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ソ連邦における労働権概念の一考察(2)

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(1)

−ユ ー   

ソ連邦における労働権概念の一考察(2)  

−オ・ヴヱ.・スミルノフの所説を中心としでこ一  

中 村 賢 二 郎  

は し 逆〉 すこ  

1.主観的権利と樅利能力   2 主磯的権利と法関係  

3小 法規範・権利能力・法関係・主観的権利の相互関係に   かんするスミルノフの説……以上算38巻算6号掲載   4巾 労働の権利の実現過程州」以下本号  

(1)この権利の主体  

(2)この権利の客体  

(3)この権利の構造叫2つの法関係−  

(4)この権利の請求権的性格と内容  

(5)この権利の保障  

イ..就職斡旋の法関係の場合   ロ.本来の労働法関係の場合   5.労働の義務  

6。就職斡旋の問題   7.おわりに 

4.労働の権利の実現過程  

以上述べてきたように,スミルノフは労働の権利をまず法の−・般理論のなか   で権利能力の要素とか法関係の要素としてでほなく主観的権利の視点より考察  

●● するが,それでほ.労働の権利の権利としての特殊法的構造およびその具体的内  

容をどのようにみるのであろうか。彼はそれをまず主観的凝利一般の実現過程   のなかで把え.る。   

主勧的権利ほそ・の利用前払ほ,他人が・その侵害を自制する一・般的消極的義務  

と社会主義組織がその権利の実現に.協力するという一・般的積極的義務とがそれ   

(2)

第39巻 第1号  

−2−  

に.照応するという意味において絶対的性格をもっているが,主観的権利が利用   の段階に入るとなると,その侵害の自制もしくはその実現への協力という特定  

の人のすで紅この段階でほ−・般的義務でほなくて一兵体的義務がそれに対応する   という意味で相対的権利となる。   

この場合,主観的権利は法関係の設定によって何らかの法事実のたすけをか   りて利用実現されるのが普通である。  

(1)この権利の主体  

ところでソ連邦市民の労働の権利は,ソ連邦憲法第118条で「労働の嶺と質  

(38)  

に応じた支払を伴う保障された仕事をえる権利」として∴規定され,労働の法主   体性のある全市民がもっている。現行法では労働者・事務職負およぴコルホL−  

ズ員の場合も16才にたっすれば,それがみとめられる。例外的に・◎3川・Kの同意  

(39) があれば,15才で労働者・事務職員として採用できる。(ただし,精神病など  

のため,関係当局に.よって行為能力を否認されている期間中ほ.当該市民に労働   の法主体性がなく,労働の権利もないとされる)   

市民が自己の労働の権利を利用・実現するまでは.,その主観的権利ほ絶対的   性格をもつ。この場合に.おいても既に.市民を採用する不特定多数の社会主義組   織の一般的義務がこの権利に対席している(しかし,スミルノフはこれを法関   係とはみない)。彼は.このような義務の設定なし紅ほソ連邦患法の規定する主観   的労働の権利は全くその意味を失うという。このような意味あいにおいて,主  

観的労働の権利が市民紅発生するのは市民が労働についているという事実と関  

連すると考えるのは誤って:いるのであって,ソ連邦ではその市民が就労してい   よう 

㈹ ソ連邦窓法欝118条「ソ連邦の市民は,労働の権利,すなわち労働の塁と質に応じた    支払を伴う保障された仕事をえる権利をもつ。労働の権利払国民経済ゐ社会主義的組    織,ソビエト社会の生産諸カのたゆみない発展,経済恐慌の可能性の除去および失業の    解消に.よって保障される。」  

(3g)yz(a3叩e3牲几HyMaBepxoBHOrOCoBeTa CCCP<06ycHJZeHFrHOXpaHbITpyAa    rIOZtpOCTKOB>oT13ReIくa6p兄1956r・≪BeROMOCTHBepxoBHOrOCoBeTaCCCP>>   

1956りr.nO.24cT.529   

(3)

ソ連邦における労働権概念の−・考察(2)  

−β −  

っているのである。   

そ■のちがいがあるとすれば,ある市民ほ自己の労働の権利をいまだ紅実現し   ていないが,他の市民はそれを実現したということにすぎない。失業とその原   因が一偏され,労働の権利の完全な実現が体制的に保障されているソビエト社   会主義社会のもとでほ,就労ほ.全く市民の意見と希望に.依存しているとスミル  

(40)  

ノフほ云う。   

このような意味から彼ほ既述のように,ソビエト市民の主観的権利ほ「一兵に   可能な現実性として,また実現される現実性としてあらわれる」と考えるので   ある。  

(2)この権利の客蕗  

労働の権利の実現は,この権利の性質紅質的変化をあたえる。労働の権利は   実現の過程で,絶対的性格を失って具体的・相対的・主観的権利となり,義務   的主体の一般集団(社会主義諸組織)から−・つの具体的主体が分化し,その社   会主義組織が市民の労働の斡旋をするか,あるいは彼を雇用する義務をおうこ  

とに.なる。   

このように労働の権利はその実現までは絶対的性格をもつが,この権利が相   対的性格をもつのほその実現の過程払おいて,あるいほその実現の結果におい  

てである。  

以上のようなスミルノフ独特の労働の権利の実現過程の把え方は,この権利  

(41) の客体を規定する場合軋も考慮される。   

彼はソピ・エト市民が労働の権利を実現するまでは,権利取得の状態8COCT一  

㈹ 0・B・CM叩HOB:IlpHPORa H CyulHOCTZ}rZPaBa Ha TpyZL B CCCP・H3月・  

IOpH.qHtZeCIくa兄JIHTepaTypa・M・,1964cTpL16q17  

姐)「主観的権利の特殊な客体となるのは義務的主体もしくは複数の義務的主体の意思的    行為である。義務的法主体の具体的範囲は客観法(法規範)により規定されるか,もし   

くは主観的権利の本質から出てくる。かくして,絶対的・主観的権利のもとで義務的主   

体となりうるのは当該法主体以外のあらゆる他の人々(市民および法人)である。相対    的・主観的権利のもとでは義務的主体たりうるのは,法規範の規定する一・定の人,ある   

いは−・定の人の集りである」0・B.CMHpHOB:y7(a3・pa60Ta,CTp 28−29   

(4)

帯39巻 欝1号  

− イ ー  

0月H朋㈲【npaBOO6JIaAa日用にある紅すぎないのであって,この場合義務的主体と   なるのほ当該市民の労働権の侵害を自制しなければならないあらゆる他の人た   ち,および当該市民を採用する義務のある社会主義組織である。換言すれば,  

絶対的主観的労働の権利の客体となるのほ.,労働の権利の主体たる当該市民が   自己の権利の侵害の自制とそ・の権利の実現の積極的促進を要請できるあらゆる   他の人たちの意思的行為であると云う。   

ところが絶対的・主観的労働の権利の客体が常に.われわれの日常生活に明瞭   紅あらわれるとほかぎらない。この権利の客体が特紅明確に.あらわれるのほ何   者かが市民の就職を妨害するとか,社会主義組織が正当事由もなしに,採用を   拒否するようなこの権利の侵害の場合であるb   

また市民の労働の権利の侵害を自制する義務のある人たちの意思的行為はこ   甲権利の客体の仙側面庭すぎないのであって・,これだけでは市民にとって何ら   実践的意味がない。市民に.仕事を提供するという社会主義組織の積極的行為が   あってはじめて,この権利ほ意味をもつのであるとスミルノフほ云う。   

労働の権利ほソ連邦憲法第118条が規定するように,・何よりもまず仕事をえ   る権利なのである。市民の就労まえ,すなわら市民が自己の労働の権利を実現   するまでほ全社金主義組織が原理的に服その市民にたいして潜在的に義務的主   体となりうる。それはまたどんな社会主義組織たりとも一億数の市民を採用し  

て,しかるべくその労働を利用せずに.ほ存在し.え.ないからでもある。しかし,  

個々の社会主義組織が市民を採用する義務ほ,各企業の活動の基礎匿あり,・そ   の定款の規定する目的や課題に.よって制約をうけることになるとスミルノフは  

(d2)  

のべている。  

(5)この権利の構造−2つの法関係−−  

と、ころで,彼ほソ連邦患法第118条のソビエト市民の主観的権利としての労  

働の権利の実現過程を2つの異った法関係を設定することによって法的な理論  

姐 0・・B−CMⅡpHOB:yKa3・pa60Ta,CTp−31   

(5)

ソ連邦における労働権概念の一考察(2)  

ー 5−  

構成を試みる。   

労働の権利ほ原則として市民と・その市民を雇用する社会主義組織との適按の   労働法関係の設定のなかで実現されるのが普通であるが,この権利の実現過程   は大抵の場合それに付随して発生する法関係,すなわち就職斡旋の法関係Ⅲp−  

aBOOTHOuleHHe rIO TpyAOyCTpO蕗cTBy の設定を同時に伴う。この法関係ほ後   述するように・その性質上・内容上からしても本来の労働法関係とは区別され   る。   

まず,就職斡旋の法関係ほ自己の労働の権利を実現する市民と法律上市民の  

(48)  

就職斡旋をする義務のある社会主義諸機関の間に生ずる。例え.ば,このような法   関係ほ特に・労働力の組織的募集,中等・高等の専門学校卒業の青年専門技術者   の就職配置,職業・技術学校修了の青年労働者の就職配置の場合に発生する。  

また中等の義務教育の学校を卒業した青年労働者や未成年者が自己の労働の権   利を実現する時に・も労働斡旋の法関係が生じうるが,これらについてほ後述す  

る。  

(4)この権利の請求権的性格と内容  

労働の権利ほ,何よりもまず「労働の塁と質に.おうじた支払を伴う保障され  

●●●●●●●  

た仕事をえる権利」である。就職斡旋の法関係における主観的労働の権利はま   ず市民の就職斡旋機関に虎いする請求権的性格ⅩapaKTepnPHT5I3aHVn[をもつ  

としてスミルノフほ以下のように説明する。.この場合の請求権の内容は労働法   関係に‥おけるように専門とか熟練度に.応じた仕事それ自体にかんするものでは   なくて,市民がその専門と熟練度紅応じた仕事に斡旋されることである。   

他方,市民の能力や教育に応じた労働の請求権ほ,その市民の主観的労働の   権利をさらに実現するプロセスで,本来の労働法関係の実現の過程のなかで発   生する。このように,主観的労働の権利は就職斡旋の法関係の場合と同様,労    胸 労働斡旋の法関係の法的性格の分析についてほ,カ・ぺ・クルジンスキ−の論文があ   

る。Kいn・yp)KHHCIくH蕗:口paBOBbIe BOI−pOCbITPy且OyCTpO蕗CTBa B CCCP<r7p・   

aBOBeAeH托e>1965r・nOハ2cでp・・71−77。なお,これについてのスミルノフの分析   

は註(8勿を参照されたし。   

(6)

第39巻 第1号  

− 6「− 

働法関係のなかでも請求権的性格をもつ。   

しかし,後者において:は請求権の内容がすでにちがったものとなる。それ裾   労働怯関係の相手方,すなわち社会主義組織にたいしてなされる。その内容を   具体的匿.みると,①専門と熟練度および職種に応じた仕事の保障 ④労働者に   たいする正規の労働条件の保障 ⑨労働の盈と質紅応じた賃金の保障,がそれ   である。   

請求をうけた社会主義組織としてはその企業内で当該市民に・以上のような保   障された仕事を与える義務をおうことになる。ここでこのような仕事の提供と   いう行為をさらに具体的に.みると, ①市民の職能TpyAOBa兄ゆyHK碑兄の決   定,企業の人的構成への編入 ⑧労働者の労働過程への組織化⑨労働の報酬   の支払,といった管理部の−・逮の活動となっーてこあらわれる。   

このようにソピ.エ†市民の労働の権利の内容を知ろうとすると,いきおいこ   の権利の主賓な客体となる社会主義企業の管理部の活動の分析にまで蓮まざる   をえなくなる。   

まず ㊨の職能の決定は市民の労働能力に応じて職種を具体的匹決定するこ   とであるが,それほ将来その社会主義組織内での当該局民の地位を決定し,彼   と企業間の労働法関係の全内容がこれに.関係すること著しく大であることから   も極めて重要な意味をもっている。また市民を社会主義企業の人的構成に・編入  

させるという行為ほ,普通民事上の労働契約の締結という型をとるが,これに  

ょって本人と企業間に本来の労働怯関係が発生することからしても重要であ   る。次紅 ⑧の労働過程の組織化は企業が市民を職場に配置し,ノーマルな作   業条件を維持することである。⑨の管理部が労働の藍と質に応じた賃金を支給   する行為ほ,労働の権利の客体のうちでも最も重要な要素である。労働の権利   とほ要する紅仕事をえるということ,すなわち就職を斡旋されるということの  

/ みならず,おこなった労働にたいする一報酬を受取るということでもあるからで  

ある。   

主磯的労働の権利の内容はとのように,何よりもまず労働の権利の主体が− 

定の社会主義組織にたいし職業紹介や仕事の提供の援助を請求できることであ   

(7)

ソ連邦における労働権概念の一考展(2)  

ー 7−・  

る。このような請求は市民の労働斡旋機関や直接仕事を確保できる機関にたい  

㌧てなされる。かくして,主観的労働の権利の内容ほ請求権的性格をもつこと   になる。   

ところで,労働の権利のこのような請求権的性格についてほソピ.エトの法律   文献のなかでも既把持摘されているが,しかしこの請求権の理解の仕方がらが  

っている。例えば,ア・イ.ェ・パン.ェルストニクほこの請求権を労働の権利− 

般と関連させて理解しており,労働の権利とほ市民がそ・の能力と教育に応じた  

(44)  

仕事を請求できる可能性であるとみている。これにたいし,エヌ・ゲ・アレク   サンドロフほ労働法関係のなかで具体的紅その権利が実現される段階と関連さ  

●●●●●●●●  

せてこの請求権を理解し,「確かに,憲法欝118条からほ労働法関係にある市民   がその職能に応じて事実上就労することを請求する権利が出てくる」としてい  

(45)  

る。   

スミ・ルノフは,アレクサンドロフの説を支持して,次のように.述べている。  

「労働者の専門と熟練度に応じた労働にたいする請求権が発生するのは,実際   に・ほとの権利にたいして市民を採用する不特定多数の社会主義親地中義務が照   応するようになる主観的労働の権利の発生の時からではなく,具体的紅義務付  

(48)  

けられる主体が現れた暗から,すなわち労働法関係が設定される時からである」  

(44)A・E・rIalⅡePCTHHZ(:口paz30HaTpy几,AHCCCP,M・,1951cTp・33  

q5)H・・r・AJIeZくCaHApOB:Tpy几OBOeITPaBOOTHOⅢeHHe CTp・299  

(46)0・B・CMHPHOB:yKa3・Pa60Ta,CTpt・18−19なお,本論文で紹介するスミルノフ    理論の要旨は,すでに単行論文として1962年に発表されている。0・Bい CMHpHOB:O    noH51THHrIPaBaHaTpyA< BecTHHKJreHHHrpaACZくOrOyH以BepCHTeTa>1962r・nO.  

17BbIHyCK・3 CTpl・118−127この論文のなかでも彼は次のようなことを云っている。   

「しかし,エヌ・ゲ・アレクサンドロフは労働の権利(あるいは彼の表現をかりて云え 

は「−・定の職能に応じた仕事に事実上就労する」権利)に対応する義務の主体紅なるの   

ほ,労働過程の指導者であると云っているが,これは正確でほないと思う。現実にほ,   

労働法関係の当事者は労働過程の拾導看ではなく,法人としての社会主義組織である。   

したがって,主観的労働の権利の侵害が行われた場合,請求がなされる相事方は労働過    程の個々の指導者にたし.、してでほなく,社会主義組織全体にたいしでである」cTp・126   

なあ ここにあげたもの以外にスミルノフの執筆した単行論文を知りえた範囲内であげ   

ておく。O rIPaBOBO姦 叩叩0月e yqeHHqeCT8a<CoBeTCXOe rOCyAapCTBOH   

npaBO>1957rいnOl3,rTpa80BbIe BOIlpOCbIrIpOヰ■eCCHOHaJrhHO銀r(OArOTOBIくHXaZ(−   

poB Ha rIpeRnPH兄TIM,C60pfm正一くrrpaBOBhIe BO】TpOCbIrIpOMbtLZIJ7e冊OrOrIpeZtrI−   

pI用TE兄>H3月・BO PocでOBCIくOrO y打−でa,1961,Cでp・56   

(8)

第39巻 第1号   

−β−  

このような請求権ほまず何かの原因で市民の就職斡旋や仕事の確保が困難な   場合に労働の権利の実現の過程で出てこくるのである。換言すれば,請求権は本   来明確性を特徴に.しているから,それは個々の社会主義組織が市民紅労働を法   的に保障する義務に.違反した場合にあらわれる。したがって,もちろんこのよ  

うな事態のないかぎり,請求権の行使の必要もないことほ云うまでもない。   

ところで以上を総括してのべると,請求権の態様ほ請求の相手方によってニ,  

すなわち就職斡旋機関と喧接市民が就職を希望する企業によってそれぞれ異   り,前者は就職探しの援助,後者ほ一雇の専門・能力・職務に応じた仕事をえ   ることを請求内容としている。またこれとほ別に事実上の就労の保障の請求権   が主観的労働の権利をさらに実現するなかで,すなわち本来の労働法関係の実   現のプロセスで発生するとスミルノフほ考える。この請求権は当該市民をすで   紅雇用している労働法関係の一方の当事者たる社会主義組織にたいして行使さ   れることについてほ既にのペた。   

社会主義企業が直接就職を希望してきた市民を採用する場合,今日契約によ   る市民の就労方式をとっているからといって,これによって労働の権利の請求   権的性格が少しも失われること紅はならない。なぜなら,「滞民を採用する社会   主義組織の義務ほ,労働契約からでは.なく,現行立法と既定の労働プランとそ   の限度から出てくるからである。したがって,雇用請求権の現実性ほ管理部の   採用の意思の有無といった主観的ファクトによって決定されるものではなく  

て,社会主義組織が実際に要員を必要とするか否か,欠員があるかどうかとい   った客観的ファクトに.よって決定される。市民の雇用請求を充足させるととほ   企業・施設・組織の権利であると同時に義務でもある。したがって,上級経済   機関やその他の機関が設定したこれに.かんする一切の制限措置ほ違法であり,  

かつまたソピ、エト市民の憲法上の労働の権利に違反したものと考えねばならな  

(47)  

い」とスミルノフは云う。  

仏7)0.B.CMHpHOB‥yKa3小pa60Ta,CTp.42−43   

(9)

ソ連邦に・おける労働権概念の−・考察(2)   ー9−  

(5)この権利の保障  

イ・就職斡旋の法関係の場合  

以上のような請求権的性格をもつ労働の権利ほ,その義務的主体となる社会   主義組織が正当事由なし紅適当な仕事の斡旋とか雇用を拒否したような場合,  

国家機関のたすけをかりてその実現ができることに.よってより鵬層の法的保障   をうける。これもまた就職斡旋機関にたいする請求権とならんで,主観的労働   の権利の内容であり,主要な構成要素をなしている。こ.のような可能性があっ  

て−はじめて,社会主義組織にたいする雇用請求権ほ現実的なものとなるわけで   ある。   

しかし,現行法紅就職斡旋や雇用が拒否された場合の市民が申立のできる国   家機関に・ついての具体的な規定がないのは確かに法の不備といえよう。判例を   みると,裁判所や労働紛訣審理機関ほこのような申立を審理しないことになっ  

(48)  

ているようである。   

現在実際には,検事局・官庁の服務手続上の上級機関および関係公務員がこ   れらの問題を取扱っている。適法性の順守の−・般監督を日常的に行っている検   事局ほ,市民の申立や自己のイニシアチブで違法かつ正当事由のない採用拒否  

㈹ 例えば,雇用をめぐるカチャ−リン対自動車修理施設の訴訟事件にかんすろロレヤ共    和国最高裁判所民事合議部の判決がある。「一労働契約締結にかんする紛議は裁判所    の所轄事項でない−−カチャL−リンは自動車修理所にたいする自動車道転手としての雇   用請求の訴えを裁判所れた。原告ほ以前に運転手として働いてナ、た企業が解散したた    めに,ロレヤ共和国労働法典罪47条イ項(企業・施設もしくは経営の全部もしくは一部    が解散した場合,ならびにその作業を縮少した場合)による解雇ご,就職斡旋手続によ   

って自動車修理所にまわされたことをその請求の根拠にして−いた。しかし,同所の管理    部は彼を採用しなかった。裁判所はカチャーリンの訴えを却下した。ロンヤ共和国最高    裁判所民事合議部は,同裁判所の判決を破棄し,カチャ・−リンは何ら訴権をもたないと   

して,上告を棄却した。この場合間合議部ほ次のような棄却理由を指示した。すなわら,   

カチ・ヤーリンには自動車修理所と何ら労働関係にない。したがって,同人は本件につい   

て裁判所に提訴する権利をもたない。雇用にかんする諸々の問題は企業管理部の処理す    るところであり,裁判所の審理する問題ではない。同合議部は周時にまた就職斡旋手続に.   

よってカチ■ヤ−リンに他の企業の仕事が提供された疫も拘らず,本人はそれを拒否した   

ことを拒描している」C60pHHKr10CTaHOBJIeHH葺zlOⅢPeReJIeH舶BepxoBHOrOCyRa   

PCq)CPIlOTpyLLOBJ)IMReJIaM1953−1958rl・,rOCfOpH3AaTl1959cTp小238−239   

(10)

算39巻 欝1号   10  

−JO −一  

(49)  

をプロテストする義務がある。また上級機関や関係公務員も同じく正当事由の  

(50)  

ない採用拒否を阻止する一億の権限をもっている。   

市民が申立をすると以上のような機関や関係公務員は,まず遵法かつ理由の   ない採用拒否をしたあらゆる事情を調査するとか,違反した格闘や関係公務員   にそれ相当の指令を送致してニ,労働の権利の侵害の排除・回復のあらゆる措置   をとることになる。たまたまこのような上級機関が労働の権利を侵害した場合   にも,検事局は同様な措置をとることになる。   

しかし,各官庁や地方機関の法令(例えば,各省の省令や訓令,あるいほ地   方ソビエトの決定)で法に・もとづかないある一億の雇用制限の措置をキってい  

るような場合に,これを検事局が労働の権利侵害とみた時には一体どのように  処理すればよいのか,といった問題が実際に.生じるとスミルノフほ指摘してい  

るが,この問題紅ついてそれ以上詳述していない。ただ註で具体例を提示して  次のように述べている。「企業や組織の指導者にたいしてタレケント市紅登録  

されていない市民の雇用の禁止を規定したタシケント市勤労者代議員ソビエト   執行委員会の決定,および既に.労働規律違反に・とわれて解雇になった市民とか  

自己の希望により解雇紅なった市民の雇用を禁止したクズペック共和国建設省  

(61)  

の指令にたいして異議申立をした検事局の行為ほ全く正当と認めねばならな  

(∂2)  

い。」   

スミルノフほ現行法には採用拒否を違法とする一度の明確な規定ほないが,  

管理部が拒否しては.ならぬ色々な場合があるとして,次のようにのペている。  

例えば,1986年5月22−26日付のソ連邦人民委員会議付属のソビ、エト統制委  

b9)np拷Ka3npOIくypOpaCCCPor28Ma兄1938rい<Co岬aJIHCTHtIeCIくa513aKOHHOCTZ,>   

1938r.noい 7  

伽)z70・7TlOJrOXeH刀刃O朗HEl打CTepCTBe TPaHCJIOPTHOrO CTpOHTeJrhCTBa,yTBeX)t−   

eHHOrOI10CTaHOBJ7eHHeM CoBeTa MmiHCTPOB CCCPL OT15Ma兄1959r.(Cn    CCCP1959r・nOl10,CT・64)・a TaZくXeI7・7r10JIO)ⅨeHH兄O rOCyZtapCTBeHHOM    KoMHTeTe CoBeTa MⅥHHCTpOB CCCP rTO XHMlⅢ,yTBepXAeHHOrOrrOCTaHOBJIe−   

HHeM CoBeTa川淵HCTpOB CCCP oT6MapTa1959r・(CnCCCP1959r・nO・   

5,CT.31)  

61)<Co叩aJIHCTHtleCIくaSr 3aIくOHHOCTh>1960r・nOl・4,CTp・86ⅠイnOl8,CTp・115  

(5勿 0・B.CMⅥpHOB:yKa3り pa60Ta,CTpり44   

(11)

ソ連邦における労働権概念の一考察(2)  

−ヱユー   11  

(53) 員会第3回総会の決定第1条「勤労者の訴願審理に.ついて」は特別立法で規定  

のないかぎり,社会的出身・前科・両親もしくほ親族の有罪宣告などを理由  

(54〉 としたソビエト機関や経営その他の機関の採用拒否を禁止しており,また妊娠  

(65)  

および幼児の養育を理由とする婦人の採用拒否も禁止されており,万一・このよ  

(5¢)  

うな差別待遇をした公務員ほロジャ共和国刑法典稀139条および各共和国の同   一・条文紅よって刑事音任をとわれる。また以上の採用拒否だけが遵法であり,  

その他の理由に・よる拒否は.合法と云うわけでほないのであって,例えば管理部   の全く理由のない採用拒否とか,理由が一応あってもその根拠が法規にもとづ   いていないとか,直接本人の職務上の事柄紅関連しない他の理由による場合ほ  

(68)の1  

遵法とみなさるべきであると云う(ロジャ共和国刑法典第138粂参照)   

ソ連邦憲法第113条の「すべて−の省およびその所轄の機関,ならびに個々の   職員,またソ連邦市民による法律の正確な履行について−の最高の監督ほソ連邦   検事総長の任務とする」の規定に.もとづいて−,検事局は日常的に労働法の厳正   な執行を監督して:いる。これに・よって−検事局は遵法な採用拒否を上級機関紅異  

しご■丁、 議申立をする義務があ卑。   

ところが実際にほ,採用を拒否された市民ほ上級機関や関係公務員に異議申   

(53)C3CCCP1936r.no.31,CT.276  

(54)rTOCTaHOBJIefⅢe uHK H CHK CCCP oT27H氾H兄1936r.(C3 CCCP1936r.   

no・34),rrOCTaHOBJIeHHeIIHKHCHK CCCP oT50KT5I6p兄1936r・(C3CCCP   1936r・nOl・51),rIOCTaHOBJIeHHellHK H CHIくCCCP oT9arrpeJI兄1937r。(C3    CCCP1937r.nO。.25)  

65)yz(a3npe3ⅠすAHyMa BepxoBHOrO CoBeTa CCCP oT19Ma兄1949r.<BeAOMOCTH    BepxoBHOrO CoBeTa CCCP>1949r・nO・26  

㈹ ロンヤ共和国刑法典第139条(妊娠または授乳中の母の就業拒否または解雇)妊娠を    理由とする婦女の就業拒否,あるいは解雇,ならびに同じ理由による授乳中の婦女の就    業拒否または解雇は,1年までの期間の矯正労働,または職務追放をもって処罰される。   

「法務資料」第380号 63−64ぺ一汐。  

醐の1ロジャ共和国刑法典第138条(労働立法の侵害)個人的動俄による労働者の不法    な解雇,労働復帰についてこの裁判所の判決の不履行,ならびに労働立法の故意の本質的    侵害が公共的企業または施設の公務員紅より行われたときは,1年までの期間の矯正労    働,または職務追放をもって処罰される。「法務資料」第380号 63ぺ・−・汐  

(57)npHZ(由r7pOIくypOpa CCCP oT28Ma5I1938r.no.547(CMKoRetくC 3aIくOHOB   

OTpyRePC◎CP,fOpz13RaT・1938,CTpり216)M・n・KapnyHIHZl:CozIHaJmCT−   

HqeCIくOeTpyRO80erIpaBOOTHOulerrhe,rOCZOpH3AaTl1958・CTp・88   

(12)

解39巻 解1号  

∴−j2・−  

12  

立をして■いないのが実状である。これはそ・うするにしでもそのような機関や人   が各州・共和国の中央にあるため,彼らが事件を詳細に.調資することが実際難  

しいし,長時間を要し文通するにしても容易でないためでもある。また検事   局に.異議申立をするに.しても,検事が当該問題について:最終的な決定を下すわ  

けでほないので,これも時間を要し,かつ不便である。したがって,不当に採   用拒否をされた場合でも,市民は異議申立もせず容易紅妥協してしまって,そ   れよりもまず採用し.てくれそうな他の企業の就職口を探すというのが常識に.な  

って−いる。   

これについてスミルノフほ,採用に・さいして市民の労働の権利の法的保障を   今後とも−・そう強化し,とりわけそ・の訴訟法上の保障を改善の要ありとし,こ   のために.当該市民の要求があれば採用を拒否した理由を文書紅して交付する義   務を管理部庭.おわすよう立法措置をこうずる必要があると提案している。   

また市民の採用紅かんする紛議が今日,労働紛議審理機関の審理事項から除   かれていることほ既述したが,これが労働の権利の怯的保障を弱化させて:いる   こ.とも事実であり,勤労者の代表として.生産管理に積極的に参加している◎3   皿Kが市民の雇用に.かんする紛議の審理に実際紅加われないのは不合理であ  

や。若干の文献でもこれを改善して,こ・のような重要な問題に・労組機関やその   他の社会団体が積極的に.参加して審議できるようにすべきであると提案されて 

(58) いるとスミルノフほ云う。■  

(58)A小C・nauIt(OB:npaBOBbIe¢opMb106ecrreqeHH兄rIpOH3BORCTBaIくaJLpaM朋[B    CCCP・rOCIOpH3AaTい1961cTp・79,a TaIくXe eTaTbIOm・BypeIiKOBa B<H3Be・   

CでH兄Ⅹ> oTIAeIくa6p兄1962rい これについて,・エフ・・エム・レビアントも次のよう    な提案をしている。「労働者の職務上以外の事由による採用拒否を除いて,労働の権利    の法的保障を強化するためには,不法な採用拒否にたいする一定の異議申立の制度を設    ける必要あミある。このような紛議の審理を◎3MKに.委ねるのがよいと思う」◎一.M.ル   

eBl伯HT‥・・naJIbHe葺uleeyCHJIeHHe OXPaHZ)ITpyZ(OBbIXrlPaB rpa)ⅨZLaH<CoBeTC−   

KOerOCy且apCTBOH rIpaBO>1963rl、nOl8,CでPl53,なお,今日年令15岬16才まで   

の者の採用には◎3肌Kの同志が必要,(◎3MK規則第9条年令15−16才までの者   

の採用ほ,労組委員会の同意をえて管理部これを行う。 い)また,企業などの経営上   

の指導的職務に労務者を任命する場合も◎3朗Kがこれ紅参加する。(や3MK規則第14   

条 ◎3肌Kほ必要ある場合団体協約義務を履行せず,官僚主義を発揮し,事務遅滞を   

(13)

ソ連邦における労働権概念の−・考察(2)  

岬ヱβ−   

13  

なお,この場合彼ほ現行の裁判慣行とほ.異るが不当な雇用拒否問題をさらに   裁判所の審理事項にも加えるべきでほないかと提案する。これによって,裁判   所に.よる労働の権利の保障が叫そう改善されると同時に,現行の労働紛議審理  

(59)  

手続もより完全なものになると考え.る。   

ところがこ.れについてエス・一エス・カリンスキL−はこ.の場合,裁判所による   司法上の保障はうけられない。なぜなら,採用問題について争われる段階では  

(60〉  

いまだに当事者間に.ほ.労働法関係が発生していないからであると云う。これに  たい㌧スミルノフほ次のように批判する。「これは誤解である。カリンスキー   も遵法な琴用拒否には市民が上級関係官庁や検事局へ異議申立をして−,自己の   利益の保革を求める鹿利をもって−いることを否定はしていない。この異議申立   のなされる根拠ほ,主観的労働の権利の侵害以外の何ものでもないではない   か。したがって,云々されねばならないことがあるとすれば,.主観的権利の欠   如についてでほ.なし紅,法樺にこの権利の司法上の保護規定がないことについ   

放任し,労働立法に違反する指導的労務者の更迭もしくほ処罰問題を当該機関匿提出す    る。企業・施設・親織の経済上の指導的職務に労務者を任命するさいにほ◎3肌Kの意    見を考慮して管理部がこれを行う。)  

(59)なお,こ.のような労組組織やその他の社会団体が審理紅参加することによって,裁判    所による市民の権利の保障の物神化を防止すること紅なると.スミルノフは云う。0い B  CMuPHOB:yKa3・pa60Ta,CTPu176なれア・グ.ェ・ミツケピッチ・も裁判所によ   

る権利の保障ほソビエト法において最も重要であるが,法的保障の唯・−の型憩セはない    と指摘してニヤ、る。これがブルジョア法と臭って−裁判所による保障の物神化を阻止して・い    る点であると次のように云う。「く法治国家>・<自由世界>のプル壁ヨア・イデオロー    グたら軋 あたかもく個人を国家から保護する>かのような裁判所の保護濫委ねること    が個人の権利の唯一・の保障であると云う。彼らは裁判所の保護なしに.は,権利それ自体   

も存在しないと考える。これは裁判所を国家権力の外に,その上紅おく典型的なプル汐    ヨア法学的世界観のあらわれである。裁判所による保障は適法性を保障し,市民の棒利    を保静する変質な意味をもつ。だが,それを物神化したり,唯一・の法的保障の型唐紅す    るこ.とはできない。わが国でほ,国家および裁判所もふくめた全国家的機関が勤労者の   

利益を擁護している。これには社会団体も参加している。したがって、ソビ・エ†社会の    全政漁組織がその活動を適正に組織するにあたって,相互に必要な<分業>をしなが   

ら,彼らにおわされた市民の権利と利益の保護の課題を遂行することができる」A.B.  

MK60 

㈹。 

鱒paZ)aBTrJlaflOBOMO6ecTZetleHHH ZlaPOIIHOrOXO3月劇CTBaIくaApaM払rOCX)pZ43AaT 

1955,CTp・66   

(14)

第39巻 第1号   1.l  

ーJ才 一  

(¢1)  

て.である.」   

カリンスキ一に.たいするスミルノフのこのような反論からは,主観的労働の   権利を法関係(本来の労働法関係)の外で把えようとするすでにのべた彼特有   の主観的権利概念が明確に.出ている。また労働の権利をいかにして裁判所の訴   訟法上の保護に.おき,その法的保障を完備できるよう理論構成すべきかという   意図が十分にうかがえ.る。  

口… 本来の労働法関係の場合  

市民が採用されると同時に,その労働の権利ほ本来の労働法関係の要素とし   てこの一億の権能のなかに具体化される。したがって,この権能の実現を推進さ   せるこ㌧とが,この権利の実現を保障することになる。この権利の法的保障とほ  具体的匿.ほ(1)勤労者の専門と熟練度に応じた労働力の利用(2)不合理な配転の防   止(3)ノ・−マルな作業条件の保障(4)鼠と質に応じた賃金の保障,である。   

まず(1)の原則ほ.,ロジャ共和国労働法典第86条で保障される。同条に.よれば,  

企業もしくは施設の管理部ほ労働者に雇用条件と無関係な仕事を要求できない  

(62) とある。これ紅関連して次の2つの重要な法的保障が出てこくる。①管理部には,  

雇用条件となった専門や職務に応じた仕事を労働者に保障する法的義務がおわ   さ叫る0⑧−・方的手続で雇用条件に・ない他の仕事に労働者を配転させることが   禁止される。このような配転は,管理部と当該労働者の同意がある場合にのみ   許される。(労働法典第87粂。非専従の¢3MK委員の配転には特に・¢3肌Kの同意  

(88) が必要。¢3MK規則第17粂)すなわち,(1)と(2)は本来相互に関連するがスミル  

61)0いB・CMⅡpHOB:yZ(a3・pa60Ta,CTp・176脚註  

闘 ロジャ共和国労働法典欝36条 雇用者は被用者にたいして雇入の目的事項紅関係のな    い作業,ならびに明らかに生命上の危険を伴うか,または労働法規に適合しない作業を    要求することをえない。   

企業紅おいて雇入あ目的である作業が一時ない場合,雇用者は被用者をその資格紅相    当した他の作業に移すことができる。被用者がその履行を拒否したときは,雇用者は欝    89粂紅よって退職手当を支給して被用者を解雇する権利を有する。  

脚 ロジャ共和国労働法典第37粂「被用者を1つの企業から他の企業濫移動させるか,また   

はこれを1つの地方から他の地方に移転させることは,企業または営造物と共に移転す   

る場合も労働者またほ勤務員の同意あるときにのみ行うことができる。同意のないとき   

は、両当事者の何れかの1方によって労働契約を解除することができる。ただし,いず   

(15)

ソ連邦における労働権概念の−・考察(2)   −J占−  

15  

ノブほこれを主.としてこ配転の問題として 論じている。   

現在,労働者の同意なしに他の仕事に.配転できるのほどく限られた場合だけ   である。例えば,生産上の必要ある場宮にほ企業管理部は1ケ月以内の期間に   かぎって同じ企業の他の仕事,あるいぼ同一・地域の他の企業に.労働者を移動さ  

(64)  

せる権限をもっている。(労働法典籍37条の1)このような例外的な場合ですら   も市民の労働の権利の−・時的な制限であることに.ほ変りないのであるから,こ   の「生産上の必要」といった概念の定義を立法上厳密に.規定しておく必要があ   るとして,スミルノフはこの場合とほ期限付の生産のために労働力を必要とす   るとか,不測の物質的支出とか,これから生ずる生産上あるいほ.その他の危険   を回避するため紅労働者を移動させる必要が生ずるような非常事態を指してい  

(6さ) うのであると理解する。天災・破損・事故・財産の滅失もしくは毀鋭のおそれ  

(66)  

などがこの場合である。彼ほ事態の非常性を特に強調するが故に.,管理部が企   業のプランを期限前に遂行したり,あるいは超過遂行しようと意図する場合   ほ,これを生産上の必要とほみるべきでないと云う。   

企業管理部による一方的な配転ほ年少専門労働者の場合に特に・禁止されてい    れの場合に.おいても,被用者にたいしては算89粂によって退職手当が支給される。」   

◎3肌Kの権限紅かんする規則欝17条「(か3MKの委員に.選出されたために,金策・施設・   

組織紅おける仕事から解放された労働者および事務職員には,その全権終了ど,当該企    業・施設・組織における従前の仕事(職務),もしくは賃金の低減をきたさぬ他の仕事   

(職務)があたえ.られる。自己の基本的仕事から解放されない◎3肌K委員会の委員は,   

労組委員会の同意なしには企業・施設・粗放から解雇されたり,他の仕事に移されるこ   

とはない。また管理部により懲戒処分をうけることもない。本鹿足は耽場露貞会の権限    の範囲内において企業の職場委員会に.も適用される。」  

闘 ロジャ共和国労働法典第37条の1「生産上の必要あるとき(特に空過の場合)は,国    営・協同組合および公営の営造物,企菜および痙営は,同一・地域における同一・または他    の営造物,企業または経営の他の種類の作菜紅,1ケ月以内の期間,労務者を移動する    ことができる。  

労務者の移動された作業が従前の作巣より低賃金であるときほ,被移動者にたいし従    前の作業にたいする賃金が保持される。正当の理由なくして本条所定の移動を拒否した    ときは,労働規律の違反とみなされる。」  

槻 0・B・CMHpHOB:yⅨa3・− pa60Ta,CTp・1飢 なおこれについてはグェ・エ・ム・ド    ガドフの論文がある。B・M・nOra且OB:CoBeTCIくOe TpyZtOBOe rIPaBOB60pZ}6e    3a HaPO且HOXO3兄如TBeIⅢbIfirIJIaH<ytzeHbIe3armCIくHnry>cep745IK)PHA・HayIく,   

BbIn・4・1953,CTp・94  

66)E・AcTPaXatl,C KapHHCZくH凱AlCTaBueBa:yKa3・pa60Ta,CTpr・168   

(16)

第39巻 寛1号  

一 武卜一  

16  

る。義務労働の期間中に企業の指導者が年少専門労働者を管理部門で使用した   り,専門でない仕事軋移すこ.とほ許されない。また同期間中に管理部が当該企   業を所轄する各省,ソフナルか−ズ,他方ソビエト執行委員会の許可なしに彼  

(67) らを解雇することは,¢3MK規則第10条を別としても許されない。彼らに専門  

技術をさらに修得させるために最初は一・級下の職務(例え.ば技師ほ.職長の,技  

(68)  

手ほ監督の)に使用することもできる。この場合ロジャ共和国労働法典第38条の   試用期間にかんする規定が適用されてほならないとスミルノフは云う。   

次に企業が労働法関係から生ずる法的義務を遂行しなかった場合,(1)−(4)  

の法的保障を要求して.KTC・¢3MK・裁判所・服務.上級機関や関係公務員にた   いして異議申立する権限を現行立法ほ.規定している。労働法関係のなかで侵害   された個々の労働の権利に.たいする異議申立がこれらの紛議審理機関で処理さ   れる異体的な法的手続や,そこにおける種々の訴訟上の問題点についてほ,す  

(69)  

でに筆者も別稿で考察してきたのであらためて詳述しない。   

ここでは労働の権利の最も重大な侵害である解雇問題に.ついてスミルノフの   説明を若干考察しておく。不当解雇の予防とか,あるいほ不当な被解雇者を早   急に復職させる法的措置は最も重要な労働の権利の法的保障のlつである。   

ロジャ共和国労働法典第47条は企業管理部が労働者の同意なしに−・方的に解   雇できる場合を具体的に列挙している。これ以外紅も,企発と共軋他の地方の  

く悶)  

常時労働に移動することを拒否した場合(労働法典算37粂)。採用条件となった  

(70)  

試用試験紅不合格とならた場合(労働法典第89条)。従来の職務に.選挙されなか   ったとか,コンクL−ルに.よる就職期問の満了した場合,は管理部の一方的な合  

67)CM小rrl・27noJrOXeITⅡ兄O rIepCOHaJIZ}HOMpaCrlpeAeJIeHHH MOJIO且bIXCITeI岬aJI・   

CTOJ3,0ⅠくOHt7HBLu打ⅩBy3Z>IH CpeRHHe CTIeIユHaJlbHbIe ytre6HbIe3aBeAeHH兄,OTI    H旧H兄1960r.  

68)CM・HHCTpyIく叩K)HIくT CCCP oT40ⅠくT兄6p5I1930r・<06ycJIOBH兄ⅩTpyAa    MOJIOAbIX CIlellHaJIHCTOB>≪H3BeCTH兄HfくT CCCP>>1930r no・28  

㈹ 拙稿「ソ連邦における労働紛議審理制鼠」(1ト(4)『香川大学経済論叢』欝37巻2・3号   

第38巻1・2号,3号,4弓参照  

仔0)ロジャ共和国労働法典第39条「試験の結果によって被用者ほ催共に決定的に採用され   

るか,または試験期間中の労働にたいして試験のさいに同人の属した等級に相当する等   

級賃金の支払を受けて除外される。」   

(17)

ソ連邦に.おける労働権概念の一・考察(2)   −J7−  

17  

法的解雇事由となると彼は云う。  

(Tll  しかし,1958年の¢3肌Kの権限に.かんする規月U欝10条は,¢3肌Kの同意を合  

法的な解雇要件とすることによって従来の管理部の−・方的解雇を全面的に否定   した。(p3MKの同意なき解雇は労働の権利の重大な侵害である,だが管理部の  

−・方的な解雇命令が直ちに億的に蘭効となりうるか否かに.ついてほ「このよう   な解雇が法的に.意味をもたず,労働法関係の解除をもたらさないと云う若干の   論者の意見ほ注目されてよい」としながらも,「だがこの場合<蘭意味>という   のは法的視点からだけ云えることであって,事実問題として云.え.ば¢3肌Kの同   意のない解雇ほ,残念ながらいまだに重大な法違反とはされて:いない。特に労   働者が労働紛議審理機関に解雇軋ついて異議申立をしない場合ほ,しばしば労  

(72)  

働法関係の解除という法的結果をもたらしている」と述べているに.すぎない。   

遵法な解雇をした管理部は当該労働者を解雇前と同劇条件の職務に復職させ   る義務をおう。しかし,合法的解雇についてはこのような法的義務ほありえな   い。したがって,復職問題は違法な解雇があったか否かの事実認定の問題が決   定的意味をもつと彼は解釈する。   

解雇要件や手続を厳密に規定したととは,確かに不当解雇の予防と労働力の   流動性の阻止のためにほ有効な措置である。また,このような解雇同意権と云   うべきものを◎3MK紅付与することに.よって,まさにソ連邦憲法上の労働の権   利の保障紅たいする国家的監督機能を代行する下級労組機関の権限が著しく拡   大・強化することになった。  

仔1)ゆ3肌Kの権限にかんする規則第10粂「労働者・事務職員は.◎3MKの同意なしに,管    理部の発意で企業・施設・組織より解雇されることはない。  

¢3爪Kは企菓・施設・組織に粗放されている労働紛議委員会の裁定にたいする労働    者・事務職眉の異議申立を審理する。その場合同委員会は労働紛議委員会の裁定を有効    にするか,もしくはこれを破棄し,労働紛議の本質的な裁定を行う権利をもつ。   

◎3肌Ⅸは作業に.よる不具その他の健康損傷によって労働者・事務職員に加えられた   

損失の企業・施設・組抽匿よる補償にかんする管理部の決定紅たいする異議申立をもまた    審理する。」(1961年10月2日付改訂)なお,◎3爪Kの権限,特に解雇問題にかんするも    のについては拙訳ア・イ・スタフツェワ「労働組合製作所・エ場・現地委員会の権限に    かんする規則第10条の適用上の諸問題」く香川大学経済論叢>第36巻1号,98ぺ・−・汐以    下,および拙稿前掲論文の(4)第38巻4号,22ぺ・−ジ以下を参照されたし。  

仔2)0・Bh CMHpHOB:yKa3・pa60Ta,CTp=189−190   

(18)

第39巻 第1弓  

−Jβ −  

18   

以上のように.,労働法関係の要素としての労働の権利は.,必要あれば労働者   が社会団体や国家機関の強制力にたすけを求められることに.よって:法的保障を   うけており,これが労働法関係に.おいて主観的労働の権利が請求権的性格をも   つゆえんである。   

なおトスミルノフほ.主観的労働の権利を労働法関係の一・要発として:みる場合,  

これを単なる請求権すなわち,何らかの市民が国家装置のたすけをかりて義務   的主体にたいしその義務の履行を強制できる可能性であると云いきるわけにほ   いかないとしている。   

主観的権利とは単なる「■強制する可能性」より広義の概念であると説く.エス・  

(7$)  

エフ・ケチユキャンと同様,彼もそれは「権力機関を通して他人にたいし何ら   かの行為をなし,もしくは為さざるよう強制に.たよらないで他人の行為を自分  

自身で利用する可能性」でもあると述べてこいる点は主廟的権利概念の一つの把  

し7」)  

え方として注目されて−よいが,これについて:はそれ以上説明してこいない。  

5.労働の義務  

ソ連邦憲法第12粂は「ソ連邦における労働は,『働かざるもの食うべからず』  

という原則に.従い,労働能力あるすべての市民の義務であり,また名誉であ   る。ソ連邦払おいては,『各人からはその能力に応じて一冬<にほその労働に   応じて』という社会主義の原則が行われる」と規定して,労働能力をもつ全市   民に労働を義務付けている。1918年1月の第∂回全蕗ソビエト大会で採択され   闇 「若干のソビエト法学者ほ主廟的権利の定義にさいし,と.の権利の本質的なものより   

もむしろ権利の擁護とか,その保障の手段や方法といった形式的な要素を強調してい   る。エム・ぺ・カレバとア・エム・アイゼソベルグの共著「法規範と法関係」1949年の    なかでも主観的意味紅おける権利はく国家機構のたすけをかりて何らかの人が義務的人    をレてその義務の履行を強制する法規範の設定した可能性>であると定義しでいる。こ   

こでは明らかに権利と権利の擁護とが混同されている。主観的権利は,<強制する可能   

性>より広義のものであって,権力機関を通して何かをなし,またはなさざるよう他人    に強制することを求めるのでほなく,自分自身で財産を享有する可能性でも,また他人    の行為を利用する可能性でもある。主観的権利はこの<強制する可能性>を伴うけれど   

も,その本質ではない」C⑳・KetIeKZ}血:口paBOOTHOl山eHIす兄BCOI叩aJmCTHtIeCIくOM    O6叫eCTBe.H3ZL・AIくaZLeMHH rZayIくCCCPl川・,1958,CTp・58−59  

Ⅳ4)0・B・CMHpHOB:yIくa3lpa60Ta,CTp=19   

(19)

ソ連邦における労働権概念の一考察(2)   −J9−  

19  

た「勤労者および被搾取人民の権利の宣言」のなかで全国民的義務労働の実施   が宣言されて以来,憲法上のこの労働の義務という法概念はソビエトに.おける   社会主義建設の各発展段階において様々な法塾態をとり,その法的意味内容を   変容させてこきた。   

しかし,ソ連邦の現段階に.おける労働の義務の今日的意味とそ・の法的内容は   何であるのか,スミルノフほそれを次のように理解する。労働の義務ほ.市属紅   労働の権利,すなわち労働の質と鼠紅応じた賃金が保障された仕事をえる権利   を実際に・保障しないでほ実現できない。したがって−,労働の権利を現実的なも   のとして市民にあたえることがまず労働の義務を遂行する必要な前提条件とな   る。もしそうでないと,この義務は.全く形式的な意味しかもたなくなる。後   でみるように労働斡旋の法手続がとりわけ今日重視されるのはこれがためであ   る。   

本来,労働の義務と権利ほ相互\連関的なカテゴリ・−であるが,同一なもので  

(75)  

ほない。今日労働の義務は単なる道義的な概念だけではなく,また法概念でもあ   る。では.その怯的根拠は今日どこにあるのだろうか。それはソピ.エト市民が労   働の法的義務を順守しない場合には,一定の法的制裁をうけるという点である。  

1961年5月4日付のロンヤ共和国最高ソビエト幹部会令「社会的有用労働を   回避し,反社会的寄生生活を行う者に.たいする斗争の強化について」は,自己   の能力紅応じて誠実に労働するというこの重要な意法上の義務を遂行しようと   しない労働能力ある成年の市民にたいして,地区(市)人民裁判所の決定に.も   とづいて不労所得でえた財産を没収し,2年乃至5年の遠隔地へ追放し,追放   地で必ず就労する義務を科している。   

この制裁の適用対象となるものは,労働能力ある成年の市民で社会的有用労   働を回避し,土地・自動車・住宅の操作に.より不労所得をえ,または寄生生活  

を可儲とするその他の反社会的非行をおこなっているもの。また国営企業や社   U5)A・E・naHIepCTI川K:npaBOHa TpyR・M・,1951cTp・30 しかし,労働の義   

務が労働の権利をもつ全市民におよぷと考えるのは正しくない。労働の権利ほ,労働能   

力あるソビエトの全市民が例外なくもっているが,労働の法的義務ほ労働能力ある全市   

民におわされるのではなくて,疾病者や年金受給年令にたっした者にはそれがない。   

(20)

第39巻 欝1号  

20  

ー2ロー  

会施設やコルホーズなどに勤務はしているが,それ滝労働者やコルホ・−−ズ員と   しての特典を利用するためであり,労働規律を破ったり,私的企業活動紅従事   したり,不労手段でえた資金で生活したり,その他寄生的生活を可能に.す−る反   社会的非行を行っている者などもこの制裁の対象となるが,これらの見せかけ   だけの労働を行っている者にたいしては地区(市)人民裁判所の決定や企業・  

職場・組織・コルホーズなどの勤労者の集団による社会的謎責が科せられる。  

ここで社会的有用労働の定義が問題となるが,兵役とか子供の養育などのため   紅本来の労働のできぬ場合ほ,他の社会的有用労働に参加しているわけである   から法的者任をとわれないのは云うまでもない。   

次に社会的有用労働を回避して,憲法上の労働の義務に.違反した市民にたい   する制裁手続については.,有用労働への不参加という消極的事実だけで法的制   裁を科すわけにほいかないのであり,さらに反社会的な寄生的生活を営んでい   るという法事実があって■,しかも国家機関や社会機関(民警・同志裁判所・人   民自警隊そ・の他)がまず当該市民にたいして−・定期間就労して,誠実に労働す  

るよう提案してもなお本人がその筈告を無視したような場合に偲じめて制裁が  

(76)  

加えられること紅なる。   

次に,市民に.労働の義務があるといっても,決して−それは労働場所やその職   種を本人の希望や意思を無視してまセもー・方的把決定するものではなく,原則  

として今日でほ,本人がそれらを自由に選択できるわけであり,これがまた労  

働の権利の1つでもある。スミルノフはこれを労働の権利の実現に.さいしての  

(77)  

任意性め原則としている。   

第2次世界大戦中の戦時労働体制下に公布された1940年6月26日付のソ連邦   最高会議幹部会令「8時間労働日制,7時間労働過制への移行,および企業な   らびに施設からの労働者・事務職員の任意退職の禁止紅ついて」では.,任意退  

㈹lこの問題にかんする行政的捨置については,IO・B・Cy60叩甜摘:06 a且MH打HCT−   

pa柑Z)ZIZ}rXMePaX60pZ,6zJCJl叫aMH,.yZ(mOZI兄X)ⅢガMLrC兄OT O6叫eCTBe‡‡汀O r70・汀e−   

3IlOrO Tpy且a<BorrpocbIaZtMHHHCTPaTI用HOrOITpaBa tIa COBpeMeHHOM 9TaIle>   

rocIOpH3月aTり軋,1963cTp・・79−87  

仰 0・B・CMHpHOB:yIくa3lpa60Ta,CTp・91   

(21)

ソ連邦庭.おける労働権概念の一考察(2)  

−2ヱー  

21  

職や無断欠勤を刑罰でもって禁止していたが,1956年4月25日付の同幹部会令   に.よってこれが廃止された結果,不定期の労働契約をした労働者・事務職眉の   自由な希望紅よる退職の権利を娩定した労働法典第46条ほ.完全に復活するこ.と   になった。今日でほ.退職希望者は2週間前に企業管理部忙中出さえすれば自己   の希望する他企業に転職する移動の自由が確保されてし、る。目下その対策に苦  

(7ち)  

慮して−いる労働力の流動性の原因の1っほここに.あると考えられる。  

㈹ 労働力の流通性についてア・エス・パンコフとカ・ぺ・クルジンスキーは最近の共同    執筆論文のなかで次のように.のぺて−いる。「流動性が患い結果をもたらすことほ自明の    理であり,証明の必要もない。だのに経済や法律の文献でその具体的現象を<証明>し    たり,その麿果を明確にすることがますます注目されている。問題は流動性の原因を解    明し,その予防策を検討するこ.とである。このような対策のうらでも法的なそれが少な   

からざる役割をしている。したがって,要員の流動性との斗いは経済学者のみならず,   

法律家の課題でもある。最近法律家がこの間題に注目しはじめた。裁判所や故事当局も    しばしば復職の労働事件をまとめたり,労働者・事務職員の解雇の原因の解明に.努める   

ようになってせた。ロジャ共和国最高裁総会ほ1962年12月29日何の決定のなかで,不当J    解雇の原因を解明し,自己の希望による退職の動機を調査し,その総括の結果を地方の   

党・国家・労組機関に報告するよう義務づけた」なお,本論又は次のような1962年皮ラ    ービヤ共和国のサルカン・・エバイ汐.ニュ場の労働力移動表を例示して,(B・皿掴bHep:   

nocTO只HHhreIくaEphr3aBOAat40praHH3aI岬5ITpyZta「社会主義労働」誌1963年第4    号 35ぺr・汐参照)その対策を論じている。  

「上記の統計資料は,被解雇者の50%以上が25才までで占められていることを示してい   る。この資料は実務就業期間3年以内の職歴者を対象として作られている。これより判   明することは,ともかくこの種の労働者・事務職貝にたいして組織的・法的・社会的・  

道徳的措置(一足企業匿長期就業する場合の特典の設定,自己の希望による解雇の場合  

の実務就業歴の算定手続の変更,若年労働者の選んだ職務忙たいする職業愛の育成な  

ど)に主力が注がれねばならないということである。同時に.若年労働者のあらゆる解雇  

と斗うことはできない占成年労働者とくらぺて,自己の職業や職場を選択するために移  

動しやすいのは若年労働者の特性であるからだ。したがって,解雇は自分紅もっとも興  

味のある職業や自分の才能阻応じた適当な仕事を求めて行われるのゼある。もし,中等   

(22)

22    欝39巻 欝1号  

−22・−  

今日転職の自由が法制度上も大幅に認められるようになったとほいえ,ただ   例外的軋職業・技術学校を終えた若年労働者や高等・中等の常設の専門学校を   おえた若年専門家は,一億期間(前者は4年,後者は8年)各々養成学校講習   生配置委員会の指令する企業で労働の義務をおっている。しかし,この場合で  

も本人の希望が可能なかぎり考慮される。  

6.就職斡旋の問題  

すでにみてきたように,憲法上の労働の義務を市民が順守する前提条件に  ほ,労働斡旋と労働過程での労働の権利の法的保障が重要になる。労働の権利   が完全に.保障されてはじめて,労働の義務も実現されるからである。それに.ほ   何よりも先ず,適正な労働斡旋が問題となる。スミルノフはこの法関係を以下   のように説明する。   

今日ソビエト市民の労働斡旋の義務ほ.連邦構成共和国閣僚会議付属の労働力   移動および組織的募集総管理局と管理局,およびこの地方機関(勤務者代議員  

ソビエト州・地方・地区執行委員会付属の労働力移動および組織的募集課)お   よび地方ソビエト執行委員会に付属して設置される労働斡旋特別委員会がおっ  

学校で生徒の実力や希望を考慮して職業選択や職業上の能力の決定のより有効な制度が   組放されていたなら,このように多くの若年労働者の解雇は行われなかったであろう。  

したがって,移動性を減少させる条件の1つは科学的に根拠のある生徒の職業拒導をす   ることである」A・C・naエロXO8,K・n・yp光ⅡHCm摘:口paBOBb陀BOIlpdcbIO6e.  

crIetIeEIH5IyCTO如HBOCTH KaApOB<BecTm4KJIetlHtIrPa且CIくOrO yf[HBepCHTeTa>  

1965r.nol・23BuⅡyCIく・4cTp・991100  

なお,この流動性防止にかんする研究文献に.は,との他例えば次のようなものがある。  

A.ANlop瓜OBHtr: T甲yqeCTL)Pa6o那ⅨZ(a)(POBZ7rryTHeeCOZ(PaLZleHH57・ABr−  

Ope¢・KaH月、AHCC小 MHHC王く・1964Ⅰ4・Hl・Kan∬a汀:Pa60Ta npO¢coIO30B nO   coxpalqeHHFOTe一くytIeCTHKaApOBHarIPeRrZpH;[THHlNl・,npO如3ÅaT 1964HerO   光e CTaTb兄<BorIPOCbI9KOHOMHKH>1963r・nO・10 Knyp〉ⅨHHCIくH蹟:npaBOB以e  

BOllpOCもT60pZ}6btCTeIくytZeCTb氾KaL[pOB<CoBeTCKa5IH)CTHtlH兄>1963r・CeHT兄6ph.  

no.17小平pl10−12npaBOBbTeBOZ7POChI60pb6blCTeKytZeCTbrOKaZtpOB<CoBeTCKa兄   氾CでHq朋>1964r小月HBapb nO・・1cTp・12−13,1964年12月2日付「トル−・ド」紙上め  

「労働力の流動性の諸問題」なお,ソ連邦における労働力移動の防止対策史については,  

S..M.シュワルツ,松井七郎訳「ソ連の労働階級及び労働政策」上 昭30年巌松堂沓  

店刊114−−173ぺ・−汐参照のこと。   

参照

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