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地盤改良土の透水性に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)

試 験 項 目 マサ土 有明粘土 黒ぼく 土粒子の密度 g/cm3 2.609 2.526 2.473

自然含水比 9.9 187.2 115.6 礫分 0.0 0.0 0.0 砂分 49.9 0.9 1.8 シルト分 35.3 26.2 28.8

粘土分 14.8 72.9 55.5

工学的分類 SF MH VH2

最適含水比 15.56 52.78 最大乾燥密度 g/cm3 1.907 0.862

表-1 試料土の物理特性

地盤改良土の透水性に関する研究

東和大学工学部 正員 ○吉住 和翁 正員 川副 嘉久 正員 新垣 達也 1.はじめに

軟弱地盤の対策工法の一つである安定処理工法は,重要構造物の基礎部,道路部の路床・路盤の改良,アース ダムのコアなどの改良まで幅広く用いられている.その改良方法は,セメント・石灰などの固化材を軟弱地盤中 の浅層・或いは深層部に添加混合することによって地盤の強度を得ようとするものである.建設業界においては,

一般的に安定処理を行うと強度は増加し,透水性が低下すると考えられている.そのため安定処理による圧縮強 度に関する研究がほとんどで,透水性に関する報告が少なく未解明な部分が多い.

そこで,本研究では九州地方に分布している特殊土(マサ土・有明粘土・黒ぼく)を対象に,固化材として普 通ポルトランドセメント及び高炉セメントの2種類の固化材を使用し,湿潤密度を変化させた地盤改良土の透水 性を透水試験により測定した.以上の結果より,地盤改良土の湿潤密度と透水性の関係について報告する.

2.実験概要

(1)試料土と固化材

試料土には,マサ土,有明粘土,黒ぼくの3種類 を用いた,これらは九州地方に分布している特殊土 である.表-1に試料土の物理特性を示す.固化材 として,普通ポルトランドセメントと高炉セメント を使用した.

(2)試験方法

試料土に固化材を添加し,供試体φ

5.0cm

×

H10cm

を作製した.なお,含水比は最適含水比まで調整し,試料土と固化材が均等に混ざるようにミキサーにて

3分間攪拌した.作製方法は,ソノモールドと呼ばれる容器に試料土を詰めて,圧入する方法を用いた.密度誤 差は±

0.03g/cm

3とし,目標湿潤密度を

1.6g/cm

3

1.7g/cm

3

1.8g/cm

3

1.9g/cm

3として締め固めた.材令は7 日間のみで短期密閉養生,供試体の水分の蒸発がないように高分子フィルムで密封し,ビニール袋に詰め養生し た.その後,透水試験により材令に達した供試体の透水係数を測定した.

3.試験結果及び考察

(1) 固化材の添加量と透水係数の関係

マサ土に固化材の添加量(試料土と固化材の重量比)を徐々に 増加させ添加量と密度および圧縮強度の関係を図-1に示す.な お,圧縮強度は一軸圧縮試験で測定した.

固化材を添加すると無添加に比べ添加量

10%

では,約3倍の圧 縮強度を得ていることがわかる.これは,供試体を高分子フィル ムで密封しているので,水和反応に必要な水分が確保されるため 圧縮強度が増加したと考えられる.しかしながら,添加量増加と ともに湿潤密度が低下していることが確認できる.

次に,マサ土と有明粘土について固化材の添加量と透水係数の関係を調べた(図-2).マサ土の場合,試料土 に固化材を添加すると,添加量5%をピークに透水係数がわずか減少していることが確認できる.しかし,添加 量をいくら増加させても無添加ほどの透水係数まで回復することはなかった.これは,密度の減少が大きな影響 を及ぼしていることが考えられる.固化材が細粒子や間隙水と反応を起こしたことにより,間隙が大きくなった

キーワード:地盤改良 透水

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TEL

(092)541-1512

1.3 1.5 1.7 1.9 2.1 2.3 2.5

0.0 3.0 5.0 7.0 10.0

添加量 (%) 密度

(g/c

3m)

0 100 200 300 400 500 600

圧縮 強度 (kN /m

2) 密度

強度

図-1 添加量と密度と圧縮強度の関係(マサ土) 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑47‑

III‑024

(2)

ため密度が低下し,透水係数が無添加より増加したものと思われる.

また,有明粘土の場合,添加量の増加につれて透水係数が小さくな ることがわかった.マサ土の透水係数が有明粘土と比べ常に大きい 値を示す.これは,試料土の粒度組成に違いがあるためと考えられ る.マサ土は,粗粒分と細粒分がともに

50%

の粒度組成で,粘土分 が約

15%

のである.有明粘土は,大半が細粒分で粘土分は約

73%

を占めている.粘土分が多いと含水量が増加し,土粒子がセメント 粒子とより強く結合して,供試体の密度が大きくなるため透水係数 が小さくなったと考えられる.また,マサ土は砂分が

50%

を越える ことから,水酸カルシウムと土粒子の間でのポゾラン反応が起こり にくくなったと考えられる.このことから間隙が大きくなり透水係 数に差が生じたと考える.

以上のことから,土によっては,圧縮強度が大きいと透水係数は小さくなると考えられていたが,本研究では 透水係数も大きくなることがわかり,遮水を目的とする場合,強度管理だけでは危険であることが考えられる.

(2) 湿潤密度と透水係数の関係

添加量

5%

でのマサ土を湿潤密度

1.6g/cm

3

1.7g/cm

3

1.8g/cm

3

1.9g/cm

3の場合で,湿潤密度と透水係数の関係を調べた.その結果

を図-3に示す.固化材は,普通ポルトランドセメントと高炉セメ ントを使用した.

試料土に固化材を添加した場合,普通ポルトランドセメントと高 炉セメント共に透水係数がほぼ同じ値を示した.また,湿潤密度を 増加させると透水係数が小さくなっている.しかし,固化材を添加 すると湿潤密度が増加しても無添加のときより透水係数が大きくな った.

次に,試料土を比較してみると(図-4),黒ぼくは固化材に関 係なく透水係数が小さいことがわかる.これは,他の試料土より細 粒子が多いため,含水量が増加し,土粒子が結合され供試体の密度 が密になったためと考えられる.

以上のことより,湿潤密度を増加させると透水係数は小さくなる が,マサ土のように砂分の多い土に固化材を添加すると,無添加よ り透水係数が大きくなることがわかる.

4.まとめ

一般的に軟弱地盤に固化材を添加すると強度は増加し,透水係数

は減少すると考えられる.しかし,今回の研究に使用したマサ土の場合,普通ポルトランドセメント,高炉セメ ントを添加すると,透水係数が増加するため遮水については期待できないことがわかった.また,有明粘土や黒 ぼくのような細粒子が多い試料土の場合,密度増加により急激に透水係数が小さくなることから,遮水を目的と した場合,細粒子が多い土の方が適していると考えられる.

一方,試料土によっては,固化材増加に比例して圧縮強度が増加したのに対し,密度減少により透水係数が大 きくなる結果を得た.このことから密度管理も重要だと考えられる.

しかし,まだ未解明な部分が多いので研究を継続していく必要がある.現在も各種の地盤改良土の透水性つい て研究中である.その報告は次回にしたいと考える.

<参考文献>

・ 吉住和翁,川副嘉久,新垣達也:地盤改良土の湿潤密度と透水性に関する研究,東和大学紀要第

27

号,

p29

33

2001

1.00E-8 1.00E-6 1.00E-4 1.00E-2

0.0 3.0 5.0 7.0 10.0 15.0

添加量 (%) 透水

係数 (cm /s)

マサ土 有明粘土

図-2 添加量と透水係数の関係

1.00E-6 1.00E-5 1.00E-4 1.00E-3 1.00E-2

1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

湿潤密度 (g/cm3) 透水

係数 (m /s)

無添加

普通ポルトランドセメント 高炉セメント

図-3 湿潤密度と透水係数の関係(マサ土)

1.00E-6 1.00E-5 1.00E-4 1.00E-3 1.00E-2

1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

湿潤密度 (g/cm3) 透水

係数 (m /s)

普通ポルトランド(マサ土)

高炉セメント(マサ土)

普通ポルトランド(黒ぼく)

高炉セメント(黒ぼく)

図-4 マサ土と黒ぼくの比較 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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参照

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