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谷津干潟における泥温変動特性の検討 

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Academic year: 2022

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第 40 回土木学会関東支部技術研究発表会      第Ⅱ部門 

谷津干潟,現地観測,泥温,熱交換量 

〒275-8588  千葉県習志野市津田沼2-17-1  千葉工業大学  工学部  生命環境科学科

谷津干潟における泥温変動特性の検討 

千葉工業大学生命環境科学科   学生員  ○高岡  大晃 千葉工業大学生命環境科学科   学生員    番場  勇介 千葉工業大学生命環境科学科   学生員    伴内  祐太 千葉工業大学生命環境科学科   正会員    小田  僚子 千葉工業大学生命環境科学科   フェロー   矢内  栄二  

1.はじめに 

干潟は潮汐による冠水・干出を繰り返しており,

大気と海表面・海底面が相互に作用し合い複雑に熱 交換が行われているが,海底面での熱交換作用につ いては現在のところ十分に把握されていない1). 

そこで,本研究では谷津干潟における夏季・秋季 における現地観測結果から,海底面での熱交換作用 を明らかにするため,泥温の変動特性および海底

面での熱交換について検討した. 

2.観測概要  

(1) 観測対象 

谷津干潟は,東京湾に位置する面積約40haの潟湖 干潟である(図-1,図-2).干潟周囲は住宅や道路に 囲まれ,高瀬川と谷津川の2河川により東京湾と海 水交換を行っている. 

(2)観測方法および観測項目 

現地観測は,夏季および秋季の計 2 回実施した.

夏季は2012年7月19日16時〜8月3日17時に,

秋季は2012年9月28日12時〜10月12日9時に行 った.観測地点は干潟内の潮汐による干出と冠水が おこる泥上とした(図-3).表-1に測定項目を示す.

泥温の測定は水鳥ら 1)2)と同様に,海底表面(0m),

海底下2,5,10cmの4層について測定した.

本研究では潮汐による冠水・干出に着目し,夏季 については大潮時の8月2日,秋季については大潮 時の10月2日について解析した.

3.結果および考察 

図-4〜5は,夏季および秋季の泥温を示したもの である.また図-6〜7は地中熱伝達量・顕熱輸送量 を示したものである.ここで,地中熱伝達量は熱伝 導方程式から,顕熱輸送量はバルク法から算出して いる3). 

(1)夏季泥温の時間変動 

図-4において,日中干潮時の12時では0cm層と 10cm層で3.4℃の温度差があった.夜間満潮時の4

時では,0cm層と10cm層で0.1℃の温度差があり,

上・下層とも±0.1程度の温度変化しかみられなかっ た.日中の干潮時と夜間の満潮時では 0cm 層で3.6℃

の温度差がみられ,10cm層では0.1℃の温度差がみ られた.このことから,昼間の干潮時には上・下層 間の温度差,温度変化が大きく,夜間満潮時には上・

下層間の温度差,温度変化が小さいことがわかった. 

干潮時である 14時 30 分から海水が流入すると,

泥温は暖かい水温の影響を受け急激に上昇し,14時 40分には0cm層で2.2℃上昇した.このことから,

海表面と大気よりも,海水と海底面の方がより著し い熱交換が行われていると考えられる.

(2)秋季泥温の時間変動 

図-5より,干潮時14時10分と満潮時18時50分

測定項目 測定機器 形式

風速・風向 風向風速センサー S-WDA-M003 気温・湿度 ホボプロv2 U23-001 水温・泥温・水

表面温度

ホボウォーターテ ンププロv2

U20-001-04-Ti

水位 ホボ U20 ウォー ターレベルロガー

U22-001

千葉県 谷津干潟

東京湾 太平洋

谷津干潟 

谷津川 高瀬川 

1.0km

図-1 谷津干潟の位置  図-2 谷津干潟 

図-3 観測地点

東 京 観測地点

0.3km

表-1  測定項目・計測機器一覧  千葉県

谷津干潟

東京湾 太平洋

(2)

では0cm層で0.9℃,10cm層で0.2℃の温度差があ った.夏季と比較すると上・下層間の温度変化が小 さいことがわかった.干潮時の14時20分から海水 が流入すると泥温は暖かい水温の影響を受け上昇し,

15時20分までに0cm層で0.3℃上昇したが,夏季の ような急激な温度変化はみられなかった.これは夏 季と比べ,秋季は水温の温度変化が小さいことが原 因であると考えられる. 

(3)夏季熱交換量の時間変化 

図-6より,地中熱伝達量は日中は受熱状態,夜間 は放熱状態になる傾向が認められる.海水の流入に よる暖かい水温の影響を受け14時30分から急激に 上がり,14時40分には169W/m2上昇している.ま た干潮前の10時30分に149.7W/m2と高い値を示し た.このことから,海底面では冠水直後や干出前に 大きい熱交換が行われることがわかった. 

顕熱輸送量は,干出時の12時に77W/m2冠水直後 の14時30分に86W/m2と高い値を示したが,それ 以外の時間帯では5W/m2程度と低く,海表面と大気 より海底面の方がより大きい熱交換が行われている ことがわかった. 

(4)秋季熱交換量の時間変化 

図-7より,地中熱伝達量は日中の干潮前後の11 時 から16時を除いて放熱状態である.海水の流入によ る暖かい水温の影響を受け14時30分から地中熱伝 達量は上がり,15時には 9.8W/m2上昇しているが,

夏季のような急激な上昇はみられなかった. 

夏季と同様に顕熱輸送量は干出前の12時から 12 時10分で 8.4W/m2,冠水直後の14時40分から14 時50分に14W/m2上昇しているが,急激な上昇はみ られなかった. 

4.まとめ 

本研究では,夏季・秋季における谷津干潟表面の 熱交換について現地調査を行い検討した.その結果,

海表面と大気に比べ,海底面ではより著しい熱交換 が行われており,冠水直後や干出前に特に大きい熱 交換が行われていることがわかった.

参考文献

1)  水鳥雅文ら(1983):干潟の発達する浅海域の自然水温分 布予測,電力中央研究所,pp2-13. 

2) 水鳥雅文ら(1985):干潟海域における熱収支の検討,電 力中央研究所, pp2-13

3) 近藤純正:地表面に近い大気の科学,東京大学出版社,

324p 図-4 夏季泥温の時間変化 

図-6 夏季熱交換量の時間変化 

-50 0 50 100 150 200 250

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

時間 熱交換(W/m2)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

水位(cm)

地中熱伝達量 顕熱輸送量 水位 25

26 27 28 29 30 31 32 33 34 35

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

時間

泥温(℃)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

水位(cm)

海底下0cm 海底下2cm 海底下5cm 海底下10cm 水位

20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

時間

泥温(℃)

0 20 40 60 80 100 120

水位(cm)

海底下0cm 海底下2cm 海底下5cm 海底下10cm 水位

-50 0 50 100 150 200 250

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

時間 熱交換量(W/m2)

0 20 40 60 80 100 120

水位(cm)

地中熱伝達量 顕熱輸送量 水位

図-5 秋季泥温の時間変化 

図-7 秋季熱交換量の時間変化 

参照

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