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役員候補に選ばれたら

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Academic year: 2021

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京都市都市計画局

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はじめに

現在の京都市内の分譲マンションの数は管理組合数にして約1,400管理組合,戸数にして 約8万5千戸であり,この数字は約20万人が分譲マンションで生活している計算になります。 今や分譲マンションは京都市の主要な居住形態のひとつとしてしっかり定着しており,また地域 にとっても大きな存在となっています。 分譲マンションの管理は,そのマンションをお持ちの方,お住まいの方が皆さんで力を合わせ て行っていくものです。 しかし,分譲マンションは,ひとつの建物の中にあるいくつかの住戸をそれぞれ異なる人が所 有しており,考え方や暮らし方の異なる人同士の意見をまとめることの難しさ,権利関係の複雑 さ,建物構造上の技術的判断の難しさなど,建物を維持管理していくうえで,多くの課題を抱え ています。 このように,分譲マンションの管理は専門的な知識を必要とすることが多いため,お持ちの方, お住まいの方の力だけではなかなかうまくいかないこともあるでしょう。 京都市では,分譲マンションの管理組合の皆さんを対象に,こうした専門的な知識等について の情報提供や相談事業を行う「分譲マンション管理支援事業」を展開しております。そして,こ の事業の一環として,新任役員の方向けに分譲マンションの管理についてわかりやすく説明した 「マンション管理の手引」を作成致しました。 初めて役員になられた方にとっては,分譲マンションの管理運営とはどういったものか,また どのように進めていけばよいか,といったことについて,わからないことが多いと思います。 この手引きが,分譲マンションの管理運営をスムーズに行ううえでの一助となれば幸いです。 最後に,本書の作成に御尽力いただきました,京都マンション管理士会をはじめとする皆様に 対し,改めて心から御礼申し上げます。 平成21年3月 京都市都市計画局 * なお,この「マンション管理の手引」は,京都市が平成15年12月に作成したものを, 法令等の改正や,平成19年度に実施した実態調査の結果等を受けて,改訂したものです。

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役員候補に選ばれたら……… 1 第1章 基礎知識 マンション管理の基礎知識 1 区分所有は普通の所有とは違う ……… 2 区分所有法と規約 ……… 3 マンション管理の主体は管理組合 ……… 4 運営の基本は民主主義 ……… 5 管理組合の仕事とは ……… 6 専門家を活用する ……… 7 健全な会計を確保する ……… 8 長期修繕計画の作成 ……… 9 大規模修繕工事 ……… 2 2 3 4 4 7 11 12 13 第2章 重点解説 1 共用部分等 第1節 専有部分,共用部分その他の用語の解説 ……… 第2節 専有部分と共用部分の区分 ……… 第3節 共用部分の管理と変更 ……… 2 規約 第1節 規約の設定・変更 ……… 第2節 規約で定めることができる事項 ……… 第3節 規約という形式によらなければ定めることができない事項 … 第4節 細則 ……… 第5節 規約の効力 ……… 第6節 規約の保管と閲覧 ……… 第7節 標準管理規約等 ……… 3 集会(総会) 第1節 集会運営の流れ ……… 第2節 集会開催の手続き ……… 第3節 集会の成立要件と資格審査 ……… 第4節 議長 ……… 第5節 議事録 ……… 第6節 普通決議事項と特別決議事項 ……… 第7節 集会の決議の効力 ……… 第8節 採決時の区分所有者数及び議決権数の数え方 ……… 第3章 資料等 1 法令等 ……… ・ 建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)……… ・ マンション標準管理規約(単棟型)……… ・ マンション標準管理規約(単棟型)コメント ……… 2 公的なマンション管理支援制度 ……… 3 マンション管理に関する関係機関の問合せ先 ……… コラム ・ コミュニティの形成の観点から見たマンションの住まい方 … ・ マンション管理士とは ……… ・ 管理会社は何をしてくれるの? ……… ・ 鉄筋コンクリート構造の特性 ……… ・ 居住者の高齢化と建物・設備の老朽化(ふたつの老い) …… ・ 不動産仲介業者から見た“よいマンション”とは ……… ・ 法人の管理組合にも標準管理規約があるの? ……… ・ 区分所有者数の数え方 ……… ・ ロバーツ・ルール ……… 16 19 20 23 26 27 29 30 31 33 35 35 38 39 40 41 43 43 47 47 72 90 104 108 7 9 10 12 14 22 34 44 46

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「順番で役員候補に当たってしまったが,仕事が忙しく役員になりたくない。役員になっ ても余り活動(仕事)はしたくない。」マンションの役員改選期には,このような考えをもっ た人たちがあちこちで見受けられます。 役員になると,自ずとマンション居住のルールやマナーを再認識し,毎月支払っている管 理費等がどの様に使われているのか,管理会社には何を委託しているのか,更にマンション 全体の建物や設備等が自分達のものと思えるようになり,マンションの日常の維持管理等へ の興味や住まいへの愛着が沸いてきます。 マンションは,共同で所有し,共同で居住しています。また,考え方や価値観やライフス タイル等の違う多数の所有者が協力しあって共同で管理をしています。役員候補に選ばれた ら,ともかく役員になってみることです。 それでは,役員になったら最初に何をすればよいのでしょう。次のことからはじめると役 員の活動が楽しくなるとともにその責任も果たせ,任期も無事に終えられることでしょう。 ① 管理規約や使用細則を読みましょう。 マンションの決まり事を知りましょう。また,種々の生活上のルールがあること を知りましょう。 ② マンションの建物・設備を見て歩きましょう。 マンションを隅々まで見て歩き,マンションの建物・設備の現状を知りましょう。 ③ 管理委託契約書を読みましょう。 マンションの維持管理業務と管理会社に委託している内容を知りましょう。 役員の仕事は,いろいろありますが,役員同士でお互いに助け合えば,別に心配すること はありません。役員になると今までは顔や名前を知らなかった人とも知り合いになれ,また, 地域との関わりも新たに増え,これまでと違った世界が広がります。 役員になって,今までより更に安全・安心で住みよい,住みやすい「マンションづくり」 にちょっと頑張ってみてはいかがでしょう。

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※ 凡例:文書内での条文略称について,区分所有法は「同法」,標準管理規約は「同規」と表現されています。

1 区分所有は普通の所有とは違う

法律には「1つの物には1つの所有権しかない」という基本原則があり,1つ の建物には1つの所有権しか成立しません。ところが,分譲マンションには,1 つの建物の部分であるそれぞれの住戸に所有権が成立することが認められていま す。このような所有権を「区分所有権」といい,区分所有権を持っている人を「区 分所有者」といいます。 分譲マンションを購入すると,住戸部分(専有部分)を目的とする所有権であ る「区分所有権」と,その敷地に関する「敷地利用権」を取得することになりま す。一方,廊下,エレベーターや柱,梁,基礎,壁など((※)共用部分)は区 分所有者全員の共有となります。 自分が所有し,自由にできる部分は専有部分だけですが,専有部分と共用部分 の区分はなかなか難しいものです。 例えば,現在主流となっている解釈によると, 壁は一般的にクロスなどの仕上げ部分だけが専有部分であり,鉄筋コンクリート の躯体部分は共用部分です。エアコンの設置のために外壁に穴を開けるというこ とは,みんなの共有物に勝手に穴を開けることになり,禁止されています。 また,専有部分だからといって,なんでも自由にできるわけではありません。 例えば住戸専用のマンションをカラオケスナックに改造し,騒音を出すことは通 常認められませんし,ペットの飼育が規約で制限されることもあります。 マンションで住民間の対立が生ずる根本には,「区分所有」という実態と,住民 の意識のずれがあります。区分所有を理解することが,マンション管理の第1歩 です。

2 区分所有法と規約

区分所有の仕組みは,マンションの憲法といわれる「(※)建物の区分所有等に 関する法律(区分所有法)」に定められています。 一方で,様々なマンションのルールを一律に定めることは困難ですので,区分 所有法では,マンションが個別に独自のルールを「(※)規約」に定めることが できるとしています。 「規約」には,マンションの自治規範としての最高の絶対的な地位が与えられ ています。規約は,マンションを所有し,そこで生活するすべての人が守らなく

第1章 基礎知識 第一章 基礎知 識 2 ※第3 章参照 (P47) ※第2 章にて 重点解説 (P16) ※第2 章にて 重点解説 (P23 )

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てはなりません。所有者の家族や,部屋を借りて使用している人も,生活マナー や共用部分の利用方法などについて所有者と同一の義務を負います。 ほとんどのマンションでは,「管理規約」が定められています。自分のマンシ ョンの管理規約を読んだことがないという人は意外と多いようですが,共同生活 を行ううえで,必ず読んでおく必要のあるものです。 また,国土交通省が規約の標準モデルとして作成した「(※)マンション標準 管理規約」(平成16年1月発表)と自分のマンションの「管理規約」を読み比 べてみると,新たな発見があるかもしれません。

3 マンション管理の主体は管理組合

マンションを区分所有すると,自動的に管理組合の一員になります。いわゆる 自治会とは異なり,任意に入退会することはできません。 マンションは購入したが管理組合には入りたくないとか,マンションの所有は 続けるが管理組合は辞めたい,というわけにはいきません。また,そのマンショ ンに住んでいるか否かは関係ありませんので,他人に貸して別の場所で暮らして いる区分所有者も,そのマンションの管理組合の一員です。途中から売買,相続 などにより所有者となった人も当然, その時点で管理組合のメンバーとなります。 管理組合は,全員でマンションの管理を行うための団体であり,マンション管 理の主体です。 実際は,ほとんどの区分所有者は, 自分達がマンション管理の主体である ということを認識していません。役員 の最重要任務の一つは,区分所有者の 自覚を促すことです。そのために広報 活動に力を入れましょう。理事会の活 動内容やマンションの行事の案内など, 管理に関する情報を積極的に広報し, 管理組合の運営への理解,関心,信頼, 参画を促すことが肝要です。 第一章 基礎知 識 3 ※第3 章参照 (P72) マンシ ョン に 住んで いない所有者も,管理 組合の一員です。

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4 運営の基本は民主主義

管理組合では,管理に関する重要な事項は,集会(一般的には「総会」という 名称が多く使われます。)の決議によって定めることになります。 「(※)集会」は,区分所有者全員が議決権を持ち,多数決で管理組合の意思 決定をする合議制の機関です。区分所有法は,集会を,管理組合の中心的,かつ, 最高の意思決定機関として位置付けています。例えるなら,集会は,国会や地方 自治体の議会に相当します。 区分所有法は,原則として,区分所有者全員が議決権を持つ直接民主制を採用 していますが, 区分所有法に違反しない限りにおいて,間接民主制も許容します。 例えば, 区分所有者により選挙された役員(理事・監事)で組織する「理事会」 において意思決定し,又は委員会,評議会その他機関を設けることとし,その決 定に委ねることもできるのです。ただし,理事会や委員会等は,規約に定められ た範囲で意思決定ができることに注意しましょう。あくまでも,直接民主主義が 原則であることを忘れてはいけません。 管理組合の自立的な運営は,区分所有者 の全員が参加し,その意見を反映すること により成り立つものです。そのため,議題 に関心を持てるように事前に必要な資料を 配布するなどして,集会の出席率を高める 工夫をし,区分所有者の真の意向を引き出 すことが重要です。 ところで,民主主義は実に効率の悪い制 度です。合意に達するまでには時間がかか ります。多様な意見をぶつけあって合意に達しようというのですから,それは致 し方のないことです。粘り強く合意形成のための努力をしましょう。

5 管理組合の仕事とは

管理組合の仕事は,区分所有者の共同の利益を増進し,マンションの良好な住 環境を確保するために,建物等の維持管理を行うことであり,区分所有者間の利 害を調整し,団体としての意思を決定し,決定事項を執行していくために必要な 事務を処理することです。 なお,よほど規模の小さいマンション以外では,区分所有者全員によって管理 業務を実行することは実際には困難ですので,規約で理事会等を定め,業務の執 行機関としている場合が一般的です。 4 ※第2 章にて 重点解説 (P35 ) 行こ うか な ?

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管理組合の仕事は,大きく分けて4つあります。3つの基本的業務と1つの付 加的業務です。 (1)基本的業務 基本的な業務の第一は,建物等の維持管理です。 マンションの建物や附属施設は長期にわたり計画的に修繕をする必要がありま す。そのためには,日常的な清掃,点検,補修のみならず,長期的な見通しを持 って,修繕計画を立て,計画に基づいて修繕積立金を集めて,外壁や屋上防水, 設備の取替え工事などの大規模な修繕をすることが必要です。 第二は,建物等の使用に関することです。 マンションにおける生活,マンションの共用部分等の共同利用にかかわること です。ペットの飼育の問題,ピアノ等の騒音の問題,駐車場不足による路上駐車 の問題など,人々が1つの建物に集まって住み,共同で様々な施設,設備を使う ことから起こる生活面の問題がたくさんあります。こうした問題が発生しないよ うにルールを設定し,守ってもらえるように積極的に広報活動・啓蒙活動を行い ます。こうした生活管理も管理組合の仕事です。 第三は,組織運営やマネジメントに関することです。 管理組合は,多数決ルールにより団体としての意思を決定し,全員がその結論 に従います。従わない者があるときは,その是正のため,必要な勧告,指示等を 行うとともに,法令等に則り,その是正又は排除を求める措置をとる必要があり ます。 管理組合の業務には,こうした意思決定や統治行為の側面があるとともに, 管理費等必要なお金を集め,諸経費等を支払い,会計を処理し,お金を安全確実 に運用するという経営的側面もあります。 (2)付加的業務 付加的な業務の代表例として,自治会活動や親睦会などコミュニティの形成を 促進する業務があります。親睦を目的とする団体と管理組合とは一線を画す必要 がありますが,良好な居住環境の形成の一翼を担うことから,管理組合と自治会 との相互連絡,調整,協働が不可欠です。 その他にも,例えば,数のメリットを生かした生活用品等の共同購入に管理組 合が取り組むことなど,居住者や区分所有者が共同して行動することで大きな成 果が期待できることがあります。 こうした付加的な業務については,管理組合で取り組むことの必要性,妥当性 に応じてそれぞれマンションで話し合い,社会通念に従って判断し,創意工夫し てチャレンジしてみましょう。 このように,管理組合の業務は非常に多岐にわたりますが,それぞれのマンシ ョンの組織形態や,管理会社等の専門業者にどの程度委託しているかによって, 役員の業務内容は大きく異なります。 5

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例えば,管理会社に総合的に委託している場合は,報告を受けて検討・承認す るといった程度に止まるようです。しかしながら,専門業者に委託した業務につ いても,基本的には理事会の管理監督義務がありますので,「うちのマンションは 管理会社に全面的に管理を任せているので,役員のすることはない。」ということ にはなりません。 管理組合が主体的に管理業務を行っていくためには,管理会社に総合的に委託 している場合でも,理事会の議題の設定や議事録の作成などは役員が責任をもっ て行うなど,できるだけ理事会運営を自分達の力で行うことが望まれます。特に, 総会の議案書は管理組合活動の根幹となるものですので,管理会社にすべてお任 せするのではなく,できるだけ役員が作成するようにし,管理会社が素案を作成 する場合でも理事会で内容を検討するべきです。また,月次報告によって金銭の 出し入れをきちんとチェックすることも大切です。 どのような管理形態であれ,役員の業務の基本となるのはマンションの区分所 有者の代表として,今現在,建物や敷地,設備の状態がどうなっているのか,問 題は起こっていないかを把握し,問題・課題がある場合は他の役員と協力して解 決策を検討し,対策を講じることです。また,問題によっては居住者からの意見 を聴取する機会を設けるなど,マンション全体の居住者の意見を調整するべきで しょう。 なお,役員に課せられた責任はけっして軽いものではありません。区分所有者 の信任を受けて選ばれた以上,誠実に職務を遂行するべきと考えてください。特 に,理事長は,区分所有法上「管理者」となる場合が多く,法で権限と義務が定 められており,罰則規定もあります。管理者は,管理組合の利益を守るために, だれでも有する程度のものではなく,ある程度高度な知識と能力とを駆使して事 務を行うことが要求されます。 分からないことや過度の負担になることは適宜役員経験者や専門家等の助けを 得ながら,組合員の理解と協力を得つつ,役員同士助け合ってマンション管理を 行いましょう。 6

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6 専門家を活用する

多くのマンションでは,管理会社と管理委託契約を結び管理業務を委託してい ます。管理会社はこの「委託契約書」の内容にもとづいて管理の仕事をします。 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法-平 成12年12月制定)」では,管理会社がマンション管理組合と契約を締結する前 に,管理に関する重要な事項等を記載した書面を交付の上,説明しなければなら ないことを義務付けており,この書面を「重要事項説明書」と言います。なお, 国土交通省は,管理委託契約書のモデルとして「標準管理委託契約書」を公表して いますので,参考にされるとよいでしよう。 7

コミュニティ形成の観点から見たマンションの住まい方

マンションには,集合住宅に家族構成の異なる人,年齢層の異なる人,価値観や考え 方の異なる人,生活スタイルの異なる人たちが共同で生活しています。このような社会 でのコミュニティ形成は,日常的な生活マナーに関するトラブルの未然防止や防災・防 犯活動,夏祭りその他のイベントを通じた居住者間の交流促進,子供会や老人会活動を 通じた世代ごとの交流など,住んで楽しい住環境を造り上げるのに効果のあるものであ り,管理組合にとって不可欠な活動です。平成16年1月に改正された標準管理規約第 32条第15号にも「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」を うたっており,コミュニティ形成のために実施するイベントの開催費用や地域の町内会 に出席する際に支出する費用等を管理費から支出することも認められました。 マンションのコミュニティは日常の挨拶から始まり,顔見知りになった人と会話を交 わし,いろいろな会合に出席することによって、交流の輪が広がって行きます。管理組 合の役員を経験することは,手っ取り早く多くの人と知り合うきっかけになると共に, マンション内で行われている各種寄り集まりに積極的に顔を出すことになり,日常生活 を豊かにし,災害時や家族に急病人が出たときなどにも助け合える関係を築く事が出来 るのです。 本市が実施した「平成19年度分譲マンション実態調査」によれば,マンション内で 何らかの行事が行われている割合は53.4%で,中でも夏祭り・地蔵盆が37.9%, 災害に備えた訓練が28.0%,懇談会等の宴会12.5%,敬老会10.1%等が盛 んに行われています。そしてマンション居住者間の近所つきあいは75.4%があると 答えています。 財団法人京都市景観・まちづくりセンターでは,地域社会でのマンションとの良好な コミュニティづくりの事例集として「おつきあいのコトハジメ」を作成しています。 ホームページや広報誌などによって地域の取組や魅力を紹介したり,管理組合と自治会 の一本化を図って理事会兼自治会を合同で開催して地域コミュニティ活動を活性化する などの事例を掲載しておりますので参照されるとよいでしょう。

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しかし,管理の主体はあくまで管理組合です。管理会社にどのように管理の仕 事をやってもらうのか,管理組合が方針を決めます。各管理組合は個々のマンシ ョンの状況や必要性に応じて追加,修正を行い,内容を十分に検討して契約する ことが必要です。新しく役員に就任されたこの機会に,自分のマンションの管理 組合が管理会社と締結している「管理委託契約書」の抜粋である「重要事項説明 書」をお読みになることをお勧めいたします。 また,管理会社に契約以外のことを求めるのは無理があります。近年,マンシ ョンの管理は,専門的な知識を必要とすることが多く,複雑化しています。管理 会社では対応できない問題も多くでてきています。そういったときには,管理組 合は「(※)マンション管理士」等の専門的知識を有する方々をうまく使いなが ら,主体性をもって適切に対処すれば解決の道も開けてゆきます。 マンション管理士は,理事会や総会に出席 し,管理に不慣れな管理組合がよりよい管理 体制をとれるように手助けをしてくれます。 また,マンションが抱えている「生活音やペ ット飼育等の居住者間のマナーをめぐる問 題」,「水漏れや雨漏り等の建物の不具合」,「管 理費等の滞納といった費用負担に関するも の」などと言った管理組合の運営に関する不 満や,築年数が古くなればなるほど増え,ま た,高齢化率が高くなるほど多くなるクレー ム等々のトラブルに対しても,マンション管 理士を活用することができます。 マンション管理の現場では,マンション管 理士のほか,弁護士,税理士,建築士などの 様々な専門家が必要とされることがあります。規約や経費の見直しを必要とする 管理組合では,マンション管理士,弁護士,税理士等と顧問契約を結ぶ場合もあ ります。建物に不具合がある管理組合では,マンション管理士,一級建築士と顧 問契約を結ぶ場合もあります。しかし,主体はあくまで管理組合であることを忘 れないで下さい。管理組合の役員になったら,管理の重要なポイントはしっかり 押さえましよう。 近年はマンション管理に関する注目も高まり,京都市等の行政や,マンション 管理士の団体やNPOなどによるマンション管理に関する講演やセミナー,相談 会が行われていますので,参加されるのもよいでしよう。 なお,第3章ではマンション管理に関する関係機関の問合せ先等を掲載してい ます。これら公的な専門機関等の支援制度も積極的に活用しましょう。 8 マンション管 理士がいいで すね この問題は、専門家に お願い した ら いかが ですか ※第2 章にて 重点解説 (P9 )

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マンション管理士とは

国土交通大臣の登録を受け,マンション管理士の名称を用いて,専門的知識をもって, 管理組合の運営その他マンションの管理に関し,管理組合の管理者等又はマンションの 区分所有者等の相談に応じ,助言,指導その他の援助を行うことを業務とする者をいう。 (マンション管理適正化法第2条) マンション管理士は,管理組合の管理者(理事長)等またはマンション区分所有者等 からの相談に応じて,規約,使用細則,長期修繕計画等の素案の作成や,区分所有者か らのクレームの解決に向けての対策や助言等,管理組合の運営を様々な形で支援します。 例えば,管理費をもう少し値下げできないか検討することとなったとします。 まずは現在の管理費の使い方をチェックし,無駄な支出がないかを調べることになり ます。管理会社への業務委託費は妥当か,共用部分に掛けられている損害保険料は自分 のマンションにあったものになっているか,などについて調べてみる必要が出てきます。 しかし,こうした管理費の使い方のチェックを行うことはそう簡単ではありません。 特に委託費については,例えば「植栽の剪定を年5回実施している」とか,「管理人を住 み込み方式にしている」など,個々の項目について,専門家の力を借りながら判断して いく方がよいでしょう。こうした判断は,委託先である管理会社よりも,第三者である マンション管理士の方がより適切なアドバイスができるのではないでしょうか。 マンション管理士は,これまでの経験や他の委託の事例を参考に,委託業務の範囲か ら見た適切な委託費や損害保険の上手な掛け方など,経費全般についてアドバイスを行 います。 このように,マンション管理士という第三者の専門家をうまく活用することで,より よいマンション管理を実現することができるのではないでしょうか。

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管理会社は何をしてくれるの?

管理会社は管理委託契約書にもとづいて仕事をします。標準管理委託契約書による委託 業務には次のようなものがあります。 ①事務管理業務 1 基幹事務 (1) 管理組合の会計の収入及び支出の調定 (収支予算案,決算案の素案の作成等) (2) 出納 (管理費等の収納,組合の経費の支払い,通帳・帳簿等の管理) (3) マンション(専有部分を除く)の維持または修繕に関する企画又は 実施の調整(長期修繕計画の作成及び見直しを含む) 2 基幹事務以外の事務管理業務 (1) 理事会支援業務 (組合員名簿の整備,理事会の開催・運営支援,組合契約事務処理) (2) 総会支援業務 (総会の開催日程・会場等の調整,事業報告及び決算案の作成, 招集通知及び議案書の配布,総会議事録案の作成等) (3) その他 (各種点検・検査等の報告・届出,図書等の保管等) ②管理員業務 1.受付等の業務 2.点検業務 3.立会業務 4.報告連絡業務 ③清掃業務 1.日常清掃(原則毎日行う掃き掃除,拭き掃除) 2.特別清掃(数ヶ月毎に行う床面機械洗浄,ワックス掛け,カーペット洗浄,共用部 灯具・窓ガラス清掃等) ④建物・設備管理業務 1.建物点検,検査 2.エレベーター設備 3.給水設備 4.浄化槽,排水設備 5.消防用設備等 6.機械式駐車場設備 などがあります。多くの管理組合は①,②,③,④を契約とする全部委託(一括委託)の方 法をとっていますが,①だけの契約や①と②を契約する一部委託する管理組合,あるいは 全ての業務を管理組合自らが行う自主(自力)管理など,管理業務の方式はいろいろです。

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7 健全な会計を確保する

管理組合会計は,収入支出ともに目的別に区分して会計処理する必要がありま す。 一般的なマンションでは,日常的な建物の維持管理に要する費用とそのための 収入の会計を処理する管理費会計(一般会計)と,長期的な視野に立って計画的 に行う修繕や突発の災害等に対する補修のための会計としての修繕積立金会計 (特別会計)の2種類があります。 区分経理に関しては,標準管理規約でも「修繕積立金については,管理費とは 区分して経理しなければならない」と規定しています。 使途目的の違う,修繕積立金と管理費とを混同させないためにも区分して経理 することが重要です。 なお,管理組合会計については,区分所有法はもとより,標準管理規約にも具 体的な運用ルールが記載されていません。そのため,標準的な会計システムがな く,マンションごとに異なっているのが現状です。 どのような方法を採るにせよ,経理の透明性を確保し,健全な会計業務を行う ことが大切です。 また,不正な行為ではないのですが,帳簿の記載が不備であったり,領収書等 の整理や整頓が不行き届きであったり,報告・承認等を怠ったために,理事長の 解任騒ぎに至るということもあります。 次に,管理費等の滞納については, 毎月未収納者一覧表を作成し,督促状 況,回収状況を把握しておく必要があ ります。放置すれば管理組合の財政へ の悪影響に留まらない大きな問題にな ります。理事会は,滞納問題を先送り せず,法的措置を含め迅速に対応する ことが重要です。 さらに,修繕積立金の保管や運用も 管理組合にとって重要なテーマです。修繕積立金の保管や運用は総会の決議事項 に明記されていないケースもあり,総会決議を経ず理事会決議で資金の運用をし た結果トラブルとなる場合がありました。これまでも,原則総会の決議が必要だ と考えられていましたが,より明確にするため,標準管理規約改正に伴い,総会 決議事項に明記されました。 なお,管理組合が「管理組合法人」となることによって,法律上の主体性が明 確になるため,管理組合法人の名において契約を締結し,権利を取得し,義務を 履行することができます。例えば不動産の取得や登記などを管理組合法人名義で 行えます。したがって,管理組合法人と個人の財産の区別が明確になります。管 11 ゲッ,修繕積立金の 残高が1億円もあ る・・・

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理組合の法人化はそれほど難しいことではありませんので,一度検討されるのも よいでしょう。

8 長期修繕計画の作成

長期修繕計画とは 分譲マンションには,専有部分と共用部分があります。このうち共用部分につ いては,管理組合でその維持管理をしていくことになります。建物は,経年と共 に劣化していきます。長期修繕計画は,多額の費用を要する外壁補修,屋上防水, 給排水管取り替え等を適時適切に,修繕していくための費用を算出し,月々の修 繕積立金を算出するために作成します。 計画修繕工事の実施時において,修繕積立金が不足することがないように多額 の費用が必要となる修繕年度を含むように計画する必要があります。新築時は, 経年が30年程度での実施が見込まれる昇降機設備や給排水設備の更新を含めた 期間30年以上とします。また,多額の費用を要する外壁の修繕や屋上防水等を 行う大規模修繕工事はおおよそ10~15年ごとに計画されますので,見直し時 はこの大規模修繕工事が2回含まれる期間25年以上とします。 ビジョンを持った長期修繕計画の作成 長期修繕計画は,マンションの現状の性能・機能,調査・診断の結果をふまえ て,マンションの将来を見据えた検討を行い,作成する必要もあります。特に高 経年マンション(一般的に築30年以上)においては,建物,設備等多角的に検 討する必要があります。 長期修繕計画を作成し,または見直 しを行ったときは,総会等において区 分所有者間で合意しておく必要があり ます。 また,建物・設備の劣化状況や,工 法の変化,技術の向上,経済的な変動 などを考慮して,概ね5年ごとに見直 す必要があります。その策定および見 直しに当たっては,必要に応じて専門 家の意見を求め,あらかじめ建物診断等を行って,その計画を適切なものとする よう配慮する必要があります。適切な長期修繕計画がないと将来にわたった適切 な管理はできません。 長期修繕計画の作成又は見直し及び修繕積立金の額の設定に関しては,国土交 通省監修の「長期修繕計画標準様式,長期修繕計画作成ガイドライン・同コメン ト(平成20年7月発行)」を参考にされるとよいでしょう。 「マンション管理について」国土交通省ホームページアドレス http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/manseikanri.htm 12 このままでは,大 規 模 修 繕 の お 金 が 足 り な い な あ・・・

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なお,管理費と区分して経理処理されるマンション修繕積立金は,一般的に, 非常に多額になります。計画的な積立てと,積立金の安全な管理・運用のために は,独立行政法人住宅金融支援機構の「(※)マンションすまい・る債」の活用を 検討されるのもよいでしょう。 (P107) ※第3章参照

鉄筋コンクリート構造の特性

「塗装のやり直しは,色あせを直すためだけではないのです。

マンションには,気密性,遮音性がよいこ とから,鉄筋コンクリート造のものが多くみ られます。この鉄筋コンクリートは,鉄筋の 引っ張り強度とコンクリートの圧縮強度をう まく組み合わせた建築材料です。新しいコン クリートはアルカリ性で,中の鉄筋の酸化を 抑えますが,空気中の炭酸ガスに触れること で徐々に中性化して行きます。コンクリート が中性化した状態で空気や水に触れると,内 側の鉄筋はさび始めます。錆びた鉄筋は体積が膨張し,内部からコンクリートを破壊します。 中性化が進行する速度は,コンクリートの品質や,塗装やタイルなどによる表面保護状態 等に左右されます。躯体を長持ちさせるためには,ひび割れの補修や,定期的な塗装のや り直しが必要となるのです。 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト の 躯 体 に 水 が 入 ら な い よ う に す る の が ポ イ ン トです。

9 大規模修繕工事

大規模修繕工事とは 計画的に行う修繕工事のうち,外壁塗装や防水工事などを含む,おおよそ10 ~15年周期で実施する工事を一般的に大規模修繕工事といいます。大規模修繕 工事がきちんと行えるかどうかは,マンション維持管理の重要なポイントとなり ます。 大規模修繕工事は,準備段階から完了までに,おおよそ2年から5年程度かか ります。その間も理事会は日常の管理業務を行う必要があり,建築に関する専門 的知識も少なからず必要となります。 理事会を補佐す るプロジェクト チームです。 そのため,理事会とは別に大規模修 繕工事のための専門委員会等を設け, 京都市のアドバイザー派遣制度の利用, 外部コンサルタントの活用を考えるな どの方法によって,管理組合の専門性 と継続性を担保することが必要になり ます。 13

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また,大規模修繕工事は,多額の費用を伴う,区分所有者全員に関わる工事と なります。議案を総会で可決し,スムーズに工事を進めるためには,区分所有者 全員が,管理組合広報等を通じて,その意義と内容を理解する必要があります。 様々な課題を整理し,大規模修繕工事をきちんと実施するためには次のような 条件が必要になるでしょう。 ① 管理組合規約が整備されていること ・修繕積立金と管理費が区分経理されていること ・共用部分と専有部分の区分が規約で明確になっていること 等 ② 修繕履歴等日常的な管理が出来ていること ③ 長期修繕計画があること ④ 管理組合の専門性と継続性を担保するための体制が整っていること ⑤ 管理組合の広報体制があること また,次のようなことにも配慮する必要があります。 ① 特定の人にとって不利益になる場合には承諾が必要となること ② 実際の工事時の周辺地域に対しては,時間帯や車両の出入り等に配慮をす ること 長期修繕計画どおりに積立額が確保されていても,工事費の高騰等思いがけな い費用を必要とし,一時金の徴収や借入れが必要となる様な場合もあります。(こ のような場合の公的な融資としては,(※)独立行政法人住宅金融支援機構のマン ション共用部分リフォーム融資があります。) 工事が始まってからは,工事監理(品質の管理)と施工管理(工事の安全性の 管理等)等があります。マンションの修繕工事は,住み続けながらの工事となる ので,入居者との調整も重要となります。 大規模修繕工事に伴うレベルアップ工事 大規模修繕工事時に,単に修繕だけにとどまらず,改良工事(レベルアップ工 事)を含んで検討を行うこともあります。このような場合は,大規模改修工事と いうような言い方をする場合もあります。 レベルアップ工事には,バリアフリー工事,耐震性能アップ,エントランスの 段差解消,オートロック機能の設置,防犯カメラの設置,扉・窓の断熱性能アッ プ,結露対策等があり,それぞれのマンションで重視すべき点が異なると考えら れます。 大規模修繕工事は管理組合にとって大きな事業ですが,これを乗り越えること で,管理組合には実力と自信と連帯感が身に付きます。そして,そのことが今後 のマンション管理のレベルアップにつながります。また,これまで管理に無関心 だった区分所有者の意識を目覚めさせ,マンション全体がまとまる絶好の機会と 14 ※第3章参照 (P107)

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して捉え,積極的に取り組んでください。 なお,大規模修繕工事に取り組もうとしている管理組合の方々を対象に,住宅 金融支援機構が「大規模修繕マニュアルPLUS」を作成していますので,参考 にされるとよいでしょう。

0月

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居住者の高齢化と建物・設備の老朽化(ふたつの老い)

本市が実施した「平成19年度分譲マンション実態調査」によると,マンションに居住 している家計を主に支えている高齢者(65歳以上)の割合は,築30年以上では43. 5%(全体では28.6%)で,築年数と高齢化には密接な関連があります。 居住者が高齢化するということは,どのような状況のことでしょうか。 子供達は親元を離れて生活するようになり,高齢者夫婦二人の世帯が増加し,また,独り 暮らしの高齢者世帯も増加することが想定されます。 このような高経年マンションでは,役員のなり手不足に悩んでいたり,管理を委託して いないなど,また,修繕積立金が不足がちといった状況が生じ,維持管理が滞る傾向にあ ります。 一方,建物・設備についても老朽化というだけでなく,今の居住者の生活に対応できて いない部分が目立つようになります。これに対しては,通常の大規模修繕工事の実施に加 えて,マンション内の共用廊下や屋外の段差の解消,手すりやスロープの整備,給・排水 管の交換,IHクッキングヒーターによる電気容量のアップ等の適正な改修を施すことで 居住性能を高めることが可能になります。 また,こうした建物の改修等施設面での対応に加え,マンションのより良いコミュニテ ィとこれを維持・承継するための仕組みづくりを整えることで,魅力あるマンションとし て長く住み続けていくことができるのではないでしょうか。 このように居住者の高齢化と建物の老朽化により,ますますマンション管理が複雑・専 門化して行く傾向にあります。こうした状況に対応するためには,マンション管理士等の 第三者の協力を得て,新しい情報を入手したり,自ら勉強する姿勢が求められます。 なお,マンション管理士等の第三者を活用するにあたっては,管理組合の将来に対する 姿勢や理念をある程度確立させ,採用にあたり十分な配慮が求められます。

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第 2 章 重点解説 ※ 凡例:文書内での条文略称について,区分所有法は「同法」,標準管理規約は「同規」と表現されています。

第1節 専有部分,共用部分その他の用語の解説

1 管理組合の管理の対象となる物件

第二 章 重点解 説 管理組合の中心的な仕事は,管理対象物件の維持管理です。管理対象物件をまとめると, 次の表のとおりです。規約に定めれば,専有部分に属する設備配管等も管理組合の管理 の対象とすることができます。(区分所有法第2条第4項,同法第30条第1項,標準管 理規約第21条第2項) 管理対象 物件 建物 専有部分 共用部分 法定共用部分 専有部分以外の建物の部分 共用 部 分 等 専用 使用部 分 ( 専用 使 用権の 対象とな った 場合のみ) 専有部分に属しない建物の附属物 規約共用部分 規約により共用部分とされた附属の建物 規約により共用部分とされた建物の部分 附属施設※ 建物の敷地 法定敷地 建物が所在する土地 規約敷地 規約により建物の敷地と定められた土地 ※ 附属施設については,共用部分である附属施設もあれば,専有部分に属する建物の附属物たる附属施 設もありますので注意してください。

2 専有部分

マンションでは,1つ1つの住戸がそれぞれの所有者(区分所有者)により所有されま すが,住戸番号を付した各住戸の部分が「専有部分」です。専有部分は,基本的にはその 住戸の区分所有者の負担と責任で管理します。しかし,区分所有法は,規約で定めること により,相当な範囲内で,専有部分を管理組合が管理することも認めています。 区分所有法第2条では,「区分所有権の目的である建物の部分」を「専有部分」と定義し, 一棟の建物の部分で独立性を有するものは,区分所有権の目的(専有部分)とすることが できるとともに,区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は,区 分所有権の目的(専有部分)とはならないと定めています。正確にいうと,構造上及び利 用上の独立性を備えている建物の部分が現に区分所有権の目的となっている場合に,その 建物の部分を「専有部分」といいます。

3 共用部分

区分所有法第2条第4項では,専有部分と共用部分とを明確に区分し,「専有部分以外の 建物の部分」を「共用部分」と定めていますから,区分所有建物の各部分は,必ず,専有 部分又は共用部分のいずれか一方に属することになります。共用部分は,区分所有者の全 16

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員が共同で管理を行うことになります。しかし,区分所有法は,共用部分の管理であって も,相当なものは,各区分所有者が分担することも認めます。(区分所有法第18条) 区分所有法は,「専有部分以外の建物の部分」と「専有部分に属しない建物の附属物」と 「規約により共用部分とされた附属の建物」の3つを「共用部分」と定義しています。 一般的なマンションの場合を詳しく説明すると次のとおりです。 (1)玄関ホール,共用廊下,階段,エレベーターホール,エレベーター室,電気室,機 械室,パイプスペース,メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く),内外 壁,界壁,床スラブ,基礎部分,バルコニー,ベランダ,屋上テラス,車庫等「専有 部分に属さない建物の部分」 第二 章 重点 解説 (2)エレベーター設備,電気設備,給排水衛生設備,ガス配管設備,火災警報設備,イ ンターネット通信設備,ケーブルテレビ設備,オートロック設備,宅配ボックス,避 雷設備、塔屋,集合郵便受箱,配線配管(吸水管については、本管から各住戸メータ ーを含む部分,雑排水管及び汚水管については,配管継手及び立て管)等「専有部分 に属さない建物の付属物」 (3) 管理事務室,管理用倉庫,集会室及びそれらの付属物 等「規約により共用部分とされた附属の建物」 ・屋上やルーフバルコニーは,最上階の区分所有者の排他的 利用を前提として設計・整備されたものであっても,独立 性を欠くため専有部分とすることができませんので,共用 部分です。 ・水道管,電気配線,ガス管,冷暖房設備,電話回線,消火 設備,エレベーターのかご等の建物の設備は,専有部分に あるものを除き,すべて共用部分です。 ・集会所,倉庫,車庫,ゴミ置場,物置等で別棟となってい る別個の建物は,規約によって共用部分として定められた 場合は,共用部分となります。 ・区分所有権の目的とすることができる建物の部分であっても,規約により共用部分とす ることができます。駐車場,駐輪場,集会室,管理事務室,電気室,機械室,倉庫等は 規約で共用部分と定めておく必要があります。(区分所有法第4条第2項)

5 建物の附属物

建物に附属し,効用上その建物と不可分の関係にあるものを「建物の附属物」といいま す。例えば,水道管,電気配線,ガス管,冷暖房設備,電話回線,消火設備,エレベータ ーのかご等主に建物の設備です。このような建物の附属物は,専有部分にあるものを除い て,すべて共用部分です。

6 附属の建物

主たる建物に対して従物的な関係にある別個の建物を「附属の建物」といいます。例え 17

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ば,集会所,倉庫,車庫,ゴミ置場,物置等で別棟となっている建物です。このような附 属の建物は,規約により定められた場合は,共用部分となります。規約により共用部分と 定められていない附属の建物であっても,「区分所有者の共有である附属の建物」は,その 変更,管理,負担及び利益収取については,共用部分の規定が準用されます。したがって, 「共有である附属の建物」は,あくまでも共用部分ではないものの,共用部分と同じ扱い になることが多いので注意してください。(区分所有法第2条第4項,第21条)

7 附属施設

建物の附属物,附属の建物,附属の工作物のすべて,つまり,建物に附属する一切の施 設を「附属施設」といいます。 なお,附属施設には,共用部分であるものと,共用部分以外のものがあります。「共用部 分以外の附属施設」が区分所有者の共有に属する場合は,その変更,管理,負担及び利益 収取については,共用部分の規定が準用されます。したがって,「共有である共用部分以外 の附属施設」は,あくまでも共用部分ではないものの,共用部分と同じ扱いになることが 多いので注意してください。(区分所有法第2条第4項,第21条)

8 建物の敷地

区分所有法第2条第5項では,「建物が所在する土地」及び「規約により建物の敷地と定 められた土地」を「建物の敷地」と定義しています。 建物が所在する土地とは,建物の物理的な底地となっている土地のことで,これを「法 定敷地」と呼ぶことがあります。土地は,一筆単位で把握する趣旨ですから,建物の底地 たる一筆の(建物が数筆にまたがっていれば数筆の)土地の全体が法定敷地です。 法定敷地でない土地であっても,庭,通路,駐車場の用地,附属の建物の敷地等のよう に,区分所有者が建物及び法定敷地と一体として管理又は使用する土地は,規約に定める ことによって建物の敷地とすることができます。これを「規約敷地」と呼ぶことがありま す。(区分所有法第4条第2項) なお,建物の敷地は,附属施設ではありません。また,建物の敷地は,共用部分でもあ りません。しかし,建物の敷地が区分所有者の共有に属する場合は,その変更,管理,負 担及び利益収取については,共用部分の規定が準用されます。したがって,「共有である建 物の敷地」は,あくまでも共用部分ではないものの,共用部分と同じ扱いになることが多 いので注意してください。(区分所有法第2条第4項,第21条)

9 共用部分等

「共用部分」と「附属施設」を総称して「共用部分等」と用語の定義 をすることがあります。

10 専用使用

区分所有者の共有に属する「建物の敷地」又は「共用部分等」の一部 について,特定の区分所有者又は区分所有者以外の第三者が,一定の目 的のために排他的に使用収益をすることを「専用使用」といいます。 専用使用には様々な種類があります。最も一般的なものは,共用部分 18

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であるベランダ・バルコニーを特定の区分所有者が専用使用する場合です。1階の区分所 有者が敷地の一部を「専用庭」として,また,最上階の区分所有者が屋上を「ルーフバル コニー」等と称して,排他的に専用使用できることを規約で定める場合もみられます。な お,本来,複数の区分所有者の使用収益の対象となる部分の専用使用については,適正な 利用と公平な負担が確保されるように特に注意が必要です。

11 専用使用部分

専用使用の対象となっている「建物の敷地」又は「共用部分等」の部分を「専用使用部 分」といいます。

第2節 専有部分と共用部分の区分

1 共用部分の範囲及び管理費用の明確化

マンションの快適な居住環境を確保するため,あらかじめ,共用部分の範囲及び管理費 用を明確にし,トラブルを未然に防止することが重要です。特に,専有部分と共用部分の 区分,専用使用部分と共用部分の管理及び駐車場の使用等に関してトラブルが生じること が多いことから,適正な利用と公平な負担が確保されるよう,各部分の範囲及びこれに対 するマンションの区分所有者等の負担を明確に定めておきましょう。

2 専有部分と共用部分の区分

マンションの管理の現場では,個別具体に専有部分に属するのか共用部分に属するのか が問題になる場面があります。専有部分と共用部分の区分については,法律上一義的に明 瞭ではありません。例えば,専有部分相互間の境界部分(柱,壁,床,天井等),専有部分 と共用部分の境界部分(設備配管等),管理事務室,車庫,倉庫,ピロティ,ベランダ・バ ルコニー等です。 専有部分と共用部分の定義は,それぞれ区分所有法により定まっていて,規約で定めれ ばそのとおりになるというものではありません。しかし,同時に区分所有法は,専有部分 の管理又は使用に関する事項も,相当な範囲内では,規約で定めた場合は,管理組合で管 理することを認めていますし,また一方で,共用部分の管理であっても,相当なものは, 各区分所有者が分担するものと定めることも認めています。 つまり,専有部分と共用部分の区分の問題については,区分所有法は,規約による解決 に委ねていると理解してください。実際,専有部分と共用部分の範囲,その管理及び使用 について規約で定めている例が多く見られます。こうした規約の効力は認めることができ ると考えられます。専有部分と共用部分の区分から発生するトラブルを未然に防止するた めに,規約を再度確認してください。規約の改正は大変ですが,規約で詳細に専有部分と 共用部分の範囲,その管理及び使用を定め,管理費用の負担を明確にしましょう。 19

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第3節 共用部分の管理と変更

1 共用部分の管理の意義

法律上,物の「管理」という概念(広義の管理)は,①変更,②狭義の管理,③保存行 為に三分されます。変更は,重大変更と軽微変更に分けられます。管理の区分とその意義 等を表にまとめると次のとおりです。 管理の区分 意義 決定方法 注意点 広 義 の 管 理 変 更 重大変更 その形状又は効用を著しく変 えること 区分所有者及び議決権の各四 分の三以上の多数による総会 の決議によって決する。 管理行為によって, 専 有 部 分 の 使 用 に 特 別 の 影 響 を 受 け る 区 分 所 有 者 が あ るときは,その区分 所 有 者 の 承 諾 を 得 なければならない 軽微変更 上記以外の変更 区分所有者及び議決権の過半 数によって決する。規約によ る 自 由 な 別 段 の 定 め が で き る。 狭義の管理 変更に当たらない利用又は改 良に関すること 保存行為 物の現状を維持することであ って,広義の管理のうち,「変 更」及び「狭義の管理」のい ずれにも当たらないもの 理事長又は各区分所有者は, 直ちに保存行為ができる。総 会,理事会等の決定は不要で ある。

2 共用部分の管理の決定方法

(1)重大変更の決定方法 共用部分の重大変更は,区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による総会の決 議によって決します。区分所有者の頭数において四分の三以上の賛成があるとともに,議 決権の割合においても四分の三以上を有する者の賛成があることが必要です。すべての区 分所有者及びすべての議決権を基礎としての四分の三以上であって,総会に出席した区分 所有者を前提としての多数では足りません。(区分所有法第17条第1項) 区分所有者の頭数の要件を過半数まで引き下げることのほかは,この決定方法について 規約で別段の定めをすることは認められません。例えば,出席した区分所有者及び議決権 の各四分の三による,区分所有者及び議決権の各過半数によるなど,その要件を引き下げ ることはできませんし,逆に,全員の合意によることにするなど,要件を引き上げること もできません。理事会その他委員会など,総会以外で決するものとすることも,もとより 許されません。 (2)軽微変更の決定方法 共用部分の変更に当たる行為でも,「その形状及び効用を著しく変えないもの」について は,特別多数決議によることなく,総会の普通決議(区分所有者及び議決権の各過半数に よって決するものをいう。)によって決します。改正前の区分所有法では,軽微変更の要件 が「改良を目的とし,かつ著しく多額の費用を要しないもの」であったため,多額の費用 を要する大規模修繕工事は特別多数決議が必要でしたが,平成15年6月1日施行の改正 区分所有法によって,通常の大規模修繕工事は軽微変更にあたり,普通決議でできるよう 20

(24)

になりました。(区分所有法第18条第1項) 総会の普通決議の要件は,規約で異なる定めをすることができます。例えば,総会に出 席した区分所有者及び議決権の各過半数によるとか,区分所有者の頭数の過半数のみによ り決するなどです。更に,普通決議事項は,規約に定めれば,総会の決議以外の方法で, 例えば理事会で決定し,若しくは理事長が決定するものと定めることも可能であり,又は 委員会,評議会その他機関を設けることとし,その決定に委ねることもできます。 なお,総会の普通決議の要件に関する異なる定めは,規約によってのみすることができ る趣旨ですので注意しましょう。総会の決議だけでは足りません。(同法第39条第1項) (3)狭義の管理の決定方法 共用部分の狭義の管理の決定方法は,軽微変更の場合と同じです。 (4)保存行為の決定方法 共用部分の保存行為とは,共用部分の現状を維持する行為をいいます。例えば,共用部 分の清掃,エントランスのガラスの破損の修理等の小修繕,エレベーターの必要最小限の 保守点検,共用部分を不法に占拠する者を立ち退かせることなどがこれに当たります。 共用部分の保存行為の決定方法も,軽微変更の場合と同じですが,各区分所有者が単独 ですることもできます。また,区分所有法上の管理者たる理事長も,共用部分並びに建物 の敷地及び附属施設の保存行為をする権限を有します。つまり,保存行為は,総会,理事 会その他機関の決定がなくても,理事長又は各区分所有者は直ちにすることができます。 しかし,通常,保存行為は,各区分所有者が行うことはないと思われます。また,保存行 為であっても各区分所有者が一存ですることができないよう規約で定めることもできます。

3 特別の影響を受ける者の承諾

共用部分の変更によって専有部分の使用に特別の影響を受ける区分所有者があるときは, その区分所有者の承諾を得なければなりません(区分所有法第17条第2項)。その承諾が 得られなければ,総会の決議が成立しても,その決議の効力が生じないので,決議事項を 実行することができません。これは,狭義の管理行為についても,同様です。変更行為や 狭義の管理行為の結果,ある専有部分への出入りが不自由になるとか,採光,通風,電気, ガス,通信,上下水道の具合が悪くなるとか,その他の住環境が悪くなるといった場合が これに当たります。 なお,総会の決議で賛成した区分所有者については,改めてその承諾を必要としません。 また,「特別の影響」というのは,当該変更行為等の必要性,有用性と当該区分所有者の受 ける不利益とを比較衡量して,受忍すべき範囲を超える程度の不利益をいうものと解され ますので,その程度に至らない軽微な影響にすぎないときは,その承諾を得る必要があり ません。 21

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不動産仲介業者からみたよいマンションとは

中古マンションを仲介している不動産業者から見たよいマンションとは,高価に,早く 売れることと,後々のトラブルが無いことが第一であり,そのためには,管理のしっか りしたマンションが好まれます。さらに管理組合自身からの積極的な管理情報の提供 が評価のうえで大変重要です。 管理情報としては,管理規約,使用細則をはじめとする各種の細則,直近の総会議案 書及び総会議事録,長期修繕計画等が入手できるマンションは,仲介業者にとって重要 事項説明書を書くに当たって必要であるばかりでなく,そのマンションの管理の善し悪 しを判断する重要な参考資料になります。 この他に,管理費の滞納率はどうか,共用部の清掃は行き届いているか,修繕・補修 がきちんとなされているか,住民同士が挨拶を交わしているかなどがチェックされます。 エレベーターや掲示板に騒音やペットに関すること,共用施設の使い方などトラブルに 関する注意書きがある場合などは,マナーや隣人関係がうまくいっていないことが多い ことが想定されます。 これらの情報があれば,仲介業者としては買い手に対して適切なアドバイスができ, 結果として適切な価格で市場(流通)に乗せやすいマンションということになります。 良心的な仲介業者は,このように「管理がよい」,「よい管理をしている」と判断したマ ンションは積極的に「売り」に出す,つまり,市場に出回ることにつながります。逆に, 「悪い」と判断されたマンションは,仲介業者からも顧客からも選別されることになる でしょう。 22

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第2章 重点解説

第1節 規約の設定・変更

1 管理規約の設定(原始管理規約の成立)

マンションの新築分譲時に分譲業者が作成した管理規約の原案について,区分所有者 の全員から承諾書といった書面合意を取り付けることによって,区分所有法第45条第 2項の規定に基づき,集会の決議があったものとみなされ成立する当初の管理規約を「原 始管理規約」又は単に「原始規約」と通称しています。 このような分譲業者による原始規約の設定が原則化しているのが実状です。しかし, 規約は,本来,区分所有者自身がつくるべきものです。また,規約は,各区分所有者の 利害の衡平が図られるように定めなければなりません。マンションの分譲が終了した後, 適当でないと思われる原始規約の部分については,区分所有者が主体的に原始規約の修 正案を考えて,十分な議論を尽くしたうえで,区分所有者自身による区分所有者のため の規約へ改正してください。

2 規約の変更は合意形成の力量のバロメータ

いったん設定された規約の条項については,どのようなことがあっても追加,変更, 削除しないとか,してはならないのではなく,むしろ積極的に,社会情勢や生活環境の 変化,区分所有者や居住者の様々なニーズに応じ,よりよいマンションライフが確保で きるよう規約を変更すべきでしょう。マンションの資産価値や住みよさにつながるよう な規約の変更の努力を継続してください。規約改正の積み重ねの歴史は,管理組合の合 意形成の力量を計るバロメータともいえます。

3 規約の変更の要件

規約の変更は,区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によ って行うものと区分所有法第31条第1項に規定されています。この規定は,別段の定 めをすることができない強行規定ですから,この要件を緩和することも厳しくすること も認められません。例えば,出席した区分所有者及び議決権の各四分の三によるとか, 区分所有者の頭数の要件を過半数まで引き下げるとか,理事会その他委員会など集会以 外で決するものとするなど,区分所有法の定める要件を変えることはできません。 ただし,区分所有法第45条第1項により,区分所有者全員の承諾がある場合,集会 を開催せずに書面(又は電磁的方法)による決議を行うことができます。また,同法第 45条第2項により,書面(又は電磁的方法)による全員合意があった場合も,集会に よる決議があったものとみなされます。しかし,規約の変更のような重要な事項を決す るためには,反対意見を持つ者も含めた各区分所有者がその意見を自由に発表し,全員 で討議を尽くしたうえで一定の結論に達する集会の決議という方法が,最も適切です。 23

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