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ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析 一 弾 力 性 概 念 の 応 用 を 中 心 と して 一

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(1)

一63一

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析

一 弾 力 性 概 念 の 応 用 を 中 心 と して 一

竹 内 清

1

ソ連 に お いて は,計 画経 済 を 合 理 的 に 遂 行 す る た め の 大 き な 問題 の一 つ は,国 民 消 費 の将 来 の 見通 しを的 確 に 行 い,投 資計 画,生 産計 画,配 給 計 画 等 々を よ り合 理 的 に進 め るた めに そ れ を 役 立 て る こ とで あ る。 した が って, 消費 需 要 分 析 をいか に合 理 的 に行 うか は,ソ 連 に おい て 最 も重 要 な問題 の 一 つ とい うべ ぐ,わ れ われ は す で に これ らの問 題 に つ い て 若干 の概 観 を 行 な っ た(竹 内 〔7〕,〔8〕)。 竹 内 〔8〕 の脚 注 で もふれ た よ うに,こ こで は 弾 力性 概 念 を 用 い た 消費 需 要 分 析 が,ソ 連 に おい て は どの よ うに 行 われ て い る か を,最 近 の代 表的 な文 献 デ ー タを通 して吟 味 す る こ とにす る。 したが って 本 稿 は,〔7〕,〔8〕 に続 くもので あ り,筆 者 の ソ連 に お け る消 費 需 要 分 析 研究 の一 環 を なす もので あ る。 ここで は,〔7〕,〔8〕 で ふれ た 部 分 は 省 くことにす る。 最終 的 には,ソ 連 の実 際 の統 計 デ ー タを用 い て,筆 者独 自 の分 析 を試 み る計 画で あ るが,現 在 の ところ実 際 の必 要 な 統計 デ ー タの入 手 も不完 全 で あ るので,こ れ らの課題 の解 決 は 他 日に ゆず りた い。 しか し現 在 入 手 しえた 若 干 の 統計 デ ー タを 通 してみ て も,本 稿で 検 討 した い くつか の結 論 は容 認 し うる もので あ る。 た とえ ば,文 献 〔6〕 の類 い の もの,な い しそ の 他い くつ か の ソ連 の論 文,書 籍 に 引用 され た 統 計 デ ー タを吟味 した場 合, そ の よ うな こ とが い え るわ けで あ る。

本 稿で は,特 に弾 力性 概 念 を,商 品取 引統 計 な らび に計 画化 の 問題(第2 節),住 民 の需 要 の充足 度 合 の指 標 と して利 用 す る問題,住 民 の物 的 な生 活

(2)

保 障 水準 の間接 的 な測 定 の問 題,商 品 消 費 の ノル マ の計 算 の 問題(第3節), 食料 品 の年 間 消費 の動 態 モ デル の分 析 の問題(第4節)へ 適 用 す る問題 を 考 察 す る ことにす る。

2

rl.MhCllOB〔1〕 は,弾 力性 を,変 動 的 な需 要 構 造 を解 明す る のに 役立 つ 重 要 な指 標 と考 え,所 得弾 力 性,価 格 弾 力性,お よび商 品 取 引に 関 す る弾 力 性 の三 つ を通 して,ソ 連 に おけ る商 品取 引 の統 計 な らび に計 画化 へ の応 用 の 問題 を 考察 してい る。 まず 所 得 弾 力 性 お よび価 格 弾 力 性 に つ い て,社 会主 義 の ソ連 と資本主 義社 会 で は,原 則 的 に問 題 の出 し方 な りそ の作 り方 に 差 異 が あ る こ とを 詳 細 に検 討 した 上 で,商 品取 引に 関 す る弾 力性 の問 題 を考 えて い る。本 節 で は 当 面 の 問題 と して,ソ 連 に おい て 商 品 取 引 の統 計 な らびに 計 画 化 に弾 力 性 概 念 が どの よ うに 応 用 され るか とい う問題 に焦 点 を絞 る こ とに す

る。

商 品 取 引に 関 す る弾 力性 とは,全 体 の商 品 取 引 の相対 変 化 に対 す る所与 の 商 品 の相 対 的変 化 の比 と して定 義 され る。 さて,こ の商 品 取 引 の弾 力 性 を商 品取 引 の計 画化 に応 用 す るに 当 って の理 論 的 な基 礎 は,小 売 々上 と世 帯 の購 買 消費 の対応 関 係で あ る。 す な わ ち,ソ 連 の世 帯 全体 の支 出は,一 年 間 の金 銭 的 な 「商 品取 引 」 に よ って そ れ に類 した ものを 計 算で き る もの と考 え る。

個 々の商 品 グル ー プの相 対 的 な動 きは,個 々の世 帯 の 家計 予 算 に 占め るそ の 商 品 グル ー プ の比 重 と等 し くな るで あ ろ うと考 え るわ けで あ る。 この こ とか ら,商 品 取 引 の一 般 的 な大 き さを計 画化 しなが ら,関 数的 モ デル(こ こで の 例 で は住 民1人 当 りの個 々の州 の商 品取 引を 独 立変 数 と考 え て い る)に よっ て計 算 され る弾 力性 に も とつ い て商 品 グル ー プ別 の商 品取 引 を計 算 で き る も の とす る。 こ こで 一 つ の極 め て 重要 な問 題 が 示 され る。す なわ ち,社 会主 義 社 会 で は,住 民1人 当 りで 計 算 され た小 売商 品取 引 は,あ る程 度,総 合 的 な 指 標 で あ る,と 。一 面 か らす れ ば,そ れ は1人 当 りの貨 幣所 得 と同 じで あ る

(3)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一65一

と考 え る。 す なわ ち,ほ とん ど全 部 の貨 幣所 得 は商 品 または サ ー ビスに 実 現

す るか ら。 他 面 か らす れ ぽ,生 産 とほ ん の少 々の 輸入 が 商 品取 引を 形成 す る の で あ るか ら,そ の指 標 は 消費 だ けで な く生産 な ので あ る と推 論 す る。

この よ うに して,計 画 経 済 に おけ る社 会 的 な同 質性 の 結果,小 売 商 品取 引 の 規 模 と構成 と,消 費 予 算 の 間 の ア ナ ロ ジーが生 ず る こ とに な り,こ こに 家 計 予 算 の計 量 経済 学 的 計 算 を,個 々の州 お よび経 済 区 の商 品取 引へ 換 算 す る

こ との可 能 性 が 存 在す る と考 え る。

商 品取 引 の規 模(住 民 数 に よ る)は,一 定 の範 囲 内で,商 品取 引 の構 造 を 決 定 す る も の と し,特 に商 品 取 引 の成 長 と関 係 づ け られ た,個 々の商 品 グル ー プ の比 重 の 増大 また は減 少 の規 則 性 に着 目す る

。 こ こで 需 要 の弾 力性 が 基 準 とな る と考 え る。 た だ し,こ の 場 合 は,個 々の消費 の弾 力性 とは 異 な って

、・る こ とを指 摘 す る。

ここで 消費 需 要 は,金 と交 換 で 商 品 を 買 う必 要 のあ る 買手 の 可 能性 で あ

でめ

る,と 考 え る 。 こ の よ うに して,需 要 の 概 念 は 商 品 取 引 と 関 連 を も って お り,そ れ に 内 在 的 な もの とす る 。

彼 は 弾 力 性 の 概 念 を 一 応 通 常 の 仕 方 で 述 べ た 後,個 々 の 商 品 グ ル ー プ に つ

〜・ て の 弾 力 性 の 計 算 は,商 業 お よび 金 融 の 計 画 化 の た め に,一 般 に 重 要 な 道 具 と な る,と 考 え る 。 た と え ば,も し食 料 費 の 弾 力 性 が0.6で あ れ ぽ,商 品 取 引 の10・ 〈・ 一セ ソ トの 増 加 は,食 料 費 の6パ ー セ ソ トの 増 加 を 伴 う,と 。

家 計 予 算 と商 品 取 引 の 間 の 対 応 関 係 を 考 え るに して も,動 態 的 計 画 で の 世 帯 予 算 モ デ ル か ら借 用 され た よ うな 構 成 成 分 の 移 しか え は,多 数 の 機 関 を み わ た し な が ら,極 め て 慎 重 に 行 な う こ と が で き る と考 え,問 題 は,ま ず 大 ざ っ ぱ に 構 成 さ れ た グル ー プ,た と え ぽ,「 食 料 品 」,「 衣 服 」 等 々 に あ る と す る ◎

だ が 実 際 的 な 商 業 機 関 用 と して,商 品 グ ル ー プで は な くて,具 体 的 な 商 品 の 種 類 お よび 種 別 標 示 記 号 ま た は 項 目 の よ うな 細 か な も の まで も計 算 す る こ

(1)購 買需要 の概念につ いての論議 は,文 献 〔5〕 に詳 細に試み られ てい る。

(4)

とが 重 要 だ と考 え る。 か くして 独 立変 数(商 品取 引)は,構 成 的 な意味 で の 多 くの変 数 で表 わ され るで あ ろ う。 方 程 式 の数 や 変 数 の数 が多 くな って も, 電 子 計算 機 を利 用 す る こ とに よって何 等悪影 響 は うけ ない,と 考 え る。 最 大 の 困難 は,モ デル 自体,す なわ ち,商 品 取 引 の規 模 と特 定 の商 品 の実 現 の 間 の関 係式 の定 式化 を通 じて与 え られ る,と 。

曲 線形 の選 択 は,通 常,経 験 的 な 方法 に よって 行 わ れ る とす る。 す なわ ち,最 初 に個 々の場 合,グ ラ フで 示 され,目 分 量 で,い か な る 曲線 が よ りよ くデ ー タに合 うか を判 断 す る。 そ れ は,方 程 式 の選 択 に あ る恣意 性 を作 り出 す し,そ の際,著 しい 計算 の複 雑 化 を もた らす,と 考 え る。

何 次 の放 物 線 か の問 題 は,二 つ の変 数 の間 の 相互 関 係 を 表 わす 方 程 式 の確 実性 の 程 度 の問 題 よ りは,実 際 には 重 要 で な い と考 え る。 方 程 式 の確 実 性 の 程 度 は,曲 線 の周 りの分 散 度 で判 定 して お り,決 定 係数 に よ り,経 験 的に 見 出 され た 関 係 の,関 数 関 係 か らの差 の程 度 お よび他 の要 因 の影 響 の 度合 が 正 確 に測 られ る,と して い る。

彼 は,数 学 的 な式 を適 用 す る場 合,経 済 学 的根 拠 づ けが 先 行 す るこ とを 強 調 して 種 々吟味 した後,弾 力性 の 計算 が もた らす利 益 は,労 働 者 の所 得 と商 品取 引を 計 画 しなが ら,同 時 に種 々の商 品 グル ー プ別 の実 現 の大 きさを 計算 で き る こ とで,こ こか ら 消費 需 要 の 大 き さの 計 算 に 容 易 に 移 る こ とが で き る,と 。弾 力 性 を援 用 して,需 要 の計 画 化は,多 か れ 少か れ 同種 類 の商 品 の グル ープに 対 して可 能 であ る。

最後 に彼 は,ウ ク ライ ナの商 業 科 学 研 究所 に よ って1961年5月 に 招集 され た,住 民 の商 品の 消 費 の決 定 に関 す る会議 で,需 要 の個 別 的 な研 究 に多 大 の 注 意 が 払 わ れ た こ とに ふれ て い る。 そ の会 議 では,総 体 的 な 指 標(商 品取 引)は 個 別 的 な指 標(所 得)を 排 除せ ず,そ れ らは相 互 に 補 い 合 うもの であ る,と い う結 論 に達 した 。 も し独 立 変 数 と して,州 また は 経 済 区 の1人 当 り の貨 幣所 得 を もって くれ ば,(1人 当 りで計 算 され た)小 売 商 品 取 引 とほ と ん ど全 く同 じ くな るであ ろ う。 だ が,1人 当 りで の 小売 商 品取 引 の指 標 は,

(5)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一67一

統 計 報 告 に も とつ い た 指 標 で あ り,1人 当 りの 所 得 は,標 本 抽 出 に も とつ く デ ー タ で あ る の で,前 者 の 方 が 統 計 の 質 と して 優 越 して い る,と 。

MaCAOB〔1〕 は,い た る と こ ろ で 資 本 主 義 社 会 と対 比 した ソ連 の よ うな社 会 主 義 社 会,ま た い わ ゆ る ブ ル ジ ョ ア 経 済 学 な い し計 量 経 済 学 とマ ル ク ス 経 済 学 を 対 比 し,ブ ル ジ ョア 的 計 量 経 済 学 の 理 論 を 批 判 し な が ら議 論 を 進 め て い る が,そ こ で の 参 考 文 献 と して は,竹 内 〔7〕 で 詳 細 に ふ れ たC.HMKzTHH

く ウ

の も の を あ げ て い る。

3

BBII.IBHPKOB〔3〕 は,消 費 弾 力性 の応 用 と して,次 の 四 っを考 え る。

(1)社 会 主 義 社 会 に おけ る構 成 員 の 商 品 お よびサ ー ビス に対 す る消費 の充 足 度合 を間接 的 に測 定 す る こ と。

種 々の構成 お よび大 きさを もつ た世 帯 の物 質 的 生活 保 障 の度 合 を 決定 す る こ と。

(3)食 料 品 お よび工 業 品 の消費 の ノル マ を統 計 的 に計 算 す る こ と。

(4)プ ロ レタ リヤの 貧乏 の側 面 の うち の一 つ の指 標 と して 消費 弾力性 を用 い るこ と。

われ わ れ の 当 面 の 目標 と関 連 して,上 の(4)の問 題 は,資 本 主 義 社 会 を対 象 と した もの で あ るか ら,本 節 で は取 り上げ な い こ とに す る。

皿BHPKOBは,ま ず 序 論 で,消 費 構造 の所 得 へ の依存 性 の 問 題 を,実 際 の 統計 デ ー タに よ ってそ の概 観 を つか んで い る。 まず1956年 の全 ソ連 邦労 働組 合 中央 会 議 の家計 調 査 の デ ー タ(モ ス ク ワお よび レニ ソ グ ラー ドの大 人2人 子 供2人 の 同種 の労 働 者 世帯43世 帯)に つ い て 研 究 し,次 の よ うな結 論 を え

て い る。す なわ ち,世 帯 の所 得 が 上 昇す るにつ れ て,食 料 品へ の 支 出割 合 は 減 少,衣 服 お よび履 物 へ の支 出 割 合 は増 大,文 化 教 養 的必 要 物 へ の支 出割 合

(2)C.HHKHTHH,̀̀KpHTvaKa6yp)Kya3HhlxTeopH薩aHaJIH3acnpoca", BecTHHKCTaTHcTHKH,N{)・7,1961,cTp.47‑53.

(6)

は 速 く増 大,家 具 へ の 支 出 割 合 は 成 長,教 育 へ の 支 出 割 合 は 減 少,医 療 へ の 支 出 割 合 は ほ とん ど固 定 的 で あ る 。

食 料 品 の 消 費 構 造 は 所 得 の 大 き さ に 依 存 して 変 動 して い るが,こ れ を 上 の デ ー タで み る と次 の よ うに な っ て い る 。 世 帯 の 所 得 が 増 大 す るに つ れ て,パ

ソ,馬 鈴 薯,肉,油,砂 糖 へ の 支 出 割 合 は 減 少,果 物,糖 菓 へ の 支 出割 合 は 増 大 して い る。 ま た 世 帯 の 所 得 の 増 加 と と もに,果 物,油,糖 菓 の 消 費 は, 馬 鈴 薯,肉,砂 糖 の 消 費 よ り も迅 速 に 成 長 して い る。 な お ラ イ 麦 の パ ソは 減 っ て さ え い る こ と を 指 摘 す る。

消 費 者 予 算 の 構 造 は 動 態 的 に 変 動 して い るが,彼 は ソ連 中 央 統 計 局 の 家 計 調 査 デ ー一タ(14,600労 働 者 世 帯)に よ っ て 次 の こ と を 示 して い る 。1940年 か ち1956年 に か け て,食 料 品 へ の 支 出 割 合 は23.6パ ー セ ソ ト減 少,衣 服 へ の 支 出 割 合 は36.9・R‑・ セ ソ ト増 大,文 化 教 養 的 必 要 物 へ の 支 出 割 合 は2倍 以 上 に 増 大 な おそ の 期 間 に お け る労 働 者 世 帯 の 実 質 所 得 は82パ ー セ ソ ト増 加 一 一 して い る ,と 。

皿bHPKOBは,こ の よ うな 実 際 の 動 き を 背 景 と し℃ 所 得 の 大 き さに 依 存 して の 世 帯 の 消費 構 造 の 変 化 の 法 則 性 を 空 間 的 に 知 って,時 間 的 に,住 民 の 消 費 の 水 準 と構 造 を 一 定 度 合 まで 予 測 す る こ とが で き る と考 え る。

MBHPKOBは,所 得 との 関 係 の 特 徴 か ら,す べ て の 消 費 財 を,第 一 次 的 必

で  

需 品(以 下 必需 品 と よぶ こ とにす る),よ り必需 の 度 合 の少 な い 商 品(以 下 相 対 的 贅 沢 品 と よぶ),贅 沢 品 の三 つ に分 類 し,そ れ に対 す る消 費 曲線 と し

ほ  

て は,基 本 的 にT6rnkvistの そ れ を 利 用 して い る 。 必 需 品 に 対 して は

y==ax+b一

t3)1皿BHpKoBが,必 需 の 度 合 の よ り少 な い 商 品 と よ ん で い る も の は,T6rnkvist が,相 対 的 贅 沢 品 と よ ぶ も の に 対 応 す る も の で あ る 。

く4)H.Wold,DemandAnalysis,1953,(邦 訳 ・森 田 優 三 監 訳 「需 要 分 析 」,1960) 参 照 。

(7)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内)‑69一

を 利 用 す る 。 た だ し,yは 支 出,xは 所 得,a,bは パ ラ メ ー タ ー 。 相 対 的 贅 沢 品 に 対 して は 基 本 的 に は

      y=ax十b

を 利 用 す る 。 た だ し,cは パ ラ メ ー タ ー 。

贅 沢 品に 対 して は 次式 を利 用 す る。

      y==axx十b

さ て 以 上 の 消 費 関 数 を も とに して,消 費 弾 力 性Eは そ れ ぞ れ つ ぎ の よ う に 求 め られ る 。 一 般 的 に は

= xdyE yxdx

で あ るが,そ れ ぞれ の場 合 は陽 表 的 に次 の よ うに な る。贅 沢 品 につ い て のそ れ は 以下 の論 議 に 出て こな い の で省 略 す る。

・ 必需品E晴 器 ÷

(abx十b)・

欄 的贅沢品E圭 器 慧 舞 景

以上 の消費 弾 力性 を用 い て,ソ 連 に おけ る広 汎 な応 用 を彼 は 以下 の よ うに 考 え てい るわ け で あ る。

住 民 の 需 要 の 充 足 度 合 の 指 標 と して の 消 費 弾 力 性 に つ い て 住 民 の需 要 の充 足 度 合 を 間接 的 に測 定 す る もの と して,消 費 弾力 性 は 次 の よ うに 利用 され る。 モ ス ク ワ と レニ ソ グ ラー一ドの 大人2人,子 供2人 の 同種 の労 働 者世 帯43(1956年)の 家 計 調査 の結 果 か ら,衣 服 お よび履 物 につ い て 次 の よ うな分 析 を行 な う。 第1表 の第1欄 と第2欄 の デ ー タか ら,T6rnkvist の 相 対 的贅 沢 品 に対 す る消費 関数 は次 の よ うに な る。

y‑11・463・714銅

(8)

し た が っ て こ の 場 合 の 消 費 弾 力 性Eは 次 の よ う に な る 。

E2La(b+・)‑x11・463・7(27・091+8・845・8

Yx(x十27,091)2Yx(x十b)2

上 式 のXお よ びyxに そ れ ぞ れ の 値 を 代 入 し た 結 果 が 第1表 の 最 後 の 欄 に 示 し た も の で あ る 。

第1表 年間 世帯所得

(ルー ブル) 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000

衣 服 と履 物 へ の 年 間 支 出

(ル ー ブ ル)

355.4 1,673.7 2,416.9 3,553.7 4,253.0 5,319.2 6,121。6 6,729.2 7,222.1 7,611.9

衣服 と履 物へ の支出弾 力性

8.402 2.088 1.502 1.064 0.895 0.690 0 .566 0.4Sl O.427 0.378

第1表 の 結 果 か ら,次 の 結 果 が 導 か れ る。 す な わ ち,所 得 が 増 大 す る に つ 九 て,衣 服 と履 物 へ の 追 加 支 出 の 必 要 性 は 減 少 す る 。 所 得 が1パ ー セ ソ ト増

大 す る と,衣 服 と履 物 へ の 支 出 は,8.4・9‑・ セ ン ト,2.1パ ー セ ン ト,1.5パ ー セ ソ ト等 々 と い う よ うに ,所 得 が 増 大 す るに つ れ て,減 少 す る。 この こ と は,衣 服 と履 物 の 需 要 の 充 足 度 合 は,所 得 の 増 大 と と もに 高 ま る こ とを 示 し

て い る と考 え る 。

種 々 の 構 成 と大 き さ を も つ た 世 帯 の 物 的 生 活 保 障 の 度 合 の 決 定 に つ い て

同 じ構成 と同 じ大 き さを も った世 帯 の物 的 な 生活 保 障 の水 準 の 一 般 的 な指 標 は,食 料 費 の割 合 で あ る。 だ が,食 料 費 の割 合 は,種 々異 な った 構成 と大

(9)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一71一

き さを もった世 帯 の物 的 な生 活 保 障 水 準 の 正確 な特 徴 描 写 とは な らな い で あ ろ うと して,第2表 の例 を も とに して 以下 の よ うに 推 論 す る。

第2表

世 帯 数

8Q!飼1Q

世帯轍 灘 携 湊1毒 莫黎

4.32 20

i141

4.444

大 人1人 当 り 所得(税 金そ の他 の控除差 引)ル ーブル

8,208 8,181 8,250 8,195

大 人1人 に換 算 し ての食料 費

ルづ ・ レ 囎 禦

4,101 4,326 4,684 4,874

50.0 52.9 56.8 59.5

大 人1人 に換 算 しての衣服 費

ルーブル 厚 駿 対

1,353 1,285 1,168 1,106

16.5 15.7 14.1 13.4

第2表 か ら,世 帯 に お け る子 供 の数 が 増 え るに したが って,食 料 費 は増 大 し,衣 服費 は減 少 す る こ とが 見 られ る。

構 成 と所 得が 同 じで,大 き さの 異 な る世 帯 を対 比 す る と,そ の よ うな世 帯 の 消費 構 造 は 異 な ってい る こ とが分 る。 す なわ ち,世 帯 が 大 き くな るに つれ て,支 出 に特 徴 的 な規 模 の経 済 が み られ る,と 。

消費 構 造 に及 ぼす 世 帯 の大 きさ の影 響 は,構 成 が 同 じで 大 き さの異 な る世 帯 を対 比 す る こ とに よっ て 明 らか に す る こ とが で き る。 た だ し世 帯 の成 年 男

子 の年 間 の平 均 所 得が ほ ぼ 等 しい ものを 対 象 に して い る。

世 帯 が 大 き くな るにつ れ て,成 年 男子 の食 料費 は,相 対 的 に も絶 対 的 に も 減 少 す るが,衣 服 費 は増 大 す る。 大世 帯 に お け る食 料 費 か らの 経 済は,衣 そ の他 の必 要 な ものへ の支 出に変 わ るの で あ る,と 推 論 して い る。

以 上で は,食 料 費 の割 合 一 一食料 に お け る予算 の緊 急 度 を特 徴 づけ る は,構 成 と大 き さの 等 しい世 帯 の物 的 な 生活 保 障 の指 標 で あ る こ とが 述 べ ら れ た 。だ が 構成 と大 き さの異 な る世 帯 に と っては,そ の よ うな指 標 は 生 活 水 準 を特 徴 づ け ない で あ ろ う。 そ れ は,所 得 の大 き さの み な らず 世 帯 の構 成 と 大 き さの影響 を 作 るか らで あ る。 そ の よ うな場 合,食 料 に お け る予 算 の緊 急 度 を,消 費 弾 力性 に よって 測 る ことがで き るで あ ろ うと考 え る。か くして,

も し2人 の世 帯 に おい て所 得 が1パ ー セ ソ ト増 大 した とき食 料費 が0.6パ

(10)

セ ン ト増 大 した が,6人 の世 帯 に お い てはO.4パ ー セ ン ト増 大 した もの とす れ ば,第 一の世 帯 に お け る 食料 の 緊 急 度 は,第 二 の もの よ り も強 い 。 確 か に,第 一 の世 帯 は物 的 な生 活 保 障 が,第 二 の もの よ りも よ くな い 。弾 力 性 に 世 帯 の構成 と大 き さの影 響 は 現 わ れ な い 。

食料 品 の 消費 弾 力性 は,種 々の大 き さ と構成 を も った世 帯 の物 的 な 生活 保 障 の 度合 の一 般 的 な指 標 であ る。 食 料費 の割 合は,同 じよ うな世 帯 につ い て 役立 っが,そ の よ うな指 標 に よって,十 分 正 確 に大 世 帯 の支 出 の経 済性 を決 定 す る こ とが で き る し,ま た一 定 の基礎 で 経 済性 の尺 度 を樹 立 す る ことが で

き る,と 考 え る。

消 費弾 力 性 に よ る商 品 の 消 費 の ノル マ の計 算 に つ い て

所 得 の大 き さに 依存 して の 支 出 の変 動 の合 法則 性 を研 究 す る こ とに よ り,.

商 品 お よび サ ー ビス そ の需 要 は客 観 的 な 消費 の ノル マを もつ て い る の支 出 の ノル マを 統計 的 に計 算 す る こ とが 可 能 とな る,と して 田BHPKOBは 次 の よ うに議 論 を 進 め る。

そ の 消費 の ノル マを越 え る と社 会 的 な富 の浪費 が起 る,と 考 え る。 した が って この 消費 の ノル マの 決定 の仕 方 が 基 本 的 な もの とな る。 とこ ろで彼 は, ル ー ブル で 表 現 され た 食料 品 お よび工 業 品の 消費 の弾 力 性 は,所 得が 増 大 す るに つれ て 最初 は 増 大 し,一あ る最大値 に 達 して後,順 次商 品 お よび サ ー ビス の予算 の飽 和 の結 果 と して減 少す る,と 考 え る。そ こで43の 家 計 予算 の材 料 で それ を 明 らか に す る(第3表 参 照)。

食 料 品 に 対 してはT6rnkvistの 第一 の式,衣 服 お よび 履 物 に 対 して は T6rnkvistの 第 二 の式 を 適 用 す る。 した が ってそ れ ぞれ の支 出 の弾 力性Eは.

次 式 で 与 え られ る。

食料品E一 説濃 一 叢(ilib?ilS・b・

衣服および履物E一 青 塞 一・ 諜 辮

(11)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一73一

第3表

4人 世 帯 の年間所 得

ル ーブル

年間支出額

ル ー フ ル

消 費 弾 力 性

%

衣 服 お よ び 履 物

1・・…1 12.000 20,000 25,000 30.000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000

6,536.0 89660,◎

11,013.3 127617,■

14,272。2 16,750.5 18.698.7 202703,■

21,565.1 22,650.1

1ル ー ブ ル1ル ー

年間支 出額 ブ ル

0.797 0。735 0.679 0.630 0.592 0.523 0.470 0.426 0.378 0.350

52 66 74.8 80.4 84。5 87.6

量挫2

86,3 81.5 79。0

355.4 1,673.7 2,416 .9 3,553.7 4,253.0 5.319.2 6,121.6 67292

,.

7222.1

,

76110

,.

消 費 弾 力 性

%ル ー ブ ル

8.402 2.088 1.502 1.064 0.895 0.690 0.566 0。481 0.427 0.378

29.1 34.9 36.3 37.8 38.1 36.7 34.6 32.4 30.8 28.8

彼 の定義 す る,ル ー ブル で表 わ され た 消費 弾 力性(彼 は これ を定 義 して い ない)は,第3表 か ら次 の よ うに類推 され る。

ル ー ブル で表 現 され た 消費 弾力 性=年 間 支 出 ×消費 弾 力性

た とえ ぽ,食 料 品 に つ い て,年 間 世帯 所 得50,000ル ー ブル の層 の ル ー ブル で 表 現 され た 消費 弾 力性 は,

18,698.7ル ー ブ ル ×O.00470=87.88389ル ー ブ ル

とな る。 ル ー ブル で 表 現 され た 消費 弾 力性 を数 式 的 に表 現 すれ ば次 の よ うに

な るで あ ろ う。 xdydyI

y●      コ      

Yxdxdx

dy/dxは 所 得 の 単 位 当 りの 変 化 が 支 出 に 及 ぼ す 影 響 を 表 わ す か ら,x・dy

/dxは,所 得 がxの と き の 支 出 の 変 化 分 と 考 え られ る で あ ろ う。 と こ ろ で

dy/dxはxの 値 に よ っ て 必 ず し も一 定 で は な い 。xの 値 に よ っ て 同 じ1ル ー

ブル の変 化 分 が 支 出 に 及 ぼ す 影 響 は 同 じで は な い 。 た とえ ば,必 需 品 の 場 合

(12)

慕 一・b/(x+b)・

で あ るか ら,xが 大 き く な る に つ れ て,上 式 右 辺 の 分 母(x+b)2は よ り大 き な 速 度 で 大 き くな るか ら,dy/dx自 体 は 小 さ くな る こ とが 分 る で あ ろ う。

こ の こ とは 相 対 的 贅 沢 品 の 場 合 も 同 様 に 当 て は ま る と こ ろ で あ る。

皿BHIPKOBは,ル ー ブル で 表 現 した 消 費 弾 力 性 の 最 大 値 に 対 応 す る 支 出 を, 年 間 の 消 費 ノ ル マ と して 条 件 つ き で 採 用 す るわ け で あ る。 す な わ ち,食 料 品

の 場 合,4人(3.3消 費 単 位)の 世 帯 に つ い て の年 間 消 費 ノ ル マ は18,698.7 ル ー ブル とな る。 大 人2人,子 供2人 の世 帯 に 対 し て の 衣 服 と履 物 の年 間 消 費 ノル マ は,4,253.0ル ー ブ ル と な るわ け で あ る。

4

JI.E.MvaHllとBB][llBHPKOB〔2〕 は,食 料 品 の 年 聞 消費 の 動 態 モ デ ル の分 析 に弾 力性 概 念 を適 用 して い る。彼 等は,年 間 の食 料 品 の消費 の大 き さの み な らず,一 年 間 に おけ る消費 の平準 化 の問 題 は,消 費 問 題 の研 究 に際 して 重大 な意 義 を 有す る こ とを 認 め,食 料 品 消費 の季 節 的波 動 の問 題 を 究 明 す る。特 に一年 間 に お け る消費 の将 来 の計 算 を行 うた め に,消 費 の季 節 性 の 問題 の 実 際 的 意義 の 大 きい こ とを 認 め る。 消費 の 季 節 的 波 動 の将来 の 計 算 は,野 菜,果 物,牛 乳 お よび卵 の よ うな 食料 品 の平 均 的 な季節 的価 格 を決 定 す るた めに も必 要 で あ る とす る。

消費 の年 間 また は 季節 的変 動 は,気 候 的 要 因,生 活 慣 習 的 要 因,生 理 的 要 因,経 済 的要 因 等種 々 の要 因 の影 響 の下 に形 成 され る こ とを 吟味 した後,食 料 品 の消費 の 季 節 性 に 対 す る 所 得 の 影 響 を 分 析 す る。 試 験 的 な 研 究 の た め に,モ ス ク ワ市 の123の 労 働者 世 帯 の家 計 予算 が 選 出 され た(19ε8年)。 得 別 に世 帯 を低 い所 得 層(第1グ ル ー プ)と 高 い所 得 層(第2グ ル ー プ)に 分 け る。 これ は簡 単 な平 均 の方 法 で検 討 され た。 また 食 料 品 を

a)年 間 固定 した価 格 を もった 食 料 品 グル ー プ

(13)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内)‑75‑

b)季 節 的 価 格 を も った 食 料 品 グ ル ー プ

の2つ の グル ー プ に 分 け て 分 析 を 行 な っ て い る。a)グ ー プ に は,肉,油, 砂 糖,魚,菓 子 と糖 菓,ブ ド ウ酒 と ウオ トカ,麦 粉 と麦 粉 製 品 が 入 る(第4 表 参 照)。

第4表 食 料 品 に 対 す る世 帯 支 出 の 季 節 的 波 動

牛 肉 ・ 羊

魚(生 と 塩 漬)

ブ ド ウ 酒 と ウ オ トカ

と 粉 製 品

所 得

124

四半期別支出め季節的波動%

1 H 皿 rv

1000 96.0

102.0 97.5

108.4 102.4

94。8 100.0

104.4 111。6

102。8 92.4

106.0 80.8

104.4 112.8

83.2 91.0

94.0 95.6

91.2 96.8

104.0 99.2

129.2 117.6

110.4 111.6

121.6 122.4

98.8 93.6

90.4 96。0

89.6 96.6

85.2 92.8

112.8 113.2

59.2 60.0

84.0 103.6

58.4 83.6

97.2 96.0

126.4 117.0

114.4 110.3

115.2 108.0

88.4 87.6

107.2 110.8

102.8 92.4

114.0 113.2

99.6 97.7

季節的波 動の変動係数%

16.4 10.0

9.6 6.0

12.2 5.8

9.24 9.06

25.4 23.2

14.9 9.9

24.6 18.1

4

6

※1… …低 所 得 層 2… … 高 所 得 層

肉 と油 は,夏 よ り も冬 の 消 費 量 が 大 き い 。 生 理 的 に 寒 い 時 期 は 高 カ ロ リー

製 品 の 消 費 が 大 き い 。 所 得 水 準 の影 響 の 下 に,そ の よ うな 食 料 品 へ の 支 出 の

季 節 的 な波 は 平 らに な る 。 す な わ ち,高 所 得 層 の 方 が 変 動 が 少 な い 。

(14)

砂 糖 は,第1半 期 の 消費 が大 きい 。所 得 の増 大 と と もに季 節 の波 は平 らに な る。

魚 は,季 節 変 動 の峯 は 第fi半 期(春 の漁)で,所 得 が 増 大す るに つれ て 季 節 的 な消費 の波 は 平 らに な る。

糖 菓,ブ ドウ酒,ウ オ トカは,最 大 の支 出 は祭 日で,egll,第IV半 期 の消 費 が大 。所 得 の増 大 に つれ て,支 出 の波 は 平 らに な る。

麦 粉 と麦粉 製 品 は,所 得 の 増 大 に よ って 支 出 の 季 節 的 な波 は 平 滑 化 しな い 。反 って増 大 して い る。低 所 得 層 で は,こ れ らの製 品 は,予 算 の中 で 大 き な部 分 を構 成 してお り,高 所 得層 よ り,年 間 で よ り変 動が 少 な く消費 され

る。 また ライ 麦 の一種 か ら作 った ライ 麦 と トウモ ロコ シの パ ンの消費 の季 節 の波 は 平 らに な るが,良 質 の麦粉 か ら作 った トウモ ロコ シの パ ンの消費 の季 節 の波 は増 大 す る こ とが,こ の問題 の よ り詳 細 な 研究 か ら判 明 した と,彼 等 は 述べ て い る。

次 に 季 節 的 な価 格 を も った 食 料 品 グル ー プ と しては,果 物,卵,野 菜,馬 鈴 薯,牛 乳 な どが 含 め られ る。 食 料 品 へ の支 出 の季 節 の波 は,所 得 の影 響 のみ な らず,価 格 の影 響 で,こ こで問 題 は よ り複雑 な もの とな る。(第5表 参 照)

o幽

第5表 食料 品に対す る世帯支出の季節 的波動

馬 鈴

所 得

1

四半期別の支出の季節的波動

  

%季 節的波1

1

動 の変動

rvl係 数%

65.6 77 。6

78.0 59.6 49.2 50.4

51.2 58.4 159.2 164.0 91.6 69.2

97.294.4 82・Ol88・8

129.6 131.6 1140 104.0 195.2 204.0

153.6 132.4 48.8 72.4

422 30。8

41.2 40.3

64.0}57 .0

76・Ol60・1

48

QQ

04

2!01111

※1… … 低 所 得 層 2… … 高 所 得 層

6 .41

14・81i

(15)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一77一

(生 の)果 物 と卵 へ の 支 出 の季 節 的 な波 は,所 得 の増 大 と と もに 平 らに な る。 野菜 と馬鈴 薯 へ の 支 出 の季 節 的 な波 は,所 得 の増 大 と と もに増 大 して い る。

とこ ろで,果 物,卵 へ の 支 出 の季節 的 な波 が 高 所 得 層 で平 らな のは,高 所 得 層 の世 帯 は,夏 にそ の製 品 を,低 所 得層 の もの よ り遙 か に 多 量 に購 買 で き

る結 果 であ る,と 。

支 出 の季 節 的 な波 の平滑 性 の大 き さは,所 得だ け で な く,価 格 の変 動 に よ って も決定 され るが,若 干 の場 合 に,所 得水 準 の上 昇 と と もに 支 出 の季 節 の 波 の変 動 の増 大 さえ も観 察 され る。か くして 野菜 と馬 鈴 薯 へ の支 出 の季 節 的 な波 は高 所 得 層 で高 い。 これ は 次 の結 果 に 導 くと,彼 等は 述 べ て い る。す な わ ち,高 所 得 層 の世 帯 は,低 所 得 層 と比 較 して,そ の製 品 を価 格 が一 層 高 い 季 節 の初 めに 大 量 に 消費 す る。 そ の結 果,そ の支 出 の変 動 は,低 所 得 層 よ り

も大 とな る,と 。

ウ リ類(カ ボチ ヤ を含 む)の 販 売 は,夏 に 強 く減 少す るが,馬 鈴 薯 とキ ヤ ベ ツの 消費 は ,高 所 得層 で は,肉 と油 に代 え られ,そ の結 果,野 菜 へ の支 出 の 季 節 的 な波 の変動 性 は高 所 得 層 で は,57%か ら60.1%へ と増 大 す る。 また 馬 鈴薯 へ の支 出の波 は6.4%か ら14.8%へ と増 大 す る こ とに な る,と 。

以上 分析 した と ころか ら判 明す る結 論 と して,彼 等は 次 の よ うに 述べ る。

す な わ ち,高 所 得 層 に おけ る主 要 な 食料 品 の消 費 の季 節 的 な波 が 平 らに な る こ とは,国 民 の物 的福 祉 の水 準 の 向上 を伴 った 動態 で は,消 費 の季 節 的 な波 は 漸 次 平 らに な る,と 考 え る こ とので き る基 礎 を 与 え る,と 。 この ことは ソ 連 で 将 来 の生 産 計 画を 含む 経 済 計 画を 進 め る上で 極 め て 重 要 な結 論 とい え る

で あ ろ う。

さ らに彼 等 は上 の結 論 を,PCΦCPの10,000の 労 働 者 家計 予 算 の デ ー タで 検 討 す る。 四 半 期 別 に 食料 品 の消 費 の季 節 的 な波 が2つ の期 間(1952〜1955 年 と1956〜1959年 の2つ の期 間)の 移 動 平均 法 に よって検 討 され る。(第6 表 参 照)。

(16)

第6表 食 料 品消 費 の季 節 的波 動

期 ※ 間

四半期別 の季節的波動% 年間変動 の変動係 数%

Il皿1皿lw

良 質 の 粉 か ら 作 っ た ト ウ モ ロ コ シ の パ ン

1 2

97.8 97.8

98.5 97.0

103.7 104.4

100.0 100.8

2.6

3・3 ,

1108.0

馬 鈴 ・ 薯12107

・6

93.9 96.5

86.7 88.0

111.4 107.g

11.3 8.5

肉 ・ 家 禽 ・ 野 鳥

1 2

114.O l11.4

73.3 70.3

74.5 82.0

138.2 136.3

28.0 25.0

1 2

95.9 94.7

100.9 94.4

105.1 103.8

98.1 107.6

9.5 6.8

1 2

105.0 107.9

97.5 97.9

87.7 87.9

109.8 106.3

9.8 8.0

1 2

71.8 78.6

125.6 120.8

135.0 127.5

67 .0 73 .1

30.5 24.5

1 2

31.4 43.3

209.8 200.7

129.2 126.5

29.6 29.5

、F

73 .1 70.5

1 2

88.4 101.0

133.O l27.8

88.0 77.7

90.6 93.5

19.0 18 .8

野 菜 ・ ウ リ 類

1 2

67 .2 75.5

46.7 53.6

180.8 168.5

105.3 102.4

54.3 41 .4

147.129.1211.1112.079.O

生 の 果 物262

.330.5182.6124.659.3

1100.999.495.4104.36.5 糖21。2

.199.39。.7106.95.9

1105.096.489.7108.911.6

菓 子 類2103

.494.693.6108.46.7

※1… …1952〜1955年 2… …1956〜1959年

こ の 間 国 民 の 物 質 的 福 祉 は 大 き く向 上 し,食 料 品 の 消 費 も増 大 して い る 。

た だ し,パ ン と馬 鈴 薯 の 消 費 は,大 カ ロ リ ー の 食 料 品 に と っ て 代 られ た 結 果

(17)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一79一

か な り減 少 してい る。

と ころで第6表 か ら分 る よ うに,労 働 者階 級 の物 質 的 福祉 の水 準 の 向上 と と もに,消 費 の季 節 的 な波 は 平 らに な っ てい る一 パ ソは例 外 とな る。動 態 に お け る季 節 的 な波 の平準 化 は 一 応 肯 定 的 で あ るが,ま だ平 滑化 は 十 分 うま

くは い って いな い一 気候 的 な要 因は い つ も作 用 して い るか ら。

動態 に おけ る食 料 品 の 消費 の季 節 的 な波 が 平 らに なる ことは,次 の原 因か ら説 明 され る,と 彼 等 は述 べ て い る。 す なわ ち

(1)食 料 品 の 生 産 が増 大す る。

(2)労 働 賃 金 の 上 昇 な らび に価 格 の低 下 の結 果,労 働者 階 級 の物 質 的 な ら び に文 化 的 生 活 水準 は上 昇 す る。

(3)労 働 者 の予 算 に おけ る労 働 賃金 の割 合 は 増 大 す る。年 間 の所 得 収 入 は 平 準 化 され る。 平準 化 され た所 得収 入 は よ り平 らなそ の 支 出 のた め の条 件 を作 り出す 。

(4)大 衆 食堂 に おけ る消 費 の季 節 的 な波 の変 動 は,国 営商 業 に お け る よ り も,十 分 に低 い。 した が って,家 計 予 算 に お け る大 衆 食 堂 へ の支 出 の割 合 の増 大 は,食 料 品 の消費 の季 節 的 な波 を平 準化 す る こ とを 促 進す る。

以上 み て きた,動 態 に お け る消 費 の季 節 的 な波 の平 準 化 の特 性 を,彼 等は 消 費 水 準 に 対す る季 節 的 な波 動 の弾力 性 に よって例 解 して い る。そ の よ うな 指 標 は,消 費 水 準 が1%増 大 した 結 果,四 半 期 別 の消費 の季節 的 な波 動 の相 対変 化 を特 徴 づ け る もので あ る とす る。

彼 等 は,食 料 品 の 季節 的波 動 の将 来 の計 算 に 当 って,次 の よ うに二 様 に進 む 。

(1)種 々の所 得 水 準 を もった世 帯 の消費 の季 節 的 な波 に よっ て。

(2)過 去 の期 間 に おけ る消費 の年 間変 動 の平 準 化 の傾 向を外 挿 す る方 法 に よっ て。

特 に第'2の 場 合,動 態 系 列 の経 済分 析 に本 質 的 な注 意 が払 わ なけ れ ば な ら な い こ とを 強調 し,M.G.Kendallの 順 位 相関 の方 法 が 利 用可 能 な こ とを示

(18)

唆す る。そ の よ うな検 討 を 行 って後 は じめ て,時 間 また は 消費 水準 に 依存 す る年 間変 動 の外 挿 計 算 を うみ 出す こ とが で き る もの とす る。 この場 合 ,年 間 変 動 の 平 らに な る傾 向が 一 定 の 曲率 を も った 漸 近 線 を もつ ので,双 曲線 に よ

る こ とが 望 ま しい と して,こ れ を詳 細 に分 析す る。

彼 等は,年 間 消費 をy,時 間 をxと した 場 合,消 費 と時 間 の 間 の関 係 と して,双 曲線

b y・==a十X十C

を 考 え る。 こ の 場 合 の 仮 定 と して,過 去 に お け る 消 費 水 準 達 成 の 特 性 は,将 来 も持 続 す る,と い う こ とが お か れ て い る こ と を 強 調 す る。

か く して,卵 の 消 費 の年 間 モ デ ル を まず 樹 立 す る 。 卵 の 消 費 の 極 大 点 は 第 fi4半 期 に,極 小 点 は 第IV4半 期 に 生 ず る ので,そ れ ぞ れ に つ い て 双 曲 線 を 樹 立 す る 。 パ ラ メ ー タ ー は,変 数 を 適 当 に 変 換 した 上 で,最 小 二 乗 法 を 適 用

し て 推 定 して い る 。 この よ うに して,卵 の 第E4半 期 に つ い て は,

25

、Ym・ ・=23・6‑x+・

.7

また第IV4半 期 につ い て は

38

ym・ ・'"3・4‑x+b房

!

を推 定 して い る。 また第14半 期 お よび第14半 期 の卵 の年 間消 費 に つ い て も,同 様 に 双 曲線 で 当 該 期 間 のデ ー タを 平滑 化す る こ とに よって,解 析 的 に 計 算 で き る もの と して い る。'

だ が 彼 等 は,消 費 の年 間 の大 き さに よ ってで は な くて,消 費 水 準 に関 す る 年 間変 動 に よって,将 来 の 計 算 を よ り合 目的 に 行 な うこ とが 考 え られ る と し,消 費 水 準 に関 す る パ ー セ ソ トと して 計 算 され た年 間 変 動 をy,消 費 の大 き さをxと して,季 節 変 動 と消 費 の大 き さの間 の関 係 として,双 曲線

b

y==a十X十C

(19)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内) 一81一

を考 え る。 この場 合 も同 様 に既 述 の仮 定,す なわ ち,過 去 に お け る季 節変 動 の波 の傾 向 の特性 は将 来 も持 続 す るで あ ろ うとい う仮 定 が おか れ て い る こ と を注 意 して い る。 だ が,過 去 に お け る消 費増 大 の テ ンポ を,機 械 的 に将 来 の 期 間 に もって いか ない 。 この 方法 の価 値 は こ こに あ る点 を 注 意 して い る。

さて卵 の消費の極大値 の変 動について の曲線方程式は \

Yma・‑17・.2+xi磐8

極 小値 の変 動 につ い て の 曲線 方 程 式 は

60 ymin==35‑x十4

を 導 き 出 して い る 。 以 上 の 式 か ら,卵 の 消 費 水 準 の 増 大 に よ り,第ll4半 期 の 季 節 変 動(消 費 水 準 に 対 す る パ ー セ ソ トに お い て)は 減 少 す るで あ ろ う。

た だ し,そ の 限 界 は 一 応170.2パ ー セ ソ トで あ ろ う こ とが 分 る 。 ま た 第IV4 半 期 の 季 節 変 動 は 増 大 す る が,消 費 水 準 に 対 し て 一 応35パ ー セ ソ トを 超 え な い で あ ろ うこ とが 上 式 か ら分 るで あ ろ う◎

以 上 の よ うに 彼 等 は 双 曲 線 を 利 用 す る が,双 曲 線 に よ る 外 挿 は,長 期 間 の 将 来 計 算 を 作 り出 す こ と を 可 能 に す る と述 べ る が,消 費 水 準 が 強 く変 化 しな

、・よ うな短 期 の将 来 に つ い て は,双 曲線 の代 りに 直 線 方 程 式 も利 用 可 能 な こ とを 示 唆 す る。

第7表 は,1952〜1959年 の 間 の卵 の 季 節 変 動 を,消 費 水 準 に 関 す る 直 線 で 平 滑 化 した もの を 用 い て,1965年 迄,消 費 の 季 節 変 動 の 波 を 計 算 した も ので あ る 。

第7表 か ら,卵 の 消 費 の季 節 的 な 波 は 平 らに な る 。 す な わ ち,1959年 に お い て 消 費 の 季 節 的 波 動 の 変 動 係 数 は67.4パ ー セ ソ トで あ る が,1965年 の そ れ は64.2パ ー セ ソ トと な っ て い る 。 た だ し,卵 の 消 費 の シ ー ズ ソで な い 第14 半 期 と第1]V4半 期 は,逆 に 卵 の 消 費 の 季 節 的 な 波 は 増 大 して い る こ とが 分 る で あ ろ う。

つ い で 彼 等 は,卵 を 通 じて 年 間 の 平 均 価 格 を 検 討 す る 。 彼 等 は,卵 の 消 費

(20)

第7表 種 々の食料品 の季節変 動の四半期別 弾力性

野 菜 と ウ リ 類

キ ャ ベ ツ

四 半 期 別 季 節 変 動 の 弾 力 性

(E)1

1

W

0.3131

0.1840

O.7

一 〇.1183

0,4308

0 .4272

0.7260

一 〇.1197

一 〇.030

1.098

一 〇.7136

1・135・1

一 〇.1004

一 〇.1796

一 〇.444

0.0232

一 〇.2912

0 .2843

一 〇.4363

一 〇.1150

0.0310

‑0 ,03861

一 〇.1808

0 .5265

̲0 .1842

0・38911

0.1847 0,6447

の季 節 的 な波 が 平 準 化す る結果,季 節 的 価格 は 理 論 的 に増 大 しなけれ ば な ら ない,と 論 じてい る。そ の論 法 は 次 の ご と くで あ る。1959年 お よび1965年 に おけ る卵 の平 均的 季 節価 格 を,検 討 して い る期 間そ れ が 変 化 しな い とい う条 件 の下で 計 算 す る。そ の計 算 式 と して は

P一誓 一Xp・ 魂

を用 い て い る。 た だ し 亘は 平均 価 格,Pi,fi(i‑1,2,3,4)は そ れ ぞれ 第i4 半期 の季 節 価 格 お よび季 節 的波 動 。 た だ し ソ連 の よ うに市 場 価格 が管 理 当 局 に よって人 為 的 に与 え られ る社 会 に お い ては,上 の よ うに平 均価 格 を算 出 し て も,実 際 的 な意 味 は あ ま り明確 で は な い。1965年 に お い て4半 期 別 の消 費 の波 が与 え られ た 場 合,供 給 面 を考 慮 して,も し供 給 が需 要 を まか な うに 足 りない 場 合,生 産 を 刺戟す る意味 に お い て価 格 を つ り上 げ る こ と も考 え られ るで あ ろ う。 昨年 農業 生 産を 刺戟 す る意 味 で ソ連 で は 農 産品 の価 格 が つ り上

(21)

ソ 連 に お け る 消 費 需 要 分 析(竹 内)

一83‑一

げ られ て い る。 も し生産 が 過 剰 に なれ ば,反 対 の意味 で 価 格 の切 下 げ も考 え られ るで あ ろ う。

5

以上 最近 の ソ連 に おけ る若 干 の主 要 な文 献 を通 じて,弾 力 性概 念 が 消 費 需 要分 析 に どの よ うに応 用 され,計 画経 済 の 面で どの よ うに 役 立 て られ るか を み て きた。 計 画 経 済 の面 との関 連 にお い て は,ノ ミラソ ス表 の利 用 との関 連 に お い て,消 費 需 要分 析 は よ り包 括 的 な位 置 づ け を与 え られ るで あ ろ う。

さて,以 上 み た ご と く,弾 力性 の概 念そ の もの は,い わ ゆ る ブル ジ ヨア的 計 量 経済 学 の領 域 で 展 開 され て い る もの と異 な る と ころ は ない 。 いや 技 法 的 に は こ こで み た ソ連 で の分 析 適 用 の仕 方 よ りは よ り詳 細 で 水 準が 高 い とい う

こ とが で き よ う。 た だ 弾 力性 の構 成 内 容 そ の もの,お よびそ れが 適 用 され る 領 域 は計 画 経済 を 基 調 とす る社 会主 義 の ソ連 と自由経 済 を基 調 とす る資本 主 義社 会 で は,本 質 的 に 異 な る とい うこ とが で き よ う。 た とえ ば,商 品 取 引 の 計 画化 の問 題 にせ よ,住 民 の物 的 な生 活 保 障 水準 を測 定 し,そ れ に よっ て計 画 的 に 生産 を行 う問題 とか は,社 会主 義 社 会 だ か ら こそ 適 切 にで きる こ とだ とい え よ う。 こ こで は これ らの問 題 に つ い て の詳 論 は省 き,技 法 的 な 面で,上 に み た ソ連 で の弾 力性 概 念 の消費 需 要 分 析 へ の応 用 の問 題 を若 干 ふれ る こ と

に し よ う。 な お需 要 分 析 の問題 をか な り詳 し く論 じた 竹 内 〔8〕,〔9〕を参 照 。 まず 第 一 は,弾 力 性 が 計算 され る基 礎 とな るデ ー タの吟 味 の問題 が十 分 に 解 明 され て い ない こ とで あ る。た とえぽ,家 計調 査 の デ ー タを 用 い る場 合, そ れ は 標 本 抽 出 に よ って え られ た もので あ るか ら,回 帰 方程 式 一そ れ が T6rnkvistの もので あれ 他 の もので あ れ を推 定 した 場 合,こ こで のパ ラ メー ター の推 定量 の標 本 分 布 を 考 え る こ とが 必 要で あ る し,そ の標 準 誤 差 は 少 な くとも検 討 して お くこ とが 必 要 で あ ろ う。表 面 上,推 定値 の間 に 若 干 の 差 が 出 て も,果 してそ れ が 有意 で あ るか 否 か の吟味 は 必 要で あ る。 有 意 で な い よ うな場 合 に,表 面 上 の差 に よ って決 定 的 な結 論 を 導 き出 して い る の は,

(22)

議 論が 精 密 で な い とい え よ う。

つ ぎ に,ソ 連 の 消 費 需 要 分 析 で は,T6rnkvistの 消 費 関 数 が か な り多 くの 論 者 に よ り利 用 さ れ て い るが,そ こで の論 拠 は,え られ た デ ー タ にそ の 関 数 が 比 較 的 よ く当 て は ま る と い う経 験 的 な 根 拠 が 主 で あ り,経 済 理 論 的 な前 提 条 件 と の 対 応 関 係 を 十 分 吟 味 し て い な い き らい が あ る 。 こ の 点 】h()apeB〔3〕

億 い わ ゆ る消 費 者 選 択 の 理 論 も吟 味 して あ り}興 味 の もて る も の で あ る。

な お,以.ヒ の理 論的 な面 と関連 して,そ れ で は 実際 に ソ連 に おい て統 計 的 に 消費 需 要 を 研究 分 析 す る方 法手 段 は何 か,と い う面 か ら,皿 瓦eHKOB〔5〕 は か な り参 考 に な る もので あ る。 これ らの詳細 に つ いて は別 の機会 にゆ ず る こ

と に す る 。

参 照 文 献

(1〕 『n,IVSac凋oB,̀̀npHMeHHMocTbKo9Φ ΦHuHeHToBgaacTHgHocTnB cTaTucTvaKeHnnaHHpoBaHHHToBapoo60poTa,"BecTHHKCTaTHcTHKu,

No・10,1961,cTp.33‑46.

〔2〕JI.IMHHH,B.B.田BNPKOB,̀̀HeKoTopbleBonpocblnepecneKTHBHoro nnaHupoBaHuanpenMeToB朋qHoronoTpe6πeH朋",BonpocbiHapoAHoro Xo3HticTBaCCCP(AKaneMHHHayKCCCP),1962,cTp.368‑386.

〔3〕MeToAonorHqecKHeBonpocbiH3yqeHHHypoBHfl>KH3HHTpy双H田HxcH, noムpeAaKIIHeHH.1().nHcapeBa,1959.

〔4〕B.B.IIIBblpKoB,̀̀KogΦ ΦHロHeHTgnacTHqHocTHnoTpe6neHliflnero npHMeHeHHenpuH3YqeHHHYpoBHH}KH3Hl{TpYAHIIIHxcH, リリ

MaTeMaTvagecKaflCTaTHcTHKa(rIpKMeHeHHHIVSaTeMaTHqecKHxMeToAoBB

∂KoHoM四ecKHxHccnenoBaHllAxvanπaHHpoBaHHM,ToMVTI),1962,cTp.

49‑78

{〔5〕B.B.肛leHKoB,CTaTHqecKHeCnocoBblH3yqeH}1"noKynaTenbcKoro Cnpoca,1962.

{6〕HapoAHoeXo3"ticTBoCCCPB1961roAy,1962.

'(7〕J

.G.chapman,"consumption",EeonomicTrends伽thesovietu7nion, edi七edbyA.BergsonandS.〕Kuznets,1963,pp.235‑282.

{〔8〕 竹 内 清

,"ソ 連 に お け る 需 要 分 析 の 理 論 な ら び に 応 用 を め く・る 若 干 の 問 題(1)"

「商 学 討 究 」,Vol.12,No.4,pp.39̲51.

〔9〕 竹 内 清,"ソ 連 に お け る 需 要 分 析 の 理 論 な ら び に 応 用 を め く・る 若 干 の 問 題(2)"

:「商 学 討 究 」,Vo1.13,No.2,PP.39‑55.

参照

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