• 検索結果がありません。

宇宙光学の発展と「光学」誌への期待

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "宇宙光学の発展と「光学」誌への期待"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

307(1) 宇宙開発における光技術

巻頭言

宇宙光学の発展と「光学」誌への期待

高  野   忠

(日本大学)  宇宙分野における光学技術の利用は,次のように多方面にわたり,しかもますます 多くなっている.  (1)科学用センサー: 天体や宇宙ごみ観測用の望遠鏡など.  (2)姿勢制御用センサー: 地球センサー,太陽センサー,星センサーなど.  (3)近接物体の相対位置測定用センサー: レーザーレーダーなど.小惑星探査機 はやぶさや,宇宙ステーション補給機 HTV と宇宙基地のドッキングで知られて いる.  (4)光通信システム: 衛星と宇宙飛翔体の間,あるいは衛星と地上間の適用が ある.  (5)光電力伝送システム: 宇宙空間で発電し,無線により地球に送電してくる.  含まれる基本技術としては,結像光学系や光アンテナ,受光ダイオード,レーザー, 変復調,パターン認識法などを含む.  実用化の程度は項目により異なり,(1)∼(3)はすでに実用されている.(4)は軌道 上で実験が進められている.(5)は,まだ打ち上げ例はない.ただし(4)と(5)は, ともに有線(ケーブル利用)形式で,ファイバーによる通信や電力伝送として実用さ れている.  時あたかも 2011 年は,ガガーリンの宇宙初飛行から 50 年目である.有人飛行は宇 宙旅行などの形で飛躍的に伸びると思われるが,それを支えるため,大容量光通信が 期待される.また,東日本大震災による原子力発電の故障という不幸な出来事があ り,日本の電力供給が見直されようとしている.その際,光電力伝送は環境への負荷 が小さく残滓物がないので,有力な解決法のひとつになろう.本特集号は,上記項目 に関するシステムあるいは個別技術について,包括的に解説しようというものである.  ところで,上記のあるものは,光でなければできない.また他においては,より低 い周波数の電磁波(電波)による先行システムが存在する.その場合は先行技術を参考 にして,さらに発展させることが有効であろう.例えば光通信のシステム設計(S/N の解析)は,電波システムとほとんど同じに行われる.その中で,アンテナの特性値 としては利得があればよいが,現在は光学特有の情報も使われている.したがって, 今後,物理学と工学の仕分けが必要になると思われる.応用物理学との連携が強い雑 誌「光学」における本特集が,この役に立てば本望である.

参照

関連したドキュメント

It is important that the exit pupil of the microscope objective and the entrance pupil of the relay lens are conjugate planes. If not so, the image intensity will suddenly decrease

本稿では , これらを , それぞれ Frobenius 的大域的実化テータフロベニオ イド (Frobenius-like global realified theta Frobenioid), Frobenius 的大域的実化

Jones, 村上順, 大槻知忠, 葉廣和夫, (量子力学, 統計学, 物理学など様々な分野との結びつき ながら大きく発展中!!

特に, “宇宙際 Teichm¨ uller 理論において遠 アーベル幾何学がどのような形で用いられるか ”, “ ある Diophantus 幾何学的帰結を得る

岩内町には、岩宇地区内の町村(共和町・泊村・神恵内村)からの通学がある。なお、岩宇 地区の高等学校は、 2015

9 時の都内の Ox 濃度は、最大 0.03 ppm と低 かったが、昼前に日照が出始めると急速に上昇 し、14 時には多くの地域で 0.100ppm を超え、. 区東部では 0.120

9 時の館野の状態曲線によると、地上と 1000 mとの温度差は約 3 ℃で、下層大気の状態は安 定であった。上層風は、地上は西寄り、 700 m から 1000 m付近までは南東の風が

都は、大気汚染防止法第23条及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例