• 検索結果がありません。

集会(総会)開催の手続き 1 集会(総会)の招集権者

ドキュメント内 役員候補に選ばれたら (ページ 38-41)

※ 区分所有法上での「集会」「管理者」は標準管理規約ではそれぞれ「総会」「理事長」と表現されています。

表-1 通常の召集権者

原則 規約に定めがある場合 法人格のな

い管理組合

管理者がいる場合 管理者

管理者がいない場合 同法34条5項 規約に従う

管理組合法人 理事

(2)管理者,理事等が集会(総会)を開かない場合

区分所有者が集会を望んでいるのに,集会招集者が招集の手続きを取らない場合 があります。その場合,少数区分所有者(区分所有者の5分の1以上で議決権の5 分の1以上を有するもの)は,会議の目的たる事項(議題)を示して,管理者及び 理事に対して集会を招集するよう請求することができます(区分所有法34条3項)。

請求しても,2週間以内に,請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招 集通知が発せられなかったときは,請求をした少数区分所有者は自ら集会を招集す ることができます(同法34条4項,標準管理規約44条1・2項)。

各5分の1の定数は規約で引き上げることは出来ませんが引き下げることはでき ます(同法34条3項・5項 ただし書き)。

2 集会(総会)開催の通知

(1)通知の時期

管理者が集会を招集する場合は,原則として会日より少なくとも1週間前(標準 管理規約では2週間前)に集会の日時・場所・議題を示して,各区分所有者に発し なければなりません(区分所有法35条1項本文,標準管理規約43条1項)。

(2)通知の方法

通知は,原則として,それぞれの区分所有者に対して個別に行う必要があります。

規約に「集会の通知は,組合の掲示板に掲示する方法によることができる」旨の規 定があれば,掲示によることもできます(標準管理規約43条3項)。

掲示による通知は,建物内に住所がある区分所有者と,通知の届出がない区分所 有者で規約に定めがある場合のみ有効です(区分所有法35条4項)。

ただし,連絡の確実性や後日の紛争防止予防を考えれば,当然書面の配布が必要 だと考えておくべきです。

(3)通知のあて先

通知のあて先は,区分所有者が前もって管理者に受け取る場所を届けている場合 はその場所に,届けていない場合はその区分所有者の専有部分になります。専有部 分が数人の共有である場合は,議決権行使者が決められている時はその者に,決め られていない時は招集権者が任意に選択する者に通知すれば足ります(区分所有法 35条3項,標準管理規約43条2項)。

36

(4)議案の要領の通知

一定の重要な事項を決議する場合は,会議の目的事項(議題)のほかに議案の決 議内容の案を要約した要領も通知しなければなりません(区分所有法35条5項) 。 表―2 を参照してください。

表―2 議案の要領が必要な議案 区分所有法 議案の要領が必要な議案

17条1項 共用部分の変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)

31条1項 規約の設定、変更又は廃止

61条5項 建物の一部が滅失した場合の共用部分の復旧 62条1項 建替え決議

68条1項 団地規約の設定の特例

69条7項 団地内の建替えする建物を,区分所有者及び議決権の5分の4以上で2棟 以上の建物を一括して建替え承認する為の決議

(5)建替え決議を議題とする集会(総会)の通知

集会で建替えを審議し決議する場合には,建替えが極めて重要な決議事項のため,

平成 14 年改正によって通知期間と通知事項について,特別の定めがなされました

(区分所有法62条4項,5項)。

(6)占有者(賃借人)に対する連絡

専有部分の占有者(賃借人など)に利害関係のある議題の場合には,占有者に集 会で意見を述べる権利が与えられていますので(区分所有法44条1項,標準管理 規約45条2項),占有者の意見陳述権を確保するために,集会の招集者は,集会 の日時,場所及び議題を,マンションの建物内の見やすい場所(掲示板や出入り口 など)に掲示しなければなりません(同法44条2項)。

3 招集手続きの省略

区分所有者全員の同意があるときには,招集の手続きなしに集会を開催することができ ます(区分所有法36条)。

4 議案作成の留意点

理事会で考えている議案のほかに,一般の組合員が提案したいと思っている議案がある かもしれません。できるだけ議案を公募する機会を設けましょう。応募された議案はでき るだけすべて開示し,そのなかで理事会が必要と判断したものを集会の議案に加えること で,集会への関心や管理組合運営への参加意識が高まります。

また,議案を提案するときは,根拠となる法律や規約を示すことが大切です。根拠法な どがない場合は,議案の判断や認識の根拠となったもの(アンケートの結果や他マンショ ンの事例等)を示すことによって説得力が増します。理事会や専門委員会の業務報告にお いて,業務に対応して管理組合資金の収支があった場合は,その状況も併せて記載すると,

分りやすい資料になります。

37

第3節 集会(総会)の成立要件と資格審査及び議事

ドキュメント内 役員候補に選ばれたら (ページ 38-41)

関連したドキュメント