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日本内科学会雑誌第104巻第10号

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(1)

はじめに

 Sjögren症候群(Sjögren syndrome:SS)は唾

液腺や涙腺などの外分泌腺を主な標的とする自

己免疫疾患である.SSは,原発性である一次性

と他の膠原病に合併する二次性に分類される

が,本邦では合わせて約 7 万人の患者がいると

考えられ,約17倍女性に多い.腺組織への炎症

細胞浸潤と組織破壊により,外分泌低下を来た

し,眼や口腔の乾燥症状を呈する以外に間質性

肺炎,間質性腎炎,末梢神経障害などの腺外症

状の出現や,原発性胆汁性肝硬変との合併など

多彩な臓器障害を合併し得る.本稿では,SSの

臨床特徴と診断,活動性評価,治療について概

説する.

1.SSの疫学

 2010~2011 年に行われた厚生労働省研究班

の全国疫学調査では,SS患者数は68,483人と推

定され,当時の総人口数から有病率は0.05%と

算出された

1)

.女性が約 95%(男女比 1:17)

で,一次性が約70%,腺症状のみの患者割合が

約 4 分の 1 であったことが報告されている.二

次性SSを合併する原疾患は,関節リウマチが

39%,全身性エリテマトーデスが22%,強皮症

が 13%,混合性結合組織病が 6%であった.

Sjögren症候群

要 旨

金子 祐子

 Sjögren症候群(Sjögren syndrome:SS)は唾液腺炎,涙腺炎を主体 とする臓器非特異的全身性自己免疫疾患である.原発性である一次性と他 の膠原病に合併する二次性に分類されるが,本邦での有病率は約 0.05% と推定され,圧倒的に女性に多い.腺症状のみならず,間質性肺炎,間質 性腎炎,末梢神経障害などの腺外症状の出現や,原発性胆汁性肝硬変との 合併など,多彩な臓器障害を合併し得る.長らく対症療法のみで対応する 疾患という認識が強かったが,近年新しい分類基準,ESSDAI(EULAR Sjögren’s Syndrome Disease Activity Index)といった疾患活動性評価 基準が作成され,さらに免疫抑制薬や生物学的製剤などの新しい治療薬に よる病態にアプローチした治療が試みられている.今後の発展が期待され る疾患である.

〔日内会誌 104:2149~2156,2015〕 Key words Sjögren症候群,分類基準,治療

慶應義塾大学内科学教室リウマチ内科

Diagnostic(Classification)Criteria and Treatment Guidelines of Collagen-vascular Diseases:How to Use and Cautions on Applying Them for General Physicians. Topics:VII. Sjögren syndrome.

(2)

2.SSの臨床症状

1)腺症状

 SSにおける主症状が腺症状であり,唾液腺障

害と涙腺障害が含まれる.

(1)唾液腺障害

 唾液腺障害は,反復性耳下腺炎と唾液産生・

分泌障害による口腔内乾燥の症状が多い.ドラ

イマウスのためにう歯多発,舌乳頭萎縮,味覚

障害が二次的に出現する.

(2)涙腺障害

 涙腺障害では,涙分泌低下による眼乾燥感,

異物感,眼精疲労,羞明などの症状がある.

2)腺外症状

 SSの腺外症状を

表 1

にまとめた.

(1)全身症状

 全身症状として,発熱,全身倦怠感,筋痛,

関節痛が認められることも多い.

(2)リンパ節腫脹

 全身のリンパ節腫脹が認められることがあ

り,一見悪性リンパ腫と同程度の腫脹をみるこ

ともある.悪性リンパ腫との合併頻度も,健常

人や他の膠原病よりも高めであり,生検による

組織学的な鑑別が必要となることも多い.合併

悪性リンパ腫は唾液腺やリンパ腫に多く認め,

B細胞系のリンパ腫である.

(3)呼吸器病変

 肺病変として間質性肺炎を合併する.免疫抑

制治療を要するような急性間質性肺炎の頻度は

高くはないが,CT検査で検出される軽度の間質

性肺炎の頻度はしばしば経験する.閉塞性気管

支炎などの気道病変や気道分泌低下に伴う乾燥

性鼻炎や乾性咳漱も認められる.

(4)腎尿細管病変

 糸球体病変は少ないが,尿細管障害による間

質性腎炎は来たす.時に遠位病細管障害アシ

ドーシスによる低カリウム血症から,周期性四

肢麻痺を起こすこともある.間質性腎炎のた

め,検尿所見では目立った異常所見がないの

に,血清クレアチニン上昇を認めることがあ

る.間質性膀胱炎によって膀胱容量が小さくな

り,頻尿を認めることもある.

(5)甲状腺病変

 自己免疫性甲状腺疾患を合併することがあ

り,多くは慢性甲状腺炎である.

(6)皮膚症状

 抗SSB抗体陽性例に,特徴的な環状紅斑をし

ばしば顔面に認める

2)

.高ガンマグロブリン血

症に伴う下肢点状紫斑を認めることもある.汗

腺障害から皮膚搔痒感を来たす.

(7)神経症状

 頻度は低いが,中枢神経障害として三叉神経

障害や横断性脊髄炎,末梢神経障害として多発

神経炎を起こすことがある.

(8)肝胆管病変

 原発性単純性肝硬変をしばしば合併する.抗

ミトコンドリア抗体が陽性となることが多い.

3.診断

1)診断基準,分類基準

 国際的な診療ガイドラインは発表されていな

いが,分類基準として,日本から 1999 年厚生

表1 Sjögren症候群の腺外症状 部位 腺外症状 全身症状 発熱,筋肉痛,関節痛 リンパ組織 リンパ節腫脹,脾腫 呼吸器 間質性肺炎,閉塞性細気管支炎 腎尿細管 間質性腎炎,尿細管性アシドーシス 甲状腺 自己免疫性甲状腺疾患 皮膚 環状紅斑,紫斑 神経症状 中枢・末梢神経障害 肝胆道系 原発性単純性肝硬変

(3)

省(当時)改訂診断基準

3)

が,海外から2002年

アメリカ・ヨーロッパ分類基準,2012年米国リ

ウマチ学会分類基準が発表され,診断に役立

つ.本邦では,依然として 1999 年に発表され

た厚生省改訂基準が汎用される(

表2

).確定診

断には眼科,口腔外科との連携が重要で,乾燥

性角結膜炎や唾液腺機能の低下を検査するとと

もに,小唾液腺生検による病理組織学的検査

で,リンパ球の浸潤を証明することとなる.診

断後は胸部X線,甲状腺機能,腎機能など腺外

病変のチェックを行う.

(1)血液検査

 抗SSA抗体は50~70%で陽性になるが特異性

が低く,抗SSB抗体は感度が20~30%と低いが,

特異性が高く診断意義が大きい.高ガンマグロ

ブリン血症,リウマチ反応陽性も非特異的であ

るが,SSを疑うきっかけとなる.

(2)涙液分泌機能検査,角結膜炎検査

 涙液分泌能検査としてSchirmer試験が,乾燥

性角結膜炎の証明にローズベンガル試験,フル

オレセイン試験が行われる.

(3)唾液分泌能検査

 簡便な刺激時唾液分泌量測定検査としてガム

テストがある.画像検査としては,唾液腺機能

シンチグラフィーで摂取能,分泌能を視覚的に

観察することができる.以前は唾液腺造影検査

も行われていたが,患者負担が大きく,最近で

はあまり施行されなくなった.最近では,MRI

や超音波検査による有用性も報告されている

4)

(4)口唇生検

 主に下口唇を主体とする小唾液腺を生検し,

Greenspan分類のgrade 3 以上を陽性とする.診

断に最も重要な検査である.

(5)鑑別診断

 近年注目されている疾患として,IgG4関連疾

患が最も重要な鑑別診断となる.対称的涙腺腫

脹,唾液腺腫脹はIgG4関連疾患における主症状

であるが,IgG4関連疾患は男性に多く,乾燥症

状に乏しく,しばしば自己免疫性膵炎,後腹膜

線維症などを伴う.血清IgG4高値であることが

診断の一助であるが,IgG4値正常例の報告も多

いため,注意が必要である.組織学的にはIgG4

陽性形質細胞浸潤が認められる.

4.疾患評価

 SSにはこれまで疾患活動性を評価する指標が

な か っ た が,2012 年 に 欧 州 リ ウ マ チ 学 会 か

らESSDAI(

表3

),ESSPRI(EULAR Sjogren’s

Syn-drome Patient Reported Index)が提案された

5,6)

表2 Sjögren症候群の厚生省改訂基準(文献3より引用) Sjögren 症候群の厚生省改訂基準 1.生検病理組織検査で次のいずれかの陽性所見を認めること 1)口唇腺組織で4 mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上 2)涙腺組織で4 mm2あたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上 2.口腔検査で次のいずれかの陽性所見を認めること 1)唾液腺造影でStage Ⅰ(直径1 mm未満の小点状陰影)以上の異常所見 2) 唾液分泌量低下(ガム試験にて10分間で10 ml以下,またはサクソンテストにて2分間で2 g以下) があり,かつ唾液腺シンチグラフィーにて機能低下の所見 3.眼科検査で次のいずれかの陽性所見を認めること 1)シルマー試験で5分に5 mm以下で,かつローズベンガル試験(van Bijsterveldスコアで3以上) 2)シルマー試験で5分に5 mm以下で,かつ蛍光色素試験で陽性 4.血清検査で次のいずれかの陽性所見を認めること 1)抗Ro/SS-A抗体陽性 2)抗La/SS-B抗体陽性 上の4項目のうちいずれかの2項目以上が陽性であれば,シェーグレン症候群と診断する.

(4)

表3 Sjögren症候群の重症度評価(文献5) 付記 ESSDAIにおける各領域の評価基準 領域 評価基準 健康状態 1 微熱,間欠熱(37.5~38.5℃),盗汗,あるいは5~10%の体重減少2 高熱(>38.5℃),盗汗,あるいは>10%の体重減少(感染症由来の発熱や自発的な減量を除く) リンパ節 腫脹 0 以下の症状がない 1 リンパ節腫脹:領域不問≧1 cmまたは鼡径≧2 cm 2 リンパ節腫脹:領域不問≧2 cmまたは鼡径≧3 cm,あるいは脾腫(触診,画像のいずれか) 3 現在の悪性B細胞増殖性疾患 腺症状 0 腺腫脹なし1 耳下腺腫脹(≦3 cm),あるいは限局した顎下腺または涙腺の腫脹 2 耳下腺腫脹(>3 cm),あるいは目立った顎下腺または涙腺の腫脹(結石,感染を除く) 関節症状 0 現在,活動性の関節症状なし 1 朝のこわばり(>30分)を伴う手指,手首,足首,足根,足趾の関節痛 2 28関節のうち1~5個の関節滑膜炎 3 28関節のうち6個以上の関節滑膜炎(変形性関節症を除く) 皮膚症状 0 現在,活動性の皮膚症状なし 1 多型紅斑 2 蕁麻疹様血管炎,足首以遠の紫斑,あるいはSCLEを含む限局した皮膚血管炎 3 蕁麻疹様血管炎,広範囲の紫斑,あるいは血管炎関連潰瘍を含むびまん性皮膚血管炎(不可逆的障害によ る安定した長期の症状は活動性なしとする) 肺病変 0 現在,活動性の肺病変なし 1 以下の2項目のいずれかを満たす 持続する咳や気管支病変で,X線で異常を認めない X線あるいはHRCTで間質性肺病変を認め,息切れがなくて呼吸機能検査が正常 2 中等度の活動性肺病変で,HRCTで間質性肺病変があり,以下の2項目のいずれかを満たす :労作時息切れあり(NYHA Ⅱ) 呼吸機能検査以上(70%>DLCO≧40%,あるいは80%>FVC≧60%) 3 高度の活動性肺病変で,HRCTで間質性肺病変があり,以下の2項目のいずれかを満たす :安静時息切れあり(NYHA Ⅲ,Ⅳ) 呼吸機能検査以上(DLCO<40%,あるいはFVC<60%) (不可逆的障害による安定した長期の症状や疾患に無関係の呼吸器障害(喫煙など)は活動性なしとする) 領域 重み(係数) 活動性 点数(係数×活動性) 健康状態 3 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ リンパ節腫脹 4 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 腺症状 2 無0□ 低1□ 中2□ 関節症状 2 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 皮膚症状 3 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 肺病変 5 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 腎病変 5 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 筋症状 6 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 末梢神経障害 5 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 中枢神経障害 5 無0□ 低1□ 高3□ 血液障害 2 無0□ 低1□ 中2□ 高3□ 生物学的所見 1 無0□ 低1□ 中2□ ESSDAI(合計点数) 0点~123点EULARの疾患活動性基準 ・高疾患活動性(5点≦)疾患活動性 ESSDAI≧5点:重症,ESSDAI<5点→軽症 (次ページへ続く)

(5)

腎病変 0 現在,活動性腎病変なし(蛋白尿<0.5 g/dl,血尿なし,膿尿なし,かつアシドーシスなし)あるいは不可 逆的な障害による安定した持続性蛋白尿 1 以下に示すような腎不全のない軽度の活動性腎病変(GFR≧60 ml/分) 尿細管アシドーシス 糸球体病変で蛋白尿(0.5~1 g/日)を伴い,かつ血尿がない 2 以下に示すような中等度活動性腎病変 腎不全(GFR<60 ml/分)を伴う尿細管性アシドーシス 糸球体病変で蛋白尿(1~1.5 g/日)を伴い,かつ血尿や腎不全がない 組織学的に膜性腎症以外の糸球体腎炎,あるいは間質の目立ったリンパ球浸潤を認める 3 以下に示すような高活動性腎病変 糸球体病変で蛋白尿(>1.5 g/日)を伴う,あるいは血尿,あるいは腎不全を認める 組織学的に増殖性糸球体腎炎あるいは,クリオグロブリン関連腎病変を認める (不可逆的障害による安定した長期の症状または疾患に無関係の腎病変は活動性なしとする,腎生検が施行 済みなら,組織学的所見を優先した活動性評価をすること) 筋症状 0 現在,活動性の筋症状なし 1 筋電図や筋生検で異常がある軽い筋炎で,以下の2項目の両方を満たす 脱力はない CKは基準値(N)の2倍以下(N<CK≦2N) 2 筋電図や筋生検で異常がある中等度活動性筋炎で,以下の2項目のいずれかを満たす 脱力(MMT≧4) CK上昇を伴う(2N<CK≦4N) 3 筋電図や筋生検で異常を認める高度活動性筋炎で,以下の2項目のいずれかを満たす 脱力(MMT≦3) CK上昇を伴う(CK>4N) (ステロイドによる筋脱力を除く) 末梢神経 障害 0 現在,活動性の末梢神経障害なし 1 以下に示すような軽度活動性末梢神経障害 神経伝導速度検査(NCS)で証明された純粋感覚性軸索多発ニューロパチー,三叉神経痛 2 以下に示すような中等度活動性末梢神経障害 NCSで証明された運動障害を伴わない軸索性感覚運動ニューロパチー,クリオグロブリン性血管炎を伴う 純粋感覚ニューロパチー,軽度か中等度の運動失調のみを伴う神経節炎,軽度の機能障害(運動障害がな いか軽度の運動失調がある)を伴ったCIDP,末梢神経由来の脳神経障害(三叉神経痛を除く) 3 以下に示すような高度活動性末梢神経障害 最大運動障害≦3/5を伴う軸索性感覚運動ニューロパチー,血管炎による末梢神経障害(多発単神経炎な ど),神経節炎による重度の運動失調,重度の機能障害(最大運動障害≦3/5,あるいは重度の運動失調)を 伴ったCIDP (不可逆的障害による安定した長期の症状または疾患に無関係の末梢神経障害は活動性なしとする) 中枢神経 障害 0 現在,活動性の中枢神経障害なし 1 以下に示すような中等度の活動性中枢神経障害 中枢由来の脳神経障害,視神経炎,純粋感覚障害か知的障害の証明に限られた症状を伴う多発硬化症様症 候群 3 以下に示すような高度活動性中枢神経障害 脳血管障害を伴う脳血管炎または一過性脳虚血発作,けいれん,横断性脊髄炎,リンパ球性髄膜炎,運動 障害を伴う多発性硬化症様症候群 (不可逆的障害による安定した長期の症状または疾患に無関係の中枢神経障害は活動性なしとする) (次ページへ続く) 表3 Sjögren症候群の重症度評価(文献5)(続き)

(6)

全身症状や腺症状,腺外症状を含めてスコア化

し,重症度や経時変化を追うことが数値として

可能となった.2015年からSSは特定疾患の対象

と な っ た が, 申 請 の 際 の 臨 床 調 査 個 人 票 で

ESSDAIによる疾患活動性記載が必須となって

いる.

5.治療

 治療方針を立てるにあたって,SSが一次性か

二次性か,腺型か腺外型か,腺外型の場合その

活動性と重症度を評価する必要がある.腺症状

のみであれば対症療法が中心であるが,急性間

質性肺炎,間質性腎炎,中枢・末梢神経障害な

どの腺外症状にはステロイドをはじめとする免

疫抑制療法が必要であることが多い.

 1996 年に厚生省特定疾患自己免疫疾患調査

研究班による治療指針マニュアルが発表されて

いるが,その後,新規薬剤が複数認可されてお

り,現在提唱されている治療方針チャートを

に示す

7,8)

 腺症状に対しては対症療法が中心となる.点

眼薬では,人口涙液,ヒアルロン酸などに加え,

ムチン産生を促すジクアホソルナトリウム,ム

チン産生や結膜杯細胞数増加作用を有するレバ

ミピドなど新規作用薬を使用可能である.眼科

による涙点プラグ挿入も有効である.唾液分泌

を促す薬剤としては,ムスカリン性アセチルコ

リン受容体に作用して唾液分泌を促すセビメリ

ン水和物,ピロカルピン塩酸塩などがある.

 腺外症状を有する場合には,活動性,障害臓

器,重症度に応じて治療薬を選択する.重症の

間質性肺炎,間質性腎炎などでは大量ステロイ

ド,ステロイドパルスやメトトレキサートやリ

ツキシマブなどの免疫抑制薬,生物学的製剤併

用を必要とすることもある.

6.診療上の注意

 合併症として,慢性甲状腺炎,原発性胆汁性

血液障害 0 自己免疫性血球減少なし 1 自己免疫性血球減少で以下の3項目のいずれかを満たす 好中球減少(1000<好中球<1500 /mm3)を伴う 貧血(10<Hb<12 g/dl)を伴う 血小板減少(10万<血小板<15万)を伴う あるいはリンパ球減少(500<リンパ球<1000 /mm3)を認める 2 自己免疫性血球減少で以下の3項目のいずれかを満たす 好中球減少(500≦好中球≦1000 /mm3)を伴う貧血(8≦Hb≦10 g/dl)を伴う 血小板減少(5万≦血小板≦10万)を伴う あるいはリンパ球減少(リンパ球≦500 /mm3)を認める 3 自己免疫性血球減少で以下の3項目のいずれかを満たす 好中球減少(好中球<500)を伴う 貧血(Hb<8 g/dl)を伴う 血小板減少(血小板<5万)を伴う (貧血,好中球減少,血小板減少については自己免疫性血球減少のみ考慮すること,ビタミン欠乏,鉄欠 乏,薬剤誘発性血球減少を除く) 生物学的 所見 0 下記の生物学的所見なし 1 以下の3項目のいずれかを認める クローン成分 低補体(低C4または低C3または低いCH50) 高γグロブリン血症,高IgG血症(1600≦IgG≦2000 mg/dl) 2 以下の3項目のいずれかを認める クリオグロブリンの存在 高γグロブリン血症,高IgG血症(IgG≧2000 mg/dl) 最近出現した低γグロブリン血症,低IgG血症(IgG<500 mg/dl) 表3 Sjögren症候群の重症度評価(文献5)(続き)

(7)

肝硬変などを合併することがしばしばあり,定

期的なチェックとともに,合併の際には該当す

る科と連携しての適切な治療が必要である.ま

た,悪性リンパ腫合併頻度が高いため,注意す

る.抗SSA抗体陽性の患者が妊娠した場合,新

生児ループスのリスクがある.特に房室ブロッ

クはペースメーカーを要することもあり,産

科,小児科との連携が不可欠である.

おわりに

 SSは長らく対症療法のみで対応する疾患とい

う認識が強かったが,近年新しい分類基準,疾

患活動性評価基準が作成され,さらに免疫抑制

薬や生物学的製剤などの新しい治療薬による病

態にアプローチした治療が試みられている.今

後の発展が期待される疾患である.

著者のCOI(conflicts of interest)開示:金子祐子;講演 料(アステラス製薬,アッヴィ,エーザイ,中外製薬, ブリストル・マイヤーズ,ユーシービー) 図 Sjögren症候群治療方針(文献7を参考に引用改変) 腺症状 腺外症状 ドライアイ 活動性が低い場合 微熱 リンパ節腫脹 関節痛 活動性が高い場合 進行性間質性肺炎 間質性腎炎 中枢神経障害 高γグロブリン紫斑 ヒアルロン酸Na点眼(ヒアレイン点眼薬Ⓡ 人口涙液(マイティアⓇなど) ジクアホソル点眼(ジクアス点眼液Ⓡ レバミピド点眼(ムコスタ点眼液Ⓡ 涙点プラグ ドライアイ保護用眼鏡(モイスチャーエイドⓇ セビメリン(サリグレンⓇなど) ピロカルピン(サラジェンⓇ ブロムヘキシン(ビソルボンⓇなど) 麦門冬湯 人口唾液(サリベートエアゾルⓇ ジュガーレスガム 非ステロイド抗炎症薬(ロキソニンⓇなど) 少量ステロイド(プレドニンⓇ)5-30 mg/日 ステロイド(プレドニンⓇ)30-60 mg/日 ステロイドパルス(ソルメドロールⓇ 免疫抑制剤(エンドキサンⓇなど) ドライマウス

(8)

文 献

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参照

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