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「地域警察の再編が犯罪発生件数に及ぼす影響の考察−交番・駐在所の統廃合に着目して−」

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地域警察の再編が犯罪発生件数に及ぼす影響の考察

-交番・駐在所の統廃合に着目して-

<要旨> 7年連続で戦後最多を更新した刑法犯認知件数を受けて警察庁は緊急治安対策プログラ ムを策定し、犯罪増加基調に歯止めをかけようとしている。その後刑法犯認知件数は減尐 に転じているが、当該プログラムに明記された「交番機能の強化」の一方策である交番の 配置見直し(交番・駐在所の統廃合)が犯罪発生件数に与える影響について考察を行った。 交番・駐在所の統廃合は犯罪発生件数を増加させるという影響を与えるが、その影響は 犯罪類型により異なるという仮説の下、固定効果モデルによる実証分析を行った結果、交 番・駐在所の統合は犯罪発生件数を増加させる場合があるが、犯罪の発生に対しては交番 ・駐在所の数を増やし過ぎても減らし過ぎてもよくないということが統計的に有意に明ら かとなった。

2014 年(平成 26 年)2 月

政策研究大学院大学 まちづくりプログラム

MJU13616 中島 智広

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目次

1. はじめに ... 1 2. 犯罪の現状と交番・駐在所の統廃合の背景 ... 2 2-1. 犯罪の現状 ... 2 2-2. 交番・駐在所の統廃合の背景 ... 3 3. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する理論分析 ... 5 3-1. 問題意識 ... 5 3-2. 理論分析 ... 5 4. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する実証分析 ... 6 4-1. 交番・駐在所の統廃合の影響に関するモデル ... 6 4-2. 利用するデータ ... 7 4-3. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する実証分析の推計結果 ... 10 5. まとめと政策提言 ... 11 5-1. まとめ ... 11 5-2. 政策提言 ... 11 5-3. 課題 ... 12 6. 補論 ... 12 参考文献 ... 15 付録:データの出典及び作成方法 ... 16

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1. はじめに

日本における刑法犯認知件数1 1996 年(平成 8 年)以降 7 年連続で戦後最多を更新 し続け、2002 年(平成 14 年)にピークの 285 万 3739 件を数えた事態を受けて、犯罪の 増加基調に歯止めをかけ、国民の不安解消を図るために警察庁が策定したのが「緊急治安 対策プログラム」である。その後犯罪認知件数は減尐に転じ、2012 年(平成 24 年)に おいては138 万 2121 件とピーク時の半数以下になっている。ところが社会情勢の急激な 変化とあいまって、犯罪の質的変化も起こり、国民の治安に対する不安感がぬぐい去られ るどころか、むしろ依然として強い不安感を感じているのが現状である。 緊急治安対策プログラムに明記された「交番機能の強化」策として交番・駐在所の再配 置(交番・駐在所の統廃合)が行われていることに着目し、これが犯罪発生に与える影響 として犯罪認知件数を分析対象とした。交番・駐在所数が犯罪発生件数に与える影響を考 察したものは散見されず、ここに本稿の研究意義があると考えた。 実証分析を進めるにあたり、交番・駐在所の統廃合は犯罪発生件数に影響を与えるが、 その影響は犯罪類型により異なるという仮説を立て、これに基づき交番・駐在所の統廃合 が犯罪発生件数に与える影響を検証するべく、刑法犯認知件数及び各犯罪類型毎の犯罪認 知件数を被説明変数に、警察署・交番・駐在所数、前年度検挙率、人口総数などを説明変 数にした都道府県別パネルデータを用いて固定効果モデルによる実証分析を行った。分析 結果から、交番・駐在所の統廃合は犯罪発生件数を増加させる場合があるが、犯罪の発生 に対しては交番・駐在所の数を増やし過ぎても減らし過ぎてもよくないということが統計 的に有意に明らかとなった。これは、犯罪増加基調に歯止めをかけるという目的を達成す るための方策である交番・駐在所の統廃合は、犯罪を増加させる場合がある点においては 正しい政策とは言えないことになる 以上の点を踏まえ、交番・駐在所の統廃合を進めるにあたっては、交番・駐在所の数を 増やし過ぎても減らし過ぎても犯罪発生件数が増加するという事実の認識、交番・駐在所 を統廃合することによる箇所当たりの警察官数の増というプラス効果と存在そのものが抑 止効果である交番・駐在所が減尐することのマイナス効果の双方を勘案することの重要性 の2点を提言として示した。 なお、日本における犯罪に係る研究については、大竹外(2010)による失業率と犯罪 発生率の研究や沓澤外(2007)による犯罪発生の地理的要因と地価への影響に関する分 析などがあるが、交番・駐在所の統廃合に着目した研究は散見されなかった。 本稿の構成は、次章で犯罪の現状と交番・駐在所の統廃合の背景について説明し、第 3 章で交番・駐在所の統廃合が犯罪発生件数に与える影響の理論分析を行って仮説を提起し、 第 4 章で仮説検証のための実証分析を行う。第 5 章でこれらを受けての政策提言を行う。 1 刑法犯の認知件数から、道路上の交通事故に係る業務上(重)過失致死傷罪、危険運転致死傷罪及び自 動車運転過失致死傷罪分を除いたものである。

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2 なお、交番・駐在所の統廃合実施地域と犯罪発生地点との関係を補論で触れて終わりとす る。

2. 犯罪の現状と交番・駐在所の統廃合の背景

この章では、犯罪認知件数の動向と近年の犯罪の特徴について概観し、近年警察が推し 進めている交番・駐在所の統廃合について、その背景について示す。 2-1. 犯罪の現状 日本における犯罪発生の動向について、刑法犯認知件数を見てみると、1975 年(昭和 50 年)に 123 万 4307 件だったものが年々増加傾向にあり、特に 1996 年(平成 8 年) 以降 7 年連続で戦後最多を更新し続け、2002 年(平成 14 年)にピークの 285 万 3739 件を数えている。この事態を受けて警察庁は、犯罪の増加基調に歯止めをかけ、国民の不 安解消を図るため、2003 年(平成 15 年)8 月「緊急治安対策プログラム」を策定し、緊 急かつ重点的に取り組むべき対策を示したところである。その後犯罪認知件数は減尐に転 じ、2012 年(平成 24 年)においては 138 万 2121 件とピーク時の半数以下になっている。 しかしながら、街頭犯罪や侵入犯罪の急激な増加、刑法犯検挙人員の 4 割を占める尐 年犯罪、重要凶悪犯罪の増加、来日外国人犯罪や暴力団犯罪等の組織犯罪等が、国民の日 常生活に多大の不安を抱かせて2いる。地域社会における住民関係の希薄化が進むなどの 地域事情の変化、モータリゼーションの進展やインターネット、携帯電話の爆発的普及、 深夜営業店の増加等に伴う生活の 24 時間化などの社会情勢の急激な変化とあいまって、 サイバー犯罪、振り込め詐欺のような顔の見えない犯罪、ストーカー、DV、児童虐待の ような新たな形態の犯罪、殺人・強盗・無差別な通り魔などの凶悪事件の続発、反社会的 勢力による組織的犯罪など犯罪の質的変化も起こり、国民の治安に対する不安感がぬぐい 去られるどころか、むしろ依然として強い不安感を感じているのが現状である。 刑法犯は、「凶悪犯」、「粗暴犯」、「窃盗犯」、「知能犯」、「風俗犯」、「その他 の刑法犯」の犯罪類型に大別される。凶悪犯を構成する犯罪種別(以下「罪種」という。 )は「殺人罪、強盗罪、放火罪、強姦罪」で、その認知件数は 1992 年(平成 4 年) 6338 件(刑法犯認知件数に占める割合 0.4%)、2011 年(平成 23 年)6996 件(同 0.5% )、ピークは2003 年(平成 15 年)の 13658 件となっている。粗暴犯を構成する罪種は 「暴行罪、傷害罪、脅迫罪、恐喝罪、凶器準備集合罪」で、その認知件数は 1992 年(平 成4 年)36630 件(同 2.1%)、2011 年(平成 23 年)61698 件(同 4.2%)、ピークは 2003 年(平成 15 年)の 78759 件となっている。窃盗犯を構成する罪種は「侵入、非侵 入などによる窃盗罪」で、その認知件数は1992 年(平成 4 年)1525863 件(同 87.6%)、 2 警察庁「緊急治安対策プログラム」(2003)より抜粋

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3 2011 年(平成 23 年)1133127 件(同 76.5%)、ピークは 2002 年(平成 14 年)の 2377488 件となっている。風俗犯を構成する罪種は「賭博罪、わいせつ罪」で、その認 知件数は1992 年(平成 4 年)6201 件(同 0.4%)、2011 年(平成 23 年)10905 件(同 0.7%)、ピークは 2003 年(平成 15 年)の 13034 件となっている。また、知能犯を構成 する罪種は「詐欺、横領(占有離脱物横領を除く。)、偽造、汚職、背任、「公職にある 者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」に規定する罪」であり、「その他 の刑法犯」を構成する罪種は「公務執行妨害罪、住居侵入罪、逮捕監禁罪、器物損壊罪、 占有離脱物横領罪」である。これらの認知件数の推移は図1のとおりとなっており、刑法 犯認知件数中窃盗犯が圧倒的多数を占めているが、凶悪犯、粗暴犯、風俗犯がそれぞれの 全体に占める割合を拡大してきていることが分かる。 また、近年の事件・事故の特徴として、凶悪事件の夜間発生率が極めて高いこと、死者 を伴う交通事故の夜間発生率が他の交通事故の夜間発生率に比して高いこと、緊急配備の 夜間発令件数が昼間と比して多いことなど夜間の治安悪化が挙げられる。 図1 犯罪認知件数の推移 2-2. 交番・駐在所の統廃合の背景 交番・駐在所という地域警察の体制は、1954 年(昭和 29 年)に現行警察法が施行さ れ、それまでの国家地方警察と自治体警察の二本建ての警察組織が統合一元化されて以降、 治安事情や道路事情をベースに昭和40 年代に見直しをかけた例3が見受けられるものの、 多くのところで長い間大規模な見直しが行われてこなかったのが実情である。したがって、 現実の治安事情や道路事情と交番・駐在所の配置に大きなかい離が生じている可能性が指 摘されている。 交番と駐在所は、地域住民の身近な所にあり、そこに警察官が勤務して、地域住民の暮 らしの安全を守る活動をする拠点になっている点では同様であるが、交番は主として都市 3 鹿児島県警察本部(2011、2012)を参照

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4 図2 警察署・交番・駐在所数の推移 図3 警察官数の推移 部に置かれ、警察官が交替で勤務し、各種警察活動を行っているのに対し、駐在所は、原 則として日勤制4で運用され、1人の警察官が駐在して地域の安全を守る警察活動を行っ ている点に違いがある。これは駐在所が昼間の勤務を基本としており、昼間より夜間の警 戒態勢がぜい弱であることを示しているが、前章で触れたように生活の 24 時間化等に伴 い犯罪の夜間発生率が増大していることから夜間体制の強化が求められている。交番・駐 在所数に占める交番の割合が夜間体制のバロメータのひとつと考えられており、そのひと つの方策として複数の駐在所をひとつの交番に統合する動きがあり、この結果、交番・駐 在所の数は減尐することとなる。 また、前章で触れた「緊急治安対策プログラム」において挙げられた、緊急かつ重点的 に取り組むべき対策の中に、交番勤務員の増員や交番の配置見直しを行うことによる「交 番機能の強化」がある。戦後最多の刑法犯認知件数を受けて「緊急治安対策プログラム」 が策定されたのが 2003 年(平成 15 年)である。ここで警察署・交番・駐在所数の推移 4 月曜日から金曜日までの平日に午前8 時 30 分から午後 5 時 15 分まで勤務する勤務形態をいう。

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5 (図 2)と警察官数の推移(図 3)を見てみると、警察署・交番・駐在所の数は 1992 年 (平成 4 年)16623 箇所、2011 年(平成 23 年)14135 箇所と減尐傾向に、警察官の数 は1992 年(平成 4 年)222388 人、2011 年(平成 23 年)254318 人と増加傾向にあるが、 よく見てみるとこの「緊急治安対策プログラム」策定の時期を境にその度合いが強くなっ ていることが分かる。緊急治安対策プログラム中の「交番機能の強化」として、交番・駐 在所の統廃合が推し進められていると言うことができる。

3. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する理論分析

この章では、実証分析の前段階として、3-1 節で交番・駐在所の統廃合に関する問題意 識を提起し、3-2 節でその理論分析を行う。 3-1. 問題意識 前章までで見てきたように、交番機能のうち夜間体制の強化につながるものとして複数 の駐在所を廃しひとつの交番に統合する交番・駐在所の統廃合が進められてきた。しかし ながら、この政策が打ち出された地域においては、必ずといっていいほど地域住民から、 「犯罪発生件数の増加への懸念」を理由とした反対運動が起きている。交番・駐在所が身 近にあることでの安心感やその存在が犯罪抑止につながっているとの意識によるものと推 察される。交番・駐在所の統廃合は果たして本当に犯罪発生件数を増加させるのだろうか。 3-2. 理論分析 犯罪の実行に際して、犯罪から得る利益が犯罪のコストを上回るとき犯罪を実行するこ とになるということを、刑罰に着目して研究したのがゲーリー・ベッカーである。逆に言 うと、犯罪のコストが上がれば犯罪は抑止されることになる。このベッカーの研究は最適 な違法行為数とその最適な抑止政策を考察する先駆けとなったものである。 図4において犯罪コストである限界費用曲線がMC1からMC2に引き上げられると、均 衡点はX1からX2へと移動し、犯罪件数は減尐することになる。ここでいう犯罪コストは、 刑罰であり、警察官の数であり、逮捕の確率である。ベッカーなどの研究5は、これらが 犯罪件数を引き下げることを実証し、文献6も多数存在している。 交番・駐在所の統廃合の影響を表す指標として、警察署・交番・駐在所数を用いるとす ると、刑罰、警察官数、逮捕される確率などと同様に警察署・交番・駐在所数も犯罪の限 界費用を引き上げるものと考えられる。交番・駐在所の統廃合は、すなわち警察署・交番 ・駐在所数の減尐であり、犯罪の限界費用を引き下げるため犯罪件数を増加させると考え 5 G.ベッカー(1968)、S.レヴィット(1997、2002、2004)を参照 6 S.レヴィット外(2009)、R.ミラー外(2006)、福井(2007)を参照

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6 られる。しかしながら、犯罪類型により、計画的な側面や衝動的な側面などその性質が異 なるため、与える影響は違うことが予想される。

4. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する実証分析

本章では、交番・駐在所の統廃合が刑法犯の犯罪認知件数にどのような影響を与えたか を検証するために実証分析を行う。交番・駐在所の統廃合が進められたことを、警察署・ 交番・駐在所の数で計ることとし、これを用いた実証分析を行う。まず、4-1 節で交番・ 駐在所の統廃合の影響に関する推計モデルを示す。4-2 節では推計モデルで利用するデー タの説明を行う。また、4-3 節では推計モデルの推計結果を示す。 4-1. 交番・駐在所の統廃合の影響に関するモデル 本節では、前章の理論分析により導き出された「交番・駐在所の統廃合は、犯罪発生件 数に影響を与えるが、その影響は犯罪類型により異なる。」との仮説について実証分析を 行うが、交番・駐在所数は都道府県警察単位で決定されていることを踏まえて 1992 年 (平成4 年)から 2011 年(平成 23 年)までの都道府県別パネルデータを用いて、次のモ デルを推計する。

(Crime)it=β0+β1(Policebox)it+β2(Policebox)2it+β3Xit+δi+εit

β0:定数項 β1~β3:パラメータ (Policebox):警察署・交番・駐在所数 (Policebox)2:警察署・交番・駐在所数の2乗値 X:コントロール変数 犯罪件数 X1 MC1 X2 MC2 利益 ・ 費用 MB 図4 犯罪コストと犯罪件数のモデル

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7 δ:固定効果(個体ごとに固有で観察できない要因)ε:誤差項 i:都道府県 t:年 仮説の検証において犯罪の全体的動向及び犯罪類型ごとの違いを見るために犯罪発生件 数の対象として、「ア 刑法犯認知件数」、「イ 凶悪犯認知件数」、「ウ 粗暴犯認知 件数」、「エ 窃盗犯認知件数」、「オ 風俗犯認知件数」を用いる。推計モデルについ ては、県民性といった観測不可能な都道府県ごとの固有の要素の存在が考えられるため、 これらを取り除くために固定効果モデルにより推計を行う。 4-2. 利用するデータ 前節で示した推計モデルを分析するために利用するデータは次のとおりである。 (1) 被説明変数 犯罪の全体的な傾向及び犯罪類型ごとの違いを見るために、次の5つを被説明変数と する。 ア 刑法犯認知件数、イ 凶悪犯認知件数、ウ 粗暴犯認知件数、 エ 窃盗犯認知件数、オ 風俗犯認知件数 凶悪犯を構成するものは、主に殺人・強盗・放火・強姦といった罪種であり、計画的、 怨恨的な側面が強いと思われる。粗暴犯を構成するものは、主に暴行・傷害・脅迫・恐 喝といった罪種であり、衝動的な側面が強いと思われる。窃盗犯を構成するものは、主 に侵入盗・乗り物盗といった罪種であり、計画的な側面と衝動的な側面を併せ持ち、か つ、経済的な側面が強いと思われる。風俗犯を構成するものは、主に賭博・わいせつと いった罪種であり、衝動的な側面が強いと思われる。 (2) 説明変数 ① 警察署・交番・駐在所の数 交番・駐在所の統廃合を表す指標として、警察署・交番・駐在所の数を用いた。交 番・駐在所の統廃合が犯罪発生件数に影響を与えるならば、予想される符号は、アの 場合負、イの場合負、ウの場合負、エの場合負、オの場合負である。 ②(警察署・交番・駐在所の数)2 ①での符号が正(又は負)の場合に、警察署・交番・駐在所の数を増やし続けた方 がいいか(又は減らし続けた方がいいか)を見る指標として、警察署・交番・駐在所 の数の2乗値を用いる。ここでは警察官数をあえてコントロールせずに箇所当たりの 警察官数などの効果が表れるよう分析を試みたため、交番・駐在所の数には最適点が あると考えられるので、予想される符号は、 アの場合正、イの場合正、ウの場合正、エの場合正、オの場合正である。 ③ コントロール変数Ⅰ:前年度検挙率 犯罪者の限界費用を表す指標として、前年度の犯罪検挙率を用いた。犯罪検挙率が

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8 高くなると逮捕される確率が上がり犯罪に対する限界費用が引き上げられることにな ると考えられるため、予想される符号は、 アの場合負、イの場合負、ウの場合負、エの場合負、オの場合負である。 ④ コントロール変数Ⅱ:人口総数 人口の増減に伴う犯罪認知件数の変化を表す指標として、人口総数を用いた。予想 される符号は、 アの場合正、イの場合正、ウの場合正、エの場合正、オの場合正である。 ⑤ コントロール変数Ⅲ:人口密度 犯罪者の限界費用を表す指標として、可住地面積 1km2当たりの人口密度を用いた。 人口密度の増加は、一般的には犯罪者にとって他者からの注意を引きやすくなるため 犯罪に対する限界費用が引き上げられることになるが、犯罪種別によりその影響は異 なると考えられるため、予想される符号は、 アの場合負、イの場合負、ウの場合正負不明、エの場合負、オの場合負である。 ⑥ コントロール変数Ⅳ:昼夜人口比率 犯罪者の限界費用を表す指標として、昼夜人口比率を用いた。比率が高いことは昼 間人口の比率が高いことを意味し、犯罪の限界費用は昼の方が高いと考えられるため、 予想される符号は、 アの場合負、イの場合負、ウの場合負、エの場合負、オの場合負である。 ⑦ コントロール変数Ⅴ:外国人人口 犯罪者の限界費用を表す指標として、外国人人口を用いた。一般に犯罪に外国人が 絡む印象を抱きがちであるが、ここに計上される外国人人口は正当な手続きを踏んで 滞在する者であるため問題を起こすと滞在を許可されなくなるという意味で犯罪の限 界費用は高いと考えられるため、予想される符号は、 アの場合負、イの場合負、ウの場合負、エの場合負、オの場合負である。 ⑧ コントロール変数Ⅵ:就業・通学していない人口 犯罪者の限界費用を表す指標として、就業・通学していない人口を用いた。職を持 たない者は、犯罪を行うことの限界費用が低いと考えられるため、予想される符号は、 アの場合正、イの場合正、ウの場合正、エの場合正、オの場合正である。 ⑨ コントロール変数Ⅶ:離婚率 生活困窮による犯罪を表す指標として、離婚率を用いた。生活困窮に左右される犯 罪種別は窃盗であり、予想される符号は、 アの場合正、イの場合正負不明、ウの場合正負不明、エの場合正、オの場合正負不明 である。 ⑩ コントロール変数Ⅷ:完全失業率 犯罪者の限界費用を表す指標として、完全失業率を用いた。失業者は、犯罪を行う ことの限界費用が低いと考えられるため、予想される符号は、

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9 アの場合正、イの場合正、ウの場合正、エの場合正、オの場合正である。 ⑪ コントロール変数Ⅸ:生活保護割合 生活困窮による犯罪を表す指標として、各都道府県における人口千人当たりの生活 保護被保護者実人員を用いた。しかしながら生活保護受給は、必要最低限の生活を保 障されることで犯罪発生に影響を与えないとの考え方も成り立ち、犯罪種別によりそ の影響は異なると考えられるため、予想される符号は、 アの場合負、イの場合正負不明、ウの場合正負不明、エの場合負、オの場合正である。 ⑫ コントロール変数Ⅹ:県民所得 所得による犯罪の機会費用を表す指標として、各都道府県における1人当たり県民 所得を用いた。これは豊かさが増すことで犯罪の機会費用が増すという側面を持つ一 方、所得平均値が上がるだけで下層との差が大きくなるという点で犯罪の機会費用が 元々低い生活困窮者による犯罪誘因を大きくするという側面を持ち、後者の方がより 大きく、経済的な犯罪種別により影響を与えると考えられるため、予想される符号は、 アの場合正、イの場合正負不明、ウの場合正負不明、エの場合正、オの場合正負不明 である。 ⑬ コントロール変数XI:空き家数 犯罪の温床となりやすい環境を表す指標として、各都道府県における空き家の数を 用いた。空き家が多くなると犯罪の潜在性が上がるため、予想される符号は、 アの場合正、イの場合正、ウの場合正、エの場合正、オの場合正である。 ⑭ コントロール変数XⅡ:年度ダミー 年度によるトレンドを除去するため年度ダミーを用いた。 なお、データの出典及び計算方法については付録、基本統計量については表 1 のとおり である。 表1 基本統計量 平均値 標準偏差 最小値 最大値 刑法犯認知件数 43855.470 56452.430 4429.000 327262.000 凶悪犯認知件数 195.052 279.963 13.000 1796.000 粗暴犯認知件数 1234.230 1735.844 88.000 11253.000 窃盗犯認知件数 36134.690 46280.420 3239.000 278384.000 風俗犯認知件数 200.928 277.193 14.000 1844.000 警察署・交番・駐在所数 333.292 224.487 112.000 1336.000 (警察署・交番・駐在所数)2 161424.100 276497.900 12544.000 1784896.000 前年度刑法犯検挙率 39.832 14.123 11.458 79.707 前年度凶悪犯検挙率 83.579 13.332 39.154 128.000 前年度粗暴犯検挙率 79.116 17.605 24.734 208.674 前年度窃盗犯検挙率 36.205 14.093 5.876 78.078 前年度風俗犯検挙率 74.221 22.664 25.185 178.333 人口総数 2698.235 2521.507 585.000 13196.000 人口密度 1368.984 1643.545 247.000 9478.900 昼夜人口割比率 99.129 4.848 84.640 124.240 外国人人口 804.492 534.345 126.000 2512.000 就業・通学していない人口 917437.800 820894.800 182433.000 3974726.000 離婚率 1.816 0.358 0.910 2.940 完全失業率 5.061 1.572 2.020 11.900 生活保護割合 8.866 5.485 1.780 34.880 県民所得 2821.389 436.278 1991.000 4705.000 空き家数 134050.600 134922.200 17020.000 801240.000 観測数 940

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10 4-3. 交番・駐在所の統廃合の影響に関する実証分析の推計結果 推計結果は、表2 のとおりである。 表 2 推計結果 被説明変数 説明変数 係数 [標準偏差] 係数 [標準偏差] 係数 [標準偏差] 係数 [標準偏差] 警察署・交番・駐在所数 -104.628 *** -1.043 *** -4.735 *** [33.389] [0.249] [1.345] (警察署・交番・駐在所数)2 0.187 *** 0.001 *** 0.009 *** [0.035] [0.000] [0.001] 前年度検挙率 -121.048 ** -1.620 *** -11.903 *** [51.963] [0.293] [1.342] 人口総数 84.510 *** 0.517 *** 3.322 *** [11.763] [0.080] [0.430] 人口密度 -175.731 *** -1.148 *** -1.919 *** [19.728] [0.135] [0.725] 昼夜人口比率 -8176.699 *** -60.904 *** -335.659 *** [973.774] [6.561] [36.200] 外国人人口 -11.807 *** -0.112 *** -1.040 *** [3.326] [0.022] [0.123] 就業・通学していない人口 0.109 *** 0.001 *** 0.002 *** [0.009] [0.000] [0.000] 離婚率 -3307.836 -85.330 ** -385.129 * [5643.927] [38.748] [208.728] 完全失業率 3155.962 ** 14.947 -69.337 [1353.674] [9.299] [50.118] 生活保護割合 -1758.725 *** -4.456 * -23.122 * [356.986] [2.446] [13.202] 県民所得 3.455 0.017 0.255 ** [3.500] [0.024] [0.130] 空き家数 -0.006 0.001 *** 0.008 *** [0.029] [0.000] [0.001] 定数項 783584.300 *** 6065.946 *** 26712.770 *** [101029.200] [684.658] [3758.818] 決定係数 0.598 0.587 0.712 観測数 940 940 940 ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%の水準で統計的に有意であることを示す。 刑法犯認知件数 凶悪犯認知件数 粗暴犯認知件数 被説明変数 説明変数 係数 [標準偏差] 係数 [標準偏差] 警察署・交番・駐在所数 -74.744 ** -0.388 * [32.125] [0.226] (警察署・交番・駐在所数)2 0.158 *** 0.001 ** [0.031] [0.000] 前年度検挙率 -51.244 -0.764 *** [43.122] [0.178] 人口総数 59.301 *** 0.570 *** [10.325] [0.072] 人口密度 -134.038 *** -1.152 *** [17.342] [0.121] 昼夜人口比率 -6685.252 *** -57.364 *** [850.411] [5.942] 外国人人口 -9.369 *** -0.048 ** [2.934] [0.020] 就業・通学していない人口 0.083 *** 0.001 *** [0.008] [0.000] 離婚率 1117.887 7.356 [4979.363] [35.081] 完全失業率 3838.467 *** -20.857 ** [1194.116] [8.419] 生活保護割合 -1725.600 *** 10.09 *** [315.219] [2.230] 県民所得 2.083 0.031 [3.084] [0.021] 空き家数 -0.045 * 0.002 *** [0.026] [0.000] 定数項 651656.300 *** 5563.152 *** [88424.450] [620.187] 決定係数 0.588 0.690 観測数 940 940 ***、**、*はそれぞれ1%、5%、10%の水準で統計的に有意であることを示す。 窃盗犯認知件数 風俗犯認知件数

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11 表 2 の推計結果のうち、着目すべきは「警察署・交番・駐在所数」と「(警察署・交番 ・駐在所数)2」である。警察署・交番・駐在所数を見ると、犯罪類型により有意水準に違 いはあるものの、すべて統計学上有意に負の係数が表れている。これは警察署・交番・駐 在所数が増えると犯罪認知件数を減尐させる傾向があるということである。また、(警察 署・交番・駐在所数)2を見ると、犯罪類型により有意水準に違いはあるものの、すべて統 計学上有意に正の係数が表れている。これは警察署・交番・駐在所数が増えれば増えるほ ど犯罪認知件数が減尐するわけではないことを示している。ただし抑止力・捜査力の向上 となる交番・駐在所数の増は犯罪者の限界費用を引き上げ、犯罪認知件数を減尐させるが、 その一方で犯罪認知件数が多いところほど交番・駐在所が多く設置されるという説明変数 と被説明変数間の同時性の問題が存在するが、本稿においてはこの点の考慮が不十分であ る。

5. まとめと政策提言

本章では、5-1 節で実証分析から明らかになったことを示した上で、5-2 節でこれまで の政策の評価を行い、これを受けての政策提言を行う。また、本稿で明らかにできなかっ た課題や研究を通じて感じた課題を5-3 節に示す。 5-1. まとめ 本稿では、交番・駐在所の統廃合が犯罪発生件数に与える影響について、その統廃合は 犯罪発生件数を増加させる影響を与えるがその影響は犯罪類型により異なるとの仮説の下 で実証分析を行った。その結果、交番・駐在所の統廃合は犯罪発生件数を増加させる場合 があるが、犯罪の発生に対しては交番・駐在所の数が多過ぎても尐な過ぎてもよくない、 ただし、その影響は犯罪類型により異なるということが明らかとなった。これは事前の仮 説どおりの結果となった。 5-2. 政策提言 今回取り上げた交番・駐在所の統廃合という政策は、犯罪増加基調に歯止めをかけると いう目的を達成するための方策であり、その点で評価すると、犯罪が増加する場合があり、 すべての場合において正しい政策とは言えないことになる。 したがって、交番・駐在所の統廃合を進めるにあたっては、交番・駐在所の数を増やし 過ぎても減らし過ぎても犯罪発生件数が増加する場合があることを認識することと、交番 ・駐在所を統廃合することによる箇所当たりの警察官数の増というプラス効果と存在その ものが抑止効果である交番・駐在所が減尐することのマイナス効果の双方を十分勘案する 必要があることを提言する。

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12 5-3. 課題 本稿の研究で、交番・駐在所の統廃合の影響は犯罪類型により異なることが明らかにな ったが、これは犯罪類型により最適な交番・駐在所の数が異なることになることを意味す る。どの犯罪類型を重視するかで最適な交番・駐在所の数が異なるが、本研究ではそれを 明らかにすることはできなかった。 本稿の研究では犯罪類型ごとに分析を行ったが、そもそも犯罪類型ごとでは計画的、衝 動的、怨恨などといった犯罪の性質が混在しており、個別の罪種ごとに分析した方がより 正確な結果が得られると考えられるがデータの制約があり本研究では実施することができ なかったこと、交番・駐在所の統廃合は昨今の犯罪の夜間発生を抑制することも目的とし ているが、昼間・夜間別の犯罪発生件数が入手できず、その効果を分析することができな かったこと、いつどこでどのような犯罪が発生したかという犯罪発生地点ごとのデータが 入手できれば、GIS を用いて交番・駐在所からの距離などより詳細な分析ができると考 えられるが、データの制約で分析することができなかったことなどデータの制約という壁 があった。個人情報を伏せた形でデータを活用することは可能であり、活用できるデータ の提供が望まれる。

6. 補論

交番・駐在所の統廃合の行われた地域と犯罪発生地点との関係を見るため、鹿児島市に おける乗り物盗(車・オートバイ・自転車)の発生地点7を地図上にプロットし、交番・ 駐在所の統廃合前後を比較した。具体的には、2013 年(平成 25 年)3 月に実施された鹿 児島市内の交番・駐在所の統廃合の影響を、この前後で比較する。ただし、データ参照元 の公表期間の制約で 2012 年(平成 24 年)1 月以降のものしか得られなかった。犯罪発 生の要因を合わせるため、交番・駐在所の統廃合前として 2012 年(平成 24 年)7 月~ 11 月における乗り物盗発生を、統廃合後として 2013 年(平成 25 年)7 月~11 月におけ る乗り物盗発生を比較した。乗り物盗の種別ごとの発生件数は表3 のとおりである。 表 3 交番・駐在所の統廃合前後における乗り物盗の発生件数 7 鹿児島県警察本部「犯罪情報マップ」(http://kp-anzenmap.pref.kagoshima.jp/)を参照 発生件数 (うち施錠無) [施錠無割合] 交番・駐在所からの平均距離 再編前 728 (502) [69.0%] 1239.2 m 再編後 634 (422) [66.6%] 1444.8 m 再編前 110 - 781.6 m 再編後 66 - 727.4 m 再編前 7 - 1219.1 m 再編後 5 - 2015.5 m 自転車盗 バイク盗 自動車盗

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13 次に、交番・駐在所の統廃合前の乗り物盗発生地点を地図上にプロットしたものが図 5-1、統廃合後の乗り物盗発生地点を地図上にプロットしたものが図 5-2 である。図中の 丸囲みの地域が、交番・駐在所の統廃合が実施された地域であるが、統廃合の前後を通し て、そもそも乗り物盗がほとんど発生していないことが見てとれる。 また、乗り物盗の発生地点と交番・駐在所の位置との関係がより分かるように統廃合前 の市街地部分を拡大したものが図6-1、統廃合後の市街地部分を拡大したものが図 6-2 で ある。 図5-1 再編前の犯罪発生地点(市全域) 図5-2 再編後の犯罪発生地点(市全域) データを入手できた期間が短く、罪種も窃盗犯の中の乗り物盗に限るという極めて限定 された条件のため発生件数を統計学的に比較分析することはできないが、このデータから 分かることは、乗り物盗の発生に大きく影響していると考えられるのは施錠の有無である。 乗り物盗全体に占める施錠無の割合が約 7 割弱となっており、施錠無の乗り物が乗り物 盗の発生を誘発している側面が考えられる。また、図 6-1、図 6-2 からは、交番・駐在所 のすぐ側でも多く乗り物盗が発生していることが見てとれる。これは、施錠無の場合など 極めて短時間での犯行が可能で、かつ、証拠も残りにくいため、交番・駐在所のすぐ側で この地域 が再編実 施地域 この地域 が再編実 施地域

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14 あっても多く発生していると考えられる。 鹿児島県警察本部の交番・駐在所再編計画は平成 24 年から始まり平成 31 年までの間 に段階的に進めていくもので、今回見た交番・駐在所の再編地域は、この期間の中でも初 期の段階であり、まずはもともと犯罪発生率が低いところを選んで統廃合を進めていると 推察される。 もっと段階が進んだときの状況を観察することができれば、より精緻な分析ができると 思われる。 図6-1 再編前の犯罪発生地点(市街地) 図6-2 再編後の犯罪発生地点(市街地) 謝辞 本稿の執筆にあたり、福井秀夫教授(プログラムディレクター、副査)、西脇雅人助教 授(主査)、安藤至大客員准教授(副査)、三井康壽客員教授(副査)から丁寧かつ熱心 なご指導をいただいたほか、まちづくりプログラム及び知財プログラムの関係教員、学生

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15 の皆様からは研究全般に関する多くの貴重なご意見をいただきました。ここに感謝の意を 表します。また、政策研究大学院大学にて研究の機会を与えていただいた派遣元に感謝申 し上げるとともに、研究生活を全面的に支えてくれた家族に改めて感謝します。 なお、本稿における見解及び内容に関する誤り等については、全て筆者に帰属します。 また、本稿は筆者の個人的な見解を示したものであり、所属機関の見解を示すものではな いことを申し添えます。

参考文献

・大竹文雄、小原美紀(2010)「失業率と犯罪発生率の関係:時系列および都道府県別パネ ル分析」日本経済研究No.40、40-65 ・沓澤隆司、山鹿久木、水谷徳子、大竹文雄(2007)「犯罪発生の地理的要因と地価への影 響に関する分析」日本経済研究No.56、70-91 ・警察庁(2003)「緊急治安対策プログラム」 ・鹿児島県警察本部(2011)「鹿児島県警察における地域警察の体制強化に向けた再編整備 基本計画」 ・鹿児島県警察本部(2012)「鹿児島県警察における地域警察の体制強化に向けた再編整備 実施計画」 ・スティーブン・D・レヴィット、スティーブン・J・ダブナー著 望月衛訳(2009)『ヤバ い経済学(第6刷)』東洋経済新報社 ・ロジャー・ミラー、ダニエル・ベンジャミン、ダグラス・ノース著 赤羽隆夫訳(2006) 『経済学で現代社会を読む(第12 刷)』日本経済新聞社 ・福井秀夫著(2007)『ケースからはじめよう 法と経済学』日本評論社

・Gary S. BECKER(1968) ”Crime and Punishment: An Economic Approach” Journal of Political Economy, March/April, 169-217

・Steven D. LEVITT(1997) “Using Electoral Cycles in Police Hiring to Estimate the Effect of Police on Crime” The American Economic Review, Volume87, Issue3, 270-290

・Steven D. LEVITT(2002) “Using Electoral Cycles in Police Hiring to Estimate the Effect of Police on Crime:Reply“ The American Economic Review, Volume92, No.4, 1244-1250

・Steven D. LEVITT(2004) “Understanding Why Crime Fell in the 1990s: Four Factors that Explain the Decline and Six that Do Not” Journal of Economic Perspectives, Volume18, No.1, 163-190

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付録:データの出典及び作成方法

データ 出典 犯罪認知件数 警察庁刑事局『犯罪統計』の刑法犯総数(交通業過を除く) の認知件数を利用した。 犯罪検挙率 上記犯罪認知件数と警察庁刑事局『犯罪統計』の刑法犯総数 (交通業過を除く)の検挙件数を利用し、犯罪検挙件数/犯 罪認知件数で算出した。 警察署・交番・駐在 所数 警察庁長官官房『業務資料(平成 21 年までは警察白書,都道 府県業務資料)』を利用した。 人口総数 総務省統計局『国勢調査』、『人口推計』の人口を利用し た。 人口密度 総務省統計局『国勢調査』、国土交通省国土地理院『全国都 道府県市区町村別面積調』の総面積、農林水産省大臣官房 『世界農林業センサス林業地域調査』の林野面積、主要湖沼 面積を利用し算出された可住地面積と上記人口総数を利用 し、人口総数/可住地面積で算出した。(1km2当たり(人 )) 昼夜人口比率 総務省統計局『国勢調査』従業地・通学地集計結果の昼間人 口と上記人口総数を利用し、昼間人口/人口総数で算出し た。 外国人人口 総務省統計局『国勢調査』外国人人口と上記人口総数を利用 し、外国人人口/人口総数で算出した。(人口 10 万人当たり ) 就業・通学していな い人口 総務省統計局『国勢調査』従業地・通学地集計での従業も通 学もしていない人口を利用した。 離婚率 厚生労働省大臣官房『人口動態調査』離婚件数と上記人口総 数を利用し、離婚件数/人口総数で算出した。(人口千人当 たり) 完全失業率 総務省統計局『国勢調査』完全失業者と労働力人口を利用 し、完全失業者数/労働力人口で算出した。 生活保護率 厚生労働省大臣官房『福祉行政報告例-社会福祉行政業務報告-』現に保護を受けた人員と保護停止中の人員を足したものと 上記人口総数を利用し、生活保護被保護実人員/人口総数で 算出した。(月平均人口千人当たり) 県民所得 内閣府経済社会総合研究所『県民経済計算』の1人当たり県 民所得を利用した。(千円) 空き家数 総務省統計局『住宅・土地統計調査』を利用した。

参照

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