Customer Oriented Organizational
Learning:Theoretical and Practical
Contribution of Customer-Oriented Management
Approaches to Orgaizational Learning(顧客中心
、組織学習:組織学習への顧客中心経営アプローチ
による理論的及び実践的な貢献)
著者
ERHAN CANDAS
号
62
発行年
2000
URL
http://hdl.handle.net/10097/14804
ア ル ハ ン ジ ャ ン ダ ッ シ ュ
ERHANCANDAS
学 位 の 種 類
博
士(経 済学)
学 位 記 番 号
経 博 第62号
学 位授与年月 日
平 成13年3月26日学位授与 の要件
学位規則第4条 第1項 該当
研 究 科 ・専 攻
東北大学大学院経済学研究科(博 士課程後期3年 の課程)
経営学専攻
学 位 論 文 題 目CustomerOrientedOrganizationa1Learning:Theoreticaland PracticalContributionofCustomer-OrientedManagement ApproachestoOrgaizationalLearning (顧 客 中 心 、 組 織 学 習:組 織 学 習 へ の 顧 客 中 心 経 営 ア プ ロ ー チ に よ る 理 論 的 及 び 実 践 的 な 貢 献)論 文 審 査 委 員
一精
滝
大
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授
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授
安
田
一
彦
論
文
内
容
要
旨
本 研 究 はこ っ の 主 な 目的 を 果 た す た め に構 成 さ れ て い る。 第 一 の 目的 は組 織 学 習(OL)の あ ら ゆ る プ ロ セ ス及 び要 因 を 明 確 に す る こ とで あ る。 第 二 の 目的 はOLに た い し顧 客 中 心 的 経 営(顧 客 志 向 マ ネ ー ジ メ ン ト:COM)ア プ ロ ー チ が い か に貢 献 す るか を 理 解 す る こ とで あ る。 言 い 換 え れ ば 、 実 践 的 なCOMア プ ロ ー チ を 使 ってOLを 評 価 す る こ とが 第 二 の 目的 で あ る。 こ れ らの2っ の 目的 を 有 す る本 研 究 に お い て 我 々 は新 し い概 念 、 す な わ ち 「顧 客 中 心 的 組 織 学 習 」 と い う コ ン セ プ トを提 案 す る。 「顧 客 中 心 的 組 織 学 習 」 は2っ の 主 な ア プ ロ ー チ と して 「顧 客 ケ ア 」 と 「顧 客 イ ン テ リジ ェ ンス学 習 」 か ら成 り立 っ こ と を提 言 す る。 そ の た め に本 研 究 で は、OAシ ス テ ム の 産 業 と 住 宅 産 業 に お け る企 業6社 の ケ ー ス ス タデ ィを 行 い、 更 に、 住 宅 企 業 の み を 対 象 に 調 査 研 究 を 行 っ た 。 これ らの 研 究 結 果 と文 献 レ ビ ュ ー を 統 合 的 に取 り扱 い、 顧 客 ケ ア 及 び 顧 客 イ ン テ リ ジ ェ ン ス学 習 の 枠 組 及 び ガ イ ドラ イ ンを 提 案 し、COMア プ ロ ー チ が い か に 組 織 学 習 を促 進 す るか と い う こ と に 焦 点 を あ て る。 第 一 の 目的 を 達 成 す る た め に 、 第2章 で 組 織 学 習 分 野 を あ らゆ る方 面 か ら分 析 し、 新 た に 独 自 の定 義 を得 る こ とが で き た。 組 織 学 習 の 定 義: 組 織 学 習 は ビ ジ ネ ス シス テ ム や プ ロ セ ス の 改 善 的 及 び 改 革 的 な 変 化 ・結 果 ・競 争 優 位 を もた らす た め に、 知 識 獲 得 や知 識 共 有 に よ る組 織 の ヒ ュ ー マ ン ・ウ ェ ア の 行 動 や 認 識 を 見 直 し、 改 良 す る こ と を 意 味 す る。 こ の定 義 は三 つ の重 要 な 要 素 を包 含 す る。 一知 識 マ ネ ー ジ メ ン ト ー人 材(学 習 者)マ ネ ー ジメ ン ト ー変 化 ・結 果(チ ェ ン ジ)マ ネ ー ジ メ ン ト 要 す る に 、 第 二 章 で は組 織 学 習 分 野 に お け る多 数 の 問 題 を 克 服 す るた め に組 織 学 習 を 定 義 す る と と もに 、OL分 野 の 主 要 な ア プ ロ ー チ や 概 念 を 取 り入 れ た新 しいOLモ デ ル を提 案 す る。 この 新 し い モ デ ル の3つ の 局 面 を 図 解 で 示 す 。 知 識 マ ネ ー ジ メ ン ト(KM)と 学 習 者 マ ネ ー ジ メ ン ト(LM) はOLモ デ ル の 基 本 的 な プ ロ セ ス を 形 成 し、 チ ェ ン ジマ ネ ー ジ メ ン ト(CM)は 結 果 が そ れ らの プ ロ セ ス と ど の よ う に 関 係 を もっ か と い う こ とを 示 す 。 KMは 知 識 獲 得 ・共 有 及 び 転 換 に 関 連 して い る。 本 論 文 で は デ ー タ ・情 報(イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン)や 知 識 の 相 互 過 程 を"知 識"と して 総 称 し(詳 細 に っ い て は第5章 参 照)、 「知 識 マ ネ ー ジ メ ン ト」 プ ロ セ ス に お い て 、 知 識 が 学 習 の ユ ニ ッ トで あ る こ と を提 言 す る。 LMプ ロ セ ス は、 組 織 の ヒ ュ ー マ ン リ ソ ー ス が 獲i得 ・共 有 ・変 換 され た 知 識 に 対 して ど の よ う な 認 識 や 行 動 変 化 を 引 き起 こす か と い う点 に焦 点 を あ て る。 ま た 、 本 論 文 で は 、 個 々 人 と集 団 が 各 々 組 織 学 習 の手 段 で あ る こ と を 提 言 す る。 これ ら2っ の プ ロ セ スが 目指 す 結 果 と してOLモ デ ル の3 番 目 の局 面 が 包 含 さ れ る。 能 力 の 変 化 、 ビ ジ ネ ス プ ロ セ スの 改 善 ・改 革 、 競 争 優 位 の 取 得 を 指 す 。 そ して こ の最 後 の 局 面 を 「チ ェ ン ジマ ネ ー ジ メ ン ト」 と称 す る。 新 しい モ デ ル は知 識(ユ ニ ッ ト)、学 習 者(手 段)、 そ して 変 更 一結 果(出 来 事)が 互 い を ど の よ う に関 連 づ けて い る か を指 摘 す る こ と に よ り、 組 織 学 習 を 実 行 す る上 で 学 習 欠 点 を 見 い 出 す こ とを 可 能 にす る枠 組 を 提 言 す る。 図1で は上 述 した組 織 学 習 モ デ ル の例 に つ い て 説 明 して い る。(図1: 「組 織 学 習 モ デ ル と組 織 の 階 層 」 参 照) 図1で は 学 習 す る 「場 」 を 「外 部 学 習 の 場 」 及 び 「内 部 学 習 の場 」 の2っ に分 類 す る。 「外 部 学 習 の 場 」 で あ る マ ー ケ ッ ト、 顧 客 、 競 争 相 手 、 業 界 団 体 、 協 力 会 社 及 び他 の外 部 ネ ッ トワ ー ク は 外 部 的 なOL機 会 と して 挙 げ られ る。 内部 のOLは 、 社 内 に お け る 個 人 、 部 門 内 、 部 門 間 、 役 職 等 と 様 々 な セ ク シ ョ ン間 の 相 互 作 用 を 通 して 実 行 さ れ るOLを 提 示 す る。 ま た 図1で は外 部 の 組 織 活 動 (販売 マ ー ケ テ ィ ン グ に重 点 を お く活 動)を 内 部 の 組 織 活 動(エ ン ジ ニ ア リ ング に 重 点 を お く活 動) と 区 別 し、 組 織 学 習 が そ れ ぞ れ に異 な る プ ロセ ス を 経 て 行 わ れ る こ と を 提 示 す る。 この モ デ ル は、 二 っ の役 割 を 持 っ 。 第 一 に、 組 織 学 習 の意 味 、 内容 及 び コ ア プ ロ セ ス に つ い て 明 らか にす る。 第 二 に、 組 織 学 習 を管 理 す る た め の枠 組 を 提 示 す る。 本 モ デ ル は、 組 織 学 習 分 野 の 複
雑 さ や 多 様 性 の 克 服 に 貢 献 す る 。 し か し、 本 モ デ ル の 弱 点 と し て 、 組 織 学 習 の 評 価 、 測 定 の た め の 実 用 的 な ア プ ロ ー チ 、 ツ ー ル を 必 要 と す る こ と が 挙 げ ら れ る 。 そ の 解 決 策 と し て 、 本 研 究 の 第 二 の 目 的 で あ る 「OLへ の 顧 客 中 心 的 経 営(COM)ア プ ロ ー チ の 貢 献 を 理 解 す る 」、 言 い 換 え れ ば 、 「実 践 的 なCOMア プ ロ ー チ を 使 っ たOLの 実 在 を 評 価 す る 」 と い う 目 的 の た め に 、COMの 実 用 的 な 管 理 ア プ ロ ー チ 、 す な わ ちTotalQualityManagement (TQM)・CustomerRelatlonshipManagement(CRM)とOLと の 相 互 関 係 を 研 究 す る 。 第3章 で は 文 献 レ ビ ュ ー や ケ ー ス ス タ デ ィ(ゼ ロ ッ ク ス と 富 士 ゼ ロ ッ ク ス のTQM実 践)に よ る TQMとOLの 相 互 関 係 を 解 析 す る。 第4章 で は 顧 客 関 係 管 理(CRM)に っ い て 文 献 レ ビ ュ ー し、 そ の 結 果 に っ い て 更 に 第6章 と 第7章 で 行 っ た 記 述 的 な 研 究 、 及 び 第7章 に お け る 実 証 研 究(サ ー ベ イ 研 究)の 成 果 と 合 わ せ て 統 合 的 に 考 察 し、 「顧 客 中 心 型 組 織 学 習 」 を 明 確 に す る二 っ の ア プ ロ ー チ を 提 案 す る 。 二 っ の ア プ ロ ー チ は 互 い に 緊 密 に 連 携 し 、COMが い か に 組 織 学 習 に 貢 献 す る か を 明 確 に し、 ま た 、 組 織 が 顧 客 か ら い か に 学 習 す べ き か を 明 確 に 評 価 す る た め に 不 可 欠 な ッ ー ル で あ る 。 第 一 の ア
図1組
織学習 モデル と組織学習 の階層
ブ ロ ー チ は 「顧 客 イ ンテ リ ジ ェ ンス 学 習 」(CIL)、2っ め は 「顧 客 ケ ア」(CC)で あ る。 第5章 と 第8章 で は さ らに これ らの ア プ ロ ー チ の 実 践 的 な フ レー ム ワー ク や ガ イ ドラ イ ンを 明 らか に す る 。 CCは 顧 客 と長 期 間 に わ た る 関 係 性 や パ ー トナ ー シ ッ プ を 組 む こ と に よ る顧 客 の ビ ジネ ス に た い す る要 望 や そ の解 決 策 を 明 確 にす る こ と に よ り、 顧 客 との 相 互 ベ ネ フ ィ ッ トを 創 造 す るプ ロセ ス を 指 す。 顧 客 ケ ア(CC)は 顧 客 知 識 を 得 る方 法 で あ る。CCは 主 に次 の要 素 を 包 含 す る。 1.顧 客 全 体 を、 企 業 自 身 に お け る価 値 に よ り区 別 し、 区 分 した顧 客 を 各 々 個 人 と して 更 に 区 分 す る こ と に よ り、 顧 客 毎 に 営 業 ・戦 略(ケ ア戦 略)を 発 展 させ る こ と 2.顧 客 の 問 題 に つ い て 、 価 値 供 給 元(企 業 自体)と 顧 客 自身 の双 方 の 認 識 を 高 あ る た め に顧 客 と の 信 頼 関 係 を 保 持 す る こ と 3.問 題 を 解 決 す る方 向 を 見 出 し、 顧 客 の学 習 能 力 と コ ン ビ タ ンス を 発 展 させ る こ と CILは 顧 客 を 中 心 とす るOLモ デ ル で あ り、 特 に顧 客 の デ ー タ ー イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ー知 識 が い か に イ ン テ リ ジ ェ ンス に進 行 す る か とい う こ とを 提 示 す る。 っ ま り、 イ ン テ リジ ェ ンス は顧 客 知 識 を 獲 得 し、 利 用 す る こ と に よ り企 業 自己 改 革 あ る い は 発 展 を は か る こ と に よ り顧 客 に よ り よ い サ ー ビス や 商 品 を フ ィ ー ドバ ック して い く こ とを 意 味 す る。 言 い換 え れ ば、 顧 客 知 識 を 重 要 視 し習 得 す る価 値 創 造 の許 容 ・能 力 を 表 す。 CILは 顧 客 と の接 触 か ら得 る知 識 を重 視 す る。 顧 客 は企 業 価 値 を 定 義 し、 ビ ジ ネ ス の成 功 ・失 敗 を 決 あ る立 場 を 有 す る。 し た が って 顧 客 知 識 は従 来 的 な ビ ジネ ス要 素 と と も に 戦 略 的 な競 争 優 位 要 素 の一 っ に な る。 本 論 文 の 第5章 で はCILとCCに っ い て 詳 し く述 べ 、 そ れ ぞ れ の デ ー タ ・情 報 ・知 識 ・イ ン テ リ ジ ェ ン ス ・ノ ウ ホ ワ イ(Know-why)・ ノ ウハ ウ ・学 習 ・顧 客 価 値 及 び補 足 的 な プ ロ セ ス を 明 確 に し、 ま た 、 そ れ らの相 互 関 係 に っ い て 論 述 し、 顧 客 イ ンテ リ ジ ェ ンス 学 習 モ デ ル を 提 案 す る。 第 5章 で は営 業 部 門 が 顧 客 イ ンテ リ ジ ェ ン ス を 生 成 す る た め に 特 別 な 役 割 を果 た す と仮 定 す る。 CII.は 次 の プ ロ セ ス を 明確 に す る(表1参 照): ・顧 客 知 識 を ど の よ う に獲 得 し、 そ して 共 有 す るか ・顧 客 か ら習 得 し共 有 化 され た知 識 が そ の 知 識 を取 り扱 う人 材 、 例 え ば フ ロ ン ト ・ラ イ ン ・ トゥル ー プ ス(Front-Line-Troops:顧 客 と 直 接 接 触 の あ る従 業 員 、 例 え ば 営 業 担 当 者)の 認 識(ノ ウ ホ ワ イ)や 行 動(ノ ウハ ウ)に い か に反 応 し促 進 す るか ・顧 客 知 識 が 組 織 の 人 材 を 通 じて ど の よ うに 付 加 価 値 や 結 果 に 反 映 さ れ る か 。 第6章 と 第7章 で はCILとCCの 実 行 に 焦 点 を 当 て る。 第6章 で は オ フ ィ ス オ ー トメ ー シ ョ ン (OA)シ ス テ ム の 産 業(富 士 ゼ ロ ッ ク ス 、 ゼ ロ ッ ク ス、IBM、 キ ャ ノ ン)の ケ ー ス ス タ デ ィを と りあ げ る。 第7章 で は住 宅 産 業 に焦 点 を あ て、 「東 日本 ハ ウ ス」 と 「ス モ リの 家 」 の ケ ー ス ス タ デ ィ を と り あ げ る。 さ らに第7章 で は住 宅 産 業 企 業 を対 象 に行 っ た 調 査 研 究 の結 果 を 提 出 す る。 これ ら の2つ の産 業 を 選 択 した 理 由 と して 、 両 方 の 産 業 が 顧 客 関 係 性 マ ネ ー ジ メ ン トの 先 駆 者 で あ る こ と が 挙 げ られ る。 顧 客 ケ ア に お い て は2つ の ケ ア形 式 に 分 類 さ れ る が 、 生 産 者 を対 象 に した 顧 客 ケ ア や 顧 客 関 係 性 マ ネ ー ジ メ ン ト(ビ ジ ネ ス対 ビ ジ ネ ス)に お い て は 「OAシ ス テ ム 産 業 」 が 、 ま た 消
費 者 を対 象 に した 顧 客 ケ ア や 顧 客 関 係 性 マ ネ ー ジ メ ン ト(顧 客 対 ビ ジ ネ ス)で は 「住 宅 産 業 」 が 代 表 と な る。 本 論 文 で は ケ ー ス ス タ デ ィ を通 して 顧 客 ケ ア の各 々 に つ い て 明 か に した 。 第8章 ・結 論 で はCILやCCの 実 践 的 な ガ イ ド ライ ン を 示 し、 本 研 究 全 体 が 次 の研 究 課 題 に対 応 で き る こ と を強 調 す る: ・組 織 学 習 の 定 義 に よ っ て 統 合 的 か っ 包 括 的 な 組 織 学 習 モ デ ル を 提 唱 し、 その モ デル を競 争優 位 に い か に 生 か せ るか を提 示 した。
・顧 客 中 心 的 経 営(COM)ア プ ロ ー チ とOLと の 相 互 関 係 に注 目 し、 それ らがOL評 価 の 対 象 と な る と い う こ と を 見 い 出 した。COMア プ ロ ー チ が 組 織 の学 習 能 力 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る か を 指 定 す る た め に 「顧 客 中 心 型 組 織 学 習 」 を 二 っ の ア プ ロ ー チ 「CIL」 と 「CC」 に分 解 し、 そ れ ぞ れ がOLを い か に促 進 す るか を 明 確 に した。 ・顧 客 か ら得 た知 識 を い か に イ ンテ リ ジ ェ ンス ・価 値 に生 か せ る か を 明 らか に す る新 しい ア プ ロ ー チ を提 言 した。
論 文 審 査 結 果 の 要 旨
本 論 文 は、 独 自の 組 織 学 習 モ デ ル を構 築 す る と と も に、 顧 客 志 向 経 営 ア プ ロ ー チ が 、 ど の よ う に 組 織 学 習 に貢 献 す る の か を、 オ フ ィ ス ・オ ー トメ ー シ ョ ン と住 宅 の2つ の 産 業 に お け る事 例 研 究 を 中 心 に、 明 らか に しよ う と した もの で あ る。 ま ず 、 第2章 に お い て は、 近 年 注 目 され て い る組 織 学 習 の 概 念 に つ い て レ ビ ュ ー し、 そ れ に基 づ い て 独 自 の組 織 学 習 モ デ ル を 提 起 す る。 組 織 学 習 を促 進 す る方 法 に は多 様 な もの が あ るが 、 第3章 で は特 に 総 合 的 品 質 管 理(TQM)と 組 織 学 習 と の 関 連 が 考 察 され る。 組 織 学 習 を 促 進 す る も う ひ と っ の経 営 手 法 と して 、 近 年 特 に 注 目 され て い る の が 顧 客 関 係 管 理 (CRM)の 概 念 で あ り、 第4章 で は こ の概 念 にっ い て 包 括 的 な レ ビ ュ ー が 行 わ れ る 。 この レ ビ ュ ー を 通 して 、 第5章 で は 「顧 客 イ ンテ リ ジ ェ ン ス学 習 」 と 「顧 客 ケ ア」 と い う2っ の キ ー 概 念 が 提 示 さ れ る。 前 者 は、 顧 客 を 中 心 と した 組 織 学 習 モ デ ル で あ り、 後 者 は、 顧 客 知 識 を 獲 得 す る方 法 に 関 わ って い る。 第6章 と第7章 で は、 こ の2っ の キ ー 概 念 に焦 点 を 当 て た 事 例 研 究 と サ ー ベ イ 調 査 が 、 そ れ ぞ れ オ フ ィス ・オ ー トメ ー シ ョ ン と注 文 住 宅 の2っ の 産 業 に っ い て 行 わ れ て い る。2つ の 産 業 の 詳 細 な 比 較 事 例 研 究 を 通 して 、 顧 客 関 係 管 理 に よ る組 織 学 習 メ カ ニ ズ ム の異 同 が 明 らか に され て い る。 最 後 に 、 第8章 と結 論 で は前 記 の2っ の キ ー概 念 の 実 践 的 な ガ イ ドラ イ ンを 示 す と と も に、 顧 客 関 係 管 理 の 手 法 が 、 い か に顧 客 を 中 心 と した 組 織 学 習 に貢 献 す る こ とが で き る の か につ い て の 結 論 を ま と め て い る。 本 論 文 は、 顧 客 関 係 を 通 した 企 業 の組 織 学 習 な い し知 識 創 造 と い う、 最 近 の 経 営 戦 略 論 の重 要 なテ ー マ に真 正 面 か ら取 り組 ん だ 労 作 で あ り、 包 括 的 な文 献 レ ビ ュ ー の 中 か ら著 者 独 自 の 組 織 学 習 モ デ ル を構 築 して い る。 ま た 、 モ デ ル を検 証 す るた あ の実 証 研 究 も、 特 に事 例 研 究 に っ い て は詳 細 な 内 容 で あ り、 企 業 の実 態 に迫 る もの とな って い る。 も っ と も、 研 究 の しか た が 記 述 的 で あ る た め に、 具 体 的 に情 報 技 術 な どを 利 用 して、 い か に顧 客 関 係 管 理 を 実 施 して い くべ きか の 方 法 論 に つ い て は、 な お 課 題 が 残 さ れ て い る と い え る。 しか し、 これ は 今 後 の 課 題 で あ って 、 本 論 文 の 価 値 を損 う も の で は け っ して な い。 よ っ て 、 本 論 文 は博 士 論 文 と して 合 格 と判 定 す る 。