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JAIST Repository: 線形論理における古典的証明と 直観主義的証明の関係についての研究

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Academic year: 2021

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(1)JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/. Title. 線形論理における古典的証明と 直観主義的証明の関係 についての研究. Author(s). 伊藤, 成孝. Citation Issue Date. 2015-03. Type. Thesis or Dissertation. Text version. author. URL. http://hdl.handle.net/10119/12628. Rights Description. Supervisor:石原 哉, 情報科学研究科, 修士. Japan Advanced Institute of Science and Technology.

(2) 修 士 論 文. 線形論理におけ る 古典的証明と 直観主義的証明の関係について の研究. 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科情報科学専攻. 伊藤 成孝 2015 年 3 月.

(3) 修 士 論 文. 線形論理におけ る 古典的証明と 直観主義的証明の関係について の研究 指導教員 審査委員主査 審査委員 審査委員. 石原 哉教授 石原 哉教授 緒方 和博教授 寺内 多智弘教授. 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科情報科学専攻. 1210009 伊藤 成孝 提出年月: 2015 年 2 月. Copyright © 2015 by Yoshiyuki Ito. 2.

(4) 概要 本稿では、 線形論理に お け る 古典的証明と 直観主義的証明に ど れく ら いの差があ る のかを 調査する 。 特に 、 結合子がな ら ばに 関する ⊸ だけ から な る 論理と 直観主 義と 、 そ の論理に 定数 0 を 加え た 論理に 対する 、 古典的証明と 直観主義的証明の 関係を 調査する 。 形式体系に は帰納的証明構造を 用いて 、 グラ フ 的な つな がり を 論理式間に 与え 、 そ のつな がり に 関し て 特徴付け を 行う 。.

(5) 目次 第1章 1.1 1.2 1.3. はじ めに 古典論理と 直観主義論理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 先行研究 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 研究目的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. 第2章 2.1 2.2. 線形論理 線形論理と は . . . . . . . . . . . . . . . 線形論理に おけ る シーク エン ト 計算 . . 2.2.1 論理式 . . . . . . . . . . . . . . 2.2.2 古典線形論理 . . . . . . . . . . 2.2.3 直観主義線形論理 . . . . . . . . 2.2.4 様々 な 線形論理 . . . . . . . . . 構文論に 関する 結果 . . . . . . . . . . . 2.3.1 証明可能な シーク エン ト . . . . 2.3.2 可逆性 . . . . . . . . . . . . . . 2.3.3 カ ッ ト 除去 . . . . . . . . . . . . 様々 な 形式体系 . . . . . . . . . . . . . 2.4.1 片側シーク エン ト 計算 . . . . . 2.4.2 線形論理に おけ る 自然演繹 . . . 2.4.3 線形論理に おけ る ヒ ルベルト 流. 2.3. 2.4. 第3章 3.1. 3.2 3.3. 証明構造 乗法線形論理に 関する 証明構造 . . . . 3.1.1 証明構造 . . . . . . . . . . . . . 3.1.2 帰納的証明構造 . . . . . . . . . プルーフ ネ ッ ト と 帰納的証明構造 . . . ⊸ 結合子に 関する 帰納的証明構造 . . . 3.3.1 シーク エン ト 計算と の対応関係 3.3.2 帰納的証明構造に 関する 概念 .. i. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. 1 1 1 2. . . . . . . . . . . . . . .. 3 3 4 4 6 8 8 9 9 10 12 18 18 19 19. . . . . . . .. 22 22 22 24 25 37 39 39.

(6) 可逆性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. 41. 第4章 4.1 4.2. 線形論理におけ る 古典論理と 直観主義論理の関係 ⊸ 結合子だけ から な る 線形論理での関係 . . . . . . . . . . . . . . . MIZLL に 関する 関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.2.1 帰納的証明構造を 用いた ア プロ ーチ . . . . . . . . . . . . . .. 44 44 46 46. 第5章. 結論. 61. 3.3.3. ii.

(7) 第1章. はじ めに. 1.1 古典論理と 直観主義論理 古典論理と は、 最も よ く 使われる 論理である 。 こ れは研究に 関し て だけ でな く 、 日常生活に 関し て に も 言う こ と ができ る 。 例え ば、 高校生で習う 論理、 ディ ジタ ル回路やブール値な ど に 用いら れる のも 古典論理である 。 古典論理の特徴と し て 、 排中律 (A ∨ ¬A) や二重否定の除去律 (¬¬A → A) が成り 立つこ と 、 ド ・ モルガン の 法則 (A ∧ B ↔ ¬(¬A ∨ ¬B) な ど ) が成り 立つこ と が挙げら れる 。 ま た、 真理値表の よ う に 二値で表現でき る のも 特徴であ る 。 こ のよ う に 、 我々 の最も 身近な 論理が 古典論理であ る 。 し かし 、 論理は古典論理だ け ではな い。 直観主義論理と いう 古典論理よ り 弱い 論理がある 。 論理が弱いと は、 成り 立つ論理式が少な いこ と を 意味する 。 例え ば、 先ほど の排中律や二重否定の除去律は直観主義論理では成り 立た な い。 直観主義論理と は、 ブラ ウ ワ ーに よ る 直観主義的な 考え 方を 弟子のハイ テ ィ ン グが形式化し た こ と で生ま れた 論理であ る 。 ブラ ウ ワ ーは、 数学的対象は数学者 の精神の産物であ り 、 あ る 性質を も つ数学的対象が存在する と いう こ と を 示すに も 、 構成的な 手続き に 従っ て そ のよ う な 対象が存在する こ と を 示さ な け ればな ら な いと 考え た 。 こ れがブラ ウ ワ ーの直観主義的な 考え 方であ り 、 こ の考え 方を 形 式化し た も のが直観主義論理であ る 。 直観主義に 基づく 数学な ど は構成的数学と 呼ばれ、 様々 な 研究がな さ れて いる 。 ま た 、 直観主義論理に 関する 有名な 定理と し て 、 カ リ ー・ ハワ ード 同型対応が知ら れて いる 。 こ れは、 直観主義論理の証明 と プロ グラ ム の間に は対応関係があ る と いう 定理であ る 。 こ の定理から も 分かる よ う に 、 直観主義論理の研究は情報科学の観点から も 見て も 重要であ る 。. 1.2 先行研究 直観主義論理は古典論理よ り 弱い論理であ る と 述べた 。 つま り 、 そ れら の論理 の間には差がある 。 では、 ど れく ら いの差がある のだろ う か、 直観主義論理にど の よ う な 仮定を 加え る こ と で古典論理と 証明能力が同じ に な る のだろ う か。 よ く 知. 1.

(8) ら れた 結果と し て 、 論理式に 存在する 全て の変数に 対する 排中律ま た は、 二重否 定の除去律を 追加すれば古典論理と 証明能力が同じ に な る と いう 結果 [3] があ る 。 し かし 、 公理のよ う に 何も 加え な く て も 直観主義論理で成り 立つ論理式も 存在す る 。 よ っ て 、 次に 浮かび上がる 疑問は、 ど のよ う な 変数に 対する 排中律や二重否 定の除去律を 追加すれば十分な のかと いう こ と であ る 。 こ れに 対し て 、 論理式だ け を 見て 必要な 集合を 定める 結果が石原 [5, 6] に よ っ て 与え ら れた 。. 1.3 研究目的 本研究では線形論理に 対し て 、 こ の問題に 取り 組む 。 線形論理と は、 構造規則 を 制限し た 部分構造論理の1 つであ る 。 全て の資源 (仮定) は証明の中で必ず1 度 だ け 使われる と いう 考え 方を 持つ論理であ る 。 線形論理に も 先ほど の論理と 同様 に 、 古典線形論理と 直観主義線形論理があ る 。 本研究の目的と し て は、 古典線形 論理と 直観主義論理の差はど れく ら いあ る のかを 解析する こ と であ る 。 ま た 、 先 行研究のよ う に 論理式だ け で定める のではな く 、 証明図を 解析し て 必要な 集合を 定めて いる 。. 2.

(9) 第2章. 線形論理. 2.1 線形論理と は 線形論理は 1987 年に ジャ ン =イ ヴ・ ジラ ールに よ っ て 提唱さ れた部分構造論理 であ る [4]。 部分構造論理と は、 構造規則を 制限し た 論理のこ と である 。 線形論理 では、 弱化 (weakening) 規則と 縮約 (contraction) 規則を 認めて いな い。 そ れに よ っ て 、 線形論理では仮定が資源のよ う に 扱われ、 証明の中で必ず一度だ け 使用さ れ な け ればな ら な い。 そ のた め、 仮定に ついて 何を いく つ使う のかと いう こ と を 明 確に 表現する こ と に 適し た 論理であ る 。 先ほど の論理と 線形論理の違いを 直観的 に 理解する た めに 、 買い物を 題材に し た 有名な 例があ る 。  論理式 A, B, C を それぞれ「 1 0 0 円を 支払う 」、「 コ ーヒ ーが1 本買え る 」、「 お茶 が1 本買え る 」 こ と を 意味する も のと する 。 さ ら に 、「 1 0 0 円でコ ーヒ ーが1 本 買え る 」 こ と と 「 1 0 0 円でお茶を 1 本買え る 」 こ と を 仮定する 。 つま り 、 A ⇒ B と A ⇒ C を 仮定する 。 線形論理のかつを ⋆ を 用いて 表現する と すれば、 以下のよ う な 証明図が得ら れる 。 A⇒B A⇒C A, A ⇒ B ⋆ C R⋆. A, A ⇒ B ⋆ C は、 2 つの1 0 0 円を 支払う こ と でコ ーヒ ーと お茶が買え る こ と を 意味し て いる 。 同様に 、 通常の論理で考え る と 、 A, A ⇒ B ∧ C の証明図だけ でな く 、 次のよ う な 証明図も 得る こ と ができ る 。 A⇒B A⇒C R∧ A ⇒ B∧C こ れは1 0 0 円でコ ーヒ ーと お茶が買え る こ と を 意味し て いる 。 こ の例のよ う に 、 仮定を 自由に 用いる こ と を 許す論理に ついて 考え る と 、 日常生活の考え 方と 違い が生ま れて し ま う 。 逆に 、 数学のよ う に 仮定を 自由に 用いた 方が都合がよ い場合 は、 線形論理の考え 方は不便に 感じ ら れる 。. 3.

(10) 2.2 線形論理における シ ーク エン ト 計算 こ こ では、 線形論理に 対する 形式体系を 与え る 。 有名な 形式体系と し て 、 自然 演繹やヒ ルベルト 流、 シ ーク エン ト 計算があ る 。 最初の2 つは公理と 規則の紹介 に 留め、 本稿では主に シーク エン ト 計算を 用いて 議論する 。 シーク エン ト 計算は、 式 (sequent) Γ ⇒ ∆ を 用いて 計算する 形式体系である 。 こ こ で、 Γ, ∆ は論理式の列を 表す。 こ の式の直感的な 意味は、 Γ の中の全て の論理式 を 仮定すれば、 ∆ の中に 証明可能な 論理式が存在する と いう も のである 。 つま り 、 V W Γ → ∆ と 表すこ と も でき る 。. 2.2.1 論理式 初めに 、 線形論理で使用する 言語から 定義する 。 先ほど から 使用し て いる 論理 式な ど の言葉も こ こ で正確に 定義する 。 さ ら に 、 シ ーク エン ト 計算の定義に 必要 な 基本的な 概念も 定義する 。 線形論理の言語は以下のも のから な る 。. 1. 論理結合子 ∧, ∨, ⋆, +, ⊸, !, ? 2. 量化記号. ∀, ∃. 3. 対象変数. x, y, z, · · ·. 4. 対象定数. c, d, · · ·. 5. 関数記号. f, g, · · ·. 6. 述語記号. P, Q, · · ·. 7. 補助記号. (, ), , ( コ ン マ ). 項と 論理式は以下のよ う に 定義さ れる 。 定義 (項). t, s, · · · を 項と する 。. 1. 対象変数と 対象定数は項であ る 。 2. f が m 変数の関数記号で、 t1 , · · · , tm が項な ら ば、 f (t1, · · · , tm ) も 項であ る 。 定義 (論理式). A, B, C, · · · を 論理式と する 。. 4.

(11) 1. P が n 変数の述語記号で、 t1 , · · · , tm が項な ら ば、 P(t1 , · · · , tm ) は論理式であ る 。 こ の形の論理式を 原子論理式 (atomic formula) と 呼ぶ。 2. A, B が論理式な ら ば、 (A ◦ B) も 論理式であ る 。 た だし 、 ◦ ∈ {∧, ∨, ⋆, +, ⊸} 3. A が論理式で、 x が対象変数な ら ば、 (∀x.A) と (∃x.A) も 論理式であ る 。 4. A が論理式な ら ば、 (!A) と (?A) も 論理式であ る 。 以下の条件の元で混乱が生じ な いな ら ば括弧を 省略し て も よ い。. • ∀, ∃, !, ? は ∧, ∨, ⋆, +, ⊸ よ り 結合が強い。 • ∧, ∨, ⋆, + は ⊸ よ り 結合が強い。 • ∧, ∨, ⋆, + は左結合で、 ⊸ は右結合であ る 。 例. ((A ⋆ B) ⊸ C)) ((A + B) ∧ C) (A ∨ (B ⋆ C)) (A ⊸ (B ⊸ C)). = = = =. A⋆B⊸C A+B∧C A ∨ (B ⋆ C) A⊸B⊸C. 定義 (自由変数). A に 出現する 変数の集合を V(A) と する 。 こ のと き 、 論理式 A の 自由変数 FV(A) は以下のよ う に 定義さ れる 。. 1. A が原子論理式な ら ば、 FV(A) = V(A) であ る 。 2. ◦ ∈ {∧, ∨, ⋆, +, ⊸} と する と 、 FV(A ◦ B) = FV(A) ∪ FV(B) であ る 。 3. FV(∀x.A) = FV(∃x.A) = FV(A) \ {x} であ る 。 4. FV(!A) = FV(?A) = FV(A) であ る 。 定義 (束縛変数). ま た 、 論理式 A の束縛変数 BV(A) は以下のよ う に 定義さ れる 。. 1. A が原子論理式な ら ば、 BV(A) = ∅ であ る 。 2. ◦ ∈ {∧, ∨, ⋆, +, ⊸} と する と 、 BV(A ◦ B) = BV(A) ∪ BV(B) であ る 。 3. BV(∀x.A) = BV(∃x.A) = BV(A) ∪ {x} であ る 。 4. BV(!A) = BV(?A) = BV(A) であ る 。 5.

(12) こ れら を 用いて 項の代入を 定義を する 。 定義 (項の代入). x を 変数、 t を 項と する 。. 1. s を 項と する と き 、 s に 出現する x を t で置き 換え る こ と を s[x/t] と 表す。 2. A が原子論理式 P(s1 , · · · , sm ) な ら ば、 A[x/t] = P(s1 [x/t], · · · , sm [x/t]) である 。 3. ◦ ∈ {∧, ∨, ⋆, +, ⊸} と する と 、 (A ◦ B)[x/t] = A[x/t] ◦ B[x/t] であ る 。 4. ◦ ∈ {∀, ∃} と する と 、 ◦y.A に 関する 代入は以下であ る 。    ◦y.A      (◦y.A)[x/t] =  ◦y.A[x/t]      ◦z.(A[y/z])[x/t]. x < FV(◦y.A) のと き x ∈ FV(◦y.A) かつ y < t のと き x ∈ FV(◦y.A) かつ y ∈ t のと き (z < V(A) ∪ V(t)). 5. ◦ ∈ {!, ?} と する と 、 (◦A)[x/t] = ◦(A[x/t]) であ る 。. 2.2.2 古典線形論理 初めに 、 古典線形論理に お け る シ ーク エン ト 計算を 定義する 。 シ ーク エン ト 計 算は、 1 つの公理と そ れぞれの結合子に 関する 推論規則から な る 。 さ ら に 、 推論 規則は L 規則と R 規則から な る 。 名前の通り 、 L 規則は ⇒ の左側に 関する 規則で、 R 規則は右側に 関する 規則であ る 。 ま た 、 式 Γ ⇒ ∆ から 規則に よ っ て 式 Γ′ ⇒ ∆′ が導出さ れる こ と を 、 以下のよ う に 表す。. Γ⇒∆ 規則 Γ′ ⇒ ∆′ ま た、 規則が適用さ れたと き に新たに出現し た論理式を 主論理式 (principal formula) と 呼ぶ。 古典線形論理のシーク エン ト 計算は表 2.1 で定義さ れる 。 こ こ で、 ⊥, ⊤, 0, 1 は定数である 。 こ こ から は Γ, ∆, · · · を 論理式の多重集合と する 。 例え ば、 古典線形 論理のシーク エン ト 計算を 用いて 以下のも のが得ら れる 。. p ⇒ p Ax R0 p ⇒ 0, p L0 R⊸ ⇒ p ⊸ 0, p 0⇒ L⊸ (p ⊸ 0) ⊸ 0 ⇒ p. p ⇒ p Ax p ⇒ p Ax R⋆ p, p ⇒ p ⋆ p. 6.

(13) 表 2.1: 古典線形論理に 対する シーク エン ト 計算 公理と カ ッ ト 規則 Γ ⇒ A, ∆ Γ′ , A ⇒ ∆′ Cut Ax p⇒p Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ 乗法と 加法結合子に 関する 規則 Γ, B ⇒ ∆ Γ ⇒ A, ∆ Γ ⇒ B, ∆ Γ, A ⇒ ∆ L∧ L∧ R∧ Γ, A ∧ B ⇒ ∆ Γ, A ∧ B ⇒ ∆ Γ ⇒ A ∧ B, ∆ Γ ⇒ A, ∆ Γ′ ⇒ B, ∆′ Γ, A, B ⇒ ∆ L⋆ R⋆ Γ, A ⋆ B ⇒ ∆ Γ, Γ′ ⇒ A ⋆ B, ∆, ∆′ Γ, A ⇒ ∆ Γ, B ⇒ ∆ Γ ⇒ A, ∆ Γ ⇒ B, ∆ L∨ R∨ R∨ Γ, A ∨ B ⇒ ∆ Γ ⇒ A ∨ B, ∆ Γ ⇒ A ∨ B, ∆ ′ ′ Γ ⇒ A, B, ∆ Γ, A ⇒ ∆ Γ , B ⇒ ∆ R+ ′ ′ L+ Γ, Γ , A + B ⇒ ∆, ∆ Γ ⇒ A + B, ∆ Γ, A ⇒ B, ∆ Γ, A ⇒ ∆ Γ′ , B ⇒ ∆′ R⊸ ′ ′ L ⊸ Γ, Γ , A ⊸ B ⇒ ∆, ∆ Γ ⇒ A ⊸ B, ∆ R⊤ L⊤ 規則は無し Γ ⇒ ⊤, ∆ Γ⇒∆ L1 R1 Γ, 1 ⇒ ∆ ⇒1 L⊥ Γ, ⊥ ⇒ ∆ R⊥ 規則は無し Γ⇒∆ R0 L0 0⇒ Γ ⇒ ∆, 0 量化結合子に 関する 規則 (y < FV(Γ) ∪ FV(∆)) Γ ⇒ A[x/y], ∆ Γ, A[x/t] ⇒ ∆ L∀ R∀ Γ, ∀x.A ⇒ ∆ Γ ⇒ ∀x.A, ∆ Γ, A[x/y] ⇒ ∆ Γ ⇒ A[x/t], ∆ L∃ R∃ Γ, ∃x.A ⇒ ∆ Γ ⇒ ∃x.A, ∆ 指数結合子に 関する 規則 Γ, A ⇒ ∆ !Γ ⇒ A, ?∆ Γ, !A, !A ⇒ ∆ Γ⇒∆ W! L! R! C! Γ, !A ⇒ ∆ Γ, !A ⇒ ∆ !Γ ⇒ !A, ?∆ Γ, !A ⇒ ∆ !Γ, A ⇒ ?∆ Γ ⇒ A, ∆ Γ ⇒ ?A, ?A, ∆ Γ⇒∆ W? L? R? C? Γ ⇒ ?A, ∆ !Γ, ?A ⇒ ?∆ Γ ⇒ ?A, ∆ Γ ⇒ ?A, ∆ ∼A≔A⊸0. 7.

(14) こ れら のよ う な 公理と 規則に よ っ て 式を 導出する 図を 証明図と 呼ぶ。 ま た 、 一番 下に 出現し た 式を 終式と 呼ぶ。 正式な 定義は以下で与え れる 。 定義 (証明図と 終式).. 1. 公理は証明図であ る 。 そ の証明図の終式は公理自身であ る 。 2. P1 は S 1 を 終式と する 証明図と する 。 S1 P1 こ のと き 、 S が規則の1 つであ れば、 S も 証明図であ る 。 そ の終式は S であ る 。 3. P1 , P2 はそ れぞれ S 1 , S 2 を 終式と する 証明図と する 。 S1 S2 P1 P2 こ のと き 、 S が規則の1 つであ れば、 S も 証明図であ る 。 そ の 終式は S であ る 。 式 S を 終式と する 証明図が存在する と き S はで証明可能であ る と いう 。 ま た 、 古典線形論理に お いて 式 S が証明可能であ る と き 、 CLL ⊢ S と 書く 。 先ほど の例 よ り 、 CLL ⊢ (p ⊸ 0) ⊸ 0 ⇒ p であ る 。. 2.2.3 直観主義線形論理 次に 、 直観主義線形論理に お け る シ ーク エン ト 計算を 定義する 。 線形論理に 限 ら ず、 直観主義論理のシ ーク エン ト 計算は古典論理のシ ーク エン ト 計算から 得る こ と ができ る 。 直観主義論理に おいて は、 式が ⇒ の右側が高々 1 つの論理式に 制 限さ れる 。 し た がっ て 、 シーク エン ト 計算の公理と 規則も ⇒ の右側が高々 1 つの 論理式に 制限さ れた 形に な る 。 つま り 、 表 2.1 の ⇒ の右側を 高々 1 つの論理式に 制限し た も のが、 直観主義線形論理のシーク エン ト 計算であ る 。 例え ば、 ⊸ 結合 子に 関する 規則は以下のよ う に な る 。 ∆ は高々 1 つの論理式であ る 。. Γ ⇒ A Γ′ , B ⇒ ∆ L⊸ Γ, Γ′ , A ⊸ B ⇒ ∆. Γ, A ⇒ B L⊸ Γ⇒A⊸B. 式の制限に よ り 、 直観主義線形論理では結合子 + と ? に 関する 規則を 除外する 。 そ し て 、 S が直観主義線形論理で証明可能であ る と き 、 ILL ⊢ S と 書く 。. 2.2.4 様々 な線形論理 線形論理に は多く の論理結合子があ っ た 。 そ れら は以下のよ う に 4 つのグルー プに 分け ら れる 。. 8.

(15) 乗法結合子 (multiplicative operators) 加法結合子 (additvie operators) 量化結合子 (quantifiers) 指数結合子 (exponentials). ⋆, +, ⊸, 0, 1 ∧, ∨, ⊤, ⊥ ∀, ∃ !, ?. こ れら のグループ分け を 元に 、 線形論理に は以下のよ う な 部分論理があ る 。. MLL MELL LL0 LLq LLe. 乗法結合子に ついて の規則から な る 論理 乗法結合子と 指数結合子に ついて の規則から な る 論理 乗法結合子と 加法結合子に ついて の規則から な る 論理 指数結合子を 除いた 規則から な る 論理 量化結合子を 除いた 規則から な る 論理. 例え ば、 古典線形論理を 乗法結合子だけ に 制限し た 論理を MCLL と 表記する 。 し た がっ て 、 MCLL ⊢ Γ ⇒ ∆ と 表記し た 場合、 古典線形論理を 乗法結合子だけ に 制 限し た 論理で Γ ⇒ ∆ が証明可能であ る こ と を 意味する 。. 2.3 構文論に関する 結果 こ こ では 2.2 で定義し たシーク エン ト 計算を 用いて 、 線形論理の構文論に 関する よ く 知ら れた 結果を 紹介する 。. 2.3.1 証明可能なシ ーク エン ト 定理. CLL ⊢ A ⇒ A かつ ILL ⊢ A ⇒ A。 証明. A の複雑さ に 関する 帰納法で示すこ と ができ る 。 定理. CLL ⊢ A ⇔∼∼ A。 (CLL ⊢ A ⇒∼∼ A かつ CLL ⊢∼∼ A ⇒ A の略記であ る 。 ) 証明. 以下のよ う な 2 つの証明図が得ら れる た め、 CLL ⊢ A ⇔∼∼ A が成り 立つ。. A⇒A R0 A ⇒ A, 0 L0 ⇒∼ A, A R ⊸ 0 ⇒ L ⊸ ∼∼ A ⇒ A. A⇒A 0⇒0 L⊸ A, ∼ A ⇒ 0 R ⊸ A ⇒∼∼ A.  9.

(16) 定理 (ド ・ モルガン の法則). 線形論理に おけ る ド ・ モルガン の法則は以下の同値関 係であ る 。. 1. CLL ⊢ A ⋆ B ⇔∼ (∼ A+ ∼ B) 2. CLL ⊢ 1 ⇔∼ 0 3. CLL ⊢ A ∧ B ⇔∼ (∼ A∨ ∼ B) 4. CLL ⊢ ⊤ ⇔∼ ⊥ 5. CLL ⊢ ∀x.A ⇔∼ (∃x. ∼ A) 6. CLL ⊢ !A ⇔∼ ? ∼ A 証明. 以下のよ う な 2 つの証明図が得ら れる ため、 CLL ⊢ A ⋆ B ⇔∼ (∼ A+ ∼ B) が 成り 立つ。. L0 L0 A⇒A 0⇒ B⇒B 0⇒ A, ∼ A ⇒ L ⊸ B, ∼ B ⇒ L ⊸ L+ A, B, ∼ A+ ∼ B ⇒ L⋆ A ⋆ B, ∼ A+ ∼ B ⇒ R0 A ⋆ B, ∼ A+ ∼ B ⇒ 0 R⊸ A ⋆ B ⇒∼ (∼ A+ ∼ B) A⇒A B⇒B R0 R0 A ⇒ A, 0 B ⇒ B, 0 ⇒∼ A, A R ⊸ ⇒∼ B, B R ⊸ R⋆ ⇒∼ A, ∼ B, A ⋆ B L0 ⇒∼ A+ ∼ B, A ⋆ B R+ 0⇒ L⊸ ∼ (∼ A+ ∼ B) ⇒ A ⋆ B  他の同値関係に 関し て も 同様に 証明図を 得る こ と ができ る 。. 2.3.2 可逆性 定義 (サイ ズ (measure)). 証明図 D に 対し て 、 証明図のサイ ズ d(D) を 以下のよ う に 定義する 。. • D が R1, L0 規則ま た は公理のみな ら ば、 d(D) = 0 であ る 。. 10.

(17) • D が D′ から L∧, R∨, L∀, R∃ ま た は指数結合子に 関する 規則のど れかに よ っ て 導出さ れた と き 、 d(D) = d(D′ ) + 1 であ る 。 • D が D′ と D′′ から R⋆, L+, L ⊸, Cut のど れかに よ っ て 導出さ れた と き 、 d(D) = max(d(D′ ), d(D′′ )) + 1 であ る 。 • D が D′ から R+, R ⊸, R0, R∀, L⋆, L1, L∃ のど れかに よ っ て 導出さ れた と き 、 d(D) = d(D′ ) であ る 。 • D が D′ と D′′ から R∧ ま たは L∨ によって導出さ れたと き 、 d(D) = max(d(D′ ), d(D′′ )) であ る 。 Γ ⇒ ∆ が d(D) ≤ n であ る D に よ っ て 導出可能な ら ば、 ⊢n Γ ⇒ ∆ と 書く 。 定理 (可逆性 (inversion lemma)). 古典線形論理で以下の同値関係が成り 立つ。 1. ⊢n Γ ⇒ A ⊸ B, ∆ iff ⊢n Γ, A ⇒ B, ∆ 2. ⊢n Γ, A ⋆ B ⇒ ∆ iff ⊢n Γ, A, B ⇒ ∆ 3. ⊢n Γ ⇒ A + B, ∆ iff ⊢n Γ ⇒ A, B, ∆ 4. ⊢n Γ ⇒ 0, ∆ iff ⊢n Γ ⇒ ∆ 5. ⊢n Γ, 1 ⇒ ∆ iff ⊢n Γ ⇒ ∆ 6. ⊢n Γ ⇒ A ∧ B, ∆ iff ⊢n Γ ⇒ A, ∆ かつ ⊢n Γ ⇒ B, ∆ 7. ⊢n Γ, A ∨ B ⇒ ∆ iff ⊢n Γ, A ⇒ ∆ かつ ⊢n Γ, B ⇒ ∆ 8. ⊢n Γ ⇒ ∀x.A, ∆ iff ⊢n Γ ⇒ A[x/y], ∆ (y < FV(Γ ∪ ∆ ∪ {∀x.A})) 9. ⊢n Γ, ∃x.A ⇒ ∆ iff ⊢n Γ ⇒ A[x/y], ∆ (y < FV(Γ ∪ ∆ ∪ {∃x.A})) ⇒ の右側を 高々 1 つの論理式に 制限すれば、 直観主義線形論理に おいて も 同様の こ と が成り 立つ。 証明 (CLL ⊢n Γ, A ⋆ B ⇒ ∆ iff CLL ⊢n Γ, A, B ⇒ ∆). こ こ で用いる シーク エン ト 計算は、 分かり やすく する た めに サイ ズを 明記し た 形で書く 。 (←) シーク エン ト 計算の規則と サイ ズの定義から 自明であ る 。 (→) 証明図の高さ に 関する 帰納法で示す。 基底段階 (base case). • 公理ま た は R1 ま た は L0 のと き Γ, A ⋆ B ⇒ ∆ の形に な ら な いので、 何も 証明すべき こ と はな い。 帰納段階 (induction step). 11.

(18) • 最後に L∧ が適用さ れた と き ⊢n−1 Γ, Ci , A ⋆ B ⇒ ∆ L∧ ⊢n Γ, C0 ∧ C1 , A ⋆ B ⇒ ∆. (i ∈ {0, 1}). こ のよ う に 導出さ れた と する と 、 以下よ う に 得る こ と ができ る 。. ⊢n−1 Γ, Ci , A ⋆ B ⇒ ∆ I.H. ⊢n−1 Γ, Ci , A, B ⇒ ∆ L∧ ⊢n Γ, C0 ∧ C1 , A, B ⇒ ∆. (i ∈ {0, 1}). • 最後に R∧ が適用さ れた と き ⊢n Γ, A ⋆ B ⇒ C0 , ∆ ⊢n Γ′ ⇒ C1 , ∆′ R∧ ⊢max(n,m) Γ, Γ′ , A ⋆ B∆ ⇒ C0 ∨ C1 , ∆′ こ のよ う に 導出さ れた と する と 、 以下よ う に 得る こ と ができ る 。. ⊢n Γ, A ⋆ B ⇒ C0 , ∆ I.H. ⊢n Γ, A, B ⇒ C0 , ∆ ⊢n Γ′ ⇒ C1 , ∆′ R∧ ⊢max(n,m) Γ, Γ′ , A, B ⇒ C0 ∨ C1 , ∆, ∆′ 同様の方法で他の論理式に ついて も 示すこ と ができ る 。.  他の同値関係に 対し て も 同様に 証明でき る 。. 2.3.3 カ ッ ト 除去 カ ッ ト 規則に 関する 重要な 定理を 示す。. Γ ⇒ A, ∆ Γ′ , A ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ 上記の A と ∼ A を カ ッ ト 論理式 (cut formula) と 呼ぶ。 カ ッ ト の階数 (cut of rank) と は、 カッ ト 論理式の複雑さ である 。 証明図のカッ ト 階級 (cutrank of deduction) と は、 証明図の中に 現れる 最大のカッ ト の階数である 。 カッ ト の階層 (level of cut) と は、 そ のカ ッ ト 規則ま での証明図の高さ であ る 。 定理 (カッ ト 除去 (cut elimination)). CLL ⊢ Γ ⇒ ∆ ま たは ILL ⊢ Γ ⇒ ∆ な ら ば、 カッ ト 規則を 使わな い証明図が得ら れる 。. 12.

(19) 証明 (古典線形論理に 関する カッ ト 除去). 証明図のカッ ト 階級ま たはカッ ト の階層 を 下げる こ と で帰納的に 示す。 基底段階. • 2 つのカ ッ ト 論理式が主論理式のと き – カ ッ ト 論理式が原子論式のと き p ⇒ p Ax p ⇒ p Ax Cut p⇒p こ のと き 、 以下のよ う な カ ッ ト 規則がな い証明図に 置き 換え ら れる 。. p ⇒ p Ax – カ ッ ト 論理式が 1 のと き ⇒1. Γ⇒∆ L1 1, Γ ⇒ ∆ Cut Γ⇒∆. R1. こ のと き 、 以下のよ う な カ ッ ト 規則がな い証明図に 置き 換え ら れる 。. Γ⇒∆ – カ ッ ト 論理式が 0 のと き Γ⇒∆ R0 L0 Γ ⇒ ∆, 0 0⇒ Cut Γ⇒∆ こ のと き 、 以下のよ う な カ ッ ト 規則がな い証明図に 置き 換え ら れる 。. Γ⇒∆ 帰納段階. • 少な く と も ど ち ら かのカ ッ ト 論理式が主論理式ではな いと き. 13.

(20) – 2 つの式から 導出さ れた と き Γ1 ⇒ ∆1 , A Γ2 ⇒ ∆2 規則 Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ , A A, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′ , ∆′′ こ のと き 、 以下のよ う に カ ッ ト の階層を 下げる こ と ができ る 。. Γ1 ⇒ ∆1 , A A, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut Γ1 , Γ′′ ⇒ ∆1 , ∆′′ Γ2 ⇒ ∆2 規則 Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′ , ∆′′ – 1 つの式から 導出さ れた と き Γ ⇒ ∆, A 規則 Γ′ ⇒ ∆′ , A A, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut ′ ′′ ′ Γ , Γ ⇒ ∆ , ∆′′ こ のと き 、 以下のよ う に カ ッ ト の階層を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A A, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut Γ, Γ′′ ⇒ ∆, ∆′′ 規則 Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆′ , ∆′′ • 2 つのカ ッ ト 論理式が主論理式のと き – カ ッ ト 論理式が A ∧ B のと き A, Γ ⇒ ∆ Γ′ ⇒ ∆′ , A Γ′ ⇒ ∆′ , B R∧ L∧ ′ ′ Γ ⇒ ∆ ,A∧ B A ∧ B, Γ ⇒ ∆ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ′ ⇒ ∆′ , A A, Γ ⇒ ∆ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ – カ ッ ト 論理式が A ⋆ B のと き Γ ⇒ ∆, A Γ′ ⇒ ∆′ , B A, B, Γ′′ ⇒ ∆′′ R⋆ L⋆ Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ , A ⋆ B A ⋆ B, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′ , ∆′′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A A, B, Γ′′ ⇒ ∆′′ Cut B, Γ, Γ′′ ⇒ ∆, ∆′′ Γ ⇒ ∆ ,B Cut Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′ , ∆′′ ′. ′. 14.

(21) – カ ッ ト 論理式が A ∨ B のと き Γ ⇒ ∆, A A, Γ′ ⇒ ∆′ B, Γ′ ⇒ ∆′ R∨ L∨ Γ ⇒ ∆, A ∨ B A ∨ B, Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ – カ ッ ト 論理式が A + B のと き Γ′′ ⇒ ∆′′ , A, B A, Γ ⇒ ∆ B, Γ′ ⇒ ∆′ R+ L+ ′′ ′′ Γ ⇒ ∆ ,A+ B A + B, Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ Cut Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′ , ∆′′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ′′ ⇒ ∆′′ , A, B A, Γ ⇒ ∆ Cut Γ, Γ′′ ⇒ ∆, ∆′′, B B, Γ′ ⇒ ∆′ Cut ′ ′′ ′ ′′ Γ, Γ , Γ ⇒ ∆, ∆ , ∆ – カ ッ ト 論理式が A ⊸ B のと き Γ ⇒ ∆, A B, Γ′ ⇒ ∆′ A, Γ′′ ⇒ ∆′′ , B R ⊸ L⊸ Γ′′ ⇒ ∆′′ , A ⊸ B A ⊸ B, Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ Cut Γ, Γ′ , Γ′′ ⇒ ∆, ∆′, ∆′′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A A, Γ′′ ⇒ ∆′′ , B Cut Γ, Γ′′ ⇒ ∆, ∆′′ , B B, Γ′ ⇒ ∆′ Cut ′ ′′ ′ Γ, Γ , Γ ⇒ ∆, ∆ , ∆′′ – カ ッ ト 論理式が ∀x.A のと き A[x/y], Γ′ ⇒ ∆′ Γ ⇒ ∆, A[x/y] R∀ L∀ Γ ⇒ ∆, ∀x.A ∀x.A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A[x/y] A[x/y], Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ 15.

(22) – カ ッ ト 論理式が ∃x.A のと き Γ ⇒ ∆, A[x/y] A[x/y], Γ′ ⇒ ∆′ R∃ L∃ Γ ⇒ ∆, ∃x.A ∃x.A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ こ のと き 、 以下のよ う に 証明図のカ ッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A[x/y] A[x/y], Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ – カ ッ ト 論理式が !A のと き ⇒ の左側の !A の導出に よ っ て 以下のよ う に 分け ら れる 。 * W! 規則に よ っ て 導出さ れた と き !Γ ⇒ ?∆, A Γ′ ⇒ ∆′ R! W! !Γ ⇒ ?∆, !A !A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ∆′ こ のと き 、 L! と R? の規則を 複数回適用し て 、 以下のよ う に 証明図 を 得る こ と ができ る 。. Γ′ ⇒ ∆′ .. . ′ !Γ, Γ ⇒ ?∆, ∆′ * L! 規則に よ っ て 導出さ れた と き A, Γ′ ⇒ ∆′ !Γ ⇒ ?∆, A R! L! !Γ ⇒ ?∆, !A !A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ∆′ こ のと き 、 以下のよ う に証明図のカッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. !Γ ⇒ ?∆, A A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ * C! 規則に よ っ て 導出さ れた と き !A, !A, Γ′ ⇒ ∆′ !Γ ⇒ ?∆, A C! R! !Γ ⇒ ?∆, !A !A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ∆′. 16.

(23) こ のと き 、 以下のよ う に カ ッ ト の階層を 下げる こ と ができ る 。. !Γ ⇒ ?∆, !A !A, !A, Γ′ ⇒ ∆′ Cut !Γ ⇒ ?∆, !A !A, !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ∆′ Cut !Γ, !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ?∆, ∆′ .. . !Γ, Γ′ ⇒ ?∆, ∆′ – カ ッ ト 論理式が ?A のと き ⇒ の右側の ?A の導出に よ っ て 以下のよ う に 分け ら れる 。 * W? 規則に よ っ て 導出さ れた と き A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Γ⇒∆ W? L? Γ ⇒ ∆, ?A ?A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ こ のと き 、 L! と R? の規則を 複数回適用し て 、 以下のよ う に 証明図 を 得る こ と ができ る 。. Γ⇒∆ .. . ′ Γ, !Γ ⇒ ∆, ?∆′ * R? 規則に よ っ て 導出さ れた と き A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Γ ⇒ ∆, A R? L? Γ ⇒ ∆, ?A ?A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ こ のと き 、 以下のよ う に証明図のカッ ト 階級を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, A A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ * C? 規則に よ っ て 導出さ れた と き Γ ⇒ ∆, ?A, ?A A, !Γ′ ⇒ ?∆′ C? L? Γ ⇒ ∆, ?A ?A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ こ のと き 、 以下のよ う に カ ッ ト の階層を 下げる こ と ができ る 。. Γ ⇒ ∆, ?A, ?A ?A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ , ?A ?A, !Γ′ ⇒ ?∆′ Cut ′ ′ ′ Γ, !Γ , !Γ ⇒ ∆, ?∆ , ?∆′ .. . Γ, !Γ′ ⇒ ∆, ?∆′ 17.

(24)  こ のカッ ト 除去定理よ り 、 カッ ト 規則の無い線形論理に おいて も 、 カッ ト 規則を よ う な 考え 方を 用いて よ い。 つま り 、 Γ ⇒ ∆, A と A, Γ′ ⇒ ∆′ がカ ッ ト 規則のな い 線形論理で得ら れた と する 。 こ のと き 、 そ の論理では、 Γ, Γ′ ⇒ ∆, ∆′ も 得ら れる 。. 2.4 様々 な形式体系 こ れま でに 、 シーク エン ト 計算を 定義し て 様々 な 結果を 示し て き た。 こ こ では、 シーク エン ト 計算以外のよ く 知ら れた 形式体系を 紹介する 。. 2.4.1 片側シ ーク エン ト 計算 片側シ ーク エン ト 計算と は、 そ の名の通り シ ーク エン ト 計算を 片側だけ に し た 形式体系であ る 。 公理を ⇒ p, ∼ p と する こ と で片側だけ の形式体系を 実現し て い る 。 そ のた め、 古典線形論理に 関する 形式体系だ け を 考え る 。 ま た 、 片側し か使 用し な いので、 ⇒ も 落と し て いる 。 定義は表 2.2 であ る 。 表 2.2: 古典線形論理に 対する シーク エン ト 計算 公理と カ ッ ト 規則 Γ, A ∆, ∼ A Cut Ax p, ∼ p Γ, ∆ 結合子の規則 Γ, A ∆, B Γ, A Γ, B Γ, A Γ, B ⋆ ∧ ∨ ∨ Γ, A ∧ B Γ, ∆, A ⋆ B Γ, A ∨ B Γ, A ∨ B Γ, A, B Γ + ⊤ 0 1 Γ, A + B Γ, ⊤ 1 Γ, 0 量化結合子に 関する 規則 Γ, A[x/y] Γ, A[x/t] ∀ ∃ Γ, ∀x.A Γ, ∃x.A 指数結合子に 関する 規則 ?Γ, A Γ, A Γ, ?A, ?A Γ C ! W ? ?Γ, !A Γ, ?A Γ, ?A Γ, ?A. 18.

(25) 2.4.2 線形論理における 自然演繹 次に 、 自然演繹を 紹介する 。 自然演繹は、 数学で行う 推論に よ り 近い形式体系 である と も 言われる 。 こ の体系の規則は、 大き く 分け て 導入規則 I と 除去規則 E に 分け ら れる 。 ま た 、 シ ーク エン ト 計算のよ う に 式を 制限する のではな く 、 古典論 理のみ認める 規則に よ っ て 違いが生ま れる 。 先に 定義に 必要な 概念を 定義する 。 定義. 論理式 A に 出現する 変数 x に 対し て 、 t が自由であ る と は以下のよ う に 定義 さ れる 。. • A が原子論理式であ る と き 論理式 A に 出現する 変数 x に 対し て 、 t は自由であ る 。 • A ≡ B ◦ C (◦ ∈ {∧, ∨, ⋆, +, ⊸}) であ る と き B に 出現する x に 対し て t が自由で、 C に 出現する x に 対し て t が自由でな ら ば、 A に 出現する x に 対し て t は自由であ る 。 • A ≡ ∀y.B であ る と き x = y ま た は、 y < FV(t) かつ B に 出現する x に 対し て t が自由な ら ば、 A に 出現する x に 対し て t は自由であ る 。 た だし 、 x , y であ る 。 • A ≡ ◦B (◦ ∈ {!, ?}) であ る と き B に 出現する x に 対し て t が自由な ら ば、 A に 出現する x に 対し て t は自由で ある 。 自然演繹の定義は表 2.3 であ る 。. 2.4.3 線形論理における ヒ ルベルト 流 最後に 、 ヒ ルベルト 流と 呼ばれる 形式体系を 紹介する 。 先ほど ま での形式体系 は、 1 つの公理と 多く の規則から 構成さ れて いた 。 そ れに 対し て 、 ヒ ルベルト 流 は多く の公理と 少し の規則から 構成さ れる 。 ヒ ルベルト 流の定義は表 2.4 である 。. 19.

(26) 表 2.3: 線形論理に おけ る 自然演繹. ⊤I p ⊢ p Ax Γ⊢⊤ Γ⊢A Γ⊢B ∧I Γ, ∆ ⊢ A ∧ B Γ⊢A ∆⊢B ⋆I Γ, ∆ ⊢ A ⋆ B Γ ⊢ Ai ∨I (i ∈ {0, 1}) Γ ⊢ A0 ∨ A1 i Γ, A ⊢ B ⊸I Γ⊢A⊸B ⊢1. ⊥E Γ, ⊥ ⊢ A Γ ⊢ A0 ∧ A1 ∧Ei (i ∈ {0, 1}) Γ ⊢ Ai Γ ⊢ A ⋆ B ∆, A, B ⊢ C ⋆E Γ, ∆ ⊢ C ∆ ⊢ A ∨ B A, Γ ⊢ C B, Γ ⊢ C ∨E Γ, ∆ ⊢ C Γ, A ⇒ ∆ ∆ ⊢ A ⊸E Γ, ∆ ⊢ A ⊸ B Γ⊢1 ∆⊢A 1E Γ, ∆ ⊢ A. 1I. Γ, A ⊸ 0 ⊢ 0 0E ( 古典線形論理のみ ) Γ⊢A Γ ⊢ A[x/y] Γ ⊢ ∀x.A ∀E ∀I Γ ⊢ ∀x.A Γ ⊢ A[x/t] Γ ⊢ ∃x.A ∆, A[x/y] ⊢ C Γ ⊢ A[x/t] ∃E ∃I Γ ⊢ ∃x.A Γ, ∆ ⊢ C Γ ⊢ !A ∆ ⊢ C W !Γ ⊢ A !I !E !Γ ⊢ !A Γ, ∆ ⊢ C Γ ⊢ !A ∆, A ⊢ C Γ ⊢ !A ∆, !A, !A ⊢ C C !E !E Γ, ∆ ⊢ C Γ, ∆ ⊢ C t, y は x に 対し て 自由で、 y < FV(A) であ る 。 古典線形論理での + と ? は、 ド ・ モルガン の法則に よ っ て 定義さ れる 。 (∼ A ≔ A ⊸ 0). 20.

(27) 表 2.4: 古典線形論理に 対する ヒ ルベルト 流 公理と カ ッ ト 規則 (1) A⊸A (2) (A ⊸ B) ⊸ ((B ⊸ C) ⊸ (A ⊸ C)) (3) (A ⊸ (B ⊸ C)) ⊸ (B ⊸ (A ⊸ C)) (4) ((A ⊸ 0) ⊸ 0) ⊸ A ( 古典線形論理のみ ) (5) A ⊸ (B ⊸ A ⋆ B) (6) (A ⊸ (B ⊸ C)) ⊸ (A ⋆ B ⊸ C) (7) 1 (8) 1 ⊸ (A ⊸ A) (9) A ∧ B ⊸ A, A ∧ B ⊸ B (10) (A ⊸ B) ∧ (A ⊸ C) ⊸ (A ⊸ B ∧ C) (11) A ⊸ A ∨ B, B ⊸ A ∨ B (12) (A ⊸ C) ∨ (B ⊸ C) ⊸ (A ∨ B ⊸ C) (13) A⊸⊤ (14) ⊥⊸A (15) ∀x.A ⊸ A[x/t] (16) A[x/y] ⊸ ∃x.A 規則 ⊸ -Rule A, A ⊸ B ⇒ B ∧-Rule A, B ⇒ A ∧ B ∀-Rule B ⊸ A ⇒ B ⊸ ∀x.A (x < FV(B)) ∃-Rule A ⊸ B ⇒ ∃x.A ⊸ B (x < FV(B)) 指数結合子に 関する 公理 (17) B ⊸ (!A ⊸ B) (18) (!A ⊸ (!A ⊸ B)) ⊸ (!A ⊸ !B) (19) !(A ⊸ B) ⊸ (!A ⊸ !B) (20) !A ⊸ A (21) !A ⊸ !!A 指数結合子に 関する 規則 !-Rule A ⇒ !A. 21.

(28) 第3章. 証明構造. 第 2 章では、 3 つの証明体系を 定義し た。 こ こ では、 帰納的証明構造やプルーフ ネ ッ ト と 呼ばれる 、 グラ フ の形を し た 形式体系を 定義する 。 こ れは線形論理で使 われる 形式体系であ る 。 特に 断り がな い限り 、 こ の章では古典線形論理に ついて 言及する 。. 3.1 乗法線形論理に関する 証明構造 こ こ では乗法結合子に限定し た片側シーク エン ト 計算について 考え る 。 し たがっ て 、 ルールは以下のも のだけ から な る 。. p, ∼ p Ax   Γ, A ∆, B ⋆ Γ, ∆, A ⋆ B. 1. 1 Γ, A, B + Γ, A + B. こ こ で以下の2 つの証明図を 見る 。 p, ∼ p Ax q, ∼ q Ax p ⋆ q, ∼ p, ∼ q ⋆ r, ∼ r Ax ⋆ (p ⋆ q) ⋆ r, ∼ p, ∼ q, ∼ r + (p ⋆ q) ⋆ r, ∼ p+ ∼ q, ∼ r. Γ 0 Γ, 0 Γ, A ∆, ∼ A Cut Γ, ∆. p, ∼ p Ax q, ∼ q Ax p ⋆ q, ∼ p, ∼ q ⋆ p ⋆ q, ∼ p+ ∼ q + r, ∼ r Ax ⋆ (p ⋆ q) ⋆ r, ∼ p+ ∼ q, ∼ r. こ れら の違いは規則の適用順序に し か無い。 こ のよ う な 違いし か無い証明図に 関 し て 、 プルーフ ネ ッ ト では同じ グラ フ を 得る こ と ができ る 。 ま た 、 証明図を 見て わかる よ う に シ ーク エン ト 計算では何度も 同じ 論理式を 記述し て いる が、 プルー フ ネ ッ ト ではこ のよ う な 冗長な 記述を 避け る こ と も でき る 。. 3.1.1 証明構造 初めに 、 証明構造を 定義する 。 証明構造は論理式に よ っ て ラ ベル付け さ れた ラ ベル付き 無向グラ フ であ る 。 証明構造は以下の6 つの構成要素から な る 。. 22.

(29) ax. p. ∼p. A. B cut. 1 A. 0 B. A. B. ⋆. +. A⋆B. A+B. 正確な 定義は以下で与え ら れる 。 定義 (証明構造 (proof structure)). f ormula を 論理式の集合と する 。 証明構造 α は、 3 つ組 (Vα , E α , Lα ) から な る 無向 グラ フ である 。 Vα は節点の集合、 E α は辺の集合、 Lα : Vα −→ f ormula はラ ベルに 対する 関数の集合である 。 ま た、 証明構造の定義と 同時に 、 終節点 (terminal node) T N の定義も 行う 。 こ こ で、 α, β, · · · は証明構造を 表し 、 xA は節点 x が A でラ ベル 付け さ れて いる こ と を 表す。 公理 α = ({x1 , x2 }, {{x1, x2 }}, {(x1, p), (x2 , ∼ p)}) は証明構造である 。 こ のと き 、 T N(α) = {x1 , x2 } であ る 。. 1 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 1)}) は証明構造であ る 。 こ のと き 、 T N(α) = {x} であ る 。 0 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 0)}) は証明構造であ る 。 こ のと き 、 T N(α) = {x} であ る 。 結合規則 α, β が証明構造で、 Vα ∩ Vβ = ∅ な ら ば、 (Vα ∪ Vβ , E α ∪ E β , Lα ∪ Lβ ) も 証 明構造であ る 。 こ のと き の終節点は、 T N(α) ∪ T N(β) であ る 。 カ ッ ト 規則 α が証明構造で、 x1 A , x2 ∼A ∈ T N(α) な ら ば、 (Vα , E α ∪ {{x1 , x2 }}, Lα }) も 証明構造であ る 。 こ のと き の終節点は、 T N(α) \ {x1 , x2 } であ る 。. ⋆ 規則 α が証明構造で、 xA , yB ∈ T N(α) かつ z < Vα なら ば、 (Vα ∪{z}, E α∪{{x, z}, {y, z}}, Lα∪ {(z, A ⋆ B)}) も 証明構造である 。 こ のと き の終節点は、 (T N(α) ∪ {z}) \ {x, y} で ある 。 + 規則 α が証明構造で、 xA , yB ∈ T N(α) かつ z < Vα なら ば、 (Vα ∪{z}, E α ∪{{x, z}, {y, z}}, Lα∪ {(z, A + B)}) も 証明構造である 。 こ のと き の終節点は、 (T N(α) ∪ {z}) \ {x, y} で ある 。 以下のグラ フ が証明構造の例でであ る 。. 23.

(30) ax. p ∼p. ax. ax. q ∼q. r ∼r. ⋆. ⋆. ∼ p⋆q. ∼q⋆r +. (∼ p ⋆ q)+ ∼ r. 3.1.2 帰納的証明構造 先ほど 定義し た 証明構造の一部であ る 帰納的証明構造を 定義する 。 帰納的証明 構造はシ ーク エン ト 計算に 対応し て いる 。 帰納的証明構造は以下の要素から 構成 さ れる 。 こ こ から は α, β, · · · は証明構造ま たは帰納的証明構造を 表し 、 文脈に よ っ て 使い分け る 。. ax. p α. ∼p. 1. β A. α B. α β. A. α B. 0 β. A. B. ⋆. +. A⋆B. A⋆B. cut. 正確な 定義は以下で与え ら れる 。 定義 (帰納的証明構造 (inductive proof structure)). 帰納的証明構造 α は、 3 つ組 (Vα , E α , Lα ) から な る 無向グラ フ であ る 。 こ こ でも 同 時に 終節点 T N を 定義する 。 公理 α = ({x1 , x2 }, {{x1, x2 }}, {(x1, p), (x2 , ∼ p)}) は帰納的証明構造である 。 こ のと き 、 T N(α) = {x1 , x2 } であ る 。. 1 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 1)}) は帰納的証明構造であ る 。 こ のと き 、 T N(α) = {x} で ある 。 24.

(31) 0 規則 z < Vα であ る α が帰納的証明構造でな ら ば、 α′ = (Vα ∪ {z}, E α, Lα ∪ {(z, 0)}) も 帰納的証明構造であ る 。 こ のと き 、 T N(α′ ) = T N(α) ∪ {z} であ る 。 カ ッ ト 規則 α, β が帰納的証明構造で、 xA ∈ Vα かつ y∼A ∈ Vβ 、 Vα ∩ Vβ = ∅ な ら ば、 (Vα ∪ Vβ , (E α ∪ E β ) ∪ {{x, y}}, Lα ∪ Lβ }) も 帰納的証明構造であ る 。 こ のと き の 終節点は、 (T N(α) ∪ T N(β)) \ {x, y} であ る 。. ⋆ 規則 α, β が帰納的証明構造で 、 xA ∈ Vα かつ yB ∈ Vβ 、 Vα ∩ Vβ = ∅ な ら ば、 (Vα ∪Vβ ∪{z}, E α∪E β ∪{{x, z}, {y, z}}, Lα∪Lβ ∪{(z, A⋆B)}) も 帰納的証明構造である 。 ただし 、 z < Vα ∪Vβ である 。 こ のと き の終節点は、 (T N(α)∪T N(β)∪{z})\{x, y} であ る 。 + 規則 α が帰納的証明構造で、 xA , yB ∈ Vα かつ z < Vα な ら ば、 (Vα ∪ {z}, E α ∪ {{x, z}, {y, z}}, Lα ∪ {(z, A + B)}) も 帰納的証明構造である 。 こ のと き の終節点は、 (T N(α) ∪ {z}) \ {x, y} であ る 。 こ の帰納的証明構造はシーク エン ト 計算と 対応が取れる 。 定理. 以下は同値であ る 。. 1. MCLL ⊢ Γ ⇒ ∆ 2. T N(α) = {xA ∈ Vα | A ∈ Γ ∪ ∆} であ る 帰納的証明構造 α が存在する 。 証明.. 1 → 2 シーク エン ト 計算の構成に 関する 帰納法で簡単に 示すこ と ができ る 。 2 → 1 帰納的証明構造の構成に 関する 帰納法で簡単に 示すこ と ができ る 。 . 3.2 プルーフ ネッ ト と 帰納的証明構造 今度はグラ フ 的な 特徴に 着目し て 、 ど のよ う な 証明構造が帰納的証明構造であ る かを 見る 。 こ こ ら かは 0 と 1、 カ ッ ト 規則を 落と し て 、 ⋆ と + の結合子だけ に 制 限し た 論理に ついて 考え る 。. 25.

(32) 定義 (道標 (travel instructions for trip)). 証明構造 α に 対し て 、 道標 αt = (Vαt , Aαt ) を 定義する 。 Vαt は節点の集合、 Aαt は弧 の集合であ る 。 証明構造の節点 x は x ↑ と x ↓ に 分け ら れ、 辺も 2 本の有向辺に 分 け ら れる 。 公理 α = ({x1 , x2 }, {{x1 x2 }}, {(x1, p), (x2 , ∼ p)}) のと き 、 αt = ({x1 ↑, x1 ↓, x2 ↑, x2 ↓}, {(x1 ↑, x2 ↓), (x2 ↓, x2 ↑), (x2 ↑, x1 ↓), (x1 ↓, x1 ↑)}) で あ る 。 グラ フ は以下のよ う に な る 。. ↑. p. ↓. ↑ ∼p ↓. 1 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 1)}) のと き 、 αt = ({x ↑, x ↓}, {(x ↑, x ↓), (x ↓, x ↑)}) であ る 。 グラ フ は以下のよ う に な る 。 ↑. 1. ↓. 0 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 0)}) のと き 、 αt = ({x ↑, x ↓}, {(x ↑, x ↓), (x ↓, x ↑)}) であ る 。 グラ フ は以下のよ う に な る 。 ↑. 0. ↓. 結合規則 β, γ から 結合規則に よ っ て 、 α が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 α の道標 αt は (Vβt ∪ Vγt , Aβt ∪ Aγt ) であ る 。. ⋆ 規則 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る α′ に ⋆ 規則を 適用し て 、 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA⋆B} である α が導出さ れたと する 。 こ のと き 、 α の道標 αt は以下のど ち ら かであ る 。 • 左 αt = (Vα′ t ∪{z ↑, z ↓}, (Aα′ t ∪{(x ↓, z ↓), (z ↑, y ↑), (y ↓, x ↑), (z ↓, z ↑)})\{(x ↓, x ↑), (y ↓, y ↑)}) グラ フ は以下のよ う に な る 。. 26.

(33) α′ t ↑. A. ↓. ↑. B. ↓. ↑ A⋆B ↓ • 右 αt = (Vα′ t ∪{z ↑, z ↓}, (Aα′ t ∪{(x ↓, y ↑), (y ↓, z ↓), (z ↑, x ↑), (z ↓, z ↑)})\{(x ↓, x ↑), (y ↓, y ↑)}) グラ フ は以下のよ う に な る 。. α′ t ↑. A. ↓. ↑. B. ↓. ↑ A⋆B ↓ + 規則 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る α′ に + 規則を 適用し て 、 T N(α) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA+B} である α が導出さ れたと する 。 こ のと き 、 α の道標 αt は以下のど ち ら かであ る 。 • 左 αt = (Vα′ t ∪ {z ↑, z ↓}, (Aα′ t ∪ {(z ↑, x ↑), (x ↓, z ↓), (z ↓, z ↑)}) \ {(x ↓, x ↑)}) グラ フ は以下のよ う に な る 。. α′ t ↑. A. ↓. ↑. ↑ A+B ↓. 27. B. ↓.

(34) • 右 αt = (Vα′ t ∪ {z ↑, z ↓}, (Aα′ t ∪ {(z ↑, y ↑), (y ↓, z ↓), (z ↓, z ↑)}) \ {(y ↓, y ↑)}) グラ フ は以下のよ う に な る 。. α′ t ↑. ↓. A. ↑. B. ↓. ↑ A+B ↓ 以下のグラ フ は、 先ほど の証明構造の例に 対する 道標の1 つであ る 。. ↓. p. ↑. ↓ ∼p ↑. ↓. q. ↑. ↓ ∼q ↑. ↓∼ p ⋆ q↑. ↓. r. ↑. ↓ ∼r ↑. ↓∼ q ⋆ r↑. ↓ (∼ p ⋆ q)+ ∼ r ↑. 定義. Ii , I j ∈ {↑, ↓} と する 。 こ のと き 、 AIi から BI j への旅路 (trip) と は、 AIi から BI j への道であ る 。 ま た 、 AIi から BI j への旅路の長さ と は、 旅路の途中で通っ た 辺の 数であ る 。 n 個の節点を 持つ証明構造に 対し て 、 あ る 道標の旅路の長さ が 2n であ る と き 、 こ の旅路は長旅 (longtrip) であ る と いう 。 そ し て 、 プルーフ ネ ッ ト と は、 証明構造の任意の道標に おけ る 旅路が長旅であ る 証明構造のこ と であ る 。 定理. 以下の2 つの条件は等し い。. 1. 証明構造が帰納的証明構造であ る 。 2. 証明構造の全て の旅路が長旅であ る 。 証明. 1 → 2 は帰納的証明構造に 関する 帰納法で簡単に 示すこ と ができ る 。. 28. .

(35) こ れから 2 → 1 を 示す。 初めに 、 長旅の条件を 変え る 。 + に 関する 辺のス イ ッ チ ン グと は、 以下のど ち ら かのよ う に 置き 換え た も ので ある 。. A. A. B. B. +. +. A+B. A+B. 正確な 定義は次の通り であ る 。 定義 (ス イ ッ チン グ ). 証明構造 α に 対し て 、 ス イ ッ チ ン グ σ = (Vσ , E σ , Lσ ) を 定義する 。 Vσ は節点の集 合、 E σ は辺の集合、 Lσ : Vσ −→ f ormula はラ ベルに 対する 関数の集合であ る 。 公理 α = ({x1 , x2 }, {{x1 x2 }}, {(x1, p), (x2 , ∼ p)}) のと き 、 σ = α であ る 。. 1 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 1)}) のと き 、 σ = α であ る 。 0 規則 α = ({x}, ∅, {(x, 0)}) のと き 、 σ = α であ る 。 結合規則 β, γ から 結合規則に よ っ て 、 α が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 β, γ そ れぞれのス イ ッ チン グを σβ , σγ と する と 、 σ は以下である 。. σ = (Vα , E σβ ∪ E σγ , Lα ) ⋆ 規則 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る α′ に ⋆ 規則を 適用し て 、 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA⋆B} である α が導出さ れたと する 。 こ のと き 、 α′ のス イ ッ チン グを σ′ と する と 、 σ は以下であ る 。 σ = (Vα , E σ′ ∪ {(x, z), (y, z)}, Lα ) + 規則 T N(α′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る α′ に ⋆ 規則を 適用し て 、 T N(α) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA+B } である α が導出さ れたと する 。 こ のと き 、 α′ のス イ ッ チン グを σ′ と する と 、 σ は以下のど ち ら かであ る 。 • 左 σ = (Vα , E σ′ ∪ {(x, z)}, Lα ). 29.

(36) • 右 σ = (Vα , E σ′ ∪ {(y, z)}, Lα ) α を 証明構造と する 。 こ のと き 、 2 節点 x, y ∈ Vα に 対し て 道があ る ス イ ッ チ ン グが存在する と き 、 x ⌣ y と 書く 。 逆に 全て のス イ ッ チン グで2 点間に 道が存在し な いと き 、 x 6⌣ y と 書く 。 以下が証明構造のス イ ッ チン グの例であ る 。. ax. p ∼p. ax. ax. q ∼q. r ∼r. ⋆. ⋆. ∼ p⋆q. ∼q⋆r +. (∼ p ⋆ q)+ ∼ r 次に 、 ス イ ッ チン グに 対する 道標を 定義する 。 証明構造に 対する 定義と は + 規 則に 関し て 違いがあ る 。 定義 (道標). ス イ ッ チン グ σ に 対し て 、 道標 σt = (Vσt , Aσt ) を 定義する 。 Vσt は節点の集合、 Aσt は弧の集合であ る 。 公理 σ = ({x1 , x2 }, {{x1 x2 }}, {(x1, p), (x2 , ∼ p)}) のと き 、 σt = ({x1 ↑, x1 ↓, x2 ↑, x2 ↓}, {(x1 ↑, x2 ↓), (x2 ↓, x2 ↑), (x2 ↑, x1 ↓), (x1 ↓, x1 ↑)}) で ある 。. 1 規則 σ = ({x}, ∅, {(x, 1)}) のと き 、 σt = ({x ↑, x ↓}, {(x ↑, x ↓), (x ↓, x ↑)}) であ る 。 0 規則 σ = ({x}, ∅, {(x, 0)}) のと き 、 σt = ({x ↑, x ↓}, {(x ↑, x ↓), (x ↓, x ↑)}) であ る 。 結合規則 ̺, ρ から 結合規則に よ っ て 、 σ が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 σ の道標 σt は以下であ る 。. (V̺t ∪ Vρt , A̺t ∪ Aρt ). 30.

(37) ⋆ 規則 T N(σ′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } で あ る σ′ に ⋆ 規則を 適用し て 、 T N(σ′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA⋆B} であ る σ が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 σ の道標 σt は以 下のど ち ら かであ る 。 • 左 σt = (Vσ′ t ∪{z ↑, z ↓}, (Aσ′ t ∪{(x ↓, z ↓), (z ↑, y ↑), (y ↓, x ↑), (z ↓, z ↑)})\{(x ↓, x ↑), (y ↓, y ↑)}) • 右 σt = (Vσ′ t ∪{z ↑, z ↓}, (Aσ′ t ∪{(x ↓, y ↑), (y ↓, z ↓), (z ↑, x ↑), (z ↓, z ↑)})\{(x ↓, x ↑), (y ↓, y ↑)}) 左+ 規則 T N(σ′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る σ′ に 左 + 規則を 適用し て 、 T N(σ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA+B} であ る σ が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 σ の道標 σt は以 下であ る 。. σt = (Vσ′ t ∪ {z ↑, z ↓}, (Aσ′ t ∪ {(z ↑, x ↑), (x ↓, z ↓), (z ↓, z ↑)}) \ {(x ↓, x ↑)}) 右 + 規則 T N(σ′ ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {xA , yB } であ る σ′ に 右 + 規則を 適用し て 、 T N(σ) = ΓL ∪ ∆R ∪ {zA+B} であ る σ が導出さ れた と する 。 こ のと き 、 σ の道標 σt は以 下であ る 。. σt = (Vσ′ t ∪ {z ↑, z ↓}, (Aσ′ t ∪ {(z ↑, y ↑), (y ↓, z ↓), (z ↓, z ↑)}) \ {(y ↓, y ↑)}). ス イ ッ チン グを 用いて 証明構造の全て の旅路が長旅であ る と いう 条件と 同値な 条 件を 示す。 定義. 道が v, · · · , vi , · · · , v j (v1 = v j , vi ) である と き 、 閉路と いう 。 グラ フ が循環的 (cyclic) であ る と は、 閉路が存在する と き であ る 。 逆に 閉路が存在し な いと き 、 グ ラ フ は非循環的 (acyclic) であ る と いう 。 さ ら に 、 任意の2 つの節点の間に 道があ る グラ フ を 連結グラ フ と 呼ぶ。 補題. 以下の2 つの条件は等し い。. 1. 証明構造の全て の旅路が長旅であ る 。 2. 証明構造の任意のス イ ッ チン グに 対し て 、 非循環的かつ連結グラ フ であ る 。 証明.. 31.

(38) • 1→2 ある 証明構造が長旅である 旅路を 持つと き 、 連結グラ フ である 。 次に グラ フ が非循環的である こ と を 示す。 証明構造のス イ ッ チン グが循環的である と す る と 、 以下のよ う な 証明構造を 考え る こ と ができ る 。. ···. p ···. q ··· ∼ p ··· ∼ q ···. A⋆B. こ れら の道標に ついて 考え る と 、 以下のよ う な 道標が得ら れる 。. ···. ↑. p. ↓. ···. ↑. q. ↓ ···. ↑ ∼p ↓. ↑. A. ↓. ↑. B. ···. ↑ ∼ q ↓ ···. ↓. ↑ A⋆B ↓. 実線に 着目する と 、 明ら かに 長旅でな い旅路がある こ と が分かる 。 こ れは証 明構造の全て の旅が長旅である と いう 仮定と 矛盾する ので、 証明構造が長旅 な ら ば非循環的であ る 。. • 2→1 証明構造の構成に 関する 帰納法で示すこ と ができ る 。. . 32.

(39) 補題 (+ 除去). zA+B ∈ T N(α) かつ {xA , z}, {yB, z} ∈ E α を 満たす α がプルーフ ネ ッ ト な ら ば、 (Vα \ {z}, E α \ {{x, z}, {y, z}}, Lα \ {(z, A + B)}) も プルーフ ネ ッ ト であ る 。 証明. + 結合子に 関する ス イ ッ チン グの定義から 、 プルーフ ネ ッ ト から そ の + 結合 子の終節点に 関する 部分を 取り 除いて も 、 そ の証明構造のス イ ッ チ ン グは非循環 的かつ連結グラ フ であ る 。 し た がっ て 、 そ れも ま た プルーフ ネ ッ ト であ る 。  次に 、 A ⋆ B でラ ベル付け さ れた 終節点の除去に 関する 補題を 示す。 そ のた め に は様々 な 補題が必要であ る ので、 そ れら から 示す。 定義. x, y, z ∈ Vα を 満たす、 σ の道標 σt おいて 、 xIi から yI j ま での旅路の途中で zIk を 通る と き 、 zIk ∈ [xIi , yI j ]σ と 書く 。 た だし 、 Ii , I j , Ik ∈ {↑, ↓} と する 。 定義 (帝国 (empire)). x ∈ Vα であ る α を 証明構造、 α のス イ ッ チン グの集合を S (α) と する 。 任意のス イ ッ チン グ σ ∈ S (α) に 対し て 、 x ↓∈ [x ↑, x ↑]σ であ る x の帝国 e(x) は以下の条件を 満た す3 つ組 (Ve(x) , E e(x) , Le(x) ) から な る グラ フ であ る 。. • Ve(x) = {y ∈ Vα | ∀σ ∈ S (α).( y ↑, y ↓∈ [x ↑, x ↓]σ )} • E e(x) = {{y1 , y2 } ∈ E α | y1 , y2 ∈ Ve(x) } • Le(x) = {(y, A) ∈ Lα | y ∈ Ve(x) } 定理 (旅路定理 (trip theorem)). α を 証明構造、 S (α) を α のス イ ッ チン グの集合と す る 。 こ のと き 、 任意の x ∈ Ve(x) に 対し て 、 x ∈ {y ∈ Vα | y ↑, y ↓∈ [x ↑, x ↓]σ } を 満た すス イ ッ チン グ σ ∈ S (α) が存在する 。 証明. 証明構造の帰納法で示す。 基底段階. • 公理のと き x1 p , x2 ∼p と する 。 – x ≡ x1 のと き Ve(x1 ) = {x1 , x2 } で、 σt に おいて 旅路 x1 ↑, x2 ↓, x2 ↑, x1 ↓ であ る σ が存在 する 。 – x ≡ x2 のと き Ve(x2 ) = {x1 , x2 } で、 σt に おいて 旅路 x2 ↑, x1 ↓, x1 ↑, x2 ↓ であ る σ が存在 する 。 帰納段階. 33.

(40) • 最後に 結合規則で導出さ れた と き 証明構造 β, γ に結合規則を 適用し て 、 証明構造 α が構成さ れたと する 。 x ∈ Vβ と する と 、 任意の y ∈ Vγ に 対し て x < Ve(y) であ る 。 よ っ て 、 帰納法の仮定よ り 、 求める ス イ ッ チン グが存在する こ と が分かる 。 y ∈ Vγ に 対し て も 同様の 議論ができ る 。 • 最後に ⋆ 規則で導出さ れた と き 証明構造 β に ⋆ 規則が適用し て 、 証明構造 α が構成さ れたと する 。 新たに 追 加さ れた節点を x3 A⋆B と し 、 {x1 A , x3 }, {x2 B , x3 } ∈ E α と する 。 仮定よ り 、 α の任 意のス イ ッ チン グの道標に おいて 、 x ↑, · · · , x ↓, · · · , x ↑ な ので、 β に おいて Ve(x1 ) ∩ Ve(x2 ) = ∅ であ る 。 S (e(x1 )), S (e(x2 )) を そ れぞれ e(x1 ), e(x2 ) のス イ ッ チ ン グの集合、 x ∈ Vα と する 。 – x1 ∈ Ve(x) のと き x1 ∈ Ve(x) よ り 、 x3 ∈ Ve(x) であ る 。 さ ら に x2 ∈ Ve(x) な ので、 任意の y ∈ Ve(x2 ) に 対し て 、 y ∈ Ve(x) であ る 。 し た がっ て 、 τt に お いて 旅路 x ↑ , · · · , x1 ↓, x3 ↓, x3 ↑, x2 ↑, · · · , x2 ↓, x1 ↑, · · · , x ↓ を 持つ τ ∈ S (α) が存在す ればよ い。 帰納法の仮定よ り 、 任意の x′ ∈ Ve(x) に対し て、 x′ ∈ {y ∈ Vβ | y ↑ , y ↓∈ [x ↑, x ↓]σ } を 満たすスイ ッ チン グ σ ∈ S (e(x1 )) が存在する 。 すな わ ち 、 σt において Ve (x) の全て の要素を 含む旅路 x ↑, · · · , x1 ↓, x1 ↑, · · · , x ↓ が存在する 。 同様に 、 帰納法の仮定よ り 、 任意の y′ ∈ Ve(x2 ) に 対し て 、 y′ ∈ {y ∈ Vβ | y ↑, y ↓∈ [x2 ↑, x2 ↓]σ′ } を 満た すス イ ッ チン グ σ′ ∈ S (e(x2 )) が存在する 。 すな わち 、 σ′ t に お いて Ve (x2 ) の全て の要素を 含む 旅路 x2 ↑, · · · , x2 ↓ が存在する 。 故に 、 σ, σ′ を 保ち 、 x3 の ⋆ に 関する 辺に 対 し て 、 左 ⋆ 規則を 選択する よ う に τ を 取ればよ い。 – x2 ∈ e(x) のと き 上と 同様の議論から 示すこ と ができ る 。 – x1 , x2 < e(x) のと き 新たに 追加さ れた辺と は関係がな く 、 帰納法の仮定から 求める 旅路が得 ら れる 。 • 最後に + 規則で導出さ れた と き 証明構造 β に + 規則が適用さ れて 、 証明構造 α が構成さ れたと する 。 新たに 追加さ れた 節点を x3 A+B と し 、 {x1 A , x3 }, {x2 B , x3 } ∈ E α と する 。 S (β) は β のス イ ッ チン グの集合、 x ∈ Vα と する 。 – x1 ∈ Ve(x) かつ x2 < Ve(x) のと き 34.

(41) x2 < Ve(x) よ り 、 x3 < Ve(x) で あ る 。 し た がっ て 、 τt に お いて 旅路 x ↑ , · · · , x1 ↓, x1 ↑, · · · , x ↓ を 持つ τ ∈ S (α) が存在する ればよ い。 帰納法の 仮定よ り 、 任意の x′ ∈ Ve(x) に 対し て 、 x′ ∈ {y ∈ Vα | y ↑, y ↓∈ [x ↑, x ↓]σ } を 満たすスイッ チン グ σ ∈ S (β) が存在する 。 すなわち 、 σt において Ve (x) の全て の要素を 含む 旅路 x ↑, · · · , x1 ↓, x1 ↑, · · · , x ↓ が存在する 。 故に 、 σ を 保ち 、 x3 の + に 関する 辺に 対し て 、 右 + 規則を 選択する よ う に τ を 取ればよ い。 – x1 < Ve(x) かつ x2 ∈ Ve(x) のと き 上と 同様の議論から 示すこ と ができ る 。 – x1 , x2 ∈ Ve(x) のと き x1 , x2 ∈ Ve(x) よ り 、 x3 ∈ Ve(x) であ る 。 し た がっ て 、 τt に お いて 旅路 x ↑ , · · · , x1 ↓, x3 ↓, x3 ↑, x1 ↑, · · · , x2 ↓, x2 ↑, · · · , x ↓ を 持つ τ ∈ S (α) が存在 する ればよ い。 帰納法の仮定よ り 、 任意の x′ ∈ Ve(x) に 対し て 、 x′ ∈ {y ∈ Vβ | y ↑, y ↓∈ [x ↑, x ↓]σ } を 満た すス イ ッ チ ン グ σ ∈ S (β) が存在する 。 すな わち 、 σt に おいて Ve (x) の全て の要素を 含む旅路 x ↑, · · · , x1 ↓, x1 ↑ , · · · , x2 ↓, x2 ↑, · · · , x ↓ が存在する 。 故に 、 σ を 保ち 、 x3 の + に 関する 辺に 対し て 、 左 + 規則を 選択する よ う に τ を 取ればよ い。 帰納法の仮定 よ り 、 σt に お いて x ↑, · · · , x2 ↓, x2 ↑, · · · , x1 ↓, x1 ↑, · · · , x ↓ が得ら れた 場合も 同様の議論で求める 旅路が得ら れる 。 – x1 , x2 < Ve(x) のと き 新たに 追加さ れた辺と は関係がな く 、 帰納法の仮定から 求める 旅路が得 ら れる 。  補題. x3 B⋆C ∈ Vα かつ {x1 B , x3 }, {x2C , x3 } ∈ E α を 満た す α を プルーフ ネ ッ ト と する 。 任意のス イ ッ チン グ σ ∈ S (α) に おいて 、 y ∈ T N(α) が σt に おいて 旅路 x3 ↓, · · · , y ↓ , · · · , y ↑, · · · , x3 ↑ を 満た すな ら ば、 e(x1 ) ∪ e(x2 ) ⊆ e(y) であ る 。 証明. α がプルーフ ネ ッ ト であ る こ と と 帝国の定義から 、 e(x1 ), e(x2 ) ⊆ e(x3 ) であ る 。 ま た 、 仮定よ り e(x3 ) ⊆ e(y) であ る 。 よ っ て 、 e(x1 ) ∪ e(x2 ) ⊆ e(y) であ る 。  次に 、 証明構造 α を 2 つに 分け る こ と を 保証する 定理を 示す。 先ほど の + 除去の 補題の ⋆ 結合子に 関する 定理であ る 。 定理 (分裂定理 (splitting theorem)). 終節点に ⋆ 結合子の論理式でラ ベル付け さ れ た 節点が少な く と も 1 つ存在し 、 + 結合子の論理式でラ ベル付け さ れた 節点がな. 35.

表 2.1: 古典線形論理に対する シーク エン ト 計算 公理と カ ッ ト 規則 p ⇒ p Ax Γ ⇒ A, ∆ Γ ′ , A ⇒ ∆ ′ Γ , Γ ′ ⇒ ∆ , ∆ ′ Cut 乗法と 加法結合子に関する 規則 Γ , A ⇒ ∆ Γ , A ∧ B ⇒ ∆ L∧ Γ , B ⇒ ∆Γ,A∧B⇒ ∆ L∧ Γ ⇒ A, ∆ Γ ⇒ B, ∆Γ⇒A∧B,∆ R∧ Γ , A, B ⇒ ∆ Γ , A ⋆ B ⇒ ∆ L⋆ Γ ⇒ A, ∆ Γ ′ ⇒ B, ∆ ′Γ,Γ′⇒A⋆B,∆,∆′ R
表 2.3: 線形論理におけ る 自然演繹 p ⊢ p Ax Γ ⊢ ⊤ ⊤I Γ , ⊥ ⊢ A ⊥E Γ ⊢ A Γ ⊢ B Γ , ∆ ⊢ A ∧ B ∧I Γ ⊢ A 0 ∧ A 1Γ⊢Ai ∧E i (i ∈ {0, 1}) Γ ⊢ A ∆ ⊢ B Γ , ∆ ⊢ A ⋆ B ⋆I Γ ⊢ A ⋆ B ∆ , A, B ⊢ CΓ,∆⊢C ⋆E Γ ⊢ A i Γ ⊢ A 0 ∨ A 1 ∨I i (i ∈ {0, 1}) ∆ ⊢ A ∨ B A, Γ ⊢ C B, Γ ⊢ CΓ,∆⊢C ∨E Γ
表 2.4: 古典線形論理に対する ヒ ルベルト 流 公理と カ ッ ト 規則 (1) A ⊸ A (2) (A ⊸ B) ⊸ ((B ⊸ C) ⊸ (A ⊸ C)) (3) (A ⊸ (B ⊸ C)) ⊸ (B ⊸ (A ⊸ C)) (4) ((A ⊸ 0) ⊸ 0) ⊸ A ( 古典線形論理のみ ) (5) A ⊸ (B ⊸ A ⋆ B) (6) (A ⊸ (B ⊸ C)) ⊸ (A ⋆ B ⊸ C) (7) 1 (8) 1 ⊸ (A ⊸ A) (9) A ∧ B ⊸ A, A ∧ B ⊸ B (10)

参照

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