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再滑動型地すべりにおけるせん断帯の構造と土質特性に関する研究 : 高純度粘土鉱物リングせん断試験との対比

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5. リングせん断試験結果の解釈と安定解析への適用

図5. 1 は,第5章で取り扱ったすべり面粘土の採取位置図である.採取した地すべり 地は 48 カ所であり,サンプル数は 112 試料である.安定解析の逆算値との対比を行う ために,採取地すべり地は,すべり面形が確定していること,安全率Fs=1.0 すなわち 再滑動時において,すべり出す直前の水位が捉えられていることを原則としたが,観測期 間中にすべり面の変位が計測されなかった地すべり地が 9 カ所(このうち 4 カ所が変成 岩分布域)あり,この場合はボ-リングコアと地下水検層および集水井で確認したすべり 面などから最も確からしいすべり面形を推定し,安定解析における採用水位は観測期間中 の最高水位または,予想される超過確率水位時をFs=1.0とした. なお,安定解析に使用した解析式は1カ所(フェレニウス法)を除き,すべて一搬ヤン ブ法である. 地すべり地の地質は新第三系・新第三系の温泉変質岩・古第三系・変成岩類(蛇紋岩を含 む)である. 図5. 1 すべり面粘土を採取した地すべり地の位置図 日本地質図は日本列島の地質(1996)102)から引用

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5. 1 現位置で採取したすべり面粘土のリングせん断特性

図5. 2 は集水井掘削中に採取された112のすべり面粘土を用いて,リングせん断試験 ’ . を行ったデータを塑性指数Ipと残留内部摩擦角φr の散布図にプロットしたものである 新第三系から変成岩までのすべてのデータを含んでいるため,相関係数はr= 0.568 と かろうじて相関ありと判断される程度であるが,上限と下限ラインは明瞭である. ’ 図5. 2 現位置で採取したすべり面粘土(全ての地質)の塑性指数Ipとφr 塑性指数に注目して全体を見ると ① 結晶片岩類と緑色岩類および古第三系泥岩を母岩とするすべり面粘土の塑性指数は 小さいこと ② 新第三系の泥岩および凝灰岩のすべり面粘土は,塑性指数に幅はあるが,大きな値 を示すこと ③ その他の新第三系のすべり面粘土は①と②の中間に位置すること が特徴であり,すべり面粘土の母岩となった地質を反映していることが読みとれる. そこで,今回実験を行った高純度粘土鉱物 CS シリーズとMIシリーズに対応するすべ り面粘土との対比を行うために,変成岩類,第三系堆積岩類(泥岩・凝灰岩)およびその 他の第三系を個別に取り出して検討を加える. 0 5 10 15 20 25 30 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φ r’(゚ ) 古第三系泥岩 新第三系泥岩 新第三系凝灰岩 新第三系凝灰角礫岩 新第三系凝灰質砂岩 泥質片岩 塩基性片岩 緑色岩類(御荷鉾) 新第三系変質火山岩類 蛇紋岩 上限ライン 下限ライン

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5. 1. 1 変成岩類を母岩とするすべり面粘土のリングせん断特性 図5. 3 は変成岩類すべり面粘土のIpとφr’の相関図である.矢田部ら(1991)34)も 指摘するように,相関はほとんど見られない(r=0.207).図にはクロライト・セリサイ ト(CS シリーズ)系列の試験データもプロットしてあるが,試験値は緑色岩類とほぼ同 じ値を示し,全体としては下限値を与えているようである.詳細に検討を加えると,片岩 類では塩基性片岩の方が泥質片岩に比べてやや高いφr’を示しているが,これはクロラ イトのφr’がセリサイトよりやや高い値を示す高純度粘土鉱物の試験結果と一致してい る. 泥質片岩の中には塩基性片岩とほぼ同じ値を示すデータもあり,これらのすべり面粘土 ではクロライトを多く含んでいると推定される. 変成岩類はIpにして15~35という非常に狭い範囲に集中しているが,これは明らか にクロライトとセリサイトに規制された値である. 図5. 3 変成岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ 変成岩類のすべり面粘土が試験値より大きなφr’を示すのは,リングせん断試験用に 調整した試料においても,多い試料では細砂を17%も含んでいるのが原因である. 図5. 4 にリングせん断試験用に調整した変成岩類起源すべり面粘土試料の粘土含有率 0 5 10 15 20 25 30 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φr ’ (゚ ) 泥質片岩 塩基性片岩 緑色岩類 蛇紋岩 クロライト・セリサイト系列 試験データ

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( μ以下)とφr’との散布図を示す.粘土含有率が増加するにつれてφr’が低下する傾5 向はあるが,相関係数はr=0.533を示し,相関があるともないともいえない. 高純度粘土鉱物試料の粘土含有率が低いにも関わらず,小さなφr’を示すことでもわ かるように,粒度のみが影響するのではなく,変成岩類のすべり面粘土に含まれるその他 の鉱物,例えば石英や角閃石の影響もあると考えられる. 図5. 4 リングせん断用に粒度調整した変成岩類起源すべり面粘土の粘土含有率とφr’ 5. 1. 2 第三系堆積岩類(泥岩・凝灰岩) 図5. 5 は古第三系の泥岩を含む第三系泥岩のすべり面粘土塑性指数Ipとφr’の関係を 示す.古第三系にはイライトが含まれ,新第三系の泥岩にはモンモリロナイトが含まれて いる.Ipとφr’の相関は次式に示すように高い値を示す. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr’

22.404 e

-0.0114 5.1 =0.894 相関係数r Ip :第三系泥岩起源すべり面粘土の塑性指数 図5. 5 にはモンモリロナイト・イライト系列(MIシリーズ)の試験データも示すが, すべり面粘土との対応は明らかである.したがって,モンモリロナイトとイライトを主体 とするすべり面粘土は,モンモリロナイトの含有率に大きく影響を受けていることがわか 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 5μ以下粘土含有率(%) φr ’(゚ ) 結晶片岩 御荷鉾緑色岩類 CSシリーズ(試験値)

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る. 図5. 5 古第三系の泥岩を含む第三系泥岩起源のすべり面粘土塑性指数Ipとφr’ 図5. 6 は新第三系の凝灰岩を含めたすべり面粘土塑性指数Ipとφr’の散布図である. 図5. 6 第三系の泥岩・凝灰岩起源すべり面粘土塑性指数Ipとφr’ φr’ = 19.834e-0.0102 r = 0.783 0 5 10 15 20 25 10 100 1000 塑性指数 Ip φr ’(゚ ) 新第三系凝灰岩 新第三系泥岩 古第三系泥岩 モンモリロナイト・イライト系列 モンモリ ロナイト M100 M75I25 M50I50 M25I75 I100 イライト M10I90 M50~M100 の平均値 φr'=3.82゚ φr’= 22.404e-0.0114 (r = 0.894) 0 5 10 15 20 25 0 50 100 150 200 250 300 350 400 塑性指数 Ip φ r’(゚ ) 新第三系泥岩 古第三系泥岩 MI シリーズ試験値 M50I50 M25I75 M10I90 I100

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シリーズのすべての試験値をプロットするため対数表示となっている.相関係数は MI 低下するが,新第三系の凝灰岩を含めても相関は認められる. とφr’の相関式を次式に示す. Ip ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr’

19.834

-0.0102 5.2 r=0.783 相関係数 Ip :第三系泥岩と新第三系凝灰岩起源のすべり面粘土塑性指数 新第三系の凝灰岩はモンモリロナイトを含むタイプと,モンモリロナイトより残留強度 の高い(φr’=13゚)カオリナイトを含むタイプがあるため,バラツキがある. ) 5. 1. 3 その他の第三系(凝灰角礫岩,凝灰質砂岩,変質火山岩 (1)新第三系凝灰角礫岩起源すべり面粘土 図5. 7 は新第三系凝灰角礫岩起源すべり面粘土のIpとφr’の相関図である.図から明 らかなように,相関はほとんど見られない.粘土分含有率との相関もないので,粘土鉱物 も含むが,斜長石と石英を有意に含有していることが影響していると思われる. 図5. 7 新第三系凝灰角礫岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ (2)新第三系凝灰質砂岩起源すべり面粘土 0 5 10 15 20 25 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φr ’( ゚) 新第三系凝灰角礫岩

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図5. 8 に新第三系の凝灰質砂岩起源すべり面粘土の塑性指数とφr’の散布図を示す. 図5. 8 新第三系凝灰質砂岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ , ’ , 一応相関は認められるが 塑性指数の小さい領域では大きなφr が得られる式となり あまり現実的ではない.塑性指数の幅が30~60と狭いための影響である. 凝灰角礫岩および凝灰質砂岩は広い意味では砂岩・礫岩の部類に含まれるため,粘土鉱 物の特性よりは,粒子として含まれる石英や長石の影響が大きいと考えられる. そこで,細砂含有率との相関を検討してみる. 図5. 9 には凝灰角礫岩と凝灰質砂岩起源すべり面粘土の細砂含有率とφr’の散布図を 示す.相関係数は有意に高い値を示し,すべり面のせん断強度は細砂以上の粒径に支配さ れていることが予想される. 相関式は以下のとおりである. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr’

3.447

0.516 5.3 r=0.842 相関係数 :凝灰角礫岩と凝灰質砂岩起源すべり面粘土の細砂含有率(%) なお,すべての試料を粒度分析してはいないので,データ数は若干少なくなっている. φr’= 63.769e-0.0405 r = 0.668 0 5 10 15 20 25 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φ r’(゚ ) 新第三系凝灰質砂岩類

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図5. 9 凝灰角礫岩および凝灰質砂岩類起源すべり面粘土の細砂含有率とφr’ (3)新第三系変質火山岩類起源すべり面粘土 図5. 10 は新第三系変質火山岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’の散布図であ る.データ数が少なく,相関は明瞭とは言えない(相関係数r=0.484)が,凝灰角礫岩 や凝灰質砂岩とは異なり,細砂含有率は 4 ~ 6 %(変質流紋岩のデータはない)とほと んど差がないので,粘土鉱物にせん断強度が支配されている傾向がある. 粘土鉱物分析試料は1例のみであるが,φr’の小さい試料では,モンモリロナイトが 有意に含まれている. 図5. 11 は第三系全体のすべり面粘土塑性指数とφr’の関係を示した図である.泥岩 ・凝灰岩および変質火山岩類の影響を受けて相関は一応認められる.得られた式は以下の とおりである. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr’

18.46

-0.0098 5.4 r=0.783 相関係数 Ip :第三系起源のすべり面粘土塑性指数 φr’ = 3.4470.5157 r = 0.842 0 5 10 15 20 25 0 20 40 60 80 100 細砂含有率(%) φ r’(゚ ) 新第三系凝灰角礫岩 新第三系凝灰質砂岩

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図5. 10 新第三系変質火山岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ 図5. 11 第三系起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ φr’ = 18.46e-0.0098 (r = 0.629) 0 5 10 15 20 25 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φ r’(゚ ) 全ての第三系 0 5 10 15 20 25 0 50 100 150 200 塑性指数 Ip φ r’(゚ ) 新第三系変質火山岩類

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5. 1. 4 粘土含有率(CF)と残留内部摩擦角(φr’) 塑性指数と残留内部摩擦角の検討は既に行ったが,粘土含有量とφr’の相関を指摘す る文献も多いので以下に検討を行う. 矢田部ら(1991)34)は四国の変成岩類および中古生層を起源とする地すべり粘土の粘 土含有率(CF)とφ'およびφr’ との相関はないとしている.矢田 部らのサンプルに含まれる粘土鉱 物はセリサイト・クロライトが主 体であり,粘土含有率が少なく, スメクタイトは含まれていないの ( ). が影響している 図5. 12 参照 ’ ’ ( ) 図5. 12 粘土含有率とφ およびφr との相関 矢田部ほか(1991)34) 一方 Skempton 1985( )64)は,野外の実測(繰り返し一面せん断試験)と室内におけ る砂・カオリナイト・ベントナイトのリングせん断試験でφr’を求め,CF との相関図を 作成し (図, 5. 13 参照)CFが20%以下の場合,φr’は砂とシルトに支配されるとして いる.CF が 50 %を越えるとφr’は粘土鉱物のせん断特性に依存すると結論している. 図5. 13 CFと野外および粘土鉱物の室内リングせん断試験φr’との相関 (Skempton(1985)64))

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第2章の2.3.2において,これまでの国外のデータをまとめてCFとφr’の相関図を作 成した(図5. 14 参照)が,Collotta 1989( )69)のデータを除けば,あまり相関がない ことを述べた. ( ) の とφr’ データ(図5. 13 参照)は大変きれいな相関が Skempton 1985 64) CF の あるが,活性度 A Ip/CF( )が,0.4 ~ 0.9 の粘性土であり,非活性粘土(0.75 以下) . , ( ) を主体とした粘性土である したがって モンモリロナイト多く含む活性粘土 A>1.25 では,粘土サイズ前後の分散が困難となり,CF の値に誤差を生じるため,相関が取れな い可能性がある. 図5. 14 自然土(natural soil)のφr'とCFとの関係(再掲) 図5. 15 以降に本研究で用いたすべり面粘土をリングせん断試験用に篩い分けした後 の試料におけるCFとφr’の相関図を示す.したがって,すべり面粘土そのもののCFで はないことに注意. ( )全ての地質を起源とするすべり面粘土1 とφr' は相関係数r を示し,全く相関がない(図 参照 . CF =0.378 5. 15 )

Kenny,T.C.(1967), Lupini,J.F.(1981), Mesri,G.(1986), Collotta,T.(1989) :自然土のデータ

0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 20 40 60 80 100 粘土含有率 CF(%) 残留内 部摩擦 角 φr ’ ( ゚) Kenny モンモリロナイト系自然土 Kenny 雲母系自然土 Lupini のデータ Lupini ハピスブルグとロンドン粘 土の混合 Mesri 自然土 Collotta イタリアの自然土

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図5. 15 全ての地質起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.378) ( )変成岩類を起源とするすべり面粘土2 変成岩類を起源とするすべり面粘土は.塑性指数との相関では相関係数r=0.207 であ るが,粘土含有率との相関係数はr=0.426 となり,もちろん相関は認められないが,塑 性指数との相関係数より値が大きくなる. 図5. 16 変成岩類起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.428) 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 粘土(2μ以下)含有率(%) φr ’(゚ ) 古第三系泥岩 新第三系泥岩 新第三系凝灰岩 新第三系凝灰角礫岩 新第三系凝灰質砂岩 泥質片岩 塩基性片岩 緑色岩類(御荷鉾) 新第三系変質火山岩類 y = 22.23e-0.0129x r = 0.428 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 粘土(2μ)含有率(%) φr ’(゚ ) 泥質片岩 塩基性片岩 緑色岩類 クロライト・セリサイト系列 試験データを除いた変 成岩全体の相関式 試験データ

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緑色岩類と片岩類を分離すると相関がありそうである.変成岩類は一部の緑色岩類が僅 かにモンモリロナイトを含有していることを除けば,モンモリロナイトは基本的に含まれ ていない.また,変成岩類起源すべり面粘土がCFとの相関傾向を示すのは,塑性指数で はデータの取りうる幅が限られている(Ip=15 ~ 35)のに対し,粘土含有率は約 60 % の幅があるため,相関傾向が現れやすいと解釈される. ( )第三系を起源とするすべり面粘土3 第三系全体と第三系泥岩起源のすべり面粘土の CF とφr' の相関係数はr=0.330 ~ を示し,相関は認められないが,新第三系の泥岩起源すべり面粘土の とφr' は 0.341 CF r=0.452を示しやや高い値を示す(図5. 18 参照 .) 図5. 17 第三系起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.330) 古第三系を除く第三系起源すべり面粘土はモンモリロナイトを含むため,粒度分析にお ける分散が難しいこと,モンモリロナイト・イライト混合試料のリングせん断試験で明ら かになったように,モンモリロナイト含有量が 30 %を越えると,モンモリロナイトその ものの残留強度を示すため,粘土含有量に関わらず,φr'=4 ゚ の値を示すこと.以上二 つの理由により相関が良くないと考えられる. 新第三系の凝灰岩はデータが少なく,傾向は判断できないが,相関係数はr=0.302 を 示し,相関はない(図5. 19 参照 .新第三系の泥岩と同じくモンモリロナイトを含むの) が原因である. 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 粘 土 ( 2 μ 以 下 ) 含 有 率 ( % ) φr ’ ( 第 三 系 全 体 ( 古 第 三 系 含 む )

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図5. 18 第三系泥岩起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.341) 図5. 19 新第三系凝灰岩起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.302) =0.734 CF 唯一相関が明瞭なデータ(相関係数r )は,新第三系凝灰質砂岩類起源の とφr’である(図5. 20 参照 .この理由は塑性指数との相関でも述べたように,凝灰質) 砂岩は広い意味では砂岩の部類に含まれるため,これを母岩とするすべり面粘土は,粘土 鉱物の特性よりは,粒子として含まれる石英や長石の影響が大きいためである. y = 20.699e-0.0202x r = 0.452 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 粘土(2μ以下)含有率(%) φr ’( ゚) 新第三系泥岩 古第三系泥岩 新第三系泥岩 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 粘土(2μ以下)含有率(%) φr ’(゚ ) 新第三系凝灰岩

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図5. 20 新第三系凝灰質砂岩類起源すべり面粘土の CFとφr'( 相関係数r=0.734)

φr'とf(CALIP)との関係(Collotta(1989) )

5. 1. 5 69)

第 2 章 2.3.2 において,Collotta 1989( )69) の提唱するf(CALIP)について述べ

-5

た 図. 5. 21 にCollottaの作成した図を再掲する なお f. , (CALIP)=CF ×WL×Ip×102

である.Collotta のデータは CF とφr'の相関が,元々高いのでf(CALIP)もきれいな 図5. 21 φr'とf(CALIP)との関係(Collotta(1989) )69) φr’ = 49.168e-0.035x r = 0.734 0 5 10 15 20 25 30 0 20 40 60 80 100 粘土(2μ以下)含有率(%) φr ’(゚ ) 新第三系凝灰質砂岩類

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相関を示すのが特徴であり.Collottaが述べているように実用的な相関図である. でも述べたように, は鮮新統の堆積岩を母岩とし,地すべりとは関係の 2.3.2 Collotta ない試料も用いているので,このようなデータが得られたものと考える. 図5. 22 は本研究で用いたデータで作成したf(CALIP)とφr' の散布図である. 図5. 22 φr'とf(CALIP)との関係(ただしCFは5μ以下粘土含有率) 新第三系の凝灰質砂岩を除けば,CF とφr'の相関はないので,f(CALIP)とφr'との 相関も凝灰質砂岩以外の相関は低い.しかしながら,新第三系以外の試料,つまり非モン モリロナイト系のデータで作成したf(CALIP)とφr'との相関は有意に相関傾向を示し ている. 以上の検討から,f(CALIP)とφr'が有意に相関を持つためには CF との相関が高い こと,試料にモンモリロナイトが含まれないことが重要なポイントである. 新第三系以外のデータ φr’ = 18.08e-0.0112x r = 0.552 0 5 10 15 20 25 30 0 50 100 150 200 250 300 350 400 CALIP(CF^2*LL*Ip)  ただしCF:5μ φr ’ 第三系凝灰岩 第三系泥岩 泥質片岩 塩基性片岩 緑色岩類 凝灰角礫岩 凝灰質砂岩 変質火山岩 古第三系泥岩 新第三系凝灰質砂岩のデータ    φr' =2.32e-0.0073         r=0.912

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5. 2 リングせん断試験結果の解釈と安定解析への適用

5. 2. 1 すべり面粘土とリングせん断試験用調整試料の粒度分布特性 山崎ほか(1994) (27) 1996)38)が指摘するように,実際のすべり面粘土とリングせん 断試験用に調整した試料の粒度構成は異なるため,せん断強度値は安定解析から求められ る逆算結果と一致しない例もある.特に変成岩類はすべり面粘土に礫も含まれるため,逆 算値とは大きく異なる. 図5. 23 変成岩類のすべり面粘土とリングせん断試験用調整試料の粒度分布 . 図5. 23 に変成岩類のすべり面粘土とリングせん断試験用調整試料の粒度分布を示す ○はリングせん断試験用の調整試料,□はすべり面粘土を示す.両者は明らかに細粒分に 違いがあり,未調整試料は細砂粒径以上の成分を泥質片岩起源のすべり面粘土(水のなる ・漆日浦)では 45 ~ 50 %,比較的細粒分の多い緑色岩類起源の御荷鉾帯すべり面粘土 (朝日根・風穴)においても20~35%含んでいる. 矢田部ら(1991)34)は残留強度に与える粒度の影響を調べ,砂の含有率が 30 %を越 えると影響が大きくなり,80 %を越えると砂のみの残留強度を示すことを明らかにして いる. 図5. 24 には新第三系と古第三系のすべり面粘土とリングせん断試験用調整試料の粒 変成岩類のすべり面粘土とリングせん断用調整試料の粒度特性 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 粒径 (mm) 通過質 量百分 率  (% ) 水のなる3-3(黒-26m) 水のなる3-3-R(黒-26m) 漆日浦No.3  (7m) 漆日浦No.3-R(7m) 朝日根No.4(5.28m) 朝日根No.4-R(5.28m) 風穴No.1-ND(-13m) 風穴No.1-R(-13m) 粘土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 水のなる 漆日浦 朝日根 風穴 風穴 朝日根 漆日浦 水のなる □:すべり面粘土試料 ○:リングせん断用   調整試料

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度分布を示す.新第三系では変成岩類に比較した場合,すべり面粘土と調整試料との差は 少なく,せん断特性に大きな影響を与える細砂粒径以上の成分は 10 %以下である.まれ にすべり面粘土試料に細砂以上粒径成分が 20 %程度含まれる試料もあるが,すべり面粘 土の上下に位置するせん断帯の粘土が多少混入したと思われる. 図5. 24 第三系泥岩・凝灰岩のすべり面粘土とリングせん断用調整試料の粒度分布 古第三系のデータは少ないが,天狗嶽の例ではすべり面粘土に含まれる細砂粒径成分 以上の値は33%であり,緑色岩類起源のすべり面粘土にほぼ相当する. 以上の粒度特性から,新第三系の泥岩・凝灰岩を母岩とするすべり面粘土に対しては, リングせん断試験から得られる残留強度の再現性は高いと推定されるが,その他の地質起 源のすべり面粘土の残留強度を求めるには,問題があるといえる. 5. 2. 2 第三系起源のすべり面粘土リングせん断試験結果の解釈 (1)泥岩・凝灰岩系列 図5. 25 は第三系の泥岩(古第三系を含む)と凝灰岩を母岩とするすべり面粘土のリ ングせん断試験結果から得られた残留内部摩擦角φr’と安定解析の逆算結果から得られ たφ'の散布図である. リングせん断試験結果と逆算値はほぼ一致しているが,原点を指定した回帰式(試験値 と逆算値が一致するラインに近い)よりは指定しない回帰式の方が相関が高い. 第三系すべり面粘土とリングせん断用調整試料の粒度特性 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 粒径 (mm) 通過 質量百分 率  (% ) 銅山川T-1  (-0.2m) 銅山川T-1-R(-0.2m) 狼沢No.3  (-35.5m) 狼沢No.3-R(-35.5m) 平山No.14  (-30.5m) 平山No.14-R(-30.5m) 天狗岳No.3-ND(-0.5m) 天狗岳No.3-R(-0.5m) 粘土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 平山すべり面 狼沢すべり面 銅山川すべり面 銅山川リング用 狼沢リング用 平山リング用 新第三系 □:すべり面粘土試料 ○:リングせん断用   調整試料 古第三系 △:すべり面粘土試料 ▲:リングせん断用   調整試料 古第三系泥岩 すべり面 古第三系泥岩   リング用

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なお,プロットしたデータは明らかに異常値と思われる 3 現場のデータ(牧ノ岳・川 谷・一里石)を除外している.これらの異常値はリングせん断試験値のφr’より逆算値 が10゚以上高く, ① 安定解析における現状安全率を高く見積もった ② 間隙水圧大きく取り過ぎた ③ 地すべり頭部のすべり面形を急角度で推定した 点のいずれかに問題があると推定される. 図5. 25 第三系泥岩・凝灰岩のリングせん断試験φr'と逆算結果φ’の比較 このように,第三系の泥岩・凝灰岩のリングせん断試験結果は逆算値の妥当性を検討す る際には,大変貴重な情報を与えることになり,先ほど掲げた①~③の問題点を検討する 判断材料となる. 最も相関の高い回帰式は以下のとおりである. y=0.729+3.991・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5.5) ここにy:リングせん断試験値のφr'から推定されるφ’(゚) :リングせん断試験値の残留内部摩擦角φr'(゚) =0.826 相関係数r 古第三系のすべり面粘土には粗粒径成分が多く含まれ,リングせん断試験値との整合性 リングせん断試験結果vs逆算解析結果[φ'の比較] y = 0.729 + 3.991 r = 0.826 y = 1.022 r = 0.743 0 5 10 15 20 25 30 35 0 5 10 15 20 25 30 35 リングせん断試験結果φr’(゚) 逆算解析結果 φ’ ( ゚) 新第三系凝灰岩 新第三系泥岩 古第三系泥岩 原点を(0,0)に指定した 回帰式

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には問題があると指摘したが,新第三系の泥岩・凝灰岩と同じ扱いで良い結果となってい . , , る 古第三系にはイライトが多く含まれており 高純度粘土鉱物のリングせん断試験では 4種類の中では最も高い残留強度値(φr'= 14.45 ゚)を示すので,たまたま同じ線形に のっていると考えられる. その他の第三系に対するリングせん断試験結果の解釈 (2) 図5. 26 その他の第三系のリングせん断試験φr'と逆算結果φ'の比較 図5. 26 は第三系の泥岩・凝灰岩起源のすべり面粘土を除く,その他の第三系すべり 面粘土試料のリングせん断試験試験結果から得られた残留内部摩擦角φr'と安定解析の逆 算結果から得られたφ’の散布図である. 安定解析から得られる逆算結果が正しいという前提において,リングせん断試験結果の φr'と逆算φ’の相関は認められず,これらの地質を起源とする地すべり粘土のリングせ ん断試験結果から,すべり面の残留せん断強度を推定することはできないように見える. その原因はいくつか考えられるので以下に列挙する. ① 凝灰角礫岩分布域の地すべりは,崩積土タイプの地すべりが多く,ある特定の層理 面をすべり面とする岩盤すべりは少ない.したがって,すべり面全面が同じせん断強 度を有する場合は少なく,安定解析の逆算結果から得られるφ’がすべり面せん断強 度の平均値を与えているため,試験結果と一致しない場合があると考えられる. リングせん断試験結果vs逆算解析結果[φ’の比較] 0 5 10 15 20 25 30 35 0 5 10 15 20 25 30 35 リングせん断試験結果φr’(゚) 逆算 解析結 果φ ’ ( ゚) 新第三系凝灰角礫岩 変質火山岩類 新第三系凝灰質砂岩

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② すべり面粘土が極めて薄く,その上下に細砂粒径以上の粗粒径成分を含むせん断帯 を有する地すべり(凝灰角礫岩・凝灰質砂岩起源の地すべり粘土)では,リングせん 断試験用に試料をサンプリングする際に,すべり面粘土以外のせん断帯粘土が混入す ることがある.したがって,実際のすべり面粘土とは粒度分布の異なる試料でリング せん断試験が行われるため,逆算φ’と異なる結果が得られると考えられる. 図5. 26 の例では,逆算値のφ’が10゚前後の値を示し,リングせん断試験値のφr' が 5 ~ 20 ゚の値を示す凝灰質砂岩起源のすべり面粘土は,すべて岩盤すべりである 「山ノ内」のサンプルであるが,前項の5.1.3において既に検討したように,すべり , . 面粘土に細砂分が増えるにつれて 試験値のφr'が大きくなっているのが明瞭である 「山ノ内」のすべり面粘土は,現地で多くの集水井で観察する限り,比較的均質で凝 灰岩質であるが,すべり面粘土の上下は細粒砂岩に相当するため,このような結果に なったと思われる. 凝灰岩や泥岩分布域ではすべり面の上下の粒度組成は基本的には変わらず,サンプ リングの際に,多少すべり面粘土以外のせん断帯粘土が混入しても,大きな影響を与 えないため,逆算値と試験値の対応が良いと考えられる. ③ 変質火山岩類は現場事例数が少なく,逆算値のφ’が20゚で試験値φr'が5~7゚の 値を示すデータは,蔵王温泉に位置する「トヤ沢」のデータである 「トヤ沢地すべ. り」は,過去の侵食谷に堆積した崩積土が温泉変質を受け,幅が 50m と狭い割には 斜面長が 350m と長い地すべりを形成しており,V 字谷に近い横断形をしている. したがって,側壁の抵抗が大きく現れるので,すべり面のせん断強度は実際には小さ いにも関わらず,逆算値では見掛のφ’が大きく現れる地すべりである(真弓・熊井 (1999) )と考えられている.試験値は正しいのに,逆算値が正しく現れない例で61) ある. 以上の検討から,第三系の泥岩・凝灰岩以外の地質分布域のリンせん断試験結果は,個 別に検討を加えれば,逆算値との食い違いが解明され,より正しい試験値の評価ができる ので,これらの地域においてもすべり面粘土のリングせん断試験は,安定解析や地すべり 機構の解明に重要な情報を与えるものである.

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5. 2. 3 変成岩起源のすべり面粘土リングせん断試験結果の解釈 図5. 27 は変成岩類起源のすべり面粘土試料リングせん断試験試験結果から得られた 残留内部摩擦角φr'と安定解析の逆算結果から得られたφ’の散布図である. 図5. 27 変成岩類のすべり面粘土リングせん断試験φr'と逆算結果φ’の比較 御荷鉾緑色岩類の 2 つのデータを除けば,リングせん断試験値φr'より,逆算値のφ' がすべて大きな値を示すのが,変成岩類の特徴である. において検討したように,変成岩類のすべり面粘土とリングせん断用調整試料 5. 2. 1 の粒度分布には大きな違いがあり,リングせん断試験値をそのまま安定解析のせん断強度 として採用することはできない. そこで,この問題を解決するために, ( ) ① リングせん断用調整試料に豊浦標準砂 110~330μの範囲に95%含まれる試料 を混入した試料で,粒度調整しすべり面せん断強度を推定する方法 ② すべり面粘土そのものをリングせん断試験の供試体とする方法 の2種類の試験を行ったので以下に述べる. (1)三波川帯泥質片岩起源のすべり面粘土標準砂混入によるリングせん断試験 図5. 28 は泥質片岩分布地帯の地すべりである徳島県の「漆日浦地すべり」のNo.7集 リングせん断試験結果vs逆算解析結果[φ'の比較] 0 5 10 15 20 25 30 35 0 5 10 15 20 25 30 35 リングせん断試験結果φr'(゚) 逆算解析結果 φ’ ( ゚) 結晶片岩(黒) 結晶片岩(緑) 御荷鉾緑色岩類 蛇紋

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20 60 水井のすべり面粘土とリングせん断試験用に調整した試料および豊浦標準砂を ~ %混入させた試料の粒径加積曲線である. 図5. 28 漆日浦No.7すべり面粘土のリング用試料と標準砂混合試料の粒径加積曲線 すべり面粘土の細砂以下成分の粒径加積曲線は,リングせん断試験用調整試料に豊浦標 準砂を20%と40%混入させた試料の粒径加積曲線の中間に位置するのがわかる. これらの試料と標準砂に対してリングせん断試験を行った結果を図5. 29に示す. 図5. 29 漆日浦No.7すべり面粘土のリングせん断用調整試料と標準砂混入試料 および標準砂の75μ以上粒径含有率(C75)とφr'の関係 漆日浦No.7 粒径加積曲線 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 粒径 (mm) 通過 質量 百分 率   (% ) リング用調整試料 すべり面粘土未調整 UR720標準砂20%混入 UR740標準砂40%混入 UR760標準砂60%混入 粘 土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 粗礫 C75とφr’の関係(漆日浦No.7三波川帯泥質片岩) 21.5 25.7 y = 0.1995x + 13.54 r = 0.957 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 20 40 60 80 100 C75(75μ以上粒径含有率) (%) φr ’ (゚) リング用調整試料 標準砂混入試料 標準砂 C75からの推定値 漆日浦すべり面粘土の 75μ以上粒径含有率 の範囲

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μおよび μ以上粒径含有率とφr'の相関係数は,それぞれ と と 5 106 r=0.954 0.957 なり,ほぼ同じ値を示す. 図5. 29 の点線の範囲は漆日浦の集水井からサンプリングした実際のすべり面粘土に 含有される 75 μ以上の粒径含有率である.相関式から計算されるφr'は図中に記載して いるが,φr'=21.5゚~25.7゚となり,逆算値のφ'=32゚に近い値を示す. そのほかの泥質片岩起源のすべり面粘土に対して実施した結果を図5. 30 にまとめて 示す. 図5. 30 泥質片岩起源すべり面粘土のリングせん断用調整試料と 標準砂混入試料のC75とφr'の関係 相関式を次式に示す = + ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr' 0.227 12.84 5.6 ここに φr':換算残留内部摩擦角(゚) :すべり面粘土の75μ以上粒径含有率(%) =0.928 相関係数r 5μおよび 106μ以上粒径含有率とφr'の関係も求めたが,C5はr=0.914 C106, は =0.925 75 106 r となり 標準砂を混入した泥質片岩起源のすべり面粘土試料は, μおよび μ以上粒径含有率とφr'の相関が高い.なお図には,次に述べるすべり面粘土そのものを 試料としたリングせん断試験結果もプロットしている. C75とφr’の関係(三波川帯泥質片岩起源のすべり面粘土) y = 0.2266x + 12.843 r = 0.928 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 C75(75μ粒径以上の含有率) (%) φr ’ (゚) 調整試料 粒度未調整試料 標準砂混入試料 標準砂 現地産砂混入試料

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(2)三波川帯泥質片岩起源のすべり面粘土自体を供試体にしたリングせん断試験 図5. 31 と図5. 32 に未調整試料(すべり面粘土の中礫以上粒径<4.75mm以上粒径> は除去している)のリングせん断試験結果のε-τ図とσ-τ図を示す.図には調整試料 の200kPaの試験結果も参考のため図示している. .( ) 図5. 31 泥質片岩起源すべり面粘土試料を使用したリングせん断試験結果1 ε-τ図 .( ) 図5. 32 泥質片岩起源すべり面粘土試料を使用したリングせん断試験結果2 σ-τ図 粒度未調整試料によるリングせん断試験:西山№1 0 20 40 60 80 100 120 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 せん断変位量ε(゜) せん 断 応 力τ(k P a) 100kPa 150kPa 200kPa 調整試料200kPa σ50kPa減圧 粒度未調整試料によるリングせん断試験:西山№1 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 50 100 150 200 250 垂直応力σ(kPa) せん 断応 力τ (k P a) 100kPa 150kPa 200kPa 残留強度採用値 調整試料200kPa cr'=9.96kPa φr'=20.6゜ r=0.997 cr'=8.40kPa φr'=15.5゜ 調整試料 r=0.995

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表5.1および図5. 33にリングせん断試験を行った試料の粒度分析結果を示す. 泥質片岩起源(西山No.1)すべり面粘土粒度構成一覧 表5.1 未調整試料 調整後 粘土 シルト 細砂 粗砂 礫 粘土 シルト 細砂 備 考 調整後は計算値 46 18 11 14 11 61 24 15 図5. 33 泥質片岩起源すべり面粘土(西山No.1)の調整試料と未調整試料粒径加積曲線 リングせん断用に調整した試料は 75 μ以上粒径(細砂以上)成分が半分以下になり, すべり面粘土とは粒度組成が大きく異なっているのがわかる. 図5. 30 で解析したように,泥質片岩起源のすべり面粘土は75μ以上粒径成分にせん 断強度が規制されているので,リングせん断試験結果は未調整試料すなわちすべり面粘土 そのものを使用した試料の方が高いφr'となることが予想される.求められた残留せん断 強度を表5.2に示すが,予想通りの結果となり,未調整試料が約5゚高いφr'を示す. 泥質片岩起源(西山No.1)すべり面粘土リングせん断試験結果一覧 表5.2 試料名 粘着力 内部摩擦角 tanφr' 相関係数 備考 φr' ゚ r (kPa) ( ) リング用調整試料 最小二乗法 No.1 8.40 15.54 0.278 0.995 未調整地すべり粘土 最小二乗法 No.1 9.96 20.62 0.376 0.997 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 粒径 (mm) 通過 質量百分 率  (%) №1-未調整すべり面粘土 №1リング用調整試料 粘土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 粗礫

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(3)御荷鉾帯緑色岩類岩起源のすべり面粘土標準砂混入によるリングせん断試験 図5. 34 は御荷鉾帯緑色岩類分布地帯の地すべりである愛媛県の「南上角地すべり」 No.5集水井のすべり面粘土とリングせん断試験用に調整した試料および豊浦標準砂を20 ~60%混入させた試料の粒径加積曲線である. 図5. 34 南上角No.5すべり面粘土のリング用試料と標準砂混合試料の粒径加積曲線 三波川帯の泥質片岩起源すべり面粘土とは異なり,リングせん断試験用調整試料とすべ り面粘土の細砂以上粒径成分はあまり差がなく,10%程度である. これらの試料と標準砂に対してリングせん断試験を行った結果を図5. 35に示す. 図5. 35 調整試料と標準砂混入試料および標準砂の5μ以上粒径含有率とφr'の関係 南上角No.5 粒径加積曲線 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 通過質 量百分率   (% ) リング用調整試料 すべり面粘土未調整 MUT20標準砂20%混入 MUT40標準砂40%混入 MUT60標準砂60%混入 粘 土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 粗礫 C5とφr’の関係(御荷鉾緑色岩 南上角No.5) 15.99 y = 0.44x - 8.6539 r = 0.923 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 C5(5μ以上粒径含有率) (%) φr ’( ゚) リング用調整試料 標準砂混入試料 標準砂 C5からの推定 推定値φr’=15.99゚ 逆算値φr’=15.45゚

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μおよび μ以上粒径含有率とφr'の相関,どちらも となり, との 75 106 r=0.916 C5 相関がやや高い値を示す. 図5. 35 には南上角の集水井からサンプリングした,実際のすべり面粘土に含有され る 5 μ以上の含有率から計算されるφr'をプロットしているが,φr'= 15.99 ゚となり, 逆算値のφ'=15.45゚に近い値を示す. そのほかの緑色岩類起源のすべり面粘土に対して実施した結果を図5. 36 にまとめて 示す. 図5. 36 緑色岩類起源すべり面粘土のリングせん断用調整試料と標準砂混入試料のC5と φr'の関係 相関式を次式に示す = - ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) φr' 0.41 4.73 5.7 ここに φr':換算残留内部摩擦角(゚) :すべり面粘土の5μ以上粒径含有率(%) =0.884 相関係数r 75 μおよび106 μ以上粒径含有率とφr'の関係も求めたが,C75はr=0.835 C106, はr=0.832 となり,標準砂を混入した緑色岩類起源のすべり面粘土試料は 5 μ以上粒径 含有率とφr'の相関が高い. 泥質片岩起源のすべり面粘土は C75 および C106との相関が高いのに対し,緑色岩類 C5とφr’の関係(御荷鉾帯緑色岩類起源のすべり面粘土) y = 0.41x - 4.7328 r = 0.884 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 C5(5μ粒径以上の含有率) (%) φr ’ (゚) 調整試料 粒度未調整試料 現地産砂混入試料 標準砂混入試料 標準砂

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起源のすべり面粘土がC5との相関が高い理由は,以下のように考えられる. 三波川帯泥質片岩起源のすべり面粘土は,粘土鉱物としてはセリサイトを多く含む ① が,元々は泥岩や泥岩・砂岩互層が変成を受けて形成されているため SiO2 が多く, 片理面に沿ったり脈状に石英が分布しているのが一般的である. 地すべりによる破砕を受けても石英脈は極めて硬く,細粒化しづらい傾向がある. このため,すべり面粘土には円磨された泥質片岩や石英礫で構成される細砂以上の粗 粒径成分が多くなり,粘土含有率との相関は元々取れない傾向にある.したがって, 細砂以上粒径含有率(C75またはC106)との相関が高くなると考えられる. 御荷鉾帯緑色岩類起源のすべり面粘土は,三波川帯泥質片岩起源のすべり面粘土よ ② り粘土およびシルト含有率が 10 ~ 25 %高く,粘土鉱物としてはクロライトを多量 に含むのが特徴である. 変成前の源岩は玄武岩・斑レイ岩・かんらん岩などの塩基性~超塩基性岩であるた め SiO2 が少なく,すべり面粘土には石英礫はほとんどない(円磨された緑色岩礫は 含まれる .したがって,風化や地すべりにより破砕され,細粒化した粘土やシルト) サイズの粒子を多く含むすべり面粘土が形成され易くなるため,細粒サイズ含有率 (C5)との相関が高くなると考えられる. (4)御荷鉾帯緑色岩類起源のすべり面粘土自体を供試体にしたリングせん断試験 図5. 37 と図5. 38 に未調整試料(すべり面粘土試料の中礫以上粒径<4.75mm以上粒 径>は除去している)のリングせん断試験結果のε-τ図とσ-τ図を示す.図には調整 試料の200kPaの試験結果も参考のため図示している. 三波川帯のすべり面粘土はピーク強度と残留強度の差は 5.2 ゚と小さく,砂質土に近い せん断過程を示すが,御荷鉾帯のすべり面粘土は,ピーク強度と残留強度の差は 8.1 ゚と やや大きく,粘性土のせん断過程に似ている. しかしながら,粒度組成は風穴と西山ではほとんど同じであり,粘土含有率の違いがせ ん断過程に現れることはない.したがって,すべり面粘土に含まれる粘土鉱物の種類の違 いが影響していると考えられる.風穴はクロライトを多く含むが,Na モンモリロナイ -トも少量含まれており,これがせん断過程に影響している可能性が高い. 試験結果は図5. 36 にプロットしているが,モンモリロナイトを含む試料はC5が大き くても低角度のφr'を示すため,回帰線から離れる傾向にある.

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.( ) 図5. 37 緑色岩類起源すべり面粘土試料を使用したリングせん断試験結果1 ε-τ図 .( ) 図5. 38 緑色岩類起源すべり面粘土試料を使用したリングせん断試験結果2 σ-τ図 表5.3および図5. 39にリングせん断試験を行った試料の粒度分析結果を示す. 泥質片岩起源(西山No.1)すべり面粘土粒度構成一覧 表5.3 未調整試料 調整後 粘土 シルト 細砂 粗砂 礫 粘土 シルト 細砂 備 考 調整後は計算値 39 13 9 16 23 64 21 15 粒度未調整試料によるリングせん断試験:風穴№3 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 せん断変位量ε(゜) せ ん 断応 力τ ( k P a ) 100kPa 200kPa 調整試料200kPa σ50kPa減圧 粒度未調整試料によるリングせん断試験:風穴№3 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 50 100 150 200 250 垂直応力σ(kPa) せん 断応力 τ(k P a ) 100kPa 200kPa 残留強度採用値 調整試料200kPa Cr’=7.52kPa,φr’=12.15゜ Cr’=5.96kPa,φr’=7.50゜ 調整試料

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図5. 39 緑色岩類起源すべり面粘土(風穴No.3)の調整試料と未調整試料粒径加積曲線 一般的には御荷鉾帯のすべり面粘土は粘土含有率が高い傾向を示すが,風穴 No.3 試料 では,粘土含有率が極めて少なく,御荷鉾帯の他の試料とは際だった違いがある. リングせん断用に調整した試料は5μ以上粒径(シルト以上)成分が約60%になり, すべり面粘土とは粒度組成が大きく異なっているのがわかる. 図5. 36 で解析したように, μ以上粒径成分にせん断強度が規制されているので,リ5 ングせん断試験結果は未調整試料すなわちすべり面粘土そのものを使用した試料の方が高 いφr'となることが予想される.求められた残留せん断強度をに示すが,予想通りの結果 となり,未調整試料が約5゚高いφr'を示す. 起源(風穴No.3)すべり面粘土リングせん断試験結果一覧 表5.4緑色岩類 試料名 粘着力 内部摩擦角 tanφr' 相関係数 備考 φr' ゚ r (kPa) ( ) 未調整すべり面粘土 最小二乗法 No.3 7.52 12.15 0.215 0.999 リング用調整試料 最小二乗法 No.3 5.96 7.50 0.132 0.994 しかしながら,すべり面粘土に細砂以上粒径が 48 %含まれている割には低い残留強度 となっており,先ほど述べたモンモリロナイトの影響が残留強度に現れたと考えられる. リングせん断用調整試料ではクロライトの残留強度である 11.4 ゚を下回っており,明ら かにモンモリロナイトの影響を受けた値である. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0.001 0.01 0.1 1 10 100 粒径 (mm) 通過 質量 百分率   (% ) №3-未調整すべり面粘土 №3リング用調整試料 粘土 シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 粗礫

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(5)変成岩類起源すべり面粘土せん断強度の決定手法 図5. 40 は未調整試料であるすべり面粘土の粒度分布から式(5.6)(泥質片岩)およ び式(5.7)(緑色岩類)を用いて換算されたφr'と安定解析の逆算から求めたφ'の相関 図である. ’ , 図5. 27 の調整試料で行っているリングせん断試験結果のφr'と逆算から求めたφ は 全く相関が認められなかったが,粒度特性を考慮した換算φr'は次式に示すように,相関 係数 はr 0.8を示し,実用的な式といえる. 図5. 40 粒度分布からの換算φr'と逆算結果φ'との相関図 = + ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ) y 1.026 2.428 5.8 φr' ここに y:安定解析用の換算 φr' :すべり面粘土の粒度分布から換算された 0.796 r= 式(5.8)は匂配が約1でy軸との交点が2.4となるので,すべり面粘土の粒度分布か ら換算された残留内部摩擦角に2.4゚プラスすることを意味している. 未調整試料は中礫以上を除去し,調整試料+標準砂混入試料は細砂以下の領域でリング せん断試験を実施している.したがって,平均的なすべり面せん断強度を表す安定解析の 逆算値は,変成岩分布地帯のすべり面粘土には一般的に含まれる中礫以上(4.75mm 以 上)サイズの礫の影響を受けており,これがプラス2.4゚と考えられる. 換算φr’vs 逆算解析結果[φ'の比較] y = 1.0255x + 2.4284 r = 0.796 0 5 10 15 20 25 30 35 0 5 10 15 20 25 30 35 粒度分布からの換算φr’(゚) 逆 算解 析 結果 φ' ( ゚) 結晶片岩(黒) 御荷鉾緑色岩類

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, . 5. 1および5. 2節の5. 2. 3項までに使用したデータを まとめて表5.5~表5.7に示す せん断試験データ一覧表(1) 表5.5リング 時 母岩の 採取 リング リング 逆算 液性 塑性 塑性 リング調整処理 代 地質 № 現場名 粘土 試料№ 深度m cr' φr' φ' 限界 限界 指数 粘土 シルト 細砂 タイプ (kPa) ( ゚) ( ゚) (%) (%) (%) (%) (%) 新凝 1 杉沢 W-1 13.20 3.63 11.64 13.50 50.66 19.60 31.06 58 30 12 新凝 2 平山 9 58.50 9.22 6.93 7.02 121.88 41.47 80.41 72 23 5 新 新凝 3 平山 13 25.00 12.07 10.99 7.02 64.43 15.91 48.52 67 25 8 新凝 4 竹野 2 7.00 0 11.26 14.42 91.88 34.24 57.64 第 新凝 5 抜戸 17 9.00 6.38 10.43 14.00 168.76 55.61 113.15 74 17 9 新凝 6 抜戸 14 11.50 10.99 11.53 13.50 150.07 36.66 113.41 75 14 11 三 新凝 7 平山 16 14.50 2.45 8.31 7.02 97.52 45.08 52.44 74 23 3 新凝 8 平山 17 49.10 8.53 8.42 7.02 104.98 47.72 57.26 系 新凝 9 平山 2 64.00 13.44 9.48 7.02 103.04 47.82 55.22 新凝 10 牧ノ岳 2 17.00 3.92 4.27 13.41 123.83 39.38 84.45 凝 新凝 11 狼沢 1-2 31.35 4.41 9.01 11.67 93.22 49.68 43.54 新凝 12 狼沢 1-3 31.35 2.65 9.85 11.67 97.66 52.62 45.04 灰 新凝 13 狼沢 1-4 31.35 5.69 9.82 11.67 88.69 43.30 45.39 新凝 14 狼沢 2-1 33.50 8.04 10.52 11.67 110.77 34.17 76.60 角 新凝 15 狼沢 2-2 33.50 12.95 11.82 11.67 113.02 36.22 76.80 新凝 16 狼沢 2-3 33.50 6.87 11.40 11.67 109.50 29.21 80.29 岩 新凝 17 狼沢 2-4 33.20 14.03 10.81 11.67 104.10 33.57 70.53 新凝 18 狼沢 Mo 3 36.25 5.69 6.00 11.67 125.43 22.94 102.49 66 30 4 新凝 19 狼沢 4 21.50 3.43 6.37 11.67 102.97 21.64 81.33 新凝泥 20 狼沢 6 28.00 16.78 16.15 11.98 77.01 18.61 58.40 62 33 5 新凝 21 石倉 14 18.40 2.26 6.36 10.65 90.87 35.57 55.30 新凝角 22 高津 Ka 1 10.00 6.97 15.06 6.21 68.22 21.00 47.22 14 48 38 新凝角 23 大平 W-4 27.60 12.07 12.48 3.40 98.32 21.14 77.18 新凝角 24 大平 W-3 23.60 13.93 14.35 3.40 71.79 17.45 54.34 新 新凝角 25 円川原 Mo サンプ井 2.70 13.44 13.84 21.00 103.04 41.48 61.56 69 22 9 第 新凝角 26 円川原 H8 10.00 12.46 15.73 21.00 117.15 37.20 79.95 85 4 11 三 新凝角 27 円川原 Mo 1 3.70 22.27 11.04 21.00 118.03 51.16 66.87 系 新凝角 28 高柳 1 7.90 5.30 4.91 13.00 82.52 31.95 50.57 71 27 2 凝 新凝角 29 高柳 S 0.50 5.79 8.13 13.00 73.91 28.48 45.43 66 29 5 灰 新凝角 30 崩ヶ沢 2 13.50 5.40 8.94 14.29 130.32 51.85 78.47 角 新凝角 31 崩ヶ沢 3 17.00 4.91 9.36 14.29 110.13 39.57 70.56 礫 新凝角 32 細越沢 1 8.80 1.18 9.46 87.93 45.12 42.81 岩 新凝角 33 三谷 三谷 7.60 4.22 6.05 26.24 85.85 24.81 61.04 63 31 6 新凝(角) 34 和光原 1 32.20 11.38 18.41 13.00 68.65 22.04 46.61 新凝角 35 和光原 2 31.80 17.85 16.00 13.00 78.61 26.48 52.13 新凝角 36 和光原 3 32.30 11.77 17.61 13.00 66.34 22.12 44.22 新凝砂 37 山ノ内 16Y 17.70 3.66 4.92 9.60 89.14 28.54 60.60 66 32 2 新 新凝砂 38 山ノ内 13-1G 11.00 0.88 4.97 9.60 84.32 29.62 54.70 65 28 7 第 新凝砂 39 山ノ内 Mo 13-1W 11.00 3.83 4.99 9.60 75.87 28.44 47.43 72 25 3 三 新凝砂 40 山ノ内 16H 17.70 6.98 5.70 9.60 84.80 28.74 56.06 63 33 4 系 新凝砂 41 山ノ内 16G 17.70 3.13 5.92 9.60 84.18 29.42 54.76 60 37 3 凝 新凝砂 42 山ノ内 15 20.00 6.92 15.75 9.60 74.28 19.57 54.71 54 28 18 灰 新凝砂 43 山ノ内 13-2 25.50 11.18 19.87 10.40 59.12 20.47 38.65 30 28 42 質 新凝砂 44 山ノ内 14-2 20.50 14.42 10.41 10.40 66.01 31.46 34.55 57 40 3 砂 新砂 45 竹ノ内 2 9.10 4.22 19.24 10.79 62.28 29.57 32.71 58 30 12 岩 マサと古凝 46 成沢 9 37.00 7.26 13.82 15.54 73.60 25.43 48.17 35 53 12

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せん断試験データ一覧表(2) 表5.6リング 時 母岩の 採取 リング リング 逆算 液性 塑性 塑性 リング調整処理 代 地質 № 現場名 粘土 試料№ 深度m cr' φr' φ' 限界 限界 指数 粘土 シルト 細砂 タイプ (kPa) ( ゚) ( ゚) (%) (%) (%) (%) (%) 新泥 47 雨池 11 15.50 1.77 2.97 6.11 147.28 45.95 128.33 66 32 2 新 新泥 48 川谷 3 20.50 1.77 3.59 18.14 126.47 31.89 94.58 39 53 8 新泥 49 銅山川 Mo B 42.50 -1.77 3.24 9.20 206.00 27.73 178.27 82 14 4 第 新泥 50 銅山川 D-2 22.00 12.26 11.81 9.20 112.63 23.67 88.96 54 33 13 新泥 51 銅山川 D-3 23.00 5.00 12.80 9.20 97.69 26.99 70.70 61 28 11 三 新泥 52 銅山川 D-1 5.69 10.71 9.20 114.37 27.03 87.34 56 33 11 新泥 53 銅山川 T-1 0.20 -1.77 4.10 9.20 195.52 23.32 172.20 70 26 4 系 新泥 54 乙女 Il H3-2 18.00 17.17 14.70 17.14 63.20 28.20 35.00 新泥 55 乙女 Il 2 13.70 8.93 15.11 51.46 20.94 30.52 54 44 2 泥 新泥 56 芹田 Mo 1 12.50 13.93 9.40 13.51 98.46 39.22 59.24 57 38 5 新泥 57 小出沢 Mo A 7.00 20.01 13.70 11.23 93.65 34.76 58.89 36 59 5 岩 新泥 58 石川地先 1 0.50 2.16 6.48 6.50 100.54 33.30 67.24 新泥 59 槻木平 Mo 6-2 30.00 4.41 8.09 12.00 156.64 41.33 115.31 62 36 2 新頁 60 猫の沢 3 17.80 15.11 12.06 10.00 93.13 36.95 56.18 40 40 20 流紋 61 尻立 2 8.50 15.99 17.92 16.00 47.19 25.23 21.96 変 朽安山 62 トヤ沢 6 11.50 3.30 7.15 20.20 86.17 26.11 60.06 62 34 4 質 朽安山 63 トヤ沢 7 12.80 4.80 8.01 20.20 93.76 33.63 60.13 77 19 4 火 朽安山 64 トヤ沢 5 7.30 7.30 8.34 20.20 76.49 31.28 45.21 62 33 5 山 朽安山 65 トヤ沢 Mo 7A 21.00 6.40 8.36 20.20 97.40 28.63 68.77 65 29 6 岩 朽安山 66 トヤ沢 8 9.70 6.40 8.67 20.20 83.78 26.09 57.69 63 31 6 朽安山 67 トヤ沢 5A 14.50 10.00 17.23 20.20 94.17 29.33 64.84 68 26 6 古泥 68 久保尾 1 19.50 6.77 18.31 18.94 34.55 13.47 21.08 古泥 69 久保尾 2 22.50 5.69 19.00 20.42 35.56 14.13 21.43 古 古泥 70 天狗嶽 1(Y) 16.50 13.34 16.95 18.56 35.65 18.96 16.69 54 39 7 第 古泥 71 天狗嶽 2 22.50 7.36 21.10 18.56 38.82 17.54 21.28 62 33 5 三 古泥 72 天狗嶽 3 0.50 9.71 21.06 18.56 30.30 15.79 14.51 54 37 9 系 古泥 73 福用 1 20.00 0.10 20.51 20.40 31.63 14.79 16.84 泥 古泥 74 福用 Il 2 0.50 0 18.63 20.40 38.30 14.98 23.32 51 48 1 岩 古泥 75 福用 H6 8.00 3.24 20.05 20.40 38.89 13.41 25.48 古泥 76 一里石 Il No.4-2 19.50 8.93 17.26 24.76 30.86 14.66 16.20 45 46 9 古泥 77 一里石 No.12 18.00 14.03 13.98 24.76 31.86 14.12 17.74 片黒 78 樫原 1 30.00 4.41 14.85 32.35 40.90 21.34 19.56 54 30 16 片黒 79 漆日浦 8 10.00 0.98 13.05 32.00 42.72 18.13 24.59 50 35 15 片黒 80 漆日浦 7 10.50 5.69 13.64 32.00 32.66 16.49 16.17 49 38 13 泥 片黒 81 漆日浦 10 9.00 3.14 14.53 32.00 37.88 15.64 22.24 54 36 10 片黒 82 漆日浦 Ch 3 7.00 0.98 14.93 32.00 32.94 15.95 16.99 51 35 14 質 片黒 83 漆日浦 5 8.50 4.91 14.99 32.00 33.78 15.27 18.51 52 35 13 片黒 84 能谷 3 24.50 2.84 14.79 27.50 58.50 23.07 35.43 57 35 8 片 片黒 85 奥ノ井 1 17.00 0.10 12.61 34.09 34.60 15.85 18.75 53 33 14 片黒 86 屋敷野 1 23.20 5.10 17.13 35.04 14.17 20.87 47 32 21 岩 片黒 87 屋敷野 2 32.30 5.89 18.74 37.75 15.77 21.98 47 36 17 片黒 88 漆日浦 4 9.50 0 14.30 32.00 39.03 16.55 22.48 57 39 4 片黒 89 小北川 1 19.00 5.89 18.50 27.53 44.23 16.38 27.85 49 41 10 片黒 90 水のなる Se・Ch 2B 18.00 0 17.79 27.95 36.39 18.53 17.86 64 28 8 片黒 91 水のなる 3-3 26.00 4.51 12.90 25.12 32.91 16.23 16.68 65 32 3 片黒 92 西山 1 27.00 8.44 15.54 26.67 31.91 15.08 16.83 61 24 15 片黒 93 長又 1 15.50 3.43 11.02 30.76 46.50 23.20 23.30 46 43 11 塩 片緑 94 水のなる Ch T1-6 18.00 1.47 15.59 25.12 45.71 21.19 24.52 72 25 3 基 片緑 95 水のなる 4 11.50 -4.32 16.40 25.12 36.75 19.53 17.22 片緑 96 水のなる 2G 18.00 14.81 18.14 27.95 45.02 26.84 18.18 66 33 1 粘土は 5 μ以下含有率

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せん断試験データ一覧表(3) 表5.7リング 時 母岩の 採取 リング リング 逆算 液性 塑性 塑性 リング調整処理 代 地質 № 現場名 粘土 試料№ 深度m cr' φr' φ' 限界 限界 指数 粘土 シルト 細砂 タイプ (kPa) ( ゚) ( ゚) (%) (%) (%) (%) (%) 御荷鉾 97 中内 Ch大CaMo 3G 22.00 3.14 4.26 20.83 49.81 21.68 28.13 75 22 3 御荷鉾 98 朝日根 1 5.00 4.12 8.30 21.00 46.58 19.49 27.09 61 32 7 御荷鉾 99 朝日根 5(H9) 20.05 6.08 8.55 21.00 41.92 19.01 22.91 62 33 5 緑 御荷鉾 100 朝日根 Ch大 7(H10) 19.70 3.99 9.64 21.00 39.17 18.62 20.55 53 30 17 御荷鉾 101 朝日根 3(H9) 14.60 5.20 9.78 21.00 42.38 19.14 23.24 62 32 6 色 御荷鉾 102 南上角 Ch大CaMo 5 13.20 0.69 9.89 15.45 42.08 16.41 25.67 50 35 15 御荷鉾 103 風穴 2 7.50 5.89 7.99 18.00 37.08 21.73 15.35 68 19 13 岩 御荷鉾 104 風穴 3 14.00 5.98 7.50 18.00 42.72 24.19 18.53 64 21 15 御荷鉾 105 風穴 4 12.50 1.86 9.46 18.00 35.68 17.38 18.30 63 26 11 類 御荷鉾 106 風穴 Ch大・Mo 1 13.00 4.45 9.48 18.00 38.49 20.40 18.09 75 22 3 御荷鉾 107 中地蔵寺 Ch大 1 10.50 5.20 9.02 8.89 53.78 20.06 33.72 69 25 6 御荷鉾 108 朝日根 4 5.28 0.59 9.36 21.00 46.10 19.36 26.74 67 25 8 御荷鉾 109 朝日根 4(H9) 19.80 2.84 8.84 21.00 41.64 21.82 19.82 67 32 1 御荷鉾 110 朝日根 5 25.50 0.00 24.55 21.00 29.68 14.72 14.96 46 44 10 御荷鉾 111 朝日根 6(H9) 6.50 2.84 12.25 21.00 43.15 22.49 20.66 55 39 6 蛇紋 112 大サコ 1 19.00 8.63 15.44 31.32 46.82 13.29 33.53 M100 高純度粘土鉱物 2.76 3.82 881.64 50.42 831.22 81 19 0 M75I25 高純度粘土鉱物 2.85 3.54 584.44 31.13 553.31 M50I50 高純度粘土鉱物 4.67 4.09 393.02 24.60 366.16 M25I75 高純度粘土鉱物 5.62 4.84 194.82 18.64 176.18 M10190 高純度粘土鉱物 10.16 11.60 106.21 17.84 88.38 I100 高純度粘土鉱物 13.05 14.45 36.18 21.04 15.14 61 39 0 C100 高純度粘土鉱物 4.88 11.04 33.84 27.80 6.04 26 65 9 C75S25 高純度粘土鉱物 7.75 11.62 35.46 26.95 8.51 C50S50 高純度粘土鉱物 6.19 8.32 34.99 26.19 8.80 C25S75 高純度粘土鉱物 4.45 9.04 34.90 27.31 7.59 S100 高純度粘土鉱物 2.96 9.70 34.15 23.61 10.54 36 63 1 粘土は 5 μ以下含有率

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5. 2. 4 すべり面相当層のリングせん断試験結果の解釈と適用 災害直後のすべり面粘土せん断強度は一般的には測定が困難であり,安定解析の逆算か ら求めざるを得ない.しかしながら,第三系堆積岩分布地帯の岩盤すべりでは,特定の層 準にすべり面が形成されることはしばしば経験することである.しかも,断層や褶曲によ る層面スリップによって地質構造的なせん断面が形成されていることもある(阿部ほか (1994)103),中瀬古ほか(1988)104),野崎ほか(1993)105))ほか,風化過程の中で粘土化が 進行(安藤(1967)106))しているため,残留強度を求める目的であれば,すべり面相当層 を野外で探し出し,そのせん断強度をリングせん断試験で求める方法が考えられる. ここではすべり面せん断強度に関する多数のデータがあり,特徴的な挟炭層(鍵層)に すべり面を有する「平山地すべり」を取り上げ,野外の露頭から採取したすべり面相当層 , . 試料のリングせん断試験結果をすべり面粘土と対比させて この方法の有効性を検討する (1)平山地すべりとすべり面相当層サンプリング位置 「 」 ( ) . 図5. 41 に 平山地すべり とサンプリング位置 千木良露頭とW-9集水井 を示す 図5. 41 平山地すべり周辺の地形図とサンプリング位置(1:21,500)

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なお,サンプリングした露頭は千木良(1998)107)に掲載されている写真と同じ位置で あるため,千木良露頭と命名した.露頭と対比した集水井は W-9 であり,地すべり地の ほぼ中央に位置する.W-9におけるすべり面深度はGL-58.50mである. (2)平山地すべり周辺のすべり面層準 平山地すべりは1964年に大規模に滑動した初生の岩盤すべりである.図5. 42 は安藤 が1968年,つまり災害後4年目に公表した地質断面図(安藤(1968 b)108))である. したがって,当時の地形が良く残されている断面図になっている. すべり面は新第三系中新統佐世保層群世知原層の稼行炭層である松浦三尺炭層の上部 , ( ) 90m 同じく稼行炭層である砂盤層の下部60mに位置するC42第一鱗状層 七ヘダ層 に挾在される灰白色凝灰岩に形成され,安藤の地質断面図では主すべり面と表現されてい る.すべり面の下部はシルト岩(泥岩)を介して塊状砂岩が分布している. この断面図には主すべり面の他にもすべり面が移動岩塊の中に記載されているが,安藤 は,砂盤層・下岩石層・一枚物層にもすべり面または副すべり面が形成されていることを 記載している(安藤(1968 b)108).大八木ら(1970)109)も鷲尾岳地すべりの観測井に よる記載で主すべり面の他に炭層(約10cm)を挟んだ下部の凝灰岩にも副次的なすべり 面を認めている.これらの副次的なすべり面は,炭層に付随している凝灰岩が,炭層から もたらされる硫酸塩を含む地下水により風化し,地すべり発生前に粘土化(安藤(1967) )していたため,主すべり面形成時に選択的に僅かに変位したものと考えられる. 106) 図5. 42 平山地すべりの地質断面図(安藤(1968 b)108))

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( ) . 図5. 43 は安藤ほか 1970 110)が作成した平山周辺のすべり面層準模式柱状図である

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平山周辺の地質図を図5. 44,地質層序を図5. 45 にそれぞれ示す. ( ) 図5. 44 平山地すべり周辺の地質図 地質調査所:佐世保地域の地質,1989111)を簡略化 図5. 45 平山地すべり周辺の地質層序(地質調査所(1989)111)を簡略化) 第 四 紀 新 第 三 紀 古第 三 紀 完 新 世 更 新 世 中 新 世 後 期 中 新 世 前 期 斬 新 世 北松 浦玄 武岩類 佐 世 保 層 群 杵 島 層 群 崖 錐 段丘 堆 積 物 後 期 斑 状 玄武 岩 類 中 期 斑 状 玄 武 岩 類 初期 無 斑 晶 玄 武 岩 類 初 期 斑状 玄 武 岩 類 八 ノ 久 保 砂 礫層 福 井 層 世 知 原 層 柚木 層 上 部 但 馬 岳層 鹿 子 前 層 尼 潟 層 古 川 頁 岩層 皆 島砂 頁 泥 岩 層 t te B7 ~8 B6 B4 B1 Fk S Yu Au Am Al Du Dl かん ら ん 石 及 び 普 通輝 石 玄 武 岩 類 礫, 砂 泥 及 び 凝 灰 岩 チ ャ ー ト の 円 礫を 含 む 粗 ~ 中粒 砂 岩 ・ 頁 岩 凝灰 角 礫 岩 を 伴 う 砂質 頁 岩 ・ 泥 岩 ・ 砂岩 ・ 石 炭 を 伴 う C42 第1 鱗 状 炭 付 近 の 凝 灰 岩 を す べ り 面 と す る 中 ~ 細粒 砂 岩 ・ 頁 岩 凝 灰 角礫 岩 及 び 石 炭 を 伴う 砂 岩 頁 岩 礫 質砂 岩 互 層 , 鍵 層 とな る 流 紋 岩 凝 灰 岩 砂 岩 及 び 頁 岩, 石 炭 を 伴 う 頁 岩 砂 岩 互 層 砂 質泥 岩 , 細 粒 砂 岩 及び 凝 灰 質 礫 質 砂 岩 相 浦 層 群 中粒 砂 岩 ・ 砂 質 頁 岩及 び 頁 岩 。 石 炭 を伴 う 時 代 地 質 名 岩 相

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(3)千木良露頭とW-9集水井地すべり層準の地質状況 写真 5.1 に千木良露頭の表層をはぎ取った 写真を示す.千木良露頭には平山地すべりの すべり面相当層である新第三系中新統佐世保 層群世知原層の中央に位置するC42炭層(第 一 鱗 状 炭 =七 ヘ ダ ) が露 出 し て いる .厚 さ の露頭には 枚の炭層が認められる 2.23m 4 が,すべり面はこの炭層群の最下部に挾在さ れる厚さ 10 ~ 13cm の粘土化した白色凝灰 岩に形成されていることがW-9で確認されて いる. 写真には4枚の炭層の内 2枚が明瞭に写っ ているが,すべり面相当層はポ-ルの下部に 位置する 4 枚目の炭層に挾在される粘土化し た白色凝灰岩である. 写真5.1千木良露頭全体(表層はぎ取り) 写真 5.2は第 4炭層の部分拡大 写真である.すべり面相当層は写 真で指し示している部分であり, 鏡肌を多数含む粘土で構成されて いる.最下部の炭層上面 5mm の 位置にはすべり面とよく似た擦痕 を伴う焦げ茶色の鏡肌が認められ る(写真5.3,写真5.4参照 .) 最下部の炭層下部は灰色のシルト 写真5.2千木良露頭第4炭層内すべり面相当層 岩が少なくとも20cm以上分布 している.このシルト岩は風化も 粘土化も見られず,硬質な岩である. 千木良露頭では確認できないが,シルト岩(砂質泥岩)の下位には中粒~粗粒の塊状砂 岩(細粒砂岩を縞状に挾在する)が分布しており,層厚は少なくとも10mある.

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写真5.3千木良露頭すべり面相当層 写真5.4千木良露頭すべり面相当層に見られる鏡肌 (第4炭層内粘土化凝灰岩) 千木良露頭すべり面相当層の走向・傾斜は N 7 ゚E・14 ゚N,鏡肌に見られる弱い擦 200m 300m 痕は最大傾斜方向と一致していた.千木良露頭は地形図判読では幅 ,斜面長 の地すべりブロック左岸側尾根部に位置するので,過去に地すべりを経験した露頭である 可能性もあるが,①尾根部であること,②層理面の走向傾斜が受け盤を示すことから地質 構造的(NW-SE と NE-SW が卓越する断層あるいは韮岳に分布する玄武岩の荷重による 変形)に形成された層面スリップの可能性が高い. すべり面相当層は先ほど述べたように完全に粘土化しているが,千木良露頭第4炭層の 上部に位置する灰白色凝灰岩も下部から 35cm まではせん断の影響を受けて粘土化して いる. 写真 5.5・写真 5.6 には千木良露頭と平山地すべり地内 W-9 集水井からすべり面を採 取する目的で掘削した横坑の掘削断面を対比した写真を示す. 最上部の炭層(千木良露頭第 2炭層)はどちらも同じ層厚(約15 ~20cm)であり, 炭層の上面が粗粒凝灰岩とシャープに境されている.中央の炭層は数枚の層厚の薄い炭層 の互層で構成されており,炭層がやや波打っているのが特徴である. 集水井のすべり面は最下部の炭層下部に位置する凝灰岩に形成されており,千木 W-9 . , 良露頭のすべり面相当層下部に位置する炭層は欠如している おそらくW-9集水井では 地すべりにより,この炭層が粉砕され凝灰岩と混在し粉炭状に粘土化した推定される.し たがって,凝灰岩の色が焦げ茶色~茶灰色に変わったものと思われる. 以上の対比と両露頭とも近接するボ-リングまたは露頭で 下位に位置するシルト岩 砂, ( 質泥岩)と中粒~粗粒塊状砂岩が確認されているので,同じC42層と判断される.

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写真5.5千木良露頭全体(掘削後) 写真5.6平山地すべり地内W-9 集水井からの横抗断面 写真5.7はW-9集水井の横抗に現れたすべり面を示す.すべり面の走向・傾斜はN60゚ ・ ゚ ,擦痕の方向 ゚ ,傾斜は ゚ であり,ほぼ最大傾斜方向に一致してい W 4 N N33 E 4 N る.この値は,安藤ほか(1970)110)が平山周辺の地層で測定した傾斜方位 NNE,傾斜 角 4 ゚とほぼ一致している.したがって,流れ盤斜面に発生した岩盤すべりであることが わかる. 写真5.7平山地すべり地内W-9集水井の横抗に現れたすべり面

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図5. 46 に千木良露頭の 柱状図を示す. 柱状図の観察次項に記載 したサンプル NO.はリング せん断試験を含む土質試験 に供した試料番号である. 最上部の炭層は露頭写真 には写っていないが,薄い 表土の直下に位置する炭層 であり,硬くブロック状に 割れるのが特徴である. 地質名のゴマは大八木ほ か(1970)109)によれば以 下 の よ う に 定 義 さ れ て い る. 「ゴマは漢字では胡麻と 書く.これは,炭層中のや や硬質で胡麻の散在したよ うな一見,粗粒砂岩状の挾 在物で,普通は暗褐色,凝 灰岩起源のものと考えられ ている 」. 千木良露頭ではこの定義 に合う凝灰岩は最上部と2 番目の炭層に挟まれた凝灰 質粗粒砂岩であるが,炭層 に付随する凝灰岩という意 味でゴマの名を使用した. 図5. 46 千木良露頭の柱状図 0.15 0.27 0.64 0.79 1.23 1.40 1.50 1.63 1.91 1.98 2.23 15.0 12.0 37.0 15.0 44.0 17.0 10.0 13.0 28.0 7.0 3.0-5.0 13.0 6.0-7.0 >20 深 度 層 厚 柱 状 記 号 石炭 黒 硬 固結した炭層ブロック状に割れる 砂岩・シルト岩 の互層 凝灰質粗粒砂岩 石炭 凝灰質シルト岩 石炭片 (t=5㎜,l=100㎜) を含む 砂岩・石炭の 細互層 炭質物を含む ゴマ状凝灰岩 ゴマ状凝灰岩 細粒凝灰岩 石炭 凝灰質粘土 石炭 シルト岩 上部より10㎝下のシルト岩に 厚さ5㎜の炭層を含む 黄土灰  灰白  黄土 中 上部より20㎝に厚さ5㎜のシルト岩 を挟む。固結度弱く,指圧にて粉砕 可能。下部の石炭に接する部分は 5~10㎝程度,黄土色~橙色に変色 している 黒 硬 10~15㎝の層厚を有する。固結した炭層。ブロック状に割れる。 茶灰  灰白 硬 上部の炭層に近い部分は1~3㎝程度 茶灰色を呈する。 厚さ5㎜の石炭片を堆積面に平行 又は最大70゚に斜交して含む。 硬 黒  茶灰 硬 上部は石炭礫を含む。 極細粒砂岩~細礫岩・細粒砂岩と 石炭及び炭質シルト岩との細互層 中 軽石凝灰岩は粘土化している。石炭片を含む 茶 中 φ5~10㎜の白色凝灰岩礫の集合した 凝灰岩。石炭の薄層を多く含み全体 に茶色を呈す。 灰白  灰 軟 上部層と同じ凝灰岩であるが, 白色凝灰岩の偏平礫が最大で50㎜と 大きくなる。 全体にセン断の影響を受けて粘土化 している。 粘土化している 黒~橙 硬 キレツ多く,破片状になる 軟 黒~橙 硬 セン断を受けているが橙色は少ない 灰 硬 硬質で褐鉄鉱の付着なし,粘土化もしていない 青 灰 灰白 茶 灰 灰白 色 調 硬軟 観察事項 地質名 鏡肌を多数含む粘土。最下部の 石炭上面5㎜の位置にすべり面あり。 細粒凝灰岩と 軽石凝灰岩の互層 2.43 (m) (㎝) 灰白  茶灰

図 5. 8 に新第三系の凝灰質砂岩起源すべり面粘土の塑性指数とφr’の散布図を示す. 図5. 8 新第三系凝灰質砂岩類起源すべり面粘土の塑性指数Ipとφr’ , ’ ,一応相関は認められるが塑性指数の小さい領域では大きなφr が得られる式となり あまり現実的ではない.塑性指数の幅が 30 ~ 60 と狭いための影響である. 凝灰角礫岩および凝灰質砂岩は広い意味では砂岩・礫岩の部類に含まれるため,粘土鉱 物の特性よりは,粒子として含まれる石英や長石の影響が大きいと考えられる. そこで,細砂含有率との相関を検
表 5.1 および図 5. 33 にリングせん断試験を行った試料の粒度分析結果を示す. 泥質片岩起源(西山No.1)すべり面粘土粒度構成一覧表5.1 未調整試料 調整後 粘土 シルト 細砂 粗砂 礫 粘土 シルト 細砂 備 考 調整後は計算値 46 18 11 14 11 61 24 15 図5
図 5. 46 に千木良露頭の 柱状図を示す. 柱状図の観察次項に記載 したサンプル NO. はリング せん断試験を含む土質試験 に供した試料番号である. 最上部の炭層は露頭写真 には写っていないが,薄い 表土の直下に位置する炭層 であり,硬くブロック状に 割れるのが特徴である. 地質名のゴマは大八木ほ か( 1970 ) 109) によれば以 下 の よ う に 定 義 さ れ て い る. 「ゴマは漢字では胡麻と 書く.これは,炭層中のや や硬質で胡麻の散在したよ うな一見,粗粒砂岩状の挾 在物で,普通
図 5. 47 に平山地すべり地内の No.9 集水井( W-9 )柱状図と千木良露頭との対比図 (図 5. 48 )を併記して示す.両者は直線距離で 1.5km 離れているが,岩相および層序 は極めて良く似ている.不動層と考えられるシルト岩(砂質泥岩)上部の炭層が W-9 集 水井の断面では欠如している(地すべりにより破砕粉炭化したと推定)こと,層厚にして 程度,集水井断面の方が薄いのが異なっている点である.10cm 図5
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