氏名(生年月日〉 本 籍 学 位 の 種 類 学 位 授 与 の 番 号 学 位 授 与 の 日 付 学 位 授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目 論 文 審 査 委 員 1 1 7
(
2
4
)
カ トウ加 藤
医 学 博 士 乙 第669 号 昭和59 年 7月
13 日 学 位 規 則 第5
条 第2
項該当(博士の学位論文提出者〉 血液透析患者・腎移植患者およびCAPD (連続的外来腹膜濯流)患者の眼所見 ( 主 査 〉 教 授 内 田 幸 男 一 同 昌 ヒサ久
( 副 査 〕 教 授 太 田 和 夫 , 教 授 今 井 三 喜論 文 内 容 の 要 旨
目的 血液透析,腎移植および連続的外来腹膜潅流(以下 CAPD と略す〕の眼機能に及ぼす影響を比較検討し た 対象および方法 1 9 7 8 年4 月-1982 年9月の聞に限科を受診した血液 透析患者631 名,腎移植患者82 名,CAPD 患者31名を対 象とした.全例に視力,前眼部・中間透光体,眼圧お よび眼底検査を行ない, さらに症例を選び蛍光眼底,ERG
,EOG
検査を加えた. 結果 1.視力:血液透析患者では,白内障進行例,糖尿病 例で、視力低下を認めた.腎移植患者では,術後長期間 経過すると視力低下例が増加する. CAPD 患者では視 力改善例が多かった. 2 . 前眼部・中間透光体:血液透析患者で結膜,角膜 輪部への異所性カルシウム沈着を55% に認めた. 36例 に白内障を認め, 21例は前嚢下・後嚢下白内障であっ た. 8例11 眼に白内障手術を行ない良好な結果を得た. 腎移植患者では,全例の57% (1 年以上経過群では 78%) にステロイド白内障を認めた. 4例8眼に白内 障手術を行ない良好な結果を得た. CAPD 患者で白内 障進行例はなかった. 3 . 眼圧:腎移植患者 11例22 眼に21mmHg 以上の限 圧上昇を認めたが,ステロイド剤の減量,薬剤投与に よりコントロールできた. 4 . 眼底:血液透析患者で透析歴 3年以上になると 強い硬化所見を示す症例が増加する.網膜への異所性 カルシウム沈着と考えられる所見を9 例に認めた.腎 移植患者で強い硬化所見を示す例はなかった. CAPD 患者では血管李縮性変化が約3カ月で改善した. 5 . 蛍光眼底:血液透析患者では腕一網膜循環時間 の延長,脈絡膜充盈の遅延,新生血管,microaneurysm など循環障害を示す所見を多数に認めた.腎移植患者 では,透析中に網膜剥離を生じた 1 例を除き異常所見 を認めなかった.6
.
ERG:
血液透析患者,腎移植患者とも対照に比 べa
波潜時の延長,a
波振幅,b波振幅および律動様小 波(以下 OP と略す〉振幅和が減弱していた.しかし, 腎移植患者は血液透析患者に比べa
波潜時は短く,OP 振幅和は大であった.7
.
EOG:
血液透析患者は腎移植患者および対照に 比べ, L/ D 比の低下を認めた. 考察と結論 視力障害に関して,血液透析患者では,糖尿病性網 膜症と白内障の進行が,また腎移植患者ではステロイ ド白内障の発生が主要と思われた.前限部・中間透光 体の変化として水晶体などの観察からカルシウム代謝 障害を示唆する所見が得られる. 限圧については血液透析に出血性緑内障合併の報告 があるが,網膜における循環障害の存在から,虹彩の 新生血管発生も当然のことと理解された.腎移植患者 ではステロイドによる娘圧上昇が問題となる. 限底所見については,血液透析によって血管李縮性 変化は改善するが,硬化性変化は不変あるいは悪化す るとの報告が多い.本研究でも透析歴 3年以上の群で737-1 1 8 硬化所見の増加を認めた.硬化性変化の原因として血 管壁の転移性石灰化の可能性も示唆された.蛍光眼底 によって血液透析は血管の器質変化を起こしうること が考えられた.腎移植患者では,術後血圧コントロー ルが良好ならば,眼底病変は不変あるいは改善すると 考えられる. CAPD 患者でも,血液透析同様血管李縮 性変化は2-3 カ月で改善する. 腎移植J患者は,血液透析患者に比べ