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幼児が用いる性別判断の手がかり

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Academic year: 2021

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(1)Title. 幼児が用いる性別判断の手がかり. Author(s). 伊藤, 則博; 谷村, 美方子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 32(2): 191-204. Issue Date. 1982-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4874. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 幼 児が用いる性別判 断の手がかり. 伊藤 則博・谷村美方子. 〈は じめ に〉. i 子どもは, 『性の型づけ』 ( ) と呼ばれる社会化の過程を通じて, 自分の性にふさわし ext ng s yp い行動様式や態度 (性役割行動と呼ばれる) を獲得していく.. behav i 出生の直後から, 子どもが習得するさま ざまの行動基準 ( tandard) の 多く が, 男 女 を rs o 問わず同じ重みを持っているのに対して, この性役割の基準では, 1人の個人が『男』であるか『女』. であるかによって, それぞれ異った内容を持ち, また価値づけがなされている. そして, その基準 の内容や価値というのは歴史的または地理的に相違する場合が多いのであるが, しかし, それぞれ の時代と社会が個人に課している性別に適した行動基準を取り入れてゆくことは, 子どもの社会的. 発達における重要な課題のひとつであるとともに, それは自己概念の形成を含めた人格発達とも深 いかかわりをもつものである.. 子どもの性役割基準や行動の習得過程については, 従来, いくつかの異った考え方が提唱されて i i i い る. た と え ば, バ ン ジ ュ ラ (Bandura den f i t t ) ca on ,A) らは, 親 (特に同性の親) との同一視 ( i llearning), あ る い は 賞 (reward) また や親以外の他の同性をモデルとする観察学習 ( t obs e rva ona. 1 } ) に・よ る 強化 学習 に よ っ て 獲 得 さ れ て ゆく と して い る( は罰 (punishment , l be L これに対して, コールバー グ(Koh )は性役割獲得の先行条件として, 子どもの自己の rg .A. , i t 性別に対する認知 ( ) の存在を指摘し, 性役割の獲得において子ども自身の認知 的機能が co on を犯i 2 ) 重要な役割を 果たしていることを強調している( , . このように, これま でいろいろな立場にもとづいて, 性役割とその獲得過程についてたくさんの 実証的研究がなされてきたが, それらの多くは, 性役割意識または行動の指標を何に求めたらよい. か検討するもの, あるいは性役割の獲得と外的諸要因(家族など)の関係を検討し ,た研究であっ た. しかし, 最近では性役割の問題を子どもの側からとらえ直してみようとする試みがなされ始めた,. すなわち, 『子どもが, 性役割をどのように認知 しているか. また, それが発達的にどのように変化 してゆくか』 という観点から, この問題に接近しようとする動きである, 性別や性役割に関する意識と行動は, 経験的にみても, 幼児期にその萌芽が認められるのである が, 従来の幼児を対象とした研究は, あそびや玩具の選択といったレベ ルでとらえようとするもの. t が多かっ た. 勿論, そのような研究も重要であるが, 性役割という 概念は, 本来オバー ト( ) r ove な行動から知覚・感情・思考などの内的な諸過程をも包含した複雑な内容をもつものであるから,. 『幼児が, 性別や性役割をどのように知覚し, また解釈しているか』 という課題も明らかにされな ければならない, しかし, そのような研究は非常に少ないのである.. 191.

(3) . 伊藤則博・谷村美方子. 〈目 的〉. 1. 性役割の認知と手がかり 子どもは, 性別の認知にはじまる性役割の学習を通して, 自分の性に期待されている役割を明確. 化し, それを実際的場面において演じるようになる. 性役割を認知することと性役割と結びついた 行動をとることとは, 相互に影響しあっている. 自分の性にふさわしい行動がどのようなものであ るかを認知 した子どもは, その認知 した基準に従って, 行動を変化させる であろう.. ま た, 逆 に 自分 の性にふさわしい行動を実践することは, 性役割の認知をより確実なものにして ゆくと思われる, 従 って, 性役割の問題を考える場合には, 単に性別化された行動がどのようにあ らわれているかをとらえるだけでは不十分である. その行動と深く結びついた性役割認知の側面も 考慮する必要があるわけである. そして, この問題は前述した性役割の成立の契機 が, 子どもの認. 知 であるかそれとも 外的強化であるかという問題とは, 独立した課題として, 成立しうるものであ る.. 子どもは, どのような役割を果たすことが自分の性にふさわしいかを徐々に認知し, 演じ, その 中から 『男らしさ』 , 『女らしさ』 の概念を自分なりに形成してゆくだろう. 子どもが保有する (よ. うになる) 性役割の概念には, その子を取り巻く環境条件, とりわけ親の持っている性役割基準や 行動の相違によって, それぞれ多少の違いが認められるかもしれない. しかし, それはそれぞれの 社会・文化の規定している性役割の基準と大きくかけ離れたものではないはず である.. ところ で, 子ども が性役割を認知する過程は, 先ず, 人やモノそして人の行動様式や内面的な特 性などを, 『男』 または 『女』 という どちらかのカテ ゴリーに分類することに基づいている, このと き, 分類の手がかりとなるのは, 『男性』 なり 『女性』 なりに所属する{とみなされる) 特徴的な諸. 属性である, これらの属性のひとつひとつは, その性別を構成する要素 であり, それは同時に, 性 別を定義するための材料になるものである. すなわち, その手がかりがその子にとっては 『男』 ま. たは 『女』 の内容なのである. これらの要素は, 単独 でもあるいは複合したかたちででも, 性別を認知するための手がかりとな. りうるが, 子どもがどのような手がかりを性別の判断に用いるかということは, 発達の段階に従 っ て異なることが予想される.発達の初期には,手がかりとして服装や髪型といった知覚可能な (逆に いえば具体的知覚に 左右された) 外面的属性を多く用いるかもしれない. 発達にともなって, 使用 される手がかりは, 人の行動や思考内容な どに移行してゆくことが考えられる.. このようなことから, いろいろな発達段階において, 子どもの性役割認知の手がかりの使用のし かたに, どのような差異や特徴がみられるかを検討することによ ってその時期の子どもが認知して いる 『男らしさ』 , 『女らしさ』 の内容の解明に役立つの ではないかと考えたのである.. 2. 研究の目的 3 )は 性役割認知の手がかりとなる認知対象の次元として 外面的事実・個人的行動・社 東俊子ら( , ,. 会的行動ならびに内面的特性の4範 祷を構 成し, 小学2年から中学3年の児童について調査を行っ ている. それによると, 発達に伴 って性役割認知の手がかりとなる次元数の増大がみられ, また, その次元が外面的具体的事象からより内面的抽象的事象へと広がってゆく傾向があるということが 見出された. 東らの研究で対象とされた最年少の小学2年生において, 行動様式というレベ ルでの性役割が, 192.

(4) . 幼児が用いる性別判断の手がかり. 既にかなり明確に認知されていることが示されており, われわれはそのことに興味を惹か れた す . なわち, この知見は小学2年以前の段階において 男女の行動面 での違いが既に認知さ れている可 , 能性が示されていると考えたからである. そこで, 本研究では幼 児を対象として, 以下の 4点の課題を明らかにすることを目的にすること. に した.. ( 1 ) 幼児は, 服装や髪型などの外見的諸属性を性別判 断の手がかりとして どの程度用いている ,. か.. ( ) 幼 児は, 性別化された玩具等の所有物を, 性別判断の手がかりとして どの程度用いている 2 ,. か,. ( ) 服装や髪型な どの特徴や, 玩具に帰属さ れた性にもとづいて男女を 区別するようになっ てき 3 ている幼児は, 行動面における男女の違いをも認知す ることが可能であるか . ( 4 ) 服装や髪型, 性別化された玩具, あるいは行動様式等を手がかりとした性役割の認知の程度 は, 『同性』 に対する場合と 『異性』 に対する場合 では異なるか , そして, このそれぞれについて, 性差ならびに年齢差を検討することにし その分析を通して幼 , 児における性役割認知の特徴と役割基準の内容を探っ てゆこうと考えた .. く方法〉 幼児が, 人間を男または女という特定のカテ ゴリーに分類する時に用いる手がかりの種類を 次 , のように3群設定した. ①. 手がかりA (形状手がかり) ……髪型・服装・その他身につけているもの . 手がかりB (玩具手がかり) ……玩具・その他所有物 . ③ 手がかりC (行動手がかり) ……人の行動様式・行動特徴 . 手がかりAというのは, 男女に事実的に備わっ ている外面的な属性であり 行為としてあらわ れ , るの ではなく, その人がジッ と立っているだけで分るもの である 身体の一部と考えてよいだろう . . これに対して, 手がかりBは人間とは分離して存在するものであるが そのものを使用す る人間 , の性別を象徴的にあらわすことによって, 性別に帰属するものである , そして, 手がかりCはある場面における人間の行動特性をあらわすものである . ②. 1, 予備調査の実施 1) 手がかりの選定 この3種類の手がかりの内容を, より具体化し, 幼児を対象とした調 査で適用可能な方法を決定 するために, 4~5歳児14名 (男女各7名) を用いて予備調査を実施した . まず, 手がかりAの内容を導き出すために, 画用紙 (予め性別 の暖昧な子どもの絵を輪郭線のみ で描いてある) とクレヨンを与え, 『男の子』 , 『女の子』の絵を自由に描かせて, 幼児の男と女の形 状的な特徴のとらえ方を明らかにしようとした .. 次に, 被検児の描いた男女 児各1枚の絵を用いて, 『この子は どんなことをして遊ぶだろう?』 , 『この子は, どんなおもちゃ を持っているの?』 と質問し 自由に答えさせ る中から 幼児のあそ , , びや玩具の種類に男女 で違いがあるかどうかということ さらに その違いを幼児自身が認知 して , , いるかどうかを確かめようとした. 193.

(5) . 伊藤則博・谷村美方子. i ze18cm×25cm) を被検児に示し, それ s 手がかりBの選定のために, 玩具の絵を描いた図版 ( が 『男 児のもの』 か, 『女児のもの』 か, 性に帰属させた. 図版は, 従来の研究を参考に男性玩具と して『自動車』 , 『ま , 女性玩具として『人形』 , 『ダン プカー』 , 『飛行機』 , 『野球道具』 , 『ピストル』 『 『 ノ・ン ドバック』 まごと道具』 , 絵本』 , 中性玩具として 積木』 ,『 , 『熊のぬいぐるみ』 , 『ネ ッ クレス』 を用意した. 手がかりCは,前述した東らの研究で男と女を判定させるのに 有効とされた22対の 行動特性項目 のうち, 6対の 特性項目を選び, それぞれについて2問ずつの質問項目を作成した. 予備調査 では, 4問の質問を幼児が理解して分析可能 な回答を与えてくれるかどうか確めようとし これら12項目2 た.. 2) 予備調査の結果 予備調査の結果, 以下の5点が明らかに なっ た. ① 幼児は, 服装 (男児は ズボン, 女児はスカート等) や付属物 (リボン, 帽子等) あるいは洋. 服の色などによって, 男女を区別 している. ② 幼児の使用する玩具については, 男 児と女児ではかなり大きな違いがみられるが, あそびの. 種類には男女に 共通するものが多い, ③ 用意した玩具図版について, 図版の認知度は高く, 熊のぬいぐるみを除いてすべての図版の 性別帰属は適切 であった, また, 中性玩具として用いた 『絵本』 は, 描かれている絵の内容によっ. て, 男女いずれかに振り分けられる可能性がある. ④ 行動手がかりにつ いて, 行動面 での男女の違いの認知は, 幼児でも少なからず為されている が, 調査 では質問内容として, もっ と幼児が日常で経験する事柄を選ぶ必要がある. ⑤ 手がかりCの質問に対する幼児の回答の中には, 外面的な行動についてだけ でなく, より内. ex 面的な感情状態や動機について述べているものもあった ( , 『この 子は…困っ たナ…と思ってい る』 ・…・イヤ ダナ…… って思うの』 など) . , 『この子は・ 2. 本調査の実施 予備調査の結果を参考にして, 以下のような方法で本調査を実施した. 1) 対象児の選定. 被検児として,2つの保育所の幼児82名(表1) 表ー 対象幼児. を選んだ. 年齢は, 3歳から6歳まで分布するが, この年齢区分は保育所または幼稚園におけるクラ ス 分 け (年 長 . 年 中 . 年 少 組) と ほ ぼ 一 致 す る も の で あ る. 従 っ て, 各 年 齢 群 内 では 幼 児の 生 活 経 験 が 似 通 っ て お り, ま た, 物 に 関す る知 識 や 話 題 の 交 換 も 同 じよ う に 行 わ れ て い る と 考 え ら れ る.. \\\ 一 性 \ l・\ \- --、、十 \ 年齢区分 年齢 区分. 別 十 m 男. 」 女. a 計 青 ね. 6人 人 12人 28人 6 6歳児(5歳7カ月~6歳6カ月 5歳7カ月~6歳6カ月) 1. 5 カ月~5歳6カ月) 1 5歳児(4歳7 4歳7カ月~5歳6カ月. 16. 1 3. 4歳児(3歳7カ月~4歳6カ月) 9. 14. 23. 合. 計. 2人 0人 2人 40 人 82 人 2 人 4. 2) 検査用具と質問項目の作成. 予備調査を参考にして, 以下に示すような検 査図版と質問項目を作成した. ①手がかりAの検査図版 (組み合わせ図版) . 表2に示すような内容の組み合わせ図版4種 (男児・女児図版各2種) を作成した. 各図版は, i 頭部 ( s ze 6 cm × 8 cm) , 脚部 (8 × 7 cm) の3つの部分に分かれるように , 胴部 (7 × 8 cm) なっており, 各図版に描かれた子どもの目, 鼻, 口の大きさ, 手足の長さ, 頭と胴と脚の長さの比,. 体長等はすべ て等しくなるように配慮した. 表中のb とc , ロ・ハ・ニを除いた図版は, 黒い線のみ 194.

(6) . 幼 児が用いる性別判断の手がかり. で描 い て あ る.. 2枚の図版を呈示するための刺激呈示板と,被検児がカー ドの組み合わせをする解答板を これら1 作成した. このほかに, 練習用としてロボッ トを3つに切断した図版をつくり, 検者がそれを完成 してみせてやり方を説明したあと, 1 2枚のカー ドの組み合わせ を求めた. ②手がかりBの調査 図版 (玩具図版) 表3に示した1 2枚のB5版大玩具図版 を作成した. 予備調査 で用いた『熊のぬいぐる み』 『自 , 『 動車』 絵本 』 の回答傾向が思わしくなか っ たの で, これに替えて 『化粧品セッ ト』 , , 『レーシング カ ー』 , 『ク レヨ ン』 を用 い る こ と に し た,. これらの図版を1枚ずつ呈示し, 『これは, 何か?』とたずね, 玩具名を答えない時にはその玩具 を全く知らないか どうか確認し, 知らない場合には 回答に数えないことにした . 次に, 組み合わせ図版の女児 (A-a-イ) と男児 (C-c-ハ) 図版を子どもの前に 1組同時 に配置し, 『このオモチャ で遊ぶのは, どちらの子かな?教えて下さい』という教示を与え 反応を , ひき出した.. ③手がかりCの調査 (質問項目の作成) . 幼児に質問して分析可能な回答を得ることができると予想さ れる, 両性をあらわす行動特性項 目を6対用意した. そして, それらの特性が現われやすいと考えられる場面を それぞれ2場面ず ,. 2場面想定して, それぞれの場面に 2つずつの質問項目を用意した (表4) つ, 合計1 . この調査においても, 手がかりAで用いた男女 児図版 (A-a-イ, C-c-ハ) を利用した . 以上に述べたような3種類の調査を終了したあとで, 最後に被検児に次のような質問をした . ① 『00チャンは, 男?女?』 ② 『じゃあ, 大きくなったら男になるの?女になるの?』 ③ 『○0チャ ンは, 大きくなったらお父さんになるの?お母さんになるの?』. ④ 『00チャ ンは, 大きくなったら何になりたい?どんな仕事をしたい?』 ①は, 自己の性別 の理解を, ②では, 性別の不変性についての理解を, ③は 父母との類似性の , 理解を, ④は, 将来に対する希望 (性的同一性) を調べようとするものである . 表2 組み合わせ図版の特徴 女. ー. 児. A. 頭. 部. 長く結んだ髪 (D). 胴. 部. (a) スカ ー ト. 脚. 部. (ス). ブラウ スと. リ ボンの つ い た. 靴. 図. 版. 男. 児. 図. B. C (A) 花のついた帽子 (C) 野球帽 b. (c). D. (B). 版. 短い髪. 赤い T シ ャ ツと 青い T シ ャ ツと d Yシヤツと ズボ ン (b) ズボ ン (d) ズボン. (イ) 赤い靴. (二) 青い靴. (口) 黒い靴. (注) ( )内の記号は被検児への呈示順. 表3 玩具図版の内容 1(M) 2(F) 3(F) 4(M) 5(F) 6(N) 7(M) 8(M) 9(F) 10 (M) 1 1 (F) 12 (N) レーシング カ ー 人. ピス ト ル ネック 形 ままごと 道 レ ス 具. 積 木. 露費 飛行機. 化粧品 セット. ダンプ. ヵ. ー. ハンド ク レ ヨ ン バック. (注)表中の番号は呈示順,(M)男性玩具,(F)女性玩具,(N)中性玩具 195.

(7) . 伊藤則博・谷村美方子 表4. 質問項目. 行動特性. 番号. 項. 目. 内. 容. ( “ リ. (a) 皆で、 何をして遊ぶか決める時、 この子は. 支 配 的 VS .服 従 的. ①自分の考えたあそびをしたいと考えているか ?い ない か ? ②自分の考えたあそびをするだろうか ? し な い だろ う か ? な り (b) お友達とたくさんで汽車ごっこをする時、 この子は 1 ▲. ? 窄凄豊三隷な {翻奪え. (a). -こ し寒 い 日に こ の 子 は 、 、. ①お家の中にいたいと思っているか、 それとも外であそびたいと思って い るか ?. 活動的VS .非活動的. ②お家の中であそぶだろうか?外であそぶだろうか ? r o (b) ミ育園の話だけど、 この子が ①夜ふとんの中で、 あした保育園でどんなことをしてあそぼうと考えて . い るか な ?. 7. 独 立 的 VS .依 存 的. ②どんなことをしてあそぶだろう ? (a). 思うだろうか ? ②ひとりで留守番するだろうか?それともお母さんについてゆくだろうか? 10 (b) 二の子の大好きなお菓子が戸棚の上の方にあります。 この子がお菓子をと )うと思って、 いくら手を伸ばしても届きません。 この子は ①どう思うかな ? ②どうするだろうか ? ^ / u (a). 冒 防 的 VS .臆 病. f A .. (b). 6. 11. 攻撃的VS .非攻撃的. 12. 反 抗 的 VS .従順. ;母 さ ん が、 用 事 があ っ て でか け る とき、 こ の 子は、 ①ひとりで留守番するって思うだろうか ?お 母 さ んと 一 緒に 行き た い と. 8. (a). の子は、 自分の背の高さよりもっと高い所から、 ①飛び降りてみたいと思っているか ? 思 っ て い ない か ? ②飛び降りるだろうか?飛び降りないだろうか ?. 『 、 外 が暗く な っ てか ら ひ とり でお 使 いに 行 っ てき て』 と い わ れた ら、. の子は ①どう思うかな ? ②どうするかな ?. こ の 子は、 お 友 達に 『バ カ』 っ て い わ れた ら. かな? ない ま ま捧わ {蟹曙欝誉鴬7覇三. (b) この子の家にあそびに来た赤チャンが、 この子の大事なオモチャをとって もどしてくれません。 そのオモチャを赤チャンの家にもって行ってしまい そうです。 この子は、. 三 拳輩宝ふ 儀圭. (a) お弁当の時、 大嫌いなおかずが出ました。 先生はどうしても食べなさいと 言います。 この子は、. 轡繁二 言ふめ, {畿葛選考橡2著者. (b) こ の 子 が面 白い テ レ ビを 見て い る 時、 ま だ 眠く な いのに、 お 母さ んに 『も う寝なさい』 といわれまLた。 この子は、. 懲募三 事務. (注) ①項目番号は、 質問の順序である。 ②質問項目のうち、 (b) は自由に回答させる (a) は被検児の考えを求めた二者択一的な質問であり、 ための設問である。 ③1場面の2つの質問項目のうち、 ひとつは被検児の内面的な考えを問うもの で、 いまひとつは行動 を問うものである。 196.

(8) . 幼児が用いる性別判断の手がかり. 被検児とのラポート形成のために約一週間にわたって調査者が保育に参加 し, その上で個別法で 検査を実施した, 検査はほぼ2 0分 以内で終了 し, ほとんどの子どもは積極 的に検査に応じたが, 検 査場面へ参加することを拒否した 者が2名いた. 検査の途中脱落者はいないが, 部分的に反応を与 え な い者 は い た,. 被検児として, 精神発達障害が明確あるいは疑われる者は除いてある .. 〈結果と考察〉 1. 手がかりA (形状手がかり) の分析. 被検児が, 頭部・胴部・脚部を描いてあるカー ド1 2枚を用いて, 4組 (男児図版2, 女児図版2) をつく った場合だけを分 析対象にした. 検者が, 被検児の反応終了後それぞれの図版について性別. をたずねるが, その時, 男児1名と女 児3名, または女児1名と男 児3名と命名 した場合には 分 , 析対象から外した. 1 2枚のカー ドそれぞれに帰属さ れている性別と組み合わせたカー ドの性が一致した場合に得点. L点を与えた. 一人の幼児が全組み合わせに成功すると12点になる. この 方法で, 得点を算出し , 年齢別・性別に比較検討を行い, その結果, 年齢差や性差がみら れる場合には, 各群ごとに1 2枚の カー ド各々 の正答手がかりとしての使用率を求めた, 使用率 (%) というのは, 各カー ドが正答手 がかりとして用いられた度数を分 子にし, 各群内の全員 が正答手がかりとしてこれを用いた場合の 度数 (最大使用可能度数) を分母とし, これを1 00倍することによっ て求めた値である. この使用 率の比較から, 幼児が男 児・女児のどのような形状的特徴に着目して, 性別を判断しているかを考 察しようとするのである. 1) 得点の比較. 切断図版の組み合わせ得点は, 表5-1に示す とおりである .. 性差は認められないが, 年齢の比較にお いて4歳児と5歳児間, 4歳児と6歳児間に有意差 が認. められた.. 表5-1. 切断図版の 組み合わせ得点 6 歳 児. 5 歳 児. 4 歳 児. 男. 児. 女. 児. N. 26. 28. 20. 36. 38. x. 9,846 1,561. 9,571. 8,200 2,182. 9,222 1,781. 9,368 2,057. SD ↑ L. 0.602. (注) 6歳児×4歳児, t=2, 784※. 1,720 1 3,150※. 0,326. ※P<.005. 2) 使用率の検討, 次 に, こ の よ う な 差 が み ら れ た 理 由 を 探 る た め に 12種 の 手 が か り の 使 用 率 ,. (最葵 鷺 繁 警 ×・ o o ) を求めたのが表5‐2である, 数. 4歳児では, 約半数の者がA, Cならびにaを 誤っ た手がかりとして用いる傾向 すなわち4 , , 歳児は 『スカー ト』 を男児に帰属させ るよう なことが多い つまり 4 歳児は5 6 歳児に 比べ , , . て,男女の服装・髪型などの外面的属性を手がかりにした性別 の判断が まだやや不安定 であると考 , 197.

(9) . 伊藤則博・谷村美方子. えられる. 性別判断は, 先ず外からみてはっきりと眼につく 特徴から開始されるもの なの で, 4歳 児の外面 的手がかり使用の不安定さは, そのままこの年齢段階での性別判断の不安定さを意味する. ものと考えてよいだろう. 次に, すこし観 点を変えて表5-3 をつく っ てみた. これは,12種の手がかりの使用率を, 頭部・ 胴部・脚部の3つ の部分 に分けて, 整理してみたものである. この表か ら, 3つの身体部位の中で, 頭部カー ドが正答手 がかりとして用いられることが多いこ 表5 - 2 12種の手がかりの 使用率 カ ー ド記号. \ 全 体. A. (%) 男. 児. 児. (%) 6歳児. 35. 37. 26. 28. n2. 28. 20. 70. b. d. C. 40. 55. 25. イ. ノ、. ロ. 62. 52. 56. 18. n2. 34. 19. 27. 13. 25. 29. 28. 33. 36. 36. 21. 28. 12. 33. 27. 33. 24. 26. 100 92.3 25. 28. 25. 26. 13. 21. 9. 22. 22. 22. 27. 24. 13. 17. 26. 16. 23. 14. 表5 { 3. 15. 18. 17. lo. lo. 3. 14. 14. 11. 身体部位別 にみた正 答手 がかりの使 用率. ミ*豊キ. 頭. 部. A, B, C, D. 294. 胴. 部. a, b, c, d. 脚. 部. イ, 口, ノ\ 二. n 2. 273. 189. 226. (%). 92.2. 63.8. 76.3. n ;n×4(カー ド数)=最大使用可能度数 ,. o o=正答手がかりとしての使用率 a; ÷ xI 島 使 用度数, r 198. 22. 18. 100 89.2 96.4 46.4 85.7 60.7 92,8 57.I 82,1 64,2. ooの値 (正答手がかりとしての 使用率) r a; J盤」 ×I n I. (注) n; 人数,. 32. 100 34.6 80.7 50.O 84.6 84.6 84.6 84.6. (注) n, ; 最大使用可能 度数 n ; 全度数 (手がかりA~ニを, それぞれに帰属された性別の手がかりとして使用した人数) 2. 74. 25. 16. 90.O 70・0 90,O 75.O 85.O 15.O 50.O 50.O 70・0 70・0 55.O 80.O. (%). 全 体. 56. 4 36.I 75.O 52.7 80,5 69,4 77,7 69.4 100 86.1 94.. 24. 100 89,2. (%) 4歳児. 64. 31. 36. 32. 100 92.3. (%) 5歳児. a. 97.3 84.2 94.7 86.8 94.7 31.5 73.6 55.2 86.8 71,5 86.8 84.2. n2. 26. 31. 97.2 86.1. n2. 38. 72. 63. D. 97.2 85.I 97.2 86.4 94,6 33.7 74.3 58.1 83.7 70,2 75.6 75.6. n2. 36. (%) 女. 72. n2. 74. C. B.

(10) . 幼児が用いる性別判断の手がかり. とが分かる. そして, 脚部の靴の色の方が胴部の洋服の形や色よりも手がかりとして使われやすい 可能性も示唆された, 2. 手 がかりB (玩具手 がかり) の分析. 1) 玩具図版の性別帰属.. 中性玩具 (積木とクレヨン) を除く, 1 0種の玩具図版の分類課題における得点を, 表6-1に示. した. この得点の満点は, 10点である. 表にみるとおり, 年齢比較を行うと4歳とそれ以上の年齢において有意差が認め られた. 5歳児 と6歳児間および男女児間に差は全くない. この分析に加えて, 自分の性に帰属されるべき玩具と. 異性に帰属する玩具の帰属得点を比較してみたが, 両者に差がないところから, 幼 児は同性玩具と 異性玩具の両方について, それらに帰属された性を同程度に理解していると思われる.. 2) 各玩具図版の手がかりとしての有効性. 各図版の正答手がかりと しての使用率を表6-2に示 した. これによると, 各国版とも全体で9 割以上の正答率を示しており, 手がかりとして有効 であっ たといえよう. しかし, 年齢別にみると, 4歳児では1 0種のカ ー ドのうち, 半数しか9割を越えていない. 特に, 5, 6歳児で100%の使用 表6-1 玩具図版の性別帰属化得点. \\\ \. 6歳児. 5歳児. 4歳児. 男 児. 女 児. N. 28. 31. 23. 40. 42. X. 9.892. 9.806 0.402. 8.695. 9,600. 9.452. 1.870. 1,033. SD. 0,315 0,893. t. E. 2,895※. 1.253 0.586. 33 5 1 (注) 6歳児×4歳児t=3. 7 00 , P〈. , ※Pく,0. \. N. 全. 体. 82. 28. 5. 歳児. 31. 4. 歳 児. 23. ラ ままご レーシン 人 汗 小カー ク とセット (M) (F) (F). し M~. ネ ック レ ス (F). 飛才 テ機 イヒボ庄品 野 球 ヲ 道 具 セット (M). (M). (F). ダ. ン ノ・ン ド. プカー ノぐツ ク (M). (F). 76. 79. 74. 80. 77. 78. 74. 78. 80. 78. 92.6. 96.3. 90.2. 97.5. 93,9. 95,1. 90.2. 95.I. 97.5. 95,I. n1. 28. 28. 27. 28. 26. 28. 27. 28. 28. 28. (%). 100. 100. 96,4. 100. 92.9. 100. 96,4. 100 ,. 100. 100. n1. 31. 30. 28. 31. 29. 30. 29. 30. 31. 30. (%). 100. 96.8. 90,3. 100. 93.5. 96,8. 93,5. 96,8. 100. 96,8. nI. 17. 21. 19. 21. 22. 20. 18. 20. 21. 20. 73.9. 91,3. 82,6. 91.3. 95,6. 87,O. 78,3. 87,O. 91.3. 87.O. n1. (%). 6. 歳児. \. 表6 - 2 10図版の正答手がかりとしての使用率. (%). (注) M;男性玩具, F; 女性玩具, N: 人数(最大使用可能度数) ;使用度数, ば 令÷xlm‐正答使用率(%) , 、n 玩具の配列順は、 カー ドの呈示順 である。. 199.

(11) . 伊藤則博・谷村美方子 表6 - 3 レーシン 十カ ー ク (M). 全体. 升 多 ままご と‐ t zツト (F) (F). 人. ピ. 玩具の認知率 ス. し M~. ネック レ ス (F). 髪機 飛そ ヲ 彊賢 (M) (M). 1ヒ審 庄品 セ ット (F). i ン ノ・ン ド タ oカ ー ノミッ ク フ (M) (F). 72. 74. 75. 82. 68. 78. 82. 66. 79. 75. 87,8. 90.2. 91.4. 100. 82,9. 95.I. 100. 80.4. 96.3. 91.4. 36. 33. 36. 40. 27. 39. 40. 29. 38. 34. 90.O. 82.5. 90.O. 100. 67.5. 92,9. 100. 72.5. 95.O. 85.O. n I ,. 36. 41. 39. 42. 41. 39. 42. 37. 41. 41. (N=4 2 ) (%). 85.7. 97.6. 92.9. loo. 97.6. 92.9. 100. 88.I. 95.O. 97.6. n l. (N=8 ) (%) 2 男児. 1 1 I. 0 (N=4 ) (%) 女児. 率がみられた 『レーシン グカー』 は, 4歳児では約3割の者が誤答している. 次に, 表6-3は1 0種の玩具図 版の認知率をもとめてみたものである. 被検児が, 示された玩具. 名 を言葉で答えたり, 動作で 『こうするもの』 と表現したり, あるいは 『みたことがある』 と答え ) とした. た場合に, その玩具を知 っていると判定し, その割合を求めて認知率 ( ra 表 6 - 2 と 6 - 3 を比べてみると, 『化粧品セッ ト』 と 『ネッ クレス』 の両図版は, 他より認知. 度が低いがそれにもかかわらず正答手がかりとして使用される率が高いことに気づく.その理由は, 幼児がそのものの名称や用途を明示することはできないが, 何らかのかたちで認知 していて性別化 を行っ ているということが考 えられる.. また,図版を男性玩具と女性玩具に分けた場合の図版の認知率は,全体 では女性玩具の方が低かっ た. さらに, 男女別にみた場合には, 男児における女性玩具の認知率が, 女児に比べてやや低いよ う であるのに対して, 女児では男性玩具と女性玩具の間に認知率の差がみられない. 以上みてきたように, 幼 児の玩具を対象とした性別の判断は, 4歳になるとかなり確実になって. おり, 5, 6歳ではほぼ完全であるといえる. 幼 児に玩具 を 『男の子のもの』 , 『女の子のもの』 に 4 )では 3歳で約70%の正解率を示し 4歳半から5歳になると約90%の正 分類させた井上の研究{ , , 解率になると報告されているが, 今回の調査結果は, この井上の結果とほぼ一致するものであっ た, 3. 手 がかりC (行動手 がかり) の調査結果. この調査は, 当初外面的行動特性 (~する) と内面的特性 (思うまたは考える) の2種に分けて 整理しようと考えたが, 調査終了の段階で, 全体として幼児ではこの両者を意味的に分けて理解し とが難しいということが分かっ たので, 一括して整理し分析することにした. たり, 回答するこ● 1 ) 全般的傾向 . . 被検児の回答内容が, 図版の性別と行動特性の方向で一致した場合に1点を与え, この結果を整 4点に 理して表7-1を作った. なお, 反応内容の評価は2名の者の協議の結果である, 満点は, 2 な る.. 結果は, 4, 5歳児間, 4, 6歳児間に明瞭な差が認められている. 次に, 被検児と同性の子に対する得点と異性の子の行動に対する得点で, どちらが多いか検討す. る た め に, 表 7 - 2 を作成してみた.. この表から, 各群内では同性役割と異性役割のそれぞれの得点に差はみられない. これは, 性役. 200.

(12) . 幼児が用いる性別判断の手がかり. ま ざまな社会的行動を幼児が自己の. 表7-1 行動手がかりに関する得点. こ一致するものと, そう でないものに区別する. 6歳児 5歳児 4歳児 男 児 女 児. U学習の一種であることによって説明されるだ. N. 27. 29. 23. 38. 41. 13,037 12,552 8,434 11,842 11,220 , SD 2, 766 3,823 3,174 3,460 4,15 6 + L ※ 0. t 0 i o 謙 ー 4 54 o 152 0 o 720 , , 叉 x. フ.. 同性 役割 と 異 性 役 割 の そ れ ぞ れ に つ い て, 年 齢. 性 別 の 比較 を 行 な っ た と こ ろ,い ず れも 4 歳 と. 歳ならびに 4 歳 と 6 歳 間 に 差 が認 め ら れ た が,. (注) 6歳児X4歳児,t ,480 o5 , p<,005 , ※p<.o. 歳と6歳間に差はなかった.. 次に, ひとつの場面, たとえば攻撃的対非攻撃的行動を期待している場面において, 男児が攻撃 行動をとり女児が非攻撃的行動を取るというように, 男女両方について合致した回答を与 えた時. 2点である. , 1点を与えて整理してみようと考えて表7-3を作成した, この場合の満点は1 この表からも, やはり4歳児とそれ以上の年齢 で歴然とした差 があるが, 得点平均が満点 の5割 越える年齢層 がないところから, 色々 な場面で男児と女児で対照的な行動が期待されていること. 認知することは, 幼児においては難しいといえるようだ. 2 ) . 項目の有効性. 2 4項目の質問全体の正答率は, 表7-1で分るように, 5, 6歳児で約5割 であり, 4歳児では 3割である. すなわち, 全被検児のうち約半数の者しか, 24の行動手がかりを性別判断に有効な. のとして用いていないことになる. しかし, 逆にいうと, 約5割の者に人の行動様式を 対象とし レベ ルでの性役割の認知がみられるということを示している. その意味で, 幼児のもつ 『男らし 』 , 『女らしさ』 の概念には,人物の外見特性やその所属物・所有物だけ でなく, 男女それぞれに期. されている行動様式によって構成される側面が,かなり強くなってきているといわねばならない. 次に,12の行動特性のうち全体 で5割以上の正答手がかりとしての使用 率をもつものを調べてみ 表7 - 2. \. 同 N. 6 歳 児. 27. 5 歳 児. 29. 4 歳 児. 23. 男 女・. 児. 38. 児. 41. 全. 体. 79. 行動手がかり得点(同性役割と異性役割) 性. 役. 割. 異. x. SD. 6,333 207 6,. 1,961 2,194. 3,913 5,710. 1,857 2,404. 5,463 5,582. 2,158 2,254. 性. 役. N. 割. x. SD. 6,703 6,310. 1,463 2,270. 38. 4,522 6,132. 2,390 2,092. 41. 5,732. 79. 5,924. 2,327 2,240. 27 29 23. (注) 同性役割;4, 5歳児間(t=4, 00 3 5) 45 6 5) , Pく,00 , 4,6歳児間(t=4, , pく.00 t=2, 異性役割;4, 5歳児間( 756 1) 955 5) , p<,0 , 4,6歳児間(t=3, , p<.00. 表7 - 3. \\ \ N x SD. 行動手がかり正 答数(1特性につき両性 で正 答した場合) 6歳児. 5歳児. 4 歳児. 男 児. 女. 児. 全 体. 27. 29. 23. 38. 41. 79. 4,259 2,068. 4,276 2,374. 1,957 1,522. 3,658 2,518. 3,634 2,233. 3,595 2,284. (注) 4歳×5歳t=4, 675 5 37 0 5 、 p<,00 , 4歳×6歳t=5, , p<.00 201.

(13) . 伊藤則博・谷村美方子. ると, 『支配的 (M) ,『非攻撃的(F)』 , 『活動的 (M)』 , 『冒険的 (M)』 , 『従順(F)』の5つ であっ た,. また, 全年齢で共通して正答率の低かっ た特性は依存的( 32.9%) 34 35 .2%) , 攻撃的( , 反抗的( , 4%)の3つの特性である. この3つの特性のうち, 女児の依存的行動と男児の攻撃的行動は, 性役 割行動として許容され, あるいは期待されているものであるが, 今回の調査 で正答率が低かったの は, 反抗的特性とあわせて, 対象児が保育所という集団の場に所属する子どもたちであるためかも しれない, ) 3 . 行動と内面の分化の兆候.. この調査 では, 24の質問をする際に, 被検児の動機・感情・願望などの, より内面的レベ ルでの 男女の違いを認知 しているかどうかについても調べようと意図した. この 『……したいと思ってい る』 または 『……と思っ ている』 と答える傾向は, 年齢とともに着実に増加している. 表8は, 質 問 (…・したいと思っているかな?, …… どんなふうに思うかな?) に対して, より内面的な回答. をした場合を1点とした時の, 各群の得 点をあらわしたものである. 評価は2名の者の協議によっ て得た.. \\ \ N x SD ↑ し. 表-8 6歳児. 行動と内面の分化 4歳児. 5歳児. 男. 児. 女. 児. 全 体. 27. 29. 23. 38. 41. 79. 10,556. 7,931 2,840. 2,696 2,439. 7,684 3,919. 6,951 4,566. 7,304 4,256. (注) ※p<.00 5. 3,226. 3,237※. 1. 7.019※. 0.977. \\ \\. この表から分かるように,4,5歳 児間 ならびに 5, 6歳児間に有意な得 点差が認められる. さら に, 興味深いことは, 5~ 6歳女児数名 の回答の中に 『表出された行動と, その背後にある内面的 な動機や感情が一致しない場合』を内容とした回答のあることである. たとえば, 質問6で, 『この. 子 (女の子) は, 友達のことを叩きたいと思っているの. でも叩かないの』 とか, 質問8において, 『眠たくないの. でも寝るの』 という性質の回答が出てきているのである,. こ れ に 対 して, 男 児 の 場 合 は どの 回 答 も 『… ・した い と 思 っ て い る, … ・か ら, … ・す る』 , 『・・. ・・と思わないから, …・しない』 という答え方をしている. すなわち, 女児では攻撃的あるいは反 抗的な動機をもっていても, 攻撃的あるいは反抗的な行動をそのまま表出してはいけないという意 識が, 既に芽生え始めているように思われる. 幼児期において, このように内界と行動を分化させ たかたちでの性役割が可能になり始めていることとは, 数の上では僅か であるが, 注目に値する事 柄 である,. 4. 手がかりの相互連関. さて, 幼児が使用する3種類の性別判断の手がかりについて, 個々に分析してきたが, これらの 手がかり相互の関係は どうなっているだろうか. 3種の手がかりの相関係数を表9に示した. 表にみるとおり, 手がかりA, B, C相 互の間に非常に高い相関関係の存在が認められる. 幼児. が使用する性別判断の手がかりとして, この三者は相互に密接に関連しあっていると言えるのであ る.. 202.

(14) . 幼 児が用いる性別判断の手がかり. 表9. 番豪毅. 6歳児. 3種の手がかりの相関. 5歳児. 4歳児. A-B. r r. ,950 .924. .889. B-C. .926. .948 ,913. A-C. r. ,924. .887. .938. 男 児 ,950 .886 ,883. 女. 児. 全 体. ,903 .944. ,923 ,914. .932. .907. (注) A;形状手がかり, B ;玩具手がかり, C;行動手がかり, 1で有意, 表中のすべてのrの値, p<.00. 5. 補足事項. 手がかりに関する調査に加 えて, 各被検児に面接を行い, ①自己の性別, ②性別の不変性, ③父 母との関 連, ④将来への抱負, について質問した.. ①の質問; 『あなたは男ですか?女ですか?』 . この質問に対しては, 4歳児においても, 自分の性の区別はほぼ完全であった. ただし, 3歳9 カ月の男児1名だけが, 『自分は女だ』 と 主張しつづけた.. ②の質問; 『あなたは大きくなっ た時, 男 ですか?女ですか?』 この, 性の不変性の質問について, 5, 6歳児間 で間違 った者はなかった. ところが4歳児では. 大きくなったら自分の性が変わると答える者や, テレビマン ガの主人公になると答える者が, 2割 i i den t t )の確立がまだ不安定であることが窺われ ほどいた. ここからも, 4歳児では性の同一性( y る.. ③の質問; 『あなたは, 大きくなっ たらお父さんになるの?お母さんになるの?』 でほぼ正確 この質問は, ②の質問より難しく, 性役割意識を問う内容のもの であったが, 5歳能. な答が出された. しかし, 4歳児では 『お姉さんになる』 とか 『分らない』 など回答が多様であっ たが, 反面約半数の者が正確に答えるようになっている点を特記しておこう. ④の質問; 『大きくなっ たら何になりたいですか?どんな仕事をしたいですか?』 この質問への回答は, 6歳児に おいてはじめて具体的な職業名 や仕事の内容が語られた. 4歳児. では, 身近な人やテレビの歌手やマンガの主人公などに, ただなりたいという反応が多い. 5歳児 もこれと似た対象を答えるが, 『お父さんになって, 会社の仕事をする』という ように, 仕事の内容 に触れる者がでてきている. 以上のように, 自己の性別は3歳半頃ま でには, ほぼ完全に理解されている が, その不変性や将 来の役割との関連についてまで確実に理解できるようになるのは, 5歳以降になるよう である. だ が, 将来の抱負について, 既に4歳女児の中に 『母親やテレビの主人公に なりたい』 と願う者, 男 児の中に 『父親やお兄さん, テレビの男主人公になりたい』 と願うよう な, 性別による分化が現わ れてきている. このような, 願望や興味の上に も性差がみられるという事実は, 4歳の幼児に おい ても, 既に自己の性に期待されている役割に関する意識が芽生え始めていることを示唆していると いえよう,. 203.

(15) . 伊藤則博・谷村美方子. 〈結論〉 本研究では,幼児が性別を判断する時に用いる手がかりに着目し,髪型・服装・靴などの形状的特 徴, 玩具などの所有物, そして行動様式という3種類の手がかり群を設定して調査を実施し その , 結果の分 析を通して, 幼児の性役割の認知に関す る考察を行なおうとした 3歳7カ月から6歳6 . カ月という幼児後期の子どもを対象とした, 3つの手がかりの使用についての調査結果は 以下の , ように要約される. 1 ) . 外面的な属性 (服装・髪型・付属物 等) を対 象としたレベ ルでの性役割の認知は, 3~4歳 ではまだ不安定であるが, 5~6歳になるとほぼ確実なものとなる . ) 2 . 玩具・所持品など所有物を対象としたレベル での性役割の認知は, 4歳児でもかなり確実に な っ て お り, 5 ~ 6歳児ではほぼ完全に性別所属を 見分けることができている . ) 3 . 男児と女児の行動特徴を手がかりとした性役割の認知 は, 全体として幼児段階 ではまだ不安. 定であるが, 4歳児以下の者とそれ以上の者との間に, 認知の程度に大きな違いがある . 4 ) . 3種の手がかりを用いて, 性別を判断する反応に性差はみられない.. )幼児では, 自分と同性の性役割と 異性 の性役割が同程度に認知されている 5 , ) 6 . 幼児が性別判断に用いる3種の手がかり相互の間に は, 密接な関連 がある, ) 7 (換言すれば, 男女 の性の属性 . これらを総合してみると, 幼 児が性別判断に用いる手がかり・ に関する幼児の認知の内容) には, 4歳児 (ここ では3歳7カ月~4歳6カ月) とそれ以上の年齢 で, 著しい差があり, このことから, 性役割意識の発達過程におけるひと つの節目が, ここに存在. することが予想された. 以上の結果とかかわって, 今後明らかにしなければならない課題は, ①対象児の年齢幅を上・下 に広げて調査し, より広い発達的視点 で検討すること ②ここ で取り上げた性別に関する意識とよ .. り広い意味での役割意識や行動との関連を確かめること, ③認知発達一般 の中に 性別や性役割認 , 知を位置づけること, ④自己意識の発達とのかか わりを検討すること, など多くのものがある こ . れらをひとつひとつ明らかにしてゆく ことによってこれま で暖昧にされて来たり ある場合には価 , 値的・思想的観点か らのみ論議されることの多かっ た 『男』 と 『女』 , 『男らしさ』 と 『女らしさ』 の概念がより明確にされてゆく のではないかと思われる. 私の名 前と同様に, 私が男であるまたは 女であることは, 本来認知発達さ らには人格意識の発達の上で, 非常に大切なこと ではないだろう か. Y. く注〉 { ) バンデュラ, A. 1 9年, ,原野広太郎・福島修美訳, 人間行動の形成と自己制御 - 新しい社会的学習理論 -,昭和4 金子書房, i ive deve lopmentalana lys i t i ldredssex ( 2 ) Kohlberg, L.A, l i t tude sofch ‐ ro e concept s and at s , A cogn . ,ln Maccoby lopmentofsex d (Ed )Thedeve i f f iv erences(Stanford Un ) s . ,E. .Pres . . ,1966. ( 3 ) 東俊子・田中久子・土屋和子. 性役割認知の発達, 教育心理学研究, 第2 48-5 3 73 1巻1号, p . . ,19 { 4 ) 井上和子 幼児の性差意識の発達, 児童心理, 第4巻6号, p 6 - 763.1960 75 .. (本学助教授・旭川分校, 教諭・札幌市東橋幼稚園). 204.

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参照

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