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歯周病と全身疾患の関連 脳卒中 アルツハイマー病 認知機能 歯周炎 2 型糖尿病 NASH 冠動脈心疾患 誤嚥性肺炎 すい臓がん慢性腎疾患 炎症性腸疾患 早産 低体重児出産 関節リウマチ 骨粗鬆症

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(1)

歯周病と全身疾患を結ぶ新たなメカニズム

新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔保健学分野 山崎 和久

平成28年12月17日 日本歯科医学会・JADR共催シンポジウム

(2)

歯周炎

脳卒中

すい臓がん 慢性腎疾患

関節リウマチ 炎症性腸疾患

誤嚥性肺炎

2型糖尿病 NASH

早産・低体重児出産

骨粗鬆症

アルツハイマー病

冠動脈心疾患

歯周病と全身疾患の関連

認知機能

(3)

局所免疫応答産物

炎症性サイトカイン 炎症メディエーター 抗体 etc.

細菌

細菌産物

(4)

歯周病原細菌検出が報告された臓器・組織

心臓弁

冠状動脈

腹部大動脈

胎盤・臍帯・羊水

滑膜組織・滑液

肝臓

(5)

歯周炎と全身の炎症

対象 高感度CRP (mg/L) IL‐6 (pg/ml) TNF‐ IL‐1 文献

対照vs中等度vs重度 0.79 vs 2.04 vs 1.87 Leivadaroset al. JP 2005.

対照vs L‐AgP vs G‐AgP 0.66 vs1.10 vs 2.05 Salzberget al., JP 2006.

対照vs中等度vs重度 1.9 vs 3.1 vs 3.1 Bizzarroet al., JCP 2007.

対照vs歯周炎vs CHD+ 周炎

0.43 vs 0.77 vs 3.96  Yamazaki et al., CEI 2007.

対照vs歯周炎 0.95 vs 2.54 Cairo et al., JCP 2008.

治療前vs治療後 2.1 → 1.1 0.3 → 0.3 0.3 → 0.3 O’Connell et al., JP 2008.

対照vs重度 0.92 vs 1.35 Buhlinet al., JCP 2009.

対照 vs歯周炎 1.8 vs 2.9 Papapanagiotouet al., 

Atherosclerosis 2009.

治療前vs非外科処置 3.3 → 0.25 Marcacciniet al., JP  2009.

対照vs AgP 0.52 vs 1.87 0.08 vs 1.20 Sun et al., JPR 2009.

治療前 vs 非外科処置 1.4 → 0.9 24.4 → 10.0 Vidal et al., JP 2009.

対照 vs歯周炎(中央 値)

0.19 vs 0.42 0.41 vs 0.58 1.40 vs 1.14 Nakajima et al., JPR 2009.

対照 vs歯周炎(平均 値)

0.22 vs 0.80 1.0 vs 1.7 1.6 vs 1.8 Shimada et al., JP

2010

(6)

歯周炎患者血清中の炎症マーカー

0 1 2 3 4 5

CRP/1000

** ***

*

(mg/L)

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

IL6

(pg/mL)

* **

IL-6 Hs-CRP

* P < 0.01,Wilcoxon signed matched pairs test

** P < 0.001,*** P < 0.05,Mann-Whitney U-test

Yamazaki et al., J Periodont Res, 2005 Yamazaki et al., Clin Exp Immunol, 2007 Nakajima T et al., J Periodont Res, 2010

Before treatment

After treatment

Healthy control Before

treatment

After treatment

Healthy control

(7)

菌血症・炎症サイトカイン説の問題点

疾患(動脈硬化症など)群において歯周ポケッ ト・唾液中歯周病原細菌保有率が高い.

→ 病態との直接的関連を示す証拠は乏しい.

→ 血管病変中の菌が直接的に歯周ポケット由来であると いう明確な証拠はない.

スケーリング後などに血中の細菌、内毒素が上昇

→ 介入や処置を受けない歯周炎患者血中エンドトキシン レベルが高いという報告はない.

歯周炎患者血中の炎症メディエーターが上昇.

→ 歯周炎病変由来であるという明確な証拠はない.

(8)

感染群

非感染群

感染群

非感染群

P. gingivalis 口腔感染モデル実験

Maekawa, Takahashi et al., PLoS ONE. 2011

(9)

Maekawa, Takahashi et al., PLoS ONE. 2011

0 20 40 60

(%)

*

sham infection sham infection

4 wks 32 wks

* 4w

Sham

4w Infec.

32w Sham

32w Infec.

Oil Red O staining

血管内腔面積に占める病変部の割合(%)

P. gingivalis  投与 A PO E

SHL/SHL

マウスにおける

動脈硬化病変の変化

(10)

×40

100 μm 100 μm

100 μm 100 μm

Maekawa, Takahashi et al., PLoS ONE. 2011

P. gingivalis  投与 A PO E

SHL/SHL

マウスにおける 動脈硬化病変の変化

Sham Infection

Short term

Long term

(11)

動脈硬化マウス実験の結果

感染により Serum amyloid A , IL-6 が上昇.

ヒト歯周炎患者でも CRP , IL-6 が上昇

長期感染により脂質代謝異常( HDL コレステロール ↓LDL , VLDL コレステロール ↑ ( ApoE 欠損マウス).

ヒト歯周炎患者でも同様の報告

血管における炎症関連遺伝子 (Egr-1, CCL2) 発現の上昇.

ヒト歯周炎患者で内皮細胞機能障害の報告

(12)

P. gingivalis 口腔投与は脂肪組織と肝臓において炎症 性の変化を誘導する

0.0 0.2 0.4

0.6 **

Sham P. gingivalis

Triglyceride (nmol/μg)

Sham P. gingivalis

Liver

Sham P. gingivalis

Adipose tissue Primary antibody: F4/80

Oil red O staining

Arimatsu et al., Sci. Rep. 4, 4828; 2014

(13)

歯周病菌を飲み込むと耐糖能異常を誘導

-5,000 -4,000 -3,000 -2,000 -1,000 0

Inverse AUC of ITT (min %)

0 30 60 90 120

0 50 100 150

P. gingivalis Sham

15

Time(min)

Blood glucose (%)

0 10,000 20,000 30,000 40,000

AUC (min mg/dl)

0 30 60 90 120

100 200 300

400 Sham

P. gingivalis

15

Time (min)

Blood glucose (mg/dl) *

Sham P. gingivalis

**

** Sham P. gingivalis

インスリン負荷試験 ブドウ糖負荷試験

歯周病菌なし 歯周病菌あり

歯周病菌なし 歯周病菌あり

(14)

歯周病原細菌遺伝子の検出

Aortic valve Blood sample

Control Infection

Infection Control

ApoE -/- C57BL/6

Control 1 2 3 4 5 Control 1 2 3 4 5

P. gingivalis infection

5min 30min 1h

32W

No detection

血中からも心臓弁からも細菌は検出できなかった

N=5

(15)

口腔感染による歯肉の炎症

非感染群

感染群

P. ginigvalis投与による歯肉の炎症はきわめて軽微

(16)

Dysbiosis of oral microbiota

e.g.Periodontitis

Atherosclerotic

vascular disease Diabetes Obesity NAFLD Cancer Rheumatoid arthritis

(17)

Dysbiosis of oral microbiota

e.g.Periodontitis

Atherosclerotic

vascular disease Diabetes Obesity NAFLD Cancer Rheumatoid arthritis

Dysbiosis of gut microbiota

(18)

腸内細菌と疾患

自己免疫疾患(関節リウマチ、

1

型糖尿病)

→1卵性双生児における一 致率が低い→環境要因の影響大

患者と健常者で腸内細菌叢に相違

疾患モデル動物でも無菌動物では発症しにくい

無菌にすると症状が寛解

代謝性疾患(肥満、

2

型糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患)

患者と健常者で腸内細菌叢に相違

無菌動物は疾患抵抗性

疾患動物の腸内細菌叢移入により発症

腸内細菌叢の変化で菌血症誘導

動脈硬化症

頸動脈狭窄患者腸内細菌叢において特定の菌が優勢

炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)

患者と健常者で腸内細菌叢に相違

ある特定の菌の投与により実験的炎症性腸疾患が強く誘導される

がん

増殖と転移に腸内細菌叢が関連する全身の炎症が関与

(19)

歯周病 VS 腸内細菌 : 全身への影響

疾患 歯周病の影響(仮説) 腸内細菌の影響 2型糖尿病 歯周病原細菌抗原活性化

MΦ・DCが肝・脂肪組織で 炎症を惹起し、IRを誘導

腸内細菌代謝物の変化によ る腸管バリア機能の低下と それによるIRの誘導

動脈硬化性疾患 菌血症・炎症性サイトカ インにより血管壁に炎症

→泡沫細胞→粥腫

食餌中ホスファチジルコリ ン代謝によるTMA生成と肝 でのTMAO生成

関節リウマチ P. gingivalis ・内因性PAD による免疫寛容の破綻 IL-17産生上昇

P. copriの増加

腸管免疫におけるTh17の 活性化

NASH 肝TLR2発現上昇によるP.

gingivalis応答性の亢進

内毒素産生菌の増加 腸管透過性の亢進 早産

低体重児出産

歯周炎由来菌血症による 歯周病原細菌の胎盤、羊 水、臍帯への定着

正常妊婦群と切迫早産群で 腸内細菌叢が異なる

(20)

唾液中の歯周病原細菌量

中等度歯周炎患者

P. gingivalis: 8.3 x 106/ml

P. intermedia: 2.6 x 106/ml

歯周病があると大量の歯周病原細菌を飲み込んでいる .

1日の唾液産生量は1~1.5リットル

一つの歯周病菌だけで約100億!

プレーンヨーグルト250ml(半分)で摂取できる乳酸菌は約 20億-30億個。ヤ○ル○1本に150億個

von Troil-Linden et al., J Dent Res, 1995

(21)

P. gingivalis を口腔から投与(飲ませる)と腸内細菌叢が変 化する

Arimatsu et al., Sci. Rep. 4, 4828; 2014

(22)

P. gingivalis を飲み込むと腸のバリア機能が低下する とともに、炎症も誘発される

0 1 2 3

4 Sham

P. gingivalis

Relative gene expression

B

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

Sham

P. gingivalis

Relative gene expression

Akp3 Tjp1

**

* A

Arimatsu et al., Sci. Rep. 4, 4828; 2014

Akp3:アルカリフォスファターゼ→内毒素を中和する作用

Tjp1:タイトジャンクションタンパク→腸のバリア機能を司る

(23)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

* *

*p < 0.05 Mann-Whitney U-test

Sham

P. gingivalis

Unclassified Bacteroidetes

Firmicutes Tenericutes

Actinobacteria Deferribacteria Proteobacteria

Relative abundance

Bacteroidetes Firmicutes

P. gingivalis 単回投与による腸内細菌叢の変動

Nakajima et al., PLoS ONE 2015

(24)

肝硬変におけるヒト腸内細菌叢の変動

肝硬変患者における腸内細菌叢の変動の主要な原 因は口腔細菌の流入による.

疾患重症度と流入した細菌量に相関を認めたこと から、病因への関与が示唆される.

Nature Jul 24, 2014

口腔細菌

(25)

炎症性腸疾患の患者唾液中には;

Prevotella属の細菌が多い

炎症性サイトカインIL-1βが多い

口腔内細菌叢の乱れが関連している可能性あり

(26)

動脈硬化病変中の細菌

DNA

を慢性歯周炎(

CP

)の有(

30

例)

無(

10

例)で比較検討

口腔内細菌とともに腸内細菌群が高頻度に検出された.

歯肉縁下プラークサンプルからは

70

%で

red complex

細菌が検出さ

れたが、

P. gingivalis

1

例の動脈硬化病変からのみ検出された.

歯周病原細菌よりはむしろ多数の口腔細菌や腸内細菌が血管病変

の病因におけるリスク因子となっていることを示唆する.

(27)

歯周炎

脳卒中

すい臓がん 慢性腎疾患

関節リウマチ 炎症性腸疾患

誤嚥性肺炎

メタボリック症候群

低体重児早産

骨粗鬆症

アルツハイマー病

冠動脈心疾患

歯周炎と全身疾患を結ぶ新たなメカニズム(仮説)

P

P P P

腸管免疫のバランス破綻

参照

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