• 検索結果がありません。

地震によるマンホールの最大浮上量の簡易推定法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "地震によるマンホールの最大浮上量の簡易推定法"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会. 応 用 力 学 論 文 集Vol.11,pp.587‑594(2008年8月). 地震によるマンホールの最大浮上量の簡易推定法 Simplified method for estimation of the maximum uplift displacement of a manhole during earthquakes. 飛 田 哲 男*・ 井 合 進**・ 姜 基 天***・ 小 西 康 彦****・. 原 園 照 二*****. TetsuoTOBITA,SusumuIAI, Gi-ChunKANG,YasuhilcoKONISHI,and ShojiHARAZONO *正 会 員Ph **正 会 員 ***京 都 大 学 大 学 院 ****正 会 員. .D.京 都 大 学 防 災研 究 所助 教(〒611表0011京 工 博 京都 大 学 防 災研 究 所 教 授(〒611‑0011京 社 会 基盤 工 学 専 攻博 士 後 期課 程(〒615‑8540京. 株 式 会 社 日水 コ ン. *****株 式 会 社 日水 コ ン. 東 京 下 水 道 事 業 部(〒163. 大 阪 下 水 道 事 業 部(〒532. 都 府 宇 治 市 五 ヶ庄) 都 府 宇 治 市 五 ヶ庄) 都 市 西京 区京 都 大学 桂). ‑ll22新 宿 区 西 新 宿6‑22‑1新 宿 ス クエ ア タ ワー). ‑0004大 阪 市淀川 区 西 宮 原1‑1‑3SORA新. 大 阪21). Upliftingof sewagemanholesis one of thetypicaland strikingdamagepatternobservedinthe area being hit by large earthquakes.A simplifiedmethod to estimatethe maximum uplift displacementof a manholeand settlementsof backfillsoilunderliquefactionis derivedbased on the mechanismof uplift of a manholeunder undrainedconditionof backfillsoil. The methodis capableof evaluatingeffectivenessof countermeasures againstupliftby considering excesspore water pressureratio and/orunit weightof backfillsoil.In the presentstudy,the applicabilityfor the case without countermeasuresis investigatedthroughcomparisonwith experimentalresults. Results show that measureduplift displacementsand settlementsare withinthe rangepredictedby the proposedmethod. Key Words:Liquefaction,Manhole,Uplift,CentrifugemodelingEarthquake キーワー ド:液 状化,マ ンホール,浮 上が り,遠 心模型 実験,地 震. 1.は じめに. 山砂 な どの砂 質系 の土が用い られ るこ とが多 く液状 化の. 大地 震時 にマ ンホール の浮上が りが生 じた事例 は数多. 発生条件 が整 ってい る. これ ま で地 中埋設構 造物 の浮上 が り被害 に関 しては多. く報告 され てい る(図‑1)例 えば1句.特に近年,住 宅地の 郊外へ の広が りと共 に,マ ンホール の浮上 が りだ けで な く, マ ンホール に接 続 され た埋設管 の浮上 が り被害 も増加 し. くの実験的,あ るいは数値解析的 研究がな されて きた例えば 鋤 .規 矩 ら10)は,マンホール の浮上が りには,液 状化土 の. ている.例 えば,2004年 新潟 県中越 地震では,長 岡市,. 動 を抑制す る75μmの メ ッシュで作成 した枠 をマ ンホー ル の周辺 に設 けた場合 と,何 も設 けない場 合につ いて,同. 小千谷市 な どで1400箇 所以上 のマ ンホール の浮上が りが 発生 し,緊 急庫 両の通 行が阻害 され るな ど,市 民生活 に大. 鉛直 方向の移動が大 き く寄与 してい ると考 え,土 の水平移. きな影響 を与 えた.被 害の重 大性 に鑑み,国 土交通省では, 2006年 に 「 下水道 地 震 対 策 緊急整備事業」を創設 し,「下. 時加振 による比較実験 を行 った.こ の実験 はマ ンホール周 辺 の掘削領域 を メ ッシ ュで 区切 るこ とに よ り模擬 した も のである とい える.実 験の結果,マ ンホール周辺 にメ ッシ. 水道地 震対策計画」の策定 によ り段階的 な 目標 を定 め下水. ュを設置 した場 合の浮上量が大 きくなる場 合がある こと,. 道施設の耐震化 を図 るこ ととしてい る。特 に,マ ンホール の浮上お よびマ ンホール と本管の接続部の耐震化は 「 下水. また入力加速度 レベル とともに浮 上量 も大 き くな るこ と. 道地震 対策緊急整備計画」として緊急の 目標 として位置付 け られてい る7)。 これ までの調査研究 によ り,マ ンホールや 埋設管の浮上 が りの主要因が,そ れ らを設置 した後 に用いた埋戻 し土の. を示 した. マ ンホールの浮上防止対策について も,埋 戻 し土の締固 め,固 化改 良,砕 石による埋戻 し,間 隙水圧 をマ ンホール 内 に逃がす方法な どが考案 されてお り例えば11‑13),す でに実. 液状化で ある との一致 した見解が得 られてい る8,9).ま た浮 上 が りが多 く見受 け られ るのは,周 辺地盤が粘 性土の卓越. 用化 されてい るもの もあ る.し か し,既 存のマ ンホール に 対す る浮上防止対策については,有 効かつ経済的な方法が い まだ模索 されてい る.. す る軟弱地 盤で,か つ地下水位 が浅 い地 点である.こ の よ うな地 点で は,埋戻 し土 として粘 性土 よ りも扱いの容易な. 本 田 ら14)は 消防士 に対す るア ンケー ト調査か ら,緊 急活 動 に支障 をきたすマ ンホール の鉛 直変位 量は,狭 い道路で. ―587―.

(2) 13cm,広 い道路 で23cm程 度 との回答 を得 てい る.こ の よ うなデー タに基づ き,浮 上量を性能 目標 としてマ ンホール を設置 する場 合には,最 大浮上量を適切 に評価す る必要が ある.小 関 らのは,地 中埋 設構造物の浮上 に関 して安全率. 図‑2理 想 され たマ ンホール,埋 戻 し土お よび原 地盤 上過程が非排水条件だ と仮定すれ ば,マ ンホール 直下に回 り込んだ土の体積分,す なわ ち浮上 したマ ンホール 本体の. による評価法 を提案 した.そ の手法 は現在広 く用い られて いるが,そ の方法では,浮 上す るか どうかは推定で きるも. 体積分の沈下が埋戻 し領域 に発 生す る と考えてよい.こ こでは,上 で述べ た力 のつ りあい式 を,マ ンホール の浮上. のの,浮 上量 を定量的 に予測す るこ とはで きない.. 体積 と埋戻 し土の沈 下体積 が等 しい とい う条件 の 下で解. そ こで本研究で は,地 震時 のマ ンホール浮上量の定量的. くこ とによ り,マンホールの最大浮上量 と埋戻 し土の最大. 推定法 を提案す る.こ れ にあた り,地震前 の地盤高 さを基 準 に,マ ンホール が浮上 した体積 と埋戻 し土 の沈下体積 と が等 体積 で あ る とい う条件 下で力のつ りあい式 を解 く事. 沈下量の推定式を導出す る.これにあた り仮 定す る事柄は 以下の通 りであ る. (1)浮上過程は非排水(体 積 不変)と す る.. によ り,マンホール の最大浮上量 と埋 戻 し土の最大沈下量 の推定式 を導 出す る.さ らに,そ の適用性 を確認す るた め. (2)周辺地盤は一様 に沈下する. (3)マンホー一 ルは傾 斜す ることな く鉛 直にのみ移 動す る.. 遠心模 型実験結果 との比較考察 を行 う.. (4)地下水面以浅の夢腋 状化層厚 は不変 とす る. (5)簡略 化のためマ ンホール に接続す る埋設 管は無視す る. 2.1最 大浮上量推 定式の定式化 最大浮上量 の推定式 を導 出す るに 当た り,図‑2に 示す よ うに,1辺 の長 さがaの正方形 の掘削範囲の 中に,鉛 直長 さhのマ ンホール を考 える.こ こで,掘 削深 さはマ ンホー ルの長 さhよりも大 きい とす る.マ ンホールの直径 はcで, 単純化のた め上下面 を閉 じた中空円柱 とする.ま た,地 表 面か らの地下水位 深 さを4とす る. 先 に述べた よ うに,マ ンホールの浮上体積 とその直下に 回 り込んだ土の体積 とを等値すれ ば. 図‑1マ. ンホ ー ル の 浮上 事 例(2003年. 十 勝 沖 地 震). (1) 2.マ ンホール の最大浮 上量 の推 定式 を得 る.こ こで,マ ンホ ー ル の浮 上 変位 量 を邸. 大地震時 にマ ンホールが浮上す る第一義的な要因は,埋. 埋 戻 し土. の 沈 下 変 位 量 を△sとす る.式(1)を 邸 こつ い て 整 理 す れ ば. 戻 し土の液状化 である.液状化 による過剰間隙水圧の上昇 によ りマ ンホール底面 に作用す る上 向きの力が,マ ンホー ル の 自重,側 面に作用す る摩 擦力お よび 下水管接続 部の抵. (2). 抗力 の合力 を上回 った とき,浮 上が りが生 じる.た だ し, いったん浮上 がった後沈 まないためには,マ ンホール直 下. 次 に,浮 上 が りが発 生 す る瞬 間 の マ ン ホー ル 底 面 で の 力 のつ りあ い を考 え る と,図‑2に 示 す よ うに,マ ンホ ー ル. に埋 戻 し土 が回 り込 まなけれ ばな らない.し たがって,浮. の 自重 に よ る力 乃 とマ ン ホー ル 周 面 に作 用 す る摩 擦 力 瓦 とが,浮 上 力 瓦 とつ りあ っ て い る の で,. (3) こ こで,式(3)の 左 辺 を 図‑2に 示 す パ ラ メー タで 書 き直 す と,. (4) ここで,筋 はマ ンホールの単位 体積 重量,乃 は水 の単位体 積 重量であ る.ま た,地 下水位以 浅につ いてのみ側面摩擦 力が生 じるもの と仮 定すれ ば,瓦 は,. (5) とな る.た だ し,Kは. 側 方 土圧 係 数,σ ν'は 鉛 直 有 効 応 力,. ど は マ ン ホー ル側 面 と土 の摩 擦 角 で あ る.. ―588―.

(3) また,液 状化 に よる過剰 間隙水圧uに よりマンホール底. の 長 さhで 正規 化 して プ ロ ッ トした も の で あ る.同 図 中 に. 面 に作用す る鉛直上向 きの力は, 表‑1地. 盤の諸元. (6). こ こで,γtは地 下 水 位 以 浅 の 非 液 状 化 土層 の 単 位 体 積 重 量, γは 液状 化 土 層 の 水 中 単 位 体積 重量(γ=γsat‑γw),β は過 剰 間 隙 水 圧 比 で あ る.こ こで,式(4)と 式(6)を 式(3)に代 入. 表‑2マ. ンホ ー ル の 諸 元. し,趣 につ い て解 く と,. (7). を 得 る.さ らに,式(7)を 式(2)に代入 し,△fにつ い て解 く と マ ンホ ー ル の 最 大 浮 上 量 推 定 式 と して,. (8). を得 る.ま た,式(8)を 式(7)に代 入 し整 理 す る と,埋 戻 し 土 の 最 大 沈 下 量 推 定 式 と して 次 式 を得 る.. (9). 上 で 導 出 した マ ンホ ー ル の 最 大 浮 上 が り量 の推 定 式(式 (8))に つ い て,以 下 の よ うに単 純 化 した 場 合につ い て 考 察 す る.す な わ ち, (1)埋 戻 し土 は完 全 に液 状 化 す る(β=1.0) (2)地 下 水 面 が地 表 面 に一 致(d=0) (3)マ ン ホー ル 直 径 に比 べ 掘 削 範 囲 が 十 分 広 い(c/2a→0) 以 上 を仮 定 す れ ば,式(8)は 次 の よ うに な る.. (10) この場合,最 大浮上が り量はマンホール と液状化土の単位 体積 重量 の比 の関数 であるこ とがわか る. 図‑3マ 2.2地 下 水 位,非 液 状 化 土層 の単 位 体 積 重 量. 摩擦の有無. と最 大浮 上 量 の 関 係 こ こで は,2.1節 で 仮 定 した(1)から(3)の内,(1)と(3)の み を仮 定 す る.す る と式(8)よ り最 大 浮上 量 は次 式 で 表 され る.. (11) 図‑3(a)は,式(11)に. お い てFs=0の 場 合 につ いて,横 軸 に. 非 液 状 化 土層 の層 厚d,縦 軸 に最 大 浮上 量 △fをマ ンホ ー ル. ―589―. ンホール高 さhで 正規化 した地 下水位 深 さ. と最 大浮上 が り量 との関係:(a)周 面摩 擦を考慮 しない 場合,(b)周 面摩擦 を考慮 した場 合 は,非 液状化 土層 の単位 体積重 量γtを 変化 させ た場合 につ い て も比較す る.図‑3を 描画す るに当た り用 いた地盤の 諸元 を表‑1に,マ ンホールの諸 元を表‑2に 示す.た だ し, これ らの値 は,後 で述べ る遠心模 型実験で用いた模 型のプ ロ トタイ プ換算値 である.図‑3(a)よ り,地 下水位 が深い ほ ど,す なわちdが大 きい ほ ど,ま た非液状化層 の単位 体.

(4) 積 重 量 が小 さい ほ ど,浮 上 が り量 が小 さ くな る こ とが わ か る.こ の こ とはマ ン ホー ル 底 面 深 さで の 初 期 有 効 上載 圧 が. (9)より明 らかであ るが,浮上体積 と沈下体 積を等 値 してい るため,掘 削幅が大 き くな るほ ど,地 表面沈 下量 が浮上量. 小 さい ほ ど浮 上 が り量 が 小 さ くな る こ とを示 して い る.. に及ぼす影響が相対的 に小 さくな るこ とに起因 している.. 次 に図‑3(b)は,非. 液 状 化 土 層 に お け る コ ンク リー トと. 土 の 摩 擦 角 を10°と し,式(5)に よ り側 面 摩 擦 を考 慮 した場. 2.4埋 戻 し土の液状化安全 率 と最大浮上量の関係. 合 の 浮 上 量 を示 した もの で あ る.同 図 よ り,地 下水 面 が深 い ほ ど側 面 摩 擦 力 が 大 き くな る の で 沈 下 量 が減 少 す る こ. 液状化安全率(FL)は,液 状化判定 に際 して広 く用い ら れ ている もので あ り,こ こでは埋戻 し土 を対象 にこれ を用 いる.液 状化安全率 と過剰間隙水圧 比の関係 と しては,. とが わ か る.例 え ば 今 回用 い たパ ラ メー タ で計 算 す る と, d/h=0.5の. とき,摩 擦 が な い場 合(図‑3(a))と. 比較 した. (12). 浮上 が り量 の低 減 率 は約30%程 度 で あ る. 23掘. 削 幅 と最 大 浮 上 量 の 関係. 次 に,掘 削 幅aが,最. 大 浮 上 量,最 大 沈 下 量 お よび そ れ. らの和 で あ る鉛 直 変位 量 に与 え る影 響 につ い て考 察 す る. た だ し,図‑3(b)と. 同 様,非 液 状 化 層 で の 摩 擦 力 の 影 響 を. 考 慮 す る.ま た,先 と同様 に地 下水 位 に対 す る浮 上 量 に着 目す る と,掘 削 幅 とマ ンホ ール の 直径 との比a/cを パ ラ メー タ と して 図‑4に 示 す 曲線 群 が得 られ る.同 図(a)よ り,正 規 化 され た非 液 状 化 層 厚d/hに 対 して,掘 削 幅 直 径 比a/cが 大 きい ほ ど最 大 浮上 量 △flま 大 き くな る が,同 比 が5か ら20 にか けて 浮 上 量 が収 束 して い る こ とが み て とれ る.一 方, 埋 戻 し土 の 沈 下 量 に つ い て は,逆 の傾 向 とな り,掘 削 幅 直 径 比 が 大 きい ほ ど沈 下 量 は 小 さ くな っ て い る.し か し,同 図(c)よ り,鉛 直変 位 量 は,掘 削 幅 直 径 比 に よ らず,地 下 水. 図‑5液. 位 深 さの み の 関 数 とな る こ とが わ か る.こ れ は 式(8)お よび. 係11). 図‑4掘. 状 化 安 全 率(FL)と. 過 剰 間隙 水圧 比(β)の. 削 幅 直 径 比 とマ ンホ ー ル 高 さhで 正 規化 した 地 下水 位 深 さ と(a)最大 浮 上 が り量,(b)沈 下 量,(c)鉛 直 変 位 量. 関. の関係. 図‑6液. 状 化 安全 率 とマ ンホ ール 高 さ乃で 正 規 化 した(a)浮上 が り量,(b)沈 下 量,(c)鉛 直 変位 量. ―590―.

(5) 水 圧 計 は,埋 戻 し土 内(P1)と が提 案 され て い る11).こ の 関係 を図 示 す る と図‑5の. よう. に な る.そ こで,FLを パ ラ メー タ と し,式(12)よ り過 剰 間. マ ンホ ー ル 底 面(P2)の. 計. 2台 設 置 した. 振 動 台 の加 振 制御 は,遠 心 ア ー ム上 に設 置 した ノー トパ. 隙 水圧 比 を求 め,式(8)と 式(9)に よ りマ ンホ ー ル の 浮 上 量. ソ コ ン に無 線LANを. 等 を推 定 す る こ とが で き る.図‑6(a‑c)に. が1.0以 上 で は,浮 上 が り量,沈 下 量,鉛 直 変位 量 が減 少. (Microsoft)する こ とに よ り行 った.そ の た め加 振 波 に加 わ るス リップ リン グ等 に よ る ノイ ズ の影 響 は低 減 され る.ま. す る傾 向 に あ る こ とが わ か る.ま た 地 下 水 面 が 地 表 面 に 近. た,計 測 お よび 記 録 はア ー ム 上 の デ ー タ ロガ ー に無 線USB. い ほ ど,す な わ ち4が 小 さい ほ ど,FLの 増 加 に対 して浮 上. ハ ブ を介 して接 続 す る こ とに よ り行 っ た.. 示 す よ うにFL. 量 等 の 減 少 す る割 合 が急 速 に 大 き くな る こ とが わ か る.こ れ は,本 モ デ ル にお け るマ ン ホー ル 側 面 の摩 擦 力 が,非 液. 実 験 は,表‑3に. 介 して リモ ー トデ ス ク ト ップ 接 続. 示 す とお り合 計7ケ ー ス実 施 した.す べ. て の 実 験 ケ ー ス に お い て,入 力 波 は 図‑10(e)に 示 す よ うに. 状 化 層 との 間 の み に設 定 され てお り,液 状 化 層 との 間 に は. 波 形 の 前 後 に テ ー パ ー を か け た 正 弦 波(600g田. 考 慮 され て い な い た め で あ る と思 われ る.. Hz)を. 3.遠 心 模型 実験 に よ る推 定 式 の検 証. の振巾 副直と継 続 時 間(約25秒)と. 相 当,125. 用 い た.本 提 案 手 法 の検 証 と して,浮 上 量 の 最 大 値. を求 め る必 要 が あ るた め,入 力 地 震 動 と して は や や 大 き め. 上 で 述 べ た マ ンホ ー ル の 最 大 浮 上 量 等 の推 定 式 の検 証. した.. 表‑3実 験 ケー ス と実験結果. は,本 来 実 被 害 デ ー タ を以 て行 うこ とが望 ま しい が,こ こ で は まず 第 一段 階 と して,あ る程 度 理 想 化 され た 条件 下 で 行 っ た遠 心模 型 実験 結 果 に適 用 す る もの とす る.実 験 に 用 い た マ ンホ ール 模 型 に は,浮 上 対策 が な い もの と浮 上対 策 を施 した もの の 二つ を使 用 した.こ れ らの 設 置 状 況 を,図 ‑7と 図‑8に 示 す .実 験 で は,ひ とつ の 土槽 内 に 二つ の マ ンホー ル 模 型 を設 置 し,同 時加 振 に よ り浮 上対 策 の効 果 の 検 討 を行 っ た.し か し,こ こで は対 策 の 詳 細 とそ の効 果 に つ い て は割 愛 し,無 対策 の結 果 の み を用 い て提 案 手 法 の検 証 を行 う.以 下,特 に 断 らな い 限 り数 値 は プ ロ トタイ プ ス ケ ール とす る. 3.1実 験 概 要 実 験 は,模 型 縮 尺 を1/20と し20gの 遠 心場 にお い て 実施 した 模. 型 と して,450×150×300(L×D×H)mm(模. ケー ル)の 剛 土 槽 内 に,図‑7お. 型ス. よび 図‑8に 示 す よ うに地. 盤 とマ ンホ ール(図‑9)を 設 置 した.作 成 した 地 盤 及び マ ン ホ ール 模 型 の 諸 元 は 表‑1と 表‑2に 示 す 通 りで あ る. なお,地. 盤 は7号 硅 砂 に粘 性 を 水 の20倍 に 調 整 した 粘 性流. 体 を混 ぜ,締 固 め な が ら密 詰 め地 盤(原 地 盤:相 対 密 度 約 85%)を 作 成 した.次 に2.0×2.0×32mの 範 囲 を掘 削 し, 層 厚 約1cm(モ. デノレス ケ ール)の 採 石(粒約8mm:モ 径. デ ル ス ケー ル)を 敷 き,そ の 上 にマ ン ホー ル 模 型 を設 置 し た.そ の後,掘 削範 囲 の埋 戻 し と して,水 中落 下 法 に よ り 緩 詰 め地 盤(相 対密 度 約36%)を. 作 成 した.同. じ砂 を用 い. 図‑7遠 心模 型 とセ ンサーの設置位 置(単 位はm). て別 途 実 施 した定 水 位 透 水 試 験 よ り,粘 性が20cStの 場台 の透 水 係 数 は,相 対 密 度 約70%で2.6×104(cm/s),約30%で 3.9×104(cm/s)であ った.両 者 の透 水 係 数 に有 意 な差 が 見 ら れ る こ とか ら,埋 戻 し土 内 で発 生 した 過 剰 間 隙 水 圧 の 原 地 盤 内 へ の 消 散 は,少 な く と も加 振 中 につ い て は,最 小 限 に 抑 え られ る もの と考 え られ る. 使 用 した セ ンサ ー に つ い て,無. 対 策 の マ ンホ ー ル 模 型. (図‑7左 側 の マ ン ホー ル)の み 示 す と,加 速 度 計 は 土 槽 底 面(AO),マ 地 表 面(A3),原. ンホ ー ル の 上 下 端(A1,A2),埋 地 盤 表 面(A4)に. 戻 し領 域. 計4台 設 置 した.変 位. 計 はマ ン ホ ー ル の 浮 上 変位 計 測 用 に1台(D1)設. 置 した.. ―591―. 図‑8マ. ンホ ール 模 型 設 置 後,埋. 戻 し前 の状 況.

(6) れず,一 見す ると周辺地盤の液状化 の影響 が時刻歴 に現れ てい ない よ うに見え る.し か し,特 に天 端の加速 度記録 (A1)に は,ス パイ ク状 の波形 が記録 され てい るこ とか ら,液状化地盤内 をマ ンホール が動 くことで液状化 した埋 戻 し土が体積膨脹 と収縮 を繰 り返 している(サ イク リック モ ビ リテ ィー)こ とがわかる. 次に過剰間隙水圧 につ いてみ る と,埋戻 し土内の水圧計 (図‑10(c):P1)の 記録か ら埋戻 し土が液状化 しているこ. 図‑9マ ンホール模型(内 部 に間隙 水圧計 と加速度計 を設. とがわか る.一方,マ ンホール底部の水圧(図‑10(d):P2) は,加 振前の初期有効上載圧の約3分の2程度の上昇 に留ま ってい る.こ のこ とよ り,浮 上が りに伴 いマ ンホール底部. 置). には負圧 が発 生 しているこ とが示唆 され る.図‑10(d)か ら. 3.2実. 読み取 るこ とので きる負圧発 生の継続 時間 は約10秒 間 で あ るが,こ の間継続 してマ ンホール直下に埋 戻 し土が回 り. 験 結果. 加 振 後 の マ ン ホー ル の 浮 上 の 様 子(図‑11)か. ら埋 戻 し. 込んでい るもの と思われ る.い ったん回 り込んだ土が液状. 沈 下 量,そ れ らの 和 で あ る鉛 直 変位 量,地 下 水位 深 さ,お. 化状態にあ るのか ど うかは不 明であるが,加振 終了後マ ン ホールが沈下 しない ことか ら,回 り込んだ土は非液状化状. よ び 実 験 中 に意 図 せ ず マ ン ホー ル 内 に浸 入 した 水 の 浸 水. 態にあ った もの と考え られ る.こ の こ とか ら,負圧 が回復. 深 を示 す.マ ンホ ール 内 へ の浸 水 は,水 圧 計 を取 付 けた 際 の防 水 不 良が 原 因 で あ る.ケ ー ス5と7以 外 で は,マ ンホ ー. で きる程度 にマ ンホール の上昇速 度が小 さけれ ば 回 り込. 土 の沈 下 を観 察 す る こ とが で き る.表‑3に. は,浮 上 量,. ル 内 に水 深 約0.5mの 浸 水 が あ っ た.た だ しケ ー ス1に つ い て は未 確 認 で あ る.表‑3よ. 中の浮上量で補 正 した有効 拘束 圧(約20秒 まで)と,加 振. り,浸 水 深 が 大 きい 場 合 には,. 浮 上 が り量 が や や 抑制 され る傾 向に あ る こ とが わ か る. 図‑10に. ケ ー ス5の 実 験 結果 を示 す.ま ず 加 速 度 に つ い. て 見 る と,原 地 盤表 面 に お け る振 幅(A4)が. 入 力 と比 較. して約2倍 増 幅 してい る こ とが わ か る.一 方,埋 面(A3)で. 戻 し土 表. は 液 状 化 に よ り約7秒 以 降 で 振 幅 が 減 衰 して い. る こ とが わ か る.一 方,マ ン ホー ル 天 端(A1)と. む土 が少 な くな るた め浮 上量は小 さくな る もの と推察 さ れ る.図‑10(d)に は,過 剰間隙水圧の時刻歴 と共 に,加 振 後の浮上量残留値 に よる有効拘束 圧(約20秒以降)を示す. これ に よる と約20秒 で過剰 間隙水圧 が加 振後 の有効 上載 圧 にほぼ等 しくなってい ることか ら,加振継続中ではあ る が,こ の時 屯で浮上が りが停止 した もの と思 われ る. 浮上量の残留値 に差異はある ものの,上 で述べた傾 向は, 7つの実験 ケー スすべ てにおいて共通 して見受 け られた.. 底 部(A2). の加 速 度振 幅 に 着 目す る と,7秒 以 降 も振 幅 の減 衰 は 見 ら. 図‑10実. 験 ケ ー ス5に お け る計 測 直. ―592―.

(7) の土質特 性や振動特 性だ けでな く,地 震 動の振幅,振 動継 続時間,振 動数特 性な どによ り大 き く変動 ずるもの と推察 され る.本 研究で提案 ずる簡 易法は,加 振継続時間が十分 に長 い場 合について,マ ンホール浮上時 の力 の釣 り合 い式 を解 いて得 られ るものであ り,急激 な浮上 が りによ り上向 きの慣 性力が働 き,勢 い よくマ ンホール が飛び 出す場台や, 浮 上後 の沈下につ いては考慮 していない.. 図‑11加. 振 後 のマ ン ホー ル(ケ ー ス5). 3.3推 定 式の 検 証 遠 心模 型 実 験 は6mが0.0の 場 合(ケ ー ス1)と033の. 場合. (ケー ス2か ら7)に つ い て 行 った.先 と同様,表‑1と 表 ‑2に 示 す パ ラメ ー タ を式(8)と 式(9)に代入 し,d/h=0.0と 033に 対 しプ ロ ッ トした 図 が 図‑12で. あ る.た だ し,地 下. 水 位 面 よ り上 方 につ い て は,マ ン ホー ル 側 面 と土 との 間 に 摩 擦 を考 慮 して い る.今 回 比 較 す るの は,浮 上 が り対 策 の な い場 合 な の で,過 剰 間 隙 水圧 比 は1.0と す る.同 図 よ り, 実 験 で得 られ た浮 上 量 と沈 下量 は,両 者 共 に提 案 法で 規 定 され る最 大 値 の範 囲 内 に収 ま っ て い る こ とが わか る.た だ し,こ こで は浮 上 を正 に,沈 下 を負 に とっ て い る. 図 示 す るに あ た りマ ン ホ ー ル に取 付 けた セ ン サ ー の 重 量 は 考慮 して い るが,マ ンホ ール 内 へ の 浸水 に よる重 量 増 加 は 考慮 して い ない.浸 水 の影 響 と して,05mの. 浸水 を. 図‑12実. 験結果 と提案法 によ り予測 され る最大浮上 が. り量 と最 大沈下量:浸 水 に よるマ ンホール 重量の増加 を考 慮 した場合を点線 で示す. 考 慮す れ ば,浮 上 量 の予 測 曲線 は,図‑12に 点線 で示 す も の とな る.こ れ に よ る と,浸 水 した 水 の影 響 に よ りマ ンホ ー ル 長 さに対 しわず か 約2%程 度 浮 上 量 が 小 さ くな る にす ぎな い こ とが わ か る.し た が っ て,実 験 にお い て 浮 上 量 が 小 さ くな った 原 因 は,マ ンホ ー ル内 へ の 浸 水 だ け で は説 明 す る こ とは で きな い.そ こで,図‑13に. 示 す よ うに,入 力. 加 速 度振 幅 最 大 値 と浮 上 量 の 関 係 に つ い て 見 る と,加 速 度 振 幅 の 範 囲 は 約1m/s2で あ るが,浮 上 量 には 約25倍 の 差 が 生 じて い る.用 い た実 験 装 置 の 制 約 に よ り入 力 振 幅 の 精 度 を上 げ る こ とは困 難 であ った が,こ の 点 につ い て は 今 後 検 討 を要 す る.一 方,埋 戻 し土 の沈 下 量 につ い て は,入 力加 速 度 振 幅の 影 響 は顕 著 に 見 られ な か っ た. 地 下 水 位 が 地 表面 に一 致 す るd/h=0.0の. ケー ス1に つ い. て は,提 案 式 に よる 予測範 囲 内 に は収 ま っ て は い る が,浮 上 量 が 予 測 直を大 幅 に下 回 って い る.こ れ は,実 験 ケ ー ス 1で は,地 下 水 面 が地 表 面 に一 致 して い るた め,埋 戻 し土. 図‑13入. 力加速 度振幅最 大値 と浮 上量. が非 排 水 条 件 に な って お らず,間 隙 水 圧 が 地 表 面 で 急 速 に 消 散 す る結 果,浮 上 が り量 が小 さ くな った も の と考 え られ. 4.ま とめ. る.そ こで,液 状 化 安 全 率 と してFL=1.3の 場 合 に予 測 され る 曲線 を図‑14に. 点 線 で 示 す と,d/h=0.0の. 場 合の 実 験 値. 付 近 を通 る 曲線 とな る。た だ し,こ こで のFLの 値 は 実 験 値 (d/h=0.0に お け る浮 上,沈. 下量)に 合 うも の と して 設 定. した が,例 え ば 過 剰 間 隙 水圧 の消 散 を狙 っ た対 策 工 な ど7) の よ うに,そ の 有 効 性 をFL値 あ るい は過 剰 間 隙 水圧 比 に換 算 で き る場 合 に は,本 手 法 を活 用 す る こ とが で き る. 地 震時 のマ ン ホー ル の 浮 上 が り量 は,原 地 盤 と埋 戻 し土. ―593―. マ ンホールの浮上 が り現象は,大 地 震後 に見 られ る被 害 として は比較的小規模 で あるが,地 震 直後 の復 旧活動,さ らには,そ の後 の市民生活 に与 える影響 は大 きい.近 年の 調査研究 によ り,その発生 メカニ ズムは解明 されつつ あ り, そ の主 な原因が埋戻 しに用いた砂質土の液 状化であ るこ とがわかって きた.本 研 究では,こ れ までに明 らかにな っ た浮上 が りの発生 メカニズムを基に,地 震 前の地盤高 さを.

(8) 参考文 献 1) Koseki, T.:. J.,Matsuo,. Uplift. of. Kushiro‑Oki. O., Ninomiya,. sewer. manhole. earthquake,. Japanese Geotechnical ‑121 , 1997. 2). 安 田 進, 坂 本 容, 1993年. Yoshida,. Sois. and. 1993. Foundations,. Society, Vol.37,. 宮 島 昌 克: 10.ラ. the. No.1,. pp.109. イ フ ラ イ ン の 被 害,. 釧 路 沖 地 震 ・能 登 半 島 沖 地 震 災 害 調 査 報 告 書,. pp.277‑315, 3). Y. and during. 安 田 進,. 1993. 規 矩 大 義: 下 水 道 施 設 の 被 害, 平 成16年. 県 中越 地 震 被 害 調 査 報 告 会. 新潟. 梗 概 集, pp.131‑135,. 2004.. 図‑14実. 験結果 と提案法 によ り予測 され る最 大浮上が. り量 と最大沈下量:液 状化安 全率(FL)を13と 曲線 を点線 で示す.. 4). した場合の. 池 本 良 子: 9.2下. 水 道 の 被 害 状 況, 2007年. 震 被 害 調 査 報 告 書, 5). 安 田 進: 5.1上. pp.244‑254,. 能 登 半 島地. 2007. 下 水 道 ・ガ ス 系 被 害. (その2),. 2007年. 新 潟 県 中 越 沖 地 震 災 害 調 査 報 告 会 資 料 集, pp.47‑57,. 基準に,マ ンホールの浮上体積 と埋戻 し土の沈下体積 とが. 2007.. 等体積 であ る とい う条件 下で力 のつ りあい式 を解 く事 に よ り,マンホール の最大浮上 量 と埋戻 し土の最大沈下量の. 6). 簡易推 定式 を導出 した.こ れ によ り,埋 戻 し土の単位 体積. 7). 重量,地 下水位,掘 削幅の影響等 を定量的に考察す ること ができ ることを示 した.ま た,埋 戻 し土の液状化安 全率 と 過 剰間隙水圧 比 との関係 を用い,液 状化 安全率に対す る最. 地 盤 工 学 会: 液 状 化 に よ る 地 中 埋 設 構 造 物 の 浮 上 り被 害 に 関 す る研 究 報 告 会 資 料,. p.115,. 小 西 康 彦, 飛 田 哲 男, 高 橋 和 雄,. 2003.. 竹 内 幹 雄: マ ン ホ ー ル. 浮 上 量 の 推 定 法 と 浮 上 抑 制 効 果 の 実 証, 月 刊 下 水 道, 投 稿 中, 2008. 8). Yasuda,S.. and. 大浮上量を推 定す ることがで きることを示 した.今 後,浮. and. 上が り対策 工の有効 性な どを検討 するに当た り,その有効. ealthquake,. 性 をFL値に換算で きる場合 には,本提案 手法 を活用す る こ とができ る. また,本 手法の適用性 を検証す るに 当た り,遠 心模 型実. Geotechnical. pipes. Kiku,H.:. during. Uplift of sewage. the. Sois. 2004. and. Sodety,. manholes. Niigataken‑Chuetsu. Foundations,. Vol.46,. Japanese. No.6,. pp.885‑894,. 2006. 9). Koseki,. J.,Matsuo,O.. 験 結果 との比較 を行 った.実 験 には20分の1の模型 を用 い 20gの 遠心場 で行 った.実 物 を模擬す るため,ま ず密詰 め. of underground. 砂質地 盤を作成 した あ と,マ ンホール の直径 の約2倍 の範. Foundatlons,. 囲を,ほ ぼマ ンホール長 に等 しい深 さまで掘削 し,底面 に 砕 石を敷 いた上 にマ ンホール模 型を設置 した.そ の後水 中. No.1,. surrounding. and. structures soil. Koga, caused. during. by. hquefaction. earthquake,. Japanese Geotechnical. pp.97‑108,. Y: Uplift behavior. Soils. Sodety,. of and. Vol.37,. 1997.. 10) 規 矩 大 義, 福 永 大 輔, 木 村 竜 大, 高 橋 充,. 松 本 昌 也: 液. 落 下法 に より,緩 い埋戻 し地盤 を作成 した.実 験 で得 られ た浮上量 と沈 下量はば らつ きはあるものの,すべ ての実験. 状 化 に 伴 うマ ン ホ ー ル 浮 上 が り メ カ ニ ズ ム に 関 す る 振. ケースで提案 手法 で得 られ る最大値以 内に収 まってい る ことが確認 され た.実験 結果 のば らつ きの原 因のひ とつ と. 2007.. して,浮 上量 と入力加 速度の関係が挙げ られ る.実 験 で入 力 した加 速度振 幅 の最大値 は約6か ら7m/s2の範囲 でば ら つ いているが,こ の値 と浮 上量 との間には正 の相 関が見受 け られ る.こ の ことは浮上量が入力加速 度振幅 の最大値 に 大き く依存す ることを示 している. 地震時 のマ ンホール の浮上 量は,原 地盤 と埋戻 し土の土 質特性や 振動 特 性だけでな く,地 震動の振幅,一 継続 時 間,振動 数特 性な どに よ り大 きく変動す るもの と推察 され る.本 研究で提案 す る手法 は,加 振 継続時間が十分長 い場 合について,マ ンホール浮上時の力の釣 り合 い式 を解 いて 得 られ るものであ り,急激な浮上 が りに よ り上向きの慣性 力が働 き,勢 いよ くマ ンホール が飛び出す場 合や,浮 上後 の沈下については考慮 していない.本 提案手法を実務 に適 用す るに 当た っては この よ うな限界 につい て認識 してお く必要があ る.. ―594―. 動 台 実 験, 第42回. 地 盤 工 学 研 究 発 表 会, pp.1887‑1888,. 11) 社 団 法 人 日本 下 水 道 協 会: 下 水 道 施 設 の 耐 震 対策 指 針 と解 説2006年. 版,. 12) 規 矩 大 義,福. p.286,. 2006.. 永 大 輔, 松 本 昌 也,. 高 橋 充: マ ン ホ ー ル の. 浮 上 が りメ カ ニ ズ ム を 考 慮 した簡 易 な対 策 方 法 に 関 す る模 型 振 動 実 験, 第42回 ‑1890 , 2007.. 地 盤 工 学 研 究 発 表 会, pp.1889. 13) 吉 田雅 穂, 塔 尾 勝, 宮 島 昌 克,. 北 浦 勝: 土 の う型 リサ イ. クル 材 料 を用 い た マ ン ホ ー ル の 液 状 化 時 浮 上 軽 減 策 に 関 す る 模 型 振 動 実 験, 第41回 1945‑1946,. 地 盤 工 学 研 究 発 表 会, pp.. 2006.. 14) 本 田 中, 中瀬仁,. 末 広 俊 夫,. 安 田 進: 地 中 埋 設 構 造 物 の. 浮 上 が り許 容 値 に 関 す る検 討, 第57回 術 講 演 会,. pp.1439‑1440,. 土木学会年次学. 2002.. (2008年4月14日. 受 付).

(9)

参照

関連したドキュメント

In this paper, the fundamental properties both on 14 landslide dams in the above Earthquake including 11 ones in the past earthquakes in Japan and 2 debris flows in the

耐震性が低い。今後予想される大地震における被害低減のためには、既存木造住宅の耐震

し,順に法肩(S3),法尻(S4)と小さくなった.一方,一次元圧密の沈下計算と比較して S2~S4

掘削地盤 の履歴 建設汚泥 の性状 掘削土の 性状 作泥材 掘削時の 混入物 処理後物 の安全確 認.. 全量 ㎥ 発生時期 1 箇所あたりの ㎥ 利用時期 利用量 工事前の土地利用:

掘削地盤 の履歴 建設汚泥 の性状 掘削土の 性状 作泥材 掘削時の 混入物 処理後物 の安全確 認.. 全量 ㎥ 発生時期 1 箇所あたりの ㎥ 利用時期 利用量 工事前の土地利用:

・生駒断層帯地震や南海トラフ巨大地震などの 大規模地震の発生が予想され、市民の安全に対 する意識が高まる中、阪神・淡路大震災や東日

ANALYSIS OF VERTICAL GROUND MOTIONS AND PHASE MOTIONS OF NEAR FAULT RECORDS IN JAPAN AND ITS APPLICATION TO SIMULATION OF VERTICAL GROUND MOTIONS Masaki NAKAMURA, Takanori

1.はじめに:本報告では、地盤振動の伝播経路対策法としての地中壁の利用に着目し、その中でも幾つかの現 1.はじめに: 地調査事例