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平成18年9月22日学位規程第5条第1項該当

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Academic year: 2021

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(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 研究科・専攻の名称 学位論文題目 論文審査委員

王    折  宗(中国)

博  士 (工 学)

工博甲第  283  号 平成18年9月22日 学位規程第5条第1項該当 電子科学研究科 電子応用工学

DSPを用いたリアルタイム動画検索システムの研究

(委員長)

教 授 下 平 美 文  助教授 大 橋 剛 介 教 授 桑 原 義 彦  教 授 江 上 俊一郎

論 文 内 容 の 要 旨

ソフトウエアによって機能を実現するディジタル信号処理(DSP)技術の実利用が進ん でいる。最近ではキーデバイスであるDSP素子の高速化により画像処理も可能になりつ つある。本論文は、DSPを用いたリアルタイム動画処理に関するものである。従来オフ ラインで行われていた動画の特定シーン検出をDSPを用いることによってリアルタイム で検索可能な方式を提案し、実現している。まず、動画検索方式について研究を行い、

リアルタイムで動画から特定シーンを検出する方式を提案している。提案方法について 専用の高速DSPを用いて動画の動きを表現する動きベクトルを算出することにより従来 1フレームあたり数分間かかっていた特定シーン検出処理をリアルタイム処理が可能な 33ms以内に完了することができるようにしている。

応用例として野球の投球シーンに着目したリアルタイム動画検索システムを提案し、

TI社C6416を搭載したDSPボードにより実現している。次に、システムに汎用性を持た せるため、特定シーンの特徴間の相関性を重視した汎用性の高いMahalanobis距離を用 いた特定シーン検出手法を提案している。その応用例として相撲の立会いシーンの検出 に適用し、動きベクトルの方向性の特徴を明らかにした上、Mahalanobis距離を用いて特 定シーン判別条件を算出するようにしている。新しく提案した方式により従来方式に存 在した画面分割への依存性をなくしている。これらの提案技術によって野球及び相撲の 特定シーンだけでなく、他のスポーツ試合においても検出したい特定シーンの特徴を分 析できれば、再生率と適合率の良好な検出が可能であることを示している。最後に提案

したシステムとネットワーク技術を活用し、新しいオンデマンドビデオ配信システムを 実現している。この提案システムによって、特定のシーンだけをネットワーク上で配信 することを可能にしている。

第1章ではまず、映像処理における最新動向とこれに対して新たなリアルタイムビデ

一59−

(2)

オ検索技術の必要性を説明し、本論文の背景となる映像検索技術の現状と問題点を述べ ている。次にビデオ信号処理に有効であるDSP技術を説明し、最後に本論文の課題、目 的を明確にしている。第2章ではまず従来のビデオ検索技術がPCで行われていたため

リアルタイム性に欠けていたことを説明している。次に、リアルタイムでビデオ信号処 理可能なTI社のTMS320C6416DSPの特性を述べ、特定シーン検出方法を説明した後、

DSPを用いたリアルタイム特定シーン検索システムを提案している。更にDSPにより実 現した新しいリアルタイム動画検索方式を説明すると同時にシステムの概要,DSPによ

るリアルタイム動きベクトルの生成及び各部分の機能を詳細に記述し、抽出結果の検証、

DSP信号処理の時間等の検証結果を述べている。第3章ではDSPを用いたリアルタイム 動画検索システムの汎用性を広げるため、特定シーン検出過程を理論上で説明した後、

新たなMTS(MahalanobisTaguchiSystem)特定シーン判別方式を提案している。例として 相撲立会いシーンを分析した上、より成功率が高い相撲の立会いシーン検出システムを 実現している。第4章では第2章で提案したリアルタイム特定シーン検索システムの

ネットワーク上への応用システムを提案している。システムの各部分の構成及び提案し た通信制御方式の特徴を述べ、システムの有効性の評価とJGN(JapanGigabitNetwork)上 への展開について述べている。第5章では各章の内容をまとめ、本論文の主旨を改めて 強調し、本研究の展開を記述している。

−60−

(3)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

ソフトウエアによって機能を実現するディジタル信号処理(DSP)技術の実利用が進んで いる。最近ではキーデバイスであるDSP素子の高速化により画像処理も可能になりつつ ある。

本論文は、DSPを用いたリアルタイム動画処理に関するもので、従来オフラインで行 われていた動画の特定シーン検出をDSPを用いることによってリアルタイムで検出可能 とした方式を提案し、実現している。高速DSPを用いて動きベクトルを算出することに より従来1フレームあたり数分間かかっていた特定シーン検出処理をリアルタイム処理 が可能な33ms以内に完了させている。次に、システムに汎用性を持たせるため、特定

シーンの特徴間の相関性を重視した汎用性の高いMahalanobis距離を用いた特定シーン 検出手法を提案している。これらの提案技術によって、再生率と適合率の良いリアルタ イム検出が可能であることを示している。さらにネットワーク技術を活用し、新しいオ ンデマンドビデオ配信システムを提案し、実現している。

第1章では、映像処理における最新動向と新たなリアルタイムビデオ検索技術の必要 性を説明し、本論文の背景となる映像検索技術の現状と問題点を述べている。

第2章では、従来のビデオ検索技術ではリアルタイム性に欠ける等の問題があることを 述べ、これらの問題を解決可能なDSPを用いたリアルタイム動画検索システムを提案

し、実際にC6416DSPを用いて実現している。DSPにより実現した提案システムの概要、

DSPによる動きベクトルの生成及び各構成部分の機能を詳細に記述し、抽出結果の検証、

信号処理時間等の検証結果を述べている。

第3章ではDSPを用いたリアルタイム動画検索システムの汎用性を広げるため、特定 シーン検出過程を分析し、新たなMTS(MahalanobisTaguchiSystem)による特定シーン判 別方式を提案している。応用例として相撲立会いの分析により、成功率の高い相撲立会 いシーン検出システムを実現している。第4章では提案したリアルタイム動画検索シ ステムのネットワーク上への応用システムを提案している。ネットワーク上へ応用し たシステムの各部分の構成及び通信制御方式を述べ、システムの有効性の評価とJGN

(JapanGigabitNetwork)上への展開について述べている。

以上の結果はDSP技術を用いた新しい動画検索処理方式の実現に寄与するものであ り、本論文は博士(工学)の学位を授与するに十分な内容を有するものと認める。

ー61−

参照

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