高速水流 中におけ る振動 円柱 まわ り流れの画像解析
安 田 明 史
*。
小 嶋 高 良**。
加 賀 拓 也***
IInage Analysis of Cavity Flow Around an Oscillating Circular Cylnder
Akihito YASUDA,Koryo Ko」 IMA and Takuya KAGA
Abstract
IInage analysis of cavity now around an oscillating circular cylinder was performed ln this experilnent erects of oscillation On the unsteady cavity n。 、 v around a freely Oscillating circular cylinder were investigated at Reynolds numbers frOm 1 50× 105 t。 186× 105 A high― speed digital video camera was used to take motion pictures of cavity configurations at 1000 frames/
sec Characteristics of cavity can be cOntrolled considerably for some oscillating cyhnders Cavity volume and Amplitude of a cylinder and Strouhal number were measured through the
high― speed motion pictures
X9y ψοrFs i Cavitation,oscillation,circular cylnder,high speed liquid now,Image analysis
1.緒
言 2.主 な 記 号
液体機械 を扱 う分野 において
,機器 の高性能 化 に伴 う小型高速化 によるキャビテーシ ョンの 発生 に関する問題 は基本的重要課題 となってい る。 しか し
,その流れは複雑で詳細 なメカニズ ムは未だ十分 に解明 されていない
1)。一方 ,高 速 流体 中にある物体 は振動 を伴 うのが一般 的で
,液流の場合 はそれ にキャビテーションの発生が 付加 され る。本研では基本的形状である円柱 を 取 り上 げ
,これが振動 しなが らキャビテーシ ョ ンを発生す る様相 を高速度 ビデオカメラを用い て撮影 し
,画像解析 を行 った。次に
,この画像 をもとにキャビテーシ ョンの発生 と振動 円柱 の 相関について検討 した。
平成 14年 12月 26日 受理
*大 学院工学研究科機械 システムエ 学専攻 博士前
期課程 。 1年
*ホ
機械情報技術学科・助教授
帯■ 機械情報技術学科・教授
D:供 試 円柱直径
′
:支持 円柱直径
′
:空洞長 さ
買σ :レ イノルズ数
=フ7/υ γ :主 流速度
ρ″
:使用水の相対密度
συ
:水の蒸気圧 に基づ くキャビテーション係数
=(鬼
― P)/[(1/2)pυ 2]
3.実 験装置および実験方法
3.1 実験装置
実験 に は落下式 回流水槽 を使 用 した。 その測 定 部 寸 法 は縦
200 mm,幅413 mm,長さ 800
mmで あ る。 図 1に 供 試 円柱 の概 略 図 を示 す。
直 径 16お よ び
20 mmの片 持 ち梁 形 式 支 持 円 柱 に外径
30 mm,内径
26 mmのカ ラー を装着
させ てい る。
1
八戸工業大学紀要 第 22巻
2.Omm
V=Om/s
S鷺
、 武熊
(lolZ漁 ミ
'Fig l Test Body
Tablel Tぅ ア pes of coHars Symbol Material Relative density
pr
Cu Copper 862
Br Brass 843
Ti Titanium 45
Al Aluminum 275
Ny Plastic Nylon 115
Pn Polyethylene 101 +Plastic Nylon
092 Po Polyethylene
Pf Paulowniatt FRP 084
カラーの材質 とその物性値 を表 1に 示 す。本 研 で は水 の相 対 密度 に近 いカ ラーの挙 動 を中心 に検討 した。なお
,表中で ,Pf:FRPで 表面 を
加 工 した桐材
,Po:ポリエ チ レ ン加工
,Pn:ポリエチ レン硬質 ナイ ロンによる力日 工 で あ る。
Pnはカ ラーの外側 12mmを ポ リエ チ レン
,残り をプ ラスチ ック に して
'ヒ
重 を 1に 近 づ けた もの で あ る。 これ は浮力 と重力 の影響 が少 ない状 態 で キ ャビテー シ ヨンの挙 動 を調 べ よう との動機 か らで あ る。
3.2
実験条件
実験条件 を表 2に 示す。キャビテーション発 生が安定直後の段階 を
R91,十分発達 した段階
Table 2 Experilnental condition
Symbo F?
συ7[m/s]
買σ
]150× 105 202 902
Rめ 186× 105 143 1023
を Re2と し
,これ ら
2段階 で実験 した。
3.3
実験方法
実験 は支持 円柱 にカラーをセ ッ トし
,測定部 下流側の弁開度 を所定の流速 になるまで開いて 安定状態 を保 つた。円柱お よびキャビテーシ ョ ン部分 は 3台 のライ トで照明 され
,ハイスピー ドビデオ カメ ラ に よ り 1,000F/sで 撮 影 され た。
4.解 析 方 法
撮影 画像 は ヨ ン トロール ユニ ッ トを経 由 し
MOか
らパ ソコンに保存 され
,フォ ト・ ショプ を用 いカ ラー中心移動距離 ズー
Iアが浪 J定 され る。次 にソフ ト「 AVS」 を用い空洞面積
,空洞 長 さが求め られる。 更 に
AVIクリエイターによ り動画化 され
,その流れか らカルマ ン渦の発生 頻度 とス トローハル数が求 め られる。 また ソフ
ト「フローベ ック 32」 によ り速度ベ ク トル画像 が求め られ る。最後 にこれ らのデータか らソフ ト 「オ リジン」により変位 χ
,y,空洞面積
,空洞長 さのパ ワースペ ク トルが求 め られる。
5,実 験 結 果
図 2に 支持 円柱 直径 が
16 mm,カラーが
Pnと
Cuの場 合 の キ ャ ビテー シ ョン流 れ模 様 の比 較 を示 す。
図中 の矢 印 は濃 度相 関法 に よる速 度ベ ク トル を表 してい る。 P夕 ′ ′の相対 密度 は約
10で使 用液 の水 とほぼ等 しい。
ttιlで は
Pnの場 合 ,キ ャ ビ テー シ ョンは振動 円柱 の上下 を含 む背面全体 か D
2
高速水流中における振動円柱 まわ り流れの画像解析 (安 田・小嶋・加賀
)買 91,D=30 mm ブ =16 mm
買め
,D=30 mm′
=16 mmFig 2 Fiow patterns and velocity vector Pn
ら激 し く発生 し
,大きな空洞 を形成す る。一方
,Cuの
場合 は渦発生の 1サ イクル中 ,キ ャビテー ションの発生が ほ とん ど見 られないか
,あるい
は極 めて僅少である。後者の場合
,相対密度が 約 8,6で あ り
,振動 円柱 自体 の運動 による変位 量が極 めて少 ない ことが特徴的である。
両者 の差異の理 由 としては ,助 の場合 ,振 動 円柱背後 の交番発生渦の圧力不均衡 による振動 円柱 の運動変位量が大 き くなるが振動 円柱 に追 従性があるため
,振動円柱表面での相対速度が 大 にな り , これが大なるキャビテーシ ョン発生 量 に関係す ると考 えられ る。
逆 に 買め の場合 は
Cuの方が全体 的 にキャビ テーシ ョン発生 による空洞が大 きくなる。 これ は
Pnの場合
,空洞発生 に基づ くス トラハル数 が
017とイ 氏下す る (後 述 )の ヤ こ対 し
Cuは o2となってお り
,相対密度の大 きい
Cu製の振動 円 柱背後 の交番発生渦 による圧力不均衡 に基づ く 振動 円柱 の運動 の速度が大 きく
,振動円柱表面 での水 の相対速 度が大 にな るた めキャビテー ション発生が激 しくなると考 えられ る。即 ち ,振 動円柱 の慣サ
L力の影響が大 になることが
,空洞 発生模様の違いに表れ ると思われ る。
図 3に は無次元空洞面積 の密度 による変化 を 示す。
相 対 密 度 変 化 に よ る影 響 は支 持 円柱 が 16
ω \ ∽
1
2468
Relative density ρ 「 Fig 3 Cavity volume ttη
10
mmの
場合
,この値が大 と小 の付近 で見 られ
,p「=1.0近
傍 で急激 に大 きな値 を示す。 これ は 振動円柱 の運動 の抵抗 となる重力 と浮力の影響 が少ない ことと空洞が前方岐点寄 りか ら発生 し ていることに起因す る。
Cuの場合 は空洞面積が 極 めて小 さ くなるが
,これは部分噛空洞が断続 的に発生す ることによると考 えられる。しか し
,こうした変動 の傾 向 は支持 円柱が
20 mmの場 合 は部分的に異 なっているが
,その理 由は現時
点では明 白でない。
図 4に は振動 円柱中心点の
,主流 と直角方向 の振幅の
,密度 による変化 を示す。
全体的に相対密度が小 なるに従い増大の傾向 を示すが ,こ れ も使用水 と密度がほば等 しい p″
3
20 16
◆
Ny
Br
Cu
20 16
Pn
Cu Al
T土
Br
﹇ 日 ﹈ く お 相 出 く o や O ① 曰 α 1.2
0.8
0.4
2468
Relative density /ク
rFig 4 AInplitude of cylinders
10
0.28
0.24
0.20
0。
16
2468Relative density ρ
「 Fig 5 Strouhal number D=1611ュ
m=10で 急激 に増大す る。この理 由は空洞面積 と 同様 である。なお,この場合 は両支持円柱共 に 同 じような傾 向を有す る。
図 5に は振動円柱背後の渦に集中したキャビ テーシ ョンの発生個数 を高速度連続写真か ら読 み取 ったス トラハ ル数 の密度 による変化 を示
八戸工業大学紀要
第 22巻
10
す。
全体 的 には ρ Tの 減少 に従 い低 下 し ,p″ =1で
急激 に落 ち込 む。即 ち
,既述 の理 由 による揺動 振 幅 の急激 な増 大 に よ り無 次元 周波数 の急減 が 発 生 す る。 また
,図中 買ぬ で
Cuが抜 けて い る が
,これ はキ ャ ビテー シ ョンが ほ とん ど発生 し てお らず視認 出来 なか ったた めで あ る。
6。
結
言
高速水 流体 中 に置 かれた 自由振動 円柱 まわ り に発生 す るキ ャビテー シ ョン流 れ を実験 的 に検 討 した。得 られた結論 を要約 す る と以下 の よう
にな る。
(1)振 動 円柱 の密度が使 用水 とほぼ等 しい10
で振動 円柱 の振幅 は急激 に増大 し,そ れ に 従 い空洞 面積 も増 大 す る。
(2)同
時 に渦 に集 中 した キ ャビテー シ ョンの 発 生 に よるス トラハ ル数 の値 は急減 す る。
(3)R9=買 21,支 持 円柱直径 が16 mm,銅製 振
動 円柱 の場 合 ,キ ャビテー シ ョンの発生が 極端 に抑制 され る。
最後 に元
,本学 院生 (現 在 オ リンパ ス光 電子
k,k。
)佐々木孝行氏 の助力 に深謝す る。
文
献
1)Kaga,T,Sega,S,and Ota,T,ASME 2000
Fluids Eng DSヽ /1(2000)FEDSヽ ′ 12000‑11032 0
Rel Re2 AA
Ti
Pn
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