理的位置から考えると︵三方を福岡県と接する。東は福 岡県小郡市、北西は那珂川町、南は久留米市︶言語的には 筑後からの影響をかなり受けていると思われる。よって、 このような結果がでたのだろう。同県内の佐賀市が直線よ り上に位置しているのも、このことから説明がつくであろ A ノ 。 D 佐賀市から見た場合 全体的に見て、対象地点が直線より上か下か、どちらか 一 方 に 偏 っ て い る と は 感 じ ら れ な い 。 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 岡 県 内 の 鳥 栖 市 ︵ 誤 差 七 ・ ニ ︶ 、 福 岡 県 の 小 倉 ︵ 誤 差 二 ・ 九 ︶ 、 飯 塚 市 ︵ 誤 差 二 ・ 八 ︶ の三地点。鳥栖市から見た場合と同様、特に福岡県の二地 点は誤差と相違度の値︵小倉の相違度五

0

・ 七 飯 塚 市 の 相 違 度 四 七 ・

O

︶共に大きく、言語面での交流はあまり無かっ た と 考 え ら れ る 。 直線より下に位置しているのは東彼杵町︵誤差

l0

・ 九 ︶ 、 大 村 市 ︵ 誤 差 | 二 ・ 六 ︶ 、 諌 早 市 ︵ 誤 差 | 六 ・ 三 ︶ 、 長 崎 市 ︵誤差|四・四︶の四地点。これらは全て長崎県の対象地 点であり、言語面での交流がかなり積極的であることを物 語っている。また、一番相違度の低い諌早市については、 明 治 五 年 一 月 に 長 崎 県 に 編 入 す る ま で は 佐 賀 県 の 一 部 で あ っ たことを考えると、うなずける結果であろう。

(14)

62-E 東彼杵町から見た場合 全体的に見た場合、直線より上に位置しているのが二地 点、下に位置しているのが五地点で、言語的に開放的であ る と 言 え よ う 。 直線より上に位置しているのは福岡県の二地点、小倉 ︵ 誤 差

0

・ 九 ︶ と 飯 塚 市 ︵ 誤 差 ニ ・ 五 ︶ 。 東 彼 杵 町 と の 距 離 、 地 理 的 な 位 置 か ら 見 て 妥 当 な 結 果 と 言 え る か 。 直線より下に位置しているのは岡県内の大村市︵誤差

i

一 ニ ・ 七 ︶ 、 諌 早 市 ︵ 誤 差

10

・ 九 ︶ 、 長 崎 市 ︵ 誤 差 |

0

・ 六 ︶ 、 佐賀県の鳥栖市︵誤差

i

四 ・ 四 ︶ 、 佐 賀 市 ︵ 誤 差

l0

・ 九 ︶ の 五 地 点 。 F 大村市から見た場合 全体的に見て、ほとんどの対象地点が直線より下に位置 しており、かなり開放的な言語であると言える。 直線より上に位置しているのは、岡県内の長崎市︵誤差 了 三 ︶ 、 佐 賀 県 の 鳥 栖 市 ︵ 誤 差 ニ ・ 二 ︶ の 二 地 点 。 直線より下に位置しているのは、同県内の諌阜市︵誤差 ! 四 ・ 九 ︶ 、 東 彼 杵 町 ︵ 誤 差

l

三 ・ 七 ︶ 、 佐 賀 県 の 佐 賀 市 ︵ 誤 差 | 二 ・ 六 ︶ 、 福 岡 県 の 飯 塚 市 ︵ 誤 差 |

0

・ご、小倉︵誤差 |了六︶の五地点である。 岡県内の対象地点について見てみると、長崎市だけが直 線よりも上に位置しており、距離の割には言語的な異なり が大きいことを示している。また、佐賀県の対象地点につ いては、二地点がそれぞれ直線の上と下にはっきり分かれ ており、筑後からの影響が大きいと思われる鳥栖市に対し て、佐賀市は長崎との結び付きが非常に強いという結果を 見 る こ と が で き よ う 。

G

諌早市から見た場合 直線より上に位置しているのが二地点、下に位置してい る の が 五 地 点 で 、 言 語 的 に は 開 放 的 と 言 え よ う 。 福岡県の対象地点は二地点とも直線より上に位置してお り 、 飯 塚 市 ︵ 誤 差 四 ・ 五 ︶ 、 小 倉 ︵ 誤 差

70

︶ 、 諌 早 市 と の 距 離 、 地 理 的 位 置 か ら 見 て も 交 流 は 少 な か っ た と 思 わ れ る 。 その他の対象地点は、いずれも直線より下に位置してお り、岡県内の大村市︵誤差|四・九︶、長崎市︵誤差

i

ニ ・ 二 ︶ 、 東 彼 杵 町 ︵ 誤 差 |

0

・ 九 ︶ 、 佐 賀 県 の 佐 賀 市 ︵ 誤 差 | 六 二 ニ ︶ 、 鳥 栖 市 ︵ 誤 差 | 了 六 ︶ 、 特 に 佐 賀 市 の 誤 差 の マ イ ナスの度合いが大きい。これは、先に述べたように、諌早 市が佐賀県の一部であったことが影響していると考えられ ヲ 令 。 H 長崎市から見た場合 直線より上に位置しているのは三地点、下に位置してい

(15)

るのは四地点で、数だけ見ると特にどちらか一方に偏って いるとは感じられない。しかし、直線より上に位置してい る三地点はどれも誤差が小さく、どちらかと言えば、やや 開 放 的 な 言 語 を も っ と 言 え よ う 。 直線より上に位置しているのは、岡県内の大村市︵誤差 了三︶、佐賀県の鳥栖市︵誤差

0

・ 九 ︶ 、 福 岡 県 の 小 倉 ︵ 誤 差

0

・七︶の三地点。同県内の大村市の誤差が一番大きい と い う 結 果 は 意 外 で あ っ た 。 直線より下に位置しているのは、同県内の諌早市︵誤差

l

二 ・ 二 ︶ 、 東 彼 杵 町 ︵ 誤 差 |

0

・ 六 ︶ 、 佐 賀 県 の 佐 賀 市 ︵ 誤 差 | 四 ・ 四 ︶ 、 福 岡 県 の 飯 塚 市 ︵ 誤 差

l

二 ・ 入 ︶ の 四 地 点 。 誤差のマイナスの度合が一番大きいのは佐賀市で、ここで も言語面での交流の深さを見ることができる。 以上、小倉

I

佐賀

i

長 崎 ル

l

ト の 全 対 象 地 点 ︵ 八 地 点 ︶ についてそれぞれに述べてきた。これから、全体を通して みて気付いたことを述べてみたいと思う。 ま ず 、 こ の ル

l

トに関しては小倉の言語的影響力はさほ ど感じられない。むしろ、このル

l

トにおいては同じ福岡 県の飯塚市と共に孤立の傾向を示している。地理的には隣 り合う形の佐賀県とも言語的にはかなりの距離があると言 え よ う 。 佐賀県の鳥栖市に関しては、その地理的位置から、ルー ト以外の筑後方面から受ける影響が大きいと思われ、この ル l トにおいては孤立の傾向を示す結果となった。佐賀市 については、長崎県との言語的交流が非常に盛んであると 言えるだろう。福岡県との言語的交流はあまり感じられな

L V 対象地点八地点のうち、開放的な言語をもっと言えるの は全て長崎県の対象地点であった。このル

l

ト に お い て 、 長崎県はかなりの影響力を持っていると思われる。長崎県 内 に お い て 、 大 村 市 と 長 崎 市 で は 言 語 的 な 対 立 が 見 ら れ た 。 64 図A 小 倉 か ら 見 た 場 合 200 (km) 長 匝時 陳 市 早 . 東 市 彼 ・ 杵 . 町一/. 大 キ寸 市 100 −佐賀市 −鳥栖市 飯 塚 市 ・ (%〉 60 20 0 50 40 30

(16)

図C 図B (%) 鳥 栖 市 か ら 見 た 場 合 60 (%) 飯 塚 市 か ら 見 た 場 合 60 50ト 50 諌早市 . . 栖市鳥 佐賀市・ 東彼町 ・ ・杵

t

台茎

市 ・ 需大 ・ .. 40ト . 40

/喜善

. . 佐 市賀 . . .・ 諌早市 づ倉、 30ト / 東 彼 杵町 30 20

100

(~~)

100

(~~)

図E 図D (%〕 東 彼 杵 町 か ら 見 た 場 合 (%) 佐 賀 市 か ら 見 た 場 合 60 60 50ト .. 飯 塚市 ノ倉. j、 . づ倉、 飯 塚 市 . . 40 . . . 30ト,ム一計よ崎7市集量市 ・ 諌早市 20 宇大市寸 20

100

(~~)

100 (km 200

(17)

図F 大 村 市 か ら 見 た 場 合 (%) 60 図G 諌 阜 市 か ら 見 た 場 合 く%) 60 50 倉 . . 飯塚市・ . . 倉 −飯塚市 鳥栖市・ 50 長 崎 市 ・ 40 40 −佐賀市 東彼杵町 ・ 錬 早 市 30 20 0 鳥 栖 市

. . 東 国 ・ 彼 訟 杵 ・ 佐 立 町 賀 川 大 市 キ寸 市 30 20 0 200 (km) 200 (km) 小 倉 ・ 100 100 図H 長 崎 市 か ら 見 た 場 合 − 諌 早 市 −飯塚市 鳥稿市・ −佐賀市 −東彼杵町 大 村 市 ・ 20 0 く%〉 60 50 40 30 66-︵ 三 ︶ 小 倉

l

大分|宮崎ル

l

ト 200 (km) A 北九州市小倉区から見た場合 100 全体的に見て、直線より上に位置している対象地点の方 が 多 く 、 言 語 的 に は 閉 鎖 的 と 言 え よ う 。 車 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 同 県 内 の 椎 田 町 ︵ 誤 差 一 子 一 ︶ 、 大 分 県 の 四 日 市 町 ︵ 誤 差 九 ・ 六 ︶ 、 日 出 町 ︵ 誤 差 四 ・

O

︶ 、 大分市︵誤差六・二︶、宮崎県の延岡市︵誤差

0

・ 五 ︶ の 五 地点。下に位置しているのは宮崎市︵誤差

l

了六︶のみ で、宮崎県の日向市︵誤差|

0

0

一︶はほぼ直線上に位

(18)

置 し て い る 。 大分県の対象地点について見てみると、四日市町︵相違 度四五・二と大分市︵相違度四五・九︸の相違度にはあま り差がなく、日出町︵相違度四了三︶の相違度が三地点 の中で最も低くなっている。小倉からの距離を考えると、 こ れ は 面 白 い 結 果 だ ろ う 。 宮崎県の対象地点の相違度は小倉からの距離の順に並ん で い る 。 延 岡 市 ︵ 相 違 度 四 五 二 ハ ︶ の 相 違 度 の 値 を 見 る と 、 小倉からの距離が半分しかない四日市町とほとんど変わら な い と い う の は 驚 き で あ る 。 8 築上郡椎田町から見た場合 直線より上に位置しているのは三地点、岡県内の小倉 ︵誤差三・二、宮崎県の延岡市︵誤差

0

・ 三 ︶ 、 日 向 市 ︵ 誤 差 九 ・ 六 ︶ 。 直線より下に位置しているのは四地点、大分県の四日市 町 ︵ 誤 差

l0

・ 二 ︶ 、 日 出 町 ︵ 誤 差 | 四 ・ 四 ︶ 、 大 分 市 ︵ 誤 差 | 三 ・ 五 ︶ 、 宮 崎 県 の 宮 崎 市 ︵ 誤 差 | 四 ・ 六 ︶ 。 大分県の対象地点は、三地点とも直線より下に位置して お り 、 言 語 的 に 近 し い 関 係 に あ る こ と を 示 し て い る 。 ま た 、 椎田町からほぼ同距離にある小倉と四日市町とを見ると、 岡県内の小倉の方が相違度が高く、大分県の四日市町の方 が下に位置している。どちらかと言えば、大分県の方に向 か っ て 開 放 的 と 言 え る の だ ろ う か 。 宮崎県の対象地点を見ると、その相違度は距離の順には 並んでおらず、距離的に一番遠い宮崎市だけが直線より下 に 位 置 し て い る 。

c

宇佐郡四日市町から見た場合 全体的に見て、直線より下に位置している対象地点の方 が多く、言語的には開放的と言えよう。 直線より上に位置しているのは福岡県の小倉︵誤差九・ 六︶と宮崎県の日向市︵誤差五・七︶の二地点で、他の対 象地点に比べ、二地点ともかなり直線から離れた所に位置 しているのが自につく。特に小倉の誤差の値が大きい。 直線より下に位置しているのは岡県内の日出町︵誤差

l

八・二、大分市︵誤差

i

八 ・ ニ ︶ 、 福 岡 県 の 椎 田 町 ︵ 誤 差 |

0

・ 二 ︶ 、 宮 崎 県 の 延 岡 市 ︵ 誤 差 |

0

・ 七 ︶ 、 宮 崎 市 ︵ 誤 差 | 一 一 ・ 一 二 ︶ の 五 地 点 。 岡 県 内 の 二 地 点 の 誤 差 は さ す が に マ イ ナスの度合いが大きく、言語的に近しいと言える。その他 の 三 地 点 は あ ま り 直 線 か ら 離 れ て い な い 。 D 速見郡日出町から見た場合 直線より上に位置しているのが三地点、下に位置してい

(19)

るのが四地点で、特にどちらか一方に偏っているとは言え な い だ ろ う 。 直線より上に位置しているのは福岡県の小倉︵誤差四・

O

︶ 、 宮 崎 県 の 延 岡 市 ︵ 誤 差 了 九 ︶ 、 日 向 市 ︵ 誤 差 七 二 ニ ︶ の三地点。特に日向市は誤差、相違度の値︵相違度四九・ 1 ︶ 、 共 に 大 き い 。 直線より下に位置しているのは岡県内の四日市町︵誤差 |八・こ、大分市︵誤差

l

一 五 ・ 六 ︶ 、 福 岡 県 の 椎 田 町 ︵ 誤 差 | 四 ・ 四 ︶ 、 宮 崎 県 の 宮 崎 市 ︵ 誤 差

10

・ 七 ︶ の 四 地 点 。 こ こ で も 宮 崎 市 は 直 線 よ り 下 に 位 置 し て お り 、 一 一 一 一 口 語 的 に 近 しい関係にあることを示している。宮崎市が一番遠くに位 置していること、また、その他の宮崎県の対象地点が二地 点とも直線より上に位置していることを考えると、これは 不 思 議 な 感 じ も す る 。

E

大分市から見た場合 全体的に見て、対象地点が直線より上か下か、どちらか 一方に偏っているとは感じられない。直線より上に位置し ているのは三地点、下に位置しているのは四地点である。 岡県内の対象地点は二地点とも直線より下に位置してお り、相違度も距離の順にならんでいる。日出町︵誤差

l

一 五 ・ 六 、 相 違 度 一 六 ・ 六 ︶ 、 四 日 市 町 ︵ 誤 差

l

八 ・ 二 、 相 違 度 二 五 ・ 七 ︶ 。 そ の 他 、 福 岡 県 の 椎 田 町 ︵ 誤 差

l

一 子 五 ︶ 、 宮 崎 県の宮崎市︵誤差

i

一 ・ 七 ︶ が 直 線 よ り 下 に 位 置 し て い る 。 直線より上に位置しているのは福岡県の小倉︵誤差六・ 二 ︶ 、 宮 崎 県 の 延 岡 市 ︵ 誤 差 三 ・ 一 一 一 ︶ 、 日 向 市 ︵ 誤 差 九 ・

O

︶ の 三 地 点 。 こ れ は 日 出 町 か ら 見 た 場 合 と 似 た よ う な 結 果 だ っ

F

延岡市から見た場合 全体的に見ると、対象地点のほとんどが直線よりやや上 に位置しており、どちらかと言えば孤立した言語と言えよ う か 。 -68一 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 同 県 内 の 日 向 市 ︵ 誤 差 二 ・ 九︶、福岡県の小倉︵誤差

0

・ 五 ︶ 、 椎 田 町 ︵ 誤 差

0

・ 三 ︶ 、 大 分 県 の 日 出 町 ︵ 誤 差 了 九 ︶ 、 大 分 市 ︵ 誤 差 一 ニ ・ 一 三 の 五 地点。下に位置しているのは岡県内の宮崎市︵誤差|二・

O

︶と大分県の四日市町︵誤差

1

0

・ 七 ︶ の 二 地 点 で あ る 。 岡県内の対象地点を見てみると、日向市との距離は宮崎 市との距離の半分しかないのに、相違度にはほとんど差が な い 。 ︵ 日 向 市 の 相 違 度 三 七 ・ 四 、 宮 崎 市 の 相 違 度 三 八 ・

O

︶ 。 大 分 県 の 対 象 地 点 に つ い て も 、 同 じ よ う な 結 果 が 見 ら れ る 。

(20)

G

日向市から見た場合 直線より上に位置しているのが六地点、ほぽ直線上に位 置しているのが一地点で、言語的には非常に孤立している と 言 え よ う 。 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 岡 県 内 の 延 岡 市 ︵ 誤 差 二 ・ 九 ︶ 、 宮 崎 市 ︵ 誤 差 二 ・ 八 ︶ 、 福 岡 県 の 椎 田 町 ︵ 誤 差 九 二 ハ ︶ 、 大 分 県 の 四 日 市 町 ︵ 誤 差 五 ・ 七 ︶ 、 日 出 町 ︵ 誤 差 七 二 ニ ︶ 、 大 分 市 ︵ 誤 差 九 ・

O

︶の六地点。福岡県の小倉︵誤差

l0

・ 。 一 ︶ は ほ ぼ 直 線 上 に 位 置 し て い る 。 日向市には、宮崎県における海上交通の要衝となるよう な港︵美々津、細島︶が古くからあり、近世には既に関西 や中園地方と活発な交流が行われていた。このことも少な か ら ず 影 響 し て い る の で は な い か 。 H 宮崎市から見た場合 全体的に見て、ほとんどの対象地点が直線より下に位置 している。ただし、どれもあまり直線から離れておらず、 やや開放的な言語と言うことができようか。 直 線 よ り 上 に 位 置 し て い る の は 同 県 内 の 日 向 市 ︵ 誤 差 二 ・ 八 ︶ の み 。 その他の対象地点は、同県内の延岡市︵誤差

l

二 ・

O

︶ 、 大分県の大分市︵誤差

1

7

七 ︶ 、 日 出 町 ︵ 誤 差 |

0

・ 七 ︶ 、 四 日 市 町 ︵ 誤 差

l

二 二 ニ ︶ 、 福 岡 県 の 椎 田 町 ︵ 誤 差

l

四 ・ 六 ︶ 、 小倉︵誤差|了六︶と、いずれも直線より下に位置して い る 。 以上、小倉

I

大 分

l

宮 崎 ル l ト の 全 対 象 地 点 ︵ 八 地 点 ︶ についてそれぞれに述べてきた。以下、ル

l

卜 全 体 を 通 し てみて気付いたことを述べてみたいと思う。 福岡県の対象地点については、小倉と椎田町とでは異な る傾向が見られた。小倉はこのル

l

卜において孤立の傾向 を示しており、特に近しいと言える対象地点は見当たらな い。一方では、椎田町の方は、言語的には大分県と近しい 関 係 に あ る と 言 え る よ う だ 。 大分県の三地点については、いずれも宮崎市との言語的 交流が感じられた。距離的には小倉の方が近いのだが、先 に述べたように、小倉はとのル

l

トにおいて孤立の傾向を 示しており、距離の割には言語的な異なりが大きいという 結 果 に な っ た 。 宮崎県の対象地点の中で、言語的に開放的だという結果 を示したのは宮崎市だけであり、その他の延岡市、日向市 は 共 に こ の ル l 卜において孤立している。特に日向市にそ の傾向が強い。日向市は樺を通じての交流が古くから盛ん で、ルート以外からの影響を受けているとも考えられる。

(21)

図B 図A ( % 〉 築 上 郡 推 田 町 か ら 見 た 場 合 (%) 小 倉 か ら 見 た 場 合 70 70 60 60 . . 日

:~~ ~ ~~何言

50ト 延 市岡市向 . .

市宮崎 岨 ト

5

40 田 町

30 !"- 30 町 町 20 10

100 200

(~~)

100 200 300 (km) 合 一 場 一 た 一 見 一 ら 一 、 ‘ . 占 H

町 一 出 一 日 − WAVE 晋恒一 D 見 一 図 速 一

J 1 6 0 0 y n

f ‘ 、 40 延 岡 市 ・

小倉 −宮崎市 図C ( % ) 宇 佐 郡 四 日 市 町 か ら 見 た 場 合 70 60 回 市向 50ト ..

/ ・

市 40ト

延 市岡 ノ ・ 30

ド普

L

10

100 200 300 (km) -70

60 50 日向市・ 30 Iι . 推 回 関I el'.!3 日 20

ト寄

. . 101 大分市

100 200

(~~)

(22)

図E 大 分 市 か ら 見 た 場 合 (%) 70 図F 延 岡 市 か ら 見 た 場 合 (%) 70 日向市.・小倉 60 60 − 宮 崎 市 延岡市・ 50 40 小 倉 ・ 推 田 町 ・ 50 40f-

_

:!'A 四

−推田町 30 −四日市町 ・ 日 出 町 一 E L n u h u 20 30 10 0 20 300 (km) 200 100 300 (km) 200 100 図G 日 向 市 か ら 見 た 場 合 (%) 70 図H 宮 崎 市 か ら 見 た 場 合 (%) 70 小倉 推 田 町 ・ 四 日 市 町 . ・ . 日 出 町 大分市 宮 崎 市 . ・ 足 岡 市 白 V 4 60 50 − 小 倉 ・ 推 田 町 ・ 四 日 市 町 日 出 町 . 大 分 市 日 向 市 ・ 60 50 40 30 30 300 (km) 200 100 20 10 0 300 (km) 200 100 20 10 0

(23)

(%) 80 ︵四︶小倉|大分|宮崎|鹿児島ル

l

卜 ︵ 省 略 ︶ ︵五︶総合的に見た比較結果 レ ト 島 一 ト 児 ト ル 一 鹿 一 島 ル 一 ル 児 崎 崎 崎 鹿 長 官 宮 一 一 一 一 本 賀 分 分 熊 佐 大 大 一 一 一 一 倉 倉 倉 倉 70 60 50 40 30 h u n u q L 300 (km) ここに示した図は、序論で得られた① J @までの各ルー ト に お け る 式 を 同 じ グ ラ フ に 書 き 込 ん だ も の で あ る 。 以 下 、 こ の 図 に 基 づ い て 考 察 を 進 め た い と 思 う 。 繰り返しになるが、もう一度各ル

l

ト の 式 を あ げ て お く 。 ①小倉|熊本|鹿児島ル

l

y

l

三 了

O

六 回 二

O

0

・ 一 三 四 九 九 X ①小倉|佐賀|長崎ル l ト

y

l

二 七 ・ 二 一 三 二

O

0

・ 二 ニ 六 七 六 X @小倉|大分|宮崎ル l ト

y

l

二 九 二 ハ 一 三 一 二

O

0

0

九 八 七 五 X @小倉|大分|宮崎|鹿児島ル

l

y

l

= 一 二 ・ 八

OO

一 ニ

O

0

・ 一

O

五 一 七 X この四つの式を比較すると、①ル

i

ト と ② ル

l

ト の 式 の 傾きはほとんど変わらず、①ル

l

トの式の傾きが一番小さ い値を示しているのが分かる。他のル

i

トに比べて言葉の 変化が小さい、また、ルート全体を通して比較的似たよう な言語をもっている、と言うことができるだろう。①ルー トの対象地点に鹿児島県の対象地点を加えた④ル l ト の 式 の 傾 き は 、 ① ル

l

卜 よ り わ ず か に 大 き い 値 を 示 し て い る 。 次 に 、 各 ル

i

トにおける式の始点︵

X

H

H

O

の と き の 値 ︶ に目をむけてみたい。この図においては、始点の値が大き いほど、歴史的における臓外要因が大きいことを示してい

72

200 100

(24)

る 一番大きい値を示しているのは④ル l トの式、次に大き い の は ① ル 1 トの式である。この二ル

l

卜にはどちらにも 鹿児島県の対象地点が含まれており、鹿児島県の言語が非 常に孤立していることがわかる。また、①ル l トの式と④ ル l トの式とを比べてみても、式の傾きにはあまり差がな いのであるが、始点の値をみると鹿児島県の対象地点を含 む @ ル l トの方が大きい。ここでも鹿児島県の言語的性格 とういものを見ることができよう。 ② ル

1

トの式は、始点の値においては四ル

l

トの中で最 も低い値を示しているが、傾きを見ると最も大きい値を示 している。このル

l

トにおいては長崎が非常に大きな言語 的影響力を持っていた。鎖国時代において、長崎は日本唯 一の窓として栄えており、九州の中心的存在だったと考え られる。故に言語的にも影響力を持つようになったのでは ないだろうか。言語的影響力を持つ都市が小倉から一番遠 くに位置していたことが変化の度合を高める原因になった と 思 わ れ る 。 結 び 本稿では、小倉を始点とする四つのル l トを設定して方 言を比較したのであるが、その中でも小倉|大字宮崎ル l ト は 他 の ル

l

トよりも全体を通しての変化の度合いが低く、 言語的にかなり均質であると雪口えるだろう。小倉|熊本| 鹿児島ル!トにおいては、小倉が言語的影響力を持ってい ると思われ、熊本県の対象地点と積極的な関係が認められ た。一方で、小倉

I

佐賀|長崎ル

i

トにおいては、小倉よ りもむしろ長崎の方が言語的影響力を持っていると思われ る。鹿児島県の対象地点は、小倉

I

熊本|鹿児島ル

i

ト 、 小倉

I

大分|宮崎|鹿児島ル

l

トのどちらにおいても閉鎖 的であり、非常に孤立的な言語状況にあることを確認でき た と 思 う 。 九州各地の方言を比較するにあたって、四本のル

1

ト の 比較だけでは不十分なところもあったと思うが、大まかな 流れを見ることはできたのではないか。今後の研究の参考 に な れ ば と 思 う 。 ︽ 参 考 文 献 ︾ *﹃九州方言の基礎的研究・改訂版﹄ 九州方言学会︵風間書房平三・一一・三

O

︶ *﹁四国方言の分類と位置

i

日本言語地図を利用して

l

﹂ 稲川順一︵﹃国文研究﹄第三八号︶ *﹃講座方言学九|九州地方の放言

i

﹄ 飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編集 ︵図書刊行会昭五八・三・二

O

(25)

* ﹃ 講 談 社 版 長 崎 ﹄ ︵講談社昭四四・二・二四︶ *﹃講談社版日本の文化地理一七 沖 縄 ﹄ ︵講談社昭四五・=了二四︶ *﹃角川日本地名大辞典﹄竹内理三編集 四

O

福岡県昭六コ了一一一・八 四一佐賀県昭五七・三・八 四二長崎県昭六二・七・八 四三熊本県昭六二・一一了八 四回大分県昭五五・一一・一八 四五宮崎県昭六一・一

0

・ 八 四六鹿児島県昭五八・=了八 日 本 の 文 化 地 理 二 ハ 福 岡 ・ 大 分 ・ 佐 賀 ・ 熊 本 ・ 宮 崎 ・ 鹿 児 島 ・ 角川書店

図 G 串 木 野 市 か ら 見 た 場 合(%)  80 図H鹿 児 島 市 か ら 見 た 場 合(%)  80  飯塚市・ 菊 水 町 ・熊本市・・宮原 町70 ・60 小倉飯塚市・菊水町・・熊本市・宮原町70 60  . . づ 、 倉 阿久根市・ 50 阿久 根 市 ・50  −魔児島市40  ・ 串 木 野 市 30 40  20  0 30 20  0  (km) 300  ︵ ニ ︶ 小 倉 | 佐 賀 l 長崎ル l 卜200 A 北九州市小倉区から見た場合100 全体的に見てほとんどの
図 C 図 B (%)  鳥 栖 市 か ら 見 た 場 合 60  (%)  飯 塚 市 か ら 見 た 場 合60  50ト 50  諌 早市 .. 栖 市 鳥 佐 賀 市 ・ 東 彼 町 ・ ・杵 雲t 台茎 轟市 ・ 需 大 ・ . . 40ト .  40  /喜善 .. 佐市 賀 .. . ・ 諌 早市 づ 倉 、 30ト / 東 彼杵町 30  。 100  20  (~~)  。 100  (~~)  図 E 図 D (%〕 東 彼 杵 町 か ら 見 た 場 合 (%)  佐 賀 市 か ら
図 F 大 村 市 か ら 見 た 場 合(%)  60 図G諌 阜 市 か ら 見 た 場 合く%) 60  50  倉 ..飯塚市・ .. −飯塚市 倉鳥栖市・50  長 崎 市 ・40 40  −佐賀市 東彼杵町 ・ 錬 早 市30  20  0 鳥栖市. ..東国 ・ 彼訟 杵 ・ 佐立 町 賀川 大 市キ寸市30 20  0  200  (km)  (km) 200 小倉・100 100 図H長 崎 市 か ら 見 た 場 合−諌早市−飯塚市鳥稿市・−佐賀市−東彼杵町大村市・20 0 く%〉60
図 B 図 A ( % 〉 築 上 郡 推 田 町 か ら 見 た 場 合 (%)  小 倉 か ら 見 た 場 合 70  70  60  60  .. 日 :~~ ~ ~~何言50ト延市岡市向.. .市宮崎 岨 ト 5イ 40 田町 .  30  ! " - 30  町 町 20  。 100  200  10  (~~)  。 100  200  (km) 300  合 一場一た一見一ら一、 ‘ .占H 一町一出一日−WAVE 晋恒一D見一図速、一J1600yn ’ f‘ 、 40  延岡市・
+2

参照

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