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高性能繊維補強モルタルを適用したRC部材の一軸引張挙動に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 高性能繊維補強モルタルを適用したRC部材の 一軸引張挙動に関する研究 塩永 亮介1・佐藤 靖彦2・Joost C. WALRAVEN3 1正会員. 2正会員. 株式会社IHI 技術開発本部(〒235-8501 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地) E-mail : [email protected]. 北海道大学大学院准教授 北方圏環境政策工学部門(〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目) E-mail : [email protected] 3Delft. University of Technology, Full Professor, Faculty of Civil Engineering and Geo Sciences (Stevinweg 1, 2600 GA Delft, The Netherlands) E-mail : [email protected]. 本論文では,130N/mm2程度の圧縮強度を有し,鋼繊維を最大で1.6vol.%で混入した高性能繊維補強モルタ ルを適用したRC部材の変形特性とひび割れ性状の把握を目的に,両引き試験およびそれに対する数値解 析を実施した.実験より,鋼繊維の混入率が高いほどひび割れ荷重や降伏荷重が向上し,ひび割れ分散性 が高まるとともに,テンションスティフニングの効果も増加した.しかし,鋼繊維が同混入率であっても 配向性の違いでその効果が低下することも明らかとなった.また,これらのRC部材の一軸引張挙動を数値 解析的に把握することを目的に,材料特有の引張軟化特性を考慮した2次元剛体バネモデル解析手法を開 発し,本解析法が所要の精度を有することを確認した上で,平均ひび割れ幅の評価法を検討した.. Key Words : high strength, fiber reinforced mortar, tension stiffening, fiber orientation, RBSM. 1. はじめに. の類の高性能材料の優れた特性を活かした機能性に富ん. 鋼製や樹脂製の繊維を混入した短繊維補強コンクリー. だ構造を社会に供給していくには,現場施工が可能な RC構造へも適用できる材料開発が必要と考えられる.. トは,コンクリートの弱点である引張抵抗力を改善する. そのような認識の下で,筆者らは現場打ちRC構造へ. 材料として古くよりその力学的特性に関する研究が進み, の適用を想定し,一般湿潤養生で圧縮強度130N/mm2程 実用化に向け国内でも指針等が整備され1), 2),多くの社 会基盤構造物へ適用されてきた.近年では,セメントマ. 度を発揮し,かつ自己充填性を有する高性能繊維補強モ ルタル(High Performance Fiber Reinforced Mortar:以下,. トリックスの高強度化や各種繊維の製造技術の向上とあ. HPFRMと略記)を開発した8), 9).本材料は,低水粉体比. いまって,短い繊維を比較的高い混入率で使用すること. 20%程度のモルタルに鋼繊維を最大で1.6vol.%混入して. で,コンクリートの引張靭性を大幅に改善させる,超高 強度繊維補強コンクリート(以下,UFCと略記)や複数. いる.この材料の特徴は,圧縮強度はUFCの規定とは異 なる100~150N/mm2の範囲であり,引張特性は HPFRCC. 微細ひび割れ型セメント系複合材(以下,HPFRCCと略. が規定する擬似ひずみ硬化は有さないものの,従来の鋼. 記)といった高性能材料が開発され,その設計基準も整. 繊維補強コンクリートより大きな破壊エネルギーを有す. 3), 4). ってきている. 2. .中でも圧縮強度150N/mm 以上かつ鋼. ることにある.このHPFRMをRC構造に適用し構造の合. 繊維混入率2.0vol.%を標準とする超高強度繊維補強コン. 理化を図る上で必要となるのが,HPFRMと鉄筋と併用. クリートは,その高い強度と優れた引張靭性を設計で見. した部材の引張力に対する変形特性とひび割れ性状の評. 込むことで,部材断面の縮小化や薄肉軽量化が図れるこ. 価である.とくに分散鉄筋モデルを活用した有限要素解. とを大きな特徴としている.ただし,所定の強度発現と. 析にて使用性能の評価を行う上では,鉄筋の付着の影響. 過大な自己収縮ひずみの抑制には熱養生設備が必要とな. も加味した平均応力-平均ひずみ関係,いわゆるテンシ. ることから,その適用は工場製作のPC構造が中心であ. ョンスティフニングの把握が重要となる.これまで,高. 5), 6), 7). り. ,RC構造への適用実績は乏しい.しかし今後,こ. 強度かつ短繊維混入のモルタルと鉄筋を併用した部材の. 366.

(2) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 引張挙動に関する既往の研究として,欧州ではLeutbecher 10). 良したものである.骨材には最大2.0mmまでの粒度調整. 11). & Fehling ,国内でも川口ら の研究成果が挙げられるが, した細骨材を用い,結合材には高強度用セメントとシリ. いずれもマトリックス強度,繊維の種類や混入率,補強. カ系微粉末を用い,水結合材比を22.0%とした.また鋼. 鋼材の種別が本研究で対象としている範囲と異なること. 繊維には,長さ13mm・径0.16mmの短繊維(引張強度 2000N/mm2以上)を用い,容積混入率1.6vol.%を最大とし. から,新たな検討が必要と考えた. そこで本研究では,異形鉄筋を埋め込んだHPFRM部. た.練り上がり時に十分な自己充填性を有し,かつ鋼繊. 材について,一軸引張力に対する変形特性とひび割れ性. 維や骨材が分離なく均一に分散するように単位骨材容積. 状を実験および解析的に明らかにすることを目的とした. および高性能減水剤の添加量で調整している. 本研究では,RC部材の引張特性を「鉄筋の平均応力- 平均ひずみ関係」と「HPFRMの平均応力-平均ひずみ. (2) 圧縮強度・割裂引張強度. 関係(テンションスティフニング)」の和として表すこ. 上記配合のHPFRMの強度特性として,100mm立方体. とを考え,実験パラメータとして鋼繊維の混入率および. 試験体による圧縮強度および割裂引張強度(EN-12390準. 配向性に着目し,これらがテンションスティフニングや ひび割れ性状に与える影響を明らかにする.解析的評価. 拠)の試験結果を表-2に示す.鋼繊維の混入率を0,0.8, 1.6vol.%と変えた配合に対して試験を実施した.鋼繊維. では,個々のひび割れ進展性状のシミュレートが可能な 不連続体力学に基づく剛体バネモデル(Rigid Body Spring. より圧縮強度が約10%増加したのに対し,割裂引張強度. Model:以下,RBSMと略記)解析を用いて,HPFRMに. は約75%の増加がみられた(この割裂引張強度は試験時. 対する解析手法を提示するとともに,ひび割れ間隔やひ. の最大荷重から便宜的に弾性論で与えれる式により求め. び割れ幅に関するHPFRMのひび割れ特性を検証する.. ている).なお,静弾性係数は鋼繊維混入率の差にあま. なしの高強度モルタルに対し,1.6vol.%の鋼繊維混入に. り影響されず,各ケースとも46.0kN/mm2前後であった.. 2. HPFRMの材料特性 (3) 引張軟化特性 HPFRMに対する引張軟化特性の把握は,Pansukら14)の. (1) 配合特性 本研究で用いたHPFRMのフレッシュ性状を図-1に,. 研究における直接引張試験で実施された.この実験では. 配合条件を表-1に示す.本配合は,高強度シートパイル. 表-2に示す鋼繊維混入率を0,0.8,1.6vol.%とした3つの. 12). 13). (コンクリート製矢板)用にGrünewaldら やLappaら に. 配合を対象とした.引張試験方法は,Markovic15)の研究. よって開発された配合をベースに,通常の湿潤養生によ って材齢28日の圧縮強度130 N/mm2を達成するように改. に基づき図-2に示すダンベル型の供試体を採用した.供 表-2 高性能繊維補強モルタルの強度試験結果 鋼繊維 混入率. 圧縮強度. 割裂引張 強度. 弾性係数. [vol.%]. [N/mm2]. [N/mm2]. [kN/mm2]. 0. 128. 9.7. 45.8. 0.8. 134. 14.8. 45.9. 1.6. 141. 17.2. 47.0. 中心断面 60×60mm (切欠き深さ:5mm). LVDT’s(変位計) 図-1 高性能繊維補強モルタルのフレッシュ性状. 骨材の 最大径. 水紛 体比. 鋼繊維 混入率. スランプ フロー. [N/mm2]. [mm]. [%]. [vol. %]. [cm]. 130. 2.0. 22.0. ~1.6. 60±10. 45. 160. 70. (単位:mm). 図-2 直接引張試験の試験体. 367. 180. 目標 強度. 140. 表-1 高強度繊維補強モルタルの配合条件.

(3) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 3. 鉄筋を有するHPFRMの両引き試験. 試体長は180mmであり,中央の最細部はひび割れを誘発 する深さ5mmの切欠きを設け60×60mmの断面としてい び背面に2本ずつ設置した長さ110mmの変位計で計測し,. (1) 実験目的 HPFRMを適用したRC部材の一軸引張試験として,角. その平均値を算出した.また,同ケースに対して4本作. 柱試験体に埋設した異形鉄筋を介して軸方向にHPFRM. 製し,その平均で引張軟化特性を評価した.. へ引張力を与える,いわゆる両引き試験を採用した.実. る.試験体の軸方向変位は,図-2に示すように前面およ. 直接引張試験で得られた引張応力-変位の関係を図-3. 験パラメータは鋼繊維の混入率および配向性とし,これ. 示す.鋼繊維未混入の高強度モルタルが,ひび割れ強度. らが部材の変形特性やひび割れ性状,またHPFRMのテ. 到達後にすぐ破壊に至るのに対し,HPFRMは3つの領域. ンションスティフニングに与える影響を評価することを. を持った引張挙動を示すことがわかる.すなわち,ひび. 目的とした.. 割れ発生までの弾性域,ひび割れ発生から最大引張強度 までのひずみ硬化域,またそれ以降の軟化域に区分され. (2) 試験体と実験ケース. る.この直接引張試験から得られた強度特性値を表-3に. 両引き試験の試験体を図-4に示す.試験体断面は50× 50mmであり,中心に直径10mmの異形鉄筋を埋め込んだ.. まとめた.ひび割れ発生強度は,鋼繊維混入率増加に伴 い上昇したものの,ひび割れ発生強度の割裂強度に対す る比率は40%程度であった.また最大引張強度は,ひび. D12. 割れ発生強度に対して約1.1倍であった.さらに最大引. カップラー. 張強度以降の軟化域は,双曲線に近い挙動を呈し,軸方. B. 75. B. 向変位が6~8mmの間でおおよそゼロに漸近した.試験 端部補強筋. 体に発生したひび割れは切り欠き部の1本であったこと. D6. から,この変位がひび割れ開口変位に等しいと言える. ひび割れ発生から最大ひび割れ幅までの応力-ひび割れ 25. A. 10. 8. 8. Vf=1.6 vol.%. 50 D10. 2. 引張応力 [N/mm ]. 10. 6. 4. 4. 2. 2. 50. Vf=0.8 vol.%. A-A 断面 75. 6. A. 測定長 550mm. B-B 断面. 試験体長さ 700mm. 開口変位で囲まれる破壊エネルギーは,鋼繊維混入率が 0.8vol.%で13.7 N/mm,1.6vol.%で20.3 N/mmであった.. Vf=0 vol.%. 0 0.0. 0. 0.2 0.4 軸方向変位 [mm]. 0. 0.6. (0~0.6mm). 2 4 6 軸方向変位 [mm]. 8. 図-4 両引き試験の試験体寸法. (0~8.0mm). 図-3 直接引張試験の結果 変位計 L=550 mm. 表-3 直接引張試験における強度特性. 鋼繊維 混入率. ひび割れ発生 強度(*1) 2. 最大引張 強度 2. 破壊エネ ルギー. [vol.%] 0. [N/mm ] 3.99(0.41). [N/mm ] 3.99. [N/mm] 0.13. 0.8. 5.05(0.34). 5.50. 13.7. 1.6. 7.91(0.46). 8.70. 20.3. (試験体の変位計測) 変位計 L100×5=500 mm. (ひび割れ幅の計測). 注)*1:表-2 の割裂引張強度に対する比 図-5 変位計測の設置要領. 368. 50.

(4) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 表-4 試験体ケースと結果概要. 実験パラメータ ケース名. 混入率 [vol.%]. 配向性 x or y. ひび割 れ荷重 [kN]. 0. x y x y. 7.15 9.13 8.25 11.42 10.77. TS00 TS08-x TS08-y TS16-x TS16-y. 0.8 1.6. 最大 荷重 [kN] 41.6 49.0 47.9 51.5 50.4. 試験体. x. x 配向 y 700mm. 50 切り落とし部. 500mm. 試験体のかぶりは20mmであり,鋼繊維の長さ13mmの 1.5倍を確保している.試験体の全長は700mmであるが,. 「x配向」ケースの打設方法 試験体. x. 両端に補強のため径6mmの棒鋼を端部より75mmの位置 まで埋め込んでいることから,実際の測定長は550mmと した.鉄筋(D10)の両端はカップラーを用いた機械継. y. 手とし,直径12mmの棒鋼に定着した.下端はロードセ. 700mm. y配向. ルを介して固定,上端では油圧ジャッキをセットし,鉛 直方向に載荷速度は約0.1 kN/秒で引張力を与えた. 50. 試験体の変位計測は,図-5に示すように各4面で実施. 切り落とし部. 500mm. した.打設面とその対面では,測定長550mmの区間で長 尺の変位計を取り付け,それらの平均値を試験体変位と. 「y配向」ケースの打設方法. した.それ以外の2面には,ひび割れ幅の計測を目的に, 100mm長の変位計を5つ連ねて取り付けた.100mm間で. 図-6 試験体の製作方法と配向性の調整. 計測された変位を,その間で確認できたひび割れ本数で 除した値をひび割れ幅とし,それらの平均値を平均ひび 割れ幅とした. 実験ケースを表-4に示す.実験パラメータは, HPFRMにおける鋼繊維の混入率と配向性とし,混入率 は0,0.8,1.6vol.%の3種類,配向性はx配向およびy配向 の2種類の計5ケースとした.同一条件の試験体はそれぞ れ3体製作し,その平均で評価した.ここで鋼繊維の配 向性は,試験体の製作時にHPFRMの流し込む方向を変 (a) x配向 [TS16-x]. えることでコントロールした.具体的には図-6に示すよ. (b) y配向 [TS16-y]. 図-7 切断面における配向性の確認. うに,打設の際に半円状シュートを用いて,HPFRMを 方向に流し込む「y配向」ケースとに分類した.さらに, 型枠の存置による配向性の阻害を防止するため,500× 700×50mmの大きな平板として打設し,そこから試験体 寸法に切断する製作法とした.実際に試験体を切断し,. 引張荷重. 鉄筋に沿って流し込む「x配向」ケースと,鉄筋と直交 収縮ひずみ・無し. 鉄筋単体の挙動. 鋼繊維の配向状態を確認した断面を図-7に示す.TS16-x では繊維本数も多く均一に分散され,繊維の切断面が真 円に近い.一方,TS16-yでは分散のバラツキが大きく,. 計測値(補正前). 切断面も楕円状のものが多いことが確認できた.. 収縮ひずみ補正後 平均ひずみ. (3) 実験結果. RC 部材の初期収縮ひずみ : εrc. a) 実験データの評価方法. コンクリート自体の収縮ひずみ : εcs. 自己収縮や乾燥収縮が無視できない材料を扱う場合,. 図-8 収縮ひずみの補正 16). 試験前までの材料自体の収縮ひずみによりRC部材にも. 369.

(5) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 初期ひずみが導入される.厳密にテンションスティフニ. 変位の関係を示す.また,前述の表-4にはこの試験結果. ングの効果を把握する上では,初期ひずみの程度に応じ. から得られた各ケースのひび割れ時の荷重および最大荷. て評価する必要がある.しかし本研究では評価の簡便性. 重をまとめている. 鋼繊維の混入率をパラメータとした図-9(a)の結果か. や汎用性を優先し,この試験前までの初期ひずみの影響. ら,鋼繊維混入率の増加に伴い,ひび割れ荷重および最. を省いたRC部材の荷重-平均ひずみ関係で評価した. 初期ひずみを求めるにあたり,一般に自己収縮が生じ. 大荷重とも増加することが明らかとなった.また,ひび. る初期材齢ではヤング係数が刻々と変化するため正確な. 割れ発生後の挙動で比較すると,鋼繊維が未混入のケー. 把握が困難となる.そのため本実験では,Bisshoff16)の研. スTS00では,ひび割れ発生後に部材の剛性が低下し,. 究を参考に図-8に示すように鋼繊維未混入の試験体. 徐々に鉄筋単体の挙動に漸近したのに対し,鋼繊維が混. (TS00)の降伏時のひずみと,鉄筋単体の引張試験に. 入されたTS08-xおよびTS16-xでは,ひび割れ後も鉄筋単. おける降伏ひずみとは一致するとの仮定から初期ひずみ. 体の挙動には漸近せずにある剛性をほぼ一定に保持した. を算出した.具体的には,TS00の3体の試験体より算出 した初期収縮ひずみの平均値εrc=310×10-6を用いて,残り. まま最大荷重に至った.最大荷重は,TS00は鉄筋単体. の実験データも同様に初期ひずみ補正を行った.. 荷重で約8~10kNの増加が見られた.これは割裂試験の. の降伏荷重と同等となったのに対し,TS08,TS16では. なお,試験に用いたD10異形鉄筋の力学的特性は,鉄. 傾向と同様,ひび割れ間に存在する鋼繊維の架橋効果に. 筋単体の引張試験より,降伏点が530N/mm2,弾性係数 が190,000 N/mm2であった.. より部材の降伏荷重が増加したものと考えられる.. b) 試験体の荷重-変位関係. ら,同混入率であっても,x配向のケースに対してy配向. 鋼繊維の配向性をパラメータとした図-9(b)の結果か のケースでは,ひび割れ荷重および最大荷重ともに低下. 60. 60. 50. 50 引張荷重 [kN]. 引張荷重 [kN]. 図-9に両引き試験で得られた引張荷重と部材の軸方向. 40 30 TS16-x 20. 40. TS08-x TS00. 10. 30. TS16-x. 20. TS16-y TS08-x TS08-y. 10. 鉄筋単体. 鉄筋単体. 0 -0.5. 0 0.0. 0.5. -10. 1.0. 1.5. 2.0 [mm] 部材の変位. 2.5. 3.0. -0.5. 0.0. 0.5. -10. (a) 鋼繊維混入率. 1.0. 1.5. 2.0 [mm] 部材の変位. 2.5. 3.0. (b) 鋼繊維の配向性 図-9 試験体の荷重-変位関係. 10. TS16-x. TS16-x. TS08-x. 8 6 4 鋼繊維の混入による 平均応力の増加. 2. TS16-y. 8. TS00. 平均応力 [N/mm2]. 平均応力 [N/mm2]. 10. TS08-x 6. TS08-y. 4 2. 0. 鋼繊維の配向性の違いに よる平均応力の範囲. 0 0.0. 0.1. 0.2. 0.3 平均ひずみ [%]. 0.4. 0.5. 0.0. 0.1. 0.2. 0.3. 平均ひずみ [%]. (a) 鋼繊維混入率. (b) 鋼繊維の配向性. 図-10 HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係(部材降伏前). 370. 0.4. 0.5.

(6) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. した.混入率の高い1.6vol.%の場合は,その配向性によ る差が大きいが,ひび割れ発生後はいずれのケースも, 剛性が低下して鉄筋単体に漸近することはなかった. TS00. c) HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係 実験パラメータがHPFRMのテンションスティフニン グに及ぼす影響を示すため,図-10にHPFRMの平均応力. TS08-x. -平均ひずみ関係を示した.ここで平均応力は,図-9に 示した部材の荷重-変位から鉄筋単体の荷重-変位を差 し引いて試験体断面積で除した応力値である.また平均. TS08-y. ひずみは,図-9の荷重0kNである変位を起点として,測 定長550mmで除したひずみ値である.ただし,部材内部 に埋め込まれた鉄筋の降伏荷重は,鉄筋単体を引張試験. TS16-x. した場合のそれとは異なることから,ここでは部材の降 伏ひずみ(約0.28%)前までの評価とし,それ以降は暫 TS16-y. 定的に点線で示した.正確な鉄筋の平均応力-平均ひず み関係については,解析結果を踏まえ4章で検討する. 図-10(a)より,試験体の剛性が最初に変化した時の荷. 図-11 試験体のひび割れ性状(降伏時). 重,いわゆるひび割れ発生荷重は,鋼繊維混入率の増加 に伴い大きくなった.この傾向は,表-3に示した直接引. 60. 張試験で得られたひび割れ強度と同様であった.また, ひび割れ発生後は,TS00では平均ひずみの増加ととも. 0.044. 50. に平均応力が低下するのに対し,TS08およびTS16では. 0.052 0.058 0.070. 0.113. 40 荷重 [kN]. 部材の降伏ひずみまでほぼ一定の応力を示した.これは 通常の鉄筋との付着による平均応力の持続に加え,ひび 割れ間の鋼繊維が引張荷重を伝達する効果と考えられ, 鉄筋が降伏に至るまでその効果が持続していたことを示. 30 TS16-x TS16-y TS08-x. 20. している. 10. 図-10(b)は,鋼繊維の配向性の違いによる平均応力 -平均ひずみ関係を示す.y配向のケースでは,x配向の. TS08-y TS00. 0. ケースに比べ,TS16では約15%,TS08では約5%の平均. 0.00. 0.02. 応力の低下であった.これより,鋼繊維混入率が高いほ. 0.04. 0.06. 0.08. 0.10. 0.12. 平均ひび割れ幅 [mm]. ど,鋼繊維の配向性の違いによる引張性能の差が生じや. 図-12 荷重と平均ひび割れ幅の関係. すいことがわかる. d) ひび割れ本数と平均ひび割れ幅 0.12. す.鋼繊維の混入率が高いほど,ひび割れ本数が増加し,. 0.10. ひび割れ間隔が減少し,鋼繊維によるひび割れ分散性が 明確に確認できた.一方,配向性の影響は降伏時のひび 割れ本数には大きく影響しなかったが,初期ひび割れの 発生荷重およびひび割れ本数が増加する過程は,y配向 ケースの試験体の方が早かった. 図-12に,載荷荷重に対する平均ひび割れ幅の推移を 示す.図中の数値は,部材降伏時のひび割れを示すが, TS00では0.113mmに対し,TS08-xで0.058mm,TS16-xで. 平均ひび割れ幅 wav (mm). 図-11に,部材降伏時の試験体のひび割れ観察図を示. 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 0. 0.044mmと鋼繊維の混入によりひび割れ幅が抑制されて いることを確認した.また配向性の影響をみると,y配. 10. 20 30 40 50 平均ひび割れ間隔 S av [mm]. 図-13 平均ひび割れ間隔と平均ひび割れ幅. 向のケースはいずれもx配向のケースより平均ひび割れ. の関係(部材降伏時). 371. 60.

(7) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 幅が15~20%程度増加した.. (3) 解析プログラム. 図-13に,部材降伏時の平均ひび割れ間隔と平均ひび 割れ幅の関係を示す.鋼繊維の混入率の増加に伴い,平. 本研究で適用した解析プログラムは,FRPシートで補 強したRC部材の引張試験を対象にKahlid & Sato19)が開発. 均ひび割れ間隔が小さくなったことで,平均ひび割れ幅. した2次元RBSM解析プログラムをベースに,HPFRM用. が減少する傾向となったことを示している.また両者の. に改良したものである.本プログラムでも,コンクリー. 関係には直線性があることから,HPFRMの場合も平均. ト要素は図-14に示すようにVoronoi多角形分割を基本と. ひび割れ幅は,平均ひび割れ間隔と鉄筋ひずみの積で表. している.鉄筋のモデル化は,斉藤20)によって開発され. すことができることを示している.. た離散鉄筋要素を用いる解析法とした.これは,図-15 に示すように,鉄筋を連続した梁要素の集合としてモデ ル化したもので,その各梁要素の両端には長さゼロのリ. 4. RBSM解析による挙動評価. ンク要素を用いてコンクリート剛体要素と結合している. (1) 解析評価の目的. このリンク要素に鉄筋とコンクリート間の付着すべり関. 前章で実験的に把握した鉄筋を有するHPFRMの一軸. 係を考慮することでRCとしての挙動を表現できる.. た.特に解析精度の面で,部材の荷重-変位関係のみの. また,鋼繊維のモデル化としては,既往の研究21)で RBSM解析にて個々の繊維を梁要素で離散的にモデル化. 比較でなく,ひび割れ間隔やひび割れ幅をも対象とし,. する手法も提案されているが,本研究では解析のモデル. より実際に近い引張破壊性状を表現することを狙いとし. 化や構成則の設定における取扱いの簡便性を考慮し,コ. た.そこで本研究では,解析手法に2次元RBSMを採用. ンクリート要素の引張軟化特性に鋼繊維混入の影響を含. し,解析条件として与える引張領域のHPFRM材料構成. ませることで考慮した.. 引張挙動を,解析的に再現できる手法の開発を目的とし. モデルについて検討する.さらに,実験でのパラメータ. 両引き試験を対象にした2次元解析モデルを図-16に示. であった鋼繊維の混入率や配向性の違いを解析で考慮す. す.HPFRM部は,要素数を700としてVoronoi分割し,中. る手法を提案し,それらが引張挙動に与える影響を定量 的に評価する. t n kn. (2) 解析手法. kt. kφ. 代表的な鉄筋コンクリート構造物の解析手法として, 有限要素法(以下,FEM)が挙げられる.近年では,材. j. 料特有の非線形構成モデルが開発・整備され,数値解析. i. Y. h. 環境の大幅な向上にも相まって多くの現象が解析可能と. x. なってきている.しかし,連続体力学に基づくFEMでは, 変位の連続性を前提条件としていることから,ひび割れ. 図-14 2 次元剛体バネモデル(RBSM)の概念. の進展や分散性を対象とするようなミクロな損傷解析に は不向きとされる.そこで本研究では,変位の不連続性 kφ. を特徴とし,ひび割れの進展を直接的に扱うことができ. kn. リンク要素 t. kt. るRBSMを適用することとにした. RBSMは,Kawai17)によって開発された離散型解析手法. n (xb,yb). であり,BolanderおよびSaito18)の研究によってコンクリー. (xi,yi). ト構造への有用性および発展性が示された.RBSMは. lb. 図-14に示すように,任意に分割された多角形要素が, その要素間の境界面で直方向およびせん断方向にバネで. 鉄筋梁要素. 図-15 RBSMにおける鉄筋のモデル化. 連結される.2次元モデルでは,各要素は3自由度の剛体 要素であり,境界面のバネ特性にはコンクリートの非線 形性を考慮した材料構成則を適用する.ひび割れは要素 の境界面に沿って発生するため,要素形状が破壊の進展. 75. 方向に影響することからVoronoi多角形分割を用いて要. 550 mm 700 mm. 素形状にランダム性を与えることで,ひび割れ進展の要 素依存性を低減している.. 図-16 両引き試験体の 2次元モデル. 372. 75.

(8) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 央にD10の鉄筋を梁要素で配置した.また実験で補剛し た両端より75mmの範囲は,補強筋分の剛性を考慮した. 10. 10. 8.70. 上で,要素の材料特性ではひび割れを許さない弾性体と. 7.91. 8. TS16 TS08. 2. 引張応力 [N/mm ]. して扱った.. 8. (4) HPFRMの材料構成則 本解析の材料構成則のモデル化においては,前述した ように鋼繊維混入の影響も含んだHPFRMの応力-ひず み関係を用いる必要がある.特にその影響が顕著なひび. 5.55. 6. 6. TS00. 5.05 4. 4. 3.99. 2. 2. 0. 0. 割れ発生後の材料構成則は,忠実なモデル化が重要とな. 0.0. 0.00 0.01 0.02 ひずみ [%]. る.そのため本解析では,図-3に示した直接引張試験デ ータに基づき,鋼繊維混入率ごとに引張構成モデルを作. 3.99. 2.0. 4.0 ひび割れ幅 [mm]. 6.0. 8.0. 図-17 引張領域の材料構成モデル(鋼繊維混入率). 成した.以下の式(1a)~(1c)にそのモデルを示す.なお, ひび割れ強度は鋼繊維混入率に伴い変化するものとし, 最大引張強度以降の軟化領域の推移には,Hordijk22)が提 案する軟化曲線式を利用した.表-5にモデル化に用いた. 45°. 90°. 0°. 物性値および定数を,図-17にモデル化した応力-ひず みおよび応力-ひび割れ関係を示す. εt≦ εcr. εt > εcr. σ t = Ecε t. (1a). 流入方向. かつ 0 < w < wc1. 図-18 配向性を考慮した直接引張試験 23). . σ t = f cr 1 + (α − 1) . w  wc1 . (1b). 1.2. . w − wc1   wc 2 . 3. 引張応力比 ft/fcr. . σ t = α ⋅ f cr ⋅ 1 +  c1. Vf=1.5%,0°. 1.0. εt > εcr かつ wc1 ≦ w ≦ wu.   w − wc1    exp − c2 wc 2   .   w − wc1 3 − (1 + c1 ) exp(−c2 ) wc 2. Vf=1.5%,45°. 0.8. Vf=1.5%,90° 0.6 0.4 0.2. (1c) 0.0 0. ここに,σt:HPFRMの引張応力[N/mm2],εt:HPFRMの 引張ひずみ,fcr:HPFRMのひび割れ強度[N/mm2],Ec:. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. ひび割れ幅 [mm]. 図-19 配向性の違いによる引張軟化曲線 23). 2. HPFRMの弾性係数[N/mm ],α:ひび割れ強度に対する 硬化域終了時の強度比率,w:ひび割れ幅[mm],wc1:硬. 10. 化域終了時のひび割れ幅[mm],wu:最大ひび割れ幅 [mm],wc2=wu-wc1[mm],c1,c2:軟化曲線式における係数. 7.91. 8.70. TS16-0. 8. TS16-45. 2. 引張応力 [N/mm ]. 8. 10. 表-5 モデル化に用いた物性値と定数 Vf. fcr. Ec. a. wc1. wu. c1. c2. [vol.%]. [N/mm2]. [N/mm2]. [-]. [mm]. [mm]. [-]. [-]. 0.0. 3.99. 45800. -. -. 0.00016. 3.0. 6.93. 0.8(x). 5.05. 45800. 1.10. 0.28. 7.5. 1.1. 2.80. 1.6(x). 7.91. 45800. 1.10. 0.44. 7.5. 1.1. 2.80. 6. 6. 4. 4. 2. 2. 0. 0. 0.00 0.01 0.02 ひずみ [%]. 6.33. TS16-90. 3.96. 0.0. 2.0. 4.0 ひび割れ幅 [mm]. 6.0. 図-20 引張領域の材料構成モデル(鋼繊維配向性). 373. 8.0.

(9) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. なお,図-17に示したモデルの参考とした直接引張試. ルを適用した.島モデルは,検長5mm程度のひずみゲー. 験では,ダンベル型の引張試験体の製作過程において,. ジから得られた局所情報により構築された局所付着応力. 鋼繊維がほぼ載荷軸方向に配向されることから,この材. -すべり− ひずみ関係であり,要素寸法を約6mmとした. 料構成モデルは,両引き試験における配向ケースで言う. 本解析に対して適した構成モデルと考えられる.また,. 「x配向」に相当するものとした.. 実験では平均ひずみが0.5%より小さく,鉄筋に沿うひ. 一方,鋼繊維の配向性の違いを考慮した構成則のモデ. び割れも確認されなかったことから本モデルの適用範囲. 23). ル化に関しては,山崎ら によって実施された本試験と. を超えていない.. 同種のHPFRM配合を用いた直接引張試験結果を参考と. 0.73 ⋅ {log(1 + 5s )} 1 + ε s × 10 5. 3. τ = f cd ⋅. した.この実験では,図-18に示すように一方向から流 入したHPFRM版から,3つの角度(0°,45°,90°). (2). s = 1000 S D. で切り出した角柱試験体に対して,それぞれ直接引張試 験を行った.試験結果から整理された配向ごとの引張軟 図-19に示す.この結果から,鋼繊維の混入率が同じで. ここに,τ:鉄筋の付着せん断応力[N/mm2],εs:鉄筋 ひずみ,S:付着すべり[mm],fcd’: HPFRMの圧縮強度. あっても,配向性の違いによって引張軟化特性が大きく. [N/mm2],D:鉄筋径[mm]. 化曲線(縦軸はひび割れ強度に対する応力比)の結果を. 異なることが明らかである.特にひび割れ強度到達直後. なお,本解析ではひび割れ位置での付着劣化19)は考慮. の応力挙動の違いが顕著であり,0°の場合は図-4の試. していない.これは,ひび割れ位置の繊維がコンクリー. 験結果と同様にひずみ硬化域を有するものの,45°の場. トと鉄筋との肌離れを抑制すると考えたからである.. 合はひび割れ直後に応力が約8割まで低下,90°の場合 はさらに5割以下まで急激に低下する挙動であった.. (6) 解析結果. 本研究ではこの実験結果に基づき,図-20に示すよう. a) 鋼繊維混入率による影響. な配向性の違いを考慮した引張構成モデルを作成した.. 図-21に試験体の荷重-平均ひずみ関係における実験. すなわち,ひび割れ発生強度は配向性によらず一定とし, 値と解析値との比較を示す.解析に用いた引張構成則は ひび割れ発生直後の応力低減係数αで,配向性による差. 図-17に示す3ケースであり,TS08およびTS16では鋼繊維. を影響させた.その後の軟化式は,前節と同様にHordijk. の配向性が載荷軸の方向に並行(0°)の条件としたた. 式を用いることとし,具体的には式(1b)および(1c)におい て,45°配向の場合はα=0.8かつwc1=0.174mmとし,90°. め,ケース名に「-0」が添えられている.いずれのケー. 配向の場合はα=0.5かつwc1=0mmとした.. 実験結果をシミュレートできた.しかし,TS16-0のケー. スも試験体の荷重-平均ひずみ関係において,解析値は. また,圧縮領域におけるHPFRMの材料構成則のモデ. スは,解析によるひび割れ時の荷重値が実験結果より高. ル化は,従来のプログラムで適用している構成モデルを. く示された.この要因としては,実験における鋼繊維の. 踏襲し,最大強度までは圧縮ひずみに応じた二次曲線の. 配向性が,解析で想定した理想的なx方向(載荷軸の方. 応力増加,それ以降は終局ひずみまで線形的に低下する. 向)に対し完全には配向していなかったことが考えられ. モデルとした.厳密には鋼繊維混入率の違いは圧縮軟化. る.つまり引張構成モデルの元データとした直接引張試. 特性に影響するが,本試験ではほとんどが引張応力場と なり,圧縮軟化のモデルは解に大きく影響しない. 60. なお本解析では,HPFRMの自己収縮,乾燥収縮およ びクリープ等に伴う初期ひずみ,初期応力については考. 50. 慮はせず,実験値との比較の際はその影響を除去した実 荷重 [kN]. 験データを扱った. (5) 鉄筋の材料構成則. 40 30 20. 鉄筋単体の構成則は,降伏棚を有しひずみ硬化域を考 慮したトリリニア型の応力-ひずみ関係を用いた.降伏. 10. 応力およびヤング係数は,鉄筋の引張試験より得た 530N/mm2および190,000N/mm2を用いた.鉄筋とHPFRM. 0 0.00. との付着モデルは,島ら24)が提案する以下の式(2)で示さ れる鉄筋ひずみと付着すべりによる付着せん断応力モデ. 0.10. 実験[TS16-x]. 解析[TS16-0]. 実験[TS08-x]. 解析[TS08-0]. 実験[TS00]. 解析[TS00]. 0.20 0.30 平均ひずみ [%]. 0.40. 図-21 試験体の荷重-平均ひずみ関係. 374. 0.50.

(10) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 験体(図-2)と比較して,両引き試験体では測定長 550mmの間に存在する配向性のバラツキにより,y方向. 関係を示す.TS08の降伏時の平均応力は490N/mm2, TS16では470N/mm2と,鋼繊維混入率が高いほど小さく. (載荷軸と直交方向)に傾いた配向となった部位が先行. なった.これは,鋼繊維混入量が多いほど,あるひび割. してひび割れたためと推察される.この鋼繊維の配向性. れ部の鉄筋応力が最初に降伏強度530N/mm2に達した際,. の影響については,次節で詳細に分析する.. 他の部位における鉄筋応力がより小さいことを示してい. 図-22に解析で算出した鉄筋の平均応力-平均ひずみ. る.これは,ひび割れ間隔が狭まっても,鉄筋に大きな 応力勾配が存在することを意味する.一般にひび割れ間 隔が狭まると,ひび割れ位置での付着劣化の影響が相対. 600. 的に大きくなり,ひび割れ区間での平均付着応力は低下 する.しかし,鋼繊維が存在するとひび割れ位置での付. 2. 平均応力 [N/mm ]. 500 400. 着劣化,すなわちコンクリートと鉄筋の肌離れが抑制さ. 300 200. 実験(鉄筋単体). れるため,大きな応力勾配が存在し得ると推察される.. RBSM[TS16-0]. このことは,ひび割れ位置での付着劣化を考慮していな い本解析が,実験結果を精度良く予測できている事実に. RBSM[TS08-0] 100. 符合する.なお鋼繊維ありのケースで,解析による平均. RBSM[TS00]. 応力は降伏後にやや低下する傾向を示したが,この理由. 0 0.00. 0.10. 0.20 0.30 平均ひずみ [%]. 0.40. を特定するには至らなかった.今後の課題としたい.. 0.50. この鋼繊維の効果も含んだHPFRM自身の応力分担を 把握する目的で,図-23にHPFRMの平均応力-平均ひず. 図-22 鉄筋の平均応力-平均ひずみ関係. み関係を示した.この図は,図-21から図-22の鉄筋の平 均応力分を差し引いて整理している.併せて示した実験. 12 解析[TS16-0]. データについても降伏ひずみ以降の平均応力は図-22に. 実験[TS08-x]. 解析[TS08-0]. 示した解析で算出された鉄筋の平均応力分を差し引いて. 実験[TS00]. 解析[TS00]. 整理しなおした.図-23より,いずれのケースでも解析. 8. によるHPFRMの平均応力-平均ひずみ関係は,部材の. 2. 平均応力[N/mm ]. 10. 実験[TS16-x]. 降伏後でも実験結果を概ねシミュレートできた.鋼繊維. 6. を混入したケースの解析値が鉄筋降伏前に一度下がる傾. 4. 向を示しているが,これはひび割れ部のHPFRMの引張 特性が軟化域に転じたことによると推察される.. 2. 本解析によるHPFRMの平均応力-平均ひずみ関係を. 0 0.00. 0.10. 0.20 0.30 平均ひずみ [%]. 0.40. 従来の提案式と比較するため,平均応力をひび割れ発生. 0.50. 強度で除して正規化したグラフを図-24に示した.鋼繊 維未混入のTS00に対しては,普通コンクリートのテン. 図-23 HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係. 1.4. 解析[TS16-0]. 1.2. 解析[TS08-0]. ションスティフニングモデルとして既往の研究をもとに 提案されているCollins & Mitchel25)のモデルおよび岡村・ 前川26)のモデルとほぼ同様の挙動を示した.一方,鋼繊 維を混入したTS08-0およびTS16-0では,ひび割れ後も高. 応力比 σt/fcr. 解析[TS00]. い応力を保持し,部材降伏以降もひび割れ発生強度に対. 1.0. して80%以上の応力を維持した.これより鋼繊維の混入. 0.8. が,テンションスティフニング効果の増加に寄与するこ. 0.6. 25). とが明らかとなった.また,TS08-0およびTS16-0はほぼ. Collins & Mitchel. 同様に推移していることから,0.8vol.%以上の混入率で. 0.4 0.2. あれば,ひび割れ発生強度で正規化した際の曲線形状に. 岡村・前川(c=0.4)26). 大きな差は生じないとみられる.ただし後述するように,. 0.0 0.00. 0.10. 0.20 0.30 平均ひずみ [%]. 0.40. これらの挙動は鋼繊維が載荷軸方向に配向された場合で. 0.50. あり,配向性の程度によってはその効果が低下すること に留意する必要がある.. 図-24 テンションスティフニングの比較. 375.

(11) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 用した本解析手法の妥当性が検証された.. 図-25にRBSM解析で得られた部材降伏時の試験体の. ひび割れ図(下段)を,実験結果(上段)とともに示す. b) 鋼繊維の配向性による影響 RBSM解析では実験とほぼ同等のひび割れ性状を再現で 鋼繊維の配向性をパラメータとしたRBSMによる解析 きている.具体的には,ひび割れ本数で比較すると, TS00では実験で12本に対し解析で14本,TS08では実験で. 結果について図-27に示す.配向性の違い(配向性0°, 45°,90°)を考慮した材料構成モデルは図-20に示し. 23本に対し解析で21本,TS16では実験で30本に対し解析. た軟化曲線を用いている.さらに,前節の鋼繊維混入率. で27本と概ね一致し,鋼繊維の混入率の増加に伴うひび. の検討と同様,HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係と. 割れ分散性の向上が十分再現できている.. しての比較を図-28に示す.. さらに図-26に,載荷荷重に対する平均ひび割れ幅の. 本解析結果より,鋼繊維の配向性が引張力の作用方向. 推移について,実験値と解析値の比較を示す.ここで, RBSM解析におけるひび割れ発生の基準としては,開口. に直交している(90°のケース)ほど,初期ひび割れ時. 変位が0.01mm以上となったものをひび割れと判定する. が減少する程度も大きくなることが示された.実験値の. こととした.いずれのケースも,荷重増加に伴う平均ひ. 整理の中でも同様の傾向がみられ,図-28に示すようにy. び割れ幅の推移は実験値に近いとみなせる.以上のひび. 配向ケースの平均応力はx配向ケースのそれに対し約15. 割れ本数および平均ひび割れ幅の比較から,RBSMを適. ~30%(約1.0~2.0N/mm2)低下している.一方,RBSM. の平均応力の低下が起こるとともに,その後の平均応力. 60 50. Vf=0vol.% 荷重 [kN]. 40 実験[TS16-x] 30. 実験[TS16-y] 解析[TS16-0]. 20. 解析[TS16-45] 10. Vf=0.8vol.%. 解析[TS16-90]. 0 0.00. 0.10. 0.20 0.30 平均ひずみ [%]. 0.40. 0.50. 図-27 試験体の荷重-平均ひずみ関係. Vf=1.6vol.%. (鋼繊維の配向性の影響) 図-25 ひび割れ分布(部材降伏時) 実験[TS16-x] 実験[TS16-y] 解析[TS16-0] 解析[TS16-45] 解析[TS16-90]. 12 60. 10 2. 平均応力[N/mm ]. 50. 荷重 [kN]. 40 30. 8 6 4. 20 10. 実験[TS16-x]. 解析[TS16-0]. 2. 実験[TS08-x] 実験[TS00]. 解析[TS08-0] 解析[TS00]. 0. 平均応力の低下幅(実験). 0.00. 0 0.00. 平均応力の低下幅(解析). 0.02. 0.04. 0.06. 0.08. 0.10. 0.12. 0.10. 0.20. 0.30. 0.40. 平均ひずみ [%]. 平均ひび割れ幅 [mm]. 図-28 HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係. 図-26 平均ひび割れ幅. (鋼繊維の配向性の影響). 376. 0.50.

(12) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. 向性が不利になった場合の方が,テンションスティフニ. 解析にて算出した0°ケースに対する90°ケースの平均 2. 応力の低下幅は約30~50%(約2.5~4.0N/mm )と,実験. ングの効果が低下する可能性もあることである.. で確認できたその幅よりも大きい.これは,解析で扱っ た配向の状態は,全ての繊維が一軸的に並んだ状態に近. c) ひび割れ間隔と平均ひび割れ幅の評価 HPFRM部材の鋼繊維混入率の違いによって,初期ひ. い配向性を考慮しているためであり,解析結果は配向性. び割れ発生後のひび割れ本数の増加とひび割れ幅の増加. の違いにより発生しうる最も大きな影響幅(最大値と最. を把握する目的で,図-29にRBSMで算出された平均ひ. 小値の幅)を示していると考えられる.つまり,実際の. び割れ間隔と平均ひび割れ幅の関係を示した.. 構造物を想定した場合,打設方向や型枠の影響で配向性. 大きな違いとしては,TS00のケースでは,段階的に. にある程度傾向がでるものの,ランダムに配向された鋼. ひび割れ本数が増加することで平均ひび割れ間隔が減り,. 繊維が一定量存在するために,解析にて算出されたこの. 平均ひび割れ幅が増加するのに対し,TS08-0および TS16-0では,ひび割れ発生後の早い段階から急激に複数. 範囲内に収まることになる. ここで強調すべきことは,同じ鋼繊維の混入率でも配. のひび割れが発生した後,ひび割れ間隔が20~30mm. 向性の差により,HPFRMの平均応力-平均ひずみ関係. (ひび割れ本数では15~25本)に収まり,ひび割れ本数. (テンションスティフニング)に差が生じることであり, がそれ以上増加しない,いわゆる定常状態に入るのが早 たとえば図-23と図-28との比較で言えば,鋼繊維の混入. いことがわかる.なおこの傾向は,実験における試験体. 量が1/2(1.6→0.8vol.%)となった場合より,鋼繊維の配. のひび割れ観察でも確認された. 図-30に,平均ひずみと平均ひび割れ幅の関係を示す. ここでは,実験で得られた平均ひずみと平均ひび割れ幅. 0.12 n=21 (定常). 平均ひび割れ幅 [mm]. 0.10. n=14本(定常). 0.08. TS00. との関係も併せて示した.図-13に対する考察で述べた. TS08-0. ように,この両者の関係には鉄筋コンクリートの一般的 な傾向と同様に直線性があり,HPFRMの平均ひび割れ. TS16-0. n=27 (定常). 幅も,ひび割れ間隔に鉄筋の平均ひずみを乗ずることで. 0.06. 表現できることが実験的にも解析的にも確認された.. n=10本. これらの比較検証より,RBSMを適用した本解析手法. n=7本. 0.04. により,部材の変形のみでなくひび割れ幅やひび割れ間. n=5本. 0.02. 隔についても精度良くシミュレーションできることを確. 0.00. 性の違いがそれらに与える影響を把握することができた.. 認したとともに,HPFRMにおける鋼繊維混入率や配向 0. 20. 40 60 80 平均ひび割れ間隔 [mm]. 100. 120. 5. 結論 図-29 平均ひび割れ間隔と平均ひび割れ幅の関係. 本研究では,圧縮強度130N/mm2程度のHPFRMを適用 0.12. 平均ひび割れ幅 [mm]. 0.10. 解析[TS00]. 実験[TS00]. した,鉄筋比3.14%のRC部材に対する両引き試験および 2次元RBSMを適用した数値解析評価を実施し,鉄筋を. 解析[TS08-0]. 実験[TS08-x]. 有するHPFRM部材の一軸引張挙動に関して以下の知見. 解析[TS16-0]. 実験[TS16-x]. を得た. 1)HPFRMの鋼繊維混入率の増加に伴い,RC部材のひ. 0.08. び割れ荷重および降伏荷重とも増加した.さらに,ひ び割れ分散性が高まり,平均ひび割れ幅が減少した.. 0.06. しかし,同じ鋼繊維混入率であっても繊維の配向性が. 0.04. 劣ると,ひび割れ荷重と降伏荷重は低下し,平均ひび 割れ幅も増加することが明らかとなった. 2)鋼繊維の混入率や配向性の影響を考慮したHPFRMの. 0.02 0.00. 引張軟化特性をモデル化し,これを2次元RBSMに適. 0.00. 0.05. 0.10 0.15 0.20 平均ひずみ[%]. 0.25. 0.30. 用する解析法によってHPFRMのテンションスティフ ニング効果を把握した.本解析手法は,RC部材の荷. 図-30 鉄筋ひずみと平均ひび割れ幅の関係. 重-変位関係だけでなく,ひび割れ幅やひび割れ間隔. 377.

(13) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. に関しても精度良く再現できる. 3)実験および2次元RBSMを用いた検討により,鋼繊維. 13). の混入率や配向性の影響を考慮した平均ひび割れ間隔 を求めることで,平均ひび割れ幅を予測できることを 明らかとした.ただし,鉄筋比や断面寸法も影響する. 14). と考えられ,これらを加味した予測式の構築は今後の 課題として残されている. 参考文献. 15). 土木学会編:鋼繊維補強コンクリート設計施工指針 (案),コンクリートライブラリー,No.50,1983.3. 2) 土木学会編:鋼繊維補強鉄筋コンクリート柱部材の 設計指針(案),コンクリートライブラリー,No.97, 1999.11. 3) 土木学会編:超高強度繊維補強コンクリートの設 計 ・施 工指針 (案 ),コン クリ ート ライブ ラリー, No.113,2004. 4) 土木学会編:複数微細ひび割れ型繊維補強セメント 複合材料設計・施工指針(案),コンクリートライブラ リー,No.127,2007.3. 5) 田中良弘,武者浩透,大島邦裕,安部吉広:超高強 度繊維補強コンクリートと用いた PC 橋梁の長スパン 化に 関する研 究開発,コ ンクリ ート工学 ,Vol.42, No.8, pp.30-36, 2004.8. 6) 松原功明,南雲広幸,安宅之夫,石井精一:長高強 度繊維補強コンクリートによるポストテンション方 式 PC 橋梁の施工報告,プレストレストコンクリート, Vol.49, No.6, pp.27-34, 2007.11. 7) 桜田道博,大山博明,森拓也:超高強度繊維補強モ ルタルの PC 構造物への適用,土木 技術,Vol.62, No.6, pp.28-34, 2007.6. 8) Shionaga, R. : Structural Behavior of High Performance Fiber Reinforced Concrete in Tension and Bending, 6th International PhD Symposium in Civil Engineering, 2006.8 (Zurich). 9) Shionaga, R., Walraven, J. C., den Uijl, J. A. and Sato, Y. : Combined Effect of Steel Fibers and Reinforcing Bars in High Performance Fiber Reinforced Concrete, 16th ibausil, 2006.9 (Weimar). 10) Leutbecher, T. and Fehling, E. : Crack Formation and Tensile Behaviour of UHPC Reinforced with a Combination of Rebars and Fibres, 2nd International Symposium on Ultra High Performance Concrete (UHPC), pp.497-504, March 2008. 11) 川口哲生,片桐誠,白井一義,二羽淳一郎:超高強 度繊維補強コンクリートと補強用鋼材の付着伝達機 構,土木学会論文集 E, Vol.65, No.1, pp.1-15, 2009.1. 12) Grünewald, S., Bolo, T., van der Veen, C. and Walraven, J. C. : Performance-based design of a high strength self1). 378. 16). 17). 18). 19). 20). 21). 22) 23). 24). 25). 26). compacting fibre reinforced mortar, Stevin-report 25.5-0130, Delft University of Technology, 2001.12. Lappa, E. S., van der Veen, C. and Walraven, J. C. : High strength, self-compacting steel fibre reinforced mortar for precast sheet piles, Stevin-report 25.5-03-12, Delft University of Technology, 2003.7. Pansuk, W., Sato, H., Sato, Y. and Shionaga, R. : Tensile Behaviors and Fiber Orientation of UHPC, Proceeding of 2nd International Symposium on Ultra High Performance Concrete, pp.161-168, 2008.3. Markovic, I. : High-Performance Hybrid-Fiber Concrete Development and Utilization, PhD thesis, Delft University and Technology, 2006. Bischoff, P. H. : Effect of shrinkage on tension stiffening and cracking in reinforced concrete, Canadian Journal of Civil Engineering, Vol.28, No.3, pp.363-374, 2001. Kawai, T. : New discrete models and their application to seismic response analysis of structure, Nuclear Engineering and Design, Vol.48, pp.207-229, 1978. Bolander, J. E. and Saito, S. : Fracture analysis using spring network with random geometry, Engineering Fracture Mechanics, Vol.61, No.5-6, pp.569-591, 1998. Khalid, F. and Sato, Y. : Numerical Investigation of Tension Behavior of Reinforced Concrete Members Strengthened with FRP Sheets, Journal of Structural Engineering (JSCE), Vol.55A, pp.1085-1093, 2009.3. Saito, S. : Fracture analysis of structural concrete using spring network with random geometry, Doctoral thesis, Kyushu University, 1999. Bolander, J. E. : Spring network model of Fiber Reinforced Cement Composites, High Performance Fiber Reinforced Cement Composites (HPFRCC3), Proceeding of the 3rd International RILEM Workshop, pp.341-350, 1999. Hordijk, D. A. : Local approach to fatigue of Concrete, PhD thesis, Delft University and Technology, 1991. 山崎大輔,Pansuk, W., 佐藤靖彦,塩永亮介:繊維の 配向性が自己充填型鋼繊維補強モルタルの引張軟化 特性に与える影響,土木学会第 63 回年次学術講演会 論文集, 5-261, pp.521-522, 2008.9. 島弘,周礼良,岡村甫:マッシブなコンクリートに 埋め込まれた異形鉄筋の付着応力-すべり-ひずみ 関係,土木学会論文集, No.378/V-6, pp.165-174, 1987.2. Collins, M. P. and Mitchell, D.: Prestressed Concrete Structures, Prentice-Hall, Inc., Englewood Cliffs, N.J., pp.766, 1991. 岡村甫,前川宏一:鉄筋コンクリートにおける非線 形有限要素解析,土木学会論文集, No.360/V-3, pp.110, 1985.8. (2009. 11. 16 受付).

(14) 土木学会論文集E Vol.66 No.4,366-379,2010.10. STUDY ON AXIAL TENSILE BEHABIOR OF HIGH PERFORMANCE FIBER REINFORCED MORTAR WITH REINFORCING BAR Ryosuke SHIONAGA, Yasuhiko SATO and Joost C. WALRAVEN This Paper presents experimental and numerical results on axial tensile tests of prism members with HPFRM (High Performance Fiber Reinforced Mortar) and conventional reinforcing bar. With increasing fiber content in the HPFRM, the tension stiffening effect was improved as well as cracks being distributed with finer crack width. In addition the orientation of the fibers affected both the tension stiffening and the crack distribution. To evaluate these structural behaviors the analytical simulation using 2D Rigid Body Spring Model was applied with some improvements on the material constitutive law for unique characteristics on the HPFRM.. 379.

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参照

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