岡大医短紀要
, 1 :
77‑82,1990Bull.Sch.HealthS°i.OkayamaUnlV.
赤血球 中のヘモグロビンヘムの 酸化開裂物質ヘマチ ン酸の定量
簾 田 和 弘1) 佐 々木 健 二2) 簾 田 喬2)
Determination ofHematinicAcid Produced by OxidativeCleavageofHemoglobin Hemein Red Blood Cells
KazuhiroHtROTAl),KenjiSASAKI2)and TakashiHIROTA2)
Ourpreviousstudiesonthemechanism ofphenylhydrazine‑inducedhemolytlCanemiahaveshownthat hematinicacid.oneofoxldativecleavageproductsofheme,isformedbythereactionofhemoglobinwith phenylhydrazime.Develomentofthedeterminat10mOfhematinlCacidformedbythlSreactionlnredblood cells(RBC)wasrequiredtostudythemechanismofthehemolysis.Hemolysatespreparedbylysisoffresh humanRBCwithwaterwasmixedwithstandardhematinicacid.AsolutionconsIStingofhydrochlorlCacid, methanol,andacetonewasadded,andmostofhemoglobinpreclpitatedwasremovedbycentrifugation.
HematinicacidwasderivedtothemethylesterbyIncubationwithmethanolcontainlngSulfuricacld The esterwaspassedtotwotypeofsilicagelcolumntoremoveinterferences,andwasanalysedonareversed‑
phasehigh‑performanceliquidchromatographiccolumn.Hematinicacidcouldbedeterminedlntherange 1.0‑20.OFLmOl
/
ne
RBC.Recoveryfromhemolysatewas65.0%±3.5%.StandardcompoundsofhematinlCacidanditsmethylesterwerepreparedbytheoxidationofhemlnWith hydrogenperoxide,andwereconfirmedbyelementalanalysesandmassspectra.
KeyWords:hematinicacid,high ‑performanceliquidchromatography,redbloodcells,heme
緒 言
ヘマチ ン酸 (HA, 2,5‑dihydr0‑4‑methy1‑2,5‑
dioxo‑1H‑pyrrole‑3‑propanoicacid)は,つ ぎに 示す ようにマ レイ ミ ドの カルボ ン酸誘導体 であ り, ビリル ビン1)や ウロクローム2)の酸化生成物 の1つであることか ら,新生児黄症 の光治療や尿 色素の研究において取 り上げ られて きた化合物で ある。
本著者 らは,溶血毒であるフェニル ヒ ドラジン の溶血機構 を研究す る途上, フェニルヒ ドラジン がヘモ グロビン (Hb)のヘムを酸化 開裂 してHA を生成することを見出 した3)5)。 この毒物 による
1)岡山大学医療技術短期大学部
2)岡山大学薬学部
" 3 .
CfS
c.
"2C
"2C O
O "H
図1 ヘ
マチン酸( H A)
溶血性 と赤血球中におけるHAの生成 との関係 を 研究す るため, HAの定量法 を検討 したので報告 す る。 人の溶血液 にHA標 品 を添加 し, Hbや膜 成分な どの分析妨害成分 を除去 した後, HAを硫 醍 ‑メタノール溶液でメチルエステルに誘導 し, 高速液体 クロマ トグラフィー(HPLC)で分析 した。
‑ 77‑
試 薬 と 機 器
試薬 は
1
級品 を用い,溶液の%表示 は,硫酸 は W/Vで,その他 はⅤ/Vを示す。HAメチルの合成 のための分取 カラムクロマ ト グラフィーは,高速液体 クロマ トグラフ(LC‑5A, 島津製作所)のポ ンプと紫外吸収検 出器 (大岳製 作 所) を連結 し,280nmで検 出 して行 った。 こ の際用 い るカ ラムは, 中庄 ガ ラス カ ラム (47×
1.4cm,桐 山製作所)に169シ リカゲル (Kieselge1 60,230‑400mesh,Merck)を乾式で真空で吸引 し なが ら詰 めて製作 した ものであった。溶離液 は n‑ヘキサ ン/酢酸エチル/ メタノール
(1/ 1/
0.013)溶液であった。
薄 層 ク ロ マ トグ ラ フィー (TLC) は, pre‑ coatedplate(シリカゲル60,F254,厚 さ0.25mm, Merck)を用 いた。展 開溶媒 は,HAに対 してク ロロホルム/ アセ トン/酢酸 (5/ 1/0.1)浴 液およびHAメチルに対 して四塩化炭素/ シクロ ヘキサ ン/酢酸エチル (5/ 1/ 3)溶液であっ た。展 開 後 の ス ポ ッ トの検 出 は紫 外 線 ラ ンプ
(254nm)で行 った。
HAの定量 に用いる順相 シ リカゲルカラムは, 和光 ゲルC‑200 (2.3g)をガラス管 (0.8×10cm)
に詰めた もので,酢酸エチル (long)を通 し洗浄 した後,30%酢酸 エチル‑ a‑ヘ キサ ン溶液で平 衡化 した ものであった。 また同 じ目的で使用 した 逆 相 シ リカ ゲ ル ミニ カ ラ ム (SEP‑PAR,C‑18, watersAssociates,Inc.)は,あ らか じめメタノー ルで洗浄 した後10%メタノール‑水溶液で平衡化
した ものであった。
HAの定量 に用 いたHPLCは,紫外吸収検 出器 (SPD‑2A)付 きHPLC (LC‑3A, 島津 製作所) を使 用 し,280mmで検 出 して行 った。分析 カ ラ ム と して逆相 シ リカゲ ル (ODS)カ ラム (15×
0.46cm,ガスクロ工業)を,またプ レカラム (1.0
×0.65cm)と して,Deverosil(野村化 学) を詰 めた ものを用いた。 これ らのカラムは46℃に加温 し,溶離液 は35%メタノール‑水,検 出は280nm, そ して流速 は0.7me/minで分析 した。
EI質量分析 は, 島津‑LKB9000を用 いて行 っ た。
方 法
標準HAとそのメチルエステルの合成 1.HA
schaeferら6)のヘ ミンの酸化分解の方法 を改良 して行 った。ヘ ミン (1.0g)を濃 ア ンモニ ア水 (1.One)に溶か し,水 (100me)を加 え希釈 した。
60℃に加温 しなが ら,過酸化水素水(35%,25me), 水 (25mg)お よび濃 ア ンモニ ア水 (1.5mg)か ら なる溶液 を10分間で加 え,その後1時間加温 を続 けた。 2N塩酸 (7me)を加 え酸性 に し沈殿する 茶褐色物質 を液過 し除いた。褐色渡液 を酢酸エチ ルで抽 出 し,抽 出液 を無水硫酸ナ トリウムで乾燥 し,濃縮乾固 した。褐色残直 をアセ トンに溶解 し 分取TLCを行 った。Rf値0.35のバ ン ドをか き取
り,酢酸エチルで抽 出 し,濃縮乾固 した。淡褐色 残査 を酢酸エチ ル
/n
‑ペ ンタン (1/3)溶液 か ら3回再 結 晶 し白色 結 晶 (10m9)を得 た。 融 点 115‑116℃ (文 献 値114.4‑115.℃ 7).元 素 分析, C8H9NO4 (MW :183)計算値:C,52.46;H, 4.92;N,7.65.実測値 :C,52.37;H,4.90
;N,7.60.EI質量分析m/Z (相対 強度):165 (69%,M十一H20),137(100%,M十一H20‑CO), 119 (17%, M+‑2Hz0‑CO), 109 (29%,M+
‑ H20‑ CO‑ C2H4), 94 (230/0, M+ ‑H20‑
coNHCO).
2.HAメチル
上 のHAの分取TLC前 の褐色残査 に2%硫酸
‑メタノール溶液 (50me)を加 え,60℃, 1時間 加温 した。冷後濃 アンモニアを加 え中和 し,エス テルを酢酸エチル (lone)で4回抽 出 した。抽 出 液 を無水硫酸ナ トリウムで乾燥 し,濃縮乾固 した。
残漆 を酢酸エチル (3me)に溶か し,分取 カラム クロマ トグラフィーを行 った。 1フラクシ ョンあ た り12mg集め,各 フラクシ ョンにつ いてTLCを 行 い,Rf値0.58を与 える2番 か ら5番の フラク シ ョンを集め濃縮乾固 した。残至査をアセ トンに溶 解 し分取TLCを行 った。上記Rf値のバ ン ドをか き取 り,酢酸エチルで抽 出 し,濃縮乾固 した。再 結 晶 を試 みたが結 晶化 しなか った。TLCお よび HPLCで純度 を調べ た結果,他 の成分 は認め られ な か った。 EI質 量 分 析 m/Z (相 対 強 度):197
(4%,M+), 165 (100%, M+‑CH30H), 137 (85%,M+‑CH30H‑CO).
RBC中のHAの定量 1.採血 とRBCの分離
人静脈か らヘパ リン入 り採血管で採血 し, 7本 の試験 管 の各 々に血 液
( 3. 5 m e )
を入 れ た。遠心 分離機 にか け (3,000rpm, 5分),上層 の血柴 を 除去 し, RBCを生 理 食 塩 水 で3回洗 浄 し, 水( 2m e )
を加 え溶血 させ た。検量線作製のため, 標 準HAO, 4, 8, 12, 16, 20FLgを含 む水 溶 液 (0.1me)を加 えた。2.HAの抽 出
上 記 の 標 準HAを含 む水 溶 液 に, 6 N塩 酸 (1me),メタノール(2me)お よびアセ トン(5me) を順 次 に 加 え そ の 都 度 撹 拝 し た。 遠 心 分 離
(3,000rpm, 5分) し沈殿 のHbタンパ クな どを 除いた。沈殿 に残存す るHAを抽 出す るため, ア セ トン (2
m e )
を加 え撹拝 し,同 じように遠心分 離 し上清 を分離 した。 ここで得 た上清 を前 の上清 と合 わせ,突沸防止 のためベ ンゼ ン (3me)を加 え,40℃で減圧下濃縮 して褐色残査 を得 た。3.HAのエステル化
残蔭 に20/o硫酸 ‑メタノール溶液 (
l o n e )
を加 え60℃, 1時間加温 しエステル化 した。冷却後濃 ア ンモニア水で中和 し濃縮乾 固 し,褐色残査 を得 た。4.
順相 シ リカゲルカラム処理残渡 に酢酸エチル (3me)を加 え潜解 し,n‑ヘ キサ ン (3me)を加 え生成す る沈殿 を遠心分離機 にか け (3,000rpm, 5分) 除去 した。 上清 を順 相 シ リカゲルカラムに注入 し30%酢酸エチル‑m‑ ヘキサ ン溶液
( 1 6 m e )
を通 し,溶 出液 を濃縮乾 固し残達 を得 た。
5.逆相 シ リカゲルカラム処理
残査 に10%メタノールー水溶液 (4mg)を加 え 溶解 し, この溶液 を逆相 シ リカカ ラムに通 しHA を吸着 させ た。 さ らに10%メ タノール ‑水 溶 液
(5mg)を通 し爽雑物 を洗 い流 した後,35%メ タ ノールー水溶液 (4mg)を通 しHAメチル を溶 出 した。
6.HAメチルのHPLC分析
溶出液 (0.1me)につ いてHPLC分析 を行 った。
15分 の保持時間で出るピークの高 さを測定 し検量 線 を作製 した (図5参照)0
結 果 と 考 察
ここで合成 したHAとそのメチルエステルにつ いて,融 点 測定,元 素 分析 , 質量 分析,TLCお よびHPLCを行 い, 同定 と純度 を確認 した。
1.溶血液か らHAの抽 出
溶血液 に添加 したHAは,塩酸酸性 に して初 め てその溶液 に溶 出す ることが わか った。従 って, 溶血液 を塩酸酸性 に した後,除 タンパ ク剤 として メタノール とアセ トンの混合溶液 を加 え,膜の脂 質 や タンパ ク,Hb,Hbの酸分解で生 じたヘ ミン な どの爽雑物 をまず沈殿 と して除去 した。 この沈 殿物 にまだ吸着 し残存 してい るHAが あ り, アセ トンと撹拝 しこれ を溶 出 した。 ここで除 タンパ ク 剤 として繁用 されているアセ トニ トリルを上の混 合溶液の代 わ りに用 いる と,生成す る沈殿 はペ ー ス ト状 とな り, この沈殿 に吸着 しているHAのア セ トンによる溶 出が困難であ った。 この ように し て得 られた溶 出液 は,ヘ ミンな どの褐色成分 をは
じめ多種 の爽雑物 を多 く含 んでいた。
HPLC分析 まで には以下 の順相 と逆相 の二つの 型の シ リカゲルカラム処理が必要であ り, この方 法の検討 に多 くの時間 を費や した。
2.エステル化
硫酸 ‑メ タノール溶液 に よるHAのエ ステル化 は,上 の条件 で完結 す る こ とが,反応 後 のTLC お よびHPLC分析 で確認で きた。 この場合,反応 液の水分含量が, 7%以上である とこの反応 は完 結 しなか った (詳細 なデー タ省 略)。 このため試 料 は,水 をで きるだけ含 まない ように乾固 してお
く必要があ った。
3.
順相 シ リカゲルカラムここで用 いたシ リカゲル には,HPLCでHAメ チル と同 じ保持 時間に溶 出す る不純物 を含 んでい たので,酢酸エチル を通 して前 もって洗浄除去す る必要があ った。その最小容量 は10meであ った。
HAのエステル化後 の褐色 爽雑物 を含 む残査 を
‑ 79‑
n‑ヘ キサ ンを溶媒 に して この カラム に通す と, こ の褐色成分 はカ ラム先端 に強 く吸着 され るが, 同 時 に HA メチ ル も同様 に吸着 され溶 出 されない。
反対 に極性 溶媒 の酢酸エチル に代 える と両方 とも 全 く吸着 されず に溶 出 され る。褐色成分が吸着 さ れ HA メチ ルが 溶 出 され るn‑ヘ キサ ンに対 す る 酢酸エチ ルの濃度 を検討 した。褐色成分 に HA メ チ )i,標 品 を添加 して クロマ トグラフ ィー を行 った 結果 ,図2に示 す ように,酢酸 エチルの濃度 を30%
に上 げ る と初 めて HA メチ ルの全部が溶 出 し,褐 色 成 分 もほ とん どカ ラム先 端 に吸 着 し除去 され た。 しか し, この溶 出液 には まだ淡黄色 の爽雑物 が含 まれていた。
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図2 順相カラムによるHAメチルの溶出に及ぼす 酢酸エチル濃度の影響
方法の項に示すようにHAのエステル化後の 残査を,溶離液として異なる濃度をもつ酢酸 エチル (n‑ヘキサ ンに対 して)を用いてクロ マ トグラフィーを行った。溶出液について HAを定量 し,その回収率を求めた。詳細は 方法の項参照。
4.逆相 シ リカゲルカ ラム
上 の黄色成分 を含 む溶 出液 を水 に洛解 して この カ ラム に通す と,HA メチ ル も黄色 成 分 も完全 に 吸着す るが,溶離液 にメ タノール を含 ませ る と黄 色成分が吸着 して HA メチルが溶 出 され て くる濃 度 が存在 していた。 メ タノール濃度 を変化 し,港 出試 験 を した結 果, 図3に示 す よ うにそ の メ タ ノール濃度 は35%であ った. この こ とは,黄色成 分 は HA メチル よ り疎水性 が強 く,逆相 シ リカゲ ル に よ り強 く吸着す る性 質 を持 ってい ることが わ
か るo使用後 の カ ラムは, メ タノール (4me)を 通す と黄色成分 は完全 に溶 出 され るので再使用が 可能で あ った。
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10 20 30 40 50 Methqnol(○/。)図3 逆相カラムによるHAメチルの溶出に及ぼす メタノール濃度の影響
順相カラムの溶出液から得た残査を方法の項 に示すように逆相カラムにかけた。溶離液 と して異なる濃度をもつメタノール (水に対 し て)を用いてクロマ トグラフィーを行った。
溶出液について HAを定量 し,その回収率を 求めた。詳細は方法の項参照。
二
Retention time(min) 図4 HAメチルの高速液体クロマ トグラム
A:順相カラムからの溶出液について分析 し たもの。
B:順相カラムからの溶出液を逆相カラムに 通 し,得 られた溶出液について分析 したも の。図中の矢印は HAメチルのピークを示 す。分析の条件などは試薬と機器および方 法の項参照。
このカラムを通 させ ない試料 をHPLC分析す る と,図4Aに示す ように,HAメチルの溶 出のあ と40分 まで種々の爽雑物が溶出 した。一方,カラ ムを通 した場合,図4 Bに示す ように,HAの溶 出後 に出るほとん どの爽雑物が除去 されているこ とがわか る。 このカラム処理 は,HAメチルの分 析が終わると,つ ぎの試料注入が可能 とな り,分 析 の迅速化 に寄与 した。
5.HPLC分析
HAの ピーク高か ら検量線 を作 った ところ,図 5に示 されるように,1.0120.OFLmO
l /
meRBCの 範囲で直線性が認め られた (HAメチルのHPLC については図4B参照)0RBCの容量 は,採血後 のヘ マ トク リッ ト値 を 測定 し, この値 か ら求めた。 HAの無添加 の赤血 球か らはHAメチルに相当す るピークが認め られ
なかった (クロマ トグラムは省略)0
(uJ
u)tLJB芯
LJヱDad1
号
「 図5 HAの検量曲線HA添加赤血球を抽出,エステル化,カラム の各操作を行い,HAメチルをHPLC分析 し た。HAメチルのピーク高から検量線を作製 した。詳細は方法の項参照。
6.回収率
赤血球 に添加 したHAが一連の定量操作 中に回 収 される量 について検討 した。添加 した同 じ量の HAを硫酸 ‑メ タノール溶 液で直接 エ ス テル化 し,得 られたHPLCの ピーク高 と比較 した結果, HAの各 添 加 量 につ い て平 均 した と こ ろ65±
3.5%の回収率が得 られた。 2種の カラム処理で はほ とん ど定量的に回収 されているので,溶血液 か らHAの抽 出の ところに問題があるもの と思わ れる。
7.終わ りに
本定量法 によって, 目的である赤血球中で溶血 毒 フェニル ヒ ドラジ ンとHbの反応で生 じるHA を定量で きるようになった。赤血球試料 だけでな く, この方法で得 られた爽雑物の除去法 を工夫 し て,他 の生体試料 中のHAも定量で きる もの と思 われる。 この際,HPLCの溶離 液のメタノール濃 度 を減少す るとHAメチルの保持時間が大 きくな り,他 の爽雑物 との分離が可能 となるもの と思わ れる。
文 献
1)Lightner,DA.andQuistad,G.B :Hematinicacid andpropentdyopentsfrom bilirublnphoto‑0XidatlOn invitro.FEBSletters.,25:94‑96,1972
2)stoll,M.S :Formation,metabolism,andproperties ofpyrroliccompoundsappearlnglnthegut;inBili‑ rubinVol.2.Metabolism,Heirwegh,冗 P.M.and Brown,S.B.eds,CRC Presslnc.,BocaRaton,Flor‑ ida,pplO3‑131,1982
3)広田和弘,佐々木健二 :ヘモグロビンのヘム酸化が 契機となる血液毒の溶血機構.第29回 日本薬学会 中 四国支部大会講演要 旨集.36頁,1990
4)Hirota,K.,Hatanaka,T.andHlrOta,T.I.Isolationof N‑phenylprotoporphyrinIX from theredcellsand spleen of the phenylhydrazlne‑treated rat.Arch.
Biochem.Biophys"255:42147,1987
5)Hirota,KHYamamoto,S.andltano,H.A.:Urinary excretionofisomersofbiliverdinafterdestruction in vivoofhaemoproteinsand heamin.Biochem.J., 229:477‑483,1985
6)schaefer.W.H.,Harris,T M.andGuengericb,F.P.
:Characterizationof也eenzymaticandnonenzyma‑
ticperoxidativedegradationofIronpOrphyrinsand cytochromep‑450heme.Biochemistry.,24 :3254‑
3263,1985
7)Wittenberg,∫ andShemin,D.∫.:Thelocationin protoporphyrinofthecarbonatomsderivedfromthe a‑carbonatom ofglycine.J.Biol.Chem..185:1031 116,1950
‑ 81‑
要 約
フェニルヒ ドラジン惹起性溶血貧血機構の著者 らの研究 において,ヘモグロビンとフェニルヒ ドラジン との反応でヘムの酸化的開裂物質の1つであるヘマチ ン酸が生成することが示 された。 この反応 によって 赤血球 (RBC)中で生 じたヘマチ ン酸 を定量する方法の確立が,溶血機構研究のため必要 となった。人の RBCを水で溶血 し,ヘマチ ン酸の標品を加 えた。塩酸, メタノール, アセ トンの溶液 え加 え,ほ とん ど のヘモグロビンを沈殿除去 した。 メタノール‑硫酸溶液で加温 し,ヘマチ ン酸 をメチルエステルに誘導 し た。爽雑物 を2種のシ リカゲルカラムを通す ことによって除去 し,逆相カラムを用いた高速液体 クロマ ト グラフィーで分析 した。ヘマチ ン酸 は,1.0‑20.OFLmO
l / m e
RBCの範囲で定量で き,回収率 は65.0±3.5%であった。
ヘマチ ン酸 とこのメチルエステルの標品は,ヘ ミンを過酸化水素酸化す ることによって合成 し,元素分 析 と質量分析 によって確認 した。
(1990年11月1日受理)