Title
固定資産税の構造と負担−平成3年度評価替えに際して
−
Author(s)
桜井, 良治
Citation
沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 15(1): 1-186
Issue Date
1990-09-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6789
固定資産税の構造と負担
-平成3年度評価替えに際して- 桜井良治 はじめに 序論固定資産増価と収益率からの乖離 一平成3年全国地価基本認識一 第1章固定資産税の理念 一シャウプ勧告を中心として- 第2章固定資産税構造論 一東京都を事例として- 第3章固定資産税負担論 一東京都を中心として- 第4章平成3年度評価替え基本政策 一土地基本法を基軸として- 第5章平成3年度評価替え基礎数値 まとめ はじめに 本論文では、平成3年度の固定資産税評価替えに際して、評価替えの実態につ いて明らかにしたい。またその前提として、近年の固定資産税の構造と負担につ いて、論じることとしたい。評価替えの基礎にある土地の市場価値についての 基本認識及び評価替えの理念と政策については、議論の前置きとして、最初に論 じたい。 本論文の課題は、全国の市町村を中心とする自治体にとって共通の税目につい て、普遍的に論じることである。但し、固定資産税の構造と負担については、地 1価高騰の震源地であり、-極集中下の資産価値増大の典型とみなされるのみでな く、資料の質量ともに豊富な東京都の事例的研究を通して、説明したい。 本論文では、主として土地に対する固定資産税について論じることとしたい。 しかし、構造論や負担論において、家屋や償却資産との関係を含めた構造や負担 が問題となる場合には、それらを含めた固定資産税全体について、論じたい。 平成3年度の評価替えといっても、評価替えによる税負担の水準を決定する実 際の作業は、基本的に平成2年度末に終了している。平成2年度においてすでに、 自治体の新たな税負担の水準が、確定している。平成3年度より、評価替え後の 新たな税負担が段階的に課せられる手順となっている。 本論文では、当初は固定資産税評価替え論のみを展開する方針であった。しか しながら、平成2年末にはすでに政策立案プロセスがほぼ終了していることもあ って、より広い視野から固定資産税論を展開することとなった。固定資産税の構 造論や負担論については、長期的な視点から将来も含めた固定資産税評価論を論 じるうえで、不可欠な研究課題であると思われる。 本論文は、あくまでも固定資産税評価替えというさしせまった政策上の課題に ついての実証分析を主眼としたものである。その前提として論じられる諸々の理 論上の問題及び事例的研究については、すべて固定資産税評価替えにおける評価 の水準についての政策決定にかかわる重要な論点として、一環したテーマに沿っ て、論じるつもりである。 固定資産税評価の最終段階での負担調整措置の実際とそれを経た地域毎の評価 額や税負担の実数値についての分析は、資料の制約もあり今回は概観を示すにと どめたい。 固定資産税論は、言うまでもなく土地保有税論の一環として位置づけられなけ ればならない。土地保有税としては、同様に市町村税である都市計画税や特別土 地保有税が実施されている。また地価税が、平成3年4月に衆議院で可決され、 平成4年より実施される見通しとなっている。 地価税については、立案過程での変遷及び経済効果も含めた政策効果に ついては別稿で詳しく論じる予定である。立案過程における変遷によって、税率 や免税点等の点で、当初の政策意図よりますます限定された範囲の特殊な大規模 土地所有のみを対象とする内容に変化したという点のみを指摘しておきたい。 2
土地所有に対して一般的かつ広範囲にそのコストを負担するという観点からみ ると、地価税は当初の政策意図に応えうる税目とは到底考えられない。「土地保 有の絶対的優位性」を背景とした土地保有に対して応分の負担を広く課すには、 既存の固定資産税を充実させる方策を講じる方が、政策意図をより良く実現しう るのではないかと考えられる。 固定資産税論については、従来どちらかといえば、「農地の宅地並み課税」の ような特殊な問題について、「宅地供給の促進」という一つの政策目標を掲げて 論じられてきた向きが強かったと思われる。筆者は、これらの議論の意義につい て、いささかも否定するものではない。一つ一つを取れば、個別の政策目標を実 現するために有意義な様々な減免措置が、全体として、土地保有コストの著しい 軽減を生み出しているように思える。またそのことが、投資的な土地保有を助長 し、土地の供給不足を生み出していることも明らかであろう。このような個々の 減免税措置について一つ一つ見直すことは、重要なテーマであろう。 しかしながら、昭和末期から平成3年に至る全国的・長期的かつ急激な地価 高騰を視野に入れると、もはや個々の減免税措置の改廃のみによって土地保有コ ストを高めたり土地供給を促進することは、困難な段階に立ち至ったものと思わ れる。これらの減免税措置を全体として大規模に見直すとともに、固定資産税評 価の水準そのものを適正化すべき時期に到達しているものと思われる。 固定資産税の意義としては、その他に自治体の公共事業などによって生じる土 地の値上がり分について、受益者負担制度のように個々の土地の受益・負担関係 を特定することなく課税できるというメリットがある。今日のような全国的規模 での地価高騰及び調整期においては、個々の土地の受益.負担関係に焦点をあて ることは、ますます困難になっていると思われる。市場メカニズムを通じて形成 された土地の市場価格は、基本的に徴税水準を決定する最も確実なバロメーター と考えることができる。 3
序論土地資産増価と収益率からの乖離 一平成3年全国地価基本認識一 固定資産税の構造や負担について本格的に論じる前に、その課税客体となる資 産とりわけ土地の価格について、近年の全国的な動向についての概観を示してお きたい。資産課税論や資産格差論などの土地に関するあらゆる議論の根底には、 土地に関する基本認識が必要とされるように思われる。本格的な分析については 別稿に譲るとして、ここでは資産課税論にとって最低限必要な土地資産価値の増 大についての基本的な分析を行うこととしたい。 以下の分析においては、国土庁の地価公示に関する資料や国税庁の路線価に関 する資料を用いて、近年の全国的な地価の動向について、概観することとしたい。 図-1長期的な地価の動向 (全国iIi街地価格指数(111途的地域別)のAlliijfFl百WI(1年間)変dll卒) 変助卑劾印 53.2 Pも 0D OO OO iI Ii OO
三鰯
一一一一一L集地 40 30 20 、30 ■● 10 0 -6.2 nnQdnOロ 11nnlnll1mlⅡ J1Ⅶ、、邪。S]BJ7r刀600082⑨04090507印0,m30瓦旬弘5s■W■■Q060曲ロ辻1年 iii6iij6i6i6iiiiiii6iii6i6i6iiiii6iiiii6iウiiii6iiiii6iうi6iウiii6i6iij6i6n (注)1資料:IHzh日本不動産研究所「市街地価格指数」 2.国土庁『土地の動向に関する年次報告」(平成2年度)による。 4国土庁『土地の動向に関する年次報告』には、地価の長期的動向について示さ れている。土地資産額の推移をみると、昭和45年の163兆円から、平成元年の 2,129兆円へと19年間に13.1倍になっており、同じ期間における国民所得が5.2 倍であるのに比較して大幅な増加を示している(同資料「表2-1-15」)。 図1には、住宅地・商業地・工業地に分けた全国市街地価格指数の対前年同期 (1年間)変動率が示されている。昭和30年代には、高度経済成長を背景として、 全国的に地価が上昇し、全国で7.7倍、六大都市で10.8倍になっている。昭和 40年代には、昭和47年から48年までを中心に地価高騰がみられ、全国で3.5倍、 六大都市で29倍の上昇をみている。昭和50年代には、中頃に大都市圏を中心に 上昇がみられたほかは、安定的な推移を示し、全国で16倍、六大都市で18倍 となっている。 近年においては、昭和50年代末に東京都心の商業地で地価上昇が起こり、これ に端を発して、昭和60年代には周辺の住宅地や三大都市圏に波及し、平成に入 ってからは、政令指定都市や地方の中核都市にまで波及している。 この結果地価は、昭和30年から現在までの間に全国で66倍、六大都市で176 , 倍に達している。 同資料には、平成3年地価公示を通して、平成2年1年間の全国の地価の状況 について、概観されている。それによれば、平成2年前半までは名古屋圏や地方 都市の一部などで高い変動率を示した地域もあったが、後半に入ると、地方圏の 2) 一部を除いて地価上昇は停滞ぎみであると分析されてし、る。 地方圏については、三大圏の周辺地域やブロック中心都市や地方中心都市等と それらの周辺地域で、平成元年度の変動率を上回った地域がかなりあり、地価上 昇の地方への拡散の兆しがみられたが、平成2年度以降は多くの地域で鈍化傾向 がみられ始めている.地方圏をさらに分けると、三大圏の周辺地域やブロック中 心都市にあたる札幌市、仙台市、広島市、福岡市やその周辺で、引続きかなりの 上昇がみられた。また、ブロック中心都市に次ぐ経済力をもつ函館市、郡山市、 金沢市、岡山市、高松市等とその周辺において、かなりの上昇がみられる(表一 3) 1)。 5
表-1人口10万人以上の地方都市の対前年変動率 (単位:%) 北海道札幌市
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|に関する年次報告』( it3年度の今日に至,nN咀川Ⅲ卯肌叩砲川畑川MⅢ朋姐n冊妬伽
24223422222232414lと的 川般 度全 395087425157208269年の 2て訓朋酊羽別冊稲田訓旧皿岡卵囲側別四旧誠碓
宮城県仙台市 福島県郡山市 岐阜県大炳市 愛知県豊橋市 和歌111県和歌山市 岡山県岡山市 香川県高松市 福岡県福岡市 曲国土庁『土地の動向 (平成2年 昭和60年代の初頭以来平成3年度の今日に至るまでの全般的傾向としてみれば、 全国の地価は高騰し続けてきたといってさしつかえないであろう。平成3年度の 公的地価調査によれば、地価は大都市の都心部や実需が後退いしなかった投資対 象地域などで、大幅に下落し始めている。これは一部の上昇し過ぎた地域で、上 昇した順に、現時点での地価の実勢を超過した部分が実勢に適合して調整されて いる過程とみることができる。しかしながら、地価の収益性からみて資本価値が相対的に低位な地方の30万人都市や50万人都市などでは、大都市圏の企業を中心
6 都市名 住宅地 平成2年 平成3年 商業地 平成2年 平成3年 北海道札幌市 21.5 27.4 31.3 21.1 同函館市 15.5 25.8 23.9 46.1 宮城県仙台市 37.3 23.6 27.5 21.5 福島県郡山市 21.2 23.9 33.0 23.3 栃木県小山市 14.9 23.4 31.8 30.9 群馬県太田市 28.2 29.7 48.7 49.7 梨県甲府市 29.7 25.4 35.4 28.2 石川県金沢市 15.0 28.1 19.2 29.7 岐阜県大垣市 23.5 26.0 30.5 26.2 愛知県豊橋市 8.2 27.7 13.1 29.1 三重県鈴鹿市 9.7 20.3 11.5 24.2 滋賀県大津市 56.2 21.7 63.7 21.6 兵庫県姫路市 10.0 27.7 32.2 35.2 和歌111県和歌山市 22.3 31.9 53.0 29.1 岡山県岡uI市 26.9 30.3 49.8 41.5 広島県広島市 19.7 16.6 23.2 14.9 香川県高松市 14.1 30.7 19.6 41.1 福岡県福岡市 13.7 17.8 13.9 17.8とした資本の流入の影響もあって、平成3年度の今なお地価は徐徐に上昇し続け ている。この地価の調整過程は、一般的傾向としては、今後数年間は持続するこ とになると思われる。 ある意味では、昭和60年代の初頭に東京の都心部で地価が突出して急上昇した 後の全国の相対的に地価の低位な地域への波及過程は、基本的に地価の調整過程 とみなすこともできよう。東京の都心部の土地の資本価値があまりにも過大にな り収益率が極端に低下し過ぎ、地価の相対的アンバランスが著るし<なったため、 この調整過程が長期間にわたる広範囲なものになったと考えられる。 重要な点は、この調整過程が平成3年度に至るまで長期に及んでおり、今後も 数年間は続く見通しだということである。抜本的な税制改革などの制度的変更を 通じて不用不急の資産を手放させることによる供給促進策や投資需要抑制策が実 施されなければ、この調整過程はこれまでと同様に傾向的には地価の相対的に低 位な地域が高水準地域に近づいてゆく傾向が主流になるものと思われる。安定経 済成長下にあっては、地価調整過程が長期間に及ぶほど、その期間内に国民所得 水準や賃金水準などの経済の実勢が着実に上昇することになる。地域によっては、 公共事業の拡大などによる開発利益が増大することによって、土地収益率が回復 する場合もありうる。 当初は経済諸指標や収益性とかけ離れて突出して上昇した地価も、長期に及ぶ 調整過程を通じて、これらの要因との較差が少しづつではあるが着実に縮小して いく場合が多いと考えられる。 かくて、今日までの長期にわたる調整過程において、地価は地域別の上昇・下 落を通じて、その実態に近づきつつあるものと思われる。今日の全国の各地域の 市場価格は、実勢価格と離れてはいても、そこに近づいて行く長期に及ぶ調整過 程の現段階での到達点とみることができる。固定資産税の評価替えは、偶然的な 地価上昇要因を排除した土地の市場価格を基準としてなされるべきものである。 今日の市場価格は上述の長期間の調整過程を経て形成されたものであり、経済の 実勢を背景として、着実に推移してきたものであると考えられる。 地価公示制度の概要については、国土庁土地鑑定委員会「平成3年地価公示の 実施状況及び地価の状況」(平成3年3月26日)に示されている。「地価公示は、 土地鑑定委員会が毎年1回標準地の正常な価格を公示し、一般の土地の取引価格 7
に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準とされ、ま
た、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準とされの る等により、適正な地価の形成に寄与することを目的としている」と記されている。 地価公示は、総理府で定める都市計画区域において実施することとされている。 地価の公示は、相当数の標準地を選定し、その価格について行うこととされてい る。標準地は、「土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地」でな ければならない(法第3条)標準地の公示価格が、一般の土地の取引地価に指標 を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準とされる。 公示されるのは、毎年1月1日における標準地の単位面積当たりの正常な価格 である(法第2条第1項、規則第1条)。「正常な価格」とは、「土地について、 自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認め られる価格」(法第2条第2項)である。 同資料には、平成3年地価公示の実施状況についても記されている。平成3年 地価公示は、平成3年1月1日において、市街化区域及び市街化調整区域が定め られている都市計画区域の全域並uにそれらの区域が定められていない都市計画 区域の市の範囲(地価公示法第2条第1項などで定める)を対象として行われた。 標準地の設定数は、市街化区域14,306地点、市街化調整区域1,789地点、その他 の都市計画区域797地点計16,892地点(平成2年地価公示は16,865地点)で、そ の密度は全国的に均等である。市街化区域では約1平方キロメートル当たり1地 点、市街化調整区域では約20平方キロメートル当たり1地点、その他の都市計画 区域では1市当たり3地点(平均約23平方キロメートル当たり1地点)の割合と 5) なっている。 「第4表圏域別及び人口規模別・用途別対前年変動率」(同資料11ページ) には、平成3年地価公示価格の圏域別及び人口規模別・用途別の対前年変動率が 示されている。全国平均の変動率を用途別にみると、住宅地107%、宅地見込地 13.1%、商業地12.9%、準工業地13.7%、工業地13.5%、調整区域内宅地10.8 %となっており、いずれも前回を上回っている。 これを圏域別にみると、東京圏では、東京都。神奈川県において地価が安定的 に推移していることと埼玉県の一部を除くほとんどの地域で前回を下回る変動率 であるため、前回に引続いて比較的低い変動率となっている。大阪圏では、全て 8の地域で急速な沈静化がみられ、各用途とも前回を大幅に下回る低い変動率とな っている。名古屋圏では、前回を下回る変動率となっているものの、知多地域、三重 県に属する地域が前回を上回り、かなり高い上昇率となっている。三大圏を除く 地方については、50万都市地域及び30万都市地域が比較的高い変動率となってい る。 「第5表地域別・用途別対前年変動率」(同資料12ページ)には、地方別の変 動率が示されている。それをみると、三大圏に近接する地方の変動率が各用途と も高くなっているほか、北海道地方の住宅地の変動率が前回と比較して高くなっ 6) ている。 国土庁土地局「平成3年地価公示に基づく平成2年の地価動向の特徴について」 には、地価の動向に関する最新のデーターが示されている。この資料は、平成3 年地価公示の標準地の価格の集計データーに基づき、平成2年1月1日から平成 7) 3年1月1日までの地価動向の特徴を概括したものである。以下、この資料にロリ して、最近の地価の動向についての概観を示しておきたい。
同資料には、この-年間の全国の地価の状況の概観が示されている。昨年前半
までは名古屋圏や地方都市の一部等では高い変動率を示した地域もみられたが、後半に入ると地方圏の一部等を除き地価上昇はほとんど止まり、秋以降沈静化傾
向が強まっていると述べられている。東京圏は昨年後半から、大阪圏は秋以降下落 に転じる等の事実をあげて、地価の沈静化が顕著になったと分析している。 三大都市圏を中心としたこれまでの急激な地価上昇に注目すれば妥当な面もあ るが、近年の全国的な地価の波及動向について軽視した分析といえる。 表-2によって、実際の数値の検討を通して平成2年度と3年度の地価の動向 を比較しよう。住宅地。商業地ともに、遅れて上昇した名古屋圏では、平成3年 度においても前年と同様の約20%の急上昇を示している。大阪圏の住宅地では、 平成2年度に56.1%の急騰を示したが、平成3年度には65%の安定基調の上昇 率を示している。昭和60年代に急上昇を示した東京都では、平成2年にはすでに 6.6%の安定基調の上昇期に入っており、平成3年も同じ6.6%の上昇率を記録 している。三大都市平均でみると、平成3年には住宅地で8.0%の上昇率を示し ている。平成2年の22.0%には及ばないが、堅調に推移しているというべきであ ろう。国土庁の分析にある「沈静化傾向」は、一部地域に限られた現象にすぎず、 9表-2地域別対前年変動率 (単位:%)
220M「18681
114136■団■■、
17010716.7129 I玉 曲1.「東京圏」とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市町 村の区域をいう。 「大阪圏」とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市 町村区域をいう。 「名古屋圏」とは、中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域 をいう。 2.変動率は、各年とも前年と継続する標準地の価格の変動率の単純平均である。 3.国土庁土地局「平成3年地価公示に基づく平成2年の地価動向の特徴について」 による。 全体として堅調に推移しているものと思われる。 住宅地における三大圏以外の地方平均をみると、平成3年度には13.6%の上昇 率を示している。これは平成2年度の11.4%を超える数値である。50万都市地域 では、平成3年度の上昇率(18.0%)は平成2年度の上昇率(15.3%)を上回っ ている。30万都市地域での平成3年度の上昇率(151%)は、平成2年度の上昇 率(102%)を49ポイントも上回っており、上昇率が突出して高い。今回の調 査をみると、高騰地価の波及範囲が30万都市にまで及んでいる事が、一目瞭然に -10- 地域名 用途 公一爪年
住宅地晋牽 孑肇
商業地苦牽 霄牽
東 __■二 ノラミ 圏 大阪圏 名古屋圏 612 ●●● 660 52 658 ●●● 668 1 834 ●●● 462 42 111 ●●● 489 1 三大圏平均 22.0 8.0 18.6 8.1 323 ●●● 500 111 012 ●●● 851 111 333 ●●● 082 211 071 ●●● 913 121 地方平均 11.4 13.6 15.4 16.3 全国平均 17.0 10.7 16.7 12.9見てとれる。 住宅地の地価上昇を全国平均でみると、平成3年には10.7%の上昇がみられる。 平成2年の17.0%と比較すれば、上昇率は低下している。 表-3都道府県別対前年変動率 (単位:%)
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四1.△印はマイナスを示す。以下の表についても同じ。 2.国土庁土地局「平成3年地価公示に基づく平成2年の地価動向の特徴について」 による。 表-3には、47都道府県毎の地価上昇率が示されている。住宅地をみると、東京 都では平成2年度(03%下落)、平成3年度(0.1%上昇)とほぼ横ばい傾向に あることがわかる。大阪府は平成2年には586%と高い上昇率を示しているが、 平成3年には一転して2.1%の上昇率に下がっている。愛知県では、やはり上昇 の波がまだ衰えておらず、平成2年度の19.4%とほぼ同様の17.9%の上昇率を記 録している。今回の平成3年度の調査で上昇率が突出して高いのは、30万都市な -11- 者MH道IFR貝名 住宅地晋肇
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… u:… # 峠… jil ● ■ ● ● … ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● Ⅲ朋旧M随一肪川朋朋Ⅲ一u肥田M咀一岨Ⅳ旧旧別 81144 ●●●●● 801 4 2 0 03560 ●●●●● 18061 112 88370 ●●●●● 14000 12△1 89266。 ●●●●● 389 0 3 7 54061 ●●●●● 60392 11 08416 ●●●●● 40095 1112 68194 ●●●●● 29029 11 09595 ●●●●● 88659 112 57803 ●●●●● 50101 12 91076 ●●●●● 2 6953 112 15779 ●●●●● 01118 12 9.2 11.7&I:;
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東京圏の住宅地、商業地の地域別変動率 表-4 単位:% 地佛再山市 ’66427695681478456494備 練狭大 400001021331104030789整東 【u I11112112 エ? △ 郊ムロ並市 杉沢市 879293771905920483273近 411202011129710154448ひ-7 所木 I213113 及文野 土』 地 中市 6街宿 宮市 0995439011105531780 1市新合大霞 0000100000011000000 成 朝 △△△△△△ △△ 田 既港世市
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1 束京四外 11 曲1.東京圏とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯に含まれる市町村 をいう。 2.区部都心部とは、千代田、中央、港、新宿、文京、台東、渋谷、豊島の各区、区 部南西部とは、品川、目黒、大田、世田谷、中野、杉並、練馬の各区、区部北東部 とはその他の各区である。 3.埼玉県の東京近接地域とは、浦和市、大宮市、所沢市、狭山市、与野市、蕨市、 戸田市、川越市、川口市、鳩ケ谷市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、 上福岡市、大井町、三芳町である。 4.千葉県の東京近接地域とは、市川市、浦安市、千葉市、船橋市、松戸市、習志野 市、柏市、流山市、八千代市である。 5.平成2年7~9月期及び同年10~12月期の数値は、代表標準地(一定の範囲で標 準地をまとめた標準地群の中で、基準となる標準地)について、それぞれの期間の 3ヶ月間平均変動率を算出したものである。 6.国土庁土地局「平成3年地価公示に基づく平成2年の地価動向の特徴」による。 -13- 住宅地 平成2年 S64.1.1 1 H2.1.1 平成3年 H2.1.1 1 Ⅱ3.1.1 平成2年 7~9月期 Ⅱ2.7.1 1 Ⅱ210.1 平成2年 10~12月期 H210.1 1 H31.1 商柔地 平成2年 S64.L1 1 M2.1.1 平成3年 Ⅱ2.1.1 1 H8.1.1 平成2年 7~9月期 Ⅱ2.7.1 1 H210.1 平成2年 10~12月期 H210.1 1 H31.1 東京囮『
蔭
6.6 △0.3 0.4 △0.4 △0.6 2.5 △1.1 0.7 0.1 0.3 1.3 11.3 5.5 17.8 24.4 17.4 36.4 13.6 6.6 0.1 0.3 △0.8 △0.9 2.9 △0.1 2.9 1.7 1.8 4.4 12.1 10.8 13.4 19.5 15.7 25.7 10.5 1.4 0.1 0.4 △0.2 0.0 1.1 △0.2 0.6 0.3 △0.1 1.0 2.5 2.2 2.7 4.1 2.9 5.8 3.0 0.0 △0.9 △0.9 △0.5 △1.4 △0.3 △0.9 0.0 0.1 △0.1 △0.1 1.0 1.5 0.5 0.3 0.1 0.7 0.8 4.8 1.7 1.9 2.2 0.9 2.3 0.7 1.7 1.1 1.9 2.U 9.5 7.9 11.2 20.0 11.4 35.8 14.3 4.1 0.6 0.6 0.4 △0.2 1.7 0.6 2.9 1.5 3.6 3.8 11.1 11.4 10.7 14.8 10.4 23.5 10.6 1.0 0.4 0.5 0.1 0.0 1.7 0.0 0.6 0.3 0.7 0.9 2.9 2.9 2.9 2.3 1.7 7.6 4.2 0.1 △0.3 △0.4 △0.5 0.0 △0.6 0.0 △0.1 0.0 0.0 △0.2 1.3 2.2 0.5 1.0 1.0 1.4 1.9 東京四外 埼玉県 千菜県 茨域県 19.1 37.4 9.6 21.1 28.5 10.4 4.9 2.5 0.0 1.6 14.2 34.7 8.3 17.4 28.9 9.4 5.9 2.5 3.0 1.5イナス04.%、平成3年度にはマイナス0.8%である。いち早く上昇した都心部 で、高止まり現象が最初に起きたのは当然である。少なくともこの間において著 しい下落はみられないが、この間の物価や賃金の上昇等の経済諸指標の変化から みれば、調整過程にさらされているとみることもできよう。 東京圏に含まれる神奈川県・埼玉県。千葉県。茨城県の住宅地における平成3 年度の動きをみよう。神奈川県については29%の上昇率と高止まりの傾向をみ せているが、埼玉県12.1%、千葉県19.5%と、まだ上昇の余力を示している。し かし、平成2年7月以降の動きをみると上昇率は鈍化傾向にあり、沈静化の兆し をみせている。 東京圏外に区分される埼玉県。千葉県゜茨城県の住宅地についての平成3年度 の上昇率は、それぞれ21」%、285%、10.4%と前年度並みの高い上昇率を示 しており、地価の波及を示している。ただし、同年7月以降にはやはり上昇率は 鈍化してきている。 国土庁「平成3年分の都道府県庁所在都市における最高路線価について」(平 成3年1月)には、最高路線価についての最新のデーターが示されている。「路 線価とは、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している道路 ごとに付した1平方メートル当たりの宅地の標準価額をいい、都道府県庁所在都 市における最高路線価とは、それぞれの都道府県庁所在都市において最高の路線 9) 価をいう。」と言己されている。 相続税や贈与税の算定の際の土地の標価額の基準は、各国税局において定めら れるが、この評価基準の作成の基となる各都道府県庁所在都市における最高路線 価は、地価公示価格、売買実例価額及び精通者意見価格に基づいて評定され、土 地評価審議会の審議を了したうえで決定される。平成3年分の都道府県庁所在都 市における最高路線価をみると、各都道府県を代表する地点を通して、全国の地 価分布と地価の相対比較を概観することができる。 平成3年分の最高路線価の順位をみると、やはり東京(銀座。鳩居堂前)の
3,350万円/㎡が最高を記録している。この地点は、平成2年分最高路線価2,850
万円/㎡と比較すると500万円(17.5%)の上昇を示している。過去の市場価格 の高騰を反映した数値ではあろうが、東京の地価の余力を示しているように思え る。2位の大阪(北区。阪急百貨店前御堂筋)が2,830万円/㎡である。これは、 -14-前年度の2,230万円/㎡よりも600万円(26.9%)の上昇を示しており、上昇率 では東京を上回っている。これは、地価高騰のタイム・ラグを反映した数値であ ろう。3位に京都(下京区。富士銀行河原町支店前四条通り)の2,080万円/㎡ が入っているのは特徴的だが、これは前年(1,660万円/㎡)と同様である。自 力の経済的発展とは無関係に東京や大阪マネーによる「外圧」によって引き起こ された地価高騰を反映した数値であろう。開発規制等によって形成されてきた歴 史的景観が、かえってリゾートマンション等への投資を誘発し地価を押し上げる という近年に特徴的なケースの典型であろう。 7位の札幌(中央区。三越百貨店前南一条通り)は1,186万円/㎡であるが、 前年度の875万円/㎡と比較すると、311万円(35.5%)という箸るい、伸びを 示している。このケースの場合も、自立的な経済的発展による要因のみならず東 京マネーなどの投資による面が大きいものと思われる。福岡(8位)、広島(9 位)、仙台(11位)などの政令指定都市においても、ほぼ同様の動きを示してい る。その他、千葉(10位)、浦和(14位)等の動向は、東京近郊の宅地開発を反 映したものであろう。 最後に注目すべきは、那覇(三越百貨店前国際通り)の268万円/㎡が、22位 に急上昇していることである。ここでは、前年度の169万円/㎡よりも99万円 (58.6%)の急上昇を示している。ちなみに、1988年度の1人当たり県民所得 をみると、沖縄は174万3千円で最下位(47位)である。前年度増加率も3.9% と最下位に近い。東京は374万3千円で、沖縄の215倍である。東京の伸び率 は85倍と高いので、格差は拡大する一方である。沖縄には急激な経済成長も所 得増加もみられないので、自立的な経済要因からこの間の地価の動向を説明する ことは困難である。東京マネー等による恩納村を中心としたリゾート開発の拠点 等としての都心部の土地需要と島内経済の那覇への-極集中が反映した数値と考 えるべきであろう。北海道と札幌の関係にも、同様の要素がみられる。近年の全 国的な地価の動向は、東京や大阪などの大都市の収益率などからみて相対的に 土地の資本価値が低位な地域に対する投資などを通じての調整局面として持続し ていることは、明白であろう。 近年の地価高騰の最大の特徴は、土地の資本価格の収益率(収益価格)からの はなはだしい乖離をもたらしたことである。この現象は、固定資産税のあるべき -15-
課税標準は資本価格の水準に近づけるべきか、あるいは停滞している収益率の水 準にとどめるべきかといった基本問題と関連している。固定資産税の理念につい
て論じる前に、資本価格の収益率からの乖離について、事例に基づいた説明をし
ておきたい。 表-5経済指標と地価の変動 調査対象始期調査対象鍵期倍 54度2254530円62年度3507750億円’ 55年平均10063年7月1151 55年平均63年7月 687016円2767002円4q 55年7月千円/r63年7月千円/㎡ 6366665105 19789145 〃11m Ⅲ ■ ■ 1m 12345 j 注 ぐ 名目国民総生産は、国民経済計算(経済企画庁)による。 消費者物価指数は、「消費者物価指数月報」などによる。 曰経平均株価は、曰本経済新聞による。 基準地価格は、財務局資料による。 東京都『東京の土地(土地関係資料集)1988)』による。 資料『東京の土地1988(土地関係資料集)』には、市場地価が高くなりすぎ たことによる収益地価との乖離現象について、分析されている。表-5には、経済指標と地価の変動について示されている。東京都の基準地価
格の上昇をみると、昭和55年から63年の間に、住宅地は45倍に、商業地は10.5
倍に上昇している。表で示されているように、ほぼ同じ期間に都内総生産は15倍、 10)消費者物価指数の上昇率は1.2倍、平均株価(日経225種)は4倍になっている。
この間の東京都の地価の上昇がいかに激しかったかがわかる。 同資料では、昭和55年と63年の2時点の港区と世田谷区の商業地域と住宅地から14地点を選び、現実の地価(「市場地価」)と仮に当該土地を取得して貸ビ
ルや貸家を営んだ場合に得られる収益ベースに算定した地価(「収益地価」)を 算定し、その関係を分析している。収益地価算定の前提条件として、①自己資本で購入の士地に貸ビルを建築す
る。②建築費は入居保証金で賄い、不足分は金利57%で借り入れ調整する。
-16- 調整丘対象始期 調里 ・象終期 倍率 屑目国民N鍵年産 54年度 2,254,530億円 6Z年度 3,507,750億円 1.6 消費可;物価!旨数 55年エ z均 100. 0 63年7F 115.7 1.2 曰経エz均株, 面 55年Ⅱz均 63年7‘E (東証225】重) 6,870.16エ 27,670.02エ 4 ● 基準地,、I稲・鬼示 55年7F 】一 P 」/。 63年7F 二一 P学 エ/㎡ 商業地 136.4 6,(165.8 10● P0 主宅地 197.〕 891.」 4●5③事務所の賃料は2年で8%、住宅の家賃は2年で6%上昇するなどが、仮定さ
れている。市場地価は、原則として東京都基準地価格が採用されている。収益地価は、売
買差益などキャピタルゲインを想定せず、全額を自己資金で土地を購入し賃貸
にする場合の収益価格が求められている。収益地価に対する市場地価の倍率については、1であれば市場地価と収益地価
が一致していることになる。1未満であれば収益地価が市場地価より高く採算性
があり、1を超えていれば市場地価より高くその市場地価で当核土地を購入し賃
、 貸|こしても採算カゴ取れないことを示している。 表-6商業地の収益地価詞M翻醜扇嬬V編EF扇i嬬懸iEF辮寄謡編扁i嘉穂言
(注)1収益地価の上段=最低値、中段=中央値、下段=最高値
2(市場地価/収益地価)の計算で採用している収益地価は、中央値である。
3収益地価の倍率計算は、中央値を採用している。4是正下落率とは、市場地価が収益地価の水準まで是正される場合に必要と71
5束京都『東京の土地(土地関係資料集)1988』による。 収益地価の倍率計算は、中央値を採用している。是正下落率とは、市場地価が収益地価の水準まで是正される場合に必要となる下落率。
-17- (璽位:千円/」、%) ~罰査対象地 昭和55年 市泪地価 収益, 昭和63年 市Nb地価 収益地価 ■r lU-Jun函’、 ロ和55年 【益地価 昭和63年 市坦地価倍 牢 収益地価 是正下落牢 港区ロピノ門 1-3-2 3,000 000 311 山側〃 333 30,000 000 000 785 00● 旧理躯 0.88 1.33 10.0 8.8 24.7 港区虎ノ門 1-20-8 1.100 233 259 289 12.000 233 780 230 820 4.25 3.72 10.9 12.5 73.1 港区南青山 5-1-27 2.500 000 348 357 000 222 27.400 358 -11 500 400 100 0.98 1.78 11.0 8.1 43.8 港区赤坂 2-13-19 1,600 524 578 638 15,000 458 570 020 210 2.77 2.99 9.4 8.7 88.5 港区浜松町 1-30-11 1.800 000 075 β81 112 17.700 11 13 15 700 400 700 0.91 1.32 9.8 8.8 24.3 進臼室 2-15-1 800 317 353 392 8.410 334 010 490 130 2.27 2.41 10.5 9.9 58.5 泡区芝 2-7-15 1.000 351 392 437 14,000 558 060 860 920 2.55 2.39 14.0 14.9 58.1 港区港南 2-12-26 400 275 299 327 6.000 233 700 130 710 1.34 1.92 15.0 10.5 47.8 世田谷区 三軒茶屋 2-17-10 1.000 349 382 422 5.980 222 060 320 640 2.82 2.58 8.0 8.1 81.2 世田谷区 北沢 2-4-10 850 197 217 241 4.200 111 470 650 890 3.92 2.55 4.9 7.6 60.7表-6には、東京23区内の商業地における市場地価と収益地価について、昭和 55年度と63年度の比較がなされている。 昭和55年から昭和63年の8年間の市場地価の上昇をみると、調査対象地の港区 の商業地(8カ所)の価格は9~15倍に、世田谷区の商業地(2カ所)の価格は 5~6倍に上昇している。 最上段の「港区虎ノ門1-3-2」の例をみると、昭和55年の市場地価は300 万円/㎡、収益地価は341万円/㎡(中段値を採用)であり、この時点では、ほ ぼ一致している。ところが昭和63年には、市場地価は10倍の3,000万円/㎡に上 昇しているのに対して、収益地価は6.6倍の2,260万円(中段値)にとどまってい る。市場地価の収益地価に対する比率(市場地価/収益地価)をみると、昭和55 年度の088に対して、昭和63年度は133という値を示している。是正下落率(市 場地価が収益地価の水準まで是正される場合に必要となる下落率)は、24.7%を 示している。商業地においては、バラツキはあるものの昭和55年時点では市場地 価と収益地価の乖離は少なかったものが、昭和60年代における市場価格の急騰を 経て、急激に乖離が深まってきたものと考えられる。 表-7住宅地の収益地価 (単位:千円′J、%)
耐wiiiIw扁霊i縣i壷i繍r霊臺云云f悪|雲霧霊需蒜i孟嘉i颪T襄壹壺云1
(注)前表に同じ 表-7には、住宅地の市場地価と収益地価の比較がなされている。住宅地の価 格は、港区(2カ所)で7~9倍と商業地並みの上昇を示したのに対して、世田 谷区(2カ所)では、3.5倍程度となっている。世田谷区の地価高騰が昭和60年 -18- 関査対象地 昭和 市堀地(画 収益地価55年 市場地価 収益地価昭和63年 ITMI地価(3和55年 〔益M 昭#I価63年 市娚曾率囮 収益N ! 、! 是正下落甲 漣区丙麻布 4-18-11 700 252 278 304 6,280 00- 486 j24 111 2.54 4.91 9.0 4.6 79.8 港区高姶 4-16-3 600 804 134 111 4.100 655 740 847 4.62 5.54 6.8 5.7 82.0 世田谷区 松原 2-14-17 350 025 222 L240 333 377 431 15.91 3.29 3.5 17.1 69.8 世田谷区 桜新町 2-29-15 360 407 568 1,310 520 586 670 8.00 2.24 3.6 9.8 55.3以降であるのに対して、港区は住宅地の商業地化が進んでおり、住宅地も商業地 と同様に昭和58年頃から地価高騰が進行したためである。 同表で収益地価に対する市場地価の倍率をみると、収益地価と市場地価の乖離 が大きくなっていることがわかる。 最上段の「港区西麻布4-18-11」の例をみると、昭和55年の市場地価は70万 円/㎡、収益地価は27万6,000円/㎡(中段値を採用)である。住宅地の場合には、こ の時点ですでに市場地価の方がかなり上回っているのが、特徴的である。昭和63 年には、市場地価は9倍の628万円に上昇しているのに対して、収益地価は4.6 倍の128万円/㎡(中段値)にとどまっている。市場地価の収益地価に対する比 率(市場地価/収益地価)をみると、昭和55年にすでに2.54であったものが、昭 和63年には491にまで拡大している。是正下落率は、79.6%に達している。その 他の例も同様の傾向を示している。住宅地の場合には、昭和55年の時点ですでに 市場地価の収益地価に対する乖離が大きかったものが、昭和60年代の地価高騰期 を経て、一様にはなはだしい乖離を引き起こしていることがわかる。 表-8調査対象地の賃料水準 籾Ⅲ十F (注)東京都『東京の土地(土地関係資料集)1988』による。 -19- (軍位:千円/鄙、%) ■==Vニュー 用途地域 揖定容積率 道路鯛Bq ハコー▲四四国 頁科 〃n℃ ̄ 55 83 83/55 漣区虎ノ門 1-3-2 商粟地域 800% 33m 1.000㎡ 8,000 150000 2.5 泡区虎ノ門 1-20-8 西奥地頃 800% 7m 取引事例83.88J 30300 80800 2.0 港区間■山 5-1-27 囲興地域 700% 40m 1,00of 5.600 12,500 2.3 糟区赤坂 2-13-19 商藁地域 500% 7.5m 取引UI例114.95㎡ 30500 80000 2.3 樋区浜根町 1-30-11 囲典地域 700% 27m 1,000J 40800 110000 2.3 溝尻重 2-15-1 商粟地域 500% 8m 100J 30000 80000 2.0 漣区三 2-7-15 閥璽IHI埴 800% 27m 1,00of 3.000 70000 2.3 漉区楢南 2-12-28 単工粟地域 400% 27m 1,00of 倉肛 10700 事圃所80000 注! 世田谷区 三軒茶困 2-17-10 商粟地域 800% 18m 1,000』 IF店4, 2F店3, 住宅2, 000 500 200 肌叩叩 008 000 783 店店宅 形跡住 住宅 1.8 世田谷区 北沢 2-4-10 囲典地埴 500% 11m 1.000ゴ 住宅2.200IF店30500 住宅3,800IF店8,000 住宅1.8 漣区両摩布 4-18-11 銅2囲専用地庄居園 300% 8m 500ゴ 4jDOO 80600 1.8 沼区高nb 4-18-3 第2団専用地庄居噴 200% Z7m 500鄙 3.500 50300 1.5 世田谷区 松原 2-14-17 第IFR住居専用地域 150% 3.6m 500㎡ 20100 30400 1.6 世田谷区 桜Wi町 2-29-15 岨工築地埴 200% 8m 500ゴ 20200 30800 1.8
表-8には、調査対象地の賃料水準について示されている。賃料のアップ率をみ ると、商業地(須務所)の平均資料は昭和55年から63年の8年間に2~25倍に なり、住宅地の平均賃料はL5倍前後になっている。 収益地価の高騰についてふりかえってみると、商業地が6~15倍になっている。 (表-6)。また、住宅地は5~17倍になっている(表-7)。 商業地の分析結果を表-6により、住宅地の分析結果を表-7によってみると、 以下のようになる。①商業地では、すべての調査対象で市場地価が収益地価を 大きく上回っている(昭和63年ベース)。②都心商業地のうち条件の良い土地 では、従来収益地価が市場地価を上回り、採算が取れる状態であった。しかし、 今回の地価高騰で逆転し、市場地価が収益地価を上回り、その乖離も大きくなっ ている。 以上の結果から、投資と収益のバランスを取るためには、商業地の市場地価は 25%程度は引き下げられるべきであり、市場地価と収益地価との乖離度の大きい 立地条件の劣る商業地では、市場地価は60~70%程度引き下げられるべきだと している。また、住宅地の場合には、市場地価が収益地価を大きく上回っている 12) ことから、60~80%の下方修正カゴ必要だとしている。 土地政策審議会の答申では、地価公示制度に関連して「一定の地域においては 平均的な収益価格を示すことによって、市場において土地の利用価値を超えた値 付けが行われている場合には、その実態を明らかにする」ことをうたっている。 国土庁『土地の動向に関する年次報告(平成2年度)」では、平成3年地価公 示に係る標準地の鑑定評価に際して、土地政策審議会答申に沿って、大都市の特 定のゾーン内にある評準地群について、収益価格の公示価格に対する割合の平均 13) (直の試算を行ったことが示されている。その結果、東京の代表的商業ゾーンであ る銀座、代表的高度事業所ゾーンである丸の内における平均収益価格の平均公示 価格に対する割合は、いずれも8割程度、周辺商業地や住宅地における平均収益 価格の割合は、地域によって5割から7割程度と大きな幅が認められたとしてい る。おおむね高度商業地においては、平均収益価格の公示価格に対する割合が高 くなっていることが認められ、土地の有効利用を行うことができるゾーンにおけ る割合が相対的に高いと結論づけている。 -20-
小括
以上の分析を元にして、平成3年度における全国の地価の動向について、まと
めておきたい。全国の平均地価は、平成2年1月1日からの-年間で、住宅地が10.7%(平成
元年17.0%)、商業地が12.9%(同16.7%)上昇している。平成元年に比べると、
伸び率はやや鈍化している。平成元年に約50%上昇した大阪圏の伸びが10%以下
に落ち着いたのが、主な要因である。しかし、地方圏は昭和50年以降最高の伸び
を示し、地価高騰の波及を物語っている。ただし、平成2年秋以降に限定すれば、
東京都全域で住宅地が下落するなど、上昇しすぎた大都市の中心部などでは沈
静化の動きも一部みられる。東京圏では、千葉県のうち東京圏内にある地域が、住宅地で19.5%と依然とし
て高い上昇率を示している。とりわけ東京から比較的離れた住宅地は、25.7%も
アップしている。東京都の住宅地でも、江戸川区、江東区など区部北東部では上
昇している。今回の調査では、東京圏の通勤可能距離の限界地域や東京都内の住
宅地としての立地条件の優れていない地域にまで地価高騰が波及してきたことが
示されている。以上のように、昭和60年代から平成3年度に至る長期に及ぶ全国的な地価高騰
の動きをみると、そこには永続的かつ普遍的な傾向を見い出すことができる。短
期的な視点に着目すれば、昭和60年代の地価高騰の発端は、経済の東京への-極
集中とあいまって、東京都心部の商業地を発端として生じたものであった。土地
収益率などの地価決定要因や経済成長率などの経済のファンダメンタルズとかけ
離れた水準に短期間のうちに上昇したため、金融緩和や税制の不備などに支えら
れた「バブル経済」の産物と見る向きも強かったように思える。確かに今回の地
価高騰を引き起こした起動力としては、昭和60年代の超低金利下の過剰融資など
のバブル的側面を無視することはできない。しかしながら、経済の実態とかけ離
れた「バブル」としての地価高騰が今日まで6年間も存在し続け、全国の中小都
市にまで経済法則のような規則正しさで拡散し続けたとすれば、別の角度からの
分析も必要とされているように思える。昭和60年代に東京を中心として突出して上昇した地価は、その後の調整過程に
-21おいて、実需とかけ離れて突出した地域で-部下方修正されつつも、三大都市圏 や政令指定都市に波及して今日に至っている。現在の状況については、全国の50 万都市や30万都市などの中・小都市における地価の上昇が続く中で、この調整過 程が進行しつつあるものと把握される。
調整過程が長びいたため、実需とかけ離れた投機的要因を主として上昇した地
域においても、後追い的に実需が拡大することによって極端な下落をまぬがれた 地域も多いと考えられる。また、タイム・ラグを判った経済のファンダメンタル ズの向上による土地収益率の上昇や企業利潤や賃金の上昇のために、突出した地 価水準との格差が縮小された地域も多いと考えられる。土地投機は将来の実需の 拡大を予測してなされるものなので、調整過程が長びけば、経済のファンダメン タルズの向上とともに地域によっては実需が後追いすることになる。本論文の及ぶところではないが、近年の我が国の地価高騰について社会科学的
に解明するとすれば、本来まず第一に、最も基本的な要因である日本経済のファ
ンダメンタルズと経済成長の将来の持続予測による期待収益などから論じるべき であろう。その後に、土地税制の歪みや金融緩和による地価の変容について論じ、 最後にそれと関連したアナウンスメント効果や「バブル」によって短期的に形成 された部分について論じるべきであろう。しかし、近年の地価論においては、基本的要因と波生的要因の区別が明確でない場合が多く、「バブル」や「土地神話」
といった根拠の不明確な概念が乱用され過ぎており、地価についての社会科学的 な解明を遅らせているようにすら思える。 筆者は、「バブル」の存在や地価調整過程における一部の地域での「バブルの崩壊」が進行してきたことについて、いささかも否定するものではない。しかし、
これらの要素を中心にすえて地価を解明することはできないと考えるのである。
なお、「アナウンスメント効果」について正確に論じるとすれば、政府省庁や
マスコミなどによる「逆アナウンスメント効果」とでも呼ぶべき現象についても
考慮しなければ、片手落ちとなるであろう。政府省庁は政策の誤まちが拡大しな
ないために、マスコミは需要の過熱による持家取得の困難性が増大しないように、
地価は天井価格に達しているという可能性を繰り返し主張する傾向がある。いず
れにせよ、これらの要因は、地価高騰を一時的に増幅したり抑制したりする効果 があるとしても、本質的な要因ではない。 -22-表-9地価形成の社会的要因及び経済的要因 (注)東京都企画審議室『土地利用及び地価形成要因に関する調査』 (平成2年6月)による。 表-9には、地価高騰を引き起こす社会的要因及び経済的要因について、長期 ・短期に分けて示されている。 「長期的要因」をみると、社会的要因として、人口のトレンドや世帯分離の動 向などがあげられている。また経済的要因として、経済の均衡安定成長率などが あげられている。 「短期的要因」としては、社会的要因として、公共施設の整備などがあげられ ている。また経済的要因として、国際収支や金利の変動などがあげられている。 また、地価上昇がマイナスに転じた要因とし、居住用住宅の買い換え特例の廃 止、超短期譲渡所得の重課等の土地税制の変更、監視区域制度の導入による土地
取引規制も重要な要因としてあげられていぢ:)この他に建築規制の緩和などによ
-23- 社会的要因 経済的要因 長期的要因 ・人口のトレンド ・世帯分離の動向 ・人口。世帯分離の動向を ふまえた世帯数の動向 ・人口移動の長期的トレンド ・地域発展の動向 ゜経済の均衡安定成長率 ・マネーサプライのトレンド 。安定的物価上昇率 短期的要因 。急激に生じた人口移動 ・公共施設の整備 ・為替レート 。国際収支 。金利の変動 。景気変動 ・マネーサプライのトレンド からの乖離 ・物価の短期変動る供給面からの影響も、無視できないものと思われる。 土地税制の影響については、上述のどちらかといえば短期的な要因以外にも、 譲渡所得税を中心とした移転税や固定資産税を中心とした土地保有税の強化など、 その影響が普遍的かつ永続的な長期的要因が重要であろう。 地価高騰を左右する最も基本的、持続的かつ普遍的な要因は、いうまでもなく 経済成長率を中心とする経済的要因であろう。土地保有税を中心とする土地税制 などその他の要因については、経済的要因によって既に形成されている地価の潜 勢力を顕在化させる時期を左右する要因と考えることもできる。この時期が早い か遅いかによって、ある特定の時点における地価の水準は大きく異なることにな る。経済的要因が地価を左右するといっても、それによって決定される地価の水 準にはかなりの幅があると考えられる。その最大値と岐小値のどちらに決定され るかについては、土地税制などその他の要因による影響が大きいと考えられる。 地価高騰の基本的要因について長期的な視野でみれば、経済成長に伴なう土地 収益率の上率や賃金の上昇による土地に対する有効需要の増大、交通手段の拡充 によって増大する開発利益の影響などがあげられる。今回の地価高騰においても、 長期的な視野でみれば、地価は背景に存在するこれらの要因の変化もしくは変化 の見通しによって誘導され、その水準に近づいて行く傾向があるものと考えられ る。基本的に、持続的な経済発展と将来の見通しが伴わなければ、普遍的な地 価上昇はありえない。逆に、将来の経済成長などの見通しが確実な場合は、現在 の実勢を離れて将来の水準まで地価が上昇してもそれほど不思議ではない。 しかしながら、今回の急激な地価高騰については、長期的な視野でとらえても これらの要因のみによって説明することはできない。長期的な土地保有によって もたらされる資産価値の確実な上昇期待にもとづく「土地保有の絶対的優位性」 が存在するように思える。このことは、長期的な視野からみれば、経済の着実な 成長期待やそれによってもたらされる土地収益率の上昇期待と密接に関連してい る。地価は、市場における企業と家計の需給関係を基本とした価格に対するいわ ば「投票行動」によって形成されると考えられる。将来の経済成長や土地収益率 の上昇に対する期待の確実性は、現在の土地の評価を高くすることにつながる。 企業の収益性の向上や将来の設備投資の拡大、家計の収入の向上の見通し等が着 実であれば、経済諸指標の現在の実勢とかけ離れた地価水準が一定期間出現して -24-
も驚くにはあたらないと思われる。戦後の日本経済の持続的成長と今後の持続見 通しは、この期間を長期化し乖離の幅を拡大してきた要因であろう。 一般に地価理論では、「地価の実勢」について、経済諸指標やそれを背景とし た収益率の水準に左右されるものであると前提してきた向きが強かったように思 われる。これらの要因は地価水準を決定する場合の基礎的要因であることは疑が う余地がない。しかしながら、昭和末期から今日までの地価の動向をみてくると、 「収益率によって資本還元する」といった経済学の教科書的な理論のみではとて も説明のつかない事態が進行しているように思える。 そもそも収益率によって地価が説明される地域は、都心の商業地などの限られ た地域だけであろう。住宅地の大半や近年注目されつつあるリゾート地の地価高 騰については、収益率によって説明することは困難であろうと思われる。 近年の土地に対する投資の動向を考慮すると、低収益性を背景としてキャピタ ルゲインの獲得が自己目的になっているケースが増大しつつあるように思える。 ところで、一口に「低収益性」といっても、少なくとも二つの状態が区別され なければならない。一つは、土地の最高度利用に追いつけない古くからの小営業 などにおいて、地価の高騰水準とかけ離れた低収益しかあげられない場合である。 市街化区域農地で営まれる農業や東京の神田の古本屋街などが、典型例であろう。 営業の既得権を守るという視点だけからみれば、ひたすら低収益的営業を続ける ことが正当化されよう。社会的に「メリット財」と考えられる公衆浴場などに対して は、収益の不足分に補助金を支給して維持することもできよう。これらの特殊な ケースは別として、一般的には、これらの低収益的営業は、地価水準に対応した 土地の有効利用に適合し得なくなったものと考えられる。極く一般的かつ基本的 な視点からみると、地価の変動によってしだいに形成される地域毎の地価の較差 は、「見えざる手」によって導びかれた適切な資源配分や産業配置などを促進す るためのプロセスととらえることもできよう。 もう一つの「低収益性」は、土地の最高度利用をしているにもかかわらず、土 地の資本価値が高騰しすぎたことによって生ずるものである。近年のように 土地に対する将来のキャピタル・ゲインの獲得が確実視される場合には、広い範 囲の土地において、現在の最高度利用収益と相対的に分離した水準にまで地価が 押し上げられても不思議ではない。もっとも将来の収益性の向上が確実視され -25-
るという視点から見れば、収益性と全く無関係な動きとはいえないであろう。こ の場合、社会的。全般的に資本価値と収益性との乖離が起きている点で、第一の 場合とは性質が異なる。しかし、全般的な現象ではあれ、乖離は一時点かつ偶然 的なものであり、収益性の回復やあるいは地価の全般的な下落によって縮小する 可能性があると考えれば、第一の例と共通点も見い出せるのである。 すなわちいずれの場合にも、資本価値の収益性との乖離は、現在とは異なっ た水準の高収益の実現を予測させる資源の再配置に向けた過渡的な状態と考える ことができる。その背景には基本的に、経済の安定成長とその持続性について の社会的合意が存在するものと思われる。 近年のように土地の資本価値が高くなってくると、収益率は資本を一定期間保 持するための財源の獲得のために考慮されるにすぎないといったケースがふえて いる。都心の賃貸マンションへの投資などは、その典型例であろう。この場合、 近年の土地の資本価値の高騰によって収益率が極めて低くなっているため、固定 資産税を中心とした土地保有税の強化によって資産の保有コストを高めることが 投資的資産保有に対する保有動機を抑制する効果をどの程度発揮するのかという ことが、議論の中心になるべきであろう。 土地資産価値の増大と収益率からの乖離を前提とすると、固定資産税の増徴の もたらす政策効果には、二面性がある。一方では、投資用資産などにおいて、そ もそも収益率がますます低下して、資産を保持しきれなくなると考えられる。他 方では、やはり投資用資産などにおいて、そもそも当初から収益率が極度に低い 場合、投資の目的はキャピタルゲインの獲得にあり、収益率のいっそうの低下は それほどインパクトをもたらさないと考えることもできよう。この場合、むしろ担 税力の乏しい個人の所有する居住用資産の方が保有コストの増大に耐えかね、担 税力のある法人の所有する投資用資産は保有コストの増大に耐えて最終的にキャ ピタルゲインを獲得しうるという場合も考えられる。 後者の推論も一見もっともらし〈見える。しかしこれは、あくまで現在のよう に収益率を無視して地価の高騰が進展し続ける場合にのみ妥当する推論である。 社会的背景としてこれまでと同様の地価の高騰が持続すると仮定した場合には、 個々の企業や投資家の収益性を無視した資産保有が持続しうるであろう。しかし ながら、保有コストの増大による収益率の極度の低下は、しだいに土地に対する -26-