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では、やはり東京都の事例的研究を通して、東京一極集中下の経済の集 中と地価高騰が進む中での固定資産税の構造の変化について論じたい。土地・家

屋・償却資産に分けたそれぞれについて、構造の変化と税収の動向について、論

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じることとしたい。

第3節では、「個人:法人」「住宅用地:非住宅用地」などに分けて、土地を 中心とした固定資産評価額の構成の変化について、論じたい。特に、経済の東京 への-極集中を通じて「法人非居住用地」の拡大がみられるので、これを軸に

して論じることとしたい。

事例研究の対象として東京都を選んだのは、地価高騰の影響が他の諸都市に 先がけて見られるからである。都市における法人非住宅用地の増大や土地の細分 化傾向といった固定資産税の基礎的条件の変化は、現在の東京において典型的に 進行している現象であるが、これらの現象は、地価の波及と同様にいずれ他の諸 都市においても波及するものと考えられるのである。

東京都主税局『都税収人の推移と背景及び今後の見通しに関する調査」(平成 元年5月)には、経済の東京一極集中に伴なう税収の変化について、示されてい る。この部分については、拙稿「東京都の用地費研究」(『沖大経済論叢通巻36 号』)の補論に基本的な視点が示されているカゴ、新らしい視点から詳しく論じる,

こととしたい。

同調査によれば、東京一極集中のもたらした都税収入への影響は、地価高騰に よる固定資産税等の増収よりも、経済の一極集中が直接もたらした企業課税など の増収のウエイトの方が高い。もちろん急激な地価高騰は経済の-極集中を主要因と してもたらされたものなので、地価高騰は経済の一極集中と切り離しては考えら れない。両者は、同一の原因がもたらした二つの面と考えられる。地域的にみれ ば、経済の-極集中は都心部を中心とした23区を主な領域とするのに対して、こ れに伴なって生じる地価高騰は、東京首都圏の可住地域に拡散するという違いが 生じるのは、当然である。また、極度な地価高騰は、極限の高収益に対応できる 企業以外の都心部への参入を妨げたり、可住地域を遠隔化することによって、人 口の都心部への集中を抑制するといった作用をもたらすという面もあることは、

否定できない。この事が、企業や住宅の新たな地価水準に適合した再配置を生み 出すという面も、無視することはできない。

地価高騰のもたらす資源配分は、企業の再配分やそれを基盤とする企業活動に ついては、効率性や適合性をもたらすという面があることは、認めざるをえない。

逆に、居住に関しては、遠距離通勤などの非効率性がもたらされることになる。

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しかしこの点は、住宅の集合化や高層化の促進による有効利用がせまられている 地価水準の下で、効率性が充分に達成されていないことに原因があるという別の

見方もできる。

図2-180年代における23区オフィス床面積の増加 建築着工面積 (ha)

500

400

ロ量 300

200

薑蓼”薑

100

0

’98019811982198319841985198619871988年

注)1資料:東京都建築統計年報、東京の土地など。ストック面積増加量は、

翌年1月1曰現在値から当年1月1曰現在値を引いたもの。

2束京都都市計画局『東京集中問題調査報告書』(平成2年3月)による。

東京都区部における従業者数(昼間就業者数)の動向をみると、70年代10年間

の増加数が34万人であったのに対して、80年代に入ると増加テンポが高まり、85

(昭和60)年までの5年間だけで45万人も増加している。業種別にみると、増加の

2)

大半はサービス業、卸売・ノI、売業、金融・保険・不動産業によるものである。

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図2-1には、80年代における23区オフィス床面積の増加について、示されて いる。区部のオフィス着工床面積は、80年代に入ってから年々増加速度が高まり、

88(昭和63)年には、485ヘクタールになっている。これは、80年の着工床面積 153ヘクタールの3倍以上の量である。

この結果、取り壊しなどによる減少分を差し引いたストックとしての床面積で みても、1986(昭和61)年から毎年260~280ヘクタール程度増加している。オ フィス需要の急激な増大が昭和60年代の地価高騰に拍車をかけていることが、

明白である。

80年代(80~89年)のオフィスの増加面積1,506ヘクタールは、1都3県の全 ての業務核都市(横浜、川崎、千葉、大宮、浦和、立川、八王子の7市)の全オ フィスストックの合計面積1,540ヘクタールとほぼ同じであり、その増加の激し さカゴわかる。3)

オフィスのストック面積の増加は、土地・家屋の固定資産税評価額に占める法 人負担割合の増加をはじめとして、固定資産税の構造についての様々な内実の変 化をもたらしている。これについては、後述するつもりである。

表2 ̄’区部開発可能床量と床残量算定結果

(単位)床:ha,充足率:%

鯛東京都都市計画局『東京集中問題調査報告書(分析調査編)」(平成2年3月)

による。

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地域

法定許容容積

開発可能床量

既利用 床量

床面積 残量

充足率

セミオ、ツト

都心

区 副都心三区 その他の区

区部全体

10,396 9,377 66,377 89,180

717827479

999654

47,185

960050964

999331

41,995

56 50 47

48

表2-1には、東京都区部の開発可能床量と床残員について、示されている。

開発不適地である道路、鉄道敷地、公園などを除いた開発可能な敷地に設定され うる法定許容容積床量は、区部全体で89,180mであり、これが開発可能床量であ る。このうち、現在利用されている床面積が47,185mあるので、残っている開発 可能な床面積は41,995mである。

すなわち、1986年現在利用されている床量の約9割にあたる床面積が、まだ 未利用として残っていることになる。1981年から86年の5年間に増加した床面 積量が今後も一律に続くとしても、全体としては44年間分(2030年まで)の法 的に許容される開発可能床量カメあることになる。4)

このことは、地価水準にみあった高度利用が今後も推進されれば、家屋を中心 とする固定資産税に占める法人所有割合が、今後も増加する余地が十分にあるこ とを示している。

東京首都圏への人口の集中と都心部からの人口の流出という問題は、「夜間人 口減少論」とも関連して、地方税における固定資産税を代表する資産課税にとっ て、古典的な利益原則だけでは解決できない受益と負担についての新らしい関係 を発生させているように思える。この点については、「一極集中論」を本格的に 論じることができれば、再論することとしたい。

なお近年においては、都心又は首都圏への経済や人口の極端な一極集中とい う現象は、東京首都圏などに特有な現象ではなく、全国的にみられる普遍的な現 象である。北海道における札幌市から、沖縄県における那覇市に至るまで、共通 にみられる現象である。情報化社会の発達やモータリゼーションや新幹線などの 交通網の整備が進み、オフィスの地方分散などもみられる中で、なぜ一極集中化 が進行するのかという点については、解明されなければならない問題である。

本論文では、「-極集中現象」そのものについては、所与の事実として論述を進 めることとしたい。

上述の資料には、都税収入の長期的推移と変動要因についての分析がなされている。

表2-2において、昭和35年度から62年度までの都税収入の動きを見ると、35年 度の1,244億円から62年度の3兆9,407億円へと、名目GNP成長率12.0%を上 回る年平均13.7%の伸びで拡大してきている。しかしこの伸び率は、全国地方税 の年平均{申び率143%を下回るものとなっている。5)

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表2-2都税収入(総額)の伸びとシェアの推移

資料:東京都主税局

東京都主税局『都税収入の推移と背景及び今後の貝通しに関する調査』

(平成元年5月)による。

昭和61年度と62年度における都税の伸び率をみると、それぞれ10.1%、205%

と、全国地方税の伸び率56%、105%を大幅に上回る高い伸びを示している。

この結果、昭和62年度の全国地方税に占める都税の割合は145%となり、60年度 の12.7%に比べると1.8ポイント上昇している。

この時期に特徴的なことは、名目GNP成長率が45%であるのに対して、都 税収入が二桁台の伸びとなっていることである。このことは、経済の-極集中の 加速化とそれと関連した土地資産価値の増大などが反映した結果として生じたも のと考えられる。こうした結果として、都税収入の伸びは、昭和62年度には40 年代後半並みの割合となっている。

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年度 団税 全国

地方税 国税 邸税シェア

(対全国地方税)

名目GNP 成長率

35~40

40~45

45~50

■S●。●□■。■L-◆●■●●■

50~55

55~60

60~62

13.9

19.5

14

11

8.1

15.2

15

19.3

16.8

14.3

2.2

13.5

19.1

13.5

14.3

7.3

10.7

15.4(40年度

や●。●ロ■巴●■e■◆●●●-■■●●小■■の

15.5(45年度

14 2(50年度

12.7(55年度

12 7(60年度

14.5(62年度

15.1

17.4

15.2

10.0

5.5

4.5

35~62 13.7 14 13.3 12

図2-2自然増収率の推移(国税、全国地方税、都税)

一都税

一・-国税 一一一・地方税

、U一M□(MUnU(Ⅵ四つ)(/』1111

白一然増収一蘂

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