• 検索結果がありません。

粘土の残留強度発現機構に関する基礎的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "粘土の残留強度発現機構に関する基礎的研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)III-A051. 粘土の残留強度発現機構に関する基礎的研究 -固体表面間の潤滑状態と摩擦の起因- 岩手大学工学部. 正会員. 大河原正文. 北海道大学大学院 フ ェ ロー 三田地利之 北海道大学大学院 正会員. 金子勝比古. 1.はじめに 残留強度と は, “排水せん断ある いは定圧せん断試験において,せん断抵抗がピーク 値(せん断強さ )を 超 え ,漸次低下し て定常状態に達し たと き の値”と 定義さ れており. 1). ,移動距離の大きい地すべり 面でのせん. 断強さ に 相当する と 考え ら れている 。せん断面は大変位を 経験し ている ため,面を構成し ている 平板状ある いは鱗片状の粘土粒子はせん断面に 沿っ て配向し ,地すべり のすべり 面においても 粒子配向を 示す鏡肌が広 く 認めら れている 。ゆえ に残留状態における せん断と は,せん断面を境にし た粘土粒子表面間ある いは粘土 粒子-水と の摩擦現象と 理解さ れる が,その発現機構の解明に 取り 組んだ研究 2)は極めて少ない。そこ で本 研究では,摩擦・潤滑およ び摩耗の分野を 一括し ている ト ラ イ ボロジーから 粘土の残留強度の発現機構に関 わる 概念を整理し た。. 擦力 F の比を摩擦係数μ(=F/W)と し ている 。摩擦係数は,見 かけの接触面積に は関係し ないも のであり ,摩擦を 発現し ている. μ:摩擦係数 摩擦力(F). 2.摩擦係数とせん断抵抗係数 ア モン ト ン ・ク ーロン の摩擦法則では,垂直荷重 W に 対する 摩. F = Wμ. μ 1. 固体の表面状態と その種類に 関係する 。図1 に 摩擦係数μと せん 断抵抗係数 tanφと の関係を 示す。残留状態に おける せん断抵抗係. 荷重(W). 破壊面上に 作用する 有効垂直応力σ´のみに 依存する せん断抵抗 を 表す材料定数であり ,Hvorslev の破壊基準に おける tanφe に 相 当する 3)。こ のよ う に残留状態に おける せん断抵抗係数 tanφr は, 排水条件に よ ら ない真の強度定数であり ,応力履歴に 依存し ない と 仮定さ れる こ と から ,せん断抵抗係数 tanφr と 摩擦係数μは等. せん断応力(τ). 数 tanφr は,間隙比一定のも と(体積変化ΔV≒0 )で,破壊時に tanφ r :せ ん 断 抵 抗係 数 τr =σtanφr t anφr. 1. 価と 考え る 。 垂直応力(σ). 図1. 摩擦係数とせん断抵抗係数. 3.ストライベック曲線と各潤滑状態における摩擦の起因 ト ラ イ ボロジーでは,固体表面間の潤滑状態をス ト ラ イ ベッ ク 曲線と 呼ばれる 特性曲線に よ り 3 領域(「流 体潤滑」 , 「混合潤滑」, 「境界潤滑」)に 区分し ている (図2 )。粘土の残留状態を想定し た場合,せん断面で の潤滑状態は,水を 流体膜と し た「流体潤滑」 , 「混合潤滑」 , 「境界潤滑」のいずれかの状態に ある と 考え ら れる こ と から ,それぞれの潤滑状態に相応し た残留強度を 発現し ている も のと 考え る 。 「流体潤滑」では,せん断面は流体膜で完全に分離さ れ,こ こ での摩擦は流体膜の粘性ま たは粘弾性に よ っ て決ま る 。流体の粘性に は,ニュ ート ン 粘性(τ=ηV )と 非ニュ ート ン 粘性がある が,残留強度(τr)と せん断速度(V)と は対数比例を 示すこ と が知ら れており. 4). ,こ のこ と はせん断面間の流体膜が非ニュ ート ン. 粘性(ア イ リ ン グ粘性)である こ と を 示し ている 。 キーワード:残留強度,摩擦,ト ラ イ ボロジー 連 絡 先:〒020-8551 岩手県盛岡市上田 4-3-5 岩手大学工学部建設環境工学科 Tel/Fax 019-621-6445. -102-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) III-A051. 境界潤滑 混合潤滑. 「混合潤滑」では,「流体潤滑」と 「境界潤滑」が混. 流体潤滑. 合潤滑に 特有の摩擦現象と し て 表面の凹凸のかみ合 いが生じ ている と 考え ら れる 。かみ合い機構には「凹 凸説」 , 「凝着説」, 「掘り 起こ し 説」の3 説がある(図. 摩擦係数(μ). 在し ている 状態で,互いの表面が接近し ている ため混. 3 )。 「凹凸説」と は,1 つの突起が相手の突起や斜面 を 滑り 上がる 時に 要する 力の摩擦方向成分を 摩擦力. 粘度×速度. ゾンマーフェルト数. と する 説で,接触部の摩擦はないも のと する 。「凝着. 荷重. ストライベック曲線. 説」と は,接触し た突起間に作用する 凝着力に逆ら っ て突起を 摩擦方向に動かし て,接触部を せん断する の に 要する 力を 摩擦力と する 考え 方である 。「掘り 起こ. 荷重. 荷重. 荷重. し 説」と は,硬い突起が柔ら かい材料を 引っ 掻いて進 むのに要する 力を 摩擦力と する 考え である 。粘土の残. 固体1. 留状態を 想定し た場合,こ れら 3 説は独立し たも ので はなく ,一連のすべり 摩擦プロセス の各段階における 摩擦の起因と し て考え る べきも のである 。. 固体2. 境界潤滑. 混合潤滑. h→0. h~R. 「境界潤滑」では,流体膜の厚さ が数分子層以下と 非 常に 薄く なり ,一部では凸部同士の固体接触も 起き て いる 。こ こ での摩擦は,粘土鉱物と 水と の界面電気化. 流体膜. h. 流体潤滑. h≫R. h:流体膜の厚さ,R:表面粗さ. 各潤滑状態に対する摩擦形態. 図2.ストライベック曲線と潤滑状態. 学的作用が摩擦の主な原因と 考え る 。すなわち ,①静 電力,②粒子全体に作用する 分子間力,③水和力,に W. 起因し た相互作用である 。. F FTi. 4.まとめ 粘土の残留強度の発現機構を ,ト ラ イ ボロジーから. θ Fi. 面の潤滑状態に応じ て整理する と 次のよ う である 。 ①流体潤滑:流体膜の粘着作用(非ニュ ート ン 粘性) ②混合潤滑:①,②の混在,表面凹凸の「かみ合い 機構」が作用. Wi FTi =Wi・sinθ. F Ti =Fi・cos θ. Fi=W i・tanθ. ③境界潤滑:粘土鉱物の界面電気化学的性質に よ る. F=ΣWi・tanθ=tanθΣWi=W・tanθ. 凹凸説. 固体- 流体膜間の相互作用 一部,表面凸部同士の固体接触に よ る 凝着作用 <参考文献> 1)土質工学標準用語集,地盤工学会,1996.. 凝着説. 2)大河原・三田地・棚田:粘性土の残留強度発現機構に 関する 基礎 的研究,第 34 回地盤工学研究発表会発表講演集,pp.463464,1999. 3)三田地・九田・大河原:全自動繰り 返し 一面せん断試験装置の開. 掘り起こし説. 発と 安定解析用強度パラ メ ータ の決定,第 39 回日本地すべり 学会研究発表会講演集,pp.265-268,2000. 4)鈴木素之:リ ン グせん断試験に よ る 土の残留強度に 関する 研究,. 図3. 表面凹凸のかみ合い機構. 信州大学博士論文,1998.. -103-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(3)

参照

関連したドキュメント

キーブロック状の粘土帯が変形する(せり出す)ことで押し

 本報告は,これまでの成果3)4)に基づき,強度異 方性をせん断低抗角φ

 圧密後のドレーンの細粒分含有率を図‑6 に示す.砕石 屑粗粒ドレーンの場合,細粒分は高い値を示し,多量の

また,有明粘土の場合,添加量の増加につれて透水係数が小さくな ることがわかった.マサ土の透水係数が有明粘土と比べ常に大きい

まとめ 本研究で得られた結果をまとめると以下のようである。

1.はじめに

5% とな るよう供試体を作成した。なお,供試体の密度などの不

○ 普段の環境との違いなどから、粘土に触 れる事へ抵抗を示す幼児へは、少しでも触